JP5152833B2 - 投影用ズームレンズおよび投写型表示装置 - Google Patents

投影用ズームレンズおよび投写型表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、投写型表示装置等に搭載される6群構成の投影用ズームレンズおよびその投影用ズームレンズを搭載した投写型表示装置に関し、特に、液晶表示装置やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)表示装置等のライトバルブからの映像情報を担持した光束をスクリーン上に拡大投影する投影用ズームレンズおよび投写型表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置やDMD表示装置等のライトバルブを用いた投写型表示装置が広く普及しており、特に、このライトバルブを3枚用い、RGB3原色の照明光に各々対応させるようにすることでこれら各照明光を変調し、個々のライトバルブで変調された光をプリズム等で合成し、投写レンズを介してスクリーンに画像を表示する構成をとるものが広く利用されている。
上述したライトバルブにおいては小型化・高精細化が急激に進み、また、パソコンの普及と相俟って、このような投写型表示装置を用いてプレゼンテーションを行うことの需要も増加しているため、投写型表示装置に対して、より高性能で、より小型・軽量なものへの要求が高まってきている。
すなわち、3枚のライトバルブからの各変調光を色合成光学系で合成して投写するタイプの投写型表示装置では、投写レンズの特性として色合成を行うプリズム等を配置するための長いバックフォーカスが必要となる。さらに、色合成光学系では入射光の角度によって分光特性が変化するため、投写レンズは縮小側から見た入射瞳が十分遠方に位置するという特性、すなわちテレセントリック性を持つことが必要となる。また、明るいレンズであることと、デバイスの解像度に見合った収差補正も必要とされ、さらに、フロントタイプの場合は、設置性の観点からズーム機能や広画角化も要求される。また、ライトバルブ自体の小型化、モバイル用途の需要増大、プロジェクタの低価格化等に応じて、投写レンズにも小型化、軽量化が求められる傾向にある。
このような要件を満たす投写レンズとしては、拡大側から順に負−正−正−正(または負)−正の5群構成とし、変倍時には、第2、第3および第4レンズ群を光軸方向に移動させるとともに第1レンズ群および第5レンズ群は固定とされるズーミングタイプのものが数多く知られている(例えば下記特許文献1、2参照)。
また、拡大側から順に負−正−正−正−正(または負)−正の6群構成とし、第1レンズ群と第6レンズ群は固定とされるズーミングタイプのものとしては、例えば下記特許文献3、4に記載されたものが知られている。
特開2004−138812号公報 特開2006−162734号公報 特開2006−184723号公報 特開2006−317976号公報
ところで、レンズ枚数を増加させる、あるいはズーム移動群を増加させる、といった手法で光学設計的な自由度を増加させることができれば、レンズの性能を向上させ得ることは従来より知られているところである。しかし、レンズ部品の点数増加は装置の大型化やコストの増加に直結し、レンズ系全体での硝材の厚みが増加すると分光透過率の低下を招く。分光透過率の低下は、とりわけ短波長側において顕著であり、投写レンズを通過した後の投影画像を直接調整することが困難な投写光学系では特に不利な要素となる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、広画角を達成しつつ縮小側でテレセントリック性を保つことができるとともに、諸収差、特に球面収差、軸上色収差および像面湾曲を良好に補正することができ、明るく高性能で小型化を達成し得る、安価な投影用ズームレンズおよび投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明の投影用ズームレンズは、
拡大側から順に、変倍時に固定および合焦時に移動の負の屈折力を有する第1レンズ群、変倍時および合焦時に固定の正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、1枚の正レンズのみからなる第4レンズ群、正または負の屈折力を有する第5レンズ群、および変倍時に固定の正の屈折力を有する第6レンズ群を配設してなり、
広角端から望遠端への変倍移動時において、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群および前記第5レンズ群が光軸に沿って拡大側に移動するように構成されてなり、
下記条件式(1)、(2)を共に満足することを特徴とするものである。
0.9<|f1|/fw<1.7 (1)
55<νd4 (2)
ただし、
f1 :前記第1レンズ群の焦点距離
fw :広角端でのレンズ系全体の焦点距離
νd4:前記第4レンズ群に含まれる正レンズを形成する硝材のアッベ数
また、前記第2レンズ群は、縮小側に凸面を向けた1枚の正レンズからなり、前記第3レンズ群は、拡大側に凸面を向けた1枚の正レンズからなることが好ましい。
