JP5601192B2 - トナー担持体、現像装置、画像形成方法及び装置 - Google Patents

トナー担持体、現像装置、画像形成方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナー担持体、トナー担持体を備えた現像装置、及び現像装置を備えた画像形成装置、並びに、画像形成方法に関し、詳しくは、トナー担持体の表面上でホッピングさせたトナーを潜像担持体(感光体)の潜像に付着させて現像を行なう現像装置、該現像装置に搭載されるトナー担持体、該現像装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、並びに、画像形成方法に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、電子写真プロセスによる現像装置が用いられている。このような現像装置のうち、静電潜像の形成された感光体に対して、現像剤(トナー)を搬送するトナー担持体を接触させずに現像を行う非接触方式の現像装置が注目されている。非接触方式の例としては、パウダーラウンド法・ジャンピング法、電界カーテンを利用した方法等が知られている。
前記ジャンピング現像方式は、感光体とトナー担持体と接触させないで、トナーを該トナー担持体に供給して該感光体とトナー担持体との間で予め帯電させたトナー粒子をジャンピングさせ、このトナー粒子で該感光体上の静電潜像を現像するものである。このジャンピング現像方式は、トナー粒子とトナー担持体との付着力以上の印加電圧が必要となる。
また、前記電界カーテン現像方式は、内部に一定の間隔で並べられた複数の電極を有するトナー担持体の前記電極に交番電界を印加して、該トナー担持体表面に生じる交番不平等電界によって形成される電界カーテンにより、予め帯電させたトナー粒子をホッピングさせ、感光体上の静電潜像にトナー粒子を供給し現像するものである。この電界カーテン現像方式は、トナー担持体表面でトナー粒子がホッピングするため、トナー粒子とトナー担持体表面との付着力が略零になり、現像のためにトナー粒子をトナー担持体表面から剥離する力が不要であるため、低電圧で十分にトナーを潜像担持体側に搬送することが可能なものである。
こうした現象を配慮して、特許文献1に開示される前記電界カーテン方式の現像装置は、複数の電極の上に絶縁性材料などからなる表面保護層が被覆された現像剤担持搬送体を用いているので、トナーの電荷が電極にリークせず、トナーの電荷が失われてホッピング不良を引き起こすことがない。
特許文献2に開示される現像装置は、トナー粒子を、予め摩擦帯電させずに、トナー担持体の表面上に供給し、トナー粒子を交番電界によりホッピングさせてトナー粒子を帯電させるために、該トナー担持体の表面(保護層)をトナーの正規帯電極性側への摩擦帯電を促す材料で形成することが開示されている。
しかし、これらの現像装置は、絶縁層上に電位の異なる2種類の電極が設けられるため電極間の間隙が狭い場所が生じると電極間でリークが生じやすい。電極間にリークが生じると2種類の電極間の電位を保てないためトナーをホッピングさせる電界は失われる。
また本発明者らは、先に、特定のトナーを用い、かつ電極を被覆する表面層を特定の構造単位を含む重合化合物で形成したトナー担持体を用いる現像装置を提案した(特許文献3)。この現像装置によれば、長期間、トナーのクラウドを安定的に形成し、静電潜像を現像化可能である。ただし、このトナー担持体及び現像装置では、低消費電力での運転までは検討されていない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は低消費電力であり、長期間安定してトナーのクラウドを安定的に形成し、感光体表面の静電潜像にトナーを供給して静電潜像を顕像化可能とするトナー担持体、該トナー担持体を搭載する現像装置、該現像装置を搭載する画像形成装置、並びに、該トナー担持体を用いる画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、トナー担持体に担持されたトナーを、トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像において、トナー担持体の導電性又は絶縁性支持体と複数の電極との間に形成される絶縁層をポリイミド系樹脂で構成することにより、少ない消費電力で現像が行え、加えて、電極間のリーク、トナー担持体上のトナー飛翔、及び異常画像の発生のいずれも抑えられることを見出した。本発明はこうした知見に基づいてなされたものである。
本発明によれば、下記(1)〜(12)が提供される。
トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像に供される該トナー担持体であって、導電性又は絶縁性支持体と、該支持体上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、該複数の電極を覆う表面層とを有し、該絶縁層がポリイミドシリコーンにより構成されていることを特徴とするトナー担持体。
