JP5249055B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、中間層及び染料受容層を有する熱転写受像シートに関する。
昇華性染料を記録剤とし、これを基材に担持させた熱転写シートを用いて、昇華性染料で染着可能な熱転写受像シート上にカラー画像を形成する方法が提案されている。これは加熱手段としてプリンターのサーマルヘッドなどを使用し、加熱によって染料を受像シートに転写させてカラー画像を得るものである。このようにして形成された画像は、染料を用いることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調性に優れ、高品質の画像が期待できる。
熱転写受像シートは、一般に基材上に形成された断熱層と染料受容層から形成されている。断熱層はサーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たすものであり、中空ポリマーを含有するものが知られている。また、染料受容層は染料を受容する役割を有するものである。
前記熱転写受像シートとしては、染料の染着性の観点から染料受容層を構成する樹脂としてポリエステルを用い、一方、断熱層の樹脂として水溶性ポリマーを使用することが知られている(特許文献1、2)。
特開2007−237652号公報 特開2008−6736号公報
しかし、上記特許文献1あるいは2に記載された中空ポリマーを含む断熱層を用いた熱転写受像シートでは、中間層と染料受容層との密着性(耐剥離性)に劣ることが知られていた。
本発明は、中空ポリマーを含有する中間層を用いた場合でも、染料の染着性に優れ、かつ中間層と染料受容層との密着性にも優れた熱転写受像シートを提供することにある。
本発明は、基材上に、ポリエステルA及び中空粒子を含有する中間層と、ポリエステルBを含有する染料受容層とをこの順に有する熱転写受像シートであって、前記中空粒子のメチルエチルケトン不溶分が70重量%以下であり、前記中空粒子の体積中位粒径が0.1〜5μmである熱転写受像シートに関する。
本発明によれば、中空ポリマーを含有する中間層を用いた場合でも、染料の染着性に優れ、かつ中間層と染料受容層との密着性にも優れた熱転写受像シートを提供することができる。
[熱転写受像シート]
本発明は、基材上に、ポリエステルA及び中空粒子を含有する中間層と、ポリエステルBを含有する染料受容層とをこの順に有する熱転写受像シートであって、前記中空粒子のメチルエチルケトン不溶分が70重量%以下であり、前記中空粒子の体積中位粒径が0.1〜5μmである熱転写受像シートである。
本発明では、中間層と染料受容層のいずれにもポリエステルを用い、さらに中間層に含有される中空粒子が特定のメチルエチルケトン不溶分(以下、MEK不溶分という)及び粒径を有する点に特徴を有する。中間層と染料受容層の両方にポリエステルを用いることで両層の相溶性が高まり、中間層と染料受容層の密着性が高まるとともに、MEK不溶分が少ない中空粒子、すなわち、高分子量成分の少ない中空粒子を用いることで、中間層を構成するポリエステルAが該中空粒子を取り込みやすく、ポリエステルAと中空粒子との、ポリエステルAとポリエステルBとの、及びポリエステルAと基材との密着性が増すものと考えられる。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートを構成する中間層は、断熱層としての役割を包含するものであり、ポリエステルA及び中空粒子を含有する。
ポリエステルA
熱転写受像シートの中間層に用いるポリエステルAは、公知のアルコール成分とカルボン酸成分から得られるものであれば、その種類に特に制限はない。
本発明においては、原料成分であるアルコール成分として、公知のアルコール成分を使用することができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点からは、前記アルコール成分として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3価以上のアルコールを用いることが好ましく、具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとしては、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましく、3価以上のアルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトールを用いることが好ましい。前記アルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸成分としては、公知のカルボン酸成分を使用することができる。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及びその無水物であるヘキサヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の2価のカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。上記カルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中間層と染料受容層の密着性の観点から、ポリエステルAの原料成分である上記カルボン酸成分として、3価以上のカルボン酸を用いることが好ましく、具体的には、トリメリット酸、ピロメリット酸を用いることがより好ましく、更に好ましくはトリメリット酸である。
