JP5620729B2 - ドクタ装置及びインキ掻き落とし方法 - Google Patents
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Description
{1}ドクタブレードを版胴の表面に一定のドクタ圧で終始安定して押圧すること。
{2}ドクタ圧の左右のバランスを簡単に調整することができ、また、その調整したバランスが終始安定して保たれること。
{3}ドクタブレードの先端を版胴の接平面に対して約60度の推奨角度で当接させること。
{4}側面視で版胴の中心を通る水平線から版胴の中心角で約45度上がった傾線上で、ドクタブレードの先端を版胴の表面に当接させること。
{5}ドクタブレードを版胴に当接させ、及び離間させる際の作業性がよいこと。
支持フレーム10は、左右2つのエアシリンダ20L,20Rを支持するためのフレームであって、版胴8からY方向上側に離間して設けられている。この支持フレーム10は、左右方向に延びるとともにX方向に幅をもっている。
左右2つのエアシリンダ20L,20Rは、ドクタブレード40を版胴8に押圧するための部材である。これらの左右2つのエアシリンダ20L,20Rのそれぞれは、シリンダ部21とロッド部22とからなり、シリンダ部21に供給されるエア圧力でロッド部22をY方向下側に繰り出す仕組みとなっている。そして、左のエアシリンダ20Lのシリンダ部21は、支持フレーム10の左側部分に支持され、右のエアシリンダ20Rのシリンダ部21は、支持フレーム10の右側部分に支持されている。
ドクタホルダ30は、ドクタブレード40を挟持するための部材であって、ホルダ本体31と、押さえ板36とからなる。詳しくは、ホルダ本体31は、左右方向に延びるとともにY方向に対して約30度(±5度)ずれる方向に幅を持つ載置板部32と、左右方向に延びるとともにX方向に幅をもつ接続板部33とからなり、載置板部32のY方向上側の端部が接続板部33のX方向前側の端部に連続している。そして、載置板部32と接続板部33とはそれらの下面間で側面視でみて約120度(±5度)の角度θをなしている。また、押さえ板36は、ドクタブレード40の基端側をホルダ本体31の載置板部32に押さえるための板であって、載置板部32と平行に左右方向に延びるとともにY方向に対して約30度(±5度)ずれる方向に幅をもち、複数のボルト37,37・・によって載置板部32に固着されている。
ドクタブレード40は印刷時にその先端で版胴8の表面に付着した余分なインキをで掻き落とすためのブレードである。このドクタブレード40は、前述のドクタホルダ30の載置板部32と押さえ板36とによって挟持されることにより、それらと平行に、(すなわち、その長さ方向が左右方向を向き、その幅方向がY方向に対して約30度ずれる方向を向くように)保持される。
左右2つのX方向調整機構50,50は、支持フレーム10をX方向に位置調整するための機構であって、支持フレーム10の左側部分をX方向に位置調整可能に支持した左のX方向調整機構50と、支持フレーム10の右側部分をX方向に位置調整可能に支持した右のX方向調整機構50とからなる。そして、左右2つの各X方向調整機構50は、X方向前側の端部が支持フレーム10に固着されたX方向に延びるとともに左右方向に幅をもつX方向フレーム51と、X方向フレーム51をX方向に位置調整可能に支持した支持部材56とを含み構成されている。詳しくは、各X方向フレーム51は、X方向に延びる長孔52を備え、該長孔52に支持部材56がボルト部57とナット58とにより固着されている。そして、左右2つの支持部材56,56は、左右方向に延びる連結シャフト59によって連結されている。
Y方向調節機構60は、支持フレーム10をY方向に位置調節するための機構である。このY方向調節機構60は、Y方向上側の端部にX方向調整機構50,50の支持部材56,56がそれぞれ固着されたY方向に延びる左右2つのY方向シャフト61,61と、それら左右2つのY方向シャフト61,61をY方向に変位可能にそれぞれ支持した左右2つの支持機構62,62と、ハンドル66と、該ハンドル66を回転させた際にその回転力をY方向の変位力に変えて左右2つのY方向シャフト61,61に伝える動力伝達機構67とを含み構成されている。
角度調整機構70は、Y方向を調整するための機構である。この角度調整機構70は、Y方向調節機構60の左右2つの支持機構62,62が固着された左右方向に延びる支持シャフト71と、該支持シャフト71をその周方向に回動可能、かつ左右方向に変位可能に支持した支持部72,72と、ハンドル76と、該ハンドル76を回転させた際にその回転力を支持シャフト71の周方向への回動力に変えて該支持シャフト71に伝える動力変換機構77とを含み構成されている。そして、この角度調整機構70のハンドル76には印が付されており、その印を所定の位置に合わすと、Y方向が前記の方向(水平線Hに対する角度αが約45度になる方向)になるようになっている。
左右往復駆動機構80は、版胴8の回転時に支持シャフト71を左右方向に往復駆動するための機構であって、版胴8を回転駆動する駆動用モータによって同時に駆動されるクランク機構により構成されている。
