JP2010062521A - 放熱構造体 - Google Patents

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岳志 児嶋
Yasuo Hirano
康雄 平野
和雄 ▲高▼橋
Kazuo Takahashi
Haruyuki Matsuda
治幸 松田
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Abstract

【課題】筐体内に収容されているCPU等の発熱電子部品の温度上昇を抑制することができ、放熱手段として前記筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けることを不要とすることができる放熱構造体を提供する。
【解決手段】発熱電子部品2を収容する筐体と、放熱性を有する塗膜が表裏面のうち少なくとも表面に施され、前記表面の放射率が0.5以上であり、発熱電子部品2に裏面を面接触させて装着される第1の放熱性塗膜処理金属板3と、放熱性を有する塗膜が少なくとも第1の放熱性塗膜処理金属板3の前記表面と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、第1の放熱性塗膜処理金属板3と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、かつ、筐体の外壁の一部を構成する第2の放熱性塗膜処理金属板5と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、放熱性を有する塗膜が施された放熱性塗膜処理金属板を備えることにより、筐体内に収容されているCPU(中央処理装置)等の発熱電子部品の温度上昇を抑制し、放熱手段として前記筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けることを不要とする放熱構造体に関するものである。本発明の放熱構造体は、CD,LD,DVD等の情報記録機器の筐体、パソコン,カーナビ,カーAV等の電気・電子・通信関連機器の筐体、プロジェクター,テレビ,ビデオ,ゲーム機等のAV機器の筐体、コピー機,プリンター等のOA機器の筐体、自動販売機,冷蔵庫などの筐体、さらに、ECU(Engine Control Unit),インバーター,バッテリーなどの自動車関連機器の筐体などとして用いることができる。
特開2004−74145号公報には、電子機器用筐体において、その外壁の全部又は一部を構成する部材として電子機器部材用塗装体が使用されてなる電子機器用筐体が開示されている。前記電子機器部材用塗装体は、電気亜鉛めっき鋼板等の表裏面に放熱性を有する塗膜が施されてなるものとされている。
そして、この電子機器用筐体は、外壁の全部又は一部を前記電子機器部材用塗装体によって構成することにより、前記塗膜が施されていない電気亜鉛めっき鋼板で構成される筐体に比べて、筐体内部の温度上昇を抑制することができるようにし、これにより発熱電子部品の寿命の延長を図るようにしている。なお、前記電子機器用筐体としては、CD,LD,DVD等の情報記録機器の筐体、パソコン,カーナビ,カーAV等の電気・電子・通信関連機器の筐体、プロジェクター,テレビ,ビデオ,ゲーム機等のAV機器の筐体、コピー機,プリンター等のOA機器の筐体、自動販売機、冷蔵庫などの筐体が挙げられている。
また、特開2004−243310号公報には、電子機器用筐体(エアコン,冷蔵庫等の家電製品、パソコン,複写機等のOA機器、テレビ,ビデオ等のAV機器、その他の電子機器などにおける外側の箱状体)において、その構成部材として表面処理金属板が使用されてなる電子機器用筐体が開示されている。前記表面処理金属板は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を基材とし、片面に少なくとも1層の放熱性(熱放射性)を有する塗膜が形成され、かつ、当該面の熱放射率が60%以上とされている。そして、この電子機器用筐体は、外壁として前記表面処理金属板を使用することにより、筐体内部で生じた熱の筐体外部への放熱性に優れ、筐体内部の温度上昇を抑制することができるようにし、これにより発熱電子部品の寿命の延長を図るようにしている。
また、特開2005−139489号公報には、電子部品基板(プリント基板)に直接ハンダ付け可能なヒートシンクとして、着色処理鋼板を用いてなるヒートシンクが開示されている。そして、前記着色処理鋼板は、めっき鋼板の片面あるいは両面に、有色の炭化チタン粉末を含有させたウレタン樹脂液を塗布し、めっき鋼板上に有色の表面処理皮膜を形成してなるものであることが開示されている。
しかしながら、前述した従来の前記電子機器用筐体(特開2004−74145号公報、特開2004−243310号公報)では、外壁が放熱性塗膜を有しない鋼板で構成され、外壁等に放熱手段として冷却ファンを取り付けてなる筐体に比べて、放熱能力が劣る場合があった。なお、発熱電子部品の温度上昇や筐体内部の温度上昇を抑制するための放熱手段として、放熱性を有する塗膜が施された金属板を用いることは、冷却ファンを用いることに比べて、電子機器の低コスト化に寄与できるという利点がある。
また、前述した従来のヒートシンク(特開2005−139289号公報)では、所望の放熱効果を得るためには冷却ファンと組合せることが必要であった。
特開2004−74145号公報 特開2004−243310号公報 特開2005−139489号公報
そこで、本発明の課題は、放熱性を有する塗膜が施された放熱性塗膜処理金属板を備えることにより、筐体内に収容されているCPU等の発熱電子部品の温度上昇を抑制することができ、放熱手段として前記筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けることを不要とすることができる放熱構造体を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
