次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態である発電スイッチ装置1Aを説明するための図である。図1はスイッチ機構10を発電装置30から取り外した状態の斜視図であり、図2は発電スイッチ装置1Aの全体の分解斜視図であり、図3は発電スイッチ装置1Aに搭載される電気回路を示す図である。
発電スイッチ装置1Aは、図示しない電子機器に対してスイッチ信号を送信するものである。即ち、スイッチキー11〜16が操作されると、発電スイッチ装置1Aは操作されたスイッチキー11〜16に対応したスイッチ信号を電子機器に向けて無線送信する。これにより、電子機器は送信されてきたスイッチ信号に対応した動作を行うことができる。
本実施形態に係る発電スイッチ装置1Aは、スイッチキー11〜16が操作されることにより自ら発電し、この発電した電力によりスイッチ信号を無線送信する、いわゆるバッテリーレスのスイッチ装置である。
発電装置30は、矩形状の筐体31内に操作レバー32、発電機33、及び内蔵スイッチSW5等を有している。操作レバー32は、筐体31の上側面から突出するよう設けられている。この操作レバー32は、筐体31から突出した第1の操作部32A及び第2の操作部32Bを有している。また、操作レバー32の中央部は、筐体31に軸承されている。このため、操作レバー32は筐体31に揺動可能に取り付けられた構成となっている。
発電機33は、操作レバー32の操作により発電を行うものである。本実施形態では、発電機33としてモータを使用している。操作レバー32と発電機33は、図示しないリンク機構により連結されている。そして、操作レバー32が操作されることにより、発電機33は回転し、発電を行う(誘導起電力を発生する)構成とされている。
回路基板40は、筐体31の開口部分に装着される。この回路基板40には、図3に示されるスイッチ制御回路41、送信回路42、及びアンテナ43等が設けられている(このスイッチ制御回路41、送信回路42、及びアンテナ43は、請求項に記載のスイッチ信号発信手段に相当する)。この回路基板40に形成された各回路41,42は、発電機33が発電する電力が供給され、この電力により駆動する。
スイッチ制御回路41は、後述するスイッチSW1〜SW4及び内蔵スイッチSW5と接続されている(このスイッチSW1〜SW4及び内蔵スイッチSW5は、請求項に記載のスイッチ手段に相当する)。このスイッチ制御回路41は、複数のスイッチSW1〜SW5のスイッチ動作に対応し、各スイッチSW1〜SW5に対応した異なる複数のスイッチ信号を出力する。
例えば、複数のスイッチSW1〜SW5の内、スイッチSW1が操作されたとすると、スイッチ制御回路41は操作されたスイッチSWを識別する。そして、操作されたスイッチSWがスイッチSW1であると判断すると、スイッチ制御回路41はスイッチSW1に対応したスイッチ信号を送信回路42に向けて出力する。
送信回路42は、電子機器に向けてスイッチ信号を発信するものである。この送信回路42は、スイッチ制御回路41からスイッチ信号が送られると、当該スイッチ信号に対応した周波数のスイッチ信号をアンテナ43から電子機器に向けて送信する。これにより電子機器は、送信されてくるスイッチ信号に対応した動作を行うことができる。
内蔵スイッチSW5は、第2の操作部32Bと係合可能な構成とされている。第2の操作部32Bが操作されていない状態では、第2の操作部32Bは内蔵スイッチSW5から離間した状態となっている。このため、第2の操作部32Bの非操作時においては、内蔵スイッチSW5はOFF状態となっている。
これに対し、第2の操作部32Bが操作されると、第2の操作部32Bは内蔵スイッチSW5と係合する。このため、第2の操作部32Bの操作時においては、内蔵スイッチSW5はON状態となる。
スイッチ機構10は、上記構成とされた発電装置30の操作レバー32と対向する位置に配設される。このスイッチ機構10は、6個のスイッチキー11〜16と、2個の連結アーム20,21とにより構成されたリンク機構である。
各スイッチキー11〜16は、操作者によりその上部面が操作されるものである。この各スイッチキー11〜16は、それぞれ側面視でL字形状を有している。また、各スイッチキー11〜16の下方に延出した端部には鍔部11a〜16aが形成されており、また水平方向に延出した端部には軸部11c〜16cが形成されている。更に、スイッチキー11,13,14,16には、各鍔部11a,13a,14a,16aより下方に延出する操作突起11b,13b,14b,16bが形成されている。
この各スイッチキー11〜16は、軸部11cと軸部14cとが組み合わされ、軸部12cと軸部15cとが組み合わされ、軸部13cと軸部16cとが組み合わされる。そして、この組み合わせ状態で、図示しない支軸を組み合わされた軸部11c〜16cに挿通するよう配設することにより、各スイッチキー11〜16は一体化する。また、スイッチキー11〜16が支軸を介して一体化された状態で、各スイッチキー11〜16は支軸を中心に回動可能な構成となる。
連結アーム20,21は、スイッチキー11〜16と発電装置30との間に配設される。この連結アーム20,21はスイッチキー11〜16と発電装置30とを連結し、いずれのスイッチキー11〜16が操作されても発電装置30を発電させる機能を奏するものである(これについては後述する)。
この連結アーム20,21も、側面視でL字形状を有している。この連結アーム20,21の水平方向に延出した被操作面20a,21aの端部には軸部20c,21cが形成され、また下方に延出した端部中央位置には操作突起20b,21bが形成されている。
この連結アーム20,21は、軸部20cと軸部21cとを組み合わせた上で、図示しない支軸を軸部20c,21cに挿通することにより一体化する。連結アーム20,21が支軸を介して一体化された状態で、連結アーム20,21は支軸を中心に回動可能な構成となる。
前記のように、連結アーム20,21はスイッチキー11〜16と発電装置30との間に配設される。このスイッチキー11〜16と連結アーム20,21とが組み立てられた状態において、スイッチキー11,12,13の鍔部11a,12a,13aは連結アーム20の被操作面20aと係合し、スイッチキー14,15,16の鍔部14a,15a,16aは連結アーム21の被操作面21aと係合するよう構成されている。
従って、スイッチキー11〜13のいずれのスイッチキーを操作しても、操作されたスイッチキーにより被操作面20aが押圧付勢され、連結アーム20は回転動作する。同様に、スイッチキー14〜16のいずれのスイッチキーを操作しても、操作されたスイッチキーにより被操作面21aが押圧付勢され、連結アーム21は回転動作する。
スイッチSW1〜SW4は、スイッチ機構10の下部に配設される。具体的には、スイッチSW1はスイッチキー11の操作突起11bと対向する位置に配設され、スイッチSW2はスイッチキー13の操作突起13bと対向する位置に配設され、スイッチSW3はスイッチキー14の操作突起14bと対向する位置に配設され、更にスイッチSW4はスイッチキー16の操作突起16bと対向する位置に配設される。