(2)前記支持体は導電性支持体で一方の電極を構成し、該電極と他方の電極となる前記複数の電極とに電圧が印加されるものであることを特徴とする上記(1)に記載のトナー担持体。
(3)前記支持体は絶縁性支持体であり、前記複数の電極は第1の電極パターンの電極と第2の電極パターンの電極とが交互に平行に形成されており、かつ該第1の電極パターンの電極と該第2の電極パターンの電極とに電圧が印加されるものであることを特徴とする上記(1)に記載のトナー担持体。
(4)前記第1の電極パターンの電極と前記第2の電極パターンの電極とが櫛歯状に配置されたものであることを特徴とする上記(3)に記載のトナー担持体。
(5)前記複数の電極はトナーの搬送方向に配列され、電界を発生させるものであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー担持体。
(6)前記表面層がポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナー担持体。
(7)トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像装置において、該トナー担持体が上記(1)〜(6)のいずれかに記載のトナー担持体であることを特徴とする現像装置。
(8)前記トナー担持体は、前記感光体と空間を有して対面する非接触状態に配置されることを特徴とする上記(7)に記載の現像装置。
(9)感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び、トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像手段を含む画像形成装置において、該ホッピング現像手段が上記(7)又は(8)に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
(10)感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、及び、トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像工程を含む画像形成方法において、該トナー担持体が上記(1)〜(6)のいずれかに記載のトナー担持体であることを特徴とする画像形成方法。
本発明のトナー担持体においては、トナーホッピングを引き起こす電界を形成するため交番電界もしくは矩形波を電極へ印加したとき、少ない消費電力でトナーホッピングを引き起こすことができる。これにより低消費電力で感光体表面の静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像化可能である現像装置、現像装置に搭載されるトナー担持体、現像装置を搭載する画像形成装置の提供が可能となる。
本発明における一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本発明における二成分現像の現像装置の実施形態を示す図である。 図1で示す現像装置におけるトナーのクラウド状態を説明する模式図である。 本発明における上下電極方式トナー担持体例の電界変化の状態と電極の形状の説明図である。 本発明における櫛歯電極方式トナー担持体例の電界変化の状態と電極の形状の説明図である。
本発明のトナー担持体は、導電性支持体又は絶縁性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記複数の電極と前記導電性又は絶縁性支持体間との電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体(一方の電極の機能を担う)に、或いは電極間に電圧を印加する電圧印加手段を備え、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、前記絶縁層がポリイミドシリコーンにより構成されるものである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の現像装置(及びこれを用いた画像形成装置)の概略構成を示す図である。
図1において、(1)は矢印(A)方向に回転するドラム状の感光体、(2)は感光体(1)の表面を一様に帯電する帯電ローラ、(3)は画像情報に対応するレーザー光等を感光体(1)の表面に照射する露光装置、(4)は感光体(1)の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する現像装置である。(5)は感光体(1)の表面に現像装置(3)で形成されたトナー像を転写用紙等の転写材(P)上に転写する転写ローラ、(6)は転写材(P)にトナー像を転写した後に感光体(1)の表面に残存するトナーを感光体(1)の表面から除去するクリーニング装置である。(7)は、転写材(P)上に転写された未定着トナー像を加熱、加圧して転写材(P)上に定着させる定着装置である。