ポリエステルAは、例えば、上記アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、原料のポリエステルはブロードな分子量分布を有するものであることが好ましく、エステル化触媒を用いて縮重合をすることが好ましい。エステル化触媒としては、錫触媒、チタン触媒、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、2酸化ゲルマニウム等の金属化合物等が挙げられる。
染料の染着性、中間層と染料受容層の密着性の観点から、ポリエステルAの軟化点は80〜160℃であることが好ましく、90〜150℃がより好ましい。また、ガラス転移温度は50〜85℃が好ましい。酸価は、ポリエステルAを含む樹脂を水性媒体中での分散性、すなわち乳化性の観点から、1〜35mgKOH/gが好ましく、5〜35mgKOH/gがより好ましい。ガラス転移温度、軟化点及び酸価は、いずれも用いるモノマーの種類、配合比率、縮重合の温度、反応時間を適宜調節することにより所望のものを得ることができる。
また、熱転写受像シートを得る際の造膜性の観点から、ポリエステルAの数平均分子量は1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましく、2,000〜7,000が更に好ましい。
尚、本発明において、ポリエステルAには、前記範囲内において、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルも含まれる。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
本発明においては、ポリエステルAは中間層のバインダー樹脂に含有される。本発明において、「中間層のバインダー樹脂」とは、中間層の連続相形成樹脂として使用される樹脂成分をいい、本発明のポリエステルAを含むバインダー樹脂(以下、「ポリエステルAを含む樹脂」ということがある)の、軟化点、ガラス転移温度、酸価及び数平均分子量は、本発明に用いられるポリエステルAと同様の値であることが好ましい。中間層のバインダー樹脂としては、前記ポリエステルAとともに他の樹脂を用いることができ、例えば、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルビロリドン等を使用することができる。
本発明において、中間層に用いられるバインダー樹脂には、中間層と染料受容層の密着性の観点から、前記ポリエステルAが好ましくは70重量%以上含有され、より好ましくは80重量%以上含有され、さらに好ましくは実質的に100重量%である。
中空粒子
中間層に含有される中空粒子は、少なくとも一部に空孔を有するポリマー粒子であれば、特に制限はない。例えば、1)樹脂により形成された粒子隔壁内部に存在する水が、塗布乾燥後、粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を樹脂で被覆した粒子を加熱することにより、粒子内部の低沸点液体が膨張して内部が中空となる中空粒子、3)前記2)をあらかじめ加熱発泡させた中空ポリマー粒子、4)樹脂粒子を形成する重合体に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成される中空粒子、等がいずれも挙げられる。本発明においては、染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、前記1)又は3)の方法により得られるものが好ましく使用できる。
前記中空粒子を構成する材料については特に制限はなく、前記方法に使用される種々の公知の材料、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル共重合体、それらの混合物等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体等がいずれも使用できるが、本発明においては、染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体等が好ましく用いられる。
前記中空粒子の形状は特に限定されず、球状はもちろん球状以外のいかなる形状のものであってもよいが、本発明においては、中間層と染料受容層の密着性の観点から、実質球状のものであることが好ましい。また、中空粒子の体積中位粒径(D50)は、0.1〜5μmであり、中間層と染料受容層の密着性の観点からは、0.3〜3μmのものが好ましく、0.3〜1μmのものがより好ましい。ここで、中空粒子の「体積中位粒径(D50)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味し、レーザー散乱型粒径測定機(堀場製作所製、LA−920)により測定することができる。
