JP5619515B2 - 酸化セリウム系研磨剤及びガラス製ハードディスク基板の製造方法 - Google Patents

酸化セリウム系研磨剤及びガラス製ハードディスク基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化セリウム系研磨剤及びガラス製ハードディスク基板の製造方法に関する。
近年ガラス材料は様々な用途に用いられている。なかでも、ハードディスク用ガラス基板、液晶用ガラス基板、LSIフォトマスク用ガラス基板等においては、高い表面精度や低欠陥が求められるため、精密な表面研磨を行うことが一般的となっている。
ガラス基板の表面研磨には、酸化セリウムを主体として酸化ランタンや酸化プラセオジム、酸化ネオジム等を含む複合酸化希土類研磨材を用いることが一般的である。この複合酸化希土類研磨材は、セリウム化合物やランタン化合物、プラセオジム化合物、ネオジム化合物、金属酸化物等を含有するバストネサイト鉱やモナザイト鉱等の鉱石を精製した希土類原料を、粉砕、焼成、分級等の工程に通して得られる。そのため、複合酸化希土類研磨材の中には原料起因の金属酸化物等の不純物が残存している。
ここで、複合酸化希土類研磨材中に含まれる純粋な酸化希土化合物(酸化セリウム+酸化ランタン+酸化プラセオジム+酸化ネオジム)の割合は、TREO(Total Rare Earth Oxide)と呼ばれる。
一般的にTREOが高い複合酸化希土類研磨材は、より高い研磨速度が得られるが、これは複合酸化希土類研磨材でガラス基板を研磨する際に、複合酸化希土類研磨材粒子の有する硬度によるメカニカルな効果のみでなく、酸化セリウムとガラス基板間に生じるケミカルな効果との複合効果により、効率的に研磨加工が進行するためと考えられている。
さらに、複合酸化希土類研磨材にフッ素を作用させた、例えば複合酸フッ化希土類研磨材とすることで、より高い研磨速度が得られることが知られている。ここでのフッ素の効果は、複合酸化希土類研磨材の一次結晶サイズ(結晶子径)を大きくして、研磨に寄与するよりメカニカルな力を増大することあると考えられている。しかし、フッ素は水質汚濁防止法に指定されている環境負荷物質(Environmental Load Substance)であり、環境面から、今後のガラス基板研磨にはフッ素を添加しない研磨材を使用することが求められる。
ハードディスク用ガラス基板では、高速回転で回転した際のディスクのぶれを抑えるための、またハードディスクを搭載したモバイル機器を落下させてしまった際の破損を防ぐための機械特性、特に硬さと剛性の向上等の要求が年々厳しくなっている。これらの機械特性の要求を満たすために、ガラスの化学組成や製造方法は年々改良されている。その結果、ハードディスク用としてはアルミノシリケートを主成分とする強化ガラス基板や、リチウムシリケートを主成分とする結晶化ガラス基板も使用されるようになっている。
しかし、これらのガラス基板はどれも加工性が悪く、研磨速度が従来のガラスよりも極端に遅くなってしまう。そのため、生産性を悪化させないために高い研磨速度を持つ研磨材が要求されている。特に結晶化ガラスの場合は特許文献1で検討されていたが、結晶部と非晶部との間で研磨速度の差が大きく、結晶面に結晶粒子による凹凸が残存するため低い表面粗さを達成することが困難とされてきた。
さらに、ガラス製ハードディスクにおいては記録密度が年々増加しており、これを達成するためにはガラス基板の表面粗さをより小さくしてガラス基板と磁気ヘッドとの距離を短くする必要がある。そこで、表面粗さを小さくするために、複合酸化希土類研磨材の平均粒子径(D50)を小さくすること考えられるが、同時に研磨速度も低下し生産性が悪化する可能性がある。特に近年使用が広がっている上記加工性の悪いガラス基板では生産性の悪化がより顕著となる。その上、環境面からはフッ素を含有しない研磨材が求められており、フッ素を実質的に含有しない複合酸化希土類研磨材を使用する場合では、例えTREOが高くても、フッ素の存在による効果が得られず、D50が小さくなることにより生じるデメリットにより、研磨速度はさらに低下してしまう。
特開2002−150548号公報
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
