JP5610970B2 - プリント回路板 - Google Patents

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Description

本発明は、信号ノイズ低減、特に符号間干渉を低減するプリント回路板に関するものである。
電子機器内の高速なデジタル信号の伝送では、プリント回路板上の伝送線路での符号間干渉によってデジタル信号の符号判別が難しくなり、回路の動作マージンが低下している。符号間干渉とは、時間的に隣接するデジタル符号間で干渉が起こることである。信号の伝送速度が上昇すると、伝送したデジタル信号の波形が収束する前に、次のデジタル信号が伝送される。すると過去の信号が現在の信号に対するノイズとなる可能性がある。なお、伝送速度が1Gbpsを超えると符号間干渉が顕著になり、回路動作に影響を与えるようになると言われている。
符号間干渉のメカニズムを説明する。伝送速度が1Gbpsを超えると、伝送線路での表皮効果や誘電損失によって信号の高周波成分が減衰し、波形が鈍る。すると、信号周期に対する波形の立ち上がり時間の占める割合が大きくなってくる。この状況を前提条件とする。
上記の前提条件において、デジタル符号が周期的に切り替わりながら送信される時と、同一デジタル符号が連続して送信される時の、伝送波形の振る舞いの相違を説明する。まず、デジタル符号の「1」と「0」が周期的に切り替わる状態を考える。送信素子から出力された信号波形は、伝送線路における高周波成分の減衰によって受信端で鈍りが生じている。この信号の立ち上がり時間よりも、デジタル信号の符号切り替え時間が短い場合は、信号電圧が十分に立ち上がり切る前に、符号の切り替わりが開始する。
一方、デジタル符号の「1」または「0」が連続する場合、例えば、「1」「1」「1」「0」のように「1」が複数回連続した後に、「0」へ切り替わる状態を考える。この場合、最初の「1」の周期には波形が立ち上がり切らないが、「1」が2つ目、3つ目と続くにつれて、信号がほぼ飽和電圧まで立ち上がる。よって飽和電圧に近い電圧から、符号の切り替わりが開始する。ここでの飽和電圧とは、送信素子の出力波形が立ち上がり切った状態の電圧を指す。
このように、符号の切り替え前に同一符号が連続していた時としていない時では、符号が切り替わる時の電圧が異なっている。また符号が切り替わった後、同一符号の連続する長さによって到達する電圧が異なるため、各符号の周期において到達する電圧が過去の符号の状態によって異なる。
この状態の信号波形をアイパターン表示すると、図8(a)に示すように、信号振幅に幅801,802を持って表示される。この幅801,802が大きくなると、回路動作に十分な信号振幅が得られなくなり、回路の電圧マージンが低くなるため、幅801,802を小さくすることが求められている。
さらに、符号変化の開始電圧が異なると、回路の時間マージンが低下する。符号間干渉によって符号変化の開始電圧が異なると、信号が同じ立ち上がり時間をかけて変化しても、符号を判定する閾値電圧を通過する時刻(タイミング)が異なるからである。この状態の信号波形をアイパターン表示すると、図8(a)に示すように、閾値電圧を通過する時間に幅(タイミングジッタ)800が観測される。このタイミングジッタ800が小さいことが、回路動作の安定化につながる。
上記の符号間干渉を回避するための技術を説明する。符号間干渉の原因は信号の高周波成分の減衰であるため、半導体素子の内部に信号の高周波成分の振幅補正機能の回路を内蔵し、伝送線路で減衰する高周波成分を補正している。補正の方法は大きく2種類あり、送信側の半導体素子で補正する方法と、受信側の半導体素子で補正する方法とがある。
送信側の半導体素子の信号立ち上がり時の到達電圧が飽和電圧であるのに対し、符号変化なく同じ符号が続く状態の振幅を飽和電圧より低くする方法をデエンファシスと呼ぶ。この方法は、信号立ち上がり時の振幅が同符号の連続する時の振幅よりも高くなっているため、信号の立ち上がり時の高周波成分が伝送線路で減衰しても、受信端では同符号の連続する時の振幅との差を小さくできる。一方、受信側の半導体素子で高周波成分の振幅補正をする方法をイコライザと呼ぶ。この方法は、受信端で信号立ち上がり時の振幅を増幅することで、同符号の連続する時の振幅との差を小さくできる。
これらの技術を適用し、伝送線路での信号減衰量に応じた振幅補正をすれば、伝送線路で減衰した高周波成分の振幅を受信端でも一定にできるため、符号変化の開始電圧も一定にできる。そのため、タイミングジッタも低減できる。
しかし、半導体素子に振幅補正機能の回路を内蔵すると、半導体素子の面積の増大や消費電力の増加へとつながる。そこで、半導体素子へ補正機能回路を内蔵せず、プリント回路板上の部品や配線で信号の高周波成分を補正する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、送信回路の送信端子と受信回路の受信端子とが第1の伝送線路(伝送線路)で接続され、伝送線路と受信回路の受信端子との接続部に、伝送線路よりもインピーダンスの高い第2の伝送線路(高インピーダンス伝送線路)の一端を接続している。これにより、接続部のインピーダンス不整合による反射を利用して、受信回路の受信端子での信号振幅を増幅している。
また、高インピーダンス伝送線路の他端へは、高インピーダンス伝送線路のインピーダンスよりも低い電気抵抗値の終端抵抗器を接続して終端している。これにより、高インピーダンス伝送線路と終端抵抗器の接続点での負の反射が、伝送線路と受信回路の入力端との接続部へ戻り、一旦増幅した受信回路の入力端の電圧が直ちに元の電圧へ戻る。このように、信号の立ち上がりの振幅を高めることで信号のエッジを急峻にできるためイコライザの効果を得られ、タイミングジッタを低減できる。
特開2006−270935号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、送信回路の出力インピーダンスと、伝送線路のインピーダンスとが一致していない場合に、タイミングジッタを低減できない問題点があることが判明した。
特許文献1の技術は、受信回路と高インピーダンス伝送線路との接続部での反射を利用して、信号を増幅している。この反射波は、伝送線路へも伝播する。このため、送信回路の出力インピーダンスと伝送線路のインピーダンスが一致していない場合は、送信回路の送信端子でも再反射し、この反射波と本来の信号波が加算されて受信回路の受信端子へ新たに伝播することになる。
この多重反射の影響を受けた信号が、伝送線路での符号間干渉の一因となってしまうため、伝送線路のインピーダンスと送信回路の出力インピーダンスとが整合しているときに比べ、タイミングジッタが増大する。
特に高速に回路を動作させる場合は、伝送線路のインピーダンスは50[Ω]程度としながらも、送信回路の出力インピーダンスは20〜30[Ω]程度のものを使用しているため、送信回路と伝送線路とのインピーダンスが整合していない場合が多い。
そこで、本発明は、送信回路の出力インピーダンスと伝送線路のインピーダンスとが整合しない場合でも、受動部材を用いて、符号間干渉によるタイミングジッタが低減するプリント回路板を提供することを目的とする。
本発明は、信号を送信する送信回路と、信号を受信する受信回路と、前記送信回路と前記受信回路とを接続し、信号が伝播する主伝送線路と、を備え、前記送信回路の出力インピーダンス値と前記主伝送線路のインピーダンス値とが異なるプリント回路板において、前記送信回路と前記主伝送線路との接続点に一端が接続され、前記送信回路の出力インピーダンス値と前記主伝送線路のインピーダンス値との並列インピーダンス値以上のインピーダンス値に設定された副伝送線路と、前記副伝送線路の他端に接続され、前記副伝送線路のインピーダンス値よりも低い抵抗値に設定された抵抗器と、を備え、信号が前記副伝送線路の一端から他端に伝播するのに要する信号伝播時間をTd、前記送信回路により送信される信号の最小のパルス幅をTmin、前記送信回路により送信される信号の立ち上がり時間をTrとしたとき、信号伝播時間Tdが0.5×Tr≦Td≦0.5×Tminの条件を満たす値となる範囲内で、前記副伝送線路の長さが設定されていることを特徴とする。
