以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図8を用いて本発明に係るスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の制御の概略を示すブロック図であり、図3はメインリール21a〜21cの外周面の図柄配列の一例を示す平面図であり、図4は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図5はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図6は操作手段30の操作とメインリール21a〜21cの作動のタイミングを示す説明図であり、図7は最小遊技時間を説明するための説明図であり、図8はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、3個のメインリール21a〜21cに表示されている図柄を所定の有効ライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、メインリール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行うメイン制御基板100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御するサブ制御基板200と、から構成されている。なお、以降の説明において、遊技媒体を投入し、複数の図柄が表示された複数のメインリール21a〜21cを回転させて停止させ、有効ライン上の図柄の組み合わせに応じて遊技媒体を払い出すまでの工程を一単位の「遊技」として説明する。
(メイン制御基板100)
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う役抽選手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う停止図柄判定手段130、入賞時の遊技メダルの払出し等を制御する払出し制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、役抽選手段110の抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段160、役抽選手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段170、及び、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段180を有して構成されている。このメイン制御基板100は、図5に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選を行うための乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、サブ制御基板200と通信を行うI/F回路105と、を有しており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。このメイン制御基板100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。
このメイン制御基板100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のメインリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21cから構成され、以下、単に「リール」と呼ぶ)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。3個のリール21a〜21cは、左右方向に並列に設けられており、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらのリール21a〜21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄が見えるように配置されている。このリール21a〜21cの各々には、例えば、図3に示すように0番から20番までの21個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図3において、「7中」、及び、「バー」は、このスロットマシン1の後述する特別役に特に関係する図柄である。また、「ブランク上」及び「ブランク下」は役を構成しない図柄である。また、リール駆動手段22a〜22cは、ステッピングモータ等で構成され、リール21a〜21cの各々の回転中心部に連結され、その作動はメイン制御基板100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、各々のリール21a〜21cの停止位置を検出し、有効ライン上に表示されている図柄を判定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値はメイン制御基板100により読み出されリール制御手段120及び停止図柄判定手段130に渡される。また、このメイン制御基板100の出力側には、遊技メダルを払出すホッパー装置50が接続されており、その動作は払出し制御手段140により制御される。
また、メイン制御基板100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、及び、精算ボタン34を有している。スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動操作手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止操作手段としての機能を有している。なお、3個のストップボタン33a〜33cは3個のリール21a〜21cに対応付けられており、左ストップボタン33aが操作されると左リール21aが停止し、中ストップボタン33bが操作されると中リール21bが停止し、右ストップボタン33cが操作されると右リール21cが停止する。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダルを遊技に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって図柄組合せラインが有効化される(このラインを「有効ライン」と呼ぶ)。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、有効ラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に貯留されるように構成されている。また、精算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされた遊技メダルを払い出すためのボタンである。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、乱数値を発生させる乱数発生手段111と、この乱数発生手段111から乱数値を抽出する乱数抽出手段112と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルを記憶する役抽選テーブル記憶手段114と、乱数抽出手段112により取得された乱数値及び役抽選テーブルにより役に当選したか否かを判定する乱数判定手段113と、を有して構成されている。ここで、役としては、図4に示すように、複数種類の特別役、複数種類の小役、及び、複数種類のリプレイが設けられている。この役抽選手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段160に対して当選した役のフラグをオンにする。