各スイッチSW1〜SW4は、いずれも非操作時はOFF状態となっている。一方、スイッチキー11,13,14,16のいずれかのスイッチキーが操作されると、このスイッチキーに対応して配設されたスイッチSW1〜SW4はON状態となる。
本実施形態では、上記のスイッチSW1〜SW4としてマイクロスイッチを用いている。しかしながら、スイッチSW1〜SW5はマイクロスイッチのようなメカスイッチに限定されるものではなく、静電容量式、光学式、抵抗式等の種々の検出手段を適用することが可能である。また後述するように、スイッチSW1〜SW4を基板上に形成することも可能である。
次に、連結アーム20,21に形成された操作突起20b,21bの配設位置に注目する。スイッチ機構10と発電装置30とを組み合わせた状態において、操作突起20bは第1の操作部32Aと係合し、操作突起21bは第2の操作部32Bと係合するよう構成されている。
よって、連結アーム20が支軸(軸部20c)を中心として回転することにより、操作突起20bは発電装置30の第1の操作部32Aを押圧する。また、連結アーム21が支軸(軸部21c)を中心として回転することにより、操作突起21bは発電装置30の第2の操作部32Bを押圧する。
前記のように、スイッチキー11〜13の鍔部11a〜13aは連結アーム20の被操作面20aに係合している。よって、スイッチキー11〜13のいずれのスイッチキーを操作しても連結アーム20は回転して第1の操作部32Aを押圧する。このため、スイッチキー11〜13のいずれを操作した場合であっても、発電装置30は発電を行う。
同様に、スイッチキー14〜16の鍔部14a〜16aは連結アーム21の被操作面21aに係合している。よって、スイッチキー14〜16のいずれのスイッチキーを操作しても連結アーム21は回転して第2の操作部32Bを押圧する。このため、スイッチキー14〜16のいずれを操作した場合であっても、発電装置30は発電を行う。また、この場合は第2の操作部32Bが操作されるため、筐体31内に配設された内蔵スイッチSW5はON状態となる。
次に、上記構成とされた発電スイッチ装置1Aの動作について、主に図5乃至図8を用いて説明する。なお、以下の説明においては、発電スイッチ装置1Aを車載した構成を例に挙げて説明するものとする。
具体的には図4に示すように、発電スイッチ装置1Aをステアリング45のステアリングスイッチに適用し、この発電スイッチ装置1Aが車載用オーディオ装置(電子機器)にスイッチ信号を送信する例について説明する。なお、本実施形に係る発電スイッチ装置1Aの適用は、これに限定されるものではない。
図8は、各スイッチキー11〜16と、オーディオ装置の機能との関係を示している。図示されるように、スイッチキー11はオーディオ装置のチャンネルをマイナス方向に変更する機能に対応している。同様に、スイッチキー12は音量をマイナス方向に変更する機能に、スイッチキー13はモードを逆方向に切替える機能に、スイッチキー14はチャンネルをプラス方向に変更する機能に、スイッチキー15は音量をプラス方向に変更する機能に、更にスイッチキー16はモードを順方向に切替える機能に夫々対応している。
また、図8には、スイッチSW1〜SW5のON/OFF状態とオーディオ装置の各機能との対応についても示されている。なお、同図において起電力がONであるとは、発電装置30(発電機33)が発電を行っていることを示すものである。上記した図8に示す各スイッチと機能との対応関係は、図3に示したスイッチ制御回路41に予めデータとして格納されている。
先ず、運転者によりスイッチキー11が操作された場合について説明する。図5は、発電スイッチ装置1Aのスイッチキー11が操作された状態を示している。
スイッチキー11が操作されることにより、図5に示されるように、スイッチキー11は軸部11cを中心として回転する。これに伴いスイッチキー11に一体的に形成された操作突起11bは移動し、スイッチSW1を押圧操作する。よって、スイッチSW1は、OFF状態からON状態に切り替わる。なお、図5では操作突起11bとスイッチSW1との位置関係を明確にするために、操作突起11bとスイッチSW1とが離間したように示しているが、実際は上記のように操作突起11bはスイッチSW1をON操作している(後述するスイッチキー12,13の動作説明で用いる図6,7でも同じ)。
上記のようにスイッチキー11が回転することにより、スイッチキー11の鍔部11aは連結アーム20の被操作面20aを図中下方に向けて押圧付勢する。これにより、連結アーム20は軸部20cを中心として回転し、連結アーム20に一体的に形成された操作突起20bは発電装置30の第1の操作部32Aを押圧操作する。このように、第1の操作部32Aが操作されることにより、発電装置30(発電機33)は発電を行う。
ここで本実施形態では、スイッチSW1がON操作されるタイミングは、発電が行われるタイミングよりも先になるよう設定されている。このタイミング調整は、操作突起11b及び操作突起20bの長さ調整を行うこと等により行うことができる。このタイミング調整を行うことにより、発電開始直後にスイッチSW1が切替えられる構成に比べ、スイッチSW1のON/OFF検出を正確に行うことができる。
スイッチSW1〜SW5は、上記したようにスイッチ制御回路41に接続されている。また、スイッチ制御回路41及び送信回路42は発電装置30が発電する電力により駆動するものである。このため、スイッチ制御回路41は、発電装置30が発電したことを電力供給されることにより検知することができる(図3参照)。
従って、図5に示す例では、スイッチSW1のみがON状態となっており、かつ発電装置30が発電を行っていることにより、スイッチ制御回路41はスイッチキー11が操作されていると判断する。このようにスイッチキー11が操作されていることが検知されると、スイッチ制御回路41は送信回路42に対してチャンネルをマイナス方向に変更する機能に対応したスイッチ信号(以下、CH変更(−)信号という)を送る。
送信回路42ではCH変更(−)信号が送られると、このCH変更(−)信号をオーディオ装置に向けてアンテナ43を介して無線送信する。そして、オーディオ装置では、このCH変更(−)信号を受信することにより、チャンネルをマイナス方向に変更する処理を実施する。
次に、運転者によりスイッチキー12が操作された場合について説明する。図6は、発電スイッチ装置1Aのスイッチキー12が操作された状態を示している。
スイッチキー12が操作されることにより、図6に示されるように、スイッチキー12は軸部12cを中心として回転する。これに伴いスイッチキー12の鍔部12aは、連結アーム20の被操作面20aを図中下方に向けて押圧付勢する。これにより、連結アーム20は軸部20cを中心として回転し、連結アーム20に一体的に形成された操作突起20bは発電装置30の第1の操作部32Aを押圧操作し、発電装置30は発電を行う。
図6に示すスイッチキー12が操作される例では、スイッチSW1〜SW5は全てOFF状態となっており、発電装置30(発電機33)のみが発電を行っている。よって、スイッチ制御回路41は、予め格納されている図8に示す対応関係より、現在の状態がスイッチキー12を操作している状態であると判断する。
このようにスイッチキー12が操作されていることが検知されると、スイッチ制御回路41は送信回路42に対して音量をマイナス方向に変更する機能に対応したスイッチ信号(以下、音量変更(−)信号という)を送る。