本発明の目的は、環境負荷物質であるフッ素を実質的に含有せず、ハードディスク基板に用いられる加工性の悪いガラス基板に対しても、高い研磨速度で従来よりも表面粗さを小さくし、かつ研磨傷の発生を抑制することが可能な酸化セリウム系研磨剤を提供することにある。また、本発明の目的は、上記本発明の酸化セリウム系研磨剤を用いて、効率よくガラス製ハードディスク基板を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、研磨材中のフッ素を実質的に含有しなくても、総酸化希土類量(以下、「TREO」ということがある)を95質量%以上、TREO中の酸化セリウム濃度を99質量%以上、酸化セリウムのX線回折による結晶子径を700〜1000Å、研磨材の平均粒子径(D50)を0.4〜0.8μmとすることにより、フッ素の存在により生じる環境負荷をかけることなく、加工性の悪い(硬度の高い)ハードディスク基板用のガラス基板を高い研磨速度で研磨し、小さい表面粗さで、かつ研磨傷の発生を抑制して研磨できることが見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 下記(1)〜(5)を満たすガラス製ハードディスク基板製造用の酸化セリウム系研磨剤。
(1)総酸化希土類量(TREO)が95質量%以上であり、かつ当該TREOに対する酸化セリウム量が99質量%以上である。
(2)フッ素の含有量が0.05質量%以下である。
(3)粉末X線回折から算出される前記酸化セリウムの結晶子径が700〜1000Åである。
(4)平均粒子径(D50)が0.4〜0.8μmである。
(5)前記ガラス製ハードディスク基板のビッカース硬度が570Hv以上である。
[2] 前記ガラス製ハードディスク基板のビッカース硬度が600Hv以上である[1]に記載の酸化セリウム系研磨材。
[3] 前記ガラス製ハードディスク基板のビッカース硬度が620Hv以上である[2]に記載の酸化セリウム系研磨材。
[4] 前記ガラス製ハードディスク基板に含有される結晶の平均結晶サイズが20nm以下である[3]に記載の酸化セリウム系研磨材。
[5] 上記[1]に記載の研磨材を研磨布に供給しながら、ビッカース硬度が570Hv以上のガラス基板を前記研磨布により研磨する研磨工程を含むガラス製ハードディスク基板の製造方法。
[6] 前記ガラス基板のビッカース硬度が600Hv以上である[5]に記載のガラス製ハードディスク基板の製造方法。
[7] 前記ガラス基板のビッカース硬度が620Hv以上である[6]に記載のガラス製ハードディスク基板の製造方法。
[8] 前記ガラス基板に含有される結晶の平均結晶サイズが20nm以下である[7]に記載のガラス製ハードディスク基板の製造方法。
本発明によれば、環境負荷物質であるフッ素を実質的に含有せず、ハードディスク基板に用いられる加工性の悪いガラス基板に対しても、高い研磨速度で従来よりも表面粗さを小さくし、かつ研磨傷の発生を抑制することが可能な酸化セリウム系研磨剤を提供することにある。また、上記本発明の酸化セリウム系研磨剤を用いて、効率よくガラス製ハードディスク基板を製造する製造方法を提供することができる。特に、結晶化ガラスの結晶部と非晶部を含む基板の研磨においては、従来よりも表面粗さや研磨傷のレベルを押さえながら、高い研磨速度を維持することができる。
[1.酸化セリウム系研磨剤]
本発明の酸化セリウム系研磨剤は、ガラス製ハードディスク基板の製造に用いられ、下記(1)〜(5)の要件を満たすものである。
まず、本発明の酸化セリウム系研磨剤は、(1)総酸化希土類量(TREO)が95質量%以上であり、かつ当該TREOに対する酸化セリウム量が99質量%以上である。総酸化希土類量が95%未満、及び当該TREOに対する酸化セリウムが99質量%未満では、加工性の悪い(硬度の高い)ハードディスク用ガラス基板等の研磨において、十分な研磨速度が得られない。
総酸化希土類量は97質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましい。また、TREOに対する酸化セリウム量は99.5質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましい。
なお、TREO及び酸化セリウム量は、蛍光X線分析により測定することができる。また、「総酸化希土類」とは、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム等の希土類酸化物をいう。
本発明の酸化セリウム系研磨剤は、(2)フッ素の含有量が0.05質量%以下であり、0.01質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以下であることがより好ましい。フッ素が0.05質量%以下であることで、フッ素を実質的に含まないこととなり環境に対する負荷を低減することができる。