この画像形成装置によって転写材(P)上にトナー画像を形成する方法について説明する。
矢印(A)方向に回転する感光体(1)の表面を、帯電ローラ(2)によって所定の電圧を印加して一様に帯電させる。このように一様に帯電された感光体(1)の表面に所望の画像情報に対応するレーザー光を露光装置(3)から照射して感光体(1)の表面に静電潜像を形成する。続いて、このようにして形成された静電潜像に対して、現像装置(4)からトナーを供給して静電的に付着させて静電潜像をトナー像化(顕像化)させる。このようにして形成されたトナー像は、転写ローラ(5)によって感光体(1)の表面と転写材(P)を圧接させて矢印(B)方向に転写材(P)を搬送させながらバイアス電圧を印加して感光体(1)の表面から転写材(P)の表面に転写される。その後、転写材(P)上に転写されたトナー像は、定着装置(7)の加熱ローラ(7a)及び加圧ローラ(7b)によって加熱加圧されて転写材(P)上に定着される。このようにして転写材P上にトナー像を転写した感光体(1)は、感光体(1)の表面に残存するトナーをクリーニング装置(6)で除去して感光体(1)の表面をクリーニングし、再び、帯電ローラ(2)によって一様に帯電される。以後、前述のように、露光装置(3)によって静電潜像が形成され、現像装置(4)で静電潜像がトナー像化され、転写ローラ(5)で転写材(P)上にトナー像が転写され、クリーニング装置(6)で感光体(1)の表面がクリーニングされる動作が繰り返される。
前記のように、本発明においては、感光体(1)の表面に形成された静電潜像をトナーでトナー像化する現像装置(4)に特徴を有する。
ここで、一成分現像剤及び二成分現像剤を用いる場合の帯電手段について述べればつぎのとおりである。
一成分現像剤を用いる場合においては、図1に示すように、本発明の一実施形態である現像装置(4)は、トナー(T)を収納する容器(8)内に、トナーを感光体(1)に容器(8)の開口部(8a)から供給するトナー担持体である現像ローラ(9)が回転可能に取り付けられ、図示しない駆動手段によって矢印(C)方向に回転されるようになっている。そして、循環パドル(10)によってトナー(T)を攪拌しながら循環させてトナー(T)を帯電させると共にトナー(T)を現像ローラ(9)の表面に供給する。なお、図1の符号(12)は、補給トナーを供給するトナー供給口である。
二成分現像剤を用いる場合においては、図2に示すように、本発明の別の実施形態である二成分現像器(56)により二成分現像剤の穂がトナー担持体である現像ローラ(9)に当接されている。具体的には、粒径50[μm]の磁性キャリア粉と粒径約6[μm]のトナーを重量比で7〜8[wt%]混合させた二成分現像剤を、二成分現像器(56)の永久磁石を内包するマグネットスリーブ(57)によって現像ローラ(9)まで搬送し、そこでトナーの一部をマグネットスリーブ(57)と現像ローラ(9)との間に印加される直流バイアス電位によって現像ローラ(9)の表面に供給する。
このようにしてトナー(T)が供給されたトナー担持体(9)は、その表面にトナー(T)を静電力によって保持しながら汲み上げ、トナー担持体(9)と所定間隔を有して容器(8)に取り付けられたブレード状のトナー規制部材(11)によって汲み上げるトナー量が規制されている。トナー担持体(9)は、後述するように、開口部(8a)で交番電界が印加されてトナー(T)のクラウドが形成される。その結果、このクラウドからトナー(T)が静電気的に感光体(1)の表面の静電潜像に供給されてトナー像が形成されるようになっている。
トナー担持体(9)について説明する。
トナー担持体(9)の電極の構成は、支持体が導電性支持体であるときは上下電極印加方式が採用されるものであり、支持体が絶縁性支持体であるときは櫛歯電極印加方式が採用されるものである。
〔上下電極印加方式〕
図4に示すように、トナー担持体(9)は、下層から導電性支持体(91A)、絶縁層(95)、電極(91Bb)を有する電極パターン、表面層(98)の順に積層構造となっている。
より詳しくは、トナー担持体(9)は、図4(a)、(b)(なお、図4(a)は図4(b)の上面図におけるA−A’における断面図である。)に示すように、第1の電極と第2の電極とを有し、一方の電極(例えば「第1の電極」)の機能を導電性支持体(91A)に担わせ、導電性支持体(91A)をA相、絶縁層(95)上に形成された複数の線状の電極(例えば「第2の電極」:91Bb)を有する電極パターン(91B)をB相とし、導電性支持体(91A)と電極(91Bb)との間の電位差によりトナー粒子をホッピングさせトナークラウドを形成するものである。この例では、導電性支持体(91A)は接地されている。
