JP5602215B2 - ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスおよび接着剤用組成物 - Google Patents
ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスおよび接着剤用組成物 Download PDFInfo
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Description
共重合体ラテックスの品質設計や製造方法に関してはさまざまな検討がされ、例えば特許文献1(特開平6−179772号公報)、特許文献2(特開平10−1504号公報)、特許文献3(特開2003−238635号公報)、特許文献4(特開2003−335807号公報)に示される技術改良が紹介されている。
しかしながら、共重合体ラテックスの重合方法を工夫して、前記の目標を達成しようとする場合、重合途中の反応温度などを一定に保つ、あるいは2段階にして一定に保つことが提案されているが、その操作には、重合が開始される時点で重合系の外部から加熱することが必要である。特に比較的高温域での重合では、所定温度に到達させるのに必要とされる外部からの加熱エネルギーも大きく、近年の地球温暖化や省エネルギーの観点からは、そのエネルギーの低減化についても社会的要請が高まるばかりである。
重合系内の温度T2が45℃〜80℃に到達した後は、重合温度を45℃〜80℃の範囲内で一定に保っても、必要に応じて変化させても本発明の効果を妨げないが、温度T2に到達した後は実質的に重合温度は一定に保って重合を継続するか、もしくは一定時間重合温度を一定に保って重合した後、重合温度を上昇させて(上限は80℃)重合を行なうことが好ましい。また、重合系内の温度T2を45℃〜80℃の範囲を保って重合を継続する間、適宜、残部の単量体が添加され、さらには必要に応じて重合速度調節剤などを用いて重合反応による単位時間当たりの発熱量を制御できる。また、通常、反応槽を取り巻くジャケットなどに20〜35℃の常温冷却水を流して熱交換させることが省エネルギーの観点で最適であるが、必要に応じて20℃未満のチルド冷却水を用いたり、スチームや電熱ヒーターで加温した加温水を用いたりすることもできる。更には反応槽の任意の場所に空冷できるフィンを設置したり、従来公知の加熱冷却装置を重合槽に付帯させて補助的に活用したりすることも、本発明の効果を妨げない範囲で使用することができる。
また、本発明における単量体以外の各種成分の添加方法についても特に制限はなく、分割添加方法、連続添加方法などの何れであっても本発明の効果を妨げない範囲で採用することができる。
還元剤の具体例としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、また、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩などの還元性スルホン酸塩、更にはL−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類、更にはデキストロース、サッカロース、乳糖などの還元糖類、更にはジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類が上げられる。特に亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、乳糖、デキストロースが好ましい。
なお、これらの測定方法については後述する。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。また、特段の断りが無い限り、部は重量を基準とする。
式(1) 重合転化部数 = 仕込み総部数×乾燥後重量/乾燥前重量−S
式(2) 単量体合計部数 = 仕込み総部数−(重合水部数+S)
式(3) 重合転化率 = 重合転化部数/単量体合計部数
式(4) Hr = Ha×(T2−T1)
ただし、Haの算出に際して便宜的に単量体および油溶性物質の比熱を全て0.5、単量体以外の水溶性物質と重合に使用した純水の比熱を全て1.0とした。
また、槽内がT2℃に到達した時点までの重合熱Hpは、T2℃に到達するまでに槽内に仕込まれた単量体の部数M(部)、単量体1部当たりの単位重合熱Hu(kcal/部)、T2℃に到達した時点での重合転化率CT2を用いて下記の式(5)で計算される。
式(5) Hp = M×Hu×CT2
最終的に重合熱利用効率E(%)は、式(4)のHrと式(5)のHpを用いて下記の式(6)で計算される。
式(6) E = Hp/Hr×100
ただし、単量体1部当たりの単位重合熱Huについては単量体の種類や共重合する際の共重合組成により変化するので、本発明では、株式会社培風館出版から昭和50年6月20日に初版が発行された高分子学会編「共重合1反応解析」の295頁から307頁にわたる記載を参考にして、全ての単量体について16.5kcal/molの値を用いた。
具体的には、同書296頁の表30に記載されている中で工業的に大量消費されている代表的な単量体の重合熱、ブタジエン17.6kcal/mol、スチレン16.68kcal/mol、アクリロニトリル18.3kcal/mol、メタクリル酸メチル13.0〜13.9kcal/molの重合熱を算術平均して、16.5kcal/molを全ての重合体組成について一律に使用することにした。例えば、分子量が54.1であるブタジエンの場合、重量(g)/部数換算係数を1(g/部)として単量体部数当たりの重合熱は16.5÷54.1=0.305kcal/部となり、同様にスチレンで0.158kcal/部、2−ビニルピリジンで0.157kcal/部となる。
◎(優秀):40%以上
○(良好):40%未満〜15%以上
△(微劣):15%未満〜5%以上
×(不良): 5%未満
◎(優秀):0.01未満
○(良好):0.01以上〜0.1未満
△(微劣):0.1以上〜0.5未満
×(不良):0.5以上
共重合体ラテックスから凝固、乾燥して回収した共重合体を用いてJIS K−6300に従って、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)を測定した。
前述の方法で測定した共重合体ラテックスのムーニー粘度を表1に示す。