送信回路42では音量変更(−)信号が送られると、この音量変更(−)信号をオーディオ装置に向けてアンテナ43を介して無線送信する。そして、オーディオ装置では、この音量変更(−)信号を受信することにより、音量をマイナス方向に変更する処理を実施する。
このように、本実施形態では発電機33をスイッチSW1〜SW5と共にスイッチ手段の一つとして使用している。このため、スイッチキー12に対応したスイッチSW(マイクロスイッチ)を設ける構成に比べ、スイッチ手段を構成するスイッチSWの数を削減でき、発電スイッチ装置1Aのコスト低減を図ることができる。
次に、運転者によりスイッチキー13が操作された場合について説明する。図7は、発電スイッチ装置1Aのスイッチキー13が操作された状態を示している。
スイッチキー13が操作されることにより、スイッチキー13は軸部13cを中心として回転する。これに伴いスイッチキー13に一体的に形成された操作突起13bは移動し、スイッチSW2を押圧操作する。よって、スイッチSW2は、OFF状態からON状態に切り替わる。
またスイッチキー13が回転することにより、スイッチキー13の鍔部13aは、連結アーム20の被操作面20aを図中下方に向けて押圧付勢する。これにより、連結アーム20は軸部20cを中心として回転し、連結アーム20に一体的に形成された操作突起20bは第1の操作部32Aを押圧操作するため、発電装置30(発電機33)は発電を行う。
この際、スイッチSW2がON操作されるタイミングについても、発電が行われるタイミングよりも先になるよう設定されているため、スイッチSW2のON/OFF状態を正確に検出することができる。
図7に示すスイッチキー13が操作される例では、スイッチSW2のみがON状態となっており、かつ発電装置30(発電機33)が発電を行っている。よって、スイッチ制御回路41は、予め格納されている図8に示す対応関係より、現在の状態がスイッチキー13が操作されている状態であると判断する。
このようにスイッチキー13が操作されていることが検知されると、スイッチ制御回路41は送信回路42に対してモードを逆方向に切替える機能に対応したスイッチ信号(以下、モード切替(逆方向)信号という)を送る。
送信回路42ではモード切替(逆方向)信号が送られると、このモード切替(逆方向)信号をオーディオ装置に向けてアンテナ43を介して無線送信する。そして、オーディオ装置では、このモード切替(逆方向)信号を受信することにより、モードを逆方向に切替える処理を実施する。
次に、スイッチキー14〜16が操作されるときの動作について説明する。スイッチキー14〜16及び連結アーム21は、上記したスイッチキー11〜13及び連結アーム20と支軸を介して対称に配設されている。よって、スイッチキー14〜16を操作したときの発電スイッチ装置1Aの動作は、スイッチキー11〜13を操作したときの動作と対称な動作となる。このため、スイッチキー11〜13を操作したときの動作の図示は省略するものとする。
運転者によりスイッチキー14が操作されると、スイッチキー14の操作突起14bはスイッチSW3を押圧操作し、スイッチSW3はOFF状態からON状態に切り替わる。またこれに伴い、鍔部14aは連結アーム21の被操作面21aを押圧付勢し、連結アーム21の操作突起21bは発電装置30の第2の操作部32Bを押圧操作する。このめた、先ず発電機33内に内蔵されているスイッチSW5がOFF状態からON状態に切り替わり、続いて発電装置30(発電機33)が発電を行う。
スイッチ制御回路41は、スイッチSW3,SW5がON状態となっており、かつ発電装置30が発電を行っていることより、図8に示す対応関係よりスイッチキー14が操作されていることを検知する。この検知結果に基づき、スイッチ制御回路41は送信回路42に対してチャンネルをプラス方向に変更する機能に対応したスイッチ信号(以下、CH変更(+)信号という)を送る。
送信回路42ではCH変更(+)信号が送られると、このCH変更(+)信号をオーディオ装置に向けてアンテナ43を介して無線送信する。そして、オーディオ装置では、このCH変更(+)信号を受信することにより、チャンネルをプラス方向に変更する処理を実施する。
また、運転者によりスイッチキー15が操作されると、スイッチキー12の鍔部12aは連結アーム20の被操作面20aを押圧付勢し、これに伴い操作突起20bは発電装置30の第2の操作部32Bを押圧操作するため、発電装置30は発電を行う。
しかしながら、スイッチキー15が操作された場合、スイッチSW1〜SW4はOFF状態であるが、前記のように第2の操作部32Bが操作されることにより、内蔵スイッチSW5はON状態となる。このように、発電装置30が発電を行い、かつ内蔵スイッチSW5がON状態となっていることより、スイッチ制御回路41は、図8に示す対応関係よりスイッチキー15が操作されていることを検知する。
この検知結果に基づき,スイッチ制御回路41は送信回路42に対して
音量をプラス方向に変更する機能に対応したスイッチ信号(以下、音量変更(+)信号という)を送る。送信回路42では音量変更(+)信号が送られると、この音量変更(+)信号をオーディオ装置に向けてアンテナ43を介して無線送信する。そして、オーディオ装置では、この音量変更(+)信号を受信することにより、音量をプラス方向に変更する処理を実施する。
また、運転者によりスイッチキー16が操作されると、スイッチキー16の操作突起16bはスイッチSW4を押圧操作し、スイッチSW4はOFF状態からON状態に切り替わる。またこれに伴い、鍔部16aは連結アーム21の被操作面21aを押圧付勢し、連結アーム21の操作突起21bは発電装置30の第2の操作部32Bを押圧操作する。このため、先ず発電機33内に内蔵されているSW5がOFF状態からON状態に切り替わり、続いて発電装置30(発電機33)が発電を行う。
スイッチ制御回路41は、スイッチSW4,SW5がON状態となっており、かつ発電装置30が発電を行っていることより、図8に示す対応関係よりスイッチキー16が操作されていることを検知する。この検知結果に基づき、スイッチ制御回路41は送信回路42に対して処理をモードを順方向に切替える機能に対応したスイッチ信号(以下、モード切替(順方向)信号という)を送る。
送信回路42ではモード切替(順方向)信号が送られると、このモード切替(順方向)信号をオーディオ装置に向けてアンテナ43を介して無線送信する。そして、オーディオ装置では、このモード切替(順方向)信号を受信することにより、モードを順方向に切替える処理を実施する。
上記のように本実施形態に係る発電スイッチ装置1Aによれば、一つの発電装置30で6個のスイッチキー11〜16の操作に対応し、6種類のスイッチ信号をオーディオ装置(電子機器)に向けて発信することができる。このため、個々のスイッチキー11〜16毎に発電装置を設ける必要がなくなり、発電スイッチ装置1Aの構成の簡単化及び小型化を図ることができる。また、5個のスイッチSW1〜SW5で、6個のスイッチキー11〜16の識別を行えるため、スイッチ手段の少数化及び低コスト化を図ることができる。
次に、図9乃至図21を用いて本発明の第2乃至第6実施形態について説明する。