また、本発明は、差動信号を送信する第1の送信端子及び第2の送信端子を有する送信回路と、差動信号を受信する第1の受信端子及び第2の受信端子を有する受信回路と、前記送信回路と前記受信回路とを接続し、差動信号が伝播する第1の主伝送線路及び第2の主伝送線路とを備え、前記第1の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第1の主伝送線路のインピーダンス値とが異なり、かつ前記第2の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第2の主伝送線路のインピーダンス値とが異なるプリント回路板において、前記送信回路の第1の送信端子と前記第1の主伝送線路との接続点に一端が接続され、前記第1の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第1の主伝送線路のインピーダンス値との並列インピーダンス値以上のインピーダンス値に設定された第1の副伝送線路と、前記送信回路の第2の送信端子と前記第2の主伝送線路との接続点に一端が接続され、前記第2の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第2の主伝送線路のインピーダンス値との並列インピーダンス値以上のインピーダンス値に設定された第2の副伝送線路と、前記各副伝送線路の他端の間に接続され、前記各副伝送線路の2倍のインピーダンス値よりも低い抵抗値に設定された抵抗器と、を備え、信号が前記各副伝送線路の一端から他端に伝播するのに要する信号伝播時間をTd、前記送信回路により送信される差動信号の最小のパルス幅をTmin、前記送信回路により送信される差動信号の立ち上がり時間をTrとしたとき、信号伝播時間Tdが0.5×Tr≦Td≦0.5×Tminの条件を満たす値となる範囲内で、前記各副伝送線路の長さが設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、受動部材によりデエンファシスの機能を実現し、送信回路の出力インピーダンスと主伝送線路のインピーダンスとが整合していなくても、符号間干渉によるタイミングジッタが低減する。
本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図であり、(a)はプリント回路板の等価回路、(b)はプリント回路板の主伝送線路と平行な方向に沿った断面図である。(c)はプリント回路板の表面層である信号配線層の平面図、(d)はプリント回路板の裏面層である信号配線層の平面図、(e)はプリント回路板の主伝送線路と直交する方向に沿った断面図である。 反射係数γ1,γ2に関するグラフであり、(a)は反射係数γ1,γ2と振幅比V1´/V1oとの関係を示すグラフ、(b)は反射係数γ1,γ2と振幅比V1x/V1oとの関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るプリント回路板のコンピュータシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)はコンピュータシミュレーションによる信号の電圧波形を示すグラフである。(b)はTd=0.5×Tminとしたときの受信回路に入力される信号の電圧のアイパターンを示すグラフ、(c)はTd=0.5×Trとしたときの受信回路に入力される信号の電圧のアイパターンを示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るプリント回路板のコンピュータシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)はV1´/V1o=Bv+5%としたときの受信回路に入力される信号の電圧のアイパターンを示すグラフである。(b)はV1´/V1o=Bv−5%としたときの受信回路に入力される信号の電圧のアイパターンを示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図であり、(a)はプリント回路板の等価回路、(b)はプリント回路板の主伝送線路と平行な方向に沿った断面図である。(c)はプリント回路板の表面層である信号配線層の平面図、(d)はプリント回路板の裏面層である信号配線層の平面図、(e)はプリント回路板の主伝送線路と直交する方向に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図であり、(a)はプリント回路板の伝送線路と平行な方向に沿った断面図である。(b)はプリント回路板の表面層である信号配線層の平面図である。(c)はプリント回路板の内部層と裏面層の信号配線層を重ね合わせた平面図である。 本発明の第4実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図であり、(a)はプリント回路板の伝送線路と平行な方向に沿った断面図である。(b)はプリント回路板の表面層である信号配線層の平面図である。(c)はプリント回路板の内部層の2つの信号配線層を重ね合わせた平面図である。 比較例のプリント回路板のコンピュータシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は符号間干渉への対策技術が適用されていない場合のアイパターン、(b)は受信素子側へ符号間干渉の対策技術を適用した場合のアイパターンである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図1(a)は、プリント回路板の等価回路である。図1(b)は、プリント回路板の主伝送線路と平行な方向に沿った断面図であり、図1(c),(d)は、プリント回路板の信号配線層の平面図である。図1(e)は、プリント回路板の主伝送線路と直交する方向に沿った断面図である。
図1(a)に示すように、プリント回路板100は、信号を送信する送信回路131を内蔵した送信素子101と、信号を受信する受信回路132を内蔵した受信素子102と、を備えている。この送信回路131が出力する信号は、デジタル信号であり、電圧レベルがハイレベル又はローレベルに切り換わる。
また、プリント回路板100は、送信素子101の送信回路131の送信端子と、受信素子102の受信回路132の受信端子とを接続する主伝送線路である伝送線路111を備えている。したがって、プリント回路板100は、シングルエンド伝送方式を採用したものである。
送信回路131は、内部抵抗を持った信号源とみなせる。送信回路131の送信端子と、伝送線路111の一端とは、接続点101aで接続されている。受信回路132の受信端子と、伝送線路111の他端とは、接続点102aで接続されている。そして、送信回路131から送信された信号は、伝送線路111を伝播して受信回路132に受信される。
受信素子102は、一端が接続点102aに接続された終端抵抗器103を内蔵しており、終端電圧(例えば電源電圧)が印加された配線105に終端抵抗器103の他端が接続されている。なお、終端抵抗器103は、受信素子102に内蔵されているが、受信素子102とは別体に信号配線層に配置してもよい。また、終端電圧が、電源電圧である場合について説明するが、安定した一定の電圧であればよく、グラウンド電圧であってもよい。
ここで、伝送線路111のインピーダンスは、製造プロセスのばらつきによって一般的に設計値の±10%以内で変動する。そのため終端抵抗器103の抵抗値は、伝送線路111のインピーダンスに対して±10%の誤差を許容する。
本第1実施形態では、プリント回路板100は、送信回路131側に設けられた副伝送線路としての補正線路113と、抵抗器としての補正抵抗器110と、を備えている。送信回路131の送信端子と伝送線路111の一端との接続点101aには、補正線路113の一端が接続されている。補正線路113の他端は、補正抵抗器110の一端に接続点110aで接続されている。補正抵抗器110の他端は、終端電圧(例えば電源電圧)が印加された配線105に接続されている。