請求項1の発明は、発熱電子部品を収容し、外壁に設けられた放熱孔を有する密閉構造、若しくは放熱孔を有しない完全密閉構造の筐体と、放熱性を有する塗膜が表裏面のうち少なくとも表面に施され、前記表面の放射率が0.5以上であり、前記発熱電子部品に裏面を面接触させて装着される第1の放熱性塗膜処理金属板と、放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、前記第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する状態で前記第1の放熱性塗膜処理金属板と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、かつ、前記筐体の外壁の一部を構成する第2の放熱性塗膜処理金属板と、を備えていることを特徴とする放熱構造体である。
請求項2の発明は、請求項1記載の放熱構造体において、前記第1の放熱性塗膜処理金属板が、その前記裏面の面積をS1とし、該裏面と前記発熱電子部品との接触面積をS2とすると、S1がS2の2倍以上という関係を満たしていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の放熱構造体において、前記第1の放熱性塗膜処理金属板は、前記発熱電子部品の近傍の該発熱電子部品より背の高い部品との干渉を回避するための干渉回避部を有していることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3記載の放熱構造体において、前記第1の放熱性塗膜処理金属板の前記干渉回避部が、当該第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品と面接触する面に対して垂直をなす垂直壁部によって形成されていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4記載の放熱構造体において、放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板の前記垂直壁部と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、かつ、前記筐体の外壁の一部を構成する第3の放熱性塗膜処理金属板を備えていることを特徴とするものである。
本発明の放熱構造体は、筐体と、この筐体内に収容された発熱電子部品に面接触させて装着される第1の放熱性塗膜処理金属板と、この第1の放熱性塗膜処理金属板と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、かつ、前記筐体の外壁の一部を構成する第2の放熱性塗膜処理金属板とを備え、前記第1の放熱性塗膜処理金属板により、前記発熱電子部品にて発生した熱を放射によって赤外線の形態で放出させるとともに、前記第2の放熱性塗膜処理金属板により、前記放出された熱を吸収し、この吸収した熱を第2の放熱性塗膜処理金属板の筐体外側面から放熱するようにしている。前記第1の放熱性塗膜処理金属板は、必要に応じ、干渉回避部を有しているので、前記発熱電子部品の近傍の該発熱電子部品より背の高い部品との干渉を回避して、前記発熱電子部品に装着することができる。
このように、本発明の放熱構造体は、発熱電子部品に装着されるヒートシンクとして、前記第1の放熱性塗膜処理金属板を備えるとともに、この第1の放熱性塗膜処理金属板と対置する位置に位置され、かつ、筐体の外壁の一部を構成する外壁部材として、前記第2の放熱性塗膜処理金属板を備えているので、筐体内に収容されているCPU等の発熱電子部品の温度上昇を抑制することができ、放熱手段として前記筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けることを不要とし、電子機器の低コスト化に寄与することができる。
本発明の一実施形態による放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図である。 図1の放熱構造体のA矢視一部切欠き側面図である。 冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20A)の構成を概略的に示す斜視図である。 図3の熱シミュレーション用放熱構造体(20A)のA矢視一部切欠き側面図である。 冷却ファンを有する熱シミュレーション用放熱構造体(20B)の構成を概略的に示す斜視図である。 図5の熱シミュレーション用放熱構造体(20B)のA矢視一部切欠き側面図である。 本発明の別の実施形態による放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図である。 図7の放熱構造体のB矢視一部切欠き平面図である。 本発明の別の実施形態による放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図である。 図9の放熱構造体のB矢視一部切欠き平面図である。 冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20C)の構成を概略的に示す斜視図である。 図11の熱シミュレーション用放熱構造体(20C)のB矢視一部切欠き平面図である。 冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20D)の構成を概略的に示す斜視図である。 図13の熱シミュレーション用放熱構造体(20D)のB矢視一部切欠き平面図である。 冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20E)の構成を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