本発明においては、前記中空粒子としては、そのMEK不溶分が70重量%以下であるものを使用するが、染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点からは、MEK不溶分が10〜70重量%であるものが好ましく、30〜70重量%であるものがより好ましく、40〜70重量%であるものがさらに好ましい。本発明において、「MEK不溶分」とは、25℃のMEK95重量部に対して、中空粒子を2.000重量部を溶解させた場合の、中空粒子が有する不溶な中空粒子成分の重量割合で定義されるものであり、具体的には後述の方法により求められる。
前記中空粒子のMEK不溶分は、例えば、これを構成する樹脂の架橋度を制御すること等により調整することができる。すなわち、従来、中空粒子は、耐熱性の観点から、例えば架橋剤により適宜架橋されたもの等の高分子量化されたものが使用されていたが、本発明においては、例えば、架橋剤を使用しないかあるいはその量を調整するなどの方法により、高分子量成分を低減した、すなわち、MEK不溶分が70重量%以下の中空粒子を使用する。以上のように、MEK不溶分が70重量%以下の低い中空粒子、すなわち、高分子量成分の少ない中空粒子を用いることで、中間層を構成するポリエステルAが該中空粒子を取り込みやすく中間層と染料受容層の密着性が増すものと考えられる。
本発明において、中空粒子は、水性媒体中の分散液として使用することが好ましく、好ましく使用できる市販の中空粒子として、例えば、日本ゼオン社製の「Nipol MH8101」、JSR社製の「SX8782(D)」等が挙げられる。
中間層
本発明における中間層には、染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、前記ポリエステルAを30〜70重量%含有することが好ましく、より好ましくは、30〜60重量%、さらに好ましくは30〜50重量%含有する。また、中間層には、染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、上記中空粒子をポリエステルAに対し、重量比(中空粒子/ポリエステルA)で、30/70〜70/30含有することが好ましく、より好ましくは40/60〜70/30、さらに好ましくは50/50〜70/30含有する。
中間層には、その白色度を向上させて転写画像の鮮明度を高める観点から、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を含有することができる。これらの顔料や充填剤は、熱転写受像シートの白色度の観点から、中間層中に、ポリエステルAを含む樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部含有することができる。
中間層には、更に必要に応じて、グリコールエーテル類等の造膜助剤、離型剤、硬化剤、触媒等の添加剤を含有することもできる。
本発明の熱転写受像シートにおける中間層は、熱転写受像シートの基材の少なくとも一方の面に、ポリエステルAを含む樹脂及び必要に応じて用いられる各種添加剤を有機溶剤に溶解して、あるいは有機溶剤や水に分散して、塗布し乾燥して形成することができるが、高画質画像を得る観点から、好ましくは、ポリエステルAを含有する樹脂の分散液を、基材上に塗布してなるものである。
ポリエステルAを含有する樹脂の分散液は、水系媒体中に、ポリエステルAを含む樹脂を分散させて得られるものが好ましい。本発明においては、ポリエステルAを含む樹脂を乳化して行う方法が好ましい。
ポリエステルAを含む樹脂を分散させる水系媒体としては、水を主成分とするもの、すなわち、水が50重量%以上のものである。環境性の観点から、水系媒体中の水の含有量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、実質100重量%がさらに好ましい。水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。
前記樹脂分散液は、例えば、前記ポリエステルAを含む樹脂をケトン系溶剤に溶解させ、中和剤を加えてポリエステルAを含む樹脂のカルボキシル基等の極性基をイオン化し、次いで水を加えた後、ケトン系溶剤を留去して水系に転相する方法により得ることができる。
用いられるケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられ、樹脂の溶解性及び溶剤の留去の容易性の観点から、好ましくは、メチルエチルケトンが用いられる。
中和剤としては、例えばアンモニア水、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液、アリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,12−ジアミノドデカン、二量体脂肪酸ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等のアミン類等を挙げることができ、樹脂の乳化性及び揮発性の観点から、好ましくはアンモニアである。これらの中和剤の使用量は、少なくともポリエステルAを含む樹脂の酸価を中和できる量であればよい。
本発明においては、前記樹脂の分散液は、中間層と染料受容層の密着性を改善し、画像濃度及び画質を向上させる観点から、オキサゾリン基を有する化合物を添加してなることが好ましい。
