[パチスロ機1の概要および特徴]
まず最初に、図1を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係るパチスロ機1の特徴を説明するための図である。同図に示すように、実施例1に係るパチスロ機1は、入賞役となる複数の役にそれぞれ対応付けられた図柄の組合せの情報を格納しているが、ベル1の小役として、全リール位置の図柄がベル1図柄であるとする組合せ情報を格納し、ベル2の小役として、中リール位置の図柄がベル1図柄と同様デザインのベル2図柄であって他リール位置の図柄がいずれの図柄でもよいとする組合せ情報を格納している。
すなわち、実施例1に係るパチスロ機1では、特定の図柄(例えば、ベル2図柄)が単独で停止表示されるだけで入賞が成立する「1リール役」を中リール位置(例えば、any−ベル2−any)に採用することで、遊技性を演出する上で特に重要な左リールに1リール役の構成図柄を配置することを不要にし、左リールに魅力的な図柄配列を行うことができるようにしている。
したがって、実施例1に係るパチスロ機1によれば、遊技性を演出する上で特に重要な左リールに魅力的な図柄配置を行うことができ、遊技者に魅力的な遊技性を提供することが可能である。
また、このパチスロ機1では、かかる1リール役を中リール位置に採用した上で、中リールの図柄配列として、第一種特別役物を作動させる作動役の構成図柄(例えば、“7”や“BAR”などのボーナス図柄)から1つのリールに配列される所定数の図柄のうちの所定図柄数を超えた位置(作動役の構成図柄から2コマを超えた位置)にベル2図柄を配置している。
例えば、図1に示すパチスロ機1に設けられた中リール3Cには、コードナンバー「0」の赤7図柄から4コマ離れ、かつ、コードナンバー「12」の青7図柄から8コマ離れた位置にコードナンバー「4」のベル2図柄が配置され、コードナンバー「0」の赤7図柄から5コマ離れ、かつ、コードナンバー「12」の青7図柄から4コマ離れて配置された位置にコードナンバー「16」のベル2図柄が配置されている(図4参照)。
このように、実施例1に係るパチスロ機1によれば、作動役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合でも、1リール役であるベル2図柄は作動役の構成図柄から2コマ数を超えて配置されていることから、1リール役による作動役への干渉を回避することも可能である。
さらに、このパチスロ機1は、ベル1の小役を単位遊技の当籤役として決定した場合には、全リールにおいて有効ライン上にベル1図柄が停止表示されるように停止制御を行い、また、ベル2の小役を単位遊技の当籤役として決定した場合には、有効ライン上の中リール位置にベル2図柄が停止表示されるとともに他リール位置にベル1図柄が停止表示されるように停止制御を行う。
つまり、かかるパチスロ機1では、一般的には3リール役の構成図柄として利用されるベル2図柄を中リール位置の1リール役(any−ベル2−any)に採用するとともに、このベル2図柄と同様のデザインであるベル1図柄を3リール役(ベル1−ベル1−ベル1)に採用した上で、3リール役(ベル1−ベル1−ベル1)が当籤した場合には、有効ライン上に「ベル1−ベル1−ベル1」が停止表示されるようにする一方で、1リール役(any−ベル2−any)が当籤した場合には、有効ライン上に「ベル1−ベル2−ベル1」が停止表示されるようにしている。
このため、実施例1に係るパチスロ機においては、遊技者には、内部では1リール役として処理されるベル2の小役「any−ベル2−any」を3リール役「ベル1−ベル1−ベル1」であるベル1の小役のように体感させることが可能なことから、1リール役が左リール以外の他リール位置で成立する違和感を解消することができ、これによって、遊技者に違和感のない遊技性を提供することも可能である。
[パチスロ機1の構成]
次に、図2を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の外観構成について説明する。図2は、実施例1に係るパチスロ機1の外観構成を示す斜視図である。同図に示すように、このパチスロ機1の前面ドア2には、略垂直面をなすパネル表示部2a及び液晶表示部2bが設けられており、この液晶表示部2bにはパチスロ遊技時の各種演出や待機時のデモ表示等が行われる。
前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられており、各リール3L,3C,3Rは、一定の速度(例えば80回転/分)で回転する。
パネル表示部2a及び液晶表示部2bの下方には、略水平面をなす台座部4が設けられている。この台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられており、このメダル投入口10に投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
また、台座部4の左側には、クレジットされているメダルを賭けるためのBETボタン13が設けられている。このBETボタン13は、いわゆるMAXBETボタンであり、1回の押下操作によりクレジットされたメダルから1ゲームに賭け得る最大枚数のメダル(通常は3枚)が賭けられる。なお、本実施例ではBETボタン13のみを設けた場合を示したが、いわゆる1枚賭け又は2枚賭けを行うための1−BETボタン又は2−BETボタンを設けることもできる。
かかるBETボタン13を押下操作するか若しくは3枚のメダルがメダル投入口10に投入されると、所定の表示ラインが有効化される。なお、ここでは、BETボタン13の押下操作又はメダル投入口10へのメダル投入操作を「BET操作」と呼ぶこととする。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルをクレジットするか、クレジットしたメダルを払い出すかを押下操作で切り換えるC/Pボタン14が設けられている。所定枚数のメダルがクレジットされた状態でC/Pボタン14が押下されると、クレジットが無効化され該クレジットされた枚数分のメダルが正面下部のメダル払出口15に払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部5に投出される。また、クレジットが無効化された状態でこのC/Pボタン14が押下されると、クレジットが有効となる。
C/Pボタン14の右側には、遊技者の操作により上記リール3L〜3Rを回転駆動させ、図柄表示領域21L,21C,21R内での図柄の変動表示を開始させるスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。また、各停止ボタン7L,7C,7Rの裏側には、後述するように停止スイッチ7LS,7CS,7RSが設けられている。これらの停止スイッチは、対応する停止ボタンの操作(停止操作)を検知する。なお、1ゲーム(単位遊技)は、スタートレバー6が操作されることによって開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
このパチスロ機1の上部には、左右対称にスピーカ9L,9Rが設けられており、これらのスピーカ9L,9Rから遊技の演出に関する効果音などを出音する。
続いて、図3を用いて、図2に示したパネル表示部2a及び液晶表示部2bについてさらに詳細に説明する。図3は、実施例1に係るパチスロ機1のパネル表示部2a及び液晶表示部2bを説明するための説明図である。
同図に示すように、パネル表示部2aには、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18及びクレジット表示部19が設けられている。このボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDにより形成されておりボーナス中の遊技情報を表示する。
BETランプ17a〜17cは、1ゲームを行うために賭けられたメダル数(以下「BET数」と言う)に応じて点灯するランプであり、具体的には、BETランプ17aはBET数が1以上である場合に点灯し、BETランプ17bはBET数が2以上である場合に点灯し、BETランプ17cはBET数が3のときに点灯する。
払出表示部18及びクレジット表示部19は、それぞれ7セグメントのLEDにより形成され、払出表示部18には入賞が成立した時(役が成立した時)のメダル払出枚数が表示され、クレジット表示部19にはクレジットされている残メダル枚数が表示される。通常は、パチスロ機1にクレジットされる最大枚数は50枚であるので、このクレジット表示部19に表示されるクレジット枚数は50以下となる。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジットされている状態で、メダルを投入してもそのまま払い出される。
液晶表示部2bは、図柄表示領域21L,21C,21Rと、窓枠表示領域22L,22C,22Rと、演出表示領域23とで形成される。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様に応じて表示制御される。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられており、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や種々の演出表示を行う。
この図柄表示領域21L,21C,21Rには、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8dの表示ラインが設けられ、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eの表示ラインが設けられる。遊技者がBETボタン13を押下操作するか又は遊技者がメダル投入口10に3枚のメダルを投入すると、これら5本の表示ラインが有効となり、遊技者がメダル投入口10に1枚又は2枚のメダルを投入した場合には、それぞれ1本(センターライン8c)又は3本(トップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d)の表示ラインが有効となる。なお、ここでは、有効化された表示ラインを「有効ライン」と呼ぶこととする。また、これらの表示ライン8a〜8eは役の成否に関わる。
また、図柄表示領域21L,21C,21Rは、それぞれ対応するリール3L,3C,3Rが回転中であり、各停止ボタン7L,7C,7Rが押下操作可能である場合には、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように透過状態となる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、リール3L,3C,3Rの前面に配置された図柄表示領域21L,21C,21Rの窓枠を表したものであり、各図柄表示領域21L,21C,21Rを囲むように設けられている。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、図柄表示領域21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。この演出表示領域23は、ボーナスが成立可能であることを確定的に報知する画像(例えば、告知ランプ)の表示、ゲームの興趣を増大するための演出、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等の表示を行う。
