JP5624375B2 - 熱転写受像シート用樹脂 - Google Patents
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Description
特許文献2には、染着性、耐光性及び離型性の改善を目的として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物を50モル%以上含有するアルコール成分と、脂肪族カルボン酸及び/又は脂環式カルボン酸を総量で80モル%以上含有する酸成分とから得られるポリエステルA、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物を80モル%以上含有するアルコール成分と、3価以上の芳香族多価カルボン酸を10〜35モル%含有する酸成分とから得られるポリエステルBを含む熱転写受像シート用ポリエステルを用いた熱転写受像シートが開示されている。
本発明は、染着性、離型性及び耐光性に優れた熱転写受像シートを提供しうる熱転写受像シート用樹脂、及び当該樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート、並びに前記熱転写受像シート用樹脂の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[3]を提供する。
[1]ポリエステル樹脂からなる主鎖セグメント(A1)及び付加重合系樹脂からなる側鎖セグメント(A2)から構成されるグラフトポリマーを含有する熱転写受像シート用樹脂であって、セグメント(A1)が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合して得られ、セグメント(A2)が、芳香族基を有する付加重合性モノマーを由来とする構成単位を70重量%以上含有する、熱転写受像シート用樹脂。
[2]上記[1]の熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
[3]工程(1):2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上と不飽和脂肪族カルボン酸及び/又は不飽和脂環式カルボン酸を含むカルボン酸成分とを縮重合して、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂(a1)を調製し、該ポリエステル樹脂(a1)を水性媒体と混合して、前記ポリエステル樹脂(a1)の水性分散液を得る工程、及び
工程(2):工程(1)で得られた水性分散液に、芳香族基を有する付加重合性モノマーを70重量%以上含有する付加重合性モノマー(a2)を添加し重合して、グラフトポリマーの水性分散液を得る工程
を含む、熱転写受像シート用樹脂の製造方法。
本発明の熱転写受像シート用樹脂は、ポリエステル樹脂からなる主鎖セグメント(A1)(以下、単に「セグメント(A1)」ともいう)及び付加重合系樹脂からなる側鎖セグメント(A2)(以下、単に「セグメント(A2)」ともいう)から構成されるグラフトポリマーを含有する熱転写受像シート用樹脂であって、セグメント(A1)が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合して得られ、セグメント(A2)が、芳香族基を有する付加重合性モノマーを由来とする構成単位を70重量%以上含有する。
本発明の熱転写受像シート用樹脂のポリエステル樹脂セグメント(A1)の原料モノマーは、アルコール成分として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を含む。この化合物は、分子内に2つの芳香環、すなわち染料に似た構造を有するため、染料との親和性が高く、染料の浸透性に優れるため、熱転写受像シートの染着性及び耐光性の向上に寄与し、また、剛直な構造をしているため、樹脂が硬くなり熱転写受像シートの離型性の向上に寄与していると考えられる。
更に、ポリエステル樹脂セグメント(A1)の原料モノマーとして、脂環式カルボン酸を用いることによって、樹脂及び染料の構造分解が生じにくくなるため、耐光性を大幅に向上できるものと考えられる。また環状構造を有するため、樹脂の硬さを維持でき、離型性にも優れる。
また、芳香族基を有する付加重合性モノマーを由来とする構成単位を70重量%以上含有する付加重合系樹脂セグメント(A2)は、前記構造のポリエステル樹脂セグメント(A1)とは相溶しにくいため、微細な相分離構造を形成し、その界面からの染料の浸透性が高まり、熱転写受像シートの染着性及び耐光性の向上に寄与し、付加重合系樹脂セグメントはインクシートとの親和性が乏しいため、離型性にも優れる樹脂となるものと考えられる。
本発明の熱転写受像シート用樹脂に含有されるグラフトポリマーを構成するセグメント(A1)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合して得られるポリエステル樹脂からなるセグメントである。セグメント(A1)は、本発明の熱転写受像シート用樹脂に含有されるグラフトポリマーにおける主鎖である。
x及びyは、プロピレンオキサイドの付加モル数に相当し、それぞれ正の数である。さらに、カルボン酸成分との反応性の観点から、xとyとの和の平均値は、好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5、更に好ましくは2〜3である。