図3(a)及び図4(a)(b)に示す第1印刷時には、まず、図4(a)に示すように、Y方向調節機構60のハンドル66を一方に回すことにより、Y方向シャフト61,61をY方向下側に退入させて支持フレーム10自体を版胴8に向けて移動させる。次に、図3(a)及び図4(b)に示すように、左右2つのエアシリンダ20L,20Rのロッド部22,22を所望の同じ大きさのエア圧力でY方向下側に繰り出して、ドクタホルダ30を版胴8に向けて移動させることにより、ドクタブレード40の先端を版胴8に押し当てる。その後、印刷機を稼動させて印刷を開始する。このとき、回転する版胴8に付着する余分のインキは、ドクタブレード40によって掻き落とされる。
図3(b)及び図5(a)(b)に示す版胴交換時には、まず、図5(a)に示すように、左右2つのエアシリンダ20,20に供給するエア圧力を下げることにより、ロッド部22,22をY方向上側に退入させる。これにより、ドクタブレード40の先端が版胴8の表面から離間する。次に、図3(b)及び図5(b)に示すように、Y方向調節機構60のハンドル66を他方に回すことにより、Y方向シャフト61,61をY方向上側に繰り出して支持フレーム10自体を版胴8から離間する方向に移動させる。次に、同じく図3(b)及び図5(b)に示すように、この状態で版胴8(2点鎖線で示す版胴8)を外して別の版胴8(実線で示す版胴8)に交換する。
図3(c)及び図6(a)(b)に示す第2印刷時には、まず、図6(a)に示すように、Y方向調節機構60のハンドル66を一方に回すことにより、Y方向シャフト61,61をY方向下側に退入させて支持フレーム10自体を版胴8に向けて移動させる。次に、図3(c)及び図6(b)に示すように、左右2つのエアシリンダ20L,20Rのロッド部22,22を[1]の第1印刷時と同じ元のエア圧力でY方向下側に繰り出して、ドクタホルダ30を版胴8に向けて移動させることにより、ドクタブレード40の先端を版胴8に押し当てる。その後、印刷機を稼動させて印刷を再開する。このとき、回転する版胴8に付着する余分のインキは、[1]の印刷時と同様、ドクタブレード40によって掻き落とされる。
9 ドクタ装置
10 支持フレーム
20L 左のエアシリンダ
20R 右のエアシリンダ
21 シリンダ部
22 ロッド部
30 ドクタホルダ
30L ドクタホルダの左側部分
30R ドクタホルダの右側部分
31 ホルダ本体
32 載置板部
33 接続板部
36 押さえ板
40 ドクタブレード
60 Y方向調節機構(位置調節機構)
p 当接位置
H 水平線
D 傾線
α 中心角
β 当接角度
θ 載置板部と接続板部との間の角度
Y 傾線の長さ方向
Claims (5)
- 版胴(8)から離間して設けられた支持フレーム(10)に、左右2つのエアシリンダ(20L,20R)の各シリンダ部(21,21)を固定し、
左のエアシリンダ(20L)のロッド部(22)をドクタホルダ(30)の左右長さ方向の左側部分(30L)に接続し、右のエアシリンダ(20R)のロッド部(22)をドクタホルダ(30)の左右長さ方向の右側部分(30R)に接続し、両ロッド部(22,22)のみでドクタホルダ(30)を支え、
左右2つのロッド部(22,22)を繰り出してドクタホルダ(30)を版胴(8)に向けて両ロッド部(22,22)の繰出方向に直線的に移動させることにより、ドクタホルダ(30)に保持されているドクタブレード(40)の先端を版胴(8)に押し当てるようにした印刷機のドクタ装置。 - ドクタブレード(40)の先端を押し当てる版胴(8)の当接位置(p)を、側面視で版胴(8)の中心を通る水平線(H)から版胴(8)の中心角(α)で45±5度上がった傾線(D)上にし、該当接位置(p)における版胴(8)の接平面に対するドクタブレード(40)の当接角度(β)を60±5度にするとともに、
左右2つのロッド部(22,22)を繰り出す繰出方向を、前記傾線(D)の長さ方向(Y)と同じ方向にした請求項1記載の印刷機のドクタ装置。 - 支持フレーム(10)を前記傾線(D)の長さ方向(Y)と同じ方向に位置調節する位置調節機構(60)を備えた請求項2記載の印刷機のドクタ装置。
- ドクタホルダ(30)を、ドクタブレード(40)を載せる載置板部(32)と左右2つのロッド部(22,22)を直角に接続する接続板部(33)とが、両板部(32,33)の間で120±5度の角度(θ)をなしてなるホルダ本体(31)と、ドクタブレード(40)を載置板部(32)に押さえる押さえ板(36)とから構成した請求項2又は3記載の印刷機のドクタ装置。
- ドクタホルダ(30)の左右長さ方向の左側部分(30L)に接続した左のエアシリンダ(20L)のロッド部(22)と、ドクタホルダ(30)の左右長さ方向の右側部分(30R)に接続した右のエアシリンダ(20R)のロッド部(22)とのみでドクタホルダ(30)を支え、両ロッド部(22,22)を、同じエア圧力で繰り出してドクタホルダ(30)を版胴(8)に向けて両ロッド部(22,22)の繰出方向に直線的に移動させることにより、ドクタホルダ(30)に保持されているドクタブレード(40)の先端を版胴(8)に押し当て、回転する版胴(8)に付着する余分のインキを掻き落とす印刷機のドクタ装置によるインキ掻き落とし方法。
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