なお、フッ素の含有量は、吸光光度法により測定することができる。
本発明の酸化セリウム系研磨剤は、(3)粉末X線回折から算出される酸化セリウムの結晶子径が700〜1000Åであり、750〜950Åであることが好ましく、800〜900Åであることがより好ましい。
結晶子径とは研摩材粒子を構成する単結晶の大きさを意味する。結晶子径が1000Åより大きくなると研磨中に傷(スクラッチ)が発生しやすくなる一方、結晶子径が700Åより小さいと傷の発生は抑制されるがハードディスク用ガラス基板の研摩速度が低くなりすぎてしまう。
ここで、酸化セリウム系研磨剤を構成する研磨剤粒子は単結晶の集合体であり、「結晶子」とはこの研摩材粒子を構成する酸化セリウム又はセリウムを含有する希土類酸化物の単結晶である。そして、本発明において「結晶子径」とは、この単結晶の(111)面方向の大きさをいう。結晶子径の値は、一般的な測定法である粉末X線回折分析により測定される値を基準とし、例えば、下記のようにして測定及び算出される。
まず、Cu−Kα1線を用いたX線回折解析を行う。その後、2θ=10deg〜70degにおける最大ピークの半値幅を測定し、下記のSherrerの式により、結晶子径を算出する:
Dhkl=K×λ/(β×cosθ) … Scherrerの式
[Dhkl:結晶子径(Å、hklに垂直方向の結晶子の大きさ)、λ:測定X線波長(Å)、β:結晶の大きさによる回折線の広がり(ラジアン)、θ:回折線のブラッグ角(ラジアン)、K:定数(βとDの定数で異なる)]
一般に、βに半値幅β1/2を用いる場合、K=0.9となることが知られている。またCu−Kα1線の波長は、1.54050Åであるので、本発明における結晶子径Dは次式に基づいて計算される:
D=0.9×1.54050/(β1/2×cosθ)
また、本発明の酸化セリウム系研磨剤は、(4)平均粒子径(D50)が0.4〜0.8μmであり、0.4〜0.6μmであることが好ましく、0.45〜0.55μmであることがより好ましい。平均粒子径が0.4μm未満では、ハードディスク用ガラス基板の研摩速度が低くなってしまい、0.8μmを超えると、研磨後に傷(スクラッチ)が発生しやすくなる。
なお、平均粒子径は、レーザー回折型粒度分布測定機(日機装株式会社製マイクロトラックMT−3300)で測定された体積分布の累積値50%に相当する粒子径である。
本発明の酸化セリウム系研磨剤を用いて製造される、(5)ガラス製ハードディスク基板のビッカース硬度は570Hv以上であり、600Hv以上であることが好ましく、620Hv以上であることがより好ましく、650HV以上が最も好ましい。本発明の酸化セリウム系研磨剤によれば、従来加工性が悪いとされるビッカース硬度570Hv以上のガラス基板に対しても、良好な研磨特性を発揮させることができる。
当該ガラス製ハードディスク基板が結晶化ガラス製の場合、含有される結晶の平均結晶サイズは20nm以下であることが好ましく、3〜15nmであることがより好ましい。平均結晶サイズが20nm以下であることで、高い基板強度と小さい研磨後の表面粗さを両立させることができる。平均結晶サイズは、透過型電子顕微鏡画像からの目視測定により算出することができる。算出するに当たっては、画像の任意の一方向の結晶サイズを100個以上測定し、その平均値を平均結晶サイズとする。
本発明の酸化セリウム系研磨剤は、公知の研磨剤の製造方法を適宜改良することによって製造することができる。また、市販の高純度炭酸セリウムを焼成することによっても製造できる。さらに、バストネサイト鉱等から分離精製操作をした後、焼成を行ってもよい。
例えば、希土類を含むフッ化炭酸鉱鉱物であるバストネサイト鉱やモナザイト鉱を焙焼、硝酸溶解、沈殿分離、焙焼して得られた酸化希土を、再度硝酸に溶解し、水相中のセリウムイオンを、リン酸トリブチル−ベンゼン等の溶媒で有機相に抽出し、さらに亜硝酸ナトリウムのような還元剤を含む水相により逆抽出してシュウ酸セリウムとした後、焼成することによって得られる。
焼成温度は、原料となる炭酸セリウムの種類によって適宜選択されるが、好ましくは500〜1,100℃で、より好ましくは600〜1,000℃とすることで、本研磨材に好ましい結晶子径を高い収率で得ることができる。また、焼成を複数回行うことにより結晶子径を調整することもできる。
平均粒径は、焼成前又は後に粉砕処理を施すことにより調整することができる。また、自然分級、フィルターでのろ過、液体サイクロン、遠心沈降機、遠心傾斜機(デカンター)等の湿式分級により所望の粒径範囲のものを分離して使用することも可能である。