具体的には、セグメント(A1)の構成単位の由来する原料モノマー(以下、単に「セグメント(A1)の原料モノマー」ともいう)としては、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するアルコール、例えば不飽和脂肪族アルコールも用いることができる。この炭素−炭素不飽和結合の部分は、熱転写シート用樹脂に含有されるグラフトポリマー中では、セグメント(A2)との結合部分となることができ、その場合、該不飽和結合は、飽和結合となる。非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するアルコール(不飽和脂肪族アルコール)としては、アリルアルコール等が挙げられる。
その他のアルコール成分としては、水酸基を2つ以上有する多価アルコールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)等が挙げられる。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物以外の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物も好ましく用いることができ、エチレンオキサイド付加物がより好ましい。これらのアルコール成分の中でも、セグメント(A1)のアルコール成分中に1,2−プロパンジオールを含むことが染着性の観点から好ましい。なお、これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環式カルボン酸としては脂環式ジカルボン酸あるいはこれらの酸の酸無水物やアルキルエステルが好ましく、ポリエステル合成時のアルコールとの反応性および該ポリエステルの耐熱性の観点から、より好ましくはシクロヘキサンジカルボン酸類、デカリンジカルボン酸類、あるいはこれら酸の無水物である。
なお、ポリエステル樹脂からなる主鎖セグメント(A1)の構成単位の由来する原料モノマーのうち、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有する原料モノマーとして、不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族アルコールから選ばれる1種以上を含めばよいが、反応性の観点から、不飽和脂肪族カルボン酸及び/又は不飽和脂環式カルボン酸を含むことが好ましく、不飽和脂肪族カルボン酸及び/又は不飽和脂環式カルボン酸のみであることがより好ましい。
また、染料受容層に用いた場合の造膜性の観点から、セグメント(A1)の数平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは2,000〜8,000である。
本発明の熱転写受像シート用樹脂に含有されるグラフトポリマーを構成するセグメント(A2)は、付加重合性モノマー(a2)(以下、モノマー(a2)ともいう)に由来する構成単位からなる付加重合系樹脂からなるセグメントであり、芳香族基を有する付加重合性モノマーを由来とする構成単位を70重量%以上含有する。セグメント(A2)は、本発明の熱転写受像シート用樹脂に含有されるグラフトポリマーにおける側鎖である。
芳香族基を有する付加重合性モノマーを由来とする構成単位の含有量は、熱転写受像シートの離型性、高温高湿度での離型性及び染着性の観点から、セグメント(A2)中、70重量%以上であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは実質的に100重量%である。
その他の付加重合性モノマー(a2)としては、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜18)、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;ポリエチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のハロゲン化ビニリデン;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シート用樹脂の製造方法としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合して、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂(a1)(以下、樹脂(a1)ともいう)を調製し、該ポリエステル樹脂(a1)の存在下、付加重合性モノマー(a2)を付加重合する方法が好ましい。
樹脂(a1)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合して得られる、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂セグメント(A1)を構成するのに好ましいものである。なお、「非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合」は、前記した、不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂環式カルボン酸及び不飽和脂肪族アルコールに由来するものである。
ここで、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物及び脂環式カルボン酸は、前記ポリエステル樹脂セグメント(A1)と同様であり、好適な構造及び好適な含有量も同じである。
その他のアルコールとしては、前記ポリエステル樹脂セグメント(A1)の場合と同様である。アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するカルボン酸としては、セグメント(A1)の場合と同様であり、好適な構造及び好適な含有量も同じであり、フマル酸がより好ましい。