続いて、図4を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のリール3L,3C,3R上に表される図柄の一例について説明する。図4は、実施例1に係るパチスロ機1のリール3L,3C,3R上に表される図柄の一例を示す図である。同図に示すように、各リール3L,3C,3Rには、複数種類の図柄が21個配列された図柄列が表わされており、各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付与され、データテーブルとして後述するROM32(図5)に記憶されている。
また、各リール3L,3C,3R上には、“赤7”、“青7”、“BAR”、“Replay”、“プラム”、“スイカ”及び“ベル1”の図柄で構成される図柄列が表わされており、さらに、中リール3Cは、1リール役の構成図柄であるベル2図柄を含んだ図柄列で表されている。なお、各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図中に示した矢印方向に移動するように回転駆動される。なお、ベル1図柄とベル2図柄は、異なる役(ベル1の小役またはベル2の小役)をそれぞれ構成する構成図柄であるが、同様のデザインである。
また、中リール3Cにおいては、第一種特別役物を作動させる作動役の構成図柄(例えば、“赤7”、“青7”や“BAR”などのボーナス図柄)から2コマを超えた位置にベル2図柄を配置している。具体的には、コードナンバー「0」の赤7図柄から4コマ離れ、かつ、コードナンバー「12」の青7図柄から8コマ離れた位置にコードナンバー「4」のベル2図柄を配置し、コードナンバー「0」の赤7図柄から5コマ離れ、かつ、コードナンバー「12」の青7図柄から4コマ離れて配置された位置にコードナンバー「16」のベル2図柄を配置している。
このような図柄配列を中リール3Cに採用したのは、実施例1に係るパチスロ機1では1リール役の構成図柄としてベル2図柄を利用していること(詳細は図8を用いて後述する)に起因して、作動役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、1リール役であるベル2図柄が図柄表示領域21C内に停止表示されることを回避するためである。
また、一般的には3リール役の構成図柄として利用される「ベル2図柄」が中リール位置に単独で停止表示されることにより1リール役の入賞が成立すると遊技者に認識させたのでは、遊技客に違和感を生じさせる元となる。
そこで、実施例1に係るパチスロ機1では、このような違和感を解消するために、内部では1リール役として処理される「ベル2の小役」を遊技者には3リール役「ベル1の小役」のように体感させるリール停止制御を行っている。かかるリール停止制御とは、ベル2図柄が中リール3Cに停止表示されるだけで「ベル2の小役」の入賞条件を満たすにも拘らず、同様のデザインであるベル1図柄を他リール(左リール3L及び右リール3R)に停止表示させるリール停止制御である。
このことから、実施例1に係るパチスロ機1では、かかるリール停止制御を実現するために、最大滑りコマ数である「4コマ」以内の間隔でベル1図柄を左リール3Lおよび右リール3Rに配置している。
また、実施例1に係るパチスロ機1では、BB1(赤7BB:赤7ビッグボーナス)、BB2(青7BB:青7ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、リプレイの小役、プラムの小役、スイカの小役、ベル2の小役、ベル1の小役を「役」として採用している。BB1およびBB2は第1種特別役物に係る役物連続作動装置である。この役(役データ)は、遊技者に付与される利益と図柄組合せとが対応付けられた制御情報であり、リール3L,3C,3Rの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる。なお、以下では、適宜、BB1とBB2を単に「BB」と呼称する。
続いて、図5および図6を用いて、図2に示したパチスロ機1の内部構成について説明する。図5は、実施例1に係るパチスロ機1の内部構成を示すブロック図であり、図6は、実施例1に係る副制御回路72の回路構成を示すブロック図である。図5に示すように、このパチスロ機1は、パチスロ機1の遊技処理動作を制御する主制御回路71と、この主制御回路71に電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R,LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とが含まれる。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33とを有する。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、マイクロコンピュータ30内のCPU31上で乱数サンプリング用プログラムを実行してソフトウエア的に乱数サンプリングを行うこともできる。この場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37を省略することができる。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブルや停止用当籤役決定テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群などが格納されている。
また、このROM32には、副制御回路72へ送信するための各種制御指令等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へ制御指令や情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態などの種々の情報が格納される。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19等の表示部と、メダルを収納しホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
また、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,17cを駆動制御するランプ駆動回路45並びにボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30へは、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、BETスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51から入力信号が入力され、これらに基づいて制御指令が発生される。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出するスイッチであり、メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出するセンサである。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、それぞれ対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生するスイッチである。BETスイッチ13Sは、BETボタン13の背面に設けられBETボタン13の操作に応じて信号を発生するスイッチである。C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14の背面に設けられC/Pボタン14の操作に応じて信号を発生するスイッチである。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する回路である。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時にメダル払出完了を示す信号を発生する。
乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている確率抽籤テーブルなどに基づいて内部当籤役などが決定される。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値がRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。このようにして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
また、ROM32内には、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられた図柄組合せテーブル(後に図8を用いて詳述)が格納されている。この図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時並びに全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う際に参照される。表示役(表示役データ)は、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)であり、遊技者にはこの表示役に対応する利益が付与される。
CPU31は、上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(確率抽籤処理など)により内部当籤役や停止用当籤役を決定したならば、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる操作信号並びに決定された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送出する。
また、CPU31は、当籤した役の入賞を示す停止態様(即ち入賞態様)になれば、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時にメダル払出完了信号をCPU31に入力する。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了することになる。
続いて、図6を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の副制御回路72について説明する。図5に示すように、この副制御回路72は、バスを介して主制御回路71に接続されるとともに、液晶表示装置131と、スピーカ9L,9Rと、LED類101と、ランプ類102と、音量調節部103とが接続されている。
