JP2006184723A - ズームレンズおよび光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 倍率色収差を効率良く軽減することのできるズームレンズを提供する。
【解決手段】 拡大側より順に、負の光学的パワーを有する第1レンズユニット(L1)と、正の光学的パワーを有する第2レンズユニット(L2)と、正の光学的パワーを有する第3レンズユニット(L3)と、正の光学的パワーを有する第4レンズユニット(L4)と、第5レンズユニット(L5)と、正の光学的パワーを有する第6レンズユニット(L6)とを有する。広角端における全系の焦点距離をfw、前記第3レンズユニットの焦点距離をf3とするとき、以下の条件を満足する。
0<f3/fw<2.5
【選択図】 図1
【解決手段】 拡大側より順に、負の光学的パワーを有する第1レンズユニット(L1)と、正の光学的パワーを有する第2レンズユニット(L2)と、正の光学的パワーを有する第3レンズユニット(L3)と、正の光学的パワーを有する第4レンズユニット(L4)と、第5レンズユニット(L5)と、正の光学的パワーを有する第6レンズユニット(L6)とを有する。広角端における全系の焦点距離をfw、前記第3レンズユニットの焦点距離をf3とするとき、以下の条件を満足する。
0<f3/fw<2.5
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像投射装置や撮像装置などの光学機器に用いられるズームレンズに関するものである。
従来、液晶表示素子等の表示素子を用い、この表示素子上に形成された画像(原画)をスクリーン面に投射する液晶プロジェクタが種々提案されている。液晶プロジェクタはパソコン等から出力された画像を大画面に投射して見ることができる装置として、会議及びプレゼンテーション等に広く利用されている。
近年、液晶プロジェクタに関しては、以下に挙げる事項が要望されている。
1)R,G,B用の3枚の液晶表示素子を用いた3板方式のプロジェクタでは、液晶表示素子を透過した後の色光を合成する色合成手段としてのダイクロイックプリズム及び偏光板等の光学素子を配置するスペースを、液晶表示素子と投射レンズとの間に設けなければならず、一定長のバックフォーカスが必要になる。
2)色合成手段における色合成膜の角度依存(色合成膜に対する色光の入射角度)の影響を極小にするため、また照明系との良好な瞳整合性を確保するために、液晶表示素子側の瞳が無限遠方にある、テレセントリック光学系である必要がある。
3)3枚の液晶表示素子からの色光を合成してスクリーン上に投影した場合において、文字等が二重に見えたりすると解像感及び品位が損なわれるので、これを防止するために各色の画素を画面の全範囲にて良好に重ね合わせることが必要となる。そのため、投射レンズにて発生する色ずれ(倍率色収差)を可視光全域にて良好に補正する必要がある。
4)投影された画像における輪郭部が歪んで見苦しくならないように、歪曲収差を良好に補正する必要がある。
5)画面の高輝度・画像の高精彩化といったニーズの一方で、小型パネル搭載のプロジェクタでは機動性を重視すべく装置の小型・軽量化が望まれている。
6)小型のプロジェクタの使用環境を考慮して、より短い投射距離で大画面の投影が実現できること。
一方、液晶プロジェクタ用の投射レンズとして用いられるズームレンズが種々提案されている。ここで、負の光学的パワーのレンズユニットが先行する(最も拡大側に位置する)ネガティブリード型のズームレンズは、変倍時のレンズ移動量が増大すること、高変倍化が難しいこと、倍率色収差の変動が大きいことなどの欠点を有している。一方、比較的広画角化が容易で、かつ短い投射距離での性能が維持できる等の利点を有しているため、液晶プロジェクタに多用されている。
例えば、拡大側より順に、負、正、正、正、負、正の光学的パワーを有する6つのレンズユニットより構成され、所定のレンズユニットを適切に移動させて変倍を行うズームレンズがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に開示されているズームレンズでは、第1及び第6レンズユニットを固定とし、広角端から望遠端への変倍に際して第2〜第5レンズユニットを移動させることにより、ズームレンズの全長を一定に保ち、広画角かつ大口径であり、またテレセントリック性を確保している。
特開2001−350096号公報(段落番号0045〜0051、図1等)
特開2004−70306号公報(段落番号0014〜0021、図1等)
