JP5604498B2 - 回転電機の冷却構造体 - Google Patents
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Description
1.全体的な構成の説明
[1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る冷却構造体としての冷却システム16を搭載した車両10の一部を示す説明図である。図1において、矢印X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2は、モータ12を基準とした方向を示す。具体的には、矢印X1、X2は、モータ12の前後方向(モータ12の回転軸方向)を示し、矢印Y1、Y2は、モータ12の横方向を示し、矢印Z1、Z2は、モータ12の上下方向を示す。また、図1の白抜き矢印Lは、冷媒(例えば、冷却油)の流れを示している。
(1−2−1.モータ12の全体構成)
図2は、モータ12の構成を概略的に示す正面図であり、後述するサイドカバー24の第3吐出孔78の位置P3も示している。図3(A)は、回転軸方向X2に見た場合のモータ12の概要(図2と同様の内容)を示す図であり、図3(B)は、鉛直方向Z2に見た場合において、サイドカバー24からモータ12(後述するステータ22)に冷媒が放出される様子を示す図である。但し、図3(B)で各第3吐出孔78が示されていることからもわかるように、図3(B)では、サイドカバー24は、円周方向C1、C2の断面が示されている。
ロータ20は、ステータ22の内部(ステータ22よりも径方向内側(R1方向))に配置され、回転シャフト26(回転軸Ax)を中心として回転可能である。なお、回転シャフト26には、冷媒(例えば、冷却油)を導入するためのシャフト内流路28が掲載されており、サイドカバー24を介して供給される冷媒の一部は、後述する第1吐出孔74からシャフト内流路28内に案内される。その後、回転シャフト26に設けられた図示しない貫通孔から放出されてロータ20等を冷却する。シャフト内流路28に冷媒が供給される構成及びその後に冷媒が循環する構成については、例えば、特許文献1に記載のものを用いることができる。
図1、図2、図4等に示すように、ステータ22は、ステータコア30、複数のインシュレータ32(絶縁部材)、複数のコイル34及びステータホルダ36を有する。ステータ22は、回転軸Axが水平となるように鉛直方向Z1に起立している。
図示しないモータハウジングは、ロータ20及びステータ22を内部に収容してロータ20及びステータ22を保護する。前記モータハウジングとしては、例えば、特許文献1に記載のものを用いることができる。
サイドカバー24は、軸方向X2に向かって前記モータハウジングに固定されてロータ20及びステータ22を保護すると共に、冷却システム16(冷却構造体)の一部としても機能する。冷却システム16の一部としてのサイドカバー24については後述する。
減速機14は、モータ12が生成した駆動力Fを、図示しないドライブシャフトを介して図示しない車輪に伝達する。減速機14の基本的な構成としては、例えば、特許文献1に記載のものを用いることができる。
(1−4−1.冷却システム16の概要)
冷却システム16は、モータ12及び減速機14を冷却するものであり、サイドカバー24に加え、図1に示すように、ストレーナ60、ポンプ62、ラジエータ(図示せず)及びパイプ64を有する。
図1に示すように、サイドカバー24には、単一の導入孔70、カバー内流路72、単一の第1吐出孔74、単一の第2吐出孔76及び複数の第3吐出孔78が形成されている。冷媒供給口としての第1吐出孔74、第2吐出孔76及び複数の第3吐出孔78には、パイプ64、カバー内流路72等を介してポンプ62から冷媒が供給される。
図2等に示すように、第2吐出孔76は、鉛直方向Z1、Z2において最も上側のコイル34(以下「最上位コイル34up」という。)に対応して設けられる。より具体的には、図2等に示すように、軸方向X2に見たとき、第2吐出孔76は、最上位コイル34upにおける円周方向C1、C2の中央に配置される。また、軸方向X2に見たとき、第2吐出孔76は、径方向R1、R2において最上位コイル34upの中央よりも外側(R2方向)に配置される。
第3吐出孔78の配置には、主として4つの特徴がある。それらの特徴とそれぞれの作用及び効果を以下に記載する。
図5(A)〜図5(C)等に示すように、軸方向X2に見たとき、第3吐出孔78(位置P3)は、鉛直方向Z1、Z2に沿うと共に回転軸Axを含む仮想鉛直平面80(又は鉛直方向Z1、Z2に伸びると共に回転軸Axを通る仮想鉛直線)の両側のいずれにおいても、鉛直方向上側(Z1方向)の角部54に対向する位置に配置される。
図5(A)等に示すように、回転軸方向X2に見たとき、第3吐出孔78は、鉛直方向Z1、Z2に沿うと共に回転軸Axを含む仮想鉛直平面80(又は鉛直方向Z1、Z2に伸びると共に回転軸Axを通る仮想垂直線)の両側において略対称(線対称)に配置される。
図6は、第3吐出孔78の配置の説明図である。図6に示すように、鉛直方向Z1、Z2においてコイル34の位置が上側になるほど、対応する第3吐出孔78の位置P3は径方向外側(R2方向)となり、鉛直方向Z1、Z2においてコイル34の位置が中央側になるほど、対応する第3吐出孔78の位置P3は径方向中央側となる。