なお、電極パターン(91B)の形成は、絶縁層(95)が形成され円筒状に成形された絶縁層形成済みの支持体(91A)の周面に蒸着での銅薄膜が形成されたものから、フォトレジスト法によって所望の形状に加工することにより可能である。形成方法について特に限定はなく、フォトレジスト法を用いたパターニング以外に、例えばインクジェット装置等を用いた描画により形成しても構わない。
導電性支持体(91A)の大きさについて特に限定はなく、発明の実施者が適宜選択したものを用いればよい。また、電極(91Bb)の幅(d)、及び電極(91Bb)間の間隔(D)についても特に限定はなく、発明の実施者が適宜定めればよいが、後述する櫛歯電極に比し間隔(D)を広くすることができるため、短絡することを防止でき好ましい。
もっとも、トナークラウドの形成は、電極パターン(91Bb)の幅(d)、間隔(D)、及び交番電圧等によって影響されるため、良好なクラウドを形成するには、電極パターン(91Bb)の電極の幅(d)、間隔(D)をそれぞれ40μm〜250μmの幅、85μm〜500μmの間隔とすれば良い。電極パターン(91Bb)の電極の厚みは1μm〜20μmくらいが適当である。また、交番電圧としては、周波数100Hz〜5KHz、100V〜3KVが好適である。
電極(91Bb)を構成する材料は、高い導電性を有する材料(例えば銀粒子または導電性カーボンを分散したペースト)であれば使用することができるが、ペースト状であると電極パターンを描画することによりこれを達成でき好ましい。
なお、本実施形態におけるトナー担持体(9)においては、交番電圧電源として単相の交番電圧を使用するようにしているが、周期の異なる複数相の交番電圧電源も使用することが可能である。図3及び図4に示すように、トナー担持体に設けられた2つの電極(導電性支持体(91A)、複数の線状の電極(91Bb))に周期的に正負の方向が入れ替わるように電圧を印加することにより、トナー担持体表面の電界が周期的に逆方向へと入れ替わる、時間的に変化する電界により、トナー粒子が、感光体(1)の表面とトナー担持体(9)の表面層(98)との間でホッピングしてトナーのクラウドを形成し、このクラウドのトナー(T)が感光体(1)の表面に形成された静電潜像に向かって静電気的に吸引、付着してトナー像を形成できる。
(導電性支持体)
導電性支持体(91A)としては、例えばAl、Ni、Fe、Cu、Auなどの金属、もしくはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙等から形成された円筒状の支持体が使用できる。
(絶縁層)
導電性支持体(91A)と絶縁層上の電極(91Bb)に挟まれる絶縁層(95)について記述する。
導電性支持体(91A)と電極(91Bb)の間に交番電圧を印加すると、絶縁層材料により消費電力の増大が見られる。本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ポリイミドシリコーンには優れた絶縁性と低消費電力性能を有していることを見出した。
また、絶縁層薄膜を導電性支持体に形成するには、絶縁層材料の導電性支持体との接着性が求められる。本発明者らは鋭意検討の末、絶縁層がポリイミドシリコーンから構成されれば、導電性支持体との接着性を有していることを見出した。
一般的に基材表面にミクロンレベルの一様で平滑な薄膜を形成するのは著しく困難である。故に、ミクロンレベルの一様で平滑な薄膜を形成できるウェット薄膜形成プロセスが望まれるが、有機溶剤可溶である材料は有機溶剤可溶となる官能基等の構造を備えるためその構造が起因で消費電力が増大してしまう。
このように相反する機能が求められるが、本発明者らは鋭意努力の結果、前記ポリイミド系樹脂は有機溶剤可溶なためミクロンレベルの一様で平滑な薄膜を形成可能であり、低消費電力を実現する(特にポリイミドシリコーンは低消費電力を実現する効果が大きい)絶縁層を形成可能となることを見出した。
本発明でいうポリイミド系樹脂とは、ポリイミド樹脂及びポリイミド構造を基本骨格とする樹脂を意味する。ここで、ポリイミドとは一般的には芳香族多価カルボン酸無水物或いはその誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応によって得られるものである。具体的には、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンからまず有機溶媒に可溶なポリアミック酸(又はポリアミド酸〜ポリイミド前駆体)を合成し、その後加熱若しくは化学的な方法で脱水環化(イミド化)することでポリイミドが得られる(化学式1参照)。
Figure 0005601192
上記芳香族多価カルボン酸無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
上記芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
