JP5608047B2 - Led電球用塗装鋼板およびled電球 - Google Patents

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Description

本発明は、発光ダイオード電球(LED電球)の構成部材として用いられる塗装鋼板、およびこのような塗装鋼板を構成部材として有するLED電球に関し、特に発熱体を含むLEDモジュールの表面温度や、回路基板を含む筐体内部雰囲気温度の上昇を抑制することのできるLED電球用塗装鋼板、およびLED電球等に関するものである。
近年、省エネルギーの要求から、LED素子を光源としたLED電球の普及が加速している。しかしながら、明るさへの要求が高まるにつれて、LED素子の出力も大きくなっており、LED素子の発熱が問題となってきている。
一般的なLED電球の構造を、図1に示す。LED素子は温度が上昇するに従い、発光効率の低下・LEDパッケージ樹脂の劣化に伴う寿命の低下などを引き起こすことから、LED素子の温度上昇を抑制することが求められている。LED素子、蛍光体、実装基板を含むLEDモジュール(若しくは「発熱体」と呼ぶ)の温度上昇を抑制するためには、発熱体または発熱体に接する部材(図1に示した金属板)から筐体(図1に示した放熱部やガラス製グローブ)に順調な熱の流れがあることが必要である。
発熱体に接する部材や筐体の素材としては、熱伝導率の比較的高い材料としてアルミニウムが用いられており、このアルミニウムの熱伝導率は120〜230W/(m・K)程度である。しかしながら、放熱部を兼ねた筐体において、空気の対流による冷却が不十分であると、いくら発熱体や、発熱体に接する部材と筐体の温度勾配が小さくとも、高い温度域で熱が滞ることとなる。
こうした問題を解決するために、筐体を複数の放熱フィンを設けたダイカストとすることで表面積を増やし熱対流の効果を得ることも考えられる。しかしながら、これらの熱対策は部品の材料費・加工費は高く、製造コストが高くなることが予想される。そこで安価な鉄への代替が考えられるが、通常の鉄では熱伝導率が50W/(m・K)程度であり、従来品(通常アルミニウム)より放熱性が劣ることになる。
LED電球の構造に関連する技術は、これまでにも様々提案されている。例えば、特許文献1には、LED素子が取付けられたLEDモジュールと、該LEDモジュールが固定されLEDモジュールで発生する熱を外部に伝達する放熱プレートと、該放熱プレートが載置され内部に電源基板が収容された金属製のカバー部材とが備えられ、放熱プレートは縁部が形成され、前記縁部の外面とカバー部材の段部の内面は密着する構成としたLED電球が提案されている。
この技術では、放熱部に複雑なダイカスト構造の放熱フィンを使用することなしに放熱効果を高めると共に、機械的強度を高めたLED電球を提供することを目的としてなされたものである。この技術は、放熱部品同士の密着性の向上を図ると共に、金属性のカバー部材に熱伝導率の高いアルミニウム材を使用するなどの手段を講じているものの、金属カバー表面の放射率の規定はされていない。熱伝導だけでは金属カバー温度の低下には不十分であり、放熱プレートと金属カバーとの温度勾配が小さい。そのため発熱源であるLED素子→放熱プレート→金属カバーの熱伝導の寄与が十分に得られず、LEDモジュールの温度上昇抑制の効果は得られないことが予想される。
また、特許文献2には、複数のLEDが面実装されたLEDモジュールと、前記LEDモジュールが取り付けられ複数の放熱フィンから前記LEDから発生する熱を放熱する放熱部と、前記LEDモジュールを覆って前記LEDからの放射光を外部に出射するグローブと、前記放熱部の前記グローブの反対側に設けられ内部に中空部を有する口金と、この口金の中空部に内蔵され前記LEDを点灯する点灯回路を備えたLED電球について提案されている。
この技術では、放熱部を複数の放熱フィンをもつダイカストとすることでコストの高いものとなっている。また、上記特許文献1と同様、放熱部表面の放射率の規定はなく、放熱部の温度の低下には不十分であり、LEDモジュールの温度上昇抑制の効果は得られないことが予想される。
特許文献3には、一端に口金が設けられ、他端の開口部に向けてラッパ状に拡がるラッパ状金属放熱部と、このラッパ状金属放熱部の開口部に取付けられた透光性カバーと、前記ラッパ状金属放熱部と前記透光性カバーにより形成された略球体の内部に設けられた金属基板と、この金属基板の前記透光性カバーに対向する外面に実装されたLED素子とを備えたLED電球について提案されている。
この技術でも、上記特許文献1および2と同様、放熱部表面の放射率の規定はなく、放熱部の温度の低下には不十分であり、LEDモジュールの温度上昇抑制の効果は得られない。
特許文献4には、複数の発光ダイオードが一方の面に配列された基板と、その基板を取り付ける底部を有する樹脂ケースとを有し、基板が底部に放熱固定板を介して取り付けられてなるLED照明装置であって、放熱固定板の上記基板が取り付けられた面と対向する面に樹脂ケースの底部との接触面積を増大させるように凸部を形成したものが提案されている。
この技術では、高い密閉特性を保つことができ、且つ放熱特性のよいLED照明装置を提供することを目的としてなされたものであるが、放熱性カバーが樹脂製のものであり、本発明で対象とするLED電球とは基本構造が異なるものである。
一方、放熱構造体に関する技術として、特許文献5には、発熱電子部品を収容し、外壁に設けられた放熱孔を有する密閉構造、若しくは放熱孔を有しない完全密閉構造の筐体と、放熱性を有する塗膜が表裏面のうち少なくとも表面に施され、前記表面の放射率が0.5以上であり、前記発熱電子部品に裏面を面接触させて装着される第1の放熱性塗膜処理鋼板と、放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理鋼板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、前記第1の放熱性塗膜処理鋼板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する状態で前記第1の放熱性塗膜処理鋼板と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、且つ、前記筐体の外壁の一部を構成する第2の放熱性塗膜処理鋼板と、を備えている放熱構造体について提案されている。この技術では、放熱性を良好にするための規定はあるものの、熱伝導率については考慮されていないものである。
実用新案登録第3159084号公報 特開2010−56059号公報 特開2001−243809号公報 特開2002−299700号公報 特開2010−62521号公報
