JP5609625B2 - 車両室内照明装置 - Google Patents
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Description
一方、近年の車両においては、高級感を付与するとともにサービス性の向上を図るために、各照明灯の光源を時間をずらす等して点灯・消灯させる車両室内照明装置が現れている。例えば、乗員の乗降時から起動して、あらかじめ定められたプログラムパターンに基づいて複数の照明具を順に点灯・消灯させたり、複数の照明具の照度を順に変化させたりすることができる自動車室内照明装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、通常、車両内の照明灯の各光源を制御するECUは、照明灯の他に車両内の様々な装置の制御を行うために設けられており、照明灯の制御のために使用可能な出力ポートの数は限られている。そうすると、1つの出力端子の信号(1つの出力ポート)しか照明灯の制御に使用することができない場合には、複数の照明灯の光源を順次点灯又は消灯させたり、順次照度を変化させたりする照明装置を実現することが不可能である。このため、光源の制御のために使用できるECUの出力ポートの数が限られている場合に、多数の光源を用いた装飾的な照明を車両に搭載することが困難となっていた。
本第2発明は、前記第1発明において、前記第2光源の光を伝搬させる前記導光体の他方の端面から出射される前記第2光源の光を検出する光センサ、制御回路及び発光素子を具備し、該光センサの検出信号に基づいて該制御回路により該発光素子の発光を制御する1又は2以上の第3光源と、一方の端面に入射された前記第3光源の光を伝搬させると共にその光を周囲面から放射する導光体と、を更に備えることを要旨とする。
本第3発明は、前記第1又は第2発明において、前記第2光源又は前記第3光源に備えられる前記制御回路は、前記光センサによる検出信号を所定時間遅延させる遅延回路であり、該遅延回路を介して前記発光素子の発光が制御されることを要旨とする。
本第4発明は、前記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記電子制御ユニットは、車両のドア開閉を検知して前記出力ポートにより前記第1光源を発光させることを要旨とする。
本車両室内照明装置においては、車両の室内に複数の光源が設けられる。本車両室内照明装置が適用される車両は特に限定されず、例えば乗用車、バス、トラック、電車等が挙げられる。前記複数の光源として、最初に発光が開始・停止等される第1光源と、その第1光源の発光状態を検出することによって起動し、自己の発光を制御する第2光源と、を備える。
以下では、先に発光状態を変化させる光源側を「上流」、その上流の光源の発光状態を検出することによって起動し、自己の発光を制御する光源側を「下流」と呼ぶ。光源として、1つの第1光源の下流に1又は2以上の第2光源を備えることができ、更にその第2光源の下流に1又は2以上の第3光源を備えることができる。同様にして、第3光源の下流側に更に光源を備えることができる。
下流側の光源は、上流側の光源の発光状態として、少なくとも発光しているか否かを検出可能であればよいが、光量の変化や発光色等を判別するようにしてもよい。
第1光源に備えられる前記「発光素子」の種類、発光色、形状、大きさ、個数等は特に問わない。発光素子として、例えば発光ダイオード(LED)、電球、エレクトロルミネセンス(EL)、冷陰極管等を用いることができる。
第2光源に備えられる前記「光センサ」は、第1光源の発光状態を検出することができればよく、任意の種類の光センサを用いることができる。例えば、光センサとして、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池等を挙げることができる。
例えば、公知のアナログ式遅延回路等を用いるだけの極めて簡単な制御回路により、第1光源の発光が検知されたら、所定時間が経過した後に第2光源の発光素子を発光させる、という制御方法を実現することができる。また、第1光源の発光が停止されたら、所定時間遅れて発光素子の発光を停止させる制御も、同様の制御回路によって容易に行うことができる。このような簡単な制御方法によって、第1光源と第2光源とが順次発光するため、動きのあるイルミネーションを実現することができる。
制御回路による制御方法は、たんに上流の光源の発光開始・停止に対して遅延時間をおくだけでなく、上流の光源の発光状態に基づいて発光素子の光量を変化させてもよい。例えば、徐々に明るくなるように発光させたり、徐々に暗くなるように発光を停止させたりすることができる。その他、異なる色の発光素子を用いて発光色を変化させたり、所定のパターンで点滅等をさせたり、上流の光源とほぼ同時に発光開始・停止したりするようにしてもよい。また、それらを組み合わせた制御としてもよい。種々の制御方法を制御回路に実装することによって、多様なイルミネーションが可能になる。