カルボン酸成分中、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するカルボン酸の含有量は、好ましくは5〜30モル%、より好ましくは7〜25モル%、更に好ましくは8〜15モル%である。
その他のカルボン酸としては、セグメント(A1)の場合と同様であり、好適な構造及び好適な含有量も同じであり、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましく、イソフタル酸がより好ましい。カルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱転写受像シートの離型性の観点から、ポリエステルはシャープな分子量分布を有することが好ましく、エステル化触媒を用いて縮重合をすることが好ましい。エステル化触媒としては、スズ触媒、チタン触媒、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、二酸化ゲルマニウム等の金属化合物等が挙げられる。ポリエステルの合成におけるエステル化反応の反応効率の観点から、スズ触媒が好ましい。スズ触媒としては、酸化ジブチルスズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等が好ましく用いられる。
また、本発明においては、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するカルボン酸を用いるため、ラジカル重合禁止剤を用いることが好ましい。ラジカル重合禁止剤としては、4−t−ブチルカテコール等が好ましい。
ガラス転移温度、軟化点及び酸価はいずれも用いるモノマーの種類、配合比率、縮重合の温度、反応時間を適宜調節することにより所望のものを得ることができる。
また、染料受容層に用いた場合の造膜性の観点から、樹脂(a1)の数平均分子量は、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは2,000〜8,000である。
本発明に用いられる付加重合性モノマー(a2)は、前記の付加重合系樹脂からなるセグメント(A2)の原料モノマーとして記載したものと同じであり、芳香族基を有する付加重合性モノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、芳香族基を有する付加重合性モノマーが好ましく、なかでもスチレン、メチルスチレン、ベンジルメタクリレート及びベンジルアクリレートがより好ましく、スチレンが更に好ましい。
芳香族基を有する付加重合性モノマーは、熱転写受像シートの離型性、高温高湿度での離型性及び染着性の観点から、付加重合性モノマー(a2)中、70重量%以上であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは実質的に100重量%である。
本発明の熱転写受像シート用樹脂は、前記樹脂(a1)の存在下、前記付加重合性モノマー(a2)を重合する方法によって得ることができる。その重合方法に制限はなく、樹脂(a1)とモノマー(a2)とを直接混合して重合する方法、樹脂(a1)とモノマー(a2)とを有機溶媒に溶解して重合する方法等が挙げられる。本発明の熱転写受像シート用樹脂は、下記工程(1)及び(2)を有する方法によって得ることが好ましい。
工程(1):前記ポリエステル樹脂(a1)を水性媒体と混合して、前記ポリエステル樹脂(a1)の水性分散液を得る工程。
工程(2):前記工程(1)で得られた水性分散液に前記付加重合性モノマー(a2)を添加し、重合して熱転写受像シート用樹脂の水性分散液を得る工程。
工程(1)は、ポリエステル樹脂(a1)を水性媒体と混合して、前記ポリエステル樹脂(a1)の水性分散液を得る工程である。
前記ポリエステル樹脂(a1)を分散させる水性媒体とは、水を主成分とするもの、すなわち、水の含有量が50重量%以上の媒体である。環境安全性の観点から、水性媒体中の水の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは100重量%である。水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等の、水に溶解する有機溶媒が挙げられる。
より具体的には、例えば、撹拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応器を準備し、ケトン系溶媒に溶解したポリエステル樹脂(a1)に、中和剤等を加え、カルボキシル基をイオン化し(すでにイオン化されている場合は不要)、次いで水を加えて水相に転相する、好ましくは水を加えた後にケトン系溶媒を留去して水相に転相する。
ポリエステル樹脂(a1)のケトン系溶媒への溶解操作、及びその後の中和剤の添加は、通常ケトン系溶媒の沸点以下の温度で行う。用いられる水としては、例えば脱イオン水等が挙げられる。
工程(2)は、工程(1)で得られた水性分散液に前記付加重合性モノマー(a2)を添加し重合して、熱転写受像シート用樹脂の水性分散液(以下、水性分散液(A)ともいう)を得る工程である。
まず、付加重合性モノマー(a2)をポリエステル樹脂(a1)の水性分散液に添加する。添加量は、ポリエステル樹脂(a1)と付加重合性モノマー(a2)の重量比[ポリエステル樹脂(a1)/付加重合性モノマー(a2)]で、好ましくは55/45〜95/5、より好ましくは65/35〜95/5、より好ましくは75/25〜95/5、更に好ましくは85/15〜95/5である。
また、撹拌の効率の点から、水等を更に加えてもよい。
重合には、公知のラジカル重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて添加する。ラジカル重合開始剤としては、水溶性のラジカル重合開始剤を用いることが好ましく、過硫酸塩を用いることがより好ましい。