次に、図1(b)、図1(c)及び図1(d)を参照しながら、プリント回路板100の構造について説明する。プリント回路板100は、信号配線層121,127、グラウンド層123、電源層125の間に絶縁層122,124,126を介在させた積層構造となっている。本第1実施形態では、信号配線層121が表面層、信号配線層127が裏面層、グラウンド層123及び電源層125、絶縁層122、124、126が、内部層となる。
送信素子101、受信素子102及び伝送線路111は、図1(b)及び図1(c)に示すように、表面層である信号配線層121に配置されている。補正抵抗器110及び補正線路113は、図1(b)及び図1(d)に示すように、裏面層である信号配線層127に配置されている。そして、送信素子101と補正線路113との接続がVIA115を介して行われている。
終端電圧である電源電圧が印加される配線105が内部層の電源層125に配置されており、補正抵抗器110と配線105との接続はVIA116を介して行われている。なおVIA115,116は図1(a)への図示を省略している。
次に、図1(e)を参照しながら、プリント回路板100の層構造について説明する。信号配線層121は厚みt1であり、伝送線路111が配置されている。絶縁層122は厚みh1である。グラウンド層123は厚みt2である。絶縁層124は厚みh2である。電源層125は厚みt2である。絶縁層126は厚みh1である。信号配線層127は厚みt1であり、補正線路113が配置されている。
なお、電源層125の補正線路113に対向する位置には、開口部128が形成されており、開口部128内は絶縁層124と同じ絶縁体で埋まっている。そのため、補正線路113のインピーダンス基準面は、グラウンド層123となる。
次に、本第1実施形態のプリント回路板100におけるタイミングジッタが低減する原理について説明する。図1(a)に示す送信回路131の内部抵抗(出力インピーダンス)の値をR101[Ω]とする。また、伝送線路111のインピーダンス値をZ111[Ω]、補正線路113のインピーダンス値をZ113[Ω]、補正抵抗器110の抵抗値をR110[Ω]、終端抵抗器103の抵抗値をR103[Ω]とする。
各パラメータの関係は、R103=Z111、Rp≦Z113、R110<Z113とする。ここでRpは、伝送線路111のインピーダンスZ111と送信素子101のインピーダンスR101の並列インピーダンス値であり、Rp=(Z111×R101)/(Z111+R101)となる。つまり、補正線路113のインピーダンス値Z113は、送信回路131の出力インピーダンス値R101と伝送線路111のインピーダンス値Z111との並列インピーダンス値以上(Rp以上)に設定されている。また、補正抵抗器110の抵抗値R110は、補正線路113のインピーダンス値Z113よりも低く設定されている。また、終端抵抗器103の抵抗値R103と伝送線路111のインピーダンス値Z111とが等しく設定されている。
ここで、補正線路113を接続点110a(他端)から接続点101a(一端)に向かって伝播する信号が接続点101a(一端)で反射するときの反射係数をγ1とする。また、補正線路113を接続点101a(一端)から接続点110a(他端)に向かって伝播する信号が接続点110a(他端)で反射するときの反射係数をγ2とする。
反射係数γ1,γ2は、以下の式(1)、式(2)で表される。
γ1=(Rp−Z113)/(Rp+Z113) …(1)
γ2=(R110−Z113)/(R110+Z113) …(2)
一般的にγ1、γ2は、−1≦γ1≦1、−1≦γ2≦1の範囲となるが、本実施形態ではRp≦Z113に設定するため、−1<γ1≦0となる。また、R110<Z113に設定するため、−1<γ2<0となる。
送信回路131により送信される信号の最小のパルス幅をTmin[sec]、信号の立ち上がり時間をTr[sec]、接続点101a(補正線路113の一端)の振幅をV1[V]とする。また、補正線路113の接続点101a(一端)から接続点110a(他端)まで信号が伝播するのに要する信号伝播時間をTd[sec]とする。
以下、信号伝播時間Tdが、Td=0.5×Tminの条件を満たす値となる場合についてV1の振る舞いを説明する。まず、送信素子101の送信回路131から信号が出力され、デジタル符号が「0」から「1」へ変化する場合について説明する。接続点101aの信号(電圧)の振幅は飽和電圧へ向かって変化し、伝送線路111と補正線路113へ信号が伝播する。この時のV1の初期電圧をV1oとする。まず、伝送線路111を伝播した信号は、Z111=R103でインピーダンスが整合しているため、接続点102aでの反射は発生しない。
一方、補正線路113へ伝播した信号は、接続点110aで反射する。R110<Z113(−1<γ2<0)であるため負の反射が発生し、反射波は、接続点101aへ戻っていく。Td=0.5×Tminであるため、接続点101a→接続点110a→接続点101aの経路に要した時間はTminとなり、「1」のデジタル符号を示す最小パルス幅と一致する。
「1」のデジタル符号が連続する場合は、V1の初期電圧V1oへ、接続点110aでの反射波(γ2×V1o)と、接続点110aで反射された信号の接続点101aでの反射波(γ1×γ2×V1o)が加算される。そのため、2つ目の「1」のデジタル符号を示す信号(電圧)の振幅は、最初の「1」のデジタル符号を示す信号(電圧)の振幅よりも電圧が低下する。Tminで反射波が加算された時の電圧をV1´とすると以下の式となる。
V1´=(1+γ2+γ1×γ2)×V1o …(3)
前提条件として、−1<γ2<0 と −1<γ1≦0があるため、γ2×V1oとγ1×γ2×V1oの絶対値は、γ2×V1oの方が大きくなり、V1o>V1´となる。よってこの状態は、信号立ち上がり時の振幅に対し、定常状態の振幅を低くしたデエンファシスの状態である。
一方、デジタル符号が「1」から「0」へ変化する場合は、Tmin後に送信素子からの信号が「0」になっている。そこへ、(γ2+γ1×γ2)×V1oが加算されるため、接続点101aの振幅は、定常状態の「0」のデジタル符号を示す信号の振幅よりも低下する。
さらにこの後に「0」のデジタル符号が連続すれば、立ち下がり信号に対する負の反射、すなわち正の振幅が加算されるため、立ち下がり時の「0」のデジタル符号を示す信号(電圧)よりも振幅が増加する。この状態は、信号立ち下がり時の振幅に対し、定常状態の振幅を高くしたデエンファシスの状態である。
以上の原理は、Td=0.5×Tminで説明したが、高周波成分が多く含まれる部分に本発明を適用すれば、デエンファシスの効果が得られる。そこで、信号の立ち上がり直後の振幅に対して、その後の振幅を相対的に低下させれば良いため、少なくとも信号の立ち上がり時間の振幅がその後の振幅より高くなれば良い。
よって、信号伝播時間Tdが、以下の式(4)の条件を満たす値となる範囲内で、補正線路113の長さを設定すれば良い。
0.5×Tr≦Td≦0.5×Tmin …(4)
具体的には、絶縁層122,124,126の絶縁体の比誘電率をεr、補正線路113の長さをLen113とすると、補正線路113の長さLen113は、以下の式(5)で決まる。
Len113≒(co/√εr)×Td …(5)
ここで、coは速である。したがって、信号伝播時間Tdが式(4)の条件を満たすように信号伝播時間Tdの値を決定すると、式(5)の関係式により、補正線路113の長さLen113が求まる。この求めた値に補正線路113の長さを設定することで、デエンファシスの効果が得られる。
以上のように本実施形態は、デエンファシスの効果を利用している。そのため、接続点101aの信号が伝送線路111を伝播して接続点102aに到達したときに高周波成分が減衰しても、デジタル符号が連続する場合と非連続の場合とで、信号が立ち上がりきったときの電圧値の差が小さくなる。また同様に、デジタル符号が連続する場合と非連続の場合とで、信号が立ち下がりきったときの電圧値の差が小さくなる。そのため、信号の立ち上がり始める電圧のばらつき及び立ち下がり始める電圧のばらつきが小さくなる。従って、受信回路132において信号が「0」又は「1」の判断に用いられる閾値電圧に到達するタイミングのずれ、即ちタイミングジッタが低減する。