液晶表示素子上の表示画像をスクリーンに拡大投射する投射レンズ(ズームレンズ)においては、大口径かつ広角化を達成しながらも小型化および軽量化が可能なレンズ系が要望されている。また、近年では、より鮮明な画像を得るべく液晶表示素子の高画素化が望まれ、これに応じて投射レンズに対しても、高精細化かつ倍率色収差の軽減が要望されている。
しかしながら、投射レンズにおいて大口径かつ広角化、更には高精細化を達成しようとすると、一般的には収差補正が難しくなってしまう。しかも、投射レンズが大型化したり、投射レンズを構成するレンズユニットの枚数が増加して分光透過率が低下したりしてしまう。
特許文献1のズームレンズの構成では、大口径かつ広画角化を達成できるが、変倍時に移動する4つのレンズユニットの移動方向が異なるため、ズームレンズが大型化してしまう。また、第2レンズユニットから第5レンズユニットまでの全てのレンズユニットにおいて、変倍と倍率色収差の補正を同時に行っているため、倍率色収差の変動が大きくなる傾向にある。
したがって、従来のズームレンズを用いて、より画素数の細かい表示画像(例えば、SXGA)を投射する場合には、解像力の向上および倍率色収差の抑制の点で問題が残る。
本発明の1つの目的は、変倍による倍率色収差の変動を抑制することのできるズームレンズを提供することにある。
本発明のズームレンズは、拡大側より順に、負の光学的パワーを有する第1レンズユニットと、正の光学的パワーを有する第2レンズユニットと、正の光学的パワーを有する第3レンズユニットと、正の光学的パワーを有する第4レンズユニットと、正又は負の光学的パワーを有する第5レンズユニットと、正の光学的パワーを有する第6レンズユニットとを備えている。
ここで、広角端における全系の焦点距離をfw、前記第3レンズユニットの焦点距離をf3とするとき、
0<f3/fw<2.5
なる条件を満足する。
0<f3/fw<2.5
なる条件を満足する。
本発明のズームレンズによれば、小型化が可能であるとともに、優れた光学性能を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例1であるズームレンズを用いた画像投射装置(液晶プロジェクタ)における要部断面図であり、図1(A)は広角端、図1(B)は望遠端を示す。図2および図3はそれぞれ、物体距離が2.1mである場合における、実施例1のズームレンズの広角端および望遠端での各種収差図である。また、図4および図5はそれぞれ、実施例1のズームレンズにおいて、広角端および望遠端での倍率色収差を示す図である。
図6は、本発明の実施例2であるズームレンズを用いた画像投射装置(液晶プロジェクタ)における要部断面図であり、図6(A)は広角端、図6(B)は望遠端を示す。図7および図8はそれぞれ、物体距離が2.1mである場合における、実施例2のズームレンズの広角端および望遠端での各種収差図である。また、図9および図10はそれぞれ、実施例2のズームレンズにおいて、広角端および望遠端での倍率色収差を示す図である。
図11は、本発明の実施例3であるズームレンズを用いた画像投射装置(液晶プロジェクタ)における要部断面図であり、図11(A)は広角端、図11(B)は望遠端を示す。図12および図13はそれぞれ、物体距離が2.1mである場合における、実施例3のズームレンズの広角端および望遠端での収差図である。また、図14および図15はそれぞれ、実施例3のズームレンズにおいて、広角端および望遠端での倍率色収差を示す図である。
以下、上述した実施例1〜3のズームレンズの構成について具体的に説明する。ここで、図1、図6および図11に示すように、各実施例のズームレンズを構成するレンズユニットの構成は多少異なっているが、同じ光学作用(光学的パワー)を持つレンズユニットに対しては同一符号を用いている。
図1、図6および図11では、画像形成素子に形成された原画を、ズームレンズPLを用いてスクリーン面(不図示)に拡大投射している状態を示している。
図1、図6および図11において、L1は負の光学的パワーを有する第1レンズユニットである。ここで、光学的パワーは、レンズユニットの焦点距離の逆数に相当する。
L2は正の光学的パワーを有する第2レンズユニット、L3は正の光学的パワーを有する第3レンズユニット、L4は正の光学的パワーを有する第4レンズユニット、L5は負の光学的パワー(又は正の光学的パワー)を有する第5レンズユニット、L6は正の光学的パワーを有する第6レンズユニットである。