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、高い熱伝導率を有すると共に、十分な放熱性を有し、LED電球の構成部材として有用な塗装鋼板、およびこのような塗装鋼板を用いたLED電球を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明のLED電球用塗装鋼板とは、放熱性塗膜が素地鋼板の一方の面(表面)に塗装され、LED電球の構成部材として用いられる塗装鋼板であって、該塗装鋼板は、素地鋼板の板厚t、素地鋼板の熱伝導率λ、および放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0が、下記(1)式の関係を満足するものである点に要旨を有するものである。
16.8353−4.89785t−0.0383λ−20.9416ε0≦0
…(1)
但し、t:素地鋼板の板厚(mm)、λ:素地鋼板の熱伝導率[W/(m・K)]、
ε0:放熱性塗膜の赤外線積分放射率(−)
本発明のLED電球用塗装鋼板において、(a)素地鋼板の板厚tが、0.4mm以上、2.3mm以下であると共に、放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0が0.6以上であることや、(b)素地鋼板の熱伝導率λが63.0W/(m・K)である、等の要件を満足することが好ましい。
本発明のLED電球用塗装鋼板で用いる素地鋼板としては、熱延鋼板や冷延鋼板は勿論のこと、鋼板の表面に、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきのいずれかを施した表面処理鋼板のいずれも採用できる。
本発明で用いる素地鋼板は、C:0.001〜0.1%(「質量%」の意味、以下同じ)、Si:0.001〜0.1%、Mn:0.05〜0.9%およびsol.Al:0.01〜0.1%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなるものであるものが好ましい。また、この素地鋼板は、更にTiを0.1%以下(0%を含まない)で含有するものであっても良い。
本発明のLED電球用塗装鋼板は、必要に応じて、鋼板の他方の面(裏面)にも放熱性塗膜が塗装されたものであり、この放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε1が0.6以上である。
一方、上記目的を達成することのできた本発明のLED電球とは、LEDモジュールと、該LEDモジュールと接触する金属板と、該金属板と接触する塗装鋼板を備えたLED電球であって、前記塗装鋼板として、上記のような本発明のLED電球用塗装鋼板を用いると共に、前記金属板と塗装鋼板との断面接触長さLが3mm以上であり、且つ下記(2)式の関係を満足するものである点に要旨を有するものである。このLED電球において、前記金属板は、例えばアルミニウムからなるものが挙げられる。
27.2165−4.89785t−0.0383λ−20.9416ε0
−3.4604L≦0 …(2)
但し、t:素地鋼板の板厚(mm)、λ:素地鋼板の熱伝導率[W/(m・K)]、
ε0:放熱性塗膜の赤外線積分放射率(−)、L:断面接触長さ(mm)
本発明では、LED電球の構成部材として、素地鋼板の板厚t、素地鋼板の熱伝導率λ、および放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0が、所定の関係式を満足する塗装鋼板を用いることによって、発熱体を含むLEDモジュール表面温度の上昇を抑制することができる。更に、必要に応じて素地鋼板の裏面に所定の放熱性塗膜を設けることによって、回路基板を含む筐体内部雰囲気温度の上昇抑制および低コスト化が可能となる。
一般的なLED電球の構造を示す概略説明図である。
本発明者らは、LED電球の放熱部の構成部材として有用な素材を実現するべく、様々な角度から検討した。コスト面からすれば、LED電球の筐体を構成する部材として、鋼板を使用することが考えられる。しかしながら、従来用いられているアルミニウムと比較し、通常の鋼板では熱伝導率が低く、十分な放熱性が得られない。そこで、発熱体を含むLEDモジュール表面温度の上昇を抑制し、必要に応じて、回路基板を含む筐体内部雰囲気温度の上昇を抑制し、且つ低コストを達成することのできるLED電球用塗装鋼板について更に検討した。
その結果、放熱性塗膜が素地鋼板の一方の面(表面:おもて面)に塗装された塗装鋼板において、素地鋼板の板厚t、素地鋼板の熱伝導率λ、および放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0はいずれも、LED素子の表面温度上昇を抑制して塗装鋼板表面温度の低下に大きく寄与するパラメータであることが判明した。そして、これらが下記(1)式の関係を満足するようにし、塗装された面をLED電球の外側となるように配置すれば、LED電球の放熱部の構成部材として極めて有効な性能を発揮し、発熱体を含むLEDモジュール表面温度が可能となることを見出し、本発明を完成した。
16.8353−4.89785t−0.0383λ−20.9416ε0≦0
…(1)
但し、t:素地鋼板の板厚(mm)、λ:素地鋼板の熱伝導率[W/(m・K)]、
ε0:放熱性塗膜の赤外線積分放射率(−)
上記(1)式は、実験に基づいて回帰分析によって求められたものであり、各パラメータの係数は、塗装鋼板表面温度低下の寄与率を略意味している。この(1)式の右辺(=0)は、放熱部に一般的に用いられる2種類の塗装アルミニウム板のLEDモジュール表面温度(表面温度の算出方法は後述する。)を考慮して決定されたものである。具体的には、(a)放熱部に熱伝導率238W/(m・K)、放射率(表=0.10、裏=0.10)、板厚0.5mmの塗装アルミニウム板(Al板の表裏面に、樹脂(ポリエステル)の塗膜が施されたもの)を用いたときのLEDモジュール表面温度142.4℃と、(b)熱伝導率238W/(m・K)、放射率(表=0.40、裏=0.40)、板厚0.5mmの塗装アルミニウム板(Al板の表裏面に、樹脂(ポリエステル)の塗膜が施されたもの)を用いたときのLEDモジュール表面温度136.1℃と、これらの平均値139.2と、を基準として導出されたものである。即ち、上記(1)式の関係を満足するものは、通常の塗装アルミニウム板を用いたときに比べ、同等またはそれ以上のLEDモジュール表面温度抑制効果があることを意味している。
上記(1)式を規定するパラメータである、素地鋼板の板厚t、素地鋼板の熱伝導率λ、および放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0の技術的意義は次の通りである。
(1)板厚t(mm):LED素子の表面温度上昇を抑制させる要素の一つである。板厚が厚いほど鋼板中の移動熱量が増加するため、LED素子の表面温度上昇を抑制できる。尚、この板厚t(mm)は、めっき処理が施される場合には、めっきの厚さ(表裏両方にめっきが施されるときは、その両方の厚さ)を含めた値である。
(2)熱伝導率λ[W/(m・K)]:LED素子の表面温度上昇を抑制させる要素の一つである。熱伝導率が高いほど鋼板中の移動熱量が増加し、LED素子の表面温度上昇を抑制できる。尚、この熱伝導率λ[W/(m・K)]は、めっき処理が施される場合には、めっきをも含めた値である。