また、補正線路113及び補正抵抗器110は、受動部材である。このように受動部材によりデエンファシスの機能を実現することができる。また送信回路131の出力インピーダンスと伝送線路111のインピーダンスとが整合していないが、受信回路132側の接続点102aにて終端抵抗器103で整合終端されているため、接続点102aでの信号の反射はない。そのため反射波が、受信回路132側から送信回路131側へ戻って来ることがないため、接続点101aで再反射を発生することがなく、接続点101aでのインピーダンス不整合は信号波形に影響を与えない。
次に、補正線路113のインピーダンス値Z113と補正抵抗器110の抵抗値R110との関係について詳細に説明する。補正線路113のインピーダンス値Z113と補正抵抗器110の抵抗値R110の値は、制御したいデエンファシスの大きさと、定常状態の電圧(受信素子で受信可能な電圧)の大きさで決まる。
デエンファシスの大きさの制御は、デジタル符号が反転した後に,最初に同符号が連続したときの接続点101aの電圧振幅の制御であるため、式(3)で説明できる。また、定常状態の電圧は、同符号が無限に連続した場合の電圧であるため、以下のように説明できる。
「0」から「1」へ符号が変化した後に「1」が連続し、3つめの周期の振幅(電圧)をV1´´とする。電圧V1´´は、接続点101aの前周期の電圧(V1´)と、前周期からの反射波の110aでの反射波(γ2×(γ1×γ2×V1o))と、その反射波の接続点101aでの反射波(γ1×γ2×(γ1×γ2×V1o))の和となる。したがって、電圧V1´´は、以下の式のようになる。
V1´´=V1´+γ2×(γ1×γ2×V1o)
+γ1×(γ2×(γ1×γ2×V1o))
=(1+γ2+γ1×γ2)×V1o
+γ2×(γ1×γ2×V1o)+γ1×(γ2×(γ1×γ2×V1o))
={1+γ2+γ1×γ2+γ1×γ2+(γ1×γ2)}V1o
=〔1+(1+γ1)×γ2+{(1+γ1)×γ2×(γ1×γ2)}〕V1o
以降「1」が連続すると、反射が繰り返され定常電圧へ収束していく。定常状態(無限時間経過後)の電圧V1xは、立ち上がり時振幅のV1oと、初項=(1+γ1)×γ2、公比=γ1×γ2の無限等比級数の和となる。したがって、定常状態の電圧V1xは、以下の式(6)となる。
V1x={1+(1+γ1)×γ2/(1−γ1×γ2)}×V1o
=(1+γ2)/(1−γ1×γ2)×V1o …(6)
以上、制御したいデエンファシスの大きさと定常電圧の電圧について、回路パラメータとの関係式を説明した。続いて、電圧V1´とV1xの制御について説明する。
まず、V1´の制御について説明する。図2(a)に、縦軸に振幅比V1´/V1o、横軸に反射係数γ2、パラメータを反射係数γ1としたグラフを示す。なお、信号減衰の補正に必要なデエンファシス量は、図8(a)に示すデエンファシスによる振幅補正のない波形における、アイパターンのクロスポイント近傍での、最小電圧804と、最大電圧803の振幅比より求める。
ここで、伝送線路111の伝送率Bv=(最小電圧804)/(最大電圧803)としたとき、以下の式(7)の条件を満たせば、伝送線路111での信号減衰を補正するデエンファシスの効果が得られる。なお、Bvは、出力信号の何割が受信端である接続点102aまで減衰せずに伝播するかを示す値であり、予め求めておけばよい。なおBv<1である。
V1´/V1o=1+γ2+γ1×γ2=Bv …(7)
この式(7)を満たすように反射係数γ1,γ2を設定することで、接続点102aで最大電圧と最小電圧との電圧差を小さくでき、効果的にタイミングジッタを低減できる。ここで、反射係数γ1,γ2は、式(1),式(2)に示すようにインピーダンス値Z113及び抵抗値R110の設定で決まるので、式(7)を満たすようにインピーダンス値Z113及び抵抗値R110を設定すれば、効果的にタイミングジッタを低減できる。なお、V1´/V1o=Bvを厳密に満たす必要はなく、後述するタイミングジッタの低減が可能な範囲でV1´/V1o(つまり、Z113,R110)を調整可能である。
電圧V1xの制御について説明する。図2(b)に、縦軸に振幅比V1x/V1o、横軸に反射係数γ2、パラメータを反射係数γ1としたグラフを示す。まず、図2(a)に示すように、反射係数γ2を小さく(即ち、補正抵抗器110の抵抗値R110を小さく)すると、デエンファシスの制御量は大きくなる。しかし、反射係数γ2を小さくしすぎると、図2(b)に示すように電圧V1xが小さくなりすぎて受信素子102の受信回路132にて受信可能な閾値電圧以下になってしまう。
ここで、送信素子101の送信回路131の出力飽和電圧の幅を分母とし、受信素子102の受信回路132の入力閾値電圧の幅を分子とする比をAvとする。つまり、Av=(受信素子の入力閾値電圧)/(送信素子の出力飽和電圧)とする。
即ち、送信回路131のハイレベル側の出力飽和電圧とローレベル側の出力飽和電圧との幅が比Avの分母となる。また、受信回路132では、受信した信号を「1」と判断するハイレベル側の入力閾値電圧と、受信した信号を「0」と判断するローレベル側の入力閾値電圧とが設定されている。したがって、ハイレベル側の入力閾値電圧とローレベル側の入力閾値電圧との幅が比Avの分子となる。この、比Avは、送信素子101及び受信素子102の規格によって決まる値である。
例えば高速な伝速規格の1つにSSTL_18(Stub Series Terminated Logic for 1.8V)がある。SSTL_18は、出力飽和電圧の振幅範囲0.9±0.9[V](0〜1.8[V])に対して、入力閾値電圧は0.9[V]を中心に±0.25[V]の幅を持っている。したがって、この場合の比Avは約0.28である。ここで、Av<Bvの必要がある。
立ち上がり時の振幅に対する定常状態の振幅比(V1x/V1o)は、式(6)より、(1+γ2)/(1−γ1×γ2)となる。デエンファシスの効果が大きくなりすぎないための条件は、定常状態の振幅比(V1x/V1o)が比Av以上である。したがって、以下の式(8)の関係にある。
(1+γ2)/(1−γ1×γ2)≧Av …(8)
以上まとめると、V1´/V1oとV1x/V1oを制御するためには、0<Av<Bv<1の条件の下、式(7)及び式(8)の条件を満たすように、−1<γ1≦0、−1<γ2<0の範囲で、インピーダンス値Z113及び抵抗値R110を設定する。インピーダンス値Z113と抵抗値R110は、どちらかが一意に決まるものではなく、上記式(7)及び式(8)の条件を満たすようにインピーダンス値Z113と抵抗値R110を互いに調整する。
以上のように補正線路113のインピーダンス値Z113及び補正抵抗器110の抵抗値R110を設定したので、受信回路132において受信される信号のハイレベル側の電圧が、「1」のデジタル符号が連続してもハイレベル側の入力閾値電圧以上となる。また、受信回路132において受信される信号のローレベル側の電圧が、「0」のデジタル符号が連続してもローレベル側の入力閾値電圧以下となる。
[実施例1]
本第1実施形態の効果をコンピュータシミュレーションで示す。シミュレーションに用いた各部のパラメータを以下に示す。まず、送信素子101のパラメータについて示す。動作周波数を2[Gbps](最小パルス幅Tminを500[psec])、出力飽和電圧の振幅範囲を0.9±0.9[V]、送信回路131の出力インピーダンス値R101を20[Ω]とした。また、送信回路131の出力信号立ち上がり時間(立ち下がり時間)Trを100[psec]とした。