また上記と同様にして、稀土複雑鉱を、各種の分離抽出操作と焙焼を行い、不純物である他の希土類元素やフッ素等を取り除きセリウムの純度を高めた高純度炭酸セリウムを出発原料とすることもでき、より好ましい方法として挙げられる。
本発明の酸化セリウム系研磨剤は、粉末形態で使用することができるが、例えば、水等の分散媒に分散させて、5〜30質量%程度のスラリーの状態で使用することもできる。この場合の分散媒としては、水や水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、アルコール、多価アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン等が例示される。一般的には、水が使用されることが多い。
上記スラリーには分散剤を添加してもよい。分散剤としては粉砕スラリーに分散効果を付与することができる一般的な分散剤であれば特に制約は無い。例えば、ピロ燐酸、ピロ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸塩(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸カリウム等)、ポリカルボン酸塩(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウム等)、ポリアクリル酸塩(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム等)、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等)などが挙げられる。
また、上記スラリー中には、用途に応じて、公知の増粘剤、防カビ剤、酸化剤又はpH調節剤等を適宜添加してもよい。
さらに、本発明の酸化セリウム系研磨材に対して50質量%以下、好ましくは30質量%以下の他の研磨砥粒を加えてスラリーとすることも可能である。他の研磨砥粒としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、ゲルマニア等から選択されることが好ましく、なかでも、アルミナ、シリカ、ジルコニア等が特に好ましいものとして挙げられる。
[2.ガラス製ハードディスク基板の製造方法]
本発明のガラス製ハードディスク基板の製造方法は、既述の本発明の研磨材を研磨布に供給しながら、ガラス基板を当該研磨布により研磨する研磨工程を含むものである。本発明の研磨材を使用することで、所望の表面粗さ(例えば、Ra:2.0〜5.0Å)を有するガラス製ハードディスク基板を効率よく作製することができる。
具体的には、本発明の研磨剤を、片面研磨機、両面研磨機等の研磨装置の研磨布に供給しながら当該研磨布を用い、ハードディスク基板用の上記ガラス基板を研磨する。このとき、研磨剤はスラリー状で供給される。この研磨剤スラリーを使用する研磨工程は、常法に従って行うことができる。例えば不織布や発泡ポリウレタン製の研磨パッド(研磨布)がそれぞれ表面に貼りつけられている上定盤と下定盤の間に、研磨すべきガラス基板を保持せしめ、研磨パッドと基板との間に研磨剤スラリーを供給しながら研磨する。すなわち所定の圧力をかけて研磨パッドにより研磨剤を基板に密着させながら定盤を回転、摺動することにより研磨を行うのである。このように供給された研磨剤スラリーは、研磨パッドに担持されて研磨が行われると考えられる。
ここで、研磨圧力は、30〜150g/cm2であることが好ましく、50〜140g/cm2であることがより好ましい。定盤回転数は、10〜80rpmであることが好ましく、30〜60rpm程度であることがより好ましい。研磨時間は適宜設定されるが、20〜60分であることが好ましく、30〜50分であることがより好ましい。
また、当該工程に使用されるガラス基板は、機械特性に優れたガラス製ハードディスク基板を作製する観点から、そのビッカース硬度が600Hv以上であることが好ましく、620Hv以上であることがより好ましく、650HV以上が最も好ましい。また、ガラス基板に含有される結晶の平均結晶サイズが20nm以下であることが好ましい。当該平均結晶サイズの測定は、既述の通りである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1]
TREOが酸化物換算で50質量%であり、TREO中の酸化セリウム含有率(CeO2/TREO)が酸化物換算で99.9質量%である炭酸セリウムを用意した。この炭酸セリウム2kgを大気雰囲気下で、電気炉で900℃の温度で2時間焼成し、酸化セリウムとした。
