JP2016083842A - 流体圧式ドクタ装置 - Google Patents

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【課題】ドクタブレードの先端が版胴に対して自然に左右均等に平行に押し当たるようにする。そして更に、ドクタホルダ及びドクタブレードの荷重の全てが左右2つのロッド部のみに加わらないようにする。【解決手段】流体圧式ドクタ装置1は、左右2つの流体圧シリンダ20,20と、左右2つの流体圧シリンダ20,20のロッド部25,25に接続されたドクタホルダ30と、ドクタホルダ30に保持されたドクタブレード40と、ドクタホルダ30の荷重を受ける受部材9,9とを備えている。そして、左右2つの流体圧シリンダ20,20のシリンダ部21,21から流体圧でロッド部25,25を繰り出すことで、ドクタホルダ30及びドクタブレード40を繰出方向に直線移動させて、ドクタブレード40の先端を版胴5に押し当てる。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷機の版胴にドクタブレードを押し当てて、版胴に付着した余分なインキを掻き落とすドクタ装置に関する。
従来、ドクタブレードを印刷機の版胴に押し当てる作業は、次のようにして手動で行っていた。すなわち、図5に示す従来例のドクタ装置80は、左右2つの位置調節機構82,82でドクタホルダ83を前後方向に位置調節可能に支持している。そして、左右2つの位置調節機構82,82のハンドル82a,82aを、手動で左右均等になるように調整しながら回す。それにより、ドクタホルダ83に保持されているドクタブレード84の先端を版胴5に対して平行に押し当てる。そして、このとき、ドクタブレード84がその厚さ方向に曲がることで、その弾性力で版胴5に対して適度な押圧力(ドクタ圧)が加わる。そして、このようにドクタブレードの弾性力で適度なドクタ圧を加える技術については、特許文献1等に開示されている。
特開2004−202726号公報 特開2012−16905号公報
しかしながら、従来例のドクタ装置80では、左右2つのハンドル82a,82aを手動で左右均等になるように細かく調整しながら回す必要がある。そのため、ドクタブレード84を版胴5に平行に押し当てる作業は、熟練を要する上に面倒である。また更に、その作業によって、一度ドクタブレード84の先端を版胴5に対して平行に押し当てても、印刷を行っているうちに、例えば、印刷機の速度を上げた時などに、ドクタブレード84が左右不均等に後側に押し戻されて、ドクタブレード84の先端が版胴5に対してわずかに非平行になってしまうことがある。そして、その場合には、ドクタ圧が左右不均等になったり、ドクタブレード84と版胴5との間に隙間が生じたりして、印刷不良が起きることがある。
そこで、本発明者は、左右2つの手動の位置調節機構82,82でドクタホルダ83を支持する代わりに、図6に示すドクタ装置90(特許文献2)ように、左右2つのエアシリンダ92,92のロッド部92b,92bで、ドクタホルダ93を前方に繰出可能に支持することを考えた。
そのドクタ装置90によれば、左右2つのエアシリンダ92,92のシリンダ部92a,92aから同じエア圧力でロッド部92b,92bを繰り出すだけで、ドクタブレード94の先端が版胴5に対して自然に左右均等に平行に押し当たる。そして、その状態は、エア圧力を維持するだけで、自然に維持される。そのため、印刷を行っているうちに、ドクタ圧が左右不均等になったり、ドクタブレード94と版胴5との間に隙間が生じたりする心配がない。そのため、印刷不良が起きる心配がない。
しかしながら、本発明者は、そのドクタ装置90について、更なる改良点も見い出した。すなわち、そのドクタ装置90では、ドクタホルダ93を左右2つのロッド部92b,92bのみで支持しているため、ドクタホルダ93及びドクタブレード94の荷重の全てが左右2つのロッド部92b,92bのみに加わってしまう。そのため、ドクタホルダ93及びドクタブレード94が重い場合等には、無理が生じるおそれがある。
そこで、先の発明と同様に、ドクタブレードの先端が版胴に対して自然に左右均等に平行に押し当たるようにしつつも、先の発明とは違い、ドクタホルダ及びドクタブレードの荷重の全てが左右2つのロッド部のみに加わらないようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の印刷機の流体圧式ドクタ装置は、左右2つの流体圧シリンダと、左右2つの流体圧シリンダのロッド部に接続されたドクタホルダと、ドクタホルダに保持されたドクタブレードと、ドクタホルダの荷重を受ける受部材とを備え、左右2つの流体圧シリンダのシリンダ部から流体圧でロッド部を繰り出すことで、ドクタホルダ及びドクタブレードを繰出方向に直線移動させて、ドクタブレードの先端を版胴に押し当てる構成である。