オキサゾリン基を有する化合物(以下、「オキサゾリン化合物」ということがある)としては、分子内にオキサゾリン基を複数含有するものが使用可能である。分子内にオキサゾリン基を複数含有する化合物としては、2,2−(1,3−フェニレン)−ビス2−オキサゾリン、2,2−(1,4−フェニレン)−ビス2−オキサゾリンなどの2官能タイプ;オキサゾリン基を含有する重合性単量体を重合した多官能タイプ(以下、「オキサゾリン重合体」ということがある)が挙げられるが、ポリエステルAを含む樹脂との架橋反応性の観点から、オキサゾリン重合体が好ましい。
前記オキサゾリン基を有する重合性単量体としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5− メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2− オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2− オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2− オキサゾリン等が挙げられる。これらは1種類のみを用いても、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが、工業的に入手しやすいため好ましい。
オキサゾリン重合体の重量平均分子量は、ポリエステルAを含む樹脂との架橋反応性および生産性の観点から、500〜2,000,000であることが好ましく、1,000〜1,000,000であることがより好ましい。
前記オキサゾリン化合物の樹脂の分散液中における含有量あるいは添加量は、ポリエステルAとの架橋反応性、及び、前記オキサゾリン化合物を添加して得られる樹脂の分散液の生産性の観点から、ポリエステルAを含む樹脂100重量部に対して、固形分として0.1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量部である。
中間層の厚みは、クッション性、断熱性の観点から、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。また、乾燥後の固形分量としては、中間層1m2当り7〜70g/m2であることが好ましい。中間層は、例えば、熱転写受像シートの基材の少なくとも一方の面に、前記ポリエステルAを含むバインダー樹脂、中空粒子及び必要に応じて用いられる添加剤等を有機溶剤に溶解して、あるいは有機溶剤や水に分散して得られた塗工液を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等により塗布し乾燥して形成することができる。
(染料受容層)
本発明の熱転写受像シートは、基材上に設けられた前記中間層上に染料受容層を有し、該染料受容層はポリエステルBを含有する。
ポリエステルB
ポリエステルBとしては、前述の中間層に用いられたポリエステルAと同様のものをいずれも用いることができ、その原料モノマーとしてもポリエステルAと同様のものが用いられる。本発明においては、ポリエステルBは、熱転写受像シートの離型性、染料の染着性、中間層と染料受容層の密着性の観点から、(i)式(I)
Figure 0005249055
(式中、R1O及びR2Oは各々オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を表し、x及びyはそれぞれR1O及びR2Oの付加モル数を示す正の数であり、かつxとyの和の平均値は2〜7である。但し、x個のR1Oは各々同一でも異なっていてもよく、またy個のR2Oは各々同一でも異なっていてもよい。)
で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物(以下、「BPA−RO」と略称する)を80モル%以上含有し、かつ(ii)上記BPA−ROの全量中におけるエチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットの含有比率(エチレンオキサイドユニット/プロピレンオキサイドユニット)がモル比で50/50〜0/100であるアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られるものであることが好ましい。
一般式(I)において、R1O、R2Oはいずれもオキシアルキレン基であり、具体的には、それぞれ独立にオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を表す。また、x個のR1O又はy個のR2Oは、各々同一であっても異なっていてもよいが、熱転写受像シートの染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、同一であることが好ましい。
x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数に相当し、それぞれ正の数である。さらに、カルボン酸成分との反応性の観点から、xとyの和の平均値は2〜7が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜3がさらに好ましい。