(3)放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0(−):LED素子の表面温度上昇を最も抑制させる要素の一つである。赤外線積分放射率ε0が高いほど、塗装鋼板表面温度を低下させるためLED素子の表面温度上昇を抑制できる。
本発明の塗装鋼板は、放熱性塗膜が素地鋼板の一方の面(表面)に塗装されるものであるが、この放熱性塗膜の種類によって、赤外線積分放射率ε0を調整できる。この放熱性塗膜で用いる樹脂の種類については、特に限定されるものでないが、汎用のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、シリコーン系樹脂などが利用できる。このうち、加工性の観点からすれば、ポリエステル系樹脂が好ましい。また塗膜強度を確保するため、メラミン系樹脂等で架橋してもよい。
また、放熱性塗膜には、更に放熱性を有する放熱性添加剤を添加することができる。放熱性添加剤としては、例えば、黒色添加剤として、カーボンブラック、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mo,Ag,Sn等の酸化物、硫化物、カーバイドや黒色の金属微粉等が挙げられる。このうちカーボンブラックは、色調調整や放射性も発揮する黒色顔料であり、塗膜の放射率を著しく向上させるため、好ましい。また、上記黒色添加剤以外の放熱性添加剤として、チタニア、ジルコニア、ユージライト、チタン酸アルミニウム、βスポジューメン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、六方晶窒化ホウ素、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のセラミックス等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
放熱性塗膜には、上記のほか、塗膜に通常用いられる成分を添加することもできる。具体的には、例えばシリカ、タルクなど耐食性や硬度を強化する添加剤や、導電性を付与する金属系の導電性添加剤等が挙げられ、これらは、放熱性塗膜の物性を低下させない範囲で添加することができる。
詳細には、LED電球の要求特性などを考慮し、好ましい成分を選択して添加することができる。例えば、意匠性の観点から、白色系の塗装が望まれることがあり、こうした場合には、シリカ、アルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、酸化チタン、コージライト、βスポジューメン、チタン酸アルミニウム等の白色系の放熱性顔料を用いても良く、これらを組み合わせても良い。
また、光沢を付与する場合には、上記放熱性顔料と共に、Alフレーク、パール顔料や雲母等を併用してもよい。
放熱性塗膜に含まれる放熱性添加剤の好ましい含有量は、所望とする放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0のレベルとの関係で、塗膜厚も考慮して適宜適切に定めれば良い。例えば、例えば、赤外線積分放射率ε0を0.5以上にするためには、放熱性塗膜に含まれる添加剤の含有量を樹脂に対して5質量%以上配合すると共に、放熱性塗膜の膜厚を1μm以上にすれば良い。また、TiO2を始めとした白色放熱性顔料を含有させた放熱性塗膜では、塗膜中に白色放熱性顔料を約5〜70質量%含有する皮膜を、約5〜50μm形成させることによって、赤外線積分放射率ε0を0.5以上にすることができる。また、メタリック調外観の放熱性塗膜を施したいときは、塗膜中に上記放熱性添加剤を各割合で加えると共に、パール顔料や雲母等を概ね、5〜30質量%配合し、塗膜厚を約5〜50μmとすることが好ましい。
放熱性塗膜の好ましい膜厚は、所望とする放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0のレベルとの関係で、放熱性添加剤の添加量も考慮して適宜適切に定めれば良い。放熱性添加剤の添加量が少なくとも、塗膜の膜厚を厚くすれば赤外線放射率ε0を大きくできる。好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。但し、加工性の観点からすれば、塗膜の厚みは30μm以下(好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下)とするのが良い。
尚、本発明で用いる放熱性添加剤や光沢顔料は、市販品を使用してもよく、例えば放熱性添加剤としては、三菱化学製カーボンブラック「三菱カーボンブラック」(平均粒径:13〜75nm)、石原薬品株式会社製酸化チタン「CR−50」、シーアイ化成株式会社製「MgO」、稲垣鉱業製「コージライト」、パール顔料として、メルクジャパン株式会社製「Irodin111WNT」等が挙げられる。
ここで上記「赤外線積分放射率ε0」とは(後述する「赤外線積分放射率ε1」についても同様)、換言すれば、赤外線(熱エネルギー)の放出し易さ(吸収し易さ)を意味する。従って、上記赤外線積分放射率ε0が高い程、放出(吸収)される熱エネルギー量は大きくなることを示す。例えば物体(本発明では樹脂皮膜)に与えられた熱エネルギーを100%放射する場合には、当該赤外線積分放射率は1となる。
本発明における赤外線積分放射率ε0の測定方法は以下の通りである。
装置:日本電子(株)製「JIR−5500型フーリエ変換赤外分光光度計」および放射測定ユニット「IRR−200」
測定波長範囲:4.5〜15.4μm
測定温度:試料の加熱温度を100℃に設定する
積算回数:200回
分解能 :16cm-1
本発明においては、赤外線積分放射率ε0は、試料の加熱温度を100℃に設定したときの値を求めているが、これは、本発明の塗装鋼板はLED電球の用途(通常の雰囲気温度は概ね、50〜70℃で、最高で約100℃)に適用されることを考慮し、当該実用レベルの温度と一致させるべく、加熱温度を100℃に定めたものである。
上記装置を用い、赤外線波長域(4.5〜15.4μm)における試料の分光放射強度(実測値)を測定した。尚、上記試料の実測値は、バックグラウンドの放射強度および装置関数が加算/付加された数値として測定される為、これらを補正する目的で、放射率測定プログラム[日本電子(株)製放射率測定プログラム]を用い、積分放射率を算出した。算出方法の詳細は以下の通りである。
式中、
ε(λ) :波長λにおける試料の分光放射率(%)
E(T) :温度T(℃)における試料の積分放射率(%)
M(λ,T) :波長λ、温度T(℃)における試料の分光放射強度(実測値)
A(λ) :装置関数
FB(λ) :波長λにおける固定バックグラウンド(試料によって変化しないバックグラウンド)の分光放射強度
TB(λ,TTB):波長λ、温度TTB(℃)におけるトラップ黒体の分光放射強度
B(λ,T) :波長λ、温度T(℃)における黒体の分光放射強度(ブランクの理論式からの計算値)
λ1,λ2 :積分する波長の範囲を夫々、意味する。