LCDは、液晶パネル等の画像形成素子における原画像の表示面を示す。スクリーン面(不図示)と表示面LCDとは共役関係にある。一般に、拡大側であって、距離の長い方の共役点(第1共役点)がスクリーン面に相当し、縮小側であって、距離の短い方の共役点(第2共役点)が表示面LCDに相当する。
GBは、色合成プリズムや偏光フィルター、カラーフィルター等のガラスブロックである。STOは、光量を調節する開口絞りである。
ズームレンズPLは、接続部材(不図示)を介して画像投射装置の本体に装着されている。ガラスブロックGBおよび画像形成素子は、画像投射装置の本体内に設けられている。
各実施例において、第2レンズユニットL2、第3レンズユニットL3、第4レンズユニットL4および第5レンズユニットL5はそれぞれ、広角端から望遠端への変倍動作に応じて、図中の矢印で示すように第1共役点側(スクリーン側、拡大側)に移動する。
また、広角端および望遠端間での変倍動作において、第1レンズユニットL1および第6レンズユニットL6は固定である。さらに、第1レンズユニットL1を光軸方向に移動させることで、フォーカシングが行われる。
各レンズユニットの表面には、スクリーン上での照度分布を均一にするために、多層コートが施されている。
各実施例のズームレンズでは、負の光学的パワーのレンズユニットを最も拡大側に配置したネガティブリード型を採用している。これにより、広画角化および長いバックフォーカスを確保できる。
各実施例のズームレンズを構成する6つのレンズユニットのうち4つのレンズユニットL2〜L5を変倍動作に応じて移動させることで、変倍時の収差変動を抑制したり、コンパクトな光学系を実現したりすることができる。
また、第1レンズユニットL1および第6レンズユニットL6を、変倍動作の間、縮小共役面に対して固定とすることで、変倍動作に拘わらずズームレンズの全長を一定に保つことができる。これにより、本実施例のズームレンズを画像投射装置における投射光学系として用いることができる。
また、他のレンズユニットに比べて有効レンズ径の大きな第1レンズユニットL1を変倍時に固定とすることで、変倍動作に伴うズームレンズの重量バランスの変化を軽減でき、各レンズユニットを駆動する駆動機構においてスムーズな駆動を行わせることができる。
開口絞りSTOは、第4レンズユニットL4に対して一体的に設けられている。これにより、開口絞りSTOを移動させるためのカム溝部等を形成する必要がないため、ズームレンズの駆動機構の構成を簡素化することができる。
本実施例では、開口絞りSTOを第4レンズユニットL4に取り付けているが、変倍動作の際に光軸方向に移動する他のレンズユニットL2、L3、L5に取り付けてもよい。また、レンズユニットが複数のレンズエレメントで構成されている場合には、レンズエレメントの間に開口絞りSTOを配置してもよいし、このレンズユニットに対して拡大側(スクリーン側)又は縮小側(画像表示素子側)に配置してもよい。
ここで、実施例1〜3では、開口絞りSTOが第4レンズユニットL4のうち拡大側の面に設けられている。
図1等に示すように、広角端から望遠端への変倍動作において、第3レンズユニットL3は、第2レンズユニットL2等に比べて縮小側から拡大側に大きく移動しており、変倍動作での主たる役割を担っている。
ここで、第3レンズユニットL3の焦点距離をf3とし、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、下記の条件式(1)を満たしている。
0<f3/fw<2.5 ・・・・(1)
条件式(1)は第3レンズユニットL3の光学的パワーを適切にするものである。すなわち、条件式(1)の上限値を超えると、所望の変倍比を得るために第2レンズユニットL2または第4レンズユニットL4の移動量を本実施例に比べて大きくしなければならない。この場合には、ズームレンズが大型化する等の理由により適切でない。
条件式(1)は第3レンズユニットL3の光学的パワーを適切にするものである。すなわち、条件式(1)の上限値を超えると、所望の変倍比を得るために第2レンズユニットL2または第4レンズユニットL4の移動量を本実施例に比べて大きくしなければならない。この場合には、ズームレンズが大型化する等の理由により適切でない。
また、条件式(1)の下限値は、第3レンズユニットL3が正の光学的パワーを持つための条件である。
また、更にズームレンズの小型化等を図るためには、条件式(1)の数値範囲を以下のように設定するのが良い。
1.4<f3/fw<2.2 ・・・(1a)