また、前記第2レンズ群を、正レンズが1枚のみ配設されたものとし、前記第3レンズ群を、正レンズが1枚のみ配設されたものとし、前記投影用ズームレンズにおいて、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
1.7<Nav (3)
ただし、
Nav:前記第2レンズ群中および前記第3レンズ群中に各々配された正レンズを形成する硝材の、d線に対する屈折率の平均値
さらに、本発明の投写型表示装置は、光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、上述したいずれかの投影用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投影用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とするものである。
本発明の投影用ズームレンズによれば、全体を6群で構成し、パワーと変倍、収差補正機能とを適切に各群に配分したため、収差のバランスをとりながら、変倍比1.2程度、広角端でF1.6程度を達成でき、小型かつ量産適正に優れた安価な広角ズームレンズを得ることが可能である。
また、条件式(1)は、広角端における第1レンズ群のパワー配分を適切に設定するために規定されたものである。この条件式(1)の下限を下回ると第1レンズ群のパワーが強くなり過ぎるため、各レンズ群で発生する収差の補正が困難になる。一方、条件式(1)の上限を上回ると第1レンズ群のパワーが相対的に弱くなるため、全系の焦点距離を所定の範囲に維持しようとすると光学系の肥大化を招く。
したがって、条件式(1)を満足することで、収差の補正を良好なものとしつつ、光学系のコンパクト化を図ることが可能である。
次に、条件式(2)は軸上色収差を補正するために規定されたものである。この条件式(2)の下限を下回ると軸上色収差が増大し、色滲みを発生させる原因となる。
したがって、条件式(2)を満足することで、軸上色収差を減少させることができ、色滲みの発生を抑制することができる。
さらに、条件式(3)は像面湾曲を補正するための条件式である。(3)式が下限を下回るとペッツバール和が増大し、光軸から離れた領域での結像を悪化させる要因となる。
したがって、条件式(3)を満足することで、像面湾曲を良好に補正することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図3、4、5は、本発明の実施形態の1例である実施例3、4、5の投影用ズームレンズを示す。また、図1、2、6は、本発明に含まれない参考例1、2、6の投影用ズームレンズを示す。上記実施例および参考例の投影用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、各々正の屈折力を有する第2レンズ群G2〜第4レンズ群G4、負の屈折力を有する第5レンズ群G5、および正の屈折力を有する第6レンズ群G6を備え、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設される。なお、図中Xは光軸を表している。
参考例1の投影用ズームレンズの構成に関し、第1レンズ群G1は、拡大側から順に、正レンズよりなる第1レンズL1、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第2レンズL2、両凹レンズよりなる第3レンズL3からなる。また、第2レンズ群G2は、縮小側に凸面を向けた正レンズよりなる第4レンズL4のみからなる。また、第3レンズ群G3は、拡大側に凸面を向けた正レンズよりなる第5レンズL5のみからなる。また、第4レンズ群G4は、拡大側から順に、両凹レンズよりなる第6レンズL6および両凸レンズよりなる第7レンズL7からなる。また、第5レンズ群G5は、拡大側から順に、拡大側に凸面を向けたパワーの小さいレンズよりなる第8レンズL8、両凹レンズよりなる第9レンズL9および両凸レンズよりなる第10レンズL10を接合してなる2枚接合レンズ、および正レンズよりなる第11レンズL11を配列してなる。さらに、第6レンズ群G6は、正レンズよりなる第12レンズL12のみからなる。
なお、上記各レンズ群のレンズ構成は上記の構成に限られるものではなく、負レンズまたは正レンズを1枚以上増減させることが可能である。
また、上記第5レンズ群Gは、正の屈折力を有するように構成することも可能である。
上記実施例および参考例の投影用ズームレンズにおいては、上述したように、ネガティヴリード型のズームレンズとされているため、広角化を図り易く、また適正な長さのバックフォーカスを確保することが可能である。
また、上記実施例および参考例の投影用ズームレンズは、変倍時において、第3レンズ群G3〜第5レンズ群G5の3つのレンズ群を移動させることにより、ズーム機能を有する構成とされている。すなわち、レンズ系全体を6群に分け、変倍時に3つのレンズ群を独立して移動させるようにして変倍機能を各群に分割しているので、光学性能を向上させることができるとともに、変倍に伴うF値の変動を抑制することができる。
また、広角端から望遠端への変倍に際し、第3レンズ群G3〜第5レンズ群G5の3つのレンズ群は、いずれも拡大側に移動するように構成することが好ましい。上記実施例および参考例のものでは、このように構成することにより、より変倍比を大きく設定することが可能となる。