ここで、上記A(λ):装置関数、および上記KFB(λ):固定バックグラウンドの分光放射強度は、2つの黒体炉(80℃、160℃)の分光放射強度の実測値、および当該温度域における黒体の分光放射強度(ブランクの理論式からの計算値)に基づき、下記式によって算出したものである。
式中、
160℃(λ,160℃):波長λにおける160℃の黒体炉の分光放射強度(実測値)
80℃(λ,80℃) :波長λにおける80℃の黒体炉の分光放射強度(実測値)
160℃(λ,160℃):波長λにおける160℃の黒体炉の分光放射強度(ブランクの理論式からの計算値)
80℃(λ,80℃):波長λにおける80℃の黒体炉の分光放射強度(ブランクの理論式からの計算値)を夫々、意味する。
本発明のLED電球用塗装鋼板において、素地鋼板の板厚tが0.4mm以上、2.3mm以下であると共に、前記赤外線積分放射率ε0が0.6以上(より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.75以上)であることが好ましい。素地鋼板の板厚tが0.4mm以上、2.3mm以下で、素地鋼板の少なくとも一方の面(表面:LED電球の外側に相当する)の赤外線積分放射率ε0を0.6以上とすることで、従来品(無塗装アルミニウム)と比較して、放熱性が更に向上する。また、放熱部を本発明の塗装鋼板で構成することにより、低コストも実現できる。
本発明の塗装鋼板は、発熱体と接する部材(金属板)と更に接触する状態となるため、LED電球の外側(表面)の放熱能が、発熱体であるLED素子の温度上昇抑制に効果をもたらすことになる。これに対し、塗装鋼板の裏面(LED電球の内側に相当)のみに放熱性塗膜を塗装した場合には、LED電球の外側の放熱量が減少するだけでなく、逆にLED電球の内部側へ熱放射が起こり、所望とする塗装鋼板表面の冷却効果が得られなくなる。
本発明の塗装鋼板において、用いる素地鋼板は、その熱伝導率λが63.0W/(m・K)以上のものが好ましい。より好ましくは66W/(m・K)以上、更に好ましくは70W/(m・K)以上である。熱伝導率が高い素地鋼板を用いることにより、熱伝導と放射の両方が一層有効に発揮され、放熱部の放熱性を更に向上させることができる。即ち、発熱体または発熱体に接する部材から筐体へ、一層効率的に熱を逃がすことができる。また、熱伝導率が高い素地鋼板の使用により、素地鋼板の板厚を低減しても同等のLED素子の温度上昇抑制効果が得られるため、板厚の低減化が可能となり、材料コストの低下が期待できる。
本発明のLED電球用塗装鋼板で用いる素地鋼板は、放熱性塗膜が塗装される前の下地となる鋼板を意味する。具体的には、冷延鋼板若しくは熱延鋼板は勿論のこと、冷延鋼板や熱延鋼板の表面に、各種めっきを施した表面処理鋼板(めっき鋼板)等であってもよい。めっき方法は限定されず、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)のいずれも用いることができる。また、めっき鋼板のめっき組成は通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば5%Al−Znめっき鋼板、55%Al−Znめっき鋼板、Alめっき鋼板等の各種めっき鋼板を用いることができる。めっき皮膜の上には、更に、耐食性向上、塗膜の密着性向上等を目的として、クロメート処理やリン酸塩処理等の表面処理を行ってもよい。
本発明で用いる素地鋼板(冷延鋼板若しくは熱延鋼板の状態のもの)は、その化学成分組成を適切に規定することが好ましいが、これら各成分の限定理由は、以下の通りである。
[C:0.001〜0.1%]
Cは、鋼板(素地鋼板)の熱伝導率に最も大きな影響を及ぼす元素である。C含有量が少ないほど熱伝導率は高くなるため、Cは0.1%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.06%以下、更に好ましくは0.04%以下である。その一方で、Cは薄鋼板としたときの強度を確保する上で有用な元素である。こうした観点から、C含有量の下限は、0.001%とすることが好ましい。より好ましくは0.0015%以上、更に好ましくは0.0020%以上である。
[Si:0.001〜0.1%]
SiはCと同様に、鋼板(素地鋼板)の熱伝導率に影響を及ぼし得る元素である。Si含有量が少ないほど熱伝導率は高くなるため、Siは0.1%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.05%以下、更に好ましくは0.03%以下である。その一方で、Siは固溶強化元素として作用し、薄鋼板にしたときの強度を確保する上で有用な元素である。こうした観点から、Si含有量の下限は、0.001%とすることが好ましい。より好ましくは0.002%以上、更に好ましくは0.003%以上である。
[Mn:0.05〜0.9%]
Mnは、鋼板の熱伝導率に影響を及ぼす元素である。Mn含有量が少ないほど熱伝導率は高くなるため、Mnは0.9%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.40%以下、更に好ましくは0.30%以下である。しかしながら、Mnは焼入れ性の向上に作用する元素でもある。従って、鋼板の強度を確保するためには、Mnは0.05%以上含有させることが好ましい。より好ましくは、0.08%以上、更に好ましくは0.10%以上である。
[sol.Al:0.01〜0.1%]
Alは、鋼板の熱伝導率に影響を及ぼす元素である。熱伝導率を良好に維持するためには、sol.Al含有量は0.1%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.07%以下、更に好ましくは0.06%以下である。しかしながら、Alは脱酸元素として作用するので、こうした作用を有効に発揮させるには、sol.Alの含有量は0.01%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.015%以上、更に好ましくは0.020%以上である。
素地鋼板の好ましい基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物である。上記不可避的不純物として、代表的なものとしては、P,S,N等が挙げられるが、これらの不可避的不純物は下記のように調整することが好ましい。
[S:0.05%以下(0%を含まない)]
Sは不可避的不純物であるが、Mnと結合して鋼板の延性を劣化させるため、少ないほど好ましく、こうした観点から0.05%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.02%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。また、この範囲であれば、素地鋼板の熱伝導率には影響を及ぼすこともない。
[P:0.05%以下(0%を含まない)]