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、通常遊技状態から特別遊技状態(通常遊技以上に遊技メダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる特別遊技が実行される状態)に移行されるという役であり、BB(ビックボーナス)、及び、MB(ミドルボーナス)が設けられている。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、MBは特別遊技の他の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが投入されて遊技が行われた場合には、図4に示す特別役1〜3の何れかに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、BB遊技若しくはMB遊技に移行するように構成されている。なお、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、336枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。また、MB遊技は、全ての小役が、抽選が行われることなく当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、98枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aが該当する)。
また、小役とは、予め定められた枚数(例えば14枚)の遊技メダルが払い出される役である。また、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。
なお、図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、リール21a〜21cの各々の図柄の組み合わせが異なる9つの小役(小役1〜小役9)が設定されており、役抽選手段110は、小役が当選したときは、これらの小役1〜9を同時に当選させるように構成されている。また、同様に、図柄の組み合わせが異なる9つのリプレイ(再遊技役1〜9)が設定されており、役抽選手段110は、リプレイが当選したときは、これらの再遊技役1〜9を同時に当選させるように構成されている。さらに、役抽選手段110は、特別役1〜3のそれぞれが当選したときは、同時に小役1〜9を当選させるように構成されている。なお、図4に示す「図柄」の欄には、それぞれの役に対応させて、左メインリール21a、中メインリール21b及び右メインリール21cの順で図柄の組み合わせを示しており、例えば、特別役1における「7中−7中−7中」は、3つのリール21a〜21cの有効ライン上に、「7中」の図柄が並ぶことを示している。また、図4において、「ANY」は、当該リールの有効ライン上に停止した図柄に関わらず、他のリールの有効ライン上に揃った図柄で役が決定するものである。
また、図4には、後述する各遊技状態における役の当選確率も示している。ここで、「当選確率」の欄には、特別役はBB及びMB毎の合算の当選確率を示している。また、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示し、MBが当選して入賞したときの特別遊技状態においては、役の抽選は行われず、全ての小役が当選した状態で遊技が行われる。さらに、ハズレとなる確率は、特別役、小役及びリプレイ(再遊技役)の当選確率の合計を1から引いた確率である。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段180で管理されている遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々の回転を停止させる。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11を含む部分には、図示しないが、図柄組合せラインが設けられている。この「図柄組合せライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。本実施形態では、上述のようにリール表示窓11に表示される3×3の図柄に対して、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各リール21a〜21cの上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組合せライン上に位置している。なお、この図柄組合せラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。さらに、5本の図柄組合せラインのうち、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて、図柄組合せラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、遊技媒体のベット数に拘わらず、図柄組合せラインのうち、水平方向の中段のライン1本が有効ラインとして設定されるように構成されている。
このリール制御手段120は、回転しているリール21a〜21cに対してストップボタン33a〜33cが押されると、その時点で有効ライン上にある図柄を含み、回転方向に並ぶ所定の範囲内の図柄(例えば4コマ)までにある任意の図柄が有効ライン上に並ぶように、対応するリール21a〜21cを停止させるように構成されている。具体的には、ストップボタン33a〜33cの各々が押されると、対応するリール21a〜21cの回転を所定の時間Ts内で停止させるように構成されている。この時間Tsは、例えば0.19秒であって、これは、リール21a〜21cに表示されている図柄の4コマ分に相当する。そのため、役抽選手段110による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、いずれかの役を構成する図柄が有効ライン上にあるときにストップボタン33a〜33cが押されたとしても、有効になっている図柄組合せライン(有効ライン)上にどの役の図柄の組み合わせも停止しないように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、上記所定の範囲内において、対応する図柄がある場合には有効になっている図柄組合せライン(有効ライン)上に当選した役の図柄の組み合わせが停止するように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。
また、リール制御手段120は、特別役に当選した遊技、及び、後述する特別役持ち越し手段170によりその特別役が持ち越されている遊技において、小役やリプレイに当選しているときは、これらの小役やリプレイが優先して有効ライン上に停止するようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。具体的には、上述の役およびはずれの各々に対し、最初に停止されるリール(第1リール)、次に停止されるリール(第2リール)、並びに最後に停止されるリール(第3リール)毎の図柄とその図柄が有効ライン上にあるときのスベリコマ数が対応付けられたテーブルを設け、このテーブルに従ってリール21の停止制御が行われる。ここで、「スベリコマ数」とは、停止動作を開始してから停止するまでに移動する図柄数のことである。なお、第1リール及び第2リールに対するテーブルには、図柄毎に、その図柄が有効ライン上にあるときに、次のリールを停止するために参照されるテーブルの情報(テーブル番号)も対応付けられて記憶されている。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図7に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