次に、伝送線路111のパラメータについて示す。伝送線路111の長さを700[mm]、伝送線路111のインピーダンス値Z111を50[Ω]とした。次に、受信回路132のパラメータについて示す。入力閾値電圧を0.9±0.25[V]、終端抵抗器103の抵抗値R103を50[Ω]、終端電圧を0.9[V]とした。次に、補正線路113及び補正抵抗器110のパラメータについて示す。補正線路113のインピーダンス値Z113を150[Ω]、補正抵抗器110の抵抗値R110を50[Ω]とした。
プリント回路板100の断面構造寸法は、信号配線層121,127の厚みt1を0.043[mm]、絶縁層122,126の厚みh1を0.1[mm]、絶縁層124の厚みh2を1.2[mm]とした。また、グラウンド層123,電源層125の厚みt2を0.035[mm]、絶縁体の比誘電率εrを4.3とした。また、配線幅W1を0.135[mm]とし、配線幅W2を0.1[mm]とした。
伝送線路111のインピーダンス値Z111は、プリント回路板100の断面構造寸法に関係しており、概ね以下の式で決まる。
Z111≒{60/√(0.475×εr+0.67)}×ln{4×h1/(0.67×(0.8×W1+t1))}
このとき、配線幅W1を0.135[mm]としたので、伝送線路111のインピーダンス値Z111は50[Ω]となる。つまり、送信回路131の出力インピーダンス値R101(=20[Ω])と伝送線路111のインピーダンス値Z111(=50[Ω])とが整合(一致)していない場合を想定している。
また、電源層125において補正線路113に対向する位置には、開口部128があり絶縁体で埋まっているため、リファレンス層となるグラウンド層123までの距離が1.335[mm]となる。この場合、W2=0.1[mm]で、Z113=150[Ω]となる。
ここで、補正線路113における信号伝播時間Tdは、0.5×Tminとなる250[psec]とした。そして、絶縁体の比誘電率εrが4.3であるため、補正線路113の長さLen113は、式(2)より、Len113≒(co/√εr)×Td=36[mm]となる。なお、coは光速であり、co≒3.0×10[m/sec]とした。
次に、Z113,R113の値は、伝送線路111の特性による信号波形の鈍り(伝送率Bv)から勘案して設定している。図8(a)に示すデエンファシスによる振幅補正のない波形において、受信端のアイパターンのクロスポイント近傍で、(最小電圧804)=1.38[V]と、(最大電圧803)=1.53[V]になっており、Bv=0.90である。
上記に挙げたパラメータによって決まる値は以下である。Rp=R101//Z111=14.3[Ω]、γ1=−0.83、γ2=−0.5、Av=0.28である。V1´/V1o=0.915≒Bv=0.90、V1x/V1o=0.85>Av=0.28となり、条件を満たす。
コンピュータシミュレーションによる信号の電圧波形を、図3(a)に示す。図3(a)の上図は、接続点101aの電圧波形である。図3(a)の下図は、受信端となる接続点102aの電圧波形である。図3(a)の楕円枠141,142で示した部分がデエンファシス効果を示している。受信端となる接続点102aでは、伝送線路によって高周波成分が減衰したので、楕円枠143,144で示すように振幅がほぼ一定になっている。
図3(b)は受信端となる接続点102aの電圧をアイパターン表示したものである。補正線路113の信号伝播時間Tdが0.5×Tmin(=250[psec])となるように、補正線路113の長さが設定されている。図3(b)に示す閾値電圧0.9[V]でのタイミングジッタ145は、25[psec]あった。
また、補正線路113の信号伝播時間Tdを、0.5×Tr(=0.5×100[psec]=50[psec])とした場合の接続点102aでのアイパターンのシミュレーション結果を図3(c)に示す。つまり、補正線路113の信号伝播時間Tdが0.5×Tr(=50[psec])となるように、補正線路113の長さが設定されている。図3(c)に示す閾値電圧0.9[V]でのタイミングジッタ146は、43[psec]あった。
これに対し、比較例として回路定数は変更せず、補正線路113、補正抵抗器110を接続点102aへ接続したとき(特許文献1に相当)の接続点102aのアイパターンのコンピュータシミュレーション結果を図8(b)に示す。図8(b)に示す閾値電圧0.9[V]でのタイミングジッタ810は、80[psec]あった。
この接続の場合は、受信端での反射が送信端へ戻り、戻った信号が送信端でも反射され再び受信端へ戻ってくる。そのため受信端での振幅が安定しない。よって図3(b)及び図3(c)に示したタイミングジッタ145,146の方が、図8(b)に示したタイミングジッタ810よりも小さい。また、図8(a)に示すデエンファシスによる振幅補正のない波形のタイミングジッタ800は53[psec]であるため、図3(b),図3(c)の方が、タイミングジッタが小さい。
即ち、補正線路113における信号伝播時間Tdが、0.5×Tr≦Td≦0.5×Tminの条件を満たすように補正線路113の長さを設定したことにより、タイミングジッタが、比較例で示した図8(a),(b)のタイミングジッタよりも低減している。そして、タイミングジッタを最も効果的に低減させることができるのは、信号伝播時間Tdが、0.5×Tminの条件を満たすように補正線路113の長さを設定した場合である。このように、タイミングジッタを低減することで、回路の動作マージンが向上する。
次に、振幅比V1´/V1oの許容範囲についてのアイパターンのシミュレーション結果を図4に示す。
伝送率Bvが0.9より5%大きい場合、V1´/V1o=0.945を、Z113=150[Ω]、R113=78[Ω]で実現した。そして、Td=250[psec]のときの接続点102aでのアイパターンは、図4(a)の上図のようになり、タイミングジッタ151は33[psec]となった。Td=50[psec]のときの接続点102aでのアイパターンは、図4(a)の下図のようになり、タイミングジッタ152は50[psec]となった。また、V1´/V1o=Bv+5%の条件においても、V1x/V1o=0.926でAvの条件も満たしている。
また、伝送率Bvが0.9より5%小さい場合、V1´/V1o=0.855を、Z113=100[Ω]、R113=27[Ω]で実現した。Td=250[psec]のときの接続点102aでのアイパターンは、図4(b)の上図のようになり、タイミングジッタ153は43[psec]となった。Td=50[psec]のときの接続点102aでのアイパターンは、図4(b)の下図のようになり、タイミングジッタ154は35[psec]となった。また、V1´/V1o=Bv−5%の条件においても、V1x/V1o=0.747でAvの条件も満たしている。
以上のように、V1´/V1o=Bv±5%の範囲であっても、図4(a),(b)のタイミングジッタの方が、図8(a),(b)に示した比較例のタイミングジッタ800,810よりも低減している。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板について詳細に説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図5(a)は、プリント回路板の等価回路である。図5(b)は、プリント回路板の主伝送線路と平行な方向に沿った断面図であり、図5(c),(d)は、プリント回路板の信号配線層の平面図である。図5(e)は、プリント回路板の主伝送線路と直交する方向に沿った断面図である。
図5(a)に示すように、プリント回路板200は、差動の2つの信号を送信する送信回路231を内蔵した差動送信素子201と、差動の2つの信号を受信する受信回路232を内蔵した差動受信素子202と、を備えている。差動送信素子201の送信回路231は、一方の差動信号を出力する第1の送信端子と他方の差動信号を出力する第2の送信端子を有している。また、差動受信素子202の受信回路232は、一方の差動信号を入力する第1の受信端子と他方の差動信号を入力する第2の受信端子とを有している。