図1に示す車両室内照明装置1は、電子制御ユニット2と、その1つの出力ポート21に接続された第1光源3と、1つの第2光源4とを備えている。第1光源3には発光素子33が具備されており、出力ポート21の信号により発光素子33の発光(L3)が制御される。また、第2光源4には、第1光源3の発光L3を受光する光センサ41、制御回路42及び発光素子43が具備されている。制御回路42の出力信号により、発光素子43の発光(L4)が制御される。
各光源(3、4)の回路には、車両のバッテリから電源を供給するようにすることができる。各光源間を電気的に接続するワイヤは必要としない。
上記の場合、制御回路42は、図2に示すように、光検出回路421、遅延回路422及び駆動回路423から構成することができる。光検出回路421は、光センサ41により第1光源の発光状態(L3)に応じた光検出信号を生成する。遅延回路422は、光検出回路421の光検出信号を所定時間だけ遅延させた遅延信号を生成する。駆動回路423は、その遅延信号により発光素子43を駆動する。いずれの回路も、公知の電子回路を適用して構成することができる。
第3光源5にも車両のバッテリから電源を供給するようにすることができる。その他に第3光源5と外部を電気的に接続するワイヤは必要としない。
また、前記第2光源や第3光源の数も任意とすることができる。上流の光源の発光素子の発光を下流の光源の光センサで検出するように上流と下流の光源をつなぐとすると、上流の光源から下流の光源を直列に順次つないで構成することができる。また、1つの上流の光源から2以上の下流の光源を並列につないで構成することができる。いずれの構成としても、各光源の制御回路の機能によって、略同時に各光源の発光を開始又は停止させたり、上流の光源から順に発光を開始又は停止させたりすることができる。その他、ECUの出力信号又は上流の光源の発光によって起動される任意の発光制御を行うことが可能である。
上記車両室内照明装置12においては、上流と下流の光源間を、それぞれ導光体(73、74a、74b、75)を用いてつないでいる。各導光体は、それぞれ上流の各光源が発する光(L3、L4a、L4b、L5)の一部を下流の各光源の光センサに導くとともに、周囲に光を放射することにより照明を行う。
図5は、このように構成された車両室内照明装置12を模式的に表わした図である。第1光源3の発光素子33の発光は、導光体73によって周囲を照明しつつ、第2光源4aの光センサ41aと、第2光源4bの光センサ41bとに導かれる。同様に、第2光源4aの発光素子43aの発光は、導光体74aによって周囲を照明しつつ、第3光源5の光センサ51に導かれる。また、第2光源4bの発光素子43bの発光、及び第3光源5の発光素子53の発光は、それぞれ導光体74b及び導光体75を伝搬してその周囲を照明する。
上記車両室内照明装置12に使用する第2光源(4a、4b)及び第3光源(5)に備えられる各制御回路が同様の遅延機能を備えるとすると、各光源の発光、すなわち各光源につながれた導光体による照明は、図6に示すように変化することとなる。図6は、ECUの出力ポートの信号Pと、各光源の発光素子の発光状態(L3、L4a、L4b、L5)を示す。それぞれの発光状態は、ONのとき発光、OFFのとき非発光であることを表わす。
まず、ECU2の出力ポートの信号PがONとなると、第1光源3が発光する(L3がON)。次に、その第1光源3の発光L3が第2光源4aによって検出され、所定時間d4a経過後に第2光源4aが発光する(L4a)。また、第1光源3の発光L3が第2光源4bによって検出され、所定時間d4b経過後に第2光源4bが発光する(L4b)。その後、第2光源4aの発光L4aが第3光源5によって検出され、所定時間d5経過後に第3光源5が発光する(L5)。各所定時間(d4a、d4b、d5)は、同じでもよいし、それぞれ異なっていてもよく、例えば0〜3秒程度の範囲の任意の時間とすることができる。
次に、出力ポートの信号PがOFFとなると第1光源3の発光が停止(L3がOFF)し、続いて第2光源4a、第2光源4b、第3光源5が、それぞれ所定時間(d4a’、d4b’、d5’)遅延して順次OFFとなる。上記同様、所定時間(d4a’等)は任意でよい。