なお、図9乃至図21において、第1実施形態の説明で用いた図1乃至図8に示した構成と対応する構成については同一符号を付し、その説明は省略するものとする。
図9は、本発明の第2実施形態である発電スイッチ装置1Bを示している。
上記した第1実施形態に係る発電スイッチ装置1Aは、連結アーム20,21を構成要素とするスイッチ機構10を用いて、スイッチキー11〜16の操作をスイッチSW1〜SW4及び操作レバー32(第1及び第2の操作部32A,32B)に伝達する構成とした。
これに対して本実施形態に係る発電スイッチ装置1Bは、発電装置30に配設される操作レバー50の第1の操作部50Aに第1の延出部51Aを一体的に形成すると共に、第2の操作部50Bに第2の延出部51Bを一体的に形成したことを特徴としている。
第1の延出部51Aはスイッチキー11〜13の列設方向に延出しており、各スイッチキー11〜13の鍔部11a〜13aと対向するよう構成されている。よって、いずれのスイッチキー11〜13を操作しても、第1の延出部51Aは押圧される構成となっている。これにより、いずれのスイッチキー11〜13が操作されても、第1の操作部50Aは第1の延出部51Aを介して押圧操作され、発電装置30(発電機33)は発電を行う。
また、第2の延出部51Bはスイッチキー14〜16の列設方向に延出しており、各スイッチキー14〜16の鍔部14a〜16aと対向するよう構成されている。よって、いずれのスイッチキー14〜16を操作しても、第2の延出部51Bは押圧される構成となっている。これにより、いずれのスイッチキー14〜16が操作されても、第2の操作部50Bは第2の延出部51Bを介して押圧操作され、発電装置30(発電機33)は発電を行う。
このように、本実施形態に係る発電スイッチ装置1Bは、第1実施形態に係る発電スイッチ装置1Aに対して連結アーム20,21を用いず発電装置30で発電を行うことができる。即ち、各スイッチキー14〜16の動作を操作レバー50に伝達するリンク機構が不要となる。これにより、本実施形態に係る発電スイッチ装置1Bは、第1実施形態に係る発電スイッチ装置1Aに比べて部品点数の削減及び小型化を図ることができる。
図10は、本発明の第3実施形態である発電スイッチ装置1Cを示している。
前記した第1実施形態に係る発電スイッチ装置1Aでは、スイッチ手段として個々に独立したスイッチSW1〜SW5を用いた。これに対して本実施形態に係る発電スイッチ装置1Cは、スイッチSW1〜SW4を一体的に設けたスイッチ基板60を用いたことを特徴としている。
スイッチ基板60は、スイッチキー11〜16と発電装置30との間に配設されている。また、スイッチ基板60のスイッチキー11,13,14,16と対向する位置には、スイッチパターン62〜65(スイッチパターン64は図に現れず)が形成されている。更に、スイッチキー11,13,14,16のスイッチパターン62〜65と対向する位置にはスイッチ電極66〜69(スイッチ電極68は図に現れず)が形成されている。
上記のスイッチパターン62とスイッチ電極66はスイッチSW1を構成し、スイッチパターン63とスイッチ電極67はスイッチSW2を構成し、スイッチパターン64とスイッチ電極68はスイッチSW3を構成し、スイッチパターン65とスイッチ電極66はスイッチSW4を構成する。
各スイッチSW1〜SW4は、各スイッチキー11,13,14,16が操作されていない状態ではスイッチパターン62〜65とスイッチ電極66〜69は離間してOFF状態となっている。これに対し、スイッチキー11,13,14,16が操作されると、スイッチ電極66〜69はスイッチパターン62〜65に接続され、これにより操作されたスイッチキー11,13,14,16に対応するスイッチSW1〜SW4がON状態となる。
また本実施形態では、スイッチ基板60に半導体チップ61が設けられた構成とされている。この半導体チップ61はマイクロコンピュータを構成しており、図3に示したスイッチ制御回路41と同様の機能を奏する構成とされている。なお、他の回路をスイッチ基板60上に設けることも可能である。
また、スイッチ基板60の両側縁には、凹部60a,60bが形成されている。また、各スイッチキー11〜16の鍔部11a〜16aで、第1及び第2の延出部51A,51Bと対向する位置には操作突起11b〜16b(14b〜16bは図に現れず)が形成されている。
この操作突起11b〜16bの配設位置は、凹部60a,60bと対向する位置に設定されている。この構成とすることにより、スイッチキー11〜16を操作した際、操作されたスイッチキー11〜16の操作突起11b〜16bは、凹部60a,60bを介して直接第1の延出部51A又は第2の延出部51Bを押圧操作する。
このように、本実施形態に係る発電スイッチ装置1Cは、スイッチSW1〜スイッチSW4を構成するスイッチパターン62〜65をスイッチ基板60に一体的かつ一括的に設けた構成としたため、スイッチSW1〜SW4を個々に配設する第1実施形態に係る発電スイッチ装置1Aに比べ、発電スイッチ装置1Cの部品点数の削減、組み立て性を向上、及び小型化を図ることができる。
なお図10では、発電装置として第2実施形態で用いた第1及び第2の延出部51A,51Bを有する発電装置30を用いた例を示したが、第1実施形態で説明したスイッチ機構10を設ける構成を適用することも可能である。
図11は、本発明の第4実施形態である発電スイッチ装置1Dを示している。
本実施形態に係る発電スイッチ装置1Dは、3個の発電装置30A〜30Cを設けたことを特徴としている。発電装置30Aはスイッチキー11,14に対応しており、発電装置30Bはスイッチキー12,15に対応しており、発電装置30Cはスイッチキー13,16に対応している。
よって、スイッチキー11を操作すると発電装置30Aの1の操作部32Aが押圧操作され、スイッチキー14を操作すると発電装置30Aの第2の操作部32Bが押圧操作される。同様に、スイッチキー12を操作すると発電装置30Bの1の操作部32Aが押圧操作され、スイッチキー15を操作すると発電装置30Bの第2の操作部32Bが押圧操作され、スイッチキー13を操作すると発電装置30Cの1の操作部32Aが押圧操作され、スイッチキー16を操作すると発電装置30Cの第2の操作部32Bが押圧操作される。
このように、本実施形態に係る発電スイッチ装置1Dは、第1乃至第3実施形態では必要であったスイッチSW1〜SW4或いはスイッチ基板60を不要とすることができる。また、個々のスイッチキー11〜16のそれぞれに発電装置を設ける構成に比べ、発電装置の数を低減することができる。
図12乃至図17は、本発明の第5実施形態である発電スイッチ装置1Eを示している。
図12は発電スイッチ装置1Eの要部を拡大した斜視図であり、図13は発電スイッチ装置1Eの分解斜視図であり、図14及び図15は発電スイッチ装置1Eの動作の一例を示す図であり、図16及び図17は第1のリンクレバー70の構成及び動作を示す図である。なお、図13を除く各図においては、後述するスイッチケース80の図示は省略している。
本実施形態に係る発電スイッチ装置1Eは、スイッチキー11〜16、発電装置30D、第1及び第2のリンクレバー70,72、スイッチ基板60、及びスイッチケース80等を有した構成とされている。先ず、図12及び図13を用いて、発電スイッチ装置1Eの全体構成について説明する。