差動の2つの信号は、デジタル信号であり、電圧レベルがハイレベル又はローレベルに切り換わる、互いに位相が180度異なる信号である。つまり、一方の差動信号がハイレベルに切り換わるときは、他方の差動信号はローレベルに切り換わり、一方の差動信号がローレベルに切り換わるときは、他方の差動信号はハイレベルに切り換わる。
また、プリント回路板200は、一方の差動信号が伝播する第1の主伝送線路である伝送線路211と、他方の差動信号が伝播する第2の主伝送線路である伝送線路212とを備えている。したがって、プリント回路板200は、差動伝送方式を採用したものである。
送信回路231は、第1の送信端子から見て内部抵抗を持った一方の差動信号を出力する信号源204が接続された等価回路と、第2の送信端子から見て内部抵抗を持った他方の差動信号を出力する信号源205が接続された等価回路とで表される。
送信回路231の第1の送信端子と、伝送線路211の一端とは、接続点201aで接続されている。また、送信回路231の第2の送信端子と、伝送線路212の一端とは、接続点201bで接続されている。
受信回路232の第1の受信端子と、伝送線路211の他端とは、接続点202aで接続されている。また、受信回路232の第2の受信端子と、伝送線路212の他端とは、接続点202bで接続されている。そして、送信回路231から送信された2つの差動信号のそれぞれは、伝送線路211,212のそれぞれを伝播して受信回路232に受信される。
差動受信素子202は、一端が接続点202aに接続され、他端が接続点202bに接続された終端抵抗器203を内蔵している。なお、終端抵抗器203は、差動受信素子202とは別体に信号配線層に配置してもよい。
ここで、伝送線路211,212の差動インピーダンスは、製造プロセスのばらつきによって一般的に設計値の±10%以内で変動する。そのため終端抵抗器203の抵抗値は、伝送線路211,212の差動インピーダンスに対して±10%の誤差を許容する。
本第2実施形態では、プリント回路板200は、送信回路231側に設けられ、接続点201aに接続された第1の副伝送線路としての補正線路213を備えている。また、プリント回路板200は、送信回路231側に設けられ、接続点201bに接続された第2の副伝送線路としての補正線路214を備えている。そして、プリント回路板200は、補正線路213と補正線路214との間に接続された抵抗器としての補正抵抗器210を備えている。
具体的に説明すると、送信回路231の第1の送信端子と伝送線路211の一端との接続点201aには、補正線路213の一端が接続されている。また、送信回路231の第2の送信端子と伝送線路212の一端との接続点201bには、補正線路214の一端が接続されている。そして、各補正線路213、214の他端の間に補正抵抗器210が接続されている。つまり、補正線路213の他端と補正抵抗器210の一端とが接続点210aで接続され、補正線路214の他端と補正抵抗器210の他端とが接続点210bで接続されている。
次に、図5(b)、図5(c)及び図5(d)を参照しながら、プリント回路板200の構造について説明する。プリント回路板200は、信号配線層221,227、グラウンド層223、電源層225の間に絶縁層222,224,226を介在させた積層構造となっている。本第2実施形態では、信号配線層221が表面層、信号配線層227が裏面層、グラウンド層223及び電源層225、絶縁層222、224、226が、内部層となる。
差動送信素子201、差動受信素子202及び伝送線路211,212は、図5(b)及び図5(c)に示すように、表面層である信号配線層221に配置されている。補正抵抗器210及び補正線路213、214は、図5(b)及び図5(d)に示すように、裏面層である信号配線層227に配置されている。
そして、差動送信素子201と補正線路213との接続がVIA215を介して行われている。同様に、差動送信素子201と補正線路214との接続がVIA216を介して行われている。なおVIA215,216は図5(a)への図示を省略している。
次に、図5(e)を参照しながら、プリント回路板200の層構造について説明する。信号配線層221は厚みt1であり、伝送線路211,212が配置されている。絶縁層222は厚みh1である。グラウンド層223は厚みt2である。絶縁層224は厚みh2である。電源層225は厚みt2である。絶縁層226は厚みh1である。信号配線層227は厚みt1であり、補正線路213、214が配置されている。
なお、電源層225の補正線路213、214に対向する位置には、開口部228が形成されており、開口部228内は絶縁層224と同じ絶縁体で埋まっている。そのため、補正線路213、214のインピーダンス基準面は、グラウンド層223となる。
次に、本第2実施形態のプリント回路板200におけるタイミングジッタが低減する原理について説明する。図5(a)に示す送信回路231の信号源204の内部抵抗(出力インピーダンス)の値をR204[Ω]とする。送信回路231の信号源205の内部抵抗(出力インピーダンス)の値をR205[Ω]とする。
また、伝送線路211のインピーダンス値をZ211[Ω]、伝送線路212のインピーダンス値をZ212[Ω]、補正線路213のインピーダンス値をZ213[Ω]、補正線路214のインピーダンス値をZ214[Ω]とする。また、補正抵抗器210の抵抗値をR210[Ω]、終端抵抗器203の抵抗値をR203[Ω]とする。
各パラメータの関係は、0.5×R203=Z211=Z212、Rq≦Z213、Rs≦Z214、0.5×R210<Z213、0.5×R210<Z214とする。ここでRqは、伝送線路211のインピーダンスZ211と送信素子201内の信号源204のインピーダンスR204の並列インピーダンスであり、Rq=(Z211×R204)/(Z211+R204)となる。Rsは、伝送線路212のインピーダンスZ212と送信素子201内の信号源205のインピーダンスR205の並列インピーダンスであり、Rs=(Z212×R205)/(Z212+R205)となる。
つまり、補正線路213のインピーダンス値Z213は、送信素子201内の信号源204(第1の送信端子から見た送信回路231)のインピーダンス値R204と伝送線路211のインピーダンス値Z211との並列インピーダンスRq以上に設定されている。
補正線路214のインピーダンス値Z214は、送信素子201内の信号源205(第2の送信端子から見た送信回路231)のインピーダンス値R205と伝送線路212のインピーダンス値Z212との並列インピーダンスRs以上に設定されている。また、補正抵抗器210の抵抗値R210の0.5倍は、補正線路213のインピーダンス値Z113よりも低く設定されている。補正抵抗器210の抵抗値R210の0.5倍は、補正線路214のインピーダンス値Z114よりも低く設定されている。言い換えれば、補正抵抗器210の抵抗値R210は、各補正線路213,214の2倍のインピーダンス値2×Z213,2×Z214よりも低く設定されている。また、終端抵抗器203の抵抗値R203の0.5倍と伝送線路211,212のインピーダンス値Z211,Z212とが等しく設定されている。
ここで、本第2実施形態では、図5(a)を理想的な差動伝送の系と考えると、補正抵抗器210の中点と終端抵抗器203の中点とが仮想グラウンドになる。そこで、シングルエンド伝送方式と同様にデエンファシスの原理を考えることができる。
ここで、補正線路213を、接続点210a(他端)から接続点201a(一端)に向かって伝播する信号が接続点201a(一端)で反射するときの反射係数をγ1とする。補正線路213を、接続点201a(一端)から接続点210a(他端)に向かって伝播する信号が接続点210a(他端)で反射するときの反射係数をγ2とする。
補正線路214を、接続点210b(他端)から接続点201b(一端)に向かって伝播する信号が接続点201b(一端)で反射するときの反射係数をγ3とする。補正線路214を、接続点201b(一端)から接続点210b(他端)に向かって伝播する信号が接続点210b(他端)で反射するときの反射係数をγ4とする。