変倍動作に用いられるレンズユニットL2〜L5のうち少なくとも2つのレンズユニットは貼り合せレンズを含んでいる。このように構成することで、変倍時における倍率色収差の変動を抑制することができる。
変倍動作に用いられるレンズユニットL2〜L5のうち少なくとも2つのレンズユニットは貼り合せレンズを含んでいる。このように構成することで、変倍時における倍率色収差の変動を抑制することができる。
図1および図6に示す構成では、第2レンズユニットL2および第4レンズユニットL4が貼り合せレンズで構成されており、第5レンズユニットL5が貼り合せレンズを含んでいる。また、図11に示す構成では、第2レンズユニットL2が貼り合せレンズで構成されており、第5レンズユニットL5が貼り合せレンズを含んでいる。
また、上述した貼り合せレンズを含むレンズユニットのうち、いずれか1つのレンズユニットの焦点距離をfh、広角端での全系の焦点距離をfwとしたとき、以下の条件式(2)を満足する。
2.5<fh/fw<5 ・・・・(2)
条件式(2)は、変倍時における倍率色収差の変動を極力抑制させるための条件である。条件式(2)の下限値よりも小さい場合には、貼り合せレンズを含むレンズユニットの光学的パワーが大きくなり、変倍時における倍率色収差の変動が大きくなるため好ましくない。
条件式(2)は、変倍時における倍率色収差の変動を極力抑制させるための条件である。条件式(2)の下限値よりも小さい場合には、貼り合せレンズを含むレンズユニットの光学的パワーが大きくなり、変倍時における倍率色収差の変動が大きくなるため好ましくない。
また、条件式(2)の上限値を超える場合には、貼り合わせレンズを含むレンズユニットの変倍に際する移動量が大きくなり、小型化に不利になるため、好ましくない。
また、倍率色収差の変動を更に抑制するためには、条件式(2)の数値範囲を以下のように設定するのが良い。
2.5<fh/fw<3.5 ・・・(2a)
さらに、第1レンズユニットL1を構成する全てのレンズエレメントのうち負レンズエレメントにおけるアッベ数の最小値をνminとしたとき、以下の条件式(3)を満足する。
さらに、第1レンズユニットL1を構成する全てのレンズエレメントのうち負レンズエレメントにおけるアッベ数の最小値をνminとしたとき、以下の条件式(3)を満足する。
50<νmin<100 ・・・(3)
ここで、さらに好ましくは、
55<νmin<75 ・・・(3a)
を満足することが望ましい。
ここで、さらに好ましくは、
55<νmin<75 ・・・(3a)
を満足することが望ましい。
全系を構成するレンズユニットの光学的パワーをφj、アッベ数をνj、軸上光線の瞳最周辺を通る光線の光軸からの高さをhj、軸外光線の中心光(主光線)の光軸からの高さをh’jとしたとき、倍率色収差に比例する収差係数Tは、下記式(4)で表される。
広画角化を図るためには、第1レンズユニットL1に強い負の光学的パワーを持たせる必要がある。この場合には、第1レンズユニットL1を構成する負レンズエレメントの光学的パワーが強くなる。また、第1レンズユニットL1は、軸外主光線高さh’jが大きくなるため、上記式(4)における収差係数Tを小さくして倍率色収差を抑えるためには、条件式(3)のように負レンズエレメントのアッベ数を極力大きくすることが好ましい。
また、拡大側の投影距離の変化に応じたフォーカス動作は、第1レンズユニットL1を光軸方向に移動させることによって行っている。これにより、ズームレンズの構成を最も簡単な構成とすることができる。
各実施例では、上述した条件式に基づいて光学設計を行うことで、倍率色収差を軽減できる。すなわち、第2レンズユニットL2〜第5レンズユニットL5を、主に変倍動作に用いるレンズユニットと、主に倍率色収差の補正を行うレンズユニットとに役割を分けることにより、変倍による倍率色収差の変動を軽減させることができる。
しかも、ズームレンズの全長を抑えることができるとともに、良好な光学性能、すなわち、全変倍領域においてテレセントリック条件を維持できる。
次に、上述した各実施例の特徴について説明する。
まず、図1に示す実施例1の構成では、第5レンズユニットL5が弱い負の光学的パワーを持っており、第1レンズユニットL1から第6レンズユニットL6のそれぞれに、負正正正負正の光学的パワーを持たせている。
第1レンズユニットL1は、拡大側(図1の左側)より順に、凸凹凹凹凸の5枚のレンズエレメントで構成されている。軸外光線の高さが最も大きい位置に正レンズエレメントを配置することで、強いパワーを持つ負レンズエレメントで発生した歪曲を効果的に補整している。