図7(b)は、第2光源4及び第3光源5の制御例を示す。第2光源4等は、それぞれの上流にある光源の発光状態を監視する(S21、S25)。ステップS21で上流の光源の発光開始が検出されたときは、所定時間d1の経過を待ち(S22)、その後発光素子を発光させる(S23)。また、ステップS25で上流の光源の発光の停止が検出されたときは、所定時間d2の経過を待ち(S26)、その後発光素子の発光を停止させる(S27)。上記の所定時間d1及びd2は、前記遅延回路422等によって生成することができる。
前記のとおり、本車両室内照明装置の動作及び制御方法は、下流の光源が上流の光源の点灯・消灯に遅延して点灯・消灯される形態に限らない。光量を徐々に変化させてもよいし、点滅させたりほぼ同時に消灯させる等、任意の制御方法とすることができる。
例えば、本車両室内照明装置を車両のドア開閉に連動する照明として使用することができる。この場合、電子制御ユニットによって車両のドア開閉が検知され、その電子制御ユニットの1つの出力ポートにより第1光源を発光させるように構成することができる。そして、第1光源の発光に連動して第2光源や第3光源が発光し、それらを上記各部の照明に利用することができる。これにより、乗員が車両に乗降する際に、効果的且つ演出性の高い照明を実現することができる。
その他、本車両室内照明装置は、ドアロックの施錠及び解錠、エンジンの始動及び停止、乗員によるスイッチ操作等に連動する照明として用いることができる。
例えば、ドア照明81は、ドア内側のドアトリム91に嵌め込まれている。また、インストルメントパネル照明82は、助手席側インストルメントパネル92のグローブボックス上側に嵌め込まれている。足元照明83は、助手席足元のドアトリム等の近傍に嵌め込まれている。スカッフ照明84は、ドアの下側に嵌め込まれている。コンソールパネル照明85は、センターコンソール95の側縁部に嵌め込まれている。
各照明部は、光源と、それをカバーする表面パネル等を備えて構成されている。この光源として、本車両室内照明装置の第1光源、第2光源、第3光源等を用いることができる。そして、各光源に備えられる発光素子により照明を行うことができる。また、各光源から棒状等の導光体を用いて光を導けば、その導光体の周囲面から漏れ出る光によって照明を行うことができる。すなわち、各光源の発光素子と導光体とにより、それぞれの照明部を構成することができる。
また、ドア開閉に連動するスカッフ照明84に第1光源、足元照明83に第2光源、コンソールパネル照明85に第3光源をそれぞれ使用し、順次点灯及び消灯するように構成することもできる。また、スカッフ照明84に第1光源を使用し、その第1光源につながれた2つの第2光源をインストルメントパネル照明82及び足元照明83として使用することもできる。
上記構成の他、種々の変形が可能である。また、上例は乗員乗車時のドア開閉に連動するイルミネーションであるが、これに限らず、乗員のスイッチ操作等に連動するイルミネーションを構成することもできる。
また、第2光源及び第3光源をECUによって制御する必要がない。簡易な構成の第2光源等を使用するのみで、乗員に利便を提供するとともに装飾効果に優れたイルミネーションを実現することができる。
Claims (4)
- 複数の光源が設けられた車両室内照明装置であって、
車両に備えられた電子制御ユニットの1つの出力ポートに接続され、該出力ポートにより発光が制御される第1光源と、
一方の端面に入射された前記第1光源の光を伝搬させると共にその光を周囲面から放射する導光体と、
前記導光体の他方の端面から出射される前記第1光源の光を検出する光センサ、制御回路及び発光素子を具備し、該光センサの検出信号に基づいて該制御回路により該発光素子の発光を制御する1又は2以上の第2光源と、
一方の端面に入射された前記第2光源の光を伝搬させると共にその光を周囲面から放射する導光体と、
を備え、各前記導光体の周囲面から放射される光により照明することを特徴とする車両室内照明装置。 - 前記第2光源の光を伝搬させる前記導光体の他方の端面から出射される前記第2光源の光を検出する光センサ、制御回路及び発光素子を具備し、該光センサの検出信号に基づいて該制御回路により該発光素子の発光を制御する1又は2以上の第3光源と、
一方の端面に入射された前記第3光源の光を伝搬させると共にその光を周囲面から放射する導光体と、
を更に備える請求項1に記載の車両室内照明装置。 - 前記第2光源又は前記第3光源に備えられる前記制御回路は、前記光センサによる検出信号を所定時間遅延させる遅延回路であり、該遅延回路を介して前記発光素子の発光が制御される請求項1又は2に記載の車両室内照明装置。
- 前記電子制御ユニットは、車両のドア開閉を検知して前記出力ポートにより前記第1光源を発光させる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両室内照明装置。
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