共重合体ラテックス1の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、水酸化ナトリウム0.3部、ロジン酸カリウム5部、オレイン酸カリウム1部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン70.0部、2−ビニルピリジン15.0部、スチレン15.0部とt−ドデシルメルカプタン0.7部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.002部、ブドウ糖0.10部、エチレンジアミン四酢酸0.01部、過硫酸カリウム0.3部を仕込み25℃で重合を開始した。重合開始から180分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を52℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.17であり、重合熱利用効率は87%であった。重合開始180分後から540分後までの360分間は重合温度を52℃に保ち、重合開始540分後から630分後までの90分間で重合温度を60℃に上昇させ重合を継続した。重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス1を得た。
共重合体ラテックス2の作製。
攪拌機付きオートクレーブに、水120部、水酸化ナトリウム0.2部、ロジン酸カリウム2部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン55.0部、2−ビニルピリジン18.0部、スチレン25.0部、アクリロニトリル2.0部とt−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.003部、ホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム0.05部、エチレンジアミン四酢酸0.005部、クメンハイドロパーオキサイド0.2部を仕込み30℃で重合を開始した。重合開始から120分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を65℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.14であり、重合熱利用効率は56%であった。その後、重合温度を65℃に保って重合を継続し、重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部、ロジン酸カリウム3部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス2を得た。
共重合体ラテックス3の作製。
攪拌機付きオートクレーブに、水120部、水酸化ナトリウム0.25部、ロジン酸ナトリウム3部、オレイン酸ナトリウム2部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン73.0部、2−ビニルピリジン9.0部、スチレン18.0部とt−ドデシルメルカプタン0.6部を仕込み、乳化させる。次いでブドウ糖0.2部、過硫酸カリウム0.2部を仕込み28℃で重合を開始した。重合開始から150分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を57℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.25であり、重合熱利用効率は129%であった。重合開始150分後から200分後までの50分間は重合温度を57℃に保ち、重合開始200分後から720分までの520分間で重合温度を65℃に徐々に上げながら重合を継続した。重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス3を得た。
共重合体ラテックス4の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水150部、水酸化ナトリウム0.3部、ロジン酸カリウム2部、オレイン酸カリウム3部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン37.0部、2−ビニルピリジン13.0部とt−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.003部、ブドウ糖0.2部、エチレンジアミン四酢酸0.003部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部を仕込み35℃で重合を開始した。重合開始から90分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を70℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.32であり、重合熱利用効率は67%であった。その後、重合温度を70℃に保ち、重合開始180分後から480分後までは、ブタジエン38.0部、2−ビニルピリジン12.0部、t−ドデシルメルカプタン0.2部の混合物、およびブドウ糖0.1部、純水5部を300分間連続添加しながら、重合温度を70℃に保って重合を継続した。重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス4を得た。
共重合体ラテックス5の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水100部、水酸化ナトリウム0.2部、オレイン酸カリウム1.5部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン15.0部、2−ビニルピリジン12.0部、スチレン30.0部、アクリロニトリル3.0部とt−ドデシルメルカプタン0.25部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.001部、ホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム0.1部、エチレンジアミン四酢酸0.01部、過硫酸カリウム0.25部を仕込み35℃で重合を開始した。重合開始から100分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を75℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.23であり、重合熱利用効率は53%であった。その後、重合温度を75℃に保ち、重合開始180分後から420分後までは、ブタジエン25.0部、2−ビニルピリジン6.0部、スチレン9.0部、t−ドデシルメルカプタン0.3部の混合物、およびホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム0.1部、純水5部を240分間連続添加しながら、重合温度を75℃に保って重合を継続した。重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス5を得た。