本実施形態に係るスロットマシン1において、リール制御手段120は、小役又はリプレイに当選しているときに、3つのリール21a〜21cに対して、どの順序で停止操作がされたとしても(ストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても)、最後に停止されるリール以外は、可能な限り、特別役1、特別役2又は特別役3の図柄が有効ライン上に停止するように制御される。すなわち、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cが操作されたときに有効ライン上にある図柄から、上述の所定の範囲内に特別役1〜特別役3のいずれかを構成する図柄(「7中」又は「バー」)があるときは、その図柄が有効ライン上に停止する(有効ライン上に特別役1〜特別役3のいずれかを構成する図柄を引き込む)ようにリール21a〜21cの作動を制御する。このとき、所定の範囲内に特別役1〜特別役3のいずれかを構成する図柄と、小役を構成する図柄の両方があるときは、特別役の図柄を優先して引き込むように制御が行われる。このようなリール制御を行うことで、遊技者は、最後のリールが停止するまで、特別役を構成する図柄の組み合わせの一部が有効ライン上に停止した状態(いわゆるリーチ状態)が継続することになるので、遊技者に対して特別役に当選しているかも知れない、若しくは、特別役の図柄が有効ライン上に揃うかも知れないという期待感を持たせることができる。なお、リーチ状態は、単一の図柄が揃う状態(「7中」のみや、「バー」のみが揃う状態)だけでなく、図4に示す特別役3の組み合わせのように、複数の図柄(「7中」及び「バー」)がそれぞれのリールに揃う場合も含まれる。
なお、リール制御手段120は、最後に停止するリールに対しては、役抽選手段110で当選した役の図柄が有効ライン上に揃うように制御を行う。すなわち、小役が当選しているときは、小役1〜9のいずれかの図柄を有効ライン上に揃え、リプレイが当選しているときは、再遊技役1〜9のいずれかの図柄を有効ライン上に揃える。また、内部中の状態で、小役又はリプレイに当選しているときは、リール制御手段120は、これらの小役又はリプレイの図柄を優先して有効ライン上に揃えるようにリール21a〜21cの制御を行う。また、いずれの役にも当選していないとき(はずれのとき)は、リール制御手段120は、いずれの役の図柄の組み合わせも有効ライン上に揃わないようにする。
上述のように本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すように、小役及びリプレイには複数の図柄の組み合わせ(小役1〜9及び再遊技役1〜9)が設定されており、役抽選手段110によりこれらの複数の図柄の組み合わせが同時に当選するように構成されている。また、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cが操作されたときに各リール21a〜21cの有効ライン上にある図柄を含み、その図柄から回転方向に並ぶ所定のコマ数の図柄(例えば4コマ)までにある任意の図柄を有効ライン上に停止させることができるように構成されている。そのため、小役又はリプレイに設定された複数の図柄の組み合わせを、最後に停止されるリールにおいて、どの図柄が有効ライン上にあったとしても、これらの複数の図柄の組み合わせのうちのいずれかを有効ライン上に揃えることができるように設定することにより、リーチ状態から役抽選手段110による抽選結果に対応させた図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。具体的には、同時に当選する小役及びリプレイの複数の図柄の組み合わせには、3つのリール21a〜21cのそれぞれに特別役の図柄である「7中」及び「バー」を含んだ組み合わせを有し、また、これらの特別役の図柄を含む組み合わせにおいて、残りのリールのいずれか一方に、どの図柄が揃っても良い「ANY」が設定されている。さらに、残りのリールの他方の図柄は、どの図柄が有効ライン上にあったとしても、上述の所定のコマ数以内に有効ライン上に引き込むことができるように設定されている。
一例を挙げると、小役(小役1〜9)に当選しているときに、左リール21a及び中リール21bの順で停止操作がされたことにより、左リール21a及び中リール21bの有効ライン上(中段)に特別役1の図柄の組み合わせである「7中」が停止したとする。ここで、図4に示す小役(小役1〜9)に対応する図柄の組み合わせうち、左リール21a及び中リール21bの順で有効ライン上に「7中」が停止する図柄の組み合わせは、左リール21aの有効ライン上に「7中」が停止し、中リール21bの有効ライン上にはどの図柄が停止しても良く、右リール21cの有効ライン上には「星」の図柄が停止する場合である(小役1)。そして、図3に示すリール21a〜21cの図柄の配置を参照すると、右リール21cは、どの図柄が有効ライン上にあるときでも、上述の4コマ以内に「星」の図柄を有効ライン上に引き込めるように構成されている。そのため、最後のリール(右リール21c)が停止する前までリーチ状態が継続していても、リール制御手段120は、必ず、最後のリールの停止制御により、役抽選手段110で当選した小役(小役1)を入賞させることができる。3つのリール21a〜21cの停止順序は、全部で6通りあるが(左中右、左右中、中右左、中左右、右左中、右中左の順序)、いずれの順序で停止されたときでも、最後のリールが停止されるときにリーチ状態であったとしても、上記のようなリール21a〜21cに対する図柄の配置により、役抽選手段110の抽選結果と有効ライン上に揃う図柄とを一致させることができる。リプレイの場合も同様である。
なお、3つのリール21a〜21cのうち、最初のリールに対して停止操作がされたときに、このリールの有効ライン上に特別役の図柄(「7中」又は「バー」)を引き込むことができないときは、リール制御手段120は、役抽選手段110で当選した役(小役又はリプレイ)に対応する図柄が有効ライン上に揃うように制御を行う。この場合も、リール21a〜21cの各々の図柄の配置を、いずれの図柄が有効ライン上にあるときに停止操作がされても、当選役に含まれるいずれかの図柄の組み合わせを有効ライン上に引き込めるように配置することにより、リール制御手段120は、役抽選手段110の当選した役に対応した図柄を有効ライン上に揃えることができる。
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上のいずれかに役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)と判定する。このとき、停止図柄判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから停止図柄判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120によってテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出し制御手段140)
払出し制御手段140は、停止図柄判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては小役1〜9)に応じたメダルの払出しを行う。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出し制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを貯留することができる(以下、このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)以上の遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出し制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出し制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。また、払出し制御手段140は、精算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、図示しない設定スイッチの操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払出しに関する設定等を行うものである。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、役抽選手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。