また、この副制御回路72の内部構成は、図6に示すように、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bとからなり、この画像制御回路(gSub)72a及び音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に形成される。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へ制御指令や情報等を出力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへ制御指令や情報等を出力することもない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM(CROM(キャラクタROM))88及びビデオRAM89からなる。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポート82は図示)を備えている。この画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信された制御指令に基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って各種の処理を行う。例えば、主制御回路71から所定の画像を表示すべき旨の制御指令を受信したならば、この画像を画像ROM88から取り出して液晶表示装置131上に表示するよう画像制御IC86に指示する。また、主制御回路71から有効ラインを表示すべき旨の制御指令を受信したならば、液晶表示装置131上に有効ラインを表示(点灯)するよう画像制御IC86に指示する。なお、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、画像制御マイコン81の動作プログラム上でソフトウエア的に乱数サンプリングを実行するよう構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信される制御指令等を受信するポートである。プログラムROM83は、画像制御マイコン81で実行する制御プログラムや後述する各種テーブルを記憶する。ワークRAM84は、画像制御マイコン81が制御プログラムを実行する場合に使用する作業用のメモリ領域として使用され、このワークRAM84には、演出等に関する種々の情報が記憶される。
カレンダIC85は、日付データを記憶するICであり、遊技店の従業員等が図示しない操作部を操作して日付の設定等が行われ、設定された日付がカレンダIC85に格納される。なお、ワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象とされているため、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電力が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容に応じた画像を生成して液晶表示装置131に出力するICである。この画像制御IC86には制御RAM87が含まれており、画像制御マイコン81がこの制御RAM87に対する情報の読み出しや書き込みを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルとが展開されており、画像制御マイコン81がこの画像制御IC86のレジスタ及びスプライト属性テーブルを所定のタイミングごとに更新する。
また、この画像制御IC86には、液晶表示装置131と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。なお、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合には、画像ROM88を画像制御マイコン81に接続する構成とすることもできる。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータ等を格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として用いられる。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置131に転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御についても行う。画像制御マイコン81は、決定された演出に基づいて音・ランプの種類及び出力タイミングを決定し、所定のタイミングごとに音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介して制御指令を送信する。この制御指令を受信した音・ランプ制御回路(mSub)72bは、画像制御回路(gSub)72aから受信した制御指令に応じて音・ランプの出力のみを行う(後述する音量調節制御を除く)。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン91、シリアルポート92、プログラムROM93、ワークRAM94、音源IC95、パワーアンプ96及び音源ROM97からなる。
音・ランプ制御マイコン91は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポート92は図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン91内のCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信された制御指令に基づき、プログラムROM93内に格納された制御プログラムに従って音・ランプの出力処理を行う。また、音・ランプ制御マイコン91には、LED類101及びランプ類102が接続されている。音・ランプ制御マイコン91は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信される制御指令に応じて、このLED類101及びランプ類102に出力信号を送信する。これにより、LED類101及びランプ類102が演出に応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート92は、画像制御回路(gSub)72aから送信される制御指令等を受信する入力ポートである。プログラムROM93は、音・ランプ制御マイコン91で実行する制御プログラム等を格納したメモリである。ワークRAM94は、音・ランプ制御マイコン91が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用のワークメモリとして使用される。
音源IC95は、画像制御回路(gSub)72aから送信された制御指令に基づいて音源を生成してパワーアンプ96に出力する。パワーアンプ96は増幅器であり、このパワーアンプ96にはスピーカ9L,9Rが接続されている。パワーアンプ96は、音源IC95から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ9L,9Rから出力させる。音源ROM97は、音源を生成するための音源データ(フレーズ等)等を格納する。
また、音・ランプ制御マイコン91には、音量調節部103が接続されている。この音量調節部103は、遊技店の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御マイコン91は、音量調節部103から送信される入力信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音を入力された音量に調節する制御を行う。
[パチスロ機1の移行先遊技状態]
次に、図7を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の各遊技状態の発生条件、移行条件並びに移行条件が充足された場合の移行先の遊技状態について説明する。図7は、実施例1に係るパチスロ機1の各遊技状態の発生条件、移行条件並びに移行条件が充足された場合の移行先の遊技状態を説明するための説明図である。各遊技状態では、内部当籤する役の種類或いはその当籤確率が異なる。
実施例1で説明するパチスロ機1の遊技状態には、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態及び持越状態の4状態がある。かかる持越状態中において持ち越された役(BB又はRB)を以下では「持越役」と言うこととする。なお、ここでは、BB1遊技状態およびBB2遊技状態を総括して単にBB遊技状態と呼び、さらに、遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態のいずれかにある状態をボーナス遊技状態と呼ぶこととする。
一般遊技状態は、いわゆる「出玉率」(遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値)の期待値が“1”よりも小さい遊技状態であり、持越役がなく他の遊技状態と比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態を意味する。
BB遊技状態は、RB遊技状態により構成される遊技状態である。また、BB遊技状態は、基本的に「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。具体的には、BB1又はBB2が内部当籤して該当する図柄(後述する図8参照)を揃えた場合に、このBB遊技状態となり、RB遊技状態が連続して発生するようになっている。BB遊技状態は、所定枚数(例えば、360枚あるいは460枚)のメダルが払い出されたことを条件に終了するようになっている。
RB遊技状態は、「第1種特別役物」が作動しているゲームにより構成される遊技状態であり、RBが内部当籤して該当する図柄を揃えた場合にこのRB遊技状態となる。
持越状態は、BB又はRBに対応する図柄組合せが表示ラインに沿って並び得る状態(BB又はRBの成立)が一又は複数のゲームにわたり許容された遊技状態である。すなわち、この持越状態は、内部当籤役がハズレ(なし)であることを条件に、停止用当籤役がBB又はRBとなる遊技状態である。実施例1のBB又はRBには、BB1、BB2及びRBが含まれ、持越状態には、BB1持越状態、BB2持越状態及びRB持越状態が含まれる。
ここで、停止用当籤役は、リール3L,3C,3Rの停止制御に用いられる情報である。停止用当籤役が決定された場合には、その役に対応する図柄又は図柄組合せの停止態様を図柄表示領域21L,21C,21R内に停止表示することを許容した状態でリール3L,3C,3Rが停止制御される。また、停止用当籤役以外の役に対応する図柄又は図柄組合せを許容しない状態で停止制御が行われる。基本的には、内部当籤役として決定された役が停止用当籤役になる。ただし、持越状態では、内部当籤役がなし(ハズレ)の場合には、BB又はRBが停止用当籤役になる。
図7に示すように、ボーナス遊技状態の発生条件はBB又はRBの成立である。所定回数(例えば12回)のゲームが終了するか又は所定回数(例えば8回)の成立が実現するとことにより移行条件が成立し、遊技状態が一般遊技状態へ移行する。