ポリイミド系樹脂としては、信越化学工業(株)からポリイミドシリコーンが上市されている。具体的には、信越化学工業社製のSMP−2003PGMEA Resin、SMP−5005PGMEA Resin、SMP−2006PGMEA Resinなどの1種もしくは2種以上を混合して用いることが好ましい。
絶縁層の形成には適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどを用いることができる。塗工法としては浸漬塗工法、スプレー塗工法等を用いることができる。
絶縁層(95)の膜厚は材料にもよるが、1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下がより好ましい。1μm未満では導電性支持体(91A)とトナー(T)間に電荷リークが生じないよう絶縁するのが困難であるため1μm以上とするのが好ましい。100μmより厚くては内部電極からの電界が弱くなり、トナー(T)が表面層(98)から遊離してホッピング可能である静電気力を生じることが困難である。
(表面層)
表面層(98)は電極(91Bb)を被覆し、トナー等へのリーク防止、およびトナーとの摩擦帯電によりトナーを適度に帯電させる機能が求められることから、その膜厚は、3μm以上20μm以下であることが好ましい。表面層(9c)をこのような膜厚とすることでホッピング電界強度の低下によるトナークラウドの不安定化も生じにくくなる。
表面層(98)を構成する材料としては、前記の求められる機能が満たせるならばかまわないが、とくにビスフェノール系のポリカーボネートが摩擦帯電能とトナーホッピングとを両立させ、長期間トナーのクラウドを安定的に形成可能であり、耐摩耗性をも向上させることができる。
分子量は30000〜60000であることが溶媒への溶解時の扱いやすさ等の点から好ましい。分子量が小さ過ぎると、塗工液を調製する際には作業し易いけれども、作製済みの感光体の塗工膜中でポリカーボネートの速やかな結晶化や分子鎖再配位による体積の著しい減少を来たし、所望の耐久強度が得難くなることがある。
表面層(98)にはポリカーボネート樹脂に添加剤としてレベリング剤が含有されていても良い。レベリング剤が含有される場合、その含有量は表面層(98)の0.001〜1重量%が適当である。
レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができるシリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。
表面層(98)にはそのほか、可塑剤、酸化防止剤、などの添加剤を適量添加することもできる。
表面層(98)の形成には、テトラヒドロフラン等のポリカーボネート樹脂を可溶な1種類以上の溶媒を用いて、浸漬塗工法、スプレー塗工法等の慣用される塗工法によって形成することができる。
表面層(98)の膜厚はトナー担持体の表面にトナーの電界カーテンを形成でき、また、電極電極(91Bb)のトナー担持体表面への露出を防ぐことができればいずれでもかまわないが、0.5μm以上、50μm以下であることが好ましい。0.5μmより以下では電極(91Bb)とトナー間に電荷リークが生じないよう絶縁するのが困難である。一方、50μmより以上では内部電極からの電界が弱くなる為、トナーが表面層(98)から遊離してホッピング可能である静電気力を生じることが困難である。さらに、表面層(98)の膜厚が5〜50μmであると、トナーホッピングはより安定的に行われるようになる。
以上のように本発明は、上記のように、図4に示す上下電極印加方式のトナー担持体に適用すると大きな効果を得るものであるが、図5に示す櫛歯電極印加方式のトナー担持体に適用することも効果は小さいが可能である。
〔櫛歯電極印加方式〕
トナー担持体である現像ローラ(9)は、図5(a)、(b)(なお、図5(a)は図5(b)の上面図におけるA−A’における断面図である。)に示すように、線状の複数の電極(9bAa)を有する第1の電極パターン(9bA)と線状の複数電極(9bBb)を有する第2の電極パターン(9bB)とが、電極(9bAa)と電極(9bBb)とが交互に現像ローラの軸方向に平行に形成されている。
本実施形態における現像ローラ(9)においては、交番電圧電源として単相の交番電圧を使用するようにしているが、周期の異なる複数相の交番電圧電源も使用することが可能である。この場合、電極パターン(9b)として前記周期に対応させて端部の長さが異なる複数の電極(9b)を隣接して形成し、同一長さの端部同士で接続する複数の端子を取り付け、各端子から周期の異なる相の交番電圧を印加するようにしても良い。このような周期の異なる複数相の交番電圧電源を使用する場合には、進行波状のクラウドを形成することが可能となる。
電極パターン(9bA)、(9bB)の形成は、回転軸を有する円筒状に成形された絶縁性支持体(93)の周面に蒸着での銅薄膜が形成されたものからフォトレジスト法によって所望の形状に加工することにより可能である。フォトレジスト法を用いたパターニング以外に、例えばインクジェット装置等を用いた描画により形成しても構わない。また、絶縁性支持体(93)の大きさについて特に限定はなく、発明の実施者が適宜選択したものを用いればよい。また、電極(9bAa)と電極(9bBa)と電極(9bBb)各々の幅(d)、及び電極(9bAa)と電極(9bBb)との間の間隔(D)についても特に限定はなく、発明の実施者が適宜定めればよい。