第3レンズユニットL3は、両レンズ面が凸面で形成された1枚の正レンズエレメントで構成されており、上述したように変倍動作での主たる役割を有している。第3レンズユニットL3は、全変倍領域のうち倍率がほぼ等倍率近傍の領域内で使用している。
第2レンズユニットL2および第4レンズユニットL4はそれぞれ、正レンズエレメントと負レンズエレメントとを貼り合せた貼り合せレンズで構成されている。これらのレンズユニットL2、L4は、光学的パワーが小さく、変倍に対する影響度は小さい。これらのレンズユニットL2、L4は、主に変倍時に変動する倍率色収差を効果的に抑えている。
第5レンズユニットL5は、拡大側より順に凹凹凸凸の4枚のレンズエレメントで構成されており、2枚目および3枚目のレンズエレメントが貼り合せられた貼り合せレンズを含んでいる。
軸外光線が最も小さくなる位置に強い負の光学的パワーを持つレンズエレメントを配置することによって、効率良くペッツバール和を小さく抑えている。ここで、大口径かつ、高い空間周波数で高いレスポンスが要求されると焦点深度が浅くなり、中間像高等での像面湾曲や非点収差が発生し、解像感が劣化する。これを抑制するには、ペッツバール和が小さく保たれていることが重要であり、実施例1では、上述したようにペッツバール和が小さくなるように構成している。
また、第5レンズユニットL5を構成する2枚の正レンズエレメントは、他の負レンズエレメントで跳ね上げられた光線を緩やかに屈曲させて良好なテレセントリック性能を保つ役割を果たしている。ここで、第5レンズユニットL5のガラス材としては、ペッツバール和を小さくする意味において、より高い屈折率を有する材料を用いることが好ましい。
第6レンズユニットL6は、縮小倍率で作用し、第1〜第5レンズユニットL1〜L5での合成された屈折力を弱める働きをしている。
次に、図6に示す実施例2および図11に示す実施例3の構成について説明する。具体的には、実施例1における構成又は機能の異なる部分について説明する。
実施例2において、第5レンズユニットL5は正の弱い光学的パワーを持っており、拡大側から順に負正正正正正の5枚のレンズエレメントで構成されている。実施例2における各レンズユニットL1〜L6の機能は、実施例1と同様である。
実施例3において、第4レンズユニットL4は弱い正の光学的パワーを有する1枚のレンズエレメントで構成されており、倍率色収差の補整効果が弱くなった代わりに、変倍時のペッツバール和の変動を抑えている。
以下に実施例1〜3のズームレンズに各々対応する数値実施例1〜3の数値データを、表1〜表3に示す。各数値実施例において、iは拡大側からの光学面の順序を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは第i面と第(i+1)面との間隔、Niとνiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の光学的パワー、アッベ数を示す。fは焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角である。
また、上述した条件式(1)〜(3)と、数値実施例1〜3における諸数値との関係を表4に示す。なお、表4において、f1〜f6はそれぞれ、各レンズユニットL1〜L6の焦点距離を示す。ここで、正の光学的パワーを有するレンズユニット(L1、L5を除く)のうち第3レンズユニットL3の焦点距離f3が、最も小さくなっている。
次に、実施例1〜3のズームレンズを備えた画像投射装置(光学機器)および撮像装置(光学機器)の構成について、図16および図17を用いて説明する。なお、画像投射装置に適用した場合には拡大側がスクリーン側となり、撮像装置に適用した場合には拡大側が物体側となる。
図16において、画像投射装置の本体1内には、R、G、B用の液晶表示素子5R、5G、5Bが配置されており、各液晶表示素子5R、5G、5Bを透過した色光は、色合成部材としてのダイクロイックプリズム2で合成される。そして、合成された光は、投射レンズ(ズームレンズ)3を介してスクリーン4に投射される。これにより、液晶表示素子5R、5G、5B上に形成された画像が、スクリーン4に拡大された状態で投影される。
図17において、撮像装置の本体8内には、光学像を光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子7が配置されている。被写体9からの光束は、ズームレンズ6を介して撮像素子7の撮像面上で結像する。