Pは不可避的不純物であるが、粒界偏析による粒界破壊を助長させるので、その含有量はできるだけ少ない方が望ましい。こうした観点から、P含有量は0.05%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.04%以下であり、更に好ましくは0.025%以下である。また、この範囲であれば、素地鋼板の熱伝導率には影響を及ぼすこともない。
[N:0.02%以下(0%を含まない)]
Nは不可避的不純物である。Nは、粗大な介在物(TiNなど)を形成し、鋼板の靭性を劣化させる元素であるため、できるだけ低減することが望ましい。こうした観点から、N含有量は、0.02%以下とするのが良い。より好ましくは0.008%以下であり、更に好ましくは0.004%以下である。また、この範囲であれば、熱伝導率には影響を及ぼさない。
上記以外の不可避的不純物としては、Cr,Ni,Mo,Cu等が挙げられる。但し、これらの元素は、いずれも焼入れ性を向上させる元素であると同時に、Cr:94W/(m・K)、Ni:91W/(m・K)、Mo:138W/(m・K)、Cu:401W/(m・K)で熱伝導率が高く、鋼板の熱伝導率向上に寄与する元素でもある。夫々の元素は、本発明の作用効果に影響がなければ、0.01%以上含んでも構わない。しかしながら、これらの元素は加工性等に悪影響を及ぼすため、Crは0.08%以下、Ni、MoおよびCuはいずれも0.1%以下が上限である。
本発明で用いる素地鋼板には、上記基本元素以外に、必要に応じて、更に他の元素として、Ti:0.1%以下(0%を含まない)を含有させることも有用であり、これによって本発明の鋼板(素地鋼板)の特性が更に改善される。Tiを含有させた場合の好ましい範囲とその限定理由は、次の通りである。
[Ti:0.1%以下(0%を含まない)]
TiはCとカーバイドを形成して固溶Cを低減させると同時に、Nと窒化物を形成するため、熱伝導率を向上させるのに有効な元素である。また、鋼板の延性を向上させるのにも有効である。しかしながら、Ti含有量が過剰になると、鋼板の強度を劣化させるので、その上限は0.1%とすることが好ましい。Ti含有量のより好ましい上限は0.07%であり、更に好ましい上限は0.06%である。尚、上記の効果を発揮させるためには、0.01%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.03%以上である
ところで、LED電球の筐体を構成する部材は、電球の外郭を形成するため、中空部を有し、その内部に電源・回路基板を含む場合が多い。前記図1に示した樹脂カバーは、放熱部と電源・回路基板との絶縁性を確保するために、必要によって中空部に設けられる絶縁性の樹脂カバーである。回路基板の温度が高いと、LED電球の寿命が低下する可能性がある。こうしたことから、本発明の塗装鋼板においては、素地鋼板の他方の面(裏面:LED電球の内部側に相当)に、赤外線積分放射率が0.6以上(より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.75以上)の放熱性塗膜を塗装することも有用である。このように表裏面に放熱性塗膜が形成された構成の塗装鋼板を放熱部に採用することによって、LEDモジュール表面温度の低下のみならず、LED電球における電源・回路基板を含む内部温度も低下させることができる。また、裏面の赤外線積分放射率を0.6以上とすることによって、後記する実施例の評価基準に基づけば、内部温度を1℃以上低下させることができる(後記する実施例を参照)。LED電球の筐体のような比較的小面積で内部温度を1℃低減させることは非常に有用である。尚、筐体内部の温度を低減する方法としては、空気孔や冷却ファンの設置などがあるが、火災防止の観点からして、内部に埃が入るような構造・仕様は適当とはいえない。
またLED電球が、LEDモジュールと、前記LEDモジュールと接触した金属板と、前記金属板と接触した塗装鋼板を有する構造においては、金属板と塗装鋼板(放熱部)との断面接触長さL(前記図1参照)は、熱流量を確保するために3mm以上とすることが好ましい。但し、断面接触長さLが長くなりすぎるとコスト高となるため、6mm以下とすることが望ましい。
ここで金属板と放熱部との断面接触長さLとは、図1に示したように、LEDモジュールに接触する金属板と、放熱部を構成する塗装鋼板を含む断面で切断したときの金属板と放熱部との接触部分の長さをいう。この断面接触長さLを考慮したとき、下記(2)式の関係を満足するものである。
27.2165−4.89785t−0.0383λ−20.9416ε0
−3.4604L≦0 …(2)
但し、t:素地鋼板の板厚(mm)、λ:素地鋼板の熱伝導率[W/(m・K)]、
ε0:放熱性塗膜の赤外線積分放射率(−)、L:断面接触長さ(mm)
前記した(1)式と、上記(2)式との違いは、その規定振りから明らかなように、左辺に断面接触長さLの要素を含むか否かである。すなわち、上式(1)は、上式(2)においてL=3mmとしたときに導出される式であり、両者の技術的意義(LEDモジュールの表面温度低減効果を表わすパラメータ式)は同じである。そして上式(2)を満足するものは、後記する実施例の評価基準に基づけば、著しく放熱性が向上するようになる(後記する実施例を参照)。
尚、本発明のLED電球は、少なくとも放熱部の構成部材として、上述した本発明の塗装鋼板を用いたところに特徴があり、上記以外の要件は特に限定されない。例えばLED電球を構成する金属板(LEDモジュールと接触する金属板)の素材は、LED電球に通常用いられるものであれば特に限定されず、汎用のアルミニウムを用いても良い。あるいは、上述した本発明の塗装鋼板を金属板の素材に用いても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
下記表1に示す化学成分組成に調整したスラブを、1200℃で熱間圧延、900℃で仕上げ圧延を行い、500〜700℃で巻き取りを行った後、得られた熱延鋼板を酸洗し、圧下率が30〜60%になるように冷間圧延して、各種板厚(後記表5〜9参照)で150mm×250mmの薄鋼板(冷延鋼板:CR1、CR2)とし、必要によってこの薄鋼板に各種めっきを施したものを素地鋼板として用いた。
得られた各素地鋼板について、下記に示す方法によって熱伝導率を測定した。この方法の概要は次の通りである。尚、上記表1には、熱伝導率の測定結果も併記した。
[熱伝導率の測定方法]
密度(水中置換法):25mm角のサンプルを用い、室温で水中置換法により測定した。
比熱(DSC法):約50〜60gの試料用い、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製 DSC220C)で、室温、アルゴン雰囲気下における比熱を測定した。
熱拡散率(レーザーフラッシュ法):25mm角のサンプルを作製し、熱定数測定装置(アルバック理工製 「TC−7000」)で、室温、真空中で無処理面(塗膜がない面)に赤外線レーザーを照射し、厚さ方向の熱拡散率を測定した。
熱伝導率:上記密度、比熱および熱拡散率に基づいて、下記の計算式により算出した。