本実施形態では、スイッチキー11とスイッチキー14(これを総称する場合はスイッチキーAという)、スイッチキー12とスイッチキー15(これを総称する場合はスイッチキーBという)、及びスイッチキー13とスイッチキー16(これを総称する場合はスイッチキーCという)が一体化した構成とされている。
この3個のスイッチキーA〜Cには、軸受け17が形成されている。また、スイッチケース80(ベース81と上部カバー82とにより構成される)の上部には、軸部82Cが形成されている。軸受け17を軸部82Cに装着することにより、スイッチキーA〜Cはスイッチケース80に揺動可能な構成で取り付けられる。
また、各スイッチキー11〜16の下部には、下方に延出する操作突起11b〜16bが形成されている(操作突起14b〜16bは図に表れず)。また、スイッチケース80を構成する上部カバー82の上面には、操作突起11b〜16bの形成位置に対応した開口部82A、及び後述する連結部材83〜87が装着される装着孔82Bが形成されている。
スイッチキー11〜16の各操作突起11b〜16bは、開口部82Aと対向するよう構成されている。そしてスイッチキー11〜16が押圧操作された際、操作されたスイッチキー11〜16の操作突起14b〜16bが開口部82Aを介して上部カバー82の下面から下方に突出する構成とされている。
また、スイッチキー12〜16の下部には、それぞれ連結部材83〜87が配設されている。連結部材83〜87は、上部カバー82に形成された装着孔82Bに取り付けられる。この連結部材83〜87は、取り付け部と、この取り付け部に対して上下動するピンとを有している。このピンは、取り付け部内に配設されたバネ91(図14の連結部材84にのみ破線で示す)により上方向に付勢されている。
上記構成とされた連結部材83〜87のピンの上端部はスイッチキー12〜16の裏面と対向するよう構成されており、下端部は後述するスイッチSW1〜SW5と対向するよう構成されている。
よって、スイッチキー12〜16が押圧操作されると、操作されたスイッチキー12〜16は対応する連結部材83〜87のピンを押圧する。これによりピンは下動し、対応して配設されているスイッチSW1〜SW5をOFF状態からON状態に切替える。
次に、第1及び第2のリンクレバー70,72について説明する。第1及び第2のリンクレバー70,72は、スイッチケース80の内部に揺動可能に配設される。第1のリンクレバー70は、一対のリンクレバー半体70a,70bにより構成されている。一方のリンクレバー半体70aは、図13に矢印A1で示す方向に揺動可能とされている。また、他方のリンクレバー半体70bは、図13に矢印A2で示す方向に揺動可能とされている。更に、第2のリンクレバー72は図13に矢印A3で示す方向に揺動可能とされている。
リンクレバー半体70aとリンクレバー半体70bとの間には、リンクスプリング71が張架されている。このリンクスプリング71は、リンクレバー半体70aが矢印A1方向に揺動された際、またリンクレバー半体70bが矢印A2方向に揺動された際に、これを元の位置に戻す機能を奏するものである。
また、図16(A)に拡大して示すように、一対のリンクレバー半体70a,70bは、同一の回転軸Xを中心として揺動するよう構成されている。即ち、リンクレバー半体70aとリンクレバー半体70bは図中上下方向(矢印X1,X2方向)にずらして配置されており、これにより一対のリンクレバー半体70a,70bは同一の回転軸Xを中心として揺動可能な構成とされている。
これに対し、図16(B)に示す比較例に係る第1のリンクレバー700は、リンクレバー半体700aとリンクレバー半体700bを矢印Y1,Y2方向に並設した構成としている。この比較例に係る第1のリンクレバー700では、リンクレバー半体700aの回転中心Xaとリンクレバー半体700bの回転軸Xbが異なる構成となる。
本実施形態に係る第1のリンクレバー70によれば、比較例に係る第1のリンクレバー700に比べ、リンクレバー半体70a,70bの幅寸法(図中、矢印Y1,Y2方向の長さ)を長くすることができる。これについて、図17を用いて説明する。
図17(A)は第1のリンクレバー70を回転軸方向から見た図であり、図17(B)は比較例である第1のリンクレバー700を回転軸方向から見た図である。前記のように発電スイッチ装置1Eはステアリング45等に配設されるものであり(図4参照)、小型化を図る必要がある。このため、第1のリンクレバー70に許容される幅寸法(矢印Y1,Y2方向の長さ)も規制される。そこで、第1のリンクレバー70及び第1のリンクレバー700の幅寸法は、いずれもW1であるとして、以下の説明を行う。
本実施形態に係る第1のリンクレバー70では、回転軸Xから各リンクレバー半体70a,70bの側縁部までの長さはW2となる。これに対し、比較例に係る第1のリンクレバー700では、回転軸Xa,Xbから各リンクレバー半体700a,700bの側縁部までの長さはW3となる。
ここで、上記のように本実施形態では同じ回転軸Xを中心としてリンクレバー半体70a,70bが回転するのに対し、比較例では異なる回転軸Xa,Xbを中心としてリンクレバー半体700a,700bは回転する。このため、比較例のリンクレバー半体700a,700bは、本実施形態に係るリンクレバー半体70a,70bに比べ、回転軸Xa,Xbの離間距離に対応する長さ分だけ幅寸法が短くなる。
よって、本実施形態に係るリンクレバー半体70a,70bを角度θだけ揺動したときおけるリンクレバー半体70a,70bの矢印Z1,Z2方向の変位量Hは、比較例のリンクレバー半体700a,700bが角度θだけ揺動したときの変位量hに比べて長くなる。これにより、所定の変位量だけリンクレバー半体を移動させようとした場合、本実施形態に係る第1のリンクレバー70は比較例に係る第1のリンクレバー700に比べて回転させる角度θを小さくすることができる。
従って、スイッチキー11〜16のストロークが小さくても、確実に第1のリンクレバー70を動作させることができる。また、リンクレバー半体70a,70bの幅寸法が長くなることにより操作荷重を軽減でき、第1のリンクレバー70の耐久性を高めることができる。
上記構成とされた第1のリンクレバー70は、スイッチキー11〜13のいずれが押圧操作され、リンクレバー半体70aがリンクスプリング71の付勢力に抗して矢印A1方向に揺動すると第2のリンクレバー72を押圧する。これにより、第2のリンクレバー72は矢印A3方向に揺動する。
また,スイッチキー14〜16のいずれかが押圧操作され、リンクレバー半体70bがリンクスプリング71の付勢力に抗して矢印A2方向に揺動した場合も、第2のリンクレバー72はリンクレバー半体70bで押圧され、よってこの場合も第2のリンクレバー72は矢印A3方向に揺動する。
この際、スイッチキー11〜16を押圧操作するのに要する操作荷重は、第1のリンクレバー70の一対のリンクレバー半体70a,70b間に配設されたリンクスプリング71と、連結部材83〜87に内設されているバネ91のばね力により決まる。本実施形態では、リンクスプリング71及びバネ91のばね力を弱く設定しており、これによりスイッチキー11〜16を押圧操作するのに要する操作荷重は軽減され、操作性の向上を図っている。