上記BPA−ROとしては、上記観点から、具体的には、x及びyが前記定義の範囲内であり、かつR1O及びR2Oが共にオキシエチレン基であるポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPA−EO」と略称する)、x及びyが前記定義の範囲内であり、かつR1O及びR2Oが共にプロピレンオキシ基であるポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPA−PO」と略称する)が好ましく挙げられる。BPA−ROは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記式(I)で表されるBPA−ROは、中間層と染料受容層の密着性、染料の染着性の観点から、原料アルコール成分中に80モル%以上含有されることが好ましく、より好ましくは90モル%以上含有され、更に好ましくは実質100モル%である。
また、上記BPA−ROは、さらに、中間層と染料受容層の密着性及び耐熱性の観点から、BPA−ROの全量中におけるエチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットの含有比率(エチレンオキサイドユニット/プロピレンオキサイドユニット)が、モル比で50/50〜0/100であることが好ましく、より好ましくは40/60〜0/100、さらに好ましくは35/65〜0/100、よりさらに好ましくは30/70〜0/100である。
また、本発明では、熱転写受像シートの染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、BPA−RO中に、BPA−EO及び/又はBPA−POを好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは実質100モル%含有させる。
ポリエステルBは、例えば、上記アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、ポリエステルBはブロードな分子量分布を有するものであることが好ましく、エステル化触媒を用いて縮重合をすることが好ましい。エステル化触媒としては、錫触媒、チタン触媒、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、2酸化ゲルマニウム等の金属化合物等が挙げられる。
染料の染着性、中間層と染料受容層の密着性の観点から、ポリエステルBの軟化点は80〜160℃であることが好ましく、90〜150℃がより好ましい。また、ガラス転移温度は50〜85℃が好ましい。酸価は、ポリエステルBの水性媒体中での分散性、すなわち乳化性の観点から、1〜35mgKOH/gが好ましく、5〜35mgKOH/gがより好ましい。ガラス転移温度、軟化点及び酸価は、いずれも用いるモノマーの種類、配合比率、縮重合の温度、反応時間を適宜調節することにより所望のものを得ることができる。
また、熱転写受像シートを得る際の造膜性の観点から、ポリエステルBの数平均分子量は1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましく、2,000〜7,000が更に好ましい。
尚、本発明において、ポリエステルBには、前記範囲内において、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルも含まれる。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
本発明においては、染料受容層に前記ポリエステルBとともに他の樹脂を用いることができる。用いることができる樹脂としては、熱転写受像シートの染料受容層として用いられる公知の樹脂、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル、ポリビニルアセタール等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができ、染料の染着性及び中間層と染料受容層の密着性の観点から、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートが好ましい。
本発明において、染料受容層に用いられる樹脂には、熱転写受像シートへの染料の染着性の観点から、前記ポリエステルBが好ましくは70重量%以上含有され、より好ましくは80重量%以上含有され、さらに好ましくは実質100重量%である。
ポリエステルBを含む樹脂の、軟化点、ガラス転移温度、酸価及び数平均分子量は、上記ポリエステルBと同じ値であることが好ましい。
前記の範囲内で、ポリエステルBは、前述のポリエステルAと同一のものであっても、異なるものであっても良い。本発明においては、前述の通り、中間層と染料受容層の両方にポリエステルを用いることで両層の相溶性が高まり、中間層と染料受容層の密着性が高まると考えられる。
染料受容層
本発明の染料受容層には、熱転写受像シートの離型性の観点から、離型剤を含有することができる。離型剤としては、例えば、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン、それ以外の変性シリコーンオイル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