共重合体ラテックス6の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水140部、水酸化ナトリウム0.25部、ロジン酸カリウム7部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン30.0部、2−ビニルピリジン4.0部、スチレン63.0部、アクリロニトリル3.0部とt−ドデシルメルカプタン0.5部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.003部、ブドウ糖0.3部、エチレンジアミン四酢酸0.015部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部を仕込み32℃で重合を開始した。重合開始から120分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を70℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.28であり、重合熱利用効率は77%であった。その後、重合温度を70℃に保って重合を継続し、重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス6を得た。
共重合体ラテックス7の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、水酸化ナトリウム0.3部、ロジン酸カリウム3部、オレイン酸カリウム3部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン25.0部、2−ビニルピリジン24.0部、スチレン51.0部とt−ドデシルメルカプタン0.45部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.003部、ブドウ糖0.15部、エチレンジアミン四酢酸0.008部、過硫酸カリウム0.35部を仕込み35℃で重合を開始した。重合開始から180分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を80℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.38であり、重合熱利用効率は87%であった。その後、重合温度を80℃に保って重合を継続し、重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス7を得た。
共重合体ラテックス8の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水170部、水酸化ナトリウム0.2部、ロジン酸カリウム1部、オレイン酸カリウム4.0部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン85.0部、2−ビニルピリジン12.0部、アクリロニトリル3.0部とt−ドデシルメルカプタン0.6部を仕込み、乳化させる。次いでホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム0.15部、クメンハイドロパーオキサイド0.25部を仕込み25℃で重合を開始した。重合開始から150分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を55℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.27であり、重合熱利用効率は114%であった。その後、重合温度を55℃に保って重合を継続し、重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス8を得た。
共重合体ラテックス9の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水110部、水酸化ナトリウム0.2部、ロジン酸カリウム1部、オレイン酸カリウム2部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン60.0部、2−ビニルピリジン33.0部、スチレン7.0部とt−ドデシルメルカプタン0.7部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.005部、ブドウ糖0.20部、エチレンジアミン四酢酸0.02部、過硫酸カリウム0.25部を仕込み30℃で重合を開始した。重合開始から110分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を65℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.11であり、重合熱利用効率は47%であった。その後、重合温度を65℃に保って重合を継続し、重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部、ロジン酸カリウム2部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス9を得た。
共重合体ラテックス10の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、水酸化ナトリウム0.3部、ロジン酸カリウム5部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン67.0部、2−ビニルピリジン17.0部、スチレン16.0部とt−ドデシルメルカプタン0.65部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.002部、ブドウ糖0.15部、エチレンジアミン四酢酸0.01部を仕込み内部温度が30℃であった。外部ジャケットに温水を流しながら140分かけて内部温度を60℃に引き上げた。この時点で重合転化率は0.00であり、重合熱利用効率は0%であった。内部温度が60℃に到達後に過硫酸カリウム0.2部と純水5部を添加して反応を開始した。その後、重合温度を60℃に保って重合を継続し、重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス10を得た。