金属板の放射率は、一般に0.1以下である。このような金属板に、有機樹脂等を塗布して塗膜を施すことにより、金属板の放射率を高めることができる。さらに、有機樹脂に、例えばカーボンブラックのような放射率の極めて高い物質を添加したものを塗布して金属板に塗膜を施すことにより、金属板の放射率をさらに高めることが可能となる。本発明の放熱構造体は、放熱性を有する塗膜が施されてなる第1及び第2の放熱性塗膜処理金属板を備えている。
本発明の放熱構造体において、第1の放熱性塗膜処理金属板は、放熱性を有する塗膜が表裏面のうち少なくとも表面に施され、筐体内に収容された発熱電子部品に、前記表面とは反対側の裏面を面接触させて装着されている。そして、この第1の放熱性塗膜処理金属板の前記表面から、前記発熱電子部品にて発生した熱を放射によって赤外線の形態で放出させるようにしている。
この場合、第1の放熱性塗膜処理金属板は、その面積が大きいほど前記表面の放射率は小さくてすむものの、筐体内において第1の放熱性塗膜処理金属板を発熱電子部品に装着して用いる点から、実用上の大きさを考慮する必要がある。また、放熱手段として筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けなくてすむようにする必要がある。このため、第1の放熱性塗膜処理金属板は、前記表面の放射率が0.5以上であることが必要である。
また、本発明の放熱構造体において、第2の放熱性塗膜処理金属板は、放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する側の面に施され、前記第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する状態で前記第1の放熱性塗膜処理金属板と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、かつ、筐体の外壁の一部を構成している。そして、この第2の放熱性塗膜処理金属板により、前記第1の放熱性塗膜処理金属板の前記表面から赤外線の形態で放出された熱を吸収するようにしている。
この場合、対象となる筐体の実用上の大きさを考慮する必要がある。また、筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けなくてすむようにする必要がある。このため、第2の放熱性塗膜処理金属板は、少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板の前記表面と相対する側の面の放射率が0.5以上であることが必要である。なお、第1の放熱性塗膜処理金属板として、鋼板に放熱性塗膜処理を施した放熱性塗膜処理鋼板を用いた場合に、該鋼板の磁性により発熱電子部品が影響を受けるときには、アルミ板(Al合金板)に放熱性塗膜処理を施したものを好適に用いることができる。
また、本発明の放熱構造体においては、前記第1の放熱性塗膜処理金属板が、その前記裏面の面積をS1とし、該裏面と前記発熱電子部品との接触面積をS2とすると、S1がS2の2倍以上という関係を満たしている必要がある。これにより、放熱手段として筐体の外壁等に冷却ファンを取り付けることを不要とすることが可能となる。
図1は本発明の一実施形態による放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図、図2は図1の放熱構造体のA矢視一部切欠き側面図である。
図1及び図2に示すように、この実施形態の放熱構造体1は、箱状の筐体4と、この筐体4の外壁の一部、本実施形態では外壁のうち表壁を構成する第2の放熱性塗膜処理金属板5と、筐体4内に収容されたCPU等の発熱電子部品2に面接触させて装着される第1の放熱性塗膜処理金属板3とを備えている。
まず、前記筐体4について説明する。筐体4は、外壁として、表壁を構成する前記第2の放熱性塗膜処理金属板5、裏壁6、上壁7、下壁8及び側壁9を有している。裏壁6、上壁7、下壁8及び側壁9は、例えば、一般的な電気亜鉛めっき鋼板からなり、この電気亜鉛めっき鋼板の放射率は、0.1程度である。
次に、前記発熱電子部品2について説明する。筐体4の裏壁6に、例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂からなり、平板状の電子部品基板12が取り付けられている。電子部品基板12は、裏壁6の内側面より例えば10mm程度の間隙を有して、ボルト13及びナット14によって裏壁6に取り付けられている。この電子部品基板12に、前記発熱電子部品2が実装されている。本発明が対象とする発熱電子部品としては、CPU、LSIパッケージ、各種の電子デバイス等が挙げられる。
次に、第1の放熱性塗膜処理金属板3について説明する。電子部品基板12に実装された発熱電子部品2に、この発熱電子部品2よりも大きな面積を持ち、矩形平板状をなす第1の放熱性塗膜処理金属板3が装着されている。第1の放熱性塗膜処理金属板3は、その表裏面のうち少なくとも表面3aに放熱性を有する塗膜が施されている。この表面3aの放射率は、0.5以上となされている。第1の放熱性塗膜処理金属板3は、その裏面3bを本実施形態では接着剤11を介して発熱電子部品2に面接触させた状態で、ボルト16及びナット17によって電子部品基板12に固定してある。なお、筐体4の上壁7には、スリット状の放熱孔10複数設けられており、これらの放熱孔10は、第1の放熱性塗膜処理金属板3の上方に位置している。
第1の放熱性塗膜処理金属板3は、その裏面3bの面積をS1とし、該裏面3bと発熱電子部品2との接触面積をS2とすると、S1がS2の2倍以上という関係を満たしている。