持越状態の発生条件は、BB又はRBに内部当籤することであり、BB又はRBが成立することにより移行条件が成立し遊技状態がボーナス遊技状態へ移行し、1回若しくは複数回のRB遊技が可能になる。
[パチスロ機1の図柄組合せと払い出し枚数の関係]
次に、図8を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の役と図柄組合せと払出枚数との関係について説明する。図8は、実施例1に係るパチスロ機1の役と図柄組合せと払出枚数との関係を説明するための説明図である。同図に示すように、この図柄組合せテーブルは、いずれかの有効ライン(8a〜8e、図3参照)上の3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄の組合せに対応する表示役と、表示役に対応する投入枚数(BET数1または3)毎の払出枚数の情報とを備えている。また、この図柄組合せテーブルは、全リール3L,3C,3Rが停止した後、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて払出枚数を決定する場合に参照される。なお、以下では、投入枚数が3の場合について説明し、投入枚数が2の場合の払出枚数は省略する。
このうち、BB1は、“赤7−赤7−赤7”が有効ラインに沿って並ぶことにより入賞が成立し(表示役がBB1となる)、また、BB2は、“青7−青7−青7”が有効ラインに沿って並ぶことにより入賞が成立する(表示役がBB2となる)。
ベル2の小役は、“ANY−ベル2−ANY”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する入賞役である。つまり、この「ベル2の小役」は、全てのリールにおいて有効ライン上にベル1の図柄が停止表示されることで入賞が成立する3リール役のベル1の小役(一般的に採用されているベルの小役)とは相違し、ベル2図柄が中リール位置に停止表示されるだけで入賞が成立する「1リール役」の入賞役である。
このように、特定の図柄(例えば、ベル2図柄)が単独で停止表示されるだけで入賞が成立する「1リール役」を中リール位置(例えば、any−ベル2−any)に採用することで、遊技性を演出する上で特に重要な左リールに1リール役の構成図柄を配置することを不要にし、左リールに魅力的な図柄配列を行うことができるようにしている。
一方、ベル1の小役は、“ベル1−ベル1−ベル1”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する入賞役である。このベル1の小役は、ベル2図柄が中リール位置に停止表示されるだけで入賞が成立する1リール役のベル2の小役とは相違し、中リール位置および右リール位置それぞれにもベル1図柄が停止表示されることにより初めて入賞が成立する「3リール役」の入賞役である。
ここで、実施例1に係るパチスロ機1では、「ベル2の小役」を1リール役として認識させることにより遊技者に生じる違和感を解消するために、内部では1リール役として処理される「ベル2の小役」を遊技者には3リール役「ベル1の小役」のように体感させるリール停止制御を行うが(詳細は10図を用いて後述する)、かかるリール停止制御とともに払出し枚数の観点からもベル1の小役およびベル2の小役を遊技者に同一視させることができるようにしている。
これを具体的に説明すると、図8に示す図柄組合せテーブルでは、ベル2の小役として、中リール位置を1リール役とした図柄の組合せ(any−ベル2−any)を記憶しており、さらに、3リール役「ベル1の小役」の入賞が成立した場合(すなわち、「ベル1−ベル1−ベル1」が停止表示された場合)に払い出すメダル枚数としてベル2の小役入賞時の払出し枚数の三倍値を記憶している。
このような図柄組合せテーブルを採用した上で、実施例1に係るパチスロ機1は、「ベル2の小役」が当選した場合には、センターライン8C、クロスダウンライン8eおよびクロスアップライン8aの三つの有効ラインが交差する中リール中段位置にベル2図柄が停止表示されるように停止制御を行う。
例えば、図9に示すように、ベル1の小役およびベル2の小役が停止表示された場合の表示役特定処理(詳細は図27を用いて説明する)を例に挙げて説明すると、パチスロ機1のCPU31は、ベル2の小役が入賞した場合には、1リール役入賞時の払出し枚数(5)×入賞時の有効ライン数(3)=「15」をメダル払出し枚数として特定し、さらに、ベル1の小役が入賞した場合には、3リール役入賞時の払出し枚数(15)×入賞時の有効ライン数(1)=「15」をメダル払出し枚数として特定する。
このように、1リール役(any−ベル2−any)を中リール位置に採用した際には、3リール役(ベル1−ベル1−ベル1)の入賞が成立した場合に払い出すメダル枚数を1リール役入賞時の払出し枚数の三倍とし、当該中リール位置の1リール役が当選した場合には、中段ライン、右下がりラインおよび右上がりラインの三つの有効ラインが交差する中リール中段位置にベル2図柄が停止表示されるように停止制御を行うことで、ベル1の小役とベル2の小役との間で遊技者に付与される利益(払出し枚数)が同一となることから、払出し枚数の観点からもベル1の小役およびベル2の小役を同一視させることができる。
[パチスロ機1の停止テーブル]
次に、図10を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用する停止テーブルについて説明する。図10は、実施例1においてパチスロ機1が採用する停止テーブルの構成例を示す図である。この図10は、ベル1の小役またはベル2の小役に対応する図柄の組合せを中段のラインに停止させるようにした停止テーブルを表すベル1用停止テーブルおよびベル2用停止テーブルの一例を示している。
停止テーブルは、基本的に、所定の図柄組合せ(対応役の図柄組合せ)を所定の表示ライン(有効ライン)にそって並べることが可能に構成されている。だだし、ハズレに対応する停止テーブルは、役に対応する図柄組合せが所定の表示ラインに沿って並べることができないように構成されている。
そして、停止テーブルは、左(3L)・中(3C)・右(3R)リールのそれぞれについて、遊技者が実際に停止操作を行った位置の図柄のコードナンバーを表す停止操作位置と、停止表示させるよう制御する図柄のコードナンバーとを対応づけて格納している。ここで、停止操作位置は、左(3L)・中(3C)・右(3R)の各リールに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作された場合に、中段のラインに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心が中段のラインの上方に位置し、その中心が中段のラインの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表す。また、停止制御位置は、停止操作が行われたリールが停止したとき、中段のラインの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表す。
ここで、実施例1に係るパチスロ機1では、3リール役(ベル1−ベル1−ベル1)および1リール役(any−ベル2−any)に同一の数値範囲の情報を付与した確率抽籤テーブルを構成している(詳細は図11を用いて後述する)ので、後述する確率抽籤処理(詳細は図21および図22を用いて後述する)では、ベル1の小役またはベル2の小役のいずれかが排他的に当籤することはなく、ベル1の小役とベル2の小役が必ず同時当籤するようになる。
このため、かかるパチスロ機1は、ベル1の小役とベル2の小役が同時当籤した場合に、有効ライン上の中リール位置にベル1図柄またはベル2図柄が停止表示されるとともに他リール位置にベル1図柄が停止表示されるように停止制御を行う。
具体的に例を挙げて説明すると、このパチスロ機1は、左リール3Lおよび右リール3Rに停止表示させるべき図柄はベル1の小役およびベル2の小役の両者ともベル1図柄であるから、左リール3Lにおいては、左リールの停止操作位置に応じてコードナンバー「03」、「07」、「11」、「15」または「19」のうちいずれかのベル1図柄がセンターライン8cに停止表示されるように停止制御を行い、また、右リール3Rにおいては、右リールの停止操作位置に応じてコードナンバー「02」、「06」、「09」、「14」または「18」のうちいずれかのベル1図柄がセンターライン8cに停止表示されるように停止制御を行う。
一方、中リール3Cにおいては、このパチスロ機1は、中ストップボタン7Cの押下タイミング、すなわち中リールの停止操作位置がコードナンバー「04」〜「07」および「16」〜「19」以外である場合には、「ベル1の小役」の中図柄を構成するベル1図柄をセンターライン8c上に停止表示させるべく、当該停止操作位置に対応するコードナンバー「08」、「11」または「20」のベル1図柄をセンターライン8cに引き込む停止制御を行う。また、中ストップボタン7Cの押下タイミング、すなわち中リールの停止操作位置がコードナンバー「04」〜「07」および「16」〜「19」である場合には、「ベル2の小役」の中図柄を構成するベル2図柄をセンターライン8c上に停止表示させるべく、当該停止操作位置に対応するコードナンバー「4」または「16」のベル2図柄をセンターライン8cに停止させる停止制御を行う。なお、実施例1では、引込み制御可能な滑りコマ数を最大4コマとしている。
かかる「引込み制御」とは、基本的に、有効ラインが結ぶ図柄停止位置(以下「有効図柄停止位置」という)に、最大滑りコマ数4の条件下で引込み対象役(内部当籤役)に対応する図柄組合せを構成する図柄(以下「引込み対象図柄」という)を表示するように、停止制御の対象であるリール(停止操作に対応するリール)を停止させることをいう。ただし、「引込み制御」を試みたが、最大滑りコマ数が4の範囲で「引込み」が実現できない場合には、基本的に内部当籤役に対応する停止テーブルをセットし、停止操作に対応するリールの停止制御を行う。
このように、3リール役(ベル1−ベル1−ベル1)および1リール役(any−ベル2−any)に対応する数値範囲が同一範囲であって、3リール役と1リール役が必ず同時当籤し、このように同時当籤した場合には、有効ライン上の中リール位置にベル1図柄またはベル2図柄が停止表示されるとともに他リール位置にベル1図柄が停止表示されるように停止制御を行うので、ベル1図柄またはベル2図柄のいずれか一方が中リール位置に停止表示されるように停止制御を行えばよく、過度に厳しい状況下で停止対象図柄への引込み制御を行う必要がなくなり、中リールの引込み制御を容易に行うことができる。
さらに、ベル1図柄またはベル2図柄のいずれか一方が中リール位置に停止表示されるように停止制御を行えばよくなるので、中リールの図柄配列として、ベル1の小役を構成するベル1図柄およびベル2の小役を構成するベル2図柄の両者を最大滑りコマ数(4コマ)以内の間隔でリールに配置する必要はなく、ベル1図柄またはベル2図柄のいずれかを4コマ以内の間隔で中リールに配置すればよくなり、中リールの図柄配列の自由度を向上させることもできる。