前記のポリエステル樹脂(a1)と付加重合性モノマー(a2)とを含有する混合液を加熱することで重合反応を進行させる。重合温度は、用いられる重合開始剤の種類にもよるが、例えば、過硫酸ナトリウムを用いる場合には、重合反応を効率的に行う観点から、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃である。
前記水性分散液(A)の固形分濃度は、樹脂粒子の分散性及び生産性の観点から、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは25〜40重量%、更に好ましくは30〜40重量%である。また、前記水性分散液(A)の25℃におけるpHは、水性分散液(A)の保存安定性の観点から、好ましくは5〜10、より好ましくは6〜9、更に好ましくは7〜9である。
本発明の熱転写受像シートは、基材上に、前記熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する。
基材としては、例えば合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート等の各種の樹脂のフイルム又はシート等が使用でき、また、これらの樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フイルムあるいは発泡させた発泡シート等も使用できる。また、前記基材を組み合わせた積層体も使用できる。
これらの基材の厚みは、例えば、10〜300μm程度のものを用いることができる。前記の如き基材には、染料受容層との密着力を向上する観点から、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施すことが好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおける染料受容層は、本発明の熱転写受像シート用樹脂を含有する。
染料受容層は、樹脂を有機溶媒に溶解して得られた塗工液形態、又は樹脂の各々を有機溶媒や水に分散させて得られた樹脂分散液を含む塗工液形態で用いて製造することができ、環境安全性等の観点から、後者が好ましく、下記の工程(3)及び(4)を含む方法によって製造することがより好ましい。
工程(3):工程(2)で得られた熱転写受像シート用樹脂の水性分散液を含有する染料受容層用塗工液を調製する工程。
工程(4):工程(3)で得られた染料受容層用塗工液を用いて染料受容層を設ける工程。
工程(3)は、工程(2)で得られた熱転写受像シート用樹脂の水性分散液を含有する染料受容層用塗工液を調製する工程である。
染料受容層用塗工液は、造膜剤を含有することが好ましい。造膜剤としては、ブチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、ゼラチン等が挙げられる。染料受容層の強度及び離型性の観点から、ゼラチンが好ましい。
造膜剤を均一に溶解させる観点から、予め造膜剤を水に溶解しておくことが好ましく、前記熱転写受像シート用樹脂の水性分散液と造膜剤の水溶液とを混合し、撹拌して塗工液を得ることが好ましい。好適に用いられる撹拌機としては、ボールミル等が挙げられる。造膜剤を溶解状態で均一に混合するために、撹拌温度は、好ましくは30〜60℃、より好ましくは40〜50℃である。
離型剤を均一に分散又は溶解するために、ボールミル等の撹拌機を用いることが好ましく、分散又は溶解する温度は20〜40℃が好ましい。
染料受容層用塗工液は、更に、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を高める観点から、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム等の顔料や充填剤を含有することができる。これらの顔料や充填剤は、本発明の熱転写受像シートの白色度の観点から、染料受容層用塗工液中、樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部含有することができる。なお、染料受容層用塗工液には、更に必要に応じて、例えば、触媒、硬化剤等の他の添加剤を含有することもできる。
また、染料受容層用塗工液は、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の熱転写受像シート用樹脂以外の他の樹脂を含むことができる。前記他の樹脂の具体例としては、塩化ビニル重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル共重合体、ポリウレタンが挙げられ、熱転写受像シートの染着性及び耐光性、並びに樹脂分散液の分散性の観点から塩化ビニルアクリル共重合体が好ましい。
これらの他の樹脂は、樹脂の製造過程で、本発明の熱転写受像シート用樹脂とともに有機溶媒に溶解させることにより染料受容層用塗工液に含有させることもできる。また、樹脂分散液としてから、熱転写受像シート用樹脂の水性分散液へ添加して混合することにより染料受容層用塗工液に含有させることもできる。
工程(4)は、工程(3)で得られた染料受容層用塗工液を用いて染料受容層を設ける工程である。
本発明の熱転写受像シートにおける染料受容層は、基材の一方の面に塗工液を塗布及び乾燥して形成することによって得られ、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等により塗布することが好ましい。また、後述するように基材と染料受容層との間に中間層を有する場合は、基材の一方の面に中間層用塗工液及び染料受容層用塗工液を重層塗布及び乾燥して中間層及び染料受容層をそれぞれ設けることもできる。
