JPH0444361Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、凹版印刷機におけるドクターブレー
ドの角度を割出すゲージに関する。

［従来の技術］ 一般に、凹版印刷機は第１図のように構成され
ている。すなわち、図中の１は版胴であつて、こ
の版胴の上部には、圧胴２が転接され、またこの
版胴１の下部にはインキ槽３がもうけられてい
る。そして、この版胴と上記の圧胴の間を介して
用紙４が送られるように構成されている。また、
この版胴１の周面には、ドクターブレード５が当
接されている。そして、この版胴１の周面には、
上記のインキ槽３を通過する際にインキが供給さ
れ、この版胴の周面に付着したインキは上記のド
クターブレード５によつて非画線部の部分に付着
したインキが除去され、画線部に残つたインキが
上記の用紙４に印刷される。

ところで、このような凹版印刷装置では、上記
ドクターブレード５によつて非画線部のインキを
完全に除去する必要があり、この非画線部にイン
キが残ると印刷の不良が発生する。このため、こ
のドクターブレード５の保守等には、細心の注意
を払う必要がある。

このドクターブレード５は、ホルダ６によつて
保持され、エアシリンダ８等によつて所定の圧力
で上記の版胴１に押圧されるように構成されてい
る。また、このドクターブレード５の角度等は、
取付け調整機構７を調整することによつてなされ
る。

ところで、上記ドクターブレード５と版胴１の
周面すなわち印刷面の接線とのなす角度θは、こ
のドクターブレード５と版胴１の接触状態に大き
く影響する。このため、これらの密接状態を完全
に維持するにはこの角度θを正確に調整する必要
がある。また、これらのなす角度θは、版胴１を
交換した場合等にその版胴の直径等に対応して異
なる角度に調整しなければならない。

しかし、従来は、この角度θの調整は目測、或
いは分度器等を使用してなされており、その角度
の割出しが面倒であるとともに、この角度θの調
整が不正確である等の不具合があつた。

また、従来はこの角度θの調整の際に、版胴の
直径を間違え、その直径の版胴に対して正しくな
い角度にドクターブレードを調整してしまうこと
もあつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は以上の事情に基づいてなされたもの
で、ドクターブレードと版胴とのなす角度を簡単
かつ正確に割出すことができるドクターブレード
の角度割出しゲージを提供するものである。

［問題点を解決するための手段とその作用］ 本考案のゲージは、所定の直径の版胴の周面に
密接する円弧面状の版胴当接面と、この版胴当接
面の法線に対して所定の角度をなしドクターブレ
ードの上面に当接するドクターブレード当接面と
を備えたものである。

したがつて、これらの面を版胴とドクターブレ
ードの上面に当てるだけで、これらのなす角度を
簡単かつ正確に割り出すことができるものであ
る。また、上記の版胴当接面は、版胴の周面に密
接するような円弧面状をなしているので、版胴の
直径を間違えて別の直径の版胴に適用すべき間違
つたゲージを使用した場合には、このゲージの版
胴当接面と版胴の周面との間に大きな隙間が形成
され、作業者はゲージを間違つたことをただちに
認識することができ、正確かつ確実な調整作業を
なすことができる。

［実施例］ 以下、第２図および第３図を参照して本考案の
一実施例を説明する。第２図にはこのゲージ１０
を示す。このゲージ１０は合成樹脂の厚板等から
形成され、その一側面には、版胴１の周面に密接
するような円弧面状の版胴当接面１１が形成され
ている。また、この版胴当接面１１の接線に対し
て所定の角度、すなわちドクターブレード５と版
胴１の周面の接線とのなすべき角度θに対応した
角度をなした平面状のドクターブレード当接面１
２が形成されている。また、この板状のゲージ１
０の厚さｔは比較的厚く形成され、このゲージ１
０をドクターブレード５の上面に置いた場合に、
このゲージが安定して自立できるように構成され
ている。また、このゲージ１０の側面には、上記
の版胴当接面１１の曲率等に対応した版胴の寸法
をたとえばその周長で表示し、またその版胴の接
線とドクターブレードのなす角度を表示した表示
部１３が形成されている。もちろん、このような
ゲージ１０は、対応する版胴１の寸法、ドクター
ブレード５のなすべき角度の種類にに対応して複
数種類のものが用意されている。

上記ドクターブレード５と版胴１とのなす角度
θは、経験等によつて予め設定されているもので
あり、一般的には、この角度θは45°〜80°程度に
限定される。

以上の如く構成されてた実施例のゲージ１０
は、第３図に示す如く、ドクターブレード５の角
度を調整する際にその版胴当接面１１を版胴１の
周面に当節させ、またドクターブレード当接面１
２をドクターブレード５の上面に当接させ、調整
機構７を調整してこのドクターブレード５の角度
を所定の角度に調整する。したがつて、この角度
θを簡単かつ正確に割出すことができる。また、
このゲージ１０は比較的厚く、安定して自立する
ことができるので、調整作業の際にこのゲージ１
０をドクターブレード５の上面に自立させておく
ことができ、調整作業が能率的となる。

なお、本考案は上記の実施例には限定されず、
たとえばこのゲージの材質、形状等は必ずしも上
記の実施例のものには限定されない。

［考案の効果］ 上述の如く本考案は、このゲージを版胴および
ドクターブレードに当てるだけで簡単かつ正確に
ドクターブレードの角度を割出すことができ、ド
クターブレードの調整作業がきわめて能率的であ
る。また、版胴当接面は円弧面状をなし、版胴の
周面に密接するように構成されているので、版胴
の直径を間違え、間違つたゲージを使用すると、
その版胴当接面と版胴の周面との間に大きな隙間
が生じ、作業者は間違つたゲージを使用したこと
をただちに認識することができ、確実な調整作業
をすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な凹版印刷機の概略を示す側面
図である。第２図および第３図は本考案の一実施
例を示し、第２図はゲージの斜視図、第３図はそ
の使用状態の説明図である。 １……版胴、５……ドクターブレード、１０…
…ゲージ、１１……版胴当接面、１２……ドクタ
ーブレード当接面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の直径の版胴の周面に密接する円弧面状の
   版胴当接面と、この版胴当接面の法線に対して所
   定の角度をなし、ドクターブレードの上面に当接
   するドクターブレード当接面とを具備したことを
   特徴とするドクターブレードの角度ゲージ。