また、実施例1に係るパチスロ機1では、ベル2図柄が中リール3Cに停止表示されるだけで「ベル2の小役」の入賞条件を満たすにも拘らず、同様のデザインであるベル1図柄が他リール(左リール3L及び右リール3R)に停止表示されるように停止制御を行うので、内部では1リール役として処理される「ベル2の小役」を遊技者には3リール役「ベル1の小役」のように体感させることが可能なことから、1リール役が左リール以外の他リール位置で成立する違和感を解消することができる。
さらに、実施例1に係るパチスロ機1では、ベル1の小役またはベル2の小役のいずれに対応する図柄の組合せを停止表示させる場合でも、それぞれ停止表示される図柄の組合せ(「ベル1−ベル1−ベル1」並びに「ベル1−ベル2−ベル1」)が必ずセンターライン上に停止表示されるように停止制御を行うので、ベル1の小役およびベル2の小役の間で停止表示される図柄の組合せだけでなく、停止表示される有効ラインについても同一化することが可能なことから、1リール役が左リール以外の他リール位置で成立する違和感をより効果的に解消することができる。
[パチスロ機1の確率抽籤テーブル]
次に、図11を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用する確率抽籤テーブルの一例を説明する。図11は、実施例1においてパチスロ機1が採用する確率抽籤テーブル(BET数:1または3)の一例を示す図である。
図11(1)は、一般遊技状態用確率抽籤テーブルを示す。この一般遊技状態用確率抽籤テーブルは、当籤役に対応する数値範囲の下限値および上限値の情報を格納している。また、この一般遊技状態では、BB1、BB2、RB、リプレイの小役、プラムの小役、スイカの小役及びベル1とベル2の小役に内部当籤する場合がある。
このうち、BET数が3の場合の確率抽籤テーブルについて具体的に説明すると、BB1に対応する数値範囲は“0〜23”であり、BB1内部当籤となる数値範囲の下限値は“0”であり、上限値は“23”である。BB2に対応する数値範囲は“24〜47”であり、BB2内部当籤となる数値範囲の下限値は“24”であり、上限値は“47”である。また、RBに対応する数値範囲は“48〜60”であり、RB内部当籤となる数値範囲の下限値は“48”であり、上限値は“60”である。
ここで、ベル1に対応する数値範囲は“2657〜4656”であり、また、ベル2に対応する数値範囲も“2657〜4656”と同一であるので、ベル1内部当籤及びベル2内部当籤となる数値範囲の下限値並びに上限値も、当然のことながら、同様となる。
図11(2)は、持越遊技状態用確率抽籤テーブルを示す。この持越遊技状態では、リプレイの小役、プラムの小役、スイカの小役及びベル1とベル2の小役に当籤する場合がある。この持越遊技状態においても一般遊技状態と同様であり、ベル1に対応する数値範囲及びベル2に対応する数値範囲は、それぞれ“2595〜4594”と同一である。なお、BB1、BB2及びRBに当籤することはない。
図11(3)は、RB遊技状態用確率抽籤テーブルを示す。このRB遊技状態では、プラムの小役、スイカの小役及びベル1とベル2の小役に当籤する場合がある。このRB遊技状態においても、ベル1に対応する数値範囲及びベル2に対応する数値範囲は、それぞれ“350〜16382”と同様である。
このように、ベル1の小役とベル2の小役の数値範囲の情報は、遊技状態を問わず、常に同一の数値範囲が格納されているので、ベル1の小役とベル2の小役は必ず同時当籤することとなり、いずれかの役のみが排他的に当籤することはない。
かかる同時当籤の内容をより具体的に説明するために、確率抽籤テーブルを用いた当籤番号の決定(抽籤)を説明する。例えば、一般遊技状態においては、後述する抽籤回数テーブル(図12参照)が定めるように、抽籤回数「8回」と同じ当籤番号「8」から降順に当籤番号が「0」になるまで、乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値に示される数値範囲内にあるか否かを判断する。
具体的に例を挙げて説明すると、サンプリング回路37によって乱数値“3001”がサンプリングされたならば、CPU31は、一般遊技状態用確率抽籤テーブルを参照して、当該乱数値が当籤番号「8」に対応する数値範囲“24〜47”に含まれるか否かを判定する。
より詳細には、CPU31は、当籤番号「8」について乱数値R(3001)−下限値L(24)を計算し、乱数値R(3001)−下限値L(24)の計算結果が正となるので、CPU31は、乱数値R(3001)−上限値U(47)をさらに計算する。このとき、計算結果(R−U)が正となるので(下限値L≦上限値≦乱数値Rと確認されるので)、CPU31は、当籤番号「8」に不当籤、すなわちBB2に不当籤と判定する。このように、CPU31は、当籤番号を1つずつデクリメントして当籤番号「7」、「6」、「5」、「4」、「3」と降順に抽籤を行っていくが、当籤番号「7」〜「3」についても、当籤番号「8」と同様に、乱数値R−上限値Lの計算結果が正になるので、不当籤と判定することとなる。
そして、当籤番号「2」の抽籤においては、乱数値R(3001)−下限値L(2657)の計算結果が正となるので、CPU31は、乱数値R(3001)−上限値U(4656)をさらに計算する。このとき、計算結果(R−U)が負となるので(下限値L≦乱数値R≦上限値Uと確認されるので)、CPU31は、当籤番号「2」に内部当籤(ベル2の小役に内部当籤)と判定する。さらに、当籤番号「1」に対応する数値範囲は当籤番号「2」と同一であるから、CPU31は、当籤番号「1」にも内部当籤(ベル1の小役にも内部当籤)と判定することとなる。
このようにして、当籤番号が「0」になるまで抽籤を繰り返すことで、当籤番号「2」及び「1」に内部当籤した(ベル1の小役及びベル2の小役に同時当籤した)という抽籤結果を得ることができる。
[パチスロ機1の抽籤回数テーブル]
次に、図12を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用する抽籤回数テーブルの一例を説明する。図12は、実施例1においてパチスロ機1が採用する抽籤回数テーブルの一例を示す図である。
同図に示すように、抽籤回数決定テーブルは、各遊技状態(一般遊技状態、持越状態、RB遊技状態)ごとの抽籤回数を対応づけて格納している。ここで、持越状態とは、例えば、BB1が内部的に当籤しているが、“赤7−赤7−赤7”が揃っていないため未だBB1が成立していない状態を指し、BB1遊技状態とは、BB1が成立している状態を指す。一般遊技状態とは、上述の2つの状態以外の状態をいう。また、抽籤回数とは、確率抽籤処理内で、確率抽籤テーブルを参照して乱数値が当籤しているか否かを判断する回数をいう。抽籤回数の使用方法については、後述する確率抽籤処理内で説明する。
[パチスロ機1の引込み優先順位テーブル]
次に、図13を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用する引込み優先順位テーブルの一例を説明する。図13は、実施例1においてパチスロ機1が採用する引込み優先順位テーブルの一例を示す図である。
同図に示すように、引込み優先順位テーブルは、内部当籤役が2つある場合、または、内部当籤役と持越役とがある場合に、有効ライン上に引込む図柄の組合せの優先順位の情報を格納している。リプレイ、BB1,BB2,RB、ベル1、スイカ、ベル2、プラムの順に引込み優先順位が高い。例えば、内部当籤役と持越役とがあり、内部当籤役がリプレイで持越役がBB1の場合には、リプレイに対応した停止テーブルに基づいて、リプレイを優先して引込むように3つのリール(3L,3C,3R)の停止制御を行う。
[パチスロ機1の内部当籤役決定テーブル]
次に、図14を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用する内部当籤役決定テーブルの一例を説明する。図14は、実施例1においてパチスロ機1が採用する内部当籤役決定テーブルの一例を示す図である。
同図に示すように、内部当籤役決定テーブルは、各遊技状態に応じて、内部当籤役の内容と内部当籤役を識別する情報である2進数のデータとを当籤番号に対応づけて格納している。この2進数のデータはフラグと呼ばれ、各々1バイトのデータである。
一般遊技状態を例にとって説明すると、当籤番号が0で、内部当籤役を識別する情報が“00000000”である場合には、内部当籤役はハズレである。同様に、当籤番号が1で、内部当籤役を識別する情報が“10000000”である場合には、内部当籤役はベル1である。また同様に、当籤番号が2で、内部当籤役を識別する情報が“01000000”である場合には、内部当籤役はベル2である。さらに同様に、当籤番号が3で、内部当籤役を識別する情報が“00100000”である場合には、内部当籤役はスイカである。また同様に、当籤番号が4で、内部当籤役を識別する情報が“00010000”である場合には、内部当籤役はプラムである。さらに同様に、当籤番号が5で、内部当籤役を識別する情報が“00000001”である場合には、内部当籤役はリプレイである。また同様に、当籤番号が6で、内部当籤役を識別する情報が“00001000”である場合には、内部当籤役はRBである。さらに同様に、当籤番号が7で、内部当籤役を識別する情報が“00000100”である場合には、内部当籤役はBB1である。また同様に、当籤番号が8で、内部当籤役を識別する情報が“00000010”である場合には、内部当籤役はBB2である。
[パチスロ機1の各格納領域]
次に、図15を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用する内部当籤役、持越役および乱数の格納領域の一例について説明する。図15は、実施例1においてパチスロ機1が採用する内部当籤役、持越役および乱数の格納領域の一例を示す図である。
図15の(1)は、内部当籤役格納領域を示す。この内部当籤役格納領域では、1バイトからなる内部当籤役の情報(データ)を格納している。内部当籤役格納領域において、ビット0(第1ビット)はリプレイに、ビット1(第2ビット)はBB1(赤7)に、ビット2(第3ビット)はBB2(青7)に、ビット3(第4ビット)はRBに、ビット4(第5ビット)はプラムに、ビット5(第6ビット)はスイカに、ビット6(第7ビット)はベル2に、ビット7(第8ビット)はベル1にそれぞれ対応する。そして、内部当籤役格納領域にデータが格納されるとデータ欄が1となり、そのビットに対応するものが内部当籤役となる。例えば、内部当籤役格納領域に“11000000”が格納されているとき(ビット6(第7ビット)及びビット7(第8ビット)が1のとき)の内部当籤役は、ベル1の小役及びベル2の小役である。
図15の(2)は、持越役格納領域を示す。この持越役格納領域において、ビット1(第2ビット)はBB1に、ビット2(第3ビット)はBB2に、ビット3(第4ビット)はRBにそれぞれ対応し、ビット0(第1ビット)およびビット4(第5ビット)〜ビット7(第8ビット)は未使用の格納領域である。そして、持越役格納領域に持越役であるBB1、BB2またはRBのデータが格納されると、ビット1、ビット2またはビット3のデータ欄が1となり、そのビット1、ビット2またはビット3に対応するBB1、BB2またはRBが持越役となる。