離型剤は、染料の染着性、熱転写受像シートの離型性の観点から、受容層用組成物中、ポリエステルBを含む樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部含有することができる。
染料受容層には、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を高める観点から、中間層に用いたと同様の顔料や充填剤を同様の量で含有することができる。
また、必要に応じて、グリコールエーテル類等の造膜助剤、硬化剤、触媒等の添加剤を含有することもできる。
本発明の熱転写受像シートにおける染料受容層は、熱転写受像シートの基材の少なくとも一方の面に形成された前記中間層上に、ポリエステルBを含む樹脂及び必要に応じて用いられる各種添加剤を有機溶剤に溶解して、あるいは有機溶剤や水に分散して、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等により塗布し乾燥して形成することができるが、高画質画像を得る観点から、好ましくは、ポリエステルBを含有する樹脂の分散液を、前記中間層上に塗布してなるものである。
ポリエステルBを含有する樹脂の分散液は、前記ポリエステルBを含む樹脂を用いること以外は、中間層に用いた樹脂分散液と同様の方法で得られるものを用いることができる。
本発明においては、前記樹脂分散液は、熱転写受像シートと昇華性染料を有する転写シートとの離型性及び中間層と染料受容層の密着性を改善し、画像濃度及び画質を向上させる観点から、オキサゾリン基を有する化合物を添加してなることが好ましい。オキサゾリン基を有する化合物としては、中間層において用いられたものと同様のものが好ましく、いずれも同様の量で使用することが好ましい。
以上の如く形成される染料受容層の厚さは、一般には1〜50μmの厚さであり、熱転写受像シートの生産性及び該熱転写受像シートを用いて得られる画質の観点から、3〜15μmであることが好ましい。また、乾燥後の固形分量としては、受容層1m2当り3〜15g/m2であることが好ましい。
(基材)
本発明の熱転写受像シートの基材としては、例えば合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート等の各種の樹脂のフイルム又はシート等が使用でき、また、これらの樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フイルムあるいは発泡させた発泡シート等も使用できる。また、上記基材を組み合わせた積層体も使用できる。
これらの基材の厚みは、例えば、10〜300μm程度が一般的である。上記の如き基材には、中間層等との密着力を向上する観点から、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施すことが好ましい。
本発明の熱転写受像シートを使用して熱転写を行う際に使用する転写シートは、通常、紙やポリエステルフイルム上に昇華性染料を含む染料層を設けたものであり、従来公知の転写シートをいずれも使用することができる。
本発明の熱転写受像シートに好適に使用できる昇華性染料としては、例えばイエロー染料では、ピリドンアゾ系、ジシアノスチリル系、キノフタロン系、メロシアニン系;マゼンタ染料では、ベンゼンアゾ系、ピラゾロンアゾメチン系、イソチアゾール系、ピラゾロトリアゾール系;シアン染料では、アントラキノン系、シアノメチレン系、インドフェノール系、インドナフトール系が挙げられる。
また、熱転写時の熱エネルギーの付与手段としては、従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えば、サーマルプリンター等の記録装置によって、記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって行うことが出来る。
以下に実施例等により、本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例等においては、各性状値は次の方法により測定、評価した。
[ポリエステルの酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒は、エタノールとエーテルの混合溶媒を、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
[ポリエステルの軟化点及びガラス転移温度]
(1)フローテスター(島津製作所製、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移温度
示差走査熱量計(Perkin Elmer社製、Pyris6DSC)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
[ポリエステルの数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター[住友電気工業社製、「FP−200」]を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
下記装置を用いて、THFを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