反射係数γ1,γ3は、以下の式(9),式(10)で表される。
γ1=(Rq−Z213)/(Rq+Z213) …(9)
γ3=(Rs−Z214)/(Rs+Z214) …(10)
ただし、Rq=(Z211×R204)/(Z211+R204)、Rs=(Z212×R205)/(Z212+R205)である。
また、補正抵抗器210の中点が仮想グラウンドになるため、反射係数γ2,γ4は、以下の式(11),式(12)で表される。
γ2=(0.5×R210−Z213)/(0.5×R210+Z213) …(11)
γ4=(0.5×R210−Z214)/(0.5×R210+Z214) …(12)
一般的にγ1、γ3は、−1≦γ1≦1、−1≦γ3≦1の範囲となるが、本実施形態ではRq≦Z213に設定するため、−1<γ1≦0となる。Rs≦Z214に設定するため、−1<γ3≦0となる。また、γ2、γ4は一般的に、−1≦γ2≦1、−1≦γ4≦1の範囲となるが、0.5×R210<Z213に設定するため、−1<γ2<0となる。0.5×R210<Z214に設定するため、−1<γ4<0となる。
ここで、本第2実施形態では、図5(a)を理想的な差動伝送の系と考えると、補正抵抗器210の中点と終端抵抗器203の中点とが仮想グラウンドになるため、シングルエンド伝送方式と同様の原理でデエンファシス効果が得られる。また接続点201bでは、接続点201aと信号の位相が反転している以外は同様の原理で動作しているため、差動信号としてデエンファシスの効果がある。
送信回路231により送信される差動信号の最小のパルス幅をTmin[sec]、送信回路231により送信される差動信号の立ち上がり時間をTr[sec]とする。また、信号が各補正線路213、214の一端から他端に伝播するのに要する信号伝播時間をTdとする。各補正線路213、214における信号伝播時間Tdが、0.5×Tr≦Td≦0.5×Tminの条件を満たすように、各補正線路213、214の長さを設定すれば良い。
本第2実施形態では、差動伝送方式であるため、補正抵抗器210を2つの補正線路213、214で共有できる。また、シングルエンド伝送方式の場合には、補正抵抗器を終端するために終端電圧の供給が必要となるが、本第2実施形態では、差動終端の形態を取っているため、終端電圧の供給が不要となる。
信号源204,205が出力する各差動信号の立ち上がり時間や最小パルス幅がアンバランスの場合は、補正線路213、214の長さを調節することで信号伝播時間を調整し、バランスを取ることができる。
絶縁層222,224,226の絶縁体の比誘電率をεr、各補正線路213、214の長さをLenとすると、Len≒(co/√εr)×Tdで表されるので、信号伝播時間Tdの値を決定すると、補正線路213、214の長さLenが求まる。この求めた値に補正線路213、214の長さを設定することで、デエンファシスの効果が得られる。
したがって、上記第1実施形態と同様に、受動部材によりデエンファシスの機能を実現することができる。そして、送信回路231の出力インピーダンスと伝送線路211(212)のインピーダンスとが整合していなくても、受信回路232において受信される信号のタイミングジッタが低減する。
次に、補正線路213、214のインピーダンス値Z213,Z214と補正抵抗器210の抵抗値R210との関係について説明する。考え方は上記第1実施形態と同様である。
上記第1実施形態と同様に、デエンファシスによる対策がないときの受信端アイパターンのクロスポイント近傍での、最小電圧と最大電圧との比より各伝送線路211,212の信号の伝送率Bvが求まる。また、上記第1実施形態と同様に、送信回路231の出力飽和電圧の幅を分母とし、受信回路232の入力閾値電圧の幅を分子とした比Avが求まる。
例えば差動伝送素子として代表的なLVDS(Low Voltage Differential Signaling)は、差動出力電圧±350[mV]に対して、差動入力閾値電圧は±100[mV]である。この場合のAvは、約0.29となる。また、Av<Bvである。
そして、伝送率Bv及び比Avにより、各補正線路213、214のインピーダンス値Z213,Z214及び補正抵抗器の抵抗値R210を設定することができる。
以上より、0<Av<Bv<1の条件の下、反射係数γ1,γ2,γ3,γ4が、以下の式(13),式(14),式(15),式(16)の条件を満たす値となる範囲内で、各インピーダンス値Z213,Z214及び抵抗値R210が設定されている。
(1+γ2)/(1−γ1×γ2)≧Av …(13)
(1+γ4)/(1−γ3×γ4)≧Av …(14)
1+γ2+γ1×γ2=Bv±5% …(15)
1+γ4+γ3×γ4=Bv±5% …(16)
インピーダンス値Z213,Z214、及び抵抗値R210は、いずれかが一意に決まるものではなく、上記Av、Bvの条件を満たすようにインピーダンス値Z213,Z214、及び抵抗値R210を互いに調整する。
ここで、シングルエンドの伝送線路211,212のインピーダンス値Z211,Z212は概ね以下のように決まる。
Z211,Z212≒{60/√(0.475εr+0.67)}×ln{4×h1/(0.67(0.8×W1+t1))}[Ω]
また、差動インピーダンスZdiffは、Z211=Z212=Zoとすると、
Zdiff≒2Zo{1−0.48×exp(−0.96×WG1/h1)}[Ω]となる。
以上、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、受動部材によりデエンファシスの機能を実現することができる。そして、送信回路231の出力インピーダンスと伝送線路211,212のインピーダンスとがそれぞれ整合していなくても、符号間干渉によるタイミングジッタが低減する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板について説明する。図6は、第3実施形態のプリント回路板を示す図である。なお、図6に示すプリント回路板の等価回路は、図5(a)のプリント回路板と同じであり、上記第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
上記第1,第2実施形態では、裏面層の信号配線層に、副伝送線路としての補正線路を配置した場合について説明したが、本第3実施形態では、内部層の信号配線層に副伝送線路としての補正線路を配置した場合について説明する。なお、以下、プリント回路板の等価回路が第2実施形態と同様の場合について説明するが、プリント回路板の等価回路が第1実施形態と同様の場合についても適用可能である。
以下、プリント回路板300の構造について説明する。図6(a)に示すように、プリント回路板300は、信号配線層321、323、324、326、グラウンド層322、電源層325の間に絶縁層331、332、333、334、335を介在させた積層構造となっている。本第3実施形態では、信号配線層321が表面層、信号配線層326が裏面層、その他の層322、323、324、325、331、332、333、334、335が、内部層となる。
図6(b)に示すように、差動送信素子201及び差動受信素子202は、表面層である信号配線層321に配置され、主伝送線路である伝送線路211,212も信号配線層321に配置される。図6(c)に示すように、抵抗器である補正抵抗器210は、裏面層である信号配線層326に配置されている。
副伝送線路である補正線路213、214は、内部層である信号配線層323に配置されている。差動送信素子201と補正線路213との接続はVIA315を介して行われている。差動送信素子201と補正線路214との接続はVIA316を介して行われている。補正線路213と補正抵抗器210との接続はVIA317を介して行われている。補正線路214と補正抵抗器210との接続はVIA318を介して行われている。