共重合体ラテックス11の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水120部、水酸化ナトリウム0.2部、ロジン酸カリウム3部、オレイン酸カリウム1部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン25.0部、2−ビニルピリジン6.0部、スチレン19.0部とt−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込み、乳化させる。次いで硫酸第一鉄0.001部、ホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム0.1部、エチレンジアミン四酢酸0.01部、クメンハイドロパーオキサイド0.25部を仕込み25℃で重合を開始した。重合開始から90分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を43℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.05であり、重合熱利用効率は21%であった。重合開始180分後から480分後までは、ブタジエン32.0部、2−ビニルピリジン10.0部、スチレン3.0部、アクリロニトリル5.0部、t−ドデシルメルカプタン0.4部の混合物、およびブドウ糖0.1部、純水5部を300分間連続添加した。重合開始90分後から510分後までの420分間は重合温度を43℃に保ち、重合開始510分後から560分後までの50分間で重合温度を60℃に上昇させ重合を継続した。重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス11を得た。
共重合体ラテックス12の作製
攪拌機付きオートクレーブに、水130部、水酸化ナトリウム0.2部、ロジン酸ナトリウム2.0部、オレイン酸カリウム3.0部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物1部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン18.0部、2−ビニルピリジン8.0部、スチレン34.0部とt−ドデシルメルカプタン0.15部を仕込み、乳化させる。次いで過硫酸カリウム0.2部を仕込み30℃で重合を開始した。重合開始から120分かけて、重合熱を利用しながら重合温度を72℃に上昇させた。この時点で重合転化率は0.07であり、重合熱利用効率は12%であった。その後、重合温度を72℃に保ち、重合開始240分後から450分後までは、ブタジエン28.0部、2−ビニルピリジン7.0部、スチレン5.0部、t−ドデシルメルカプタン0.3部の混合物を210分間連続添加しながら、重合温度を72℃に保って重合を継続した。重合転化率が0.93に達したならばハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス12を得た。
(RFL液の調整)
水239部に、水酸化ナトリウム0.3部、レゾルシン11部および37%ホルマリン16.2部を加え、25℃にて6時間熟成を行い、RFレジンを作成する。
次いで、表1および表2に示す共重合体ラテックス1〜12をそれぞれ75部(固形分)およびスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル(株)社製 J−9049)25部(固形分)の中に、得られたRFレジンを全量添加し、水にて固形分濃度を20%に調整し、25℃にて18時間熟成させ、RFL液1〜12を得た。
試験用シングルコードディッピングマシンを用いて、得られたRFL液にて各々、6−6ナイロンタイヤコード(1890D/2)を浸漬処理し、120℃で60秒間乾燥したのち、220℃で120秒間、焼き付けを行った。
(RFL液の調整)
水229部に水酸化ナトリウム0.41部を加え攪拌後、濃度65%のレゾルシン−ホルマリン樹脂(住友化学工業(株)社製:スミカノール700S)24.2部を加え攪拌する。さらに37%ホルマリン6.3部を加え攪拌混合し25℃にて4時間熟成することにより、RFレジンを作成する。
次いで、表1及び表2に示す共重合体ラテックス1〜12をそれぞれ100部(固形分)中に、得られたRFレジンを18.5部添加し、25%アンモニア水14部を加え、水にて固形分濃度を20%に調整後、25℃にて40時間熟成させる。
その後、P−クロロフェノール、ホルムアルデヒド、レゾルシノールの縮合物のアンモニア溶液(ナガセ化成工業社製:デナボンド)を37部添加し、RFL液1〜12を得た。
試験用シングルコードディッピングマシンを用いて、得られたRFL液にて各々ポリエステル・タイヤコード(1500D/2)を浸漬処理し、120℃で60秒間乾燥したのち、230℃で120秒間、焼き付けを行った。浸漬処理された各々のタイヤコードを配合ゴム処方2に基づくゴム配合物ではさみ、140℃で45分、および170℃で45分の各々の条件にて加硫プレスした後、ASTM D2138−67(H Pull Test)に従い接着力および高温覆歴による接着力の低下を測定した。また、処理された各々のコードにつき、JIS−L1070に従いコード強力を測定した。結果を表3および表4に示す。
天然ゴム RSS#1 70 部
SBRゴム #1502 30 部
FEFカーボン 40 部
プロセスオイル 4 部
アンチゲンRD(*1) 2 部
ステアリン酸 1.5部
亜鉛華 5 部
加硫促進剤DM(*2) 0.9部
硫黄 2.7部
*1:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(住友化学工業(株)社製)
*2:ジベンゾチアジルジスルフィド
天然ゴム RSS#1 100 部
SRFカーボン 15 部
FEFカーボン 20 部
プロセスオイル 5 部
アンチゲンRD(*1) 1 部
ステアリン酸 2.5部
亜鉛華 5 部
加硫促進剤DM(*2) 0.7部
硫黄 3 部
*1:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(住友化学工業(株)社製)
*2:ジベンゾチアジルジスルフィド
Claims (3)
- 脂肪族共役ジエン系単量体30〜80重量部、ビニルピリジン系単量体5〜30重量部、およびそれらと共重合可能な他の単量体0〜65重量部からなる重合性単量体合計100重量部を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、単量体の一部または全量を仕込み完了後、重合系内の温度T1が0〜40℃の範囲で重合を開始した後、重合系内の温度T2を45〜80℃の範囲に到達させるに際し、その温度上昇(T2−T1)に必要な熱量(Hr)に対する重合による重合熱(Hp)の比率である重合熱利用効率(E)が15%以上であることを特徴とする製造方法で得られたゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
- 温度上昇(T2−T1)に必要な熱量(Hr)に対する重合による重合熱(Hp)の比率である重合熱利用効率(E)が40%以上であることを特徴とする請求項1 に記載のゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
- 請求項1〜2の何れかに記載のゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックス及びレゾルシン−ホルマリン系樹脂を含んでなる接着剤用組成物。
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