ただし、これは、上記3つのレンズ群の各々について、広角端での位置よりも望遠端での位置の方が、より拡大側に設定されていることを意味しているのであって、中間領域において一旦縮小側に移動することを排除するものではない。
ところで、第2レンズ群Gは、変倍時にも合焦時にも固定され、その作用に寄与しない。前述した特許文献1、2に記載されているような5群構成、3群移動のズームレンズを構築する場合、この第2レンズ群Gを、その後段に位置する第3レンズ群Gと結合して最適化することが考えられる。この場合、広角端においては、第2レンズ群Gに含まれるレンズは第3レンズ群Gと連動して本発明に係るズームレンズよりも縮小側に移動する。
一般的に、軸外光束の主光線は、絞りに近ければ光軸に近い。また、平行平面板と比較すると、球面レンズへの入射光の、光軸に垂直な面に対する傾斜は光軸から離れるほど大きくなるので、本発明に係るズームレンズでは、第2レンズ群Gと第3レンズ群Gを結合した場合よりも軸外光束が、より拡大側に位置する第2レンズ群Gにおいてより強い屈折を受ける。その結果、フォーカス群後部の有効径の拡大化を抑制することができ、投影用ズームレンズの軽量化の面で有利になる。
第2レンズ群Gを他のレンズ群から独立して可動し、特許文献3、4に開示されているような6群構成、4群移動のズームレンズとして構築した場合には、光学設計的な自由度が増すため収差補正上有利ではあるが、機構部品点数の増加やカム筒の大型化を招くため、低コスト化、軽量化の観点からは望ましくない。
また、上記実施例および参考例に係る投影用ズームレンズは、下記条件式(1)〜(3)を満足するように構成されている。
0.9<|f1|/fw<1.7 (1)
55<νd4 (2)
1.7<Nav (3)
ただし、
f1 :第1レンズ群G1の焦点距離
fw :広角端でのレンズ系全体の焦点距離
νd4:第4レンズ群G4に含まれる正レンズを形成する硝材のアッベ数
Nav:第2レンズ群G2中および第3レンズ群G3中に各々配された正レンズを形成する硝材の、d線に対する屈折率の平均値
ここで、上述した条件式(1)〜(3)の技術的意義について説明する。
まず、条件式(1)は、収差の補正を良好なものとしつつ、光学系のコンパクト化を図るために規定されたものである。すなわち、条件式(1)の下限を下回ると第1レンズ群のパワーが強くなり過ぎるため、各レンズ群で発生する収差の補正が困難になり、一方、その上限を上回ると第1レンズ群のパワーが相対的に弱くなるため、全系の焦点距離を所定の範囲に維持しようとすると光学系の肥大化を招く。
なお、このような趣旨から、条件式(1)に替えて下記条件式(1´)を満足することが、より好ましい。
1.0<|f1|/fw<1.6 (1´)
次に、条件式(2)は、軸上色収差を減少させ、色滲みの発生を抑制するために規定されたものである。すなわち、条件式(2)の下限を下回ると軸上色収差が増大し、色滲みを発生させる原因となる。
さらに、条件式(3)は、像面湾曲を良好に補正するために規定されたものである。すなわち、条件式(3)の下限を下回るとペッツバール和が増大し、光軸から離れた領域での結像を悪化させる要因となる。
ここで、下記実施例、および参考例の中には非球面レンズを含むものがあり(実施例4、実施例5、参考例6)、その非球面形状は下記非球面式により表わされる。
Figure 0005152833
次に、上述した投影用ズームレンズを搭載した投写型表示装置の一例を図13により説明する。図13に示す投写型表示装置は、ライトバルブとして透過型液晶パネル11a〜cを備え、投影用ズームレンズ10として上述した実施形態に係る投影用ズームレンズを用いている。また、光源20とダイクロイックミラー12の間には、フライアイ等のインテグレータ(図示を省略)が配されており、光源20からの白色光は照明光学部を介して、3つの色光光束(G光、B光、R光)にそれぞれ対応する液晶パネル11a〜cに入射されて光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により、色合成され投影用ズームレンズ10により図示されないスクリーン上に投映される。この装置は、色分解のためのダイクロイックミラー12、13、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14、コンデンサレンズ16a〜c、全反射ミラー18a〜cを備えている。本実施形態の投写型表示装置は、本実施形態に係る投影用ズームレンズを用いているので、広角、かつ投写画像の画質が良好であり、明るくコンパクトな投写型表示装置とすることができる。
なお、本発明の投影用ズームレンズは透過型の液晶表示パネルを用いた投写型表示装置の投影用ズームレンズとしての使用態様に限られるものではなく、反射型の液晶表示パネルあるいはDMD等の他の光変調手段を用いた装置の投影用ズームレンズ等として用いることも可能である。
以下、具体的な実施例3、4、5を用いて、本発明の投影用ズームレンズをさらに説明する。なお、以下、具体的な参考例1,2,6についても説明するが、それらは本発明に含まれるものではない。
参考例1