[樹脂粒子及び中空粒子の粒径]
レーザー回折型粒径測定機(HORIBA社製、「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で、体積中位粒径(D50)を測定する。水に対する相対屈折率は1.2とした。
[樹脂分散液の固形分濃度]
赤外線水分計(ケツト科学研究所社製:FD−230)を用いて、分散液5gを乾燥温度150℃,測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、ウェットベースの水分%を測定する。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(%)=100−M
M:ウェットベース水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
製造例1(ポリエステルaの製造)
表1に示す原料モノマー及び触媒の内、無水トリメリット酸以外を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で10時間反応させ、更に減圧(8.3kPa)下で反応させた。次いで、210℃に降温後、無水トリメリット酸を加え、210℃で1時間反応させた後、減圧(20kPa)下にて、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達するまで反応させて、ポリエステルaを得た。得られたポリエステルaの物性等を表1に示す。
製造例2(ポリエステルbの製造)
表1に示す原料モノマー及び触媒の内、無水トリメリット酸以外を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で10時間反応させ、更に減圧(8.3kPa)下で反応した。次いで、210℃に昇温後、無水トリメリット酸を加え、210℃で1時間反応させた後、減圧(20kPa)下にて、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が表1に示す温度に達するまで反応させて、ポリエステルbを得た。得られたポリエステルbの物性等を表1に示す。
Figure 0005249055
製造例3(樹脂分散液Aの製造)
窒素導入管、還流冷却管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに表2に示す配合で、ポリエステルaを入れ、25℃でメチルエチルケトンに溶解させた。次いで、25%アンモニア水を添加して、攪拌下で脱イオン水を加えた後、減圧下50℃でメチルエチルケトンを留去し、樹脂分散液Aを得た。得られた樹脂分散液Aの組成及びポリエステル粒子の体積中位粒径、固形分、及びpHを表2に示す。
製造例4(樹脂分散液Bの製造)
製造例3のポリエステルaに代えてポリエステルbを用いた以外は、製造例3と同様にして樹脂分散液Bを得た。得られた樹脂分散液Bの組成及びポリエステル粒子の物性等を表2に示す。
Figure 0005249055
製造例5(樹脂分散液Cの製造)
表3に示す配合で、樹脂分散液Aと、水溶性のオキサゾリン含有重合体(日本触媒社製 エポクロスWS−700;重量平均分子量50,000、数平均分子量20,000)とを窒素導入管、還流冷却管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、攪拌下95℃で4時間反応させ、樹脂粒子分散液Cを得た。得られた樹脂粒子分散液Cの組成及び樹脂粒子の体積中位粒径、固形分、及びpHを表3に示す。
製造例6(樹脂分散液Dの製造)
製造例5の樹脂分散液Aに代えて樹脂分散液Bを用いた以外は、製造例5と同様にして樹脂分散液Dを得た。得られた樹脂分散液Dの組成及び樹脂粒子の物性等を表3に示す。
Figure 0005249055
実施例1、2及び比較例1〜4
熱転写受像シートの製造
(中間層の塗工)
表4に示す中空粒子を用い、表5に示す組成、配合で25℃で混合し中間層用塗工液E,F、及びH〜Jをそれぞれ作製した(ただし、塗工液Jのみ40℃で混合した)。この塗工液の各々を合成紙YUPO FGS−250(厚さ250μm、坪量200g/m2)にワイヤーバーにより乾燥後に10g/m2になるように塗布し、50℃4分で乾燥させて中間層を塗工した。塗工液I、Jは粘度が高く、平滑な中間層を形成できなかった。なお、表5に示す塗工適正は、目視で以下のように評価した。
〇:平滑な膜が形成できている。
×:平滑な膜が形成できていない。
Figure 0005249055
中空粒子のメチルエチルケトン不溶分量
(1)試料の溶解
1−1.中空粒子の乾燥粉末2.000gを、ガラス瓶(柏洋硝子社製、M−140)に秤量した後、MEK 95gを加え、内蓋及び外蓋を取り付ける。
1−2.ボールミルにて25℃で5時間攪拌する(周速:200mm/sec)。
1−3.そのまま25℃で10時間静置する。
(2)濾過
2−1.予め計量済み(1000分の1g単位)のナスフラスコ(重量A(g))に取り付けたガラスフィルタ(目開き規格11G−3)を準備する。ガラスフィルタのシールには、減圧が可能なゴム栓を用いる。