(フラグ情報記憶手段160)
フラグ情報記憶手段160は、役抽選手段110によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述のように、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報は、特別遊技の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
(特別役持ち越し手段170)
特別役持ち越し手段170は、役抽選手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段160に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。
(遊技状態制御手段180)
遊技状態制御手段180は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段181、特別遊技制御手段182、及び、再遊技確率変動遊技制御手段183を有して構成される。図8に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段180は、通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0になる。ここで、「非内部中」とは、電源投入やRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。そして、役抽選手段110により特別役に当選すると、ボーナス内部中状態RT3に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄を揃えていない状態のことであり、遊技状態制御手段180においては、引き続き通常遊技制御手段181が実行されている。なお、ボーナス内部中状態RT3に移行すると、特別役持ち越し手段170により、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、ボーナス内部中状態RT3が継続される)。
ボーナス内部中状態RT3において、有効ライン上に当選した特別役に対応する図柄を揃えると、遊技状態制御手段180は特別遊技制御手段182を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別役の種類(BB又はMB)に応じて、特別遊技状態BB又は特別遊技状態MBになる。特別遊技状態BB又はMBに移行すると、所定の終了条件を満たすまで通常遊技以上の遊技メダルの獲得を期待できる遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、例えば、その特別遊技状態において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合である。この特別遊技状態BB又はMBにおいて所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段182の作動が終了し、再遊技確率変動遊技制御手段183が実行されて、特別遊技状態BBのときは再遊技確率変動遊技状態RT1に移行し、特別遊技状態MBのときは再遊技確率変動遊技状態RT2に移行する(通常遊技制御手段181が実行されて通常遊技状態RT0に移行するように構成することも可能である)。
再遊技確率変動遊技とは、再遊技役(リプレイ)の当選確率が通常遊技とは異なるように構成された遊技である。この再遊技確率変動遊技状態RT1,RT2においても、特別役に当選するとボーナス内部中状態RT3に移行し、この状態で特別役に対応する図柄を有効ライン上に揃えると入賞と判定し特別遊技状態BB又はMBに移行する。一方、再遊技確率変動遊技状態RT1,RT2において所定の条件を満たす(本実施形態に係るスロットマシン1の場合は規定回数の遊技数が実行された場合であるが、所定の小役に当選し、この小役に対応する図柄を有効ライン上に揃えることを条件とすることもできる)と、遊技状態制御手段180は通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、小役に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃える(入賞する)と払出し制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、リプレイ(再遊技役)に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。
(サブ制御基板200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御するメイン制御基板100とその遊技に対する演出を制御するサブ制御基板200とは分離して構成されている。そのため、メイン制御基板100は、サブ制御基板200で実行される演出を制御するために、上述の抽選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドをサブ制御基板200に送信するように構成されており、サブ制御基板200の演出制御基板300は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、及び、放音部(スピーカー)43により映像、光及び音響効果を用いて演出を行うように構成されている。
このサブ制御基板200において演出制御基板300と画像音響生成基板400は、図5に示すように、バス210に接続されている。演出制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像音響生成基板400には、上述のバス210に接続された画像制御IC410及び音源IC440が設けられている。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)も接続されてその点灯・消灯動作が演出制御基板300により制御される。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像音響生成基板400に設けられた画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41やスピーカー43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、スピーカー43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報から再生され、アンプ460を介してスピーカー43(43a,43b)から出力される。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述のように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
(メイン制御基板100での処理)