図7は、コイル34に対する冷媒の放出位置の説明図である。図7では、径方向R2に見た場合のステータコア30のティース42(導線巻回部44)、インシュレータ32(ティース被覆部46)及びコイル34の簡略的な断面が示されている。図7において、本実施形態の放出位置又は放出方向は、矢印A2で示されている。矢印A1、A3は、第1比較例及び第2比較例に係る放出位置又は放出方向を示す。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記実施形態では、冷却システム16を車両10に搭載したが、これに限らず、モータ12等の回転電機を用いる別の用途に適用することができる。例えば、上記実施形態では、車両10の駆動用に用いるモータ12に対して冷却システム16を用いたが、車両10におけるその他の用途(例えば、電動パワーステアリング、エアコンディショナ、エアコンプレッサ等)に用いる回転電機に冷却システム16を用いてもよい。或いは、産業機械、家電製品等の機器に用いる回転電機に冷却システム16を用いることもできる。
[2−1.モータ12全体]
上記実施形態では、モータ12は、3相交流方式としたが、冷却システム16により冷却される回転電機の観点からすれば、その他の交流方式又は直流方式であってもよい。上記実施形態では、モータ12をブラシレス式としたが、ブラシ式としてもよい。上記実施形態では、ステータ22がロータ20の径方向外側(R2方向)に配置されていたが(図1等参照)、これに限らず、ステータ22がロータ20の径方向内側(R1方向)に配置されてもよい。この場合、ティース42は、ヨーク部40に対して径方向外側(R2方向)に突出させることができる。
上記実施形態では、ステータ22は、回転軸Axが水平となるように鉛直方向Z1に起立したが、上記特徴1〜4の観点からすれば、必ずしもステータ22は、回転軸Axが水平となるように鉛直方向Z1に起立していなくてもよく、回転軸Axが鉛直方向Z1に近づくようにステータ22を傾斜させることも可能である。
上記実施形態では、ステータコア30の導線巻回部44は四角柱状を基調とし、インシュレータ32のティース被覆部46は四角筒状を基調とすることで、各コイル34は、四角筒状を基調とした。しかしながら、上記特徴1〜4の観点からすれば、コイル34の形状は、四角筒状以外の角筒状(例えば、六角筒状又は八角筒状)を基調とすることも可能である。この場合、目標とするコイル34の形状に合わせて、ステータコア30の導線巻回部44及びインシュレータ32のティース被覆部46の形状を変更すればよい。
[3−1.冷媒]
上記実施形態では、冷媒(冷却流体)として冷却油を用いたが、冷却機能の観点からすれば、冷却油以外の冷却流体(例えば、水等)であってもよい。但し、減速機14の潤滑目的での使用ができなくなる可能性がある。
(3−2−1.第1吐出孔74及び第2吐出孔76)
上記実施形態では、サイドカバー24に第1吐出孔74及び第2吐出孔76を設けたが、第3吐出孔78に着目すれば、第1吐出孔74及び第2吐出孔76の少なくとも一方を設けない構成も可能である。
上記実施形態では、全てのコイル34のうち鉛直方向上側(図2等において上側)のコイル34に対応して第3吐出孔78を配置し、鉛直方向下側(図2等において下側)のコイル34に対応して第3吐出孔78を配置しなかった(但し、鉛直方向下側のコイル34のうち最も上側のものを除く。)。しかしながら、上記特徴1〜4の少なくとも1つに着目すれば、第3吐出孔78の位置は、これに限らない。例えば、全てのコイル34のうち鉛直方向上側のコイル34に加え又はこれらに代えて、鉛直方向下側のコイル34に対応して第3吐出孔78を設けることも可能である。
22…ステータ 30…ステータコア
32…インシュレータ(絶縁部材) 34…コイル
40…ヨーク部 42…ティース
44…導線巻回部 54…導線巻回部の角部
68…冷媒供給路 78…第3吐出孔(冷媒供給口)
80…仮想鉛直平面 100…中央部
Ax…回転軸 C1、C2…円周方向
R1、R2…径方向 X1、X2…回転軸方向
Z1、Z2…鉛直方向
Claims (3)
- ステータコア、絶縁部材及び複数のコイルを有するステータと、
前記複数のコイルに対して回転軸方向に離間して配置された複数の冷媒供給口と、
前記複数の冷媒供給口へ冷媒を導く冷媒供給路と
を備える回転電機の冷却構造体であって、
前記ステータコアは、円環状のヨーク部と、前記ヨーク部から径方向に突出し、角柱状を基調とする導線巻回部を有するティースとを備え、
前記複数のコイルは、前記絶縁部材を介して前記導線巻回部に導線が巻回されることで形成され、前記回転軸方向に見たとき、前記複数のコイルは円環状に配置され、前記径方向に見たとき、前記複数のコイルの各角部は円弧状に構成されており、
前記複数の冷媒供給口は、少なくとも円周方向に互いに離間して配列されており、
さらに、前記複数の冷媒供給口は、鉛直方向に沿うと共に前記回転電機の回転軸を含む仮想鉛直平面の両側において略対称に配置され、
前記複数の冷媒供給口のそれぞれは、前記仮想鉛直平面の両側のいずれにおいても、鉛直方向上側の前記角部に対向する位置に配置される
ことを特徴とする回転電機の冷却構造体。 - 請求項1記載の回転電機の冷却構造体において、
前記複数の冷媒供給口のそれぞれは、前記鉛直方向上側の前記角部のうち円周方向の中央部に対向する位置に配置される
ことを特徴とする回転電機の冷却構造体。 - 請求項1又は2記載の回転電機の冷却構造体において、
前記ステータは、前記回転電機の回転軸が水平となるように鉛直方向に起立し、
前記回転軸方向に見たとき、前記複数の冷媒供給口は、鉛直方向において中央よりも上側のコイルに対応して配置され、
鉛直方向において前記コイルの位置が上側になるほど、対応する前記冷媒供給口の位置は径方向外側となり、鉛直方向において前記コイルの位置が中央側になるほど、対応する前記冷媒供給口の位置は径方向中央側となる
ことを特徴とする回転電機の冷却構造体。
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