この参考例1にかかる投影用ズームレンズは、前述したように図1に示す如き構成とされている。すなわちこの投影用ズームレンズは、第1レンズ群G1が、拡大側から順に、両凸レンズよりなる第1レンズL1、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第2レンズL2および両凹レンズよりなる第3レンズL3からなる。また、第2レンズ群G2は、縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる第4レンズL4のみからなる。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズよりなる第5レンズL5のみからなる。また、第4レンズ群G4は、拡大側から順に、両凹レンズよりなる第6レンズL6および両凸レンズよりなる第7レンズL7からなる。また、第5レンズ群G5は、拡大側から順に、拡大側に凸面を向けたパワーの小さいレンズよりなる第8レンズL8、両凹レンズよりなる第9レンズL9および両凸レンズよりなる第10レンズL10を接合してなる接合レンズ、および両凸レンズよりなる第11レンズL11を配列してなる。さらに、第6レンズ群G6は、両凸レンズよりなる第12レンズL12のみからなる。
なお、本実施例、および参考例においては、第5レンズ群G5が負の屈折力を有するように構成されている。
この参考例1における各レンズ面の曲率半径R(レンズ全系の焦点距離を1mmとして規格化されている;以下の各表において同じ)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(上記曲率半径Rと同様に規格化されている;以下の各表において同じ)、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表1に示す。なお、この表1および後述する表2〜6において、各記号R、D、Nd、νdに対応させた数字は拡大側から順次増加するようになっている。
図1にはマスクが示されていないが、配設されていても良く、またマスクは開口絞りであっても良い。
Figure 0005152833
また、表7に参考例1における上記各条件式に対応する数値を示す。
図7は参考例1の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。なお、図7および以下の図8〜12において、各球面収差図には波長が、460.0nm、546.07nm、615.0nmの光に対する収差が示されており、各非点収差図にはサジタル像面およびタンジェンシャル像面に対する収差が示されており、各倍率色収差図には波長546.07nmの光に対する460.0nmおよび615.0nmの収差が示されている。
この図7から明らかなように、参考例1の投影用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが57.4度と広角で、各収差は良好に補正されている。
また、表7に示すように参考例1の投影用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)、(3)が満足されている。
参考例2
参考例2に係る投影用ズームレンズの概略構成を図2に示す。この参考例2にかかる投影用ズームレンズは、参考例1のものと略同様の構成とされており、第5レンズ群G5も負の屈折力を有するように構成されている。
この参考例2における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表2に示す。
Figure 0005152833
また、表7に参考例2における上記各条件式に対応する数値を示す。
図8は参考例2の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図8から明らかなように、参考例2の投影用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが57.4度と広角で、各収差は良好に補正されている。
また、表7に示すように参考例2の投影用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)、(3)が満足されている。
<実施例3>
実施例3に係る投影用ズームレンズの概略構成を図3に示す。この実施例3にかかる投影用ズームレンズは、参考例1のものとは略同様の構成とされており、第5レンズ群G5も負の屈折力を有するように構成されているが、参考例1とは、主として、第4レンズ群G4が、正レンズよりなる第6レンズL6のみからなる点、において相違している。
なお、参考例1のものとはレンズ枚数が相違しているので、その相違に応じて所定のレンズ番号が順次ずらされるように設定されている。
この実施例3における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表3に示す。
Figure 0005152833
また、表7に実施例3における上記各条件式に対応する数値を示す。
図9は上記実施例3の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図9から明らかなように、実施例3の投影用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが57.2度と広角で、各収差は良好に補正されている。