熱伝導率[W/(m・K)]=密度(×103g/m3)×比熱(×103J/[(kg・K)])×熱拡散率(×10-62/秒)
また、表1に示した電気亜鉛めっき鋼板(EG1、EG2)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI1、GI2)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA1、GA2)の作製方法は下記の通りである。
[電気亜鉛めっき鋼板(EG1、EG2)の作製]
(1)アルカリ水溶液浸漬脱脂:3質量%苛性ソーダ水溶液、60℃、2秒
(2)アルカリ水溶液電解脱脂:3質量%苛性ソーダ水溶液、60℃、2秒、
10〜30A/dm2
(3)水洗
(4)酸洗:3〜7質量%硫酸水溶液、40℃、2秒
(5)水洗
(6)電気亜鉛めっき(下記の条件のとおり)
(7)水洗
(8)乾燥
(電気亜鉛めっき条件)
めっきセル:横型めっきセル
めっき浴組成:ZnSO4・7H2O 300〜400gL
Na2SO4 50〜100g/L
2SO4 25〜35g/L
電流密度:50〜200A/dm2
めっき浴温度:60℃
めっき浴流速:1〜2m/秒
電極(陽極):IrO2合金電極
めっき付着量:19〜28g/m2(片面当たり)
[溶融亜鉛めっき鋼板(GI1、GI2)の作製]
上記冷延鋼板を、酸洗工程を通すことなく、溶融亜鉛めっきを施した。溶融亜鉛めっきは、還元性ガス雰囲気中での加熱による還元、めっき浴温近傍まで板温を低下させた後にめっき浴浸漬、ガスワイピングする装置を使用し、下記条件の溶融亜鉛めっきを施した。
(溶融亜鉛めっき条件)
還元温度 :780〜860℃
還元時間 :10〜80秒
めっき組成 :Zn−0.2%Al
めっき浴温度:455〜465℃
尚、合金化条件は下記条件に限定されず、通常、用いられる方法を適宜採用することができる。例えば還元温度は560〜900℃とし(好ましくは650〜800℃)、熱延鋼板の酸化スケール層の加熱、還元は、連続式溶融めっきラインにおいて、素地鋼板を酸洗工程に通すことなく、還元性ガス雰囲気下を連続的に通板させることにより行っても良い。還元時間については特に規定しないが、通常の連続式溶融めっきラインで実現可能な時間としては10〜80秒程度である。
[合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA1、GA2)の作製]
上記溶融亜鉛めっき鋼板に、下記条件の合金化加熱処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。
[合金化条件]
加熱速度:25℃/秒
合金化加熱温度:650℃
冷却速度:25℃/秒
合金めっき中のFe%:12%
尚、合金化条件は下記条件に限定されず、通常、用いられる方法を適宜採用することができる。例えばFe−ZnおよびFe−Al合金化速度の違いによる粒界内の空洞発生を抑制するため、加熱速度は10〜30℃/秒程度、合金化温度を550〜700℃とするのがよい。また、合金化反応が停止する400℃までの冷却においては、めっき層表面にFe−Zn皮膜が生成し、めっき層中に液状で残留したZnが最後に合金化して体積収縮による空洞発生を抑制するため、冷却速度を10〜30℃/秒程度とするのがよい。合金化溶融亜鉛めっき層中のFe%はパウダリングなど加工性の観点から、5〜20%程度が適する。
上記各素地鋼板の表面に、下記に示す方法によって塗料を形成し、所望の膜厚となるように、バーコータで塗布し、熱風乾燥炉内にて到達板温:220℃で、120秒焼付けて塗装鋼板とした。尚、素地鋼板表面には、ノンクロメ−ト皮膜(「CTE−203」 日本パーカライジング社製)を用い、その付着量100mg/m2となるように下地処理を行った。
[塗料の作製]
ポリエステル樹脂:東洋紡績社製の有機溶剤可溶型ポリエステル樹脂「バイロン(登録商標)29」
架橋剤:メラミン樹脂(「スミマール(登録商標)M−40ST」:住友化学社製:固形分80%)
シンナー(大伸化学製):キシレン50%+シクロヘキサノン50%混合溶剤
上記ポリエステル樹脂と架橋剤を質量比(ドライ)100:20で混合した。希釈溶剤としてキシレン/シクロヘキサノン混合溶剤を用い、表2および3に記載の添加剤を所定量加え、樹脂固形分濃度が5〜30%となるよう溶剤で希釈した後、ディスパー攪拌機で3000rpm×5分攪拌して塗料を作製した。
上記塗料を各種素地鋼板の表面に塗布し、放熱性塗膜表面の放射率が異なる各種塗装鋼板を作製した。作製した放熱性塗膜の構成を下記表2、3に示す。尚、このとき用いた添加剤の詳細は、下記の通りである。
カーボンブラック:三菱化学製カーボンブラック「三菱カーボンブラック」(平均粒径13〜75nm)
TiO2:石原薬品株式会社製酸化チタン「Cr−50」
パール顔料:メルクジャパン株式会社製「Irodin111WNT」
MgO:シーアイ化成株式会社製「MgO」
コージェライト:稲垣鉱業製「コージライト」
得られた各種塗装鋼板について、前述した方法によって放熱性塗膜表面の放射率を測定すると共に、各種塗装鋼板を用いたときのLEDモジュールの表面温度について、下記のシミュレーションに従って評価した。
軸対称三次元モデル(全周モデル)を用い、ある空間(雰囲気温度:25℃相当)中のLED電球を表現した。このときのLED電球の構成は、前記図1に示したものと同様であるが、計算では1/4サイズのモデルにて実施した。各構成部材は単一物質であり、熱伝導率、熱放射率、板厚等は一様であると仮定した。周囲に室温:25℃相当の空間を設け、周囲の自然対流による熱伝達も考慮した。また各物質の放射率を設定し、輻射による影響も考慮した。LED表面の輻射については、無限遠の空間へ放射すると仮定し、雰囲気温度:25℃、放射率:1なる境界との輻射伝熱とした。尚、内部に空洞がある電球構造の場合には、内部温度を下げることも重要な課題であり、その熱源はLEDモジュールであるが、部品物性、接触状況による適切な境界設定が困難である事から、内部空間一様の発熱で模擬した。また樹脂カバーによる熱伝導は、金属板間の熱伝導に比べて小さいので、シミュレーションでは用いていない。各部材の物性値には、塗装鋼板のサンプルを実測した値と、シミュレーション用に仮定した数値の両方を用いた。
このときの熱シミュレーション条件は、下記の通りであり、また各部材(金属板および放熱部以外の部材)の物性値は、下記表4に示す通りである。
[熱シミュレーション条件]
解析モデル:三次元モデル
解析ソフト:ANSYS FLUENT Ver.6.3.26
基礎方程式:連続の式、運動方程式、エネルギー式、輻射モデル(DOモデル)
(境界条件)
熱源:LED素子、周囲壁面:雰囲気温度25℃(黒体と仮定)
接触熱抵抗:70μmの空気層を仮定、
固体−流体間熱移動:輻射および熱伝達(ソフトにより自動計算)、方向:下向き、
内部空間:一様の発熱と仮定、消費電力:7.6W
上記各種塗装鋼板を放熱部として用いたときのLEDモジュール表面温度Tを評価した。このとき、LEDモジュールと接触する金属板としては、いずれも板厚:3mm、熱伝導率:238W/(m・K)のアルミニウム[素子側(図1の下方側)の放射率:0.06、内部側(図1の上方側)の放射率:0.06]を用いた。このときの評価方法および評価基準は、下記の通りである。