前記接着剤11としては、発熱電子部品2から第1の放熱性塗膜処理金属板3までを低熱抵抗で結合するため、熱伝導率が高いものがよい。ボルト16及びナット17により、発熱電子部品2に第1の放熱性塗膜処理金属板3を装着する場合、接着剤11は、発熱電子部品2全体にわたって第1の放熱性塗膜処理金属板3を均一に密着させるためのものである。接着剤11に代えてグリースを使用して、発熱電子部品2に第1の放熱性塗膜処理金属板3を面接触させるようにしてもよい。この場合、熱伝導率が高いグリースを用いることがよい。
次に、前記第2の放熱性塗膜処理金属板(表壁)5について説明する。第2の放熱性塗膜処理金属板5は、放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板3の表面3aと相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上となされている。そして、第2の放熱性塗膜処理金属板5は、前記表面3aと相対する状態で第1の放熱性塗膜処理金属板3と対置する位置に所定の間隔、例えば100〜150mm程度の間隔をあけて位置されている。この第2の放熱性塗膜処理金属板5は、前述したように、筐体4の外壁の一部、本実施形態では外壁のうち表壁を構成している。
このように、本実施形態の放熱構造体1は、筐体4と、第1の放熱性塗膜処理金属板3と、第2の放熱性塗膜処理金属板5とを備え、第1の放熱性塗膜処理金属板3により、発熱電子部品2にて発生した熱を放射によって赤外線の形態で放出させるとともに、第2の放熱性塗膜処理金属板5により、前記放出された熱を吸収し、この吸収した熱を第2の放熱性塗膜処理金属板5の筐体外側面から放熱するようにしている。よって、本実施形態の放熱構造体1は、筐体4内に収容されているCPU等の発熱電子部品2の温度上昇を抑制することができ、放熱手段として筐体4の外壁に冷却ファンを取り付けることを不要とすることができる。
なお、第2の放熱性塗膜処理金属板5は、当該放熱性塗膜処理金属板5からの放熱効率をより高め、また、当該放熱性塗膜処理金属板5自体の温度上昇を抑制するため、筐体外側面にも放熱性を有する塗膜を施してあるものがよい。また、第1の放熱性塗膜処理金属板3は、当該放熱性塗膜処理金属板3からの放熱効率をより高め、また、当該放熱性塗膜処理金属板3自体の温度上昇を抑制し、発熱電子部品からの抜熱量をより増大させるため、発熱電子部品2に面接触される裏面3bにも放熱性を有する塗膜を施してあるものがよい。
図7は本発明の別の実施形態による放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図、図8は図7の放熱構造体のB矢視一部切欠き平面図である。
本実施形態による放熱構造体1’は、第1の放熱性塗膜処理金属板が発熱電子部品の近傍の該発熱電子部品より背の高い部品との干渉を回避するための干渉回避部を有している点以外は、前記図1及び図2に示す前記放熱構造体1と同一なので、前記放熱構造体1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図7,図8に示すように、発熱電子部品2の両側の近傍に発熱電子部品2より背の高い部品としてコンデンサ40,40が、電子部品基板12に実装されている。18は発熱電子部品2に装着される第1の放熱性塗膜処理金属板である。発熱電子部品2に所要の面積を有する第1の放熱性塗膜処理金属板18を装着するにあたり、装着の邪魔になる前記コンデンサ40,40を避けて発熱電子部品2に装着可能なように、第1の放熱性塗膜処理金属板18は、後述の垂直壁部18d,18dからなる干渉回避部を有している。
すなわち、第1の放熱性塗膜処理金属板18は、樋状をなしており、接着剤11を介して発熱電子部品2に面接触する基部18cと、前記コンデンサ40,40との干渉を回避すべく基部18cに対して垂直をなす両側の垂直壁部18d,18dと、各垂直壁部18d,18dのそれぞれの先端に形成された鍔部18e,18eとを有している。この第1の放熱性塗膜処理金属板18は、本実施形態では、平板状をなす放熱性塗膜処理金属板を断面コ字状に折り曲げることで基部18c及び垂直壁部18d,18dが形成され、このコ字状の両端部を直角に外方向に折り曲げて鍔部18e,18eが形成されている。
なお、この垂直壁部18d,18d(干渉回避部)を有する第1の放熱性塗膜処理金属板18に対して、第2の放熱性塗膜処理金属板5は、放熱性を有する塗膜が少なくとも第1の放熱性塗膜処理金属板18における発熱電子部品2との面接触部分の表面と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、第1の放熱性塗膜処理金属板18における発熱電子部品2との面接触部分の表面と相対する状態で第1の放熱性塗膜処理金属板18と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、かつ、筐体4の外壁のうち表壁を構成している。
このように、本実施形態による放熱構造体1’では、垂直壁部18d,18dからなる干渉回避部を有する第1の放熱性塗膜処理金属板18を備えているので、発熱電子部品2の近傍のこれより背の高いコンデンサ40,40との干渉を回避して、発熱電子部品2に第1の放熱性塗膜処理金属板18を装着することができる。
なお、第1の放熱性塗膜処理金属板18は、前記図1及び図2に示す前記放熱構造体1の前記第1の放熱性塗膜処理金属板3と同様に、その表裏面のうち少なくとも表面18aに放熱性を有する塗膜が施され、この表面18aの放射率が0.5以上となされており、また、裏面18bの面積をS1とし、該裏面18bと発熱電子部品2との接触面積をS2とすると、S1がS2の2倍以上という関係を満たしている。さらに、第1の放熱性塗膜処理金属板18は、当該放熱性塗膜処理金属板18からの放熱効率をより高め、また、当該放熱性塗膜処理金属板18自体の温度上昇を抑制し、発熱電子部品2からの抜熱量をより増大させるため、発熱電子部品2に面接触される裏面18bにも放熱性を有する塗膜を施してあるものがよい。