この酸化セリウムのTREOを測定したところ、TREOは99質量%であった。また、結晶子径をX線回折測定により算出したところ、結晶子径は900Åであった。なお、このX線回折測定には、(株)リガク製「MiniFlex」を用い、銅ターゲットを使用してCu−Kα1線を用いた。また、X線発生電圧は30kV、X線発生電流は15mA、サンプリング幅は0.02deg、走査速度は2deg/minとした。
上記焼成して得られた酸化セリウム500gに、分散剤として試薬1級の燐酸ナトリウムを10g加え、300gのイオン交換水と共にボールミルで粉砕し、平均粒子径(D50)が0.5μmの粉体を含むスラリー状研磨液とした。
このスラリー状研磨液をイオン交換水にて希釈し、粉体濃度を10質量%としてハードディスク用ガラス基板を研磨し、研磨状態の評価を行った。研磨条件は表1及び下記の通りである。また、結果を下記表3に示す。
(研磨条件)
研磨機 : 4ウエイタイプ9B型両面研磨機
加工物 : アモルファスガラス基板(ビッカース硬度570Hv)
加工物のサイズ : 65mmφハードディスクガラス基板(厚さ:0.635mm) 加工枚数 : 25枚×4バッチ
研磨パッド : 発泡ポリウレタンパッド(LP−77、ローデス製)
下定盤回転数 : 60rpm
研磨圧力 : 120g/cm2
研磨時間 : 30分
なお、バッチ毎に25枚のガラス基板について、25枚全ての研磨前後の質量を電子天秤で測定し、厚み換算の計算値(平均)として研磨速度(μm/分)を求めた。また、20万ルクスのハロゲンランプを光源として用い、ガラス表面を目視にて観察し、研磨面当たりのスクラッチの数(平均)を求めた。ガラス基板表面の粗さ(Ra)は、各バッチ1枚1点(箇所)ずつ原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ株式会社製SPA−500)で、10μm×10μmの視野で測定し、その平均値として求めた。
[比較例1〜5]
酸化セリウム系研磨剤を下記表1に示すように変更した以外は、参考例1と同様にして研磨状態の評価を行った。結果を下記表3に示す。
なお、平均粒子径については分級操作の条件を変更することで調整し、結晶子径については、焼成温度、焼成回数の条件を変更することで調整した。
参考例2及び比較例6〜10]
加工物を、ビッカース硬度600Hvのアモルファスガラス基板に変更した以外は、[参考例1及び比較例1〜5]と同様にして研磨状態の評価を行った。結果を下記表3に示す。
[実施例3及び比較例11〜15]
加工物を、ビッカース硬度620Hvの結晶化ガラス基板(平均結晶サイズ10μm)に変更した以外は(表2参照)、[参考例1及び比較例1〜5]と同様にして研磨状態の評価を行った。結果を下記表4に示す。
[実施例4及び比較例16〜20]
加工物を、ビッカース硬度650Hvの結晶化ガラス基板(平均結晶サイズ7μm)に変更した以外は(表2参照)、[参考例1及び比較例1〜5]と同様にして研磨状態の評価を行った。結果を下記表4に示す。
なお、表3及び表4中の「速度比」、「粗さ比」及び「スクラッチ比」は、参考例1及び2並びに実施例3及び4のそれぞれの「研磨速度」、「表面粗さ」及び「スクラッチ」の値を100(%)として、それぞれに対応する比較例を相対的に評価したものである。
Figure 0005619515
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Claims (3)

  1. 下記(1)〜(6)を満たし、結晶部と非晶部とを含む結晶化ガラス製ハードディスク基板製造用の酸化セリウム系研磨剤。
    (1)総酸化希土類量(TREO)が95質量%以上であり、かつ当該TREOに対する酸化セリウム量が99質量%以上である。
    (2)フッ素を含まない。
    (3)粉末X線回折から算出される前記酸化セリウムの結晶子径が800〜900Åである。
    (4)平均粒子径(D50)が0.45〜0.55μmである。
    (5)前記ガラス製ハードディスク基板のビッカース硬度が620Hv以上である。
    (6)前記ガラス製ハードディスク基板に含有される結晶の平均結晶サイズが3〜15nmである。
  2. 請求項1に記載の研磨材を研磨布に供給しながら、ビッカース硬度が620Hv以上のガラス基板を前記研磨布により研磨する研磨工程を含むガラス製ハードディスク基板の製造方法。
  3. 前記ガラス基板に含有される結晶の平均結晶サイズが20nm以下である請求項2に記載のガラス製ハードディスク基板の製造方法。
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