撮像素子7から読み出された信号は、所定の処理(色処理やガンマ補正)が施されることで画像データに変換され、この画像データは本体8に設けられた表示部に表示されたり、記録媒体に記録されたりする。
図17に示す構成では、レンズ一体型の撮像装置について説明したが、撮像装置と、該撮像装置に装着されるレンズ装置(光学機器)とを有する撮像システムについても適用することができる。
L1:第1レンズユニット
L2:第2レンズユニット
L3:第3レンズユニット
L4:第4レンズユニット
L5:第5レンズユニット
L6:第6レンズユニット
L2:第2レンズユニット
L3:第3レンズユニット
L4:第4レンズユニット
L5:第5レンズユニット
L6:第6レンズユニット
Claims (11)
- 拡大側より順に、
負の光学的パワーを有する第1レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第2レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第3レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第4レンズユニットと、
第5レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第6レンズユニットとを備え、
広角端における全系の焦点距離をfw、前記第3レンズユニットの焦点距離をf3とするとき、
0<f3/fw<2.5
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 拡大側より順に、
負の光学的パワーを有する第1レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第2レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第3レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第4レンズユニットと、
第5レンズユニットと、
正の光学的パワーを有する第6レンズユニットとを備え、
前記第5レンズユニットは広角端から望遠端への変倍動作に応じて拡大側へ移動し、前記第1レンズユニットは負レンズエレメントを含み、
前記負レンズエレメントのアッベ数の最小値をνminとしたとき、
50<νmin<100
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 前記第3レンズユニットは、1枚のレンズエレメントで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
- 正の光学的パワーを有するレンズユニットのうち最も焦点距離の小さいレンズユニットは、1枚のレンズエレメントで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
- 前記第2、第3、第4および第5レンズユニットのうち少なくとも2つのレンズユニットは、貼り合せレンズを含むことを特徴とする請求項1から4いずれか1つに記載のズームレンズ。
- 前記貼り合せレンズを含むレンズユニットのうち1つのレンズユニットの焦点距離をfhとしたとき、
2.5<fh/fw<5
なる条件を満足することを特徴とする請求項5に記載のズームレンズ。 - 前記第1および第6レンズユニットは、変倍動作の間、固定されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1つに記載のズームレンズ。
- 前記第2、第3、第4および第5レンズユニットはそれぞれ、広角端から望遠端への変倍動作に応じて拡大側へ移動することを特徴とする請求項1から7いずれか1つに記載のズームレンズ。
- 光量を調節する光量調節ユニットを有し、
前記光量調節ユニットは、変倍動作に応じて前記第4レンズユニットとともに移動することを特徴とする請求項1から8いずれか1つに記載のズームレンズ。 - 前記第1レンズユニットを光軸方向に移動させてフォーカシングを行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載のズームレンズ。
- 請求項1から10のいずれか1つに記載のズームレンズを備えたことを特徴とする光学機器。
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