また、表7に示すように実施例3の投影用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)、(3)が満足されている。
<実施例4>
実施例4に係る投影用ズームレンズの概略構成を図4に示す。この実施例4にかかる投影用ズームレンズは、参考例1のものとは略同様の構成とされているが、主として、第1レンズ群G1における第2レンズL2の縮小側に、非球面形成用の薄い樹脂レンズからなる第3レンズL3が付設されている点、第4レンズ群G4が、正レンズよりなる第6レンズL6のみからなる点、および第5レンズ群G5が正の屈折力を有するように構成されている点、において相違している。
なお、参考例1のものとはレンズ枚数が相違しているので、その相違に応じて所定のレンズ番号が順次ずらされるように設定されている。
この実施例4における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表4に示す。
また、第5面(第3レンズLの縮小側の面)は非球面とされており、表4の下段に、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16の各値を示す。
Figure 0005152833
また、表7に実施例4における上記各条件式に対応する数値を示す。
図10は実施例4の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図10から明らかなように、実施例4の投影用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが57.4度と広角で、各収差は良好に補正されている。
また、表5に示すように実施例4の投影用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)、(3)が満足されている。
<実施例5>
実施例5に係る投影用ズームレンズの概略構成を図5に示す。この実施例5にかかる投影用ズームレンズは、参考例1のものとは略同様の構成とされており、第5レンズ群G5も負の屈折力を有するように構成されているが、主として、第1レンズ群G1が、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第1レンズL1と、近軸領域において両凹の非球面レンズよりなる第2レンズL2からなる点、および第4レンズ群G4が、正レンズよりなる第5レンズL5のみからなる点、において相違している。
なお、参考例1のものとはレンズ枚数が相違しているので、その相違に応じて所定のレンズ番号が順次ずらされるように設定されている。
また、この実施例5における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表5に示す。
また、第3面(第2レンズLの拡大側の面)および第4面(第2レンズLの縮小側の面)は非球面とされており、表5の下段に、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16の各値を示す。
Figure 0005152833
また、表7に実施例5における上記各条件式に対応する数値を示す。
図11は実施例5の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図11から明らかなように、実施例5の投影用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが57.4度と広角で、各収差は良好に補正されている。
また、表5に示すように実施例5の投影用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)、(3)が満足されている。
参考例6
参考例6に係る投影用ズームレンズの概略構成を図6に示す。この参考例6にかかる投影用ズームレンズは、参考例1のものとは略同様の構成とされているが、主として、第1レンズ群G1が、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第1レンズL1と、近軸領域において両凹の非球面レンズよりなる第2レンズL2からなる点、第3レンズ群G3を構成する正レンズL4が、拡大側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる点、および第5レンズ群G5が正の屈折力を有するように構成されている点、において相違している。
なお、参考例1のものとはレンズ枚数が相違しているので、その相違に応じて所定のレンズ番号が順次ずらされるように設定されている。
この参考例6における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表6に示す。
また、第3面(第2レンズLの拡大側の面)および第4面(第2レンズLの縮小側の面)は非球面とされており、表5の下段に、これら各非球面について、上記非球面式の各定数K、A、A、A、A、A、A、A、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16の各値を示す。