図15の(3)は、乱数格納領域を示す。この乱数格納領域には、サンプリング回路37によって乱数発生器36から取得された乱数値(すなわち、0〜16383の数値)が格納されている。
[パチスロ機1のリール停止初期設定テーブル]
次に、図16を用いて、実施例1においてパチスロ機1が採用するリール停止初期設定テーブルの一例について説明する。図16は、実施例1においてパチスロ機1が採用するリール停止初期設定テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、リール停止初期設定テーブルは、ストップ用セレクトカウンタの値0〜8の各々に対応する停止テーブルの情報を格納している。ストップ用セレクトカウンタには、基本的に、内部当籤した当籤役の当籤番号がセットされる(図14参照)。
[パチスロ機1の主制御回路処理]
次に、図17を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の主制御回路処理の流れについて説明する。図17は、実施例1に係るパチスロ機1の主制御回路処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、この主制御回路71では、まずCPU31は、遊技開始時の初期化処理(RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等)を行った後に(ステップS1)、ゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容(例えば、内部当籤役を記憶する記憶領域の記憶内容)を消去する(ステップS2)。具体的には、前ゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次ゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
その後、CPU31は、スタートスイッチ6S、メダルセンサ10S又はBETスイッチ13Sからの入力に基づいてBET数を更新する等のメダル投入・スタートチェック処理(後に図19を用いて詳述)を行ない(ステップS3)、確率抽籤処理(後に図21および図22を用いて詳述)に使用する抽籤用の乱数を抽出する(ステップS4)。
そして、CPU31は、ボーナス遊技状態(BB遊技状態又はRB遊技状態)、持越状態又は一般遊技状態のいずれの状態であるかを監視する遊技状態監視処理(後に図20を用いて詳述)を行い(ステップS5)、かかるボーナス遊技状態、持越状態又は一般遊技状態での内部当籤役を確率抽籤テーブルに基づいて決定する確率抽籤処理を行う(ステップS6)。
続いて、CPU31は、リール停止初期設定処理(後に図23を用いて詳述)を行い(ステップS7)、遊技状態、内部当籤役、初期決定処理で決定された停止テーブルなどの情報を含んだスタートコマンドを副制御回路72に送信する(ステップS8)。
そして、CPU31は、前回のリール回転開始から“4.1秒”以上経過しているか否かを判定する(ステップS9)。その結果、“4.1秒”以上経過していない場合には(ステップS9否定)、CPU31は、ゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト処理)を行う(ステップS10)。また、これとは反対に“4.1秒”以上経過していた場合には(ステップS9肯定)、CPU31は、そのままステップS11に移行する。つまり、前回のゲームが開始してから所定時間(4.1秒)経過するまでの間は、遊技者によるゲーム開始操作を無効にしているのである。
その後、CPU31は、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマを含むゲーム監視用タイマに「40000ms」をセットし(ステップS11)、全リールの回転開始をモータ駆動回路39に要求する(ステップS12)。
続いて、CPU31は、リール停止許可コマンドを送信して(ステップS13)、リール停止制御処理(後に図24を用いて詳述)を行う(ステップS14)。この後に、CPU31は、図柄表示領域21L,21C,21Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)と払出枚数を特定するための表示役特定処理(後に図27を用いて詳述)を行って(ステップS15)、エラーチェック処理を行った後(ステップS16)、表示役コマンドを送信する(ステップS17)。
その後、CPU31は、メダル払出処理を行った後(ステップS18)、払出枚数に基づいてボーナス終了枚数カウンタを更新し、払出終了コマンドを送信する(ステップS19)。ここで、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する。
そして、CPU31は、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグはオンか否かを判別する(ステップS20)。その結果、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグがオンではない場合には(ステップS20否定)、CPU31は、ボーナス作動チェック処理(後に図28を用いて詳述)を行って(ステップS21)、ステップS3に戻る。これとは反対に、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグがオンである場合には(ステップS20肯定)、CPU31は、ボーナス終了チェック処理(後に図29を用いて詳述)を行って(ステップS22)、ステップS3に戻る。
[パチスロ機1の割込処理]
次に、図18を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の割込処理の流れについて説明する。図18は、実施例1に係るパチスロ機1の割込処理の流れを示すフローチャートである。なお、この割込処理は、1.1ms毎に定期的に行われるものである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、まず、入力ポートのチェック処理を行う(ステップS23)。具体的には、スタートレバー6の操作によるスタートスイッチ6からの入力等の有無を確認する。この後、CPU31は、通信データの送信処理を行った後(ステップS24)、リール制御処理を行う(ステップS25)。具体的には、制御対象のリールを示す情報をリール識別子として設定し、そのリールの駆動を制御する。
続いて、CPU31は、7SEG駆動処理を行った後(ステップS26)、ランプ駆動処理を行う(ステップS27)。具体的には、ゲームに賭けられているメダルの枚数に基づいてBETランプ17a〜17cを点灯させる。また、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、役の入賞成立時のメダルの払出枚数等をクレジット表示部19に表示させる。そして、CPU31は、タイマ管理処理を行って(ステップS28)、1.1ms後に再び割込処理を開始する。
[パチスロ機1のメダル投入・スタートチェック処理]
次に、図19を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のメダル投入・スタートチェック処理の流れについて説明する。図19は、実施例1に係るパチスロ機1のメダル投入・スタートチェック処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、パチスロ機1のCPU31は、メダルセンサ・BETスイッチのチェックを行う(ステップS29)。具体的には、CPU31は、メダルセンサ10S又はBETスイッチ13Sからの入力チェックを行う。次に、CPU31は、メダルが投入されたか否かを判定する(ステップS30)。具体的には、メダルセンサ10S又はBETスイッチ13Sからの信号を検出したか否かによってメダルが投入されたか否かを判定する。
その結果、メダルが投入されていた場合には(ステップS30肯定)、CPU31は、投入枚数カウンタの更新を行って(ステップS31)、投入枚数に応じたラインを有効化した後(ステップS32)、BETコマンドの送信を行う(ステップS33)。これとは反対に、メダルが投入されていない場合には(ステップS30否定)、CPU31は、ステップS29に戻る。
BETコマンド送信後、CPU31は、スタートスイッチがオンか否かを判定する(ステップS34)。その結果、スタートスイッチがオンである場合には(ステップS34肯定)、CPU31は、図17に示すステップS4に戻る。これとは反対に、スタートスイッチがオンではない場合には(ステップS34否定)、CPU31は、ステップS29に戻る。
[パチスロ機1の遊技状態監視処理]
次に、図20を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の遊技状態監視処理の流れについて説明する。図20は、実施例1に係るパチスロ機1の遊技状態監視処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、まず、RB作動中フラグ或いはBB作動中フラグはオンか否かを判定する(ステップS35)。その結果、RB作動中フラグ或いはBB作動中フラグがオンである場合には(ステップS35肯定)、CPU31は、RB遊技状態をセットし(ステップS36)、図17に示すステップS6に戻る。
一方、RB作動中フラグ及びBB作動中フラグがオンでない場合には(ステップS35否定)、CPU31は、持越役がセットされているか否かを判定する(ステップS37)。その結果、持越役がセットされている場合には(ステップS37肯定)、CPU31は、持越状態をセットし(ステップS38)、図17に示すステップS6に戻り、また、持越役がセットされていない場合には(ステップS37否定)、一般遊技状態をセットし(ステップS39)、図17に示すステップS6に戻る。
[パチスロ機1の確率抽籤処理]
次に、図21おおよび図22を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の確率抽籤処理の流れについて説明する。図21は、実施例1に係るパチスロ機1の確率抽籤処理の流れを示すフローチャート1であり、図22は、実施例1に係るパチスロ機1の確率抽籤処理の流れを示すフローチャート2である。
図21に示すように、パチスロ機1のCPU31は、まず、遊技状態に応じて確率抽籤処理に用いる確率抽籤テーブルを一般遊技状態用、持越状態用及びRB遊技状態用の確率抽籤テーブルの中から決定するとともに、抽籤回数テーブル(図12参照)に基づいて、当該遊技状態に応じた抽籤回数を決定し(ステップS40)、持越役格納領域(図15の(3)参照)に格納されているデータが0か否か(つまり、持越役の有無)を判定する(ステップS41)。