[LEDモジュール表面温度Tの評価方法]
各種塗装鋼板のLEDモジュール表面温度Tは、上式(1)の導出に用いたのと同じ2種類のアルミニウム板を用いたときのLEDモジュール表面温度Tのシミュレーション計算値(表6の試験No.61と62に対応する)に基づいて評価した。
本実施例では、上記シミュレーション計算値136.1℃(表6の試験No.62)および142.4℃(表6の試験No.61)の中間値(139.2℃)を基準とし、下記の基準でLEDモジュール表面温度Tを評価した。
[LEDモジュール表面温度Tの評価基準]
◎:T≦136.1℃
○:136.1℃<T≦139.2℃
×:139.2℃<T
また、LEDモジュール表面温度Tに対応する(1)式の評価は、上記LEDモジュール表面温度Tの場合と同様、上記シミュレーション計算値136.1℃(表6の試験No.62)に対応する(1)式の左辺の値(−3.1)を基準とし、(1)式の左辺の値≦−3.1のときを「◎」とし、−3.1<(左辺の値)≦0のときを「○」とし、0<(左辺の値)のときを「×」とした。
[塗装鋼板の熱伝導率の評価方法]
本実施例では、熱伝導率が高い素地鋼板を用いることの有用性を評価するため、塗装鋼板の熱伝導率を評価した。具体的には、素地鋼板として軟鋼[熱伝導率は文献値の51.0W/(m・K)を採用]を用いたときのLEDモジュール表面温度Tbを基準とし、このTbと、各種塗装鋼板のLEDモジュール表面温度Taとの差(Tb−Ta、LEDモジュールの表面温度差)に基づき、評価した。
詳細には、サンプル(板厚、熱伝導率、放射率)として、評価したい各種塗装鋼板a(ta、λa、εa)と、基準の軟鋼サンプルb(tb、λb、εb)[ここで、ta+0.1≦tb、63.0W/(m・K)≦λa、λb<63.0W/(m・K)、(εb−εa)≦0.01]について、上記と同様にしてLEDモジュール表面温度TaおよびTbをそれぞれ算出した後、LEDモジュールの表面温度差(Tb−Ta)の値を求めた。そして、(Tb−Ta)≦0のときを「◎」とし、0<(Tb−Ta)≦0.3のときを「○」とし、0.3<(Tb−Ta)のときを「×」とした。尚、λbは文献値より、100℃における軟鋼の熱伝導率51.0W/(m・K)を採用した(出典:第3版 「鉄鋼便覧I基礎」 日本鉄鋼協会編 第214頁)。
更に本実施例では、塗装鋼板の表面だけでなく、塗装鋼板の裏面(LED電球の内側に相当)に放熱性塗膜を形成した表裏面塗装鋼板についても実験を行った(表9を参照)が、このときの内部雰囲気温度の評価方法は次の通りである。
[内部雰囲気温度(LEDモジュール裏面温度)の評価方法]
本実施例では、裏面に設けられた放熱性塗膜の放射率が0.10の塗装鋼板のLEDモジュール裏面温度T0(内部雰囲気温度と同義)を基準として、各種塗装鋼板のLEDモジュール裏面温度T1と比較したとき、T≦T0−1.5のときを「◎」、T≦T0−1のときを「○」と評価した。尚、T0、およびTは、上記LEDモジュール表面温度Tと同様にして測定した。
また、上記表裏面塗装鋼板では、表9に示すように金属板と塗装鋼板との断面接触長さLを種々変化させているが、このときのLED表面モジュール表面温度Tは、前述した(1)式ではなく、(2)式で評価することができる。(2)式の評価基準は、(1)式と同様にして行なうことができる。即ち、LEDモジュール表面温度Tに対応する(2)式の評価は、表6の試験No.62(シミュレーション計算値136.1℃)に対応する(1)式の左辺の値(−3.1)を基準とし、(2)式の左辺の値≦−3.1のときを「◎」とし、3.1<(左辺の値)≦0のときを「○」とし、0<(左辺の値)のときを「×」とした。
これらの結果を、用いた放熱性塗膜の種類(表2、3に示した塗装鋼板No.)、放熱部の物性(板厚、熱伝導率、放射率)と共に、下記表5〜9に示す。表7、8および表9において、各評価の評価基準となる試験No.には、評価欄に「−」を付している。尚、表5〜8において、*1はシミュレーションおいて想定した熱伝導率であること、*2は一般軟鋼の100℃における熱伝導率であること、*3はシミュレーションおいて想定した放射率であること、を夫々示している。
まず、表5、6(表面に放熱性塗膜を設けた塗装鋼板)について考察する。
表5、6のうち試験No.3〜62は、塗装鋼板の表面(LED電球の外側)だけ放熱性塗膜を形成したときの効果を見たものである[(1)式の左辺の値も示す]。このうち試験No.3、4、11、12、19、20、27、28、37、38、47、48は、(1)式を満たさないため、LEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が低い例である。
これに対し、試験No.5〜10、13〜18、21〜26、29〜36、39〜46、49〜60は、(1)式の関係を満足するため、LEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が高い例である。このうち試験No.9、10、16〜18、24〜26、33〜36、41〜46、51〜60は、基準となる試験No.62のアルミニウム板よりLEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が高くなった。とりわけ、試験No.9、10の板厚は0.4mmであり、他の例(0.5〜2.0mm)に比べて薄いにもかかわらず、LEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が高くなったため、これらは、材料コストの低下に非常に貢献するものである。
尚、表面に放熱性塗膜を設けず、裏面のみに放熱性塗膜を設けた場合(試験No.1、2)は、LEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が低かった。
次に表7、8を参照する。表7、8は、表5、6に示した結果の代表的な塗装鋼板の熱伝導率を上述した方法で評価し、比較検討がし易いように並べ替えたものである。
例えば(試験No.5、6、13)のグループについて考察する。このうち試験No.6(板厚0.4mm)を試験No.13(基準値、板厚0.5mm)を対比すると、これらはいずれも、同程度の表面(外側)の放射率を有するものであり、LEDモジュールの表面温度上昇抑制効果は同程度(評価○)であるにもかかわらず、No.6のように素地鋼板の熱伝導率が63W/(m・K)以上と高く本発明の好ましい要件を満足するものは、素地鋼板の熱伝導率が51W/(m・K)と低いNo.13(基準値)よりもLEDモジュール表面温度を一層低くすることができた(熱伝導率の評価:◎)。
これに対し、試験No.5(板厚0.4mm)と試験No.13(基準値、板厚0.5mm)を対比すると、No.5の素地鋼板の熱伝導率は51W/(m・K)と、No.13と同程度に低く、且つ、試験No.5の板厚はNo.13の板厚に比べて薄いため、No.13よりもLEDモジュール表面温度が高くなった(熱伝導率の評価:×)。