上記の第1及び第2のリンクレバー70,72は、ベース81と上部カバー82との間に配設される。また配設された状態において、第2のリンクレバー72の先端部に形成された先端操作部72Bは、発電装置30Dの操作部55と対向するよう構成されている。
本実施形態に係る発電スイッチ装置1Eは、1個の発電装置30Dのみが配設されている。この発電装置30Dもスイッチケース80内に配設される。
図22及び図23は、本実施形態に係る発電スイッチ装置1Eに配設される発電装置30Dを示している。この発電装置30Dは、第2のリンクレバー72が矢印A3で示す方向に揺動し、操作部55が矢印A4で示す方向に操作されることにより発電機33で発電が行われる構成とされている。
発電装置30Dは、発電機33と発電機駆動機構34を有している。操作部55は矢印A4方向に揺動することにより発電機駆動機構34を駆動し、発電機駆動機構34はこの駆動力を発電機33に伝達することにより発電が行われる。
発電機駆動機構34は、L字状アーム35及び直動駆動部材36等を有している。L字状アーム35は、第1アーム部35a及び第2アーム部35bを有し、軸部35cを中心として各アーム部35a,35bはL字を形成するように延出した構成とされている。また、軸部35cは筐体31に回転可能に軸承されている。よって、L字状アーム35は軸部35cを中心として回転可能な構成とされている。
上記構成されたL字状アーム35は、第1アーム部35aが操作部55と係合するよう構成されると共に、第2アーム部35bが直動駆動部材36と係合するよう構成されている。
直動駆動部材36は、筐体31に図中矢印Y1,Y2方向に直動可能に取り付けられている。また、筐体31の矢印Y1方向側にはコイルばね37が配設されている。このコイルばね37は、直動駆動部材36を矢印Y2方向に付勢するよう構成されている。更に、直動駆動部材36の矢印Y2方向側には、凸部36aが形成されている。前記したL字状アーム35の第2アーム部35bは、この凸部36aと係合する構成とされている。
図22(A)は、操作部55が操作される前の状態(即ち、スイッチキー11〜16が操作されていない状態。以下、操作前状態という)を示している。操作前状態においては、L字状アーム35は図中時計方向(図中、矢印E1方向)に回転しており、直動駆動部材36はコイルばね37の弾性力により矢印Y2方向に移動した状態となっている。
この操作前状態からスイッチキー11〜16が操作されると、操作部55は矢印A4方向に移動し第1アーム部35aを押圧する。これによりL字状アーム35は、軸部35cを中心として反時計方向(図中、矢印E2方向)に回転する。第2アーム部35bは直動駆動部材36の凸部36aと係合している。よって、L字状アーム35が矢印E2方向に移動することにより、直動駆動部材36はコイルばね37の弾性力に抗して矢印Y1方向に直動付勢される。
このL字状アーム35及び直動駆動部材36を含む発電機駆動機構34は、発電機33と接続されている。よって、直動駆動部材36の移動力は発電機駆動機構34を介して発電機33に伝達され、発電機33で発電が行われる。
ところで発電機33で発電を行わせる際、操作部55の矢印Z2方向(矢印A4方向)の操作力は小さい方が望ましい。これにより、スイッチキー11〜16の操作時における操作力の低減を図ることができる。また、操作部55の矢印Z2方向(矢印A4方向)への移動距離(即ち、操作部55のストローク)は、少ない方が望ましい。これにより、スイッチキー11〜16の押し込み量を少なくでき操作性の向上を図ることができる。
本実施形態では、操作部55の矢印Z2方向(矢印A4方向)の操作力を小さくするため、第2アーム部35bの長さ(図24(A)に矢印M1で示す)を第1アーム部35aの長さ(図24(A)に矢印M2で示す)に比べて短く設定した(M1<M2)。コイルばね37の弾性付勢力が同一とした場合、本実施形態の構成とすることにより、各アーム部35a,35bの長さを等しくした場合に比べて第1アーム部35aの操作力を小さくしても、直動駆動部材36を確実に直動させることが可能となる。
しかしながら、単に第2アーム部35bの長さM1を第1アーム部35aの長さM2に比べて短くしただけでは、第1アーム部35aの操作力は小さくできるものの、直動駆動部材36の矢印Y1方向への移動量が少なくなる。よって、直動駆動部材36を発電に必要な所定距離だけ移動させるためには、第1アーム部35aの矢印Z2方向(矢印A4方向)の移動距離(ストローク量)を長くする必要が生じる。
本実施形態では、第1アーム部35aの操作力を小さくしつつ、かつ第1アーム部35aのストローク量を短くするため、直動駆動部材36に凸部36aを形成し、操作前状態において、第2アーム部35bが鉛直下方に対して所定角度だけ反時計側に傾くよう構成した。以下、本実施形態の構成とすることにより、第1アーム部35aのストローク量を短くしつつ、直動駆動部材36を発電に必要な所定距離だけ移動可能にできる理由について、図24〜図26を用いて説明する。
図24はL字状アーム35及び直動駆動部材36を拡大して示す図であり、図24(A)は操作前状態を示し、図24(B)は操作後状態を示している。また図25は、参考例となる発電装置800を示している。更に、図26は発電装置800に設けられたL字状アーム835及び直動駆動部材836を拡大して示す図であり、図26(A)は操作前状態を示し、図26(B)は操作後状態を示している。
図25に示す参考例に係る発電装置800は、直動駆動部材836に凸部36aが設けられていない点、また操作前状態においてL字状アーム835の第2アーム部835bが鉛直下方に延出した状態となっている点を除き、図22に示した本実施形態に係る発電装置30Dと同一構成とされている。
ここで、本実施形態に係る発電装置30Dにおいて、L字状アーム35が角度θ1回転したときに、直動駆動部材36は距離L1移動するものとする。また、参考例に係る発電装置800において、L字状アーム835が角度θ2回転したときに、直動駆動部材836は距離L2移動するものとする。更に、本実施形態の第2アーム部35bの長さと参考例に係る第2アーム部835bの長さはいずれもM1で等しく、また第1アーム部35a及び第1アーム部835aの長さも等しいものとする。
L1=2×M1×Sin(θ1/2)…(1)
L2=M1×Sinθ2…(2)
いま、仮にL字状アーム35及びL字状アーム835が等しい角度(θ1=θ2=60°とする)回転したときのL1及びL2を求めると次のようになる。
L1=2×M1×Sin30°=M1…(3)
L2=M1×Sin60°=(√3/2)×M1…(4)
よって、(3)式と(4)式より、L1>L2となる。即ち、L字状アーム35,835を同じ角度だけ回転させた場合、本実施形態に係る発電装置30Dの方が、比較例に係る発電装置800に比べ、直動駆動部材36を長い距離直動させることが判る。また、L字状アーム35,835の回転角度は、第1アーム部35a,835aのストローク量(これは、操作部55の矢印Z2方向への移動距離に対応する)に相関している。