その結果、持越役格納領域に格納されているデータが0でない場合には(ステップS41否定)、CPU31は、遊技状態に応じて抽籤回数を変更する(ステップS42)。この場合、持越状態であるので、CPU31は、抽籤回数テーブルに基づいて、抽籤回数を5に変更する(持越状態で当籤番号6、7および8が内部当籤することを避けるためである)。これとは反対に、持越役格納領域に格納されているデータが0である場合には(ステップS41肯定)、CPU31は、抽籤回数を変更することなく、ステップS40において決定した抽籤回数をそのまま採用する。
続いて、CPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてレジスタにセットする(ステップS43)。その後、CPU31は、遊技状態に対応する確率抽籤テーブル(図11参照)を参照し、当籤番号と投入枚数とに基づいて、乱数値の下限値(L)を取得し(ステップS44)、RAM33の乱数格納領域(図15の(3)参照)に格納されている乱数値(R)から下限値(L)を減算(R−L)する(ステップS45)。
次に、CPU31は、桁かりが行われたか否か、すなわちR−Lの計算結果が負であるか否かを判定する(ステップS46)。なお、このとき、このR−Lの計算結果が負となるのは、下限値(L)より乱数値(R)の方が小さい場合(L>R)であり、R−Lの計算結果が負とならないのは、下限値(L)より乱数値(R)の方が大きいか、又は下限値(L)と乱数値(R)が等しい場合(L≦R)である。
ここで、桁かりが行われなかった場合(すなわち、R−Lの計算結果が0以上であり、当該当籤番号での不当籤が確認できない場合)には(ステップS46否定)、CPU31は、再度確率抽籤テーブルを参照し、当籤番号と投入枚数とに基づいて、乱数値の上限値(U)を取得し(ステップS47)、RAM33の乱数格納領域に格納されている乱数値(R)から上限値(U)を減算(R−U)する(ステップS48)。なお、これとは反対に、桁かりが行われた場合(すなわち、R−Lの計算結果が負であり、当該当籤番号での不当籤が確認された)場合には(ステップS46肯定)、CPU31は、後述するステップS55に移行する。
続いて、CPU31は、かかる減算により得られた値、具体的には、R−Uの計算結果が“0”であるか否かを判定する(ステップS49)。なお、このとき、R−Uの計算結果が“0”となるのは、乱数値(R)と上限値(U)が等しい場合(R=U)であり、R−Uの計算結果が“0”とならないのは、乱数値(R)と上限値(U)が等しくない場合(R≠U)である。
このとき、かかる計算結果が“0”でない場合(すなわち、R≠Uである場合)には(ステップS49否定)、CPU31は、桁かりが行われたか否かを判定する(ステップS50)。具体的には、上記のステップS46と同様に、R−Uの計算結果が負であるか否かを判定する。このとき、R−Uの計算結果が負となるのは、乱数値(R)が上限値(U)を下回っている場合(R<U)であり、また、R−Uの計算結果が負とならないのは、乱数値(R)が上限値(U)を上回っている場合(R>U)である。なお、R−Uの計算結果が“0”である場合には(ステップS49肯定)、CPU31は、ステップS51に移行する(R=Uであり、当該当籤番号での当籤が確認されるからである)。
ここで、桁かりが行われた場合(すなわち、L≦R<Uであり、当該当籤番号での当籤が確認された場合)には(ステップS50肯定)、CPU31は、当籤番号をRAM33の内部抽籤結果情報格納領域に格納する(ステップS51)。なお、本実施例1に係る確率抽籤テーブルでは、ベル1とベル2が数値範囲「2657〜4656」と同一の数値範囲を有しているため、これらのうちいずれかの数値範囲に該当する乱数値を取得した場合には、ベル2(当籤番号2)とベル1(当籤番号1)が同時当籤することとなる。
続いて、CPU31は、内部当籤役決定テーブル(図14参照)を参照し、内部抽籤結果情報格納領域に格納された当籤番号に基づいて、内部当籤役を決定する(ステップS52)。
そして、CPU31は、内部当籤役とボーナスチェックデータ(例えば、「00001110」)の論理積をとり、持越役格納領域(図15の(2)参照)との論理和を持越役格納領域に格納する(ステップS53)。その後、CPU31は、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域(図15の(1)参照)に格納する(ステップS54)。
続いて、CPU31は、抽籤回数を1減算し(ステップS55)、抽籤回数が0か否かを判定する(ステップS56)。ここで、抽籤回数が0である場合は、乱数値(R)が上限値(U)と下限値(L)とにより規定された数値範囲に含まれるか否かを判別した回数が、一般遊技状態では8回、持越状態では5回、RB遊技状態では4回の場合である(図12参照)。一方、抽籤回数が0でない場合は、各々の遊技状態における判別回数が所定回数未満の場合である。
その結果、抽籤回数が0である場合には(ステップS56肯定)、CPU31は、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を決定する(ステップS57)。なお、このとき、当籤役がない場合(ハズレである場合)には、当籤番号0をセットする。
そして、CPU31は、内部当籤役とボーナスチェックデータ(例えば、「00001110」)の論理積をとり、持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納し(ステップS58)、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納して(ステップS59)、図17に示すステップS7に戻る。ここでステップS56の説明に戻ると、抽籤回数が0でない場合には(ステップS56否定)、CPU31は、上記のステップS43に戻る。
[パチスロ機1のリール停止初期設定処理]
次に、図23を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のリール停止初期設定処理の流れについて説明する。図23は、実施例1に係るパチスロ機1のリール停止初期設定処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、RAM33の内部抽籤結果情報格納領域から当籤番号を取得後(ステップS60)、当籤番号は0であるか否かを判定する(ステップS61)。その結果、当籤番号が0である場合には(ステップS61肯定)、CPU31は、持越役格納領域のデータと作動役チェックデータ(ボーナスフラグ(例えば、「00001110」)がたっているかをチェックするデータ)の論理積をとり(ステップS62)、その論理積が0であるか否かを判定する(ステップS63)。なお、当籤番号が0でない場合には(ステップS61否定)、CPU31は、内部当籤役に応じた当籤番号をストップ用セレクトカウンタに格納して(ステップS64)、ステップS66に移行する。
その結果、論理積が0である場合には(ステップS63肯定)、当籤番号が0であり、かつ、持越役もないことが確認されるので、CPU31は、ストップ用セレクトカウンタに0(ハズレ)を格納し(ステップS64)、ステップS66に移行する。
また、これとは反対に、論理積が0でない場合には(ステップS63否定)、CPU31は、持越役格納領域のデータを番号化し、ボーナスの種別に応じて所定値(例えば、RBには“2”、BB1には“4”、BB2には“6”)を加算してストップ用セレクトカウンタに格納する(ステップS65)。そして、CPU31は、リール停止初期設定テーブル(図16参照)に基づいて停止テーブルを決定、格納して(ステップS66)、図17に示すステップS8に戻る。
[パチスロ機1のリール停止制御処理]
次に、図24を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のリール停止制御処理の流れについて説明する。図24は、実施例1に係るパチスロ機1のリール停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、有効なストップスイッチがオンされたか否か(つまり、停止スイッチ7LS,7SC,7RSからの入力があるか否か)を判定する(ステップS67)。その結果、有効なストップスイッチがオンされていない場合には(ステップS67否定)、CPU31は、自動停止タイマが0か否かを判定する(ステップS68)。これとは反対に、有効なストップスイッチがオンされている場合には(ステップS67肯定)、CPU31は、ステップS72に移行する。なお、この自動停止タイマは、遊技者によって既にリールのいずれか一つが停止されている場合でも他のリールを右側から自動停止制御するために用いられる。
ここでステップS68の説明に戻ると、自動停止タイマが0である場合には(ステップS68肯定)、CPU31は、より右側のリールを停止制御の対象とする(ステップS69)。これにより、例えば、複数のリールが回転中の時には、右側のリールから自動停止する。そして、CPU31は、停止制御の対象となるリールが第3停止であるか否かを判定する(ステップS70)。その結果、第3停止である場合には(ステップS70肯定)、CPU31は、自動第3停止処理を行う(ステップS71)。
続いて、CPU31は、滑りコマ数決定処理(後に図25を用いて詳述)を行い(ステップS72)、リール停止コマンドを送信後(ステップS73)、滑りコマ数分、リールが回転するのを待ち(ステップS74)、リールの回転停止を要求する(ステップS75)。
リールの回転停止要求後、CPU31は、第2停止後か否かを判定する(ステップS76)。その結果、第2停止後である場合には(ステップS76肯定)、CPU31は、表示役の予想のため、現在の図柄の組合せを格納する(ステップS77)。これとは反対に、第2停止後ではない場合には(ステップS76否定)、CPU31は、ステップS78に移行する。
図柄の組合せ格納後、CPU31は、最後のリールの停止か否かを判定する(ステップS78)。その結果、最後のリールの停止である場合には(ステップS78肯定)、CPU31は、図17に示すステップS15に戻る。これとは反対に、最後のリールの停止でない場合には(ステップS78否定)、CPU31は、ステップS67に戻る。
[パチスロ機1の滑りコマ数決定処理]
次に、図25を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の滑りコマ数決定処理の流れについて説明する。図25は、実施例1に係るパチスロ機1の滑りコマ数決定処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、内部当籤役がボーナスのみか否かを判定する(ステップS79)。その結果、内部当籤役がボーナスのみである場合には(ステップS79肯定)、CPU31は、ボーナスに対応する停止テーブルをセットし(ステップS80)、ステップS84に移行する。これとは反対に、内部当籤役がボーナスのみでない場合には(ステップS79否定)、CPU31は、当籤役に小役も含むか否かを判定する(ステップS81)。その結果、小役を含む場合には(ステップS81肯定)、CPU31は、ボーナス+小役用滑りコマ数決定処理(後に図26を用いて詳述)を行って(ステップS82)、図24に記載のステップS73に戻る。