同様の結果が、(試験No.7、8、15)、(試験No.9、10、17)、(試験No.13、14、21)、(試験No.15、16、23)、(試験No.17、18、25)、(試験No.21、22、31)、(試験No.23、24、33)、(試験No.25、26、35)、(試験No.27、28、37)、(試験No.29、30、39)、(試験No.31、32、41)、(試験No.33、34、43)、(試験No.35、36、45)の各グループにも見られる。
上記の結果より、表面の放射率が同程度のときは、熱伝導率が高い素地鋼板を使用することによって、軟鋼(基準)を用いたときと同等またはそれ以上の放熱性が得られることがわかる。
次に表9について考察する。表9は、塗装鋼板の表面および裏面に放熱性塗膜を形成したときの効果(特に内部雰囲気温度)を検討したものである。
まず、試験No.63〜71のグループについて考察する。これらはいずれも、素地鋼板の板厚t=0.5mm(一定)で、表面(外側)の放射率ε0が0.51〜0.55の範囲内にあるものであり、裏面(裏側)の放射率ε1は、No.63〜65のε1=0.10、No.66〜68のε1=0.50、No.69〜71のε1=0.60である。また、素地鋼板の熱伝導率λおよび断面接触長さLは、No.63、66、69(λ、L)=[68.7W/(m・K)、2.0mm]、No.64、67、70=[68.2W/(m・K)、3.0mm]、No.65、68、71=[71.4W/(m・K)、5.0mm]である。
これらのうち素地鋼板の熱伝導率λ、表面の放射率ε0および断面接触長さLが同じものを対比する。例えば試験No.63、66、69の内部雰囲気温度を比較すると、裏面放射率ε1=0.50で本発明の好ましい要件(0.60以上)よりも低いNo.66は、評価基準のNo.63に比べ、LED電球の内部雰囲気温度を1℃以上低下させることができなかった(内部雰囲気温度の評価:×)。これに対し、裏面放射率ε1=0.60で本発明の好ましい要件を満足するNo.69は、評価基準のNo.63に比べ、LED電球の内部雰囲気温度を1℃以上低下させることができた(内部雰囲気温度の評価:○)。
同様の傾向は、同じグループ内の、(試験No.64、67、70)、(試験No.65、68、71)においても見られた。
また、上記グループと同じ傾向は、表面の放射率ε0が一層高い試験No.72〜80(ε0=0.60〜0.63)、更に一層高い試験No.81〜92(ε0=0.71〜0.87)においても見られた。なかでも試験No.90〜92は、裏面の放射率ε1が0.84〜0.88と非常に高いため、LED電球の内部雰囲気温度を1.5℃以上低下させることができた(内部雰囲気温度の評価:◎)。
上記の考察は内部雰囲気温度について着目したものであるが、LEDモジュールの表面温度T上昇抑制効果について検討すると、(2)式の左辺の値が本発明の要件を満足するものはLEDモジュールの温度上昇抑制効果が得られた。
例えば、裏面の放熱性塗膜が本発明の要件を満足しないもののうち、試験No.65、68、71、73、74、76、77、79、80、82、83、85、86、88、89、91、92は、本発明で規定する(2)式を満足するためLEDモジュールの温度上昇抑制効果が得られた。なかでも、試験No.65、68、71、74、77、80、82、83、85、86、88、89、91、92のものは、断面接触長さLを長くすることにより著しいLEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が見られた(評価:◎)。
これに対し、試験No.63、64、66、67、69、70、72、75、78、81、84、87、90は、本発明で規定する(2)式を満足しないため、LEDモジュールの表面温度上昇抑制効果が得られなかった(評価:×)。

Claims (9)

  1. LEDモジュールと、該LEDモジュールと接触する金属板を備えるLED電球の構成部材として用いられる塗装鋼板であって、
    該塗装鋼板は、該金属板と接触して用いられるとともに、放熱性塗膜が素地鋼板の表面であって該LED電球の外側に相当する面に塗装され、
    該塗装鋼板は、素地鋼板の板厚t、素地鋼板の熱伝導率λ、および放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε0が、下記(1)式の関係を満足するものであることを特徴とするLED電球用塗装鋼板。
    16.8353−4.89785t−0.0383λ−20.9416ε0≦0
    …(1)
    但し、t:素地鋼板の板厚(mm)、λ:素地鋼板の熱伝導率[W/(m・K)]、
    ε0:放熱性塗膜の赤外線積分放射率(−)
  2. 前記板厚tが、0.4mm以上、2.3mm以下であると共に、前記赤外線積分放射率ε0が0.6以上である請求項1に記載のLED電球用塗装鋼板。
  3. 前記素地鋼板の熱伝導率λが63.0W/(m・K)以上である請求項1または2に記載のLED電球用塗装鋼板。
  4. 前記素地鋼板は、C:0.001〜0.1%(「質量%」の意味、以下同じ)、Si:0.001〜0.1%、Mn:0.05〜0.9%およびsol.Al:0.01〜0.1%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなるものである請求項1〜3のいずれかに記載のLED電球用塗装鋼板。
  5. 前記素地鋼板は、更にTiを0.1%以下(0%を含まない)含有するものである請求項4に記載のLED電球用塗装鋼板。
  6. 前記素地鋼板は、冷延鋼板若しくは熱延鋼板、または鋼板の表面に、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきのいずれかを施した表面処理鋼板である請求項1〜5のいずれかに記載のLED電球用塗装鋼板。
  7. 素地鋼板の他方の面に放熱性塗膜が塗装されたものであり、この放熱性塗膜の赤外線積分放射率ε1が0.6以上である請求項1〜6のいずれかに記載のLED電球用塗装鋼板。
  8. LEDモジュールと、該LEDモジュールと接触する金属板と、該金属板と接触する塗装鋼板を備えたLED電球であって、前記塗装鋼板として、請求項1〜7のいずれかに記載のLED電球用塗装鋼板を用いると共に、前記金属板と塗装鋼板との断面接触長さLが3mm以上であり、且つ下記(2)式の関係を満足するものであることを特徴とするLED電球。
    27.2165−4.89785t−0.0383λ−20.9416ε0
    −3.4604L≦0 …(2)
    但し、t:素地鋼板の板厚(mm)、λ:素地鋼板の熱伝導率[W/(m・K)]、
    ε0:放熱性塗膜の赤外線積分放射率(−)、L:断面接触長さ(mm)
  9. 前記金属板は、アルミニウムからなるものである請求項8に記載のLED電球。
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