ここで、前記第1の放熱性塗膜処理金属板18では、曲げ加工が施された樋状(鍔部付き)をなす形状とし、発熱電子部品2と面接触する面に対して垂直をなす垂直壁部18d,18dによって干渉回避部を形成するようにしたが、第1の放熱性塗膜処理金属板を、曲げ加工が施された断面上向きコ字状をなす形状にして、あるいは、断面L字状をなす形状にして、垂直壁部からなる干渉回避部を形成するようにしてもよい。
また、第1の放熱性塗膜処理金属板の干渉回避部として、平板状の放熱性塗膜処理金属板において発熱電子部品2の近傍のこれより背の高い部品に対応する部位に、所要の大きさの切欠き部、あるいは孔部を形成するようにしてもよい。
図9は本発明の別の実施形態による放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図、図10は図9の放熱構造体のB矢視一部切欠き平面図である。
本実施形態による放熱構造体1’’は、筐体の外壁の一部を構成する第3の放熱性塗膜処理金属板を備えている点以外は、前記図7及び図8に示す前記放熱構造体1’と同一なので、前記放熱構造体1’と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図9,図10において、筐体4’は、外壁として、第2の放熱性塗膜処理金属板5からなる表壁、裏壁6、上壁7、下壁8、及び、電気亜鉛めっき鋼板に代えて第3の放熱性塗膜処理金属板19からなる両側の側壁を有している。この両側の第3の放熱性塗膜処理金属板19は、それぞれ、放熱性を有する塗膜が少なくとも第1の放熱性塗膜処理金属板18の垂直壁部18dと相対する側の面(筐体内側面)に施され、当該面の放射率が0.5以上となされている。なお、第3の放熱性塗膜処理金属板18は、当該放熱性塗膜処理金属板18からの放熱効率をより高め、また、当該放熱性塗膜処理金属板18自体の温度上昇を抑制するため、筐体外側面にも放熱性を有する塗膜を施してあるものがよい。
このように、本実施形態による放熱構造体1”では、第3の放熱性塗膜処理金属板19により、第1の放熱性塗膜処理金属板18の垂直壁部18dより赤外線の形態で放出される熱を吸収し、この吸収した熱を第3の放熱性塗膜処理金属板19の筐体外側面から放熱するようにしている。したがって、前記図7及び図8に示す前記放熱構造体1’に比べて、発熱電子部品2の温度上昇を抑制することができる。
平板状のセラミックヒータを模擬の発熱電子部品として、本発明の放熱構造体を評価するための熱シミュレーションを行った。熱シミュレーションには、Fluent社の「FLUENT」Ver.6.0を使用した。
まず、冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体の構成について説明する。図3は冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20A)の構成を概略的に示す斜視図、図4は図3の熱シミュレーション用放熱構造体(20A)のA矢視一部切欠き側面図である。
冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体20Aは、図3及び図4に示すように構成されている。すなわち、図3及び図4において、21は矩形平板状のセラミックヒータ(模擬の発熱電子部品)、22は矩形平板状をなす第1の放熱性塗膜処理金属板、23Aは筐体、24は第2の放熱性塗膜処理金属板である。
筐体23Aは、外壁として、表壁を構成する前記第2の放熱性塗膜処理金属板24、裏壁25、上壁26、下壁27及び側壁28を有している。29は放熱孔、30は接着剤である。
箱状をなす筐体23Aの寸法は、幅(W):300mm,高さ(H):300mm,奥行き(D):150mmである。
セラミックヒータ21が固定されている裏壁25は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からなっている。この裏壁25の厚みは1mmである。上壁26、下壁27及び側壁28は、厚み0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板からなっている。当該電気亜鉛めっき鋼板の放射率は0.1である。
放熱性塗膜処理金属板22,24は、電気亜鉛めっき鋼板を原板として、その表面に、所定量のカーボンブラック(平均粒径25nm)を添加した塗料(ベース樹脂としてポリエステル樹脂を使用し、架橋剤としてメラミン樹脂を使用)を塗布し、その後、焼付け、乾燥を行って作製した。放熱性塗膜処理金属板22,24は、表裏の両面に塗膜を施してある。カーボンブラックを14質量%含有し、厚み1.1μmの塗膜が施された放熱性塗膜処理金属板22,24は、その放射率が0.5であった。また、カーボンブラックを14質量%含有し、厚み18μmの塗膜が施された放熱性塗膜処理金属板22,24は、その放射率が0.86であった。熱シミュレーションには、前記のように製造した放熱性塗膜処理金属板の特性を用いた。
平板状のセラミックヒータ21の寸法は、20mm×20mmである。
次に、冷却ファンを有する熱シミュレーション用放熱構造体の構成について説明する。図5は冷却ファンを有する熱シミュレーション用放熱構造体の構成を概略的に示す斜視図、図6は図5の熱シミュレーション用放熱構造体のA矢視一部切欠き側面図である。
冷却ファンを有する熱シミュレーション用放熱構造体20Bは、図5及び図6に示すように構成されている。ここで、前記の冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体20Aと共通する部分には同一の符号を付してある。前記熱シミュレーション用放熱構造体20Aと異なる点は、放熱性塗膜処理金属板22,24を備えていない点、放熱手段として筐体23Bの表壁33に冷却ファン34を取り付けている点にある。