形成される染料受容層の厚さは、一般には1〜50μmであり、画質及び生産性の観点から、3〜15μmであることが好ましい。また、乾燥後の固形分量としては、染料受容層1m2当たり3〜15gであることが好ましい。
本発明の熱転写受像シートは、基材と染料受容層との間に中間層を有することが好ましく、中間層は水溶性高分子及び中空粒子を含有することがより好ましい。
<水溶性高分子>
水溶性高分子は、中空粒子を固定するバインダーとして用いられるもので、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、これらの中でも、10〜30℃の室温付近に水溶液のゲル化温度を有するという熱特性の観点から、ゼラチンが好ましい。その粘度は、熱転写受像シートの離型性及び造膜性の観点から、JIS K6503−2001で測定した粘度(60℃)が、好ましくは2.5〜6.0mPa・s、より好ましくは3.0〜5.5mPa・sである。
中間層における水溶性高分子の含有量は、当該中間層全体の1〜75重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましい。
また、中間層に含まれる水溶性高分子は、アルデヒド類、エポキシ類、ビニルスルホン類、トリアジン類、カルボジイミド類等の架橋剤により架橋されていることが好ましい。
中間層に含有される中空粒子としては、少なくとも一部に空孔を有するポリマー粒子であれば、特に制限はない。例えば、1)樹脂により形成された粒子隔壁内部に存在する水が、塗布乾燥後、粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を樹脂で被覆した粒子を加熱することにより、粒子内部の低沸点液体が膨張して内部が中空となる中空粒子、3)前記2)をあらかじめ加熱発泡させた中空ポリマー粒子、4)樹脂粒子を形成する重合体に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成される中空粒子、等が挙げられる。本発明においては、熱転写受像シートの染着性、及び熱転写受像シートにおける中間層と染料受容層との密着性の観点から、前記1)又は3)の方法により得られるものが好ましく使用できる。
また、中空粒子の体積中位粒径(D50)は、熱転写受像シートにおける中間層と染料受容層との密着性の観点から、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜3μm、更に好ましくは0.3〜1μmである。この値は、電界放射型走査電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、商品名:S−4800型)により測定することができる。
また、前記中空粒子は、熱転写受像シートの染着性、及び熱転写受像シートにおける中間層と染料受容層との密着性の観点から、そのメチルエチルケトン(MEK)不溶分が、好ましくは70重量%以下、より好ましくは10〜70重量%、更に好ましくは30〜70重量%である。本発明において、「MEK不溶分」とは、25℃のMEK95重量部に対して、中空粒子2.0重量部を溶解させた場合の、中空粒子が有する不溶な中空粒子成分の重量割合で定義されるものである。
前記中空粒子のMEK不溶分は、例えば、これを構成する樹脂の架橋度を制御すること等により調整することができる。
中間層は、染料の染着性及び熱転写受像シートにおける中間層と染料受容層との密着性の観点から、上記中空粒子と水溶性高分子との重量比(中空粒子/水溶性高分子)が、好ましくは30/70〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20、更に好ましくは50/50〜80/20である。
中間層には、更に必要に応じて、グリコールエーテル類等の造膜助剤、離型剤、硬化剤、触媒等の添加剤を含有することもできる。
中間層の厚みは、クッション性、断熱性の観点から、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜50μmである。また、乾燥後の固形分量としては、中間層1m2当り7〜70g/m2であることが好ましい。
中間層は、例えば、熱転写受像シートの基材の少なくとも一方の面に、ゼラチンを含む水溶性高分子、中空粒子及び必要に応じて用いられる添加剤等を水に溶解して、あるいは水に分散して得られた塗工液を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等により塗布し乾燥して形成することができる。
前記の本発明の熱転写受像シートを使用して熱転写を行う際に使用する転写シート(インクリボン)は、通常、紙やポリエステルフイルム上に昇華性染料を含む染料層、及び染料を受像して得られた画像上に転写される保護層等からなるラミネート層を設けたものであり、任意の転写シートをいずれも使用することができる。
本発明の熱転写受像シートに好適に使用できる昇華性染料としては、例えばイエロー染料では、ピリドンアゾ系、ジシアノスチリル系、キノフタロン系、メロシアニン系;マゼンタ染料では、ベンゼンアゾ系、ピラゾロンアゾメチン系、イソチアゾール系、ピラゾロトリアゾール系;シアン染料では、アントラキノン系、シアノメチレン系、インドフェノール系、インドナフトール系が挙げられる。
(ポリエステル樹脂(a1)a〜fの製造)
表1に示すフマル酸を除くポリエステル樹脂(a1)の原料モノマー及びジオクチル酸スズ(II)塩を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した内容積5リットルの四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で、窒素雰囲気下、235℃で5時間反応させ、更に減圧(8.3kPa)下で1時間反応した。次いで、210℃でフマル酸及び4−t−ブチルカテコールを加え、5時間反応させた後、減圧(20kPa)下にて、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂(a1)a〜fを得た。