ただし、この櫛歯電極印加方式のトナー担持体においても、トナークラウドの形成は、前記幅(d)、前記間隔(D)、及び交番電圧等によって影響されるため、良好なクラウドを形成するには、電極パターン(91Bb)の電極の幅(d)、間隔(D)をそれぞれ40μm〜250μmの幅、85μm〜500μmの間隔とするのが好ましい。電極パターン(91Bb)の電極の厚みは0.1μm〜20μmくらいが適当である。また、交番電圧としては、周波数100Hz〜5KHz、100V〜3KVが好適である。
電極(9bAa)及び電極(9bBb)を構成する材料は、上下電極印加方式のトナー担持体の説明でしたのと同じである。
(絶縁性支持体)
絶縁性支持体(93)としては、ポリイミド、ポリカーボネート、ナイロン、フッ素系樹脂、ポリアセタール、フェノール、ポリスチレン等の合成樹脂から形成された円筒状の絶縁性支持体、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、チタン、ステンレスなどを切削、研摩などの金属加工をした円筒状の金属の導電性支持体(9a)前記合成樹脂を被覆したものを使用することができる。
(絶縁層、表面層)
絶縁性支持体(93)には、絶縁層(95)、電極(9bAa)及び電極(9bBb)、表面層(98)が順次積層されているが、絶縁層(95)及び表面層(98)については上下電極印加方式のトナー担持体の説明でしたのと同じである。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本件の発明の範囲内である。
〔実施例1〕
(絶縁層用塗工液の調製)
ポリイミド系樹脂(ポリイミドシリコーンSMP−2003PGMEA Resin、信越化学工業社製)100重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50重量部と混合して、絶縁層用塗工液を調製した。
(表面層用塗工液の調製)
テトラヒドロフラン70重量部、シクロヘキサノン30重量部の混合液に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(構造単位M−15からなる分子量50000の重合化合物:パンライト TS−2050、帝人化成社製)3重量部、シリコーンオイル(KF−50、信越化学工業社製)0.002重量部を溶解して、表面層用塗工液を調製した。
(トナー担持体の作製)
直径16mm、長さ230mmの円柱状のAl製導電性支持体上に、前記の絶縁層用塗工液にてスプレー塗工を行い膜厚20μmの絶縁層を形成した。これを絶縁層形成済みの支持体(91A)とする。絶縁層形成済みの支持体(91A)上にそれぞれ蒸着によって導電性金属箔膜である0.8μm厚みの銅箔膜を形成した。さらに、これらの銅箔膜上に5μm厚みのレジスト膜を塗布した。銅膜及びレジスト膜に覆われた絶縁層形成済みの支持体(91A)に幅d=100μm、長さL=200mm、間隔D=200μmで離間させた格子状のパターンをレーザー描画機で露光して、NaCO水溶液中で現像した後、FeCl水溶液に浸漬させてエッチングを行い、前記電極パターンと同一形状の電極パターン(91B)を有する電極(91Bb)を形成した。
次に、このようにして所定の電極パターン(91B)を有する電極を形成した絶縁層形成済みの支持体(91A)の電極パターン(91B)の片側端部をマスキングし、電極を覆う最大膜厚10μmの表面層(98)を前記の表面層形成塗工液にてスプレー塗工を行うことにより形成した。表面層(98)は絶縁層形成済みの支持体(91A)の端部で電極が露出した状態で塗布した。
このようにして作製した図4に示すトナー担持体(9)を現像装置(4)に組み込んだ。
〔実施例2〕
実施例1のポリイミド系樹脂(ポリイミドシリコーンSMP−2003PGMEA Resin、信越化学工業社製)100重量部に代えて、ポリイミド系樹脂(ポリイミドシリコーンSMP−5005PGMEA Resin、信越化学工業社製)100重量部を用い他は、実施例1と同様にして図4に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔実施例3〕