次に、図9〜図12を合わせて用いてメイン制御基板100で制御される各遊技における処理について説明する。ここで、図9は遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示し、図10はリールの回転から停止までの処理の流れを示し、図11はリール停止後の処理の流れを示し、図12は、1回の遊技において、メイン制御基板100からサブ制御基板200の演出制御基板300に送信される制御コマンドの流れの一例を示している。なお、以降の説明において、メイン制御基板100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムによる機能を「メイン制御手段」と呼ぶ。
遊技が開始されると、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により、遊技状態を管理する(ステップS600)。すなわち、現在の遊技状態が特別遊技状態BB,MBで、前の遊技において特別遊技の終了条件を満たしていれば再遊技確率変動遊技状態RT1,RT2に移行し、現在の遊技状態が再遊技確率変動遊技状態RT1,RT2で、前の遊技において再遊技確率変動遊技の終了条件を満たしていれば通常遊技状態RT0に移行する。そして、メイン制御手段は、遊技の実行が可能になると、現在の遊技状態及び遊技メダルの受付(ベット)が可能になったことを示す遊技状態コマンドC500をサブ制御基板200に送信する(ステップS601)。
遊技の開始時には、遊技者は、メダル投入ロ51から遊技メダルを投入するか、若しくは、ベットボタン31(1ベットボタン31a又はMAXベットボタン31b)を操作して遊技者の望む遊技メダルの数のベットを行う。メイン制御手段は、このベット操作が行われることを監視し(ステップS602)、ベット操作が行われると、メダル投入口51から投入された遊技メダルの枚数か若しくはベットボタン31の操作によりベットされた遊技メダルの枚数等の情報を含むベット情報をベットコマンドC501としてサブ制御基板200に送信する(ステップS603)。なお、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄が有効ライン上に揃ったときは、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC501が送信される。
さらに、メイン制御手段は、遊技者によりスタートレバー32が操作されたか否かを監視する(ステップS604)。そして、スタートレバー32が操作されると、役抽選手段110により役の抽選を行う(ステップS605)。この役抽選手段110による役の抽選が行われると、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作された情報(始動操作情報)をスタートレバー受付コマンドC502としてサブ制御基板200に送信し(ステップS606)、また、例えば、スタートレバー32が操作されたときに、所定時間だけリール21a〜21cの少なくとも一部の回転開始を遅らせる制御(フリーズ制御)が行われる場合には、メイン制御手段はサブ制御基板200に対して待機演出コマンドC503を送信し(ステップS607)、さらに役の抽選結果である当選情報を含み演出態様の決定を指示するための条件装置状態番号コマンドC504をサブ制御基板200に送信する(ステップS608)。
続いて、メイン制御手段は、リール制御手段120により、リール駆動手段22a〜22cを駆動制御して、すべてのリール21a〜21cを回転させるように制御するが、まず、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS609)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして再度計時を開始する(ステップS610)とともに、全てのリール21a〜21cを回転させる(ステップS611)。なお、このステップS611においてリール制御手段120は、各リール21a〜21cの回転を開始させると、変動開始情報である第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507をサブ制御基板200に送信する。ここで、3つのリール21a〜21cのうち、左リール21aの回転が開始すると第1回胴回転開始コマンドC505が送信され、中リール21bの回転が開始すると第2回胴回転開始コマンドC506が送信され、右リール21cの回転が開始されると第3回胴回転開始コマンドC507が送信される。そのため、第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507は、必ずしも図12に示される順番で送信されるわけではない。このようにして、リール21a〜21cがリール駆動手段22a〜22cによって回転されることで、リール21a〜21c上の図柄は、所定の速度でリール表示窓11内において上下方向に変動表示される。
遊技者が、各ストップボタン33a〜33cを操作すると、そのときに発生する操作信号がメイン制御基板100に入力される。リール21a〜21cが変動表示されている状態で、メイン制御手段は、遊技者のストップボタン33a〜33cに対する停止操作によりこの操作信号が入力されるのを監視し(ステップS612)、この操作信号を受信すると、リール制御手段120により、役の抽選結果とストップボタン33a〜33cが操作されたときのリール21a〜21c上の図柄の位置(受付位置)により、一意の停止位置を決め、ストップボタン33a〜33cに対応するリール駆動手段22a〜22cを駆動制御することにより、そのリール駆動手段22a〜22cに係るリール21a〜21cの停止制御を行う(ステップS613)。ここで、回転する3つのリール21a〜21cに対する停止操作のうち、3つのストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても、最初の操作を第1停止と呼び、次の操作を第2停止と呼び、最後の操作を第3停止と呼ぶ。また、メイン制御手段は、3つのストップボタン33a〜33cが遊技者により押されて、対応するリール21a〜21cの回転が停止される毎に、ストップボタン33a〜33cの操作情報として、第1停止受付コマンドC508及び回胴回転停止コマンドC509、第2停止受付コマンドC510及び回胴回転停止コマンドC511、並びに、第3停止受付コマンドC512及び回胴回転停止コマンドC513をサブ制御手段に送信する(ステップS614)。これらの制御コマンドのうち、第1〜第3停止受付コマンドC508,C510,C512は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたことを示すコマンドであり、また、(第1〜第3)回胴回転停止コマンドC509,C511,C513は、リール21a〜21cが停止したこと示すコマンドである。また、このストップボタン33a〜33cの操作情報には、中段に停止した図柄の情報(停止位置)や、ストップボタン33a〜33cが押されたときのリール21a〜21c各々の位置の情報であって、リール表示窓11の中段にある図柄に関する情報(図柄受付位置情報)も含まれる。このステップS612〜S614の処理は、全てのリール21a〜21cの回転が停止するまで繰り返される(ステップS615)。