フローテスター(株式会社島津製作所製、商品名:CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製、商品名:Pyris 6 DSC)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
測定溶媒を、エタノールとエーテルとの混合溶媒から、アセトンとトルエンとの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更したこと以外は、JIS K0070に従って測定した。
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出した。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、樹脂をクロロホルムに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業株式会社製、商品名:FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量測定
溶解液としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行った。試料の数平均分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出した。検量線は、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製の単分散ポリスチレン;2.63×103、2.06×104、1.02×105(重量平均分子量)、ジーエルサイエンス株式会社製の単分散ポリスチレン;2.10×103、7.00×103、5.04×104(重量平均分子量))を標準試料として用いて作成した。
測定装置:CO−8010(商品名、東ソー株式会社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(いずれも商品名、東ソー株式会社製)
(ポリエステル樹脂(a1)の水性分散液(i)〜(vi)の製造:工程(1))
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、表2に示す種類及び配合でポリエステル樹脂(a1)a〜fを入れ、25℃でメチルエチルケトンに溶解させた。次いで、25%アンモニア水を添加して、撹拌下で脱イオン水を加えた後、減圧下60℃でメチルエチルケトンを留去した。室温まで冷却後、200メッシュの金網で濾過し、ポリエステル樹脂(a1)の水性分散液(i)〜(vi)をそれぞれ得た。
得られた水性分散液(i)〜(vi)のそれぞれの物性について、以下の方法により測定した。結果を表2に示す。
レーザー回折型粒径測定機(株式会社堀場製作所製、商品名:LA−920)を用いて、測定用セルに各樹脂の水性分散液及び蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で、体積中位粒径(D50)を測定した。
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、水性分散液5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)の条件にて乾燥させ、水性分散液のウェットベースの水分(重量%)を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(重量%)=100−M
M:水性分散液のウェットベース水分(重量%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、商品名:HM−20P)により、25℃で測定した。
(熱転写受像シート用樹脂の水性分散液(I)〜(VI)の製造:工程(2))
窒素導入管、還流冷却管、滴下ロート、撹拌器及び熱電対を装備した内容積2リットルの四つ口フラスコに、表3に示す種類及び配合でポリエステル分散液、脱イオン水、付加重合性モノマー(a2)であるスチレンを仕込み、30分間撹拌を行った。窒素気流下、過硫酸ナトリウムを加え、80℃で6時間反応させた。室温まで冷却後、200メッシュの金網で濾過し、熱転写受像シート用樹脂の水性分散液(I)〜(VI)を得た。なお、各材料の配合量は、得られる水性分散液中の熱転写受像シート用樹脂におけるポリエステル樹脂セグメント(A1)と付加重合系樹脂セグメント(A2)との重量比が表3に示すようになるように決定された。
得られた熱転写受像シート用樹脂の水性分散液(I)〜(VI)のそれぞれの物性について、前記の方法により測定した。結果を表3に示す。
(熱転写受像シートの製造)
まず、表4に示す組成及び配合量で、45℃で混合し中間層用塗工液を作製した。この塗工液を合成紙(ユポ・コーポレーション社製、商品名:YUPO FGS−250、厚さ250μm、坪量200g/m2)にワイヤーバーにより乾燥後に20.0g/m2になるように塗布し、25℃5分で乾燥させて中間層塗工シートを得た。
なお、中間層の調製には、中空粒子として以下のスチレンアクリル共重合体、バインダーとして以下のゼラチンを用いた。
スチレンアクリル共重合体(日本ゼオン株式会社製、商品名:Nipol MH8101、中空率=50%、固形分濃度=26重量%)
ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、商品名:G0723K、粘度4.4mPa・s)
ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、商品名:G0723K、粘度4.4mPa・s)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF−615A)
前記染料受容層用塗工液の各々を前述の中間層塗工シートにワイヤーバーにより乾燥後に5.0g/m2になるように塗布し、50℃2分で乾燥させて熱転写受像シートを得た。
(染着性)
作製した熱転写受像シートに、市販の昇華型プリンタ(アルテック株式会社製、商品名、MEGAPIXEL III)を用いて黒(K)の階調パターン(L値を0から255まで15刻みで変化させた0.6cm四方のベタ画像)を印画し、高濃度印画(18階調目(L=0:最高濃度))での転写色濃度をグレタグ濃度計(GRETAG−MACBETH社製)で測定し、染着性を評価した。濃度の値が大きいほど、染着性に優れる。結果を表4に示す。
作製した熱転写受像シートに5×5cmの黒ベタを印画し、黒ベタ連続印画時のインクリボンと熱転写受像シートとの剥離音から、下記基準で離型性(熱融着性)を評価した。結果を表4に示す。
A:異音はなく、剥離できる。
B:異音があるが、剥離できる。
C:熱融着しており、剥離が困難で画像に欠けが見られる。
下記条件のキセノンウェザーメーターを用いて、耐光性試験を行ない、色相変化量によって、耐光性を評価した。
・照射試験機:スガ試験機株式会社製、商品名:SX75
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=石英フィルター、外側=#320
・パネル温度:50℃
・槽内湿度:35〜50%RH
・照射強度:50W/m2、300〜400nmでの測定値
・積算照度:10,000kJ/m2、300〜400nmでの積算値
なお、黒+有彩色の(各印画物の)耐光性とは、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、グリーン(G)、レッド(R)、ブルー(B)の各色の色相変化を、合計した値である。
・色相変化量=[(a* 1−a* 2)2+(b* 1−b* 2)2]1/2
(照射前のL*a*b*値:L* 1、a* 1、b* 1)
(照射後のL*a*b*値:L* 2、a* 2、b* 2)
Claims (7)
- ポリエステル樹脂からなる主鎖セグメント(A1)及び付加重合系樹脂からなる側鎖セグメント(A2)から構成されるグラフトポリマーを含有する熱転写受像シート用樹脂であって、セグメント(A1)が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合して得られ、セグメント(A2)が、芳香族基を有する付加重合性モノマーを由来とする構成単位を70重量%以上含有する、熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
- セグメント(A1)とセグメント(A2)との重量比[セグメント(A1)/セグメント(A2)]が55/45〜95/5である、請求項1に記載の熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
- セグメント(A1)のカルボン酸成分が、不飽和脂肪族カルボン酸と不飽和脂環式カルボン酸とを合計で5〜30モル%含む、請求項1又は2に記載の熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
- セグメント(A2)と、セグメント(A1)の原料モノマーである不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂環式カルボン酸、及び不飽和脂肪族アルコールの合計量との重量比[セグメント(A2)/セグメント(A1)の不飽和基を有する前記成分の合計]が1/1〜15/1である、請求項3に記載の熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
- 前記脂環式カルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
- セグメント(A1)のアルコール成分が1,2−プロパンジオールを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の熱転写受像シート用樹脂を含む染料受容層を有する熱転写受像シート。
- 工程(1):2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコール成分と、脂環式カルボン酸を50モル%以上と不飽和脂肪族カルボン酸及び/又は不飽和脂環式カルボン酸を含むカルボン酸成分とを縮重合して、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂(a1)を調製し、該ポリエステル樹脂(a1)を水性媒体と混合して、前記ポリエステル樹脂(a1)の水性分散液を得る工程、
工程(2):工程(1)で得られた水性分散液に、芳香族基を有する付加重合性モノマーを70重量%以上含有する付加重合性モノマー(a2)を添加し重合して、グラフトポリマーの水性分散液を得る工程、
工程(3):工程(2)で得られた熱転写受像シート用樹脂の水性分散液を含有する染料受容層用塗工液を調製する工程、及び
工程(4):工程(3)で得られた染料受容層用塗工液を用いて染料受容層を設ける工程
を含む、熱転写受像シートの染料受容層の製造方法。
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