ここで、流体圧シリンダは、特に限定されないが、油圧シリンダやエアシリンダを例示する。また、受部材は、特に限定されないが、ドクタホルダに下方から当接する板状の部材である場合や、前記繰出方向に延びるスプライン軸を備えたボールスプラインである場合を例示する。
本発明によれば、左右2つの流体圧シリンダのシリンダ部から同じ流体圧で左右2つのロッド部を繰り出すだけで、ドクタブレードの先端が版胴に対して自然に左右均等に平行に押し当たる。よって、ドクタ圧の左右のバランスは自然にとられてしまうので、バランス調整をする必要がない。そして、そのバランス状態は、流体圧を維持するだけで、自然に維持される。そのため、印刷を行っているうちに、ドクタ圧が左右不均等になったり、ドクタブレードと版胴との間に隙間が生じたりする心配がない。そのため、印刷不良が起きる心配がない。
また、更に、受部材を備えているため、ドクタホルダ及びドクタブレードの荷重の全てが左右2つのロッド部のみに加わることがない。そのため、ドクタホルダ及びドクタブレードが重い場合等にも、無理が生じる心配がない。
実施例の流体圧式ドクタ装置を示す平面図である。 実施例の流体圧式ドクタ装置の右の受部材及びその周辺を示す、aは平面図、bはその側面断面図(IIb−IIb断面図)である。 実施例の流体圧式ドクタ装置の右の受部材及びその周辺を示す斜視図である。 実施例の流体圧式ドクタ装置において、aはドクタブレードが版胴に対してわずかに非平行になったときを示す平面図、bはその状態から左右2つのロッド部を同じ油圧で繰り出したときを示す平面図である。 従来例のドクタ装置を示す平面図である。 本発明者の先の発明のドクタ装置を示す平面図である。
図1〜図4に示す本発明の印刷機の流体圧式ドクタ装置1は、左右2つの油圧シリンダ20,20と、左右2つの油圧シリンダ20,20のロッド部25,25に接続されたドクタホルダ30と、ドクタホルダ30に保持されたドクタブレード40と、ドクタホルダ30に下方から当接してドクタホルダ30及びドクタブレード40の荷重を受ける受部材9,9とを備えている。
そして、左右2つの油圧シリンダ20,20のシリンダ部21,21から油圧でロッド部25,25を繰り出すことで、ドクタホルダ30及びドクタブレード40を繰出方向に直線移動させて、ドクタブレード40の先端を版胴5に押し当てる構成になっている。
図1〜図4に示す本実施例の流体圧式ドクタ装置1は、次に示す支持シャフト8と、左右2つの受部材9,9と、左右2つのガイド10,10と、左右2つの油圧シリンダ20,20と、ドクタホルダ30と、ドクタブレード40と、上下角度調節機構50と、高さ調節機構60と、左右往復駆動機構70とを含み構成されている。
支持シャフト8は、左右方向に延びる一本のシャフトである。その支持シャフト8の左側部分には、左の受部材9が固定部材9aを介して相対回動不能に固定されている。また、その支持シャフト8の右側部分には、右の受部材9が固定部材9aを介して相対回動不能に固定されている。そして、各受部材9の前側部分には、ガイド10が取り付けられている。また、各受部材9の後側部分には、油圧シリンダ20のシリンダ部21がシリンダ取付部材22を介して取り付けられている。
各ガイド10は、受部材9の上に摺動可能に設置された可動体11と、可動体11を繰出方向に案内する左右2つのガイドレール16,17とを含み構成されている。そして、左右2つの可動体11,11で、左右方向に長いドクタホルダ30の左側部分及び右側部分をそれぞれ支持している。
各油圧シリンダ20は、シリンダ部21とロッド部25とからなり、シリンダ部21に供給される油圧でシリンダ部21からロッド部25を繰り出す仕組みとなっている。そして、ロッド部25の先端部は、ロッド取付部材26を介して可動体11の後端部に接続されている。
ドクタホルダ30は、左右方向に長いドクタブレード40の後側部分を保持するための部材であって、ホルダ基板31と下板34と上板36との、左右方向に長い3枚の板材から構成されている。そして、ホルダ基板31は、左右2つの可動体11,11の上面に取り付けられている。また、下板34と上板36とは、ドクタブレード40の後部とその上面に重ねられたバックアップブレード35とを一緒に挟持している。その状態で、それら(下板34、ドクタブレード40、バックアップブレード35及び上板36)が、ホルダ基板31の上面に保持部材37,37で保持されている。