2−2.1−3において10時間静置した溶解液の上澄みから20mlをメスピペッドで吸い取り、2−1で準備したガラスフィルタを用いて、減圧濾過する。なお、液面から下2cmまでを上澄みとする。溶解液を濾過する前のナスフラスコ内の減圧度を40kPaに調整する。
2−3.未使用のMEK 20mlをメスピペッドで吸い取り、ガラスフィルタに付着している可溶分を注意深く濾過にて流しナスフラスコに集める。
(3)乾燥
3-1.エバポレータにて下記条件でナスフラスコ内の前記濾液と洗液からMEKを留去する。
ウォーターバス温度:70℃
ナスフラスコ回転数:200r/min
MEK除去中のナスフラスコ内の減圧度:40〜20kPaに調整
時間:10分
3−2.50℃、0.13kPaにて12時間乾燥した後、ナスフラスコの重量B(g)を計量する。
(4)MEK不溶分の算出
4−1.MEK 20mlに溶解したMEK可溶分X(g)を算出する。
X=B−A
4−2.MEK 95gに溶解するMEK可溶分Y(g)を、MEKの比重を0.805として算出する。
Y=X×95/(20×0.805)
4−3.試料1gあたりの可溶分Z(重量%)を算出する。
Z=Y/2×100
4−4.MEK不溶分(重量%)=100−Z
なお、MEK不溶分(重量%)は、3回の測定値の平均値とする。結果を表4に示す。
(受容層の塗工)
表5に示す組成、配合で25℃で混合し受容層用塗工液K〜Nをそれぞれ作製した。塗工液K〜Nの各々を前述の中間層を塗工した紙の中間層上にワイヤーバーにより乾燥後の厚みが5.0g/m2になるように塗布し、50℃2分で乾燥させて熱転写受容シートを得た。比較例3,4は中間層の仕上がりが悪いために受容層を塗工しなかった。
評価
得られた熱転写受容シートの各々に市販の昇華型プリンタ(キヤノン社製、SELPHY)を用いて各色(黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、グリーン(G)、レッド(R)、ブルー(B))の階調パターンを印画し、下記の方法で染着性(印字感度、最高濃度(黒))及び中間層と染料受容層の密着性を評価した。それぞれ下記のように測定し評価した。結果を表5に示す。
評価方法
(染着性-印字感度)
黒の低濃度印画(9階調目)での転写色濃度をグレタグで測定した。
(染着性-最高濃度)
黒の高濃度印画(18階調目)での転写色濃度をグレタグで測定した。
(中間層と染料受容層の密着性)
メンディングテープ(3M製Scotchメンディングテープ810 幅18mm)を長さ50mmに切り、印画された試料の表面に貼付し、直径5cm、重さ500gの円筒形のおもりをのせ、速さ10mm/secで1往復押し当てた。その後、貼付したテープを剥離角度180度、速さ10mm/secで剥がす条件で剥離試験を行い目視で評価を行った。
A:印画表面の剥離が見られない
Z:印画表面の剥離が見られる
Figure 0005249055
本発明は、中空ポリマーを含有する中間層を用いた場合でも、染料の染着性に優れ、かつ熱転写シートとの密着性にも優れることができることから、熱転写受像シートとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 基材上に、ポリエステルA及び中空粒子を含有する中間層と、ポリエステルBを含有する染料受容層とをこの順に有する熱転写受像シートであって、前記中空粒子のメチルエチルケトン不溶分が70重量%以下であり、前記中空粒子の体積中位粒径が0.1〜5μmであり、
    ポリエステルBが、(i)下記一般式(I)
    Figure 0005249055
    (式中、R 1 O及びR 2 Oは各々オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を表し、x及びyはそれぞれR 1 O及びR 2 Oの付加モル数を示す正の数であり、かつxとyの和の平均値は2〜7である。但し、x個のR 1 Oは各々同一でも異なっていてもよく、またy個のR 2 Oは各々同一でも異なっていてもよい。)
    で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物を80モル%以上含有し、かつ(ii)上記2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物の全量中におけるエチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットの含有比率(エチレンオキサイドユニット/プロピレンオキサイドユニット)がモル比で50/50〜0/100であるアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合して得られるものである、熱転写受像シート。
  2. 前記染料受容層が、水系媒体中にポリエステルBを含有する樹脂を分散してなる樹脂分散液を、前記中間層上に塗布してなる、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記中間層において、中空粒子とポリエステルAとの重量比(中空粒子/ポリエステルA)が30/70〜70/30である、請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
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