Figure 0005152833
また、表7に参考例6における上記各条件式に対応する数値を示す。
図12は参考例6の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図12から明らかなように、参考例6の投影用ズームレンズによれば、広角端での画角2ωが57.4度と広角で、各収差は良好に補正されている。
また、表7に示すように参考例6の投影用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)、(3)が満足されている。
Figure 0005152833
本発明の参考例1に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図 本発明の参考例2に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図 本発明の実施例3に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図 本発明の実施例4に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図 本発明の実施例5に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図 本発明の参考例6に係る投影用ズームレンズの構成を示す概略図 参考例1の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 参考例2の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 実施例3の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 実施例4の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 実施例5の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 参考例6の投影用ズームレンズの諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図 本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図
符号の説明
〜G レンズ群
〜L12 レンズ
〜R25 レンズ面等の曲率半径
〜D24 レンズ面間隔(レンズ厚)
X 光軸
1 画像表示面
2 ガラスブロック(フィルタ部を含む)
10 投影用ズームレンズ
11a〜c 透過型液晶パネル
12、13 ダイクロイックミラー
14 クロスダイクロイックプリズム
16a〜c コンデンサレンズ
18a〜c 全反射ミラー
20 光源

Claims (4)

  1. 拡大側から順に、変倍時に固定および合焦時に移動の負の屈折力を有する第1レンズ群、変倍時および合焦時に固定の正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、1枚の正レンズのみからなる第4レンズ群、正または負の屈折力を有する第5レンズ群、および変倍時に固定の正の屈折力を有する第6レンズ群を配設してなり、
    広角端から望遠端への変倍移動時において、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群および前記第5レンズ群が光軸に沿って拡大側に移動するように構成されてなり、
    下記条件式(1)、(2)を共に満足することを特徴とする投影用ズームレンズ。
    0.9<|f1|/fw<1.7 (1)
    55<νd4 (2)
    ただし、
    f1 :前記第1レンズ群の焦点距離
    fw :広角端でのレンズ系全体の焦点距離
    νd4:前記第4レンズ群に含まれる正レンズを形成する硝材のアッベ数
  2. 前記第2レンズ群は、縮小側に凸面を向けた1枚の正レンズからなり、前記第3レンズ群は、拡大側に凸面を向けた1枚の正レンズからなることを特徴とする請求項1記載の投影用ズームレンズ。
  3. 前記第2レンズ群が正レンズを1枚のみ有するものであり、
    前記第3レンズ群が正レンズを1枚のみ有するものであり、
    下記条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の投影用ズームレンズ。
    1.7<Nav (3)
    ただし、
    Nav:前記第2レンズ群中および前記第3レンズ群中に各々配された正レンズを形成する硝材の、d線に対する屈折率の平均値
  4. 光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、請求項1〜のうちいずれか1項記載の投影用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投影用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とする投写型表示装置。
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