従って本実施形態のように、操作前状態において第2アーム部35bが鉛直下方に対して所定角度だけ反時計側に傾くよう構成することにより、L字状アーム35の少ない回転により(即ち、第1アーム部35aの短いストローク量で)、直動駆動部材36を発明に必要な所定距離だけ確実に移動させることが可能となる。これにより、スイッチキー11〜16を操作する際も、各スイッチキー11〜16の押し量を少なくしても確実な操作が行えるため操作性を向上させることができる。
スイッチ基板60は、上面にスイッチSW1〜SW5が配設された回路基板である。このスイッチSW1は連結部材83と対向するよう配置され、同様にスイッチSW2は連結部材84と、スイッチSW3は連結部材85と、スイッチSW4は連結部材86と、スイッチSW5は連結部材87と対向するよう構成されている。そして、スイッチキー12〜16が操作されることにより連結部材83〜87のピンが下動した際、対応するスイッチSW1〜SW5がOFF状態からON状態に切り替わる。
なお、連結部材83〜87とスイッチ基板60との間には、前記した第1及び第2のリンクレバー70,72が存在する。しかしながら、第1及び第2のリンクレバー70,72の所定位置には連結部材83〜87のピンの移動を許容する溝93が形成されている。よって、第1及び第2のリンクレバー70,72が連結部材83〜87のピンの移動の邪魔になるようなことはない。
続いて、上記構成とされた発電スイッチ装置1Eの動作について説明する。
図14は、スイッチキー11が操作された状態を示している。スイッチキー11の下部には連結部材及びスイッチSWは設けられていない。しかしながら、スイッチキー11の下部には操作突起11bが設けられており、スイッチキー11が押圧操作されることにより、操作突起11bが第1のリンクレバー70のリンクレバー半体70aと当接し、これを下方に付勢するよう構成されている。
よって、スイッチキー11が操作されることにより、先ずリンクレバー半体70aが図14に矢印A1で示す方向に揺動し、これに伴い第2のリンクレバー72が矢印A3方向に揺動する。次に、第2のリンクレバー72が矢印A3方向に揺動することにより、先端操作部72Bが操作部55を付勢する。
これにより操作部55は矢印A4方向に移動し、発電装置30Dにおいて発電が行われる。よって、スイッチキー11が操作されたことは、スイッチSW1〜SW5がOFF状態であり、かつ発電装置30Dが発電を行っていることにより検知することができる。
一方,図15はスイッチキー13が操作された状態を示している。スイッチキー13の下部には操作突起13bが形成されると共に、連結部材84が配設されている。
よって、スイッチキー13が押圧操作されることにより、スイッチキー13は連結部材84のピンと係合し、このピンを下方に付勢する。また、スイッチ基板60には連結部材84と対向するようスイッチSW2が配設されている。よって、スイッチキー13の操作により連結部材84のピンが下動し、スイッチSW2は操作されてOFF状態からON状態に切り替わる。
一方、スイッチキー13の下部に形成された操作突起13bは、スイッチキー13の操作により第1のリンクレバー70のリンクレバー半体70aと当接しこれを下方に付勢する。これにより、リンクレバー半体70aが図14に矢印A1で示す方向に揺動し、これに伴い第2のリンクレバー72が矢印A3方向に揺動して先端操作部72Bが操作部55を付勢する。
このように、スイッチキー13が操作された場合も操作部55は矢印A4方向に移動し、発電装置30Dにおいて発電が行われる。よって、スイッチキー13が操作されたことは、スイッチSW2がON状態であり、かつ発電装置30Dが発電を行っていることにより検知することができる。
なお、スイッチキー12が操作されたときの発電スイッチ装置1Eの動作は、スイッチSW2がスイッチSW1に置き換わることを除いて、前記したスイッチキー13が操作されたときと略同様の動作となる。また、スイッチキー14〜16が操作されたときの発電スイッチ装置1Eの動作は、ON状態に切り替わるスイッチがSW3〜SW5のいずれかになること、またスイッチキー14〜16が操作された場合はリンクレバー半体70aに代わってリンクレバー半体70bが矢印A2方向に揺動することにより第2のリンクレバー72を付勢することを除き、前記したスイッチキー11〜13が操作されたときと略同様の動作となる。
よって、上記した第5実施形態に係る発電スイッチ装置1Eによっても、前記した各実施形態と同様に配設されるスイッチSWの数を従来に比べて低減することができる。また、発電装置30Dをスイッチケース80内で寝せた状態で配設したことにより、スイッチケース80を含めた全体の低背化を図ることができる。
上記した発電スイッチ装置1Eは、例えばステアリング45のステアリングスイッチとして使用され、図4に示されるようにステアリングスポーク46に配設される。この際、スイッチキー11〜13の上端の所定部分は、ステアリングスポーク46のガーニッシュから突出するよう構成されている。この際、スイッチキー11〜16のガーニッシュからの突出量は、操作者がスイッチキー11〜16を指で操作する際に指にガーニッシュが当たらない高さとされている。この構成とすることにより、スイッチキー11〜16の操作性の向上、及び誤操作の防止を図ることができる。
また、スイッチキー11とスイッチキー14との間、スイッチキー12とスイッチキー15との間、及びスイッチキー13とスイッチキー16との間には窪みが形成されているが、本実施形態ではこの窪みの深さを深く設定している。この構成とすることによっても、スイッチキー11〜16の操作性向上及び誤操作の防止を図ることができる。
なお、スイッチキー11〜16の高さは、矢印X1,X2方向に並設されたスイッチキー11〜13の高さと、これと平行に並設されたスイッチキー14〜16の高さは、必ずしも一致させる必要はなく、それぞれを異なる高さとすることも可能である。例えば、図4における下部に位置するスイッチキー11〜13の高さに対し、上部に位置するスイッチキー14〜16を高く設定することも可能である。このように、発電スイッチ装置1Eが配設されるステアリングスポーク46の表面に対するスイッチキー11〜16の高さを調整することにより、発電スイッチ装置1Eの操作性を高めることができる。
図18乃至図21は、本発明の第6実施形態である発電スッチ装置1Fを示している。
図18は発電スイッチ装置1Fの側面図であり、図19は第1及び第2のリンクレバー70,72を拡大して示す側面図であり、図20はスイッチ基板60を拡大して示す平面図であり、図21は発電スイッチ装置1Fの平面図である。なお、図21を除く各図においては、スイッチケース80の図示は省略している。
第6実施形態に係る発電スイッチ装置1Fは、第5実施形態に係る発電スイッチ装置1Eと同様にスイッチキー11〜16が操作されると、第1のリンクレバー70を構成するリンクレバー半体70a,70bが揺動して第2のリンクレバー72を押圧し、これにより発電装置30Dが発電を行う構成とされている。
第2のリンクレバー72の両側部には上方に向けて突出する一対の係合部72Dが形成されている。一方の係合部72Dはリンクレバー半体70aに係合すると共に、他方の係合部72Dはリンクレバー半体70bに係合している。従って、リンクレバー半体70a,70bが揺動することにより、リンクレバー半体70a,70bは係合部72Dと当接してこれを押圧し、これにより第2のリンクレバー72は揺動する。