次に、メイン制御手段は、停止図柄判定手段130により、有効ライン上にいずれかの役(抽選により当選した役)に対応する図柄が停止したか否かを判定し(ステップS616)、リール21a〜21cに停止した図柄に応じた演出の開始を指示するための、表示されている図柄の組み合わせに関する情報を示す作動図柄表示コマンドC514をサブ制御基板200に送信する(ステップS617)。この作動図柄表示コマンドC514は、例えば、特別役や再遊技役の図柄が有効ライン上に揃った場合に、対応する演出の実行をサブ制御基板200に指示するためのコマンドであり、図柄に応じた演出が無い場合も送信される。また、メイン制御手段は、遊技メダルの払出しが開始されたことを示す情報をメダル払出開始コマンドC515としてサブ制御基板200に送信する(ステップS618)。このメダル払出開始コマンドC515には、払出されるメダルの枚数が設定されており、遊技メダルが払出される小役以外の図柄が有効ライン上に揃っているときは0枚が設定される。そして、以上の判定の結果、有効ライン上に特別役に対応する図柄(ボーナス図柄)が表示されていると判定したときは(ステップS619)、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により特別遊技制御手段182を実行し、特別遊技状態BB,MB(上述の場合、BB遊技若しくはMB遊技)に移行する(ステップS620)。また、有効ライン上にボーナス図柄が揃っていない場合に、小役1〜9のいずれかに対応する図柄(小役図柄)が揃っている(入賞している)と判定したときは(ステップS621)、メイン制御手段は、払出し制御手段140により入賞した小役に対応する遊技メダルの払出しを行い(ステップS622)、遊技メダルの払出しが終了するとメダル払出終了コマンドC516をサブ制御基板200に送信する(ステップS623)。さらに、有効ライン上に小役図柄が揃っていない場合に、有効ライン上にリプレイ(再遊技役1〜9のいずれか)に対応する図柄(リプレイ図柄)が揃っていると判定したときは(ステップS624)、メイン制御手段は、再遊技を実行する制御を行う(ステップS625)。こうして、一回の遊技に対する処理が終了すると、メイン制御手段はその情報を作動終了コマンドC517としてサブ制御基板200に送信する(ステップS626)。
なお、図12には図示していないが、このスロットマシン1においてエラーが発生したことをメイン制御基板100が検知すると、サブ制御基板200に対してエラー通知コマンドが送信される。例えば、前扉3が開放されたことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー通知コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。また、エラー状態から正常な状態に復帰したことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。例えば、前扉3が閉じられるとその旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、メイン制御基板100は、ホッパー装置50において、遊技メダルが詰まったり、払い出す遊技メダルが無いために、遊技メダルの払出しに所定の時間以上を要していることを検知すると、このホッパー装置50に異常がある旨を通知するエラー通知コマンドをサブ制御基板200に送信し、異常状態が解除されてエラー前の状態に戻ると、その旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、遊技中に何らかの理由により電源が切断された場合には、再度電源が投入されたときに、その旨を通知するエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。さらに、前回の遊技が終了してから次の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間に精算ボタン34が操作されると、精算が開始されたこと及び精算が終了したことを示す制御コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200に送信される。
(演出制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、メイン制御基板100で制御される遊技の進行に応じて、サブ制御基板200の演出制御基板300により演出が実行される。具体的には、演出制御基板300で実行される演出用制御プログラムにより画像表示装置41に3つのサブリールの画像41a〜41cが表示され、これらのサブリールの画像41a〜41cが、メインリール21a〜21cの回転及び停止に応じて変動表示される演出が行われる。以下、この演出制御基板300による演出について図13〜図15を用いて説明する。ここで、図13は演出制御基板300により画像表示装置41に表示されるサブリールの画像41a〜41cの図柄配列の一例を示す図であり、図14はこのサブリールの画像41a〜41cにおける役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図15は演出制御基板300における処理を示すフローチャートである。
演出制御基板300の演出用制御プログラム(以下、「演出制御手段」と呼ぶ)は、画像表示装置41に、メインリール21と同様に、左右方向に並び、上下方向に回転する3つのサブリールの画像41a〜41cを表示する。このサブリールの画像41a〜41cは、図13に示す順序で並ぶ図柄のうち、上下に並ぶそれぞれ3つの図柄が表示されている。そのため、画像表示装置41には、合計3×3の9つの図柄が表示されている。そして、演出制御手段は、メイン制御基板100で制御されているメインリール21a〜21cの動作に応じてその画像の変動表示が制御され、メインリール21a〜21cが回転しているときは、このサブリールの画像41a〜41cも回転している演出が行われ(すなわち、図13の順序で、各サブリールの画像41a〜41cが上から下に向かって変動する演出が行われ)、メインリール21a〜21cが停止されると、対応するサブリールの画像41a〜41cの変動も停止する。なお、演出制御手段は、リール制御手段120と同様に、ストップボタン33a〜33cが操作されることによりメイン制御基板100から送信された制御コマンドを受信すると、サブリールの画像41a〜41cのうち、受信した制御コマンドに対応するサブリールの画像に対して、その制御コマンドを受信したときに中段にある図柄を含み、回転方向に並ぶ所定の範囲内の図柄(例えば、4コマ)までにある任意の図柄が中段に止まる演出が行われるように構成されている。
また、この演出制御手段では、図14に示すように、メイン制御基板100の役抽選手段110で抽選される役に対応してこのサブリールの画像41a〜41cの有効ライン上に停止させる図柄の組み合わせ(以下、「サブ図柄の組み合わせ」と呼ぶ)が設定されている。また、この演出制御手段では、3×3のサブリールの画像41a〜41cに対して、水平方向の上段、中段、下段と、右下がり及び左下がりの斜め方向の合計5本の有効ラインが設定されている。また、特別役(BB1,BB2,MB)及びリプレイについては、それぞれ1つのサブ図柄の組み合わせが設定されているが、小役については、3つのサブ図柄の組み合わせ(ベル、宝石、チェリー)が設定されている。そのため、メイン制御基板100の役抽選手段110により小役(小役1〜9)が当選したときは、予め決められたルールによりサブリールの画像41a〜41cとして停止させるサブ図柄の組み合わせが決定される。一例を説明すると、メイン制御基板100において、特別役と小役とが同時に当選している場合には、チェリーが選択される確率を高くし(例えば、チェリー:60%、宝石:15%、ベル:25%の確率で選択され)、小役のみ当選している場合にはベルが選択される確率を高くする(例えば、チェリー:5%、宝石:15%、ベル:80%の確率で選択される)ように設定される。このように、メイン制御基板100における役の当選状態に応じてサブリールの画像41a〜41cに揃うサブ図柄の組み合わせの選択確率を変化させることにより、遊技者に対し、サブリールの画像41a〜41cの有効ライン上に停止したサブ図柄の組み合わせの出現頻度により、特別役に当選していることを示唆することができる。
また、リール制御手段120と同様に、演出制御手段は、各サブリールの画像41a〜41cの停止の制御を、予め設定された制御テーブル(以下、「サブ制御テーブル」と呼ぶ)を用いて行うように構成されている。このとき、サブリールの画像41a〜41cの停止制御を、役抽選手段110で当選した役に対応して一意に決定すると、このサブリールの画像41a〜41cの停止態様で、役抽選手段110で当選した役が推測できてしまう場合がある。そのため、上述のサブ図柄の組み合わせ毎に、複数のサブ制御テーブルを設けておき、抽選でどのサブ制御テーブルを使用するかを決定するように構成されている。