そして、受部材9,9及びガイド10,10は、次の2つの動作のいずれをも妨げずに許容する構成になっている。すなわち、まず1つめの動作は、左右2つのロッド部25,25が同じ繰出量で繰り出して、ドクタホルダ30及びドクタブレード40が繰出方向に直線移動する動作である。また、2つ目の動作は、左右2つのロッド部25,25が異なる繰出量で繰り出して、ドクタホルダ30及びドクタブレード40の向きが繰出方向に対して角度変更する動作である。その角度変更は、受部材9,9の上面と平行な面内で許容される。
詳しくは、左右の可動体11,11とドクタホルダ30との各間には、上記の面内での相対回動を許容するベアリング(図示略)が介装されている。その左右のベアリングにより、上記の角度変更が許容される。但し、ベアリングに代えて、軸と潤滑油とを用いてもよい。
上下角度調節機構50は、支持シャフト8を回動させることで、版胴5に対するドクタブレード40の当接角度を変えるための機構である。また、高さ調節機構60は、支持シャフト8を昇降させることで、版胴5に対するドクタブレード40の当接高さを変えるための機構である。また、左右往復駆動機構70は、版胴5の回転時に支持シャフト8を左右方向に往復駆動するための機構である。
本実施例によれば、次のA〜Cの効果を得ることができる。
[A]たとえ図4aに示すように、ドクタブレード40の先端が版胴5に対してわずかに非平行になっていても、左右2つのシリンダ部21,21から同じ油圧で左右2つのロッド部25,25を繰り出すだけで、図4bに示すように、ドクタブレード40の先端が版胴5に対して自然に左右均等に平行に押し当たる。よって、ドクタ圧の左右のバランスは自然にとられてしまうので、バランス調整をする必要がない。そして、そのバランス状態は、油圧を維持するだけで、自然に維持される。そのため、印刷を行っているうちに、ドクタ圧が左右不均等になったり、ドクタブレード40と版胴5との間に隙間が生じたりする心配がない。そのため、印刷不良が起きる心配がない。
[B]受部材9,9を備えているため、ドクタホルダ30及びドクタブレード40の荷重の殆どは、受部材9,9に加わる。そのため、左右2つのロッド部25,25には殆ど荷重が加わらない。そのため、ドクタホルダ30及びドクタブレード40が重い場合等にも、左右2つのロッド部25,25に無理が生じる心配がない。
[C]受部材9,9及びガイド10,10は、ドクタホルダ30及びドクタブレード40の向きが繰出方向に対して角度変更する動作を妨げないため、上記のAの効果(たとえ非平行になっていても、自然に左右均等に平行に押し当たる効果)を妨げない。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成や形状を任意に変更して実施することもできる。
1 流体圧式ドクタ装置
5 版胴
9 受部材
10 ガイド
20 油圧シリンダ(流体圧シリンダ)
21 シリンダ部
25 ロッド部
30 ドクタホルダ
40 ドクタブレード

Claims (1)

  1. 左右2つの流体圧シリンダ(20,20)と、左右2つの流体圧シリンダ(20,20)のロッド部(25,25)に接続されたドクタホルダ(30)と、ドクタホルダ(30)に保持されたドクタブレード(40)と、ドクタホルダ(30)の荷重を受ける受部材(9,9)とを備え、
    左右2つの流体圧シリンダ(20,20)のシリンダ部(21,21)から流体圧でロッド部(25,25)を繰り出すことで、ドクタホルダ(30)及びドクタブレード(40)を繰出方向に直線移動させて、ドクタブレード(40)の先端を版胴(5)に押し当てる構成である流体圧式ドクタ装置。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5159510A (ja) * 1974-11-20 1976-05-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd Oohaninsatsuki
US6360660B1 (en) * 1998-11-25 2002-03-26 Allison Tech Sales Incorporated Doctor blade systems
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