表壁33は、上壁26、下壁27及び側壁28と同じく、厚み0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板からなっている。当該電気亜鉛めっき鋼板の放射率は0.1である。
前記電気亜鉛めっき鋼板及び前記放熱性塗膜処理金属板の熱伝導率を51.6W/mKとした。また、裏壁25(ガラス繊維強化エポキシ樹脂)は、放射率:0.6,熱伝導率:0.36W/mKとし、セラミックヒータ21は、放射率:0.7,熱伝導率:0.20W/mKとした。また、冷却ファン34は、寸法:40mm×40mm,風量:0.19m/minである。
前記熱シミュレーション用放熱構造体20A,20Bについて、熱シミュレーションによる評価試験を実施した。セラミックヒータ21の発熱量は1Wであり、外気温は32.5℃とした。
[試験1]比較例としての試験である。冷却ファンを有する熱シミュレーション用放熱構造体20Bでは、筐体23B内のセラミックヒータ21の温度は、69.5℃であった。
[試験2]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22:原板の厚み0.8mm,寸法40mm×40mm,表裏面の放射率0.86であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24:原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86、の場合、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、65.2℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
[試験3]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22:原板の厚み0.8mm,寸法60mm×60mm(試験2と異なる点),表裏面の放射率0.86であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24:原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86、の場合、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、55.7℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
[試験4]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22:原板の厚み0.8mm,寸法40mm×40mm,表裏面の放射率0.5(試験2と異なる点)であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24:原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.5、の場合、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、68.2℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
[試験5]比較例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22:原板の厚み0.8mm,寸法28mm×28mm(試験2と異なる点),表裏面の放射率0.86であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24:原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86、の場合、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、78.0℃であった。第1の放熱性塗膜処理金属板22の裏面の面積S1がセラミックヒータ21の表面の面積S2(金属板22裏面とセラミックヒータ21との接触面積)の2倍未満のため、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができなかった。
[試験6]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22:原板の厚み1.0mm(試験2と異なる点),寸法40mm×40mm,表裏面の放射率0.86であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24:原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86、の場合、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、64.8℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
[試験7]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22:原板の厚み1.2mm(試験2と異なる点),寸法40mm×40mm,表裏面の放射率0.86であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24:原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86、の場合、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、64.4℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