それでは、演出制御基板300における演出用制御プログラム(演出制御手段)の処理の手順を説明する。演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを監視し、スタートレバー受付コマンドC502を受信すると、スタートレバー32が操作されたと判断する(ステップS700)。また、条件装置状態番号コマンドC504から役抽選手段110で当選した役及び現在の状態(内部中か、非内部中か等)を取得し(ステップS701)、この当選役及び状態に応じてサブ制御テーブルの抽選を行い(ステップS702)、抽選結果に応じて、第1サブリールを停止するためのサブ制御テーブル(「第1停止テーブル」と呼ぶ)を決定する(ステップS703)。なお、上述のように、3つのメインリール21a〜21cに対してどのストップボタン33a〜33cが操作されるかは、この時点では決定していないため、3つのサブリールの画像41a〜41cのそれぞれに対して第1テーブルが決定される。そして、演出制御手段は、第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507を受信すると、画像表示装置41におけるサブリールの画像41a〜41cの変動表示を開始する(ステップS704)。
次に、演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される第1停止受付コマンドC508及び回胴回転停止コマンドC509の受信を監視し(ステップS705)、これらの制御コマンドC508,C509から停止操作がされたメインリールを判断し、対応するサブリールの画像41a〜41cの変動を停止させる(ステップS706)。このとき、これらの制御コマンドC508,C509を受信したときに中段に表示されている図柄の位置(中段の有効ライン上にある図柄の位置である「受付位置」)に基づいて対応するサブリールの第1テーブルを検索し、有効ライン上に停止させる図柄(あるいは、現在の図柄から何コマ滑らせるか)を決定し、第1リールを停止させる。そして、この受付位置に応じて、次に停止させるサブリールの画像41a〜41cのためのサブ制御テーブル(「第2停止テーブル」と呼ぶ)を決定する(ステップS707)。
次に、演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される第2停止受付コマンドC510及び回胴回転停止コマンドC511を監視し(ステップS708)、これらの制御コマンドC510,C511から停止操作されたメインリールを判断し、対応するサブリールの画像41a〜41cの変動を停止させる(ステップS709)。このときも、これらの制御コマンドC510,C511を受信したときに中段に表示されている図柄の位置(受付位置)に基づいて対応するサブリールの第2テーブルを検索し、停止させる図柄(あるいは、現在の図柄から何コマ滑らせるか)を決定し、第2リールを停止させる。そして、この受付位置に応じて、最後に停止させるサブリールの画像41a〜41cのためのサブ制御テーブル(「第3停止テーブル」と呼ぶ)を決定する(ステップS710)。
さらに、演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される第3停止受付コマンドC512及び回胴回転停止コマンドC513を監視し(ステップS711)、これらの制御コマンドC512,C513から停止操作されたメインリールを判断し、対応するサブリールの画像41a〜41cの変動を停止させる(ステップS712)。このときも、これらの制御コマンドC512,C513を受信したときに中段に表示されている図柄の位置(受付位置)に基づいて対応するサブリールの第3テーブルを検索し、停止させる図柄(あるいは、現在の図柄から何コマ滑らせるか)を決定し、第3リールを停止させる。
なお、サブリールの図柄41a〜41cの停止も、遊技者によるストップボタン33a〜33cの操作のタイミングで決定されるため、役抽選手段110で小役が当選し、例えば、サブ図柄の組み合わせとして宝石やチェリーが選択されていても、有効ライン上に揃えることができない場合ある。この場合も、図13に示すサブ図柄の配置から、どのサブ図柄が有効ライン上にあるときにストップボタン33a〜33cの操作がされたとしても、ベルの図柄を有効ライン上に停止させることが可能に構成されているため、宝石やチェリーのサブ図柄の組み合わせを揃えることができない場合でもベルのサブ図柄の組み合わせを揃えることにより、メインリール21a〜21cに揃う小役1〜9のいずれかの図柄とサブリールの画像41a〜41cに揃うサブ図柄の組み合わせ(小役の一種であるベル)とを一致させることができる。
以上のように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドによりメインリール21a〜21cの作動に対応して、演出制御基板300の演出制御手段で画像表示装置41にサブリールの画像41a〜41cの変動及び停止を行うことができる。このとき、サブリールの画像41a〜41の有効ライン上に揃うサブ図柄の組み合わせは、メイン制御基板100の役抽選手段110の抽選により当選し、メインリール21a〜21cの有効ライン上に揃う図柄に対応する役と同じであるため、遊技者は、メインリール21a〜21cとサブリールの画像41a〜41cのどちらを見ても遊技を行うことができる。このとき、メインリール21a〜21cでは、小役又はリプレイに当選しているときは、上述のように最後に停止するリール以外には、可能な限り特別役1,2の図柄が有効ライン上に停止されたリーチ状態になるようにリール制御手段120による制御がされるため、遊技者は、特別役に当選している、若しくは、特別役の図柄が有効ライン上に揃うという期待感を強く持つことができる。また、画像表示装置41に表示されるサブリールの画像41a〜41cは、従来のスロットマシンの図柄配置及び役に対する図柄の組み合わせであるため、このサブリールの画像41a〜41cにより従来のスロットマシンとして遊技を行うこともできる。
なお、上述のように、メインリール21a〜21cに対しては1本の有効ラインが設けられているのに対し、サブリールの画像41a〜41cに対しては5本の有効ラインが設けられている。そのため、特別役と小役又はリプレイが当選し、メインリール21a〜21cのうち、最後に停止するメインリール以外のメインリールの有効ライン上に特別役を構成する図柄を停止させたときに、サブリールの画像41a〜41cのうち、最後に停止するサブリール以外のサブリールの画像の1つの有効ライン上に特別役の図柄を停止させ、他の有効ライン上に小役又はリプレイの図柄を停止させることができるので、最後に停止したメインリールにより特別役の図柄の組み合わせが揃っても、小役又はリプレイの図柄の組み合わせが揃っても、その結果にサブリールの画像41a〜41cを合わせることができる。なお、上述のように、特別役と小役の両方に当選しているときは、チェリーの図柄の組み合わせの選択確率が高くなっている。そのため、チェリーが選択されているときは、左のサブリールの画像41aの有効ライン上にチェリーの図柄を引き込めるときは引き込むが、引き込めないときはベルの図柄が揃うように制御される。