これとは反対に、当籤役に小役も含まない場合には(ステップS81否定)、CPU31は、内部当籤役に対応する停止テーブルをセットする(ステップS83)。そして、CPU31は、遊技者の停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定してセットし(ステップS84)、図24に記載のステップS73に戻る。
[パチスロ機1のボーナス+小役滑りコマ数決定処理]
次に、図26を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のボーナス+小役滑りコマ数決定処理の流れについて説明する。図26は、実施例1に係るパチスロ機1のボーナス+小役滑りコマ数決定処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、テーブル制御フラグオンか否かを判定する(ステップS85)。その結果、テーブルフラグオンである場合には(ステップS85肯定)、CPU31は、遊技者の停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定してセットし(ステップS86)、図24に記載のステップS73に戻る。
これとは反対に、テーブル制御フラグオンでない場合には(ステップS85否定)、CPU31は、滑りコマ数0で引込み対象図柄を表示可能か否かを判定する(ステップS87)。その結果、表示可能でない場合には(ステップS87否定)、CPU31は、滑りコマ数1で引込み対象図柄が表示可能か否かを判定する(ステップS88)。その結果、表示可能でない場合には(ステップS88否定)、CPU31は、滑りコマ数2で引込み対象図柄が表示可能か否かを判定する(ステップS89)。その結果、表示可能でない場合には(ステップS89否定)、CPU31は、滑りコマ数3で引込み対象図柄が表示可能か否かを判定する(ステップS90)。その結果、表示可能でない場合には(ステップS90否定)、CPU31は、滑りコマ数4で引込み対象図柄が表示可能か否かを判定する(ステップS91)。その結果、表示可能でない場合には(ステップS91否定)、CPU31は、内部当籤役に対応する停止テーブルをセットした後(ステップS92)、テーブル制御フラグをオンにし(ステップS93)、遊技者の停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定してセットし(ステップS94)、図24に記載のステップS73に戻る。
ここでステップS87の説明に戻ると、滑りコマ数0で引込み対象図柄を表示可能である場合には(ステップS87肯定)、CPU31は、対応する滑りコマ数をセットし(ステップS95)、図24に記載のステップS73に戻る。また、ステップS88の説明に戻ると、滑りコマ数1で引込み対象図柄を表示可能である場合には(ステップS88肯定)、CPU31は、対応する滑りコマ数をセットし(ステップS95)、図24に記載のステップS73に戻る。また、ステップS89の説明に戻ると、滑りコマ数2で引込み対象図柄を表示可能である場合には(ステップS89肯定)、CPU31は、対応する滑りコマ数をセットし(ステップS95)、図24に記載のステップS73に戻る。また、ステップS90の説明に戻ると、滑りコマ数3で引込み対象図柄を表示可能である場合には(ステップS90肯定)、CPU31は、対応する滑りコマ数をセットし(ステップS95)、図24に記載のステップS73に戻る。また、ステップS91の説明に戻ると、滑りコマ数4で引込み対象図柄を表示可能である場合には(ステップS91肯定)、CPU31は、対応する滑りコマ数をセットし(ステップS95)、図24に記載のステップS73に戻る。
[パチスロ機1の表示役特定処理]
次に、図27を用いて、実施例1に係るパチスロ機1の表示役特定処理の流れについて説明する。図27は、実施例1に係るパチスロ機1の表示役特定処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、図柄格納領域の先頭アドレスを取得し(ステップS96)、有効ラインカウンタが0か否かを判定する(ステップS97)。その結果、有効ラインカウンタが0でない場合には(ステップS97否定)、CPU31は、当該アドレスに格納されている図柄の組合せと、表示役特定テーブルとに基づいて、表示役と払出枚数を特定し(ステップS98)、有効ラインカウンタを1減算して(ステップS99)、ステップS97に戻る。
[パチスロ機1のボーナス作動チェック処理]
次に、図28を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のボーナス作動チェック処理の流れについて説明する。図28は、実施例1に係るパチスロ機1のボーナス作動チェック処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、表示役がBB或いはRBであるか否かを判定する(ステップS100)。その結果、表示役がBB或いはRBである場合には(ステップS100肯定)、CPU31は、ボーナス作動時テーブルに基づいて、作動中フラグ等をセットする(ステップS101)。そして、CPU31は、持越役をクリアし(ステップS102)、図17に示すステップS3に戻る。ここで、ステップS100の説明に戻ると、表示役がBB或いはRBでない場合には(ステップS100否定)、CPU31は、図17に示すステップS3に戻る。
[パチスロ機1のボーナス終了チェック処理]
次に、図29を用いて、実施例1に係るパチスロ機1のボーナス終了チェック処理の流れについて説明する。図29は、実施例1に係るパチスロ機1のボーナス終了チェック処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、パチスロ機1のCPU31は、BB作動中フラグ又はRBボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS103)。その結果、BB作動中フラグ又はRBボーナス作動中フラグがオンである場合には(ステップS103肯定)、CPU31は、遊技可能回数を1減算し、入賞が成立したなら入賞可能回数を1減算する(ステップS104)。
続いて、CPU31は、遊技可能回数及び入賞可能回数のうち少なくとも一方が0か否かを判定する(ステップS105)。その結果、少なくとも一方が0である場合には(ステップS105肯定)、CPU31は、RB終了時処理を行い(ステップS106)、払出可能枚数は1以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
また、これとは反対に、遊技可能回数及び入賞可能回数のうち少なくとも一方が0でない場合には(ステップS105否定)、CPU31は、払出可能枚数は1以上であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、ステップS103の説明に戻ると、BB作動中フラグまたはRBボーナス作動中フラグがオンでない場合には(ステップS103否定)、同様に、CPU31は、払出可能枚数は1以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
その結果、払出可能枚数が1以上である場合には(ステップS107肯定)、CPU31は、BB中払出枚数カウンタの更新を行い(ステップS108)、払出枚数に応じて、払出可能枚数を減算して(ステップS109)、図17に示すステップS3に戻る。
これとは反対に、払出可能枚数が1以上でない場合には(ステップS107否定)、CPU31は、BB終了時処理(なお、RB作動中フラグがオンの場合には、RB終了処理)を行い(ステップS110)、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグをオフにして(ステップS111)、図17に示すステップS3に戻る。
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係るパチスロ機1によれば、遊技性を演出する上で特に重要な左リールに1リール役の構成図柄を配置する必要はなく、中リールまたは右リールのいずれか一方のリールに1リール役の構成図柄を配置すればよくなるようにパチスロ機1を構成したので、左リールに魅力的な図柄配列を行うことができ、遊技者に魅力的な遊技性を提供することが可能である。
また、実施例1に係るパチスロ機1によれば、作動役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止表示された場合でも、1リール役であるベル2図柄は作動役の構成図柄から2コマ数を超えた位置になるようにパチスロ機1を構成したので、1リール役による作動役への干渉を回避することも可能である。
さらに、実施例1に係るパチスロ機1によれば、遊技者には、内部では1リール役として処理されるベル2の小役(any−ベル2−any)を3リール役(ベル1−ベル1−ベル1)であるベル1の小役のように体感させることができるようにパチスロ機1を構成したので、1リール役が左リール以外の他リール位置で成立する違和感を解消することができ、遊技者に違和感のない遊技性を提供することも可能である。
また、実施例1に係るパチスロ機1によれば、ベル1の小役およびベル2の小役の間で停止表示される図柄の組合せだけでなく、停止表示される有効ラインについても同一化することができるようにパチスロ機1を構成したので、1リール役が左リール以外の他リール位置で成立する違和感をより効果的に解消することができ、遊技者により一層違和感のない遊技性を提供することが可能である。
さらに、実施例1に係るパチスロ機1によれば、ベル1の小役とベル2の小役との間で遊技者に付与される利益(払出し枚数)が同一となるようにパチスロ機1を構成したので、払出し枚数の観点からもベル1の小役およびベル2の小役を同一視させることができ、遊技者により一層違和感のない遊技性を提供することが可能である。
また、実施例1に係るパチスロ機1によれば、ベル1図柄またはベル2図柄のいずれか一方が中リール位置に停止表示されるように停止制御を行えばよく、過度に厳しい状況下で停止対象図柄への引込み制御を行う必要がないようにパチスロ機1を構成したので、中リールの引込み制御を容易に行うことが可能である。
さらに、実施例1に係るパチスロ機1によれば、中リールの図柄配列として、ベル1の小役を構成するベル1図柄およびベル2の小役を構成するベル2図柄の両者を最大滑りコマ数(4コマ)以内の間隔でリールに配置する必要はなく、ベル1図柄またはベル2図柄のいずれかを4コマ以内の間隔で中リールに配置すればよくなるようにパチスロ機1を構成したので、中リールの図柄配列の自由度を向上させることも可能である。
なお、特許請求の範囲に記載の「図柄組合せ情報格納手段」は、図5に記載のROM32に対応し、「図柄配列手段」は、図5に記載の左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rに対応し、「停止制御手段」は、図5に記載のCPU31に対応する。