さらに、同様に、熱シミュレーションによる以下の試験8〜13を行った。
図11は冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20C)の構成を概略的に示す斜視図、図12は図11の熱シミュレーション用放熱構造体(20C)のB矢視一部切欠き平面図である。
この熱シミュレーション用放熱構造体20Cは、第1の放熱性塗膜処理金属板が干渉回避部としての垂直壁部を有している点以外は、前記図3及び図4に示す前記熱シミュレーション用放熱構造体20Aと同一なので、該放熱構造体20Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図11,図12において、41は第1の放熱性塗膜処理金属板である。第1の放熱性塗膜処理金属板41は、図12に示すように、基部41cと、コンデンサ40,40との干渉を回避するための干渉回避部としての垂直壁部41d,41dと、鍔部41e,41eとを有している。円柱状をなすコンデンサ40の寸法は、直径3mm×高さ10mmである。この熱シミュレーション用放熱構造体20Cにて後述する[試験9]を実施した。
[試験8]比較例としての試験である。この試験は、発熱電子部品の近傍にこれより背の高い部品があって、第1の放熱性塗膜処理金属板が干渉回避部を有していず、前記背の高い部品が邪魔になる状況を想定した試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板22は、原板の厚み0.8mm,寸法25mm×25mm,表裏面の放射率0.86であり、第2の放熱性塗膜処理金属板24は、原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86である。
試験の結果、熱シミュレーション用放熱構造体20Aでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、87.2℃であった。第1の放熱性塗膜処理金属板22の裏面の面積S1がセラミックヒータ21の表面の面積S2(金属板22裏面とセラミックヒータ21との接触面積)の2倍未満のため、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができなかった。
[試験9]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板41は、原板の厚み0.8mm,寸法40mm×70mm[(基部寸法40mm×40mm)×垂直壁部高さ10mm×各鍔部幅5mm],表裏面の放射率0.86である。また、第2の放熱性塗膜処理金属板24は、原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86である。
試験の結果、熱シミュレーション用放熱構造体20Cでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、62.0℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
図13は冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20D)の構成を概略的に示す斜視図、図14は図13の熱シミュレーション用放熱構造体(20D)のB矢視一部切欠き平面図である。
この熱シミュレーション用放熱構造体20Dは、第1の放熱性塗膜処理金属板が干渉回避部としての孔部を有している点以外は、前記図3及び図4に示す前記熱シミュレーション用放熱構造体20Aと同一なので、該放熱構造体20Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図13,図14において、42は第1の放熱性塗膜処理金属板である。第1の放熱性塗膜処理金属板42は、矩形平板状をなし、コンデンサ40,40との干渉を回避するための干渉回避部としての孔部42a,42aを有しており、孔部42a,42aにコンデンサ40,40を貫通させた状態で、接着剤30を介してセラミックヒータ21に密着して装着されている。孔部42aの直径は5mm(コンデンサ40:直径3mm×高さ10mm)である。この熱シミュレーション用放熱構造体20Dにて次の[試験10]を実施した。
[試験10]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板42は、原板の厚み0.8mm,寸法40mm×40mmで孔部の直径5mm(2個所),表裏面の放射率0.86である。また、第2の放熱性塗膜処理金属板24は、原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86である。
試験の結果、熱シミュレーション用放熱構造体20Dでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、67.9℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
図15は冷却ファンを有しない熱シミュレーション用放熱構造体(20E)の構成を概略的に示す一部切欠き斜視図である。
この熱シミュレーション用放熱構造体20Eは、第1の放熱性塗膜処理金属板が干渉回避部としての切欠き部を有している点以外は、前記図3及び図4に示す前記熱シミュレーション用放熱構造体20Aと同一なので、該放熱構造体20Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について説明する。