なお、図18では図中手前に位置するリンクレバー半体70b及びこれに形成された係合部72Dのみが図示され、裏側に位置するリンクレバー半体70a及びこれに形成された係合部72Dは図示されていない。しかしながら、リンクレバー半体70a及び係合部72Dも、リンクレバー半体70b及びこれに形成された係合部72Dと同様の動作を行う。
本実施形態では、係合部72D(第2のリンクレバー72)がリンクレバー半体70a,70b(第1のリンクレバー70)と係合する位置を各リンクレバー半体70a,70bの中央位置に設定している。よって、図18及び図19(A)に示すように、各リンクレバー半体70a,70bの全長をLとすると、係合部72Dが各リンクレバー半体70a,70bが当接する位置と各リンクレバー半体70a,70bの端部までの距離は(L/2)となる。
本実施形態のように、係合部72Dが各リンクレバー半体70a,70bの中央位置で係合する構成とすることにより、各スイッチキー11〜16を押圧操作する際のストロークを短くすることができる。これについて、図19を用いて説明する。
図19(B)に示す比較例は、リンクレバー半体70a,70b(第1のリンクレバー70)の中心位置よりも矢印X1方向側にずれた位置において、第2のリンクレバー72の係合部72Dとリンクレバー半体70a,70b(第1のリンクレバー70)とが係合した構成とされている。この構成では、係合部72Dの当接位置からリンクレバー半体70a,70bの矢印X1方向端部までの距離(L1)と、X2方向端部までの距離(L2)は異なっている(L1<L2)。
このような比較例においてスイッチキーが操作され、例えば図19(B)に矢印で示すように、リンクレバー半体70a,70bのX2方向側の端部に押圧力が印加されたことを想定する。この場合、係合部72Dがリンクレバー半体70a,70bと係合する位置と、押圧力が印加される位置が離間しているため、リンクレバー半体70a,70bには図19(B)に一点鎖線で示すような撓みが発生するおそれがある。
このように、スイッチキーの操作時にリンクレバー半体70a,70b(第1のリンクレバー70)に撓みが発生すると、スイッチキーのストローク量が短いと操作部55を確実に操作できず発電装置30Dが適正に発電できない場合が生じる。
これに対して本実施形態では、係合部72Dが各リンクレバー半体70a,70bの中央位置で係合する構成としている。このため、比較例の構成に比べ各スイッチキー11〜16が操作されたときにリンクレバー半体70a,70b(第1のリンクレバー70)が押圧される位置と、係合部72Dがリンクレバー半体70a,70b(第1のリンクレバー70)と係合する位置を近付けることができる。
これにより、スイッチキー11〜16の操作時にリンクレバー半体70a,70bに撓みが発生することを防止でき、スイッチキー11〜16のストローク量を小さくすることができる。従って、スイッチキー11〜16の操作性の向上を図りつつ、スイッチ操作時に確実に発電装置30Dで発電を行わせることが可能となる。
また本実施形態では、図18に示されるように各スイッチキー11〜16に形成された操作突起11b〜16bが、係合部72Dとリンクレバー半体70a,70bの係合位置の近傍においてリンクレバー半体70a,70bを押圧するよう構成されている(操作突起11b〜13bは図に表れず)。
即ち、操作突起11b,14bはスイッチキーAにおける図中矢印X1方向寄りの位置に設けられており、操作突起12b,15bは係合部72Dとリンクレバー半体70a,70bとの係合位置に対応する位置に設けられており、更に操作突起13b,16bはスイッチキーCにおける図中矢印X2方向寄りの位置に設けられている。
このように各操作突起11b〜16bの配設位置を設定することにより、係合部72Dとリンクレバー半体70a,70bとの係合位置と、各操作突起11b〜16bがリンクレバー半体70a,70bを押圧する位置を近接させることができ、これによってもリンクレバー半体70a,70bに撓みが発生することを防止することができる。従って、この構成によっても、スイッチキー11〜16の操作性の向上を図りつつ、スイッチ操作時における発電装置30Dの発電を確実に行わせることができる。
次に、スイッチ基板60に配設されたスイッチSW1,SW2,SW4,SW5に注目する。
図20に示されるように、本実施形態におけるスイッチSW1,SW2,SW4,SW5は、各スイッチSW1,SW2,SW4,SW5のスイッチノブ89がスイッチ基板60の側縁側に位置するよう配置されている。具体的には、スイッチSW1,SW2のスイッチノブ89は図中矢印Y2方向側に配置され、スイッチSW4,SW5のスイッチノブ89は図中矢印Y1方向側に配置されている。
これに対して図13に示す第5実施形態に係る発電スイッチ装置1Eでは、スイッチSW1,SW2,SW4,SW5のスイッチノブはスイッチ基板60の長手方向(図中矢印X1,X2方向)に向いて配設された構成とされている。スイッチSW1〜SW5は、スイッチ基板60に実装されるとき、スイッチ基板60に形成された配線とはんだ付け処理が行われる。このため、スイッチ基板60の各スイッチSW1〜SW5が実装される実装位置の両側部には、はんだ付け等を行うための実装領域を設けておく必要がある。
図13に示す第5実施形態では、スイッチSW1〜SW5の側部がスイッチ基板60の側縁側に位置しているため、上記の実装領域を確保するためにスイッチSW1,SW2,SW4,SW5をスイッチ基板60の側縁から実装領域分だけ内側に配置する必要がある。
これに対して図20に示す第6実施形態のように、各スイッチSW1,SW2,SW4,SW5のスイッチノブ89がスイッチ基板60の側縁側に位置するよう配置することにより実装領域は側縁から離間するため、この分だけスイッチ基板60の小型化を図ることができる。具体的には、図13に示す第5実施形態のスイッチ基板60の幅寸法W5(図13に矢印で示す)に比べ、本実施形のスイッチ基板60の幅寸法W4(図20に矢印で示す)を小さくすることができる。
図21は、本実施形態に係る発電スイッチ装置1Fの平面図である。上記のように本実施形態では各スイッチSW1,SW2,SW4,SW5のスイッチノブ89がスイッチ基板60の側縁側に位置するよう配置することにより、スイッチ基板60の小型化が図られている。
これに伴い、スイッチ基板60を覆うように配設される上部カバー82(スイッチケース80)についても図中矢印ΔWで示す寸法分だけ小型化が図られている。よって、図4に示すような配設スペースが狭い、ステアリング45のステアリングスイッチ46として発電スイッチ装置1Fを用いても、確実にステアリング45内に発電スイッチ装置1Fを配設することができる。
なお、第5及び第6本実施形態に係る発電スイッチ装置1E,1Fにおいても、各スイッチSWがON状態となるタイミングは発電装置30Dが発電するタイミングよりも早くなるよう構成していることは、前記した各実施形態に係る発電スイッチ装置1A〜1Dと同様である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。