本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、タイミングジッタが低減するという効果を奏する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント回路板について説明する。図7は、第4実施形態のプリント回路板を示す図である。なお、図7に示すプリント回路板の等価回路は、図5(a)のプリント回路板と同じであり、上記第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
上記第1,第2実施形態では、裏面層の信号配線層に、副伝送線路としての補正線路を配置した場合について説明したが、本第4実施形態では、内部層の信号配線層に副伝送線路としての補正線路及び抵抗器としての補正抵抗器を配置した場合について説明する。なお、以下、プリント回路板の等価回路が第2実施形態と同様の場合について説明するが、プリント回路板の等価回路が第1実施形態と同様の場合についても適用可能である。
以下、プリント回路板400の構造について説明する。図7(a)に示すように、プリント回路板400は、信号配線層421,423,424,426、グラウンド層422、電源層425の間に絶縁層431,432,433,434,435を介在させた積層構造となっている。本第4実施形態では、信号配線層421が表面層、信号配線層426が裏面層、その他の層422,423,424,425,431,432,433,434,435が、内部層となる。
図7(b)に示すように、差動送信素子201及び差動受信素子202は、表面層である信号配線層421に配置され、主伝送線路である伝送線路211,212も信号配線層421に配置される。図7(a)及び図7(c)に示すように、副伝送線路である補正線路213、214は、内部層である信号配線層423に配置されており、抵抗器である補正抵抗器210は、内部層である信号配線層424に配置されている。
差動送信素子201と補正線路213との接続はVIA415を介して行われている。差動送信素子201と補正線路214との接続はVIA416を介して行われている。補正線路213と補正抵抗器210との接続はVIA417を介して行われている。補正線路214と補正抵抗器210との接続はVIA418を介して行われている。
本第4実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、タイミングジッタが低減するという効果を奏する。
なお、上記実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
100 プリント回路板
110 補正抵抗器(抵抗器)
111 伝送線路(主伝送線路)
113 補正線路(副伝送線路)
131 送信回路
132 受信回路
200 プリント回路板
210 補正抵抗器(抵抗器)
211 伝送線路(第1の主伝送線路)
212 伝送線路(第2の主伝送線路)
213 補正線路(第1の副伝送線路)
214 補正線路(第2の副伝送線路)
231 送信回路
232 受信回路

Claims (4)

  1. 信号を送信する送信回路と、信号を受信する受信回路と、前記送信回路と前記受信回路とを接続し、信号が伝播する主伝送線路と、を備え、前記送信回路の出力インピーダンス値と前記主伝送線路のインピーダンス値とが異なるプリント回路板において、
    前記送信回路と前記主伝送線路との接続点に一端が接続され、前記送信回路の出力インピーダンス値と前記主伝送線路のインピーダンス値との並列インピーダンス値以上のインピーダンス値に設定された副伝送線路と、
    前記副伝送線路の他端に接続され、前記副伝送線路のインピーダンス値よりも低い抵抗値に設定された抵抗器と、を備え、
    信号が前記副伝送線路の一端から他端に伝播するのに要する信号伝播時間をTd、
    前記送信回路により送信される信号の最小のパルス幅をTmin、
    前記送信回路により送信される信号の立ち上がり時間をTrとしたとき、
    信号伝播時間Tdが0.5×Tr≦Td≦0.5×Tminの条件を満たす値となる範囲内で、前記副伝送線路の長さが設定されていることを特徴とするプリント回路板。
  2. 前記副伝送線路を他端から一端に向かって伝播する信号が一端で反射するときの反射係数をγ1、
    前記副伝送線路を一端から他端に向かって伝播する信号が他端で反射するときの反射係数をγ2、
    前記送信回路の出力飽和電圧の幅を分母とし、前記受信回路の入力閾値電圧の幅を分子とした比をAv、
    前記主伝送線路の信号の伝送率をBvとしたとき、
    0<Av<Bv<1の条件の下、反射係数γ1,γ2が、
    (1+γ2)/(1−γ1×γ2)≧Av、
    1+γ2+γ1×γ2=Bv±5%
    の条件を満たす値となる範囲内で、前記副伝送線路のインピーダンスの値及び前記抵抗器の抵抗値が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
  3. 差動信号を送信する第1の送信端子及び第2の送信端子を有する送信回路と、差動信号を受信する第1の受信端子及び第2の受信端子を有する受信回路と、前記送信回路と前記受信回路とを接続し、差動信号が伝播する第1の主伝送線路及び第2の主伝送線路とを備え、前記第1の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第1の主伝送線路のインピーダンス値とが異なり、かつ前記第2の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第2の主伝送線路のインピーダンス値とが異なるプリント回路板において、
    前記送信回路の第1の送信端子と前記第1の主伝送線路との接続点に一端が接続され、前記第1の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第1の主伝送線路のインピーダンス値との並列インピーダンス値以上のインピーダンス値に設定された第1の副伝送線路と、
    前記送信回路の第2の送信端子と前記第2の主伝送線路との接続点に一端が接続され、前記第2の送信端子から見た前記送信回路の出力インピーダンス値と前記第2の主伝送線路のインピーダンス値との並列インピーダンス値以上のインピーダンス値に設定された第2の副伝送線路と、
    前記各副伝送線路の他端の間に接続され、前記各副伝送線路の2倍のインピーダンス値よりも低い抵抗値に設定された抵抗器と、を備え、
    信号が前記各副伝送線路の一端から他端に伝播するのに要する信号伝播時間をTd、
    前記送信回路により送信される差動信号の最小のパルス幅をTmin、
    前記送信回路により送信される差動信号の立ち上がり時間をTrとしたとき、
    信号伝播時間Tdが0.5×Tr≦Td≦0.5×Tminの条件を満たす値となる範囲内で、前記各副伝送線路の長さが設定されていることを特徴とするプリント回路板。
  4. 前記第1の副伝送線路を他端から一端に向かって伝播する信号が一端で反射するときの反射係数をγ1、
    前記第1の副伝送線路を一端から他端に向かって伝播する信号が他端で反射するときの反射係数をγ2、
    前記第2の副伝送線路を他端から一端に向かって伝播する信号が一端で反射するときの反射係数をγ3、
    前記第2の副伝送線路を一端から他端に向かって伝播する信号が他端で反射するときの反射係数をγ4、
    前記送信回路の出力飽和電圧の幅を分母とし、前記受信回路の入力閾値電圧の幅を分子とした比をAv、
    前記各主伝送線路の信号の伝送率をBvとしたとき、
    0<Av<Bv<1の条件の下、反射係数γ1,γ2,γ3,γ4が、
    (1+γ2)/(1−γ1×γ2)≧Av、
    (1+γ4)/(1−γ3×γ4)≧Av、
    1+γ2+γ1×γ2=Bv±5%、
    1+γ4+γ3×γ4=Bv±5%
    の条件を満たす値となる範囲内で、前記各副伝送線路のインピーダンス値及び前記抵抗器の抵抗値が設定されていることを特徴とする請求項3に記載のプリント回路板。
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