図15において、43は第1の放熱性塗膜処理金属板である。平板状の第1の放熱性塗膜処理金属板43は、図15における左上隅と右下隅に、コンデンサ40,40との干渉を回避するための干渉回避部としての矩形をなす切欠き部43a,43aを有しており、切欠き部43a,43aにコンデンサ40,40を位置させた状態で、接着剤を介してセラミックヒータ21に密着して装着されている。この熱シミュレーション用放熱構造体20Eにて次の[試験11]を実施した。
[試験11]実施例としての試験である。第1の放熱性塗膜処理金属板43は、原板の厚み0.8mm,寸法40mm×40mmで切欠き部の寸法8mm×8mm(2個所),表裏面の放射率0.86である。また、第2の放熱性塗膜処理金属板24は、原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86である。
試験の結果、熱シミュレーション用放熱構造体20Eでは、筐体23A内のセラミックヒータ21の温度は、67.0℃であった。冷却ファンなしでも、試験1の場合に比べて、セラミックヒータ21の温度を下げることができた。
次に、干渉回避部が垂直壁部によって形成されている第1の放熱性塗膜処理金属板を備えたものにおいて、前述した第3の放熱性塗膜処理金属板についての試験として、試験12と試験13を行った。これらの試験12,13では、セラミックヒータ21の発熱量は3Wとした(試験1〜11では、セラミックヒータ21の発熱量は1W)。前記第1の放熱性塗膜処理金属板を備えたものにおいて、試験12では、第2の放熱性塗膜処理金属板のみで第3の放熱性塗膜処理金属板を備えていないものについて試験を行い、試験13では、第2の放熱性塗膜処理金属板に加えて、第3の放熱性塗膜処理金属板を備えているものについて試験を行った。
[試験12]実施例としての試験である。前記の図11及び図12に示す熱シミュレーション用放熱構造体20Cにおいて、第1の放熱性塗膜処理金属板41は、原板の厚み0.8mm,寸法40mm×90mm[(基部寸法40mm×20mm)×垂直壁部高さ30mm×各鍔部幅5mm],表裏面の放射率0.86である。また、第2の放熱性塗膜処理金属板24は、原板の厚み0.8mm,寸法300mm×300mm,表裏面の放射率0.86である。側壁28,28は、原板の厚み0.8mm,寸法150mm×300mm,表裏面の放射率0.1である。試験の結果、セラミックヒータ21の温度は、107.6℃であった。
[試験13]実施例としての試験である。前記側壁28,28を電気亜鉛めっき鋼板に代えて第3の放熱性塗膜処理金属板(原板の厚み0.8mm,寸法150mm×300mm,表裏面の放射率0.86)とした点以外は、試験12と同一構成の熱シミュレーション用放熱構造体とした。試験の結果、セラミックヒータ21の温度は、107.2℃であり、わずかとはいうものの、第3の放熱性塗膜処理金属板による温度上昇抑制効果が確認された。
1,1’,1”…放熱構造体
2…発熱電子部品
3…第1の放熱性塗膜処理金属板
4,4’…筐体
5…第2の放熱性塗膜処理金属板(表壁)
6…裏壁 7…上壁 8…下壁 9…側壁
10…放熱孔
11…接着剤
12…電子部品基板
13,16…ボルト 14,17…ナット
15…スペーサ
18…第1の放熱性塗膜処理金属板
18c…基部 18d…垂直壁部 18e…鍔部
19…第3の放熱性塗膜処理金属板(側壁)
20A,20B…放熱構造体
21…セラミックヒータ
22…第1の放熱性塗膜処理金属板
23A,23B…筐体
24…第2の放熱性塗膜処理金属板(表壁)
25…裏壁 26…上壁 27…下壁 28…側壁
29…放熱孔
30…接着剤
33…表壁
34…冷却ファン
40…コンデンサ
41,42,43…第1の放熱性塗膜処理金属板
41c…基部 41d…垂直壁部 41e…鍔部
42a…孔部
43a…切欠き部

Claims (5)

  1. 発熱電子部品を収容し、外壁に設けられた放熱孔を有する密閉構造、若しくは放熱孔を有しない完全密閉構造の筐体と、
    放熱性を有する塗膜が表裏面のうち少なくとも表面に施され、前記表面の放射率が0.5以上であり、前記発熱電子部品に裏面を面接触させて装着される第1の放熱性塗膜処理金属板と、
    放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、前記第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品との面接触部分の表面と相対する状態で前記第1の放熱性塗膜処理金属板と対置する位置に所定の間隔をあけて位置され、かつ、前記筐体の外壁の一部を構成する第2の放熱性塗膜処理金属板と、
    を備えていることを特徴とする放熱構造体。
  2. 前記第1の放熱性塗膜処理金属板が、その前記裏面の面積をS1とし、該裏面と前記発熱電子部品との接触面積をS2とすると、S1がS2の2倍以上という関係を満たしていることを特徴とする請求項1記載の放熱構造体。
  3. 前記第1の放熱性塗膜処理金属板は、前記発熱電子部品の近傍の該発熱電子部品より背の高い部品との干渉を回避するための干渉回避部を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の放熱構造体。
  4. 前記第1の放熱性塗膜処理金属板の前記干渉回避部が、当該第1の放熱性塗膜処理金属板における前記発熱電子部品と面接触する面に対して垂直をなす垂直壁部によって形成されていることを特徴とする請求項3記載の放熱構造体。
  5. 放熱性を有する塗膜が少なくとも前記第1の放熱性塗膜処理金属板の前記垂直壁部と相対する側の面に施され、当該面の放射率が0.5以上であり、かつ、前記筐体の外壁の一部を構成する第3の放熱性塗膜処理金属板を備えていることを特徴とする請求項4記載の放熱構造体。
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