また、本実施形態に係るスロットマシン1において、メインリール21a〜21cに表示されている特別役に係る図柄(「7中」及び「バー」)の前後に、この特別役に係る図柄に関連する図柄が配置されている。例えば、「7中」の上には「7上」が配置され、下には「7下」が配置されている。同様に、「バー」の上には「ブランク上」が配置され、下には「ブランク下」が配置されている。これらの上下に並ぶ3つの図柄は、全体として一つの図柄となるように構成されている。すなわち、「7上−7中−7下」が表示窓11内に並んで表示されたときに、全体として「7」の文字を含む図形となり、「ブランク上−バー−ブランク下」が表示窓1内に並んで表示されたときに、全体として「バー」の図形となる。上述のように、このスロットマシン1において、メインリール21a〜21cに対する有効ラインは中段に設定されているため、これらの3つ一組の図形が表示窓11に表示されているときは、中段に「7中」又は「バー」が停止しており、これは、リーチ状態である。このように、有効ライン上に特別役を構成する図柄が停止すると、上下に並んで表示窓11に表示されている図柄は、全体として特別役を構成する図柄となり、遊技者に対してリーチ状態あることをより容易に認識させることができる。
一方、メインリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、上述の「7」および「バー」を構成する図柄以外の図柄(「四角」、「星」、「丸」、「菱形」)について、同じようなデザインで、同じ色で表示することにより、遊技者に対して、回転しているメインリール21a〜21cにおいて、これらの図形の区別が付きにくくなるようにすることができる。これにより、これらの図柄を含む役の目押しを困難にして、遊技の難易度を高くすることができる。また、上述のように、特別役を構成する図柄は全体として一つの図柄に見えるため、他の図柄に比べて視認性が高くなっているため、これらの特別役の図柄の目押しが容易となっており、本実施形態に係るスロットマシン1は、リーチ状態が発生しやすい構成となっている。
(変形例)
なお、以上の説明において、メイン制御基板100のリール制御手段120は、役抽選手段110において小役若しくはリプレイに当選したときに、メインリール21a〜21cのうち、最後に停止する以外のリールに対して有効ライン上に特別役1〜特別役3を構成する図柄が停止する制御を行い、更に、特別役と同時にこれらの役が当選したときは、これらの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように構成した場合について説明したが、特別役の図柄と他の図柄(小役又はリプレイの図柄)の両方を引き込むことができるとき(すなわち、特別役に当選したとき、または、内部中で小役又はリプレイに当選したとき)には、特別役の図柄を優先して有効ライン上に揃うように構成することも可能である。また、リール制御手段120は、役抽選手段110による抽選結果がハズレの場合も、メインリール21a〜21cのうち、最後に停止するリール以外のリールにおいて、有効ライン上に特別役の図柄が揃う、すなわち、リーチ状態になるように構成することも可能である。このように構成することにより、毎遊技、どのような順序でメインリール21a〜21cを停止させてもリーチ状態になる可能性を有するスロットマシン1を提供することができる。
また、以上の説明では、複数のメインリール21a〜21cのうち、最後に停止するメインリール以外のメインリールの有効ライン上に特別役の図柄が停止する(リーチ状態になる)ように構成した場合について説明したが、複数のメインリールの一部に特別役の図柄が揃うように構成することも可能である。例えば、3つのメインリール21a〜21cのうち、最初に操作されたリールの有効ライン上に特別役の図柄が揃い、残りの2つのリールについては、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミングと役の抽選結果とから決まる図柄を有効ライン上に停止させるように構成してもよい。このように構成すると、少なくとも最初のメインリールの停止操作においては、特別役を構成する図柄が有効ライン上に停止するので、遊技者に対して、特別役に当選しているかも知れない、もしくは、特別役の図柄が有効ライン上に揃うかも知れないという期待感を与えることができる。
また、演出制御基板300で実行される演出制御手段は、メインリール21がリーチ状態に制御されるとき、すなわち、役抽選手段110で小役又はリプレイに当選したときに、サブリールの画像41a〜41cの変動制御においても、最後に停止するサブリールの画像以外の画像において、有効ライン上に特別役の図柄が揃うリーチ状態になるように構成することも可能である。また、演出制御手段は、サブリールの画像41a〜41cの変動を常にリーチ状態になる制御を行うように構成することも可能である。この場合、演出制御手段は、サブリールの画像41a〜41c上の複数の有効ラインのうち、少なくとも1つの有効ライン上に特別役の図柄がリーチ上状態になり、かつ、残りの有効ラインのうちの少なくとも1つに小役の図柄がリーチ状態になるように制御を行う(これを「ダブルテンパイ」とも呼ぶ)。しかし、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミングでは、特別役の図柄を引き込むことができない場合が有り、その場合には小役の図柄を有効ライン上に揃えるように制御がされる。
あるいは、常に特別役及び小役に対するサブ図柄の組み合わせをダブルテンパイできるときは、それらの図柄が有効ライン上に揃うまで、メインリール21a〜21cをすべらして有効ライン上に引き込むように構成することもできる。この場合、上述のリール制御手段120のように、ストップボタン33a〜33cが操作されてから所定の時間内に(所定のコマ数以内に)停止させる必要はなく、有効ライン上に特別役及び小役の図柄が揃うまで、サブリールの画像41a〜41cを回転表示させることができる(4図柄以上すべらせることができる)。
なお、上述のように、演出制御手段は、サブリールの画像41a〜41cの有効ライン上に揃うサブ図柄の組み合わせが、メインリール21a〜21cにおいて有効ライン上に揃う図柄の組み合わせに対応する役と一致するように制御を行う。そのため、メインリール21a〜21cのうち、最後に停止したメインリールにより特別役の図柄が揃ったときは、サブリールの画像41a〜41cのうち、最後に停止するサブリールの画像のスベリコマ数を、通常のコマ数以上にして(4コマ以上にして)、有効ライン上に特別役に係るサブ図柄の組み合わせが停止するように制御が行われる。あるいは、演出制御手段は、役抽選手段110で特別役に当選し、ボーナス内部中状態RT3になると、画像表示装置41に対して、サブリールの画像41a〜41cの表示に替えて、特別役に当選していることを告知する画像に切替えるように構成しても良い。この場合、遊技者は、メインリール21a〜21cにより遊技を行うことになる。これにより、上述のような通常のスベリコマ数を超えてサブリールの画像41a〜41cを停止させる制御を行う必要がなくなる。
また、以上の説明では、サブリールを画像表示装置41に表示される画像41a〜41cとして構成し、このサブリールの画像41a〜41cをリールが回転するように変動表示させる場合について説明したが、このサブリールを実際に回転するリールで構成することも可能である。
また、以上の説明では、3つのメインリール21a〜21cで構成したスロットマシン1に基づいて説明を行ったが、メインリールの数は3に限定されず、2でも4以上でも良い。サブリールの数も同様であるし、必ずしも、メインリールの数とサブリールの数が一致していなくても良い。また、メインリールとサブリールの回転開始及び停止の関係は、必ずしも固定されている必要はなく、メインリールとサブリールの停止タイミングに時間差があっても良いし、左、中及び右ストップボタン33a〜33cの操作に対して停止する3つのサブリールの画像41a〜41cの対応関係をランダムに変えたり抽選で変えたりすることもできる。あるいは、ストップボタン33a〜33cのいずれかが操作されたときに複数のサブリールの画像41a〜41cを停止させたり、あるストップボタン33a〜33cのいずれかが操作されたときにいずれのサブリールの画像41a〜41cも停止させないようしたりすることも可能である。