実施例1のポリイミド系樹脂(ポリイミドシリコーンSMP−2003PGMEA Resin、信越化学工業社製)100重量部に代えて、ポリイミド系樹脂(ポリイミドシリコーンSMP−2006PGMEA Resin、信越化学工業社製)100重量部を用い、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50重量部を30重量部に変更した他は、実施例1と同様にして図4に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔比較例1〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))110重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)60重量部をメチルエチルケトン110重量部に溶解した絶縁層用塗工液を用いる他は、実施例1と同様にして図4に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔比較例2〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて実施例1の表面層用塗工液を用い、実施例1の表面層形成方法と同様の形成方法にて絶縁層を形成した他は、実施例1と同様にして図4に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔比較例3〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックスB BX−1、積水化学工業社製)30重量部をメチルエチルケトン70重量部に溶解して調製した絶縁層用塗工液を用いる他は、実施例1と同様にして図4に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔評価〕
(電極への電圧印加条件)
現像装置(4)の開口部に取り付けた端子と導電性支持体に−400Vと0Vのそれぞれをピークに持つ各瞬間における平均電位が−200Vの交流バイアスを5KHzの周波数で交流電源から印加した。
トナーとしてリコー社製の画像形成装置(imagio Neo C320)に搭載されるBK色トナー(ワックス非含有粉砕トナー)を現像装置(4)に供給して使用した。
これらの現像装置およびトナーをimagio Neo C320の黒ステーションに組み込んで画像出力を行い、現像装置の消費電力、導電性支持体と電極間のリークの有無、トナー担持体上のトナー飛翔の状態、異常画像の発生の有無、を比較した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の測定結果及び観察結果を表1に示す。表1にみられるように、実施例1〜3は比較例1に比較して消費電力が少ないことが分かる。比較例2、3については、電極への電圧印加において導電性支持体と電極の間がリークして導通する現象が見られた。導電性支持体と電極の間に電位差が生じないため電界は発生せず、トナー担持体表面でトナーのホッピングは生じなかった。画像出力も行えなかった。
Figure 0005601192
〔実施例4〕
(絶縁性支持体用塗工液の調製)
2−ブタノン60重量部に、アルキッド樹脂30重量部及びメラミン樹脂20重量部を溶解して、絶縁性支持体用塗工液を調製した。
(トナー担持体の作製)
直径16mm、長さ230mmの円柱状のアルミニウム管を上記絶縁性支持体形成用塗布液に浸漬させて20μm厚の絶縁膜で被覆することにより絶縁性支持体(9a)を作製した。この絶縁性支持体(9a)上に実施例1の絶縁層用塗工液をスプレー塗工して膜厚20μmの絶縁層(95)を形成した。次いで、絶縁層(95)上に蒸着によって導電性金属箔膜である0.8μm厚みの銅箔膜を形成した。さらに、銅箔膜上に5μm厚みのレジスト膜を塗布した。銅箔膜及びレジスト膜に覆われた絶縁性支持体(9a)に幅(d)=100μm、長さ(L)=200mmの線状の複数の電極(9bA)及び(9bB)を間隔(D)=200μmで離間させた電極パターン(9b)をレーザー描画機で露光して、NaCO水溶液中で現像した後、FeCl水溶液に浸漬させてエッチングを行い、電極パターン(9b)を有する電極(9bA)及び(9bB)を形成した。
次に、このようにして所定の電極パターン9bを有する電極を形成した絶縁性支持体(9a)上に設けられた電極(9bA)、(9bB)上に、実施例1の表面層形成用塗工液を絶縁性支持体(9a)の両端で電極軸及びが露出するようにして塗布し、これらの電極(9bA)、(9bB)を覆う表面層(9c)を10μm厚で形成した。このようにして作製した図5に示す現像ローラ(9)を現像装置(4)に組み込んだ。
〔実施例5〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて、実施例2の絶縁層用塗工液を用い他は、実施例4と同様にして図5に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔実施例6〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて、実施例3の絶縁層用塗工液を用い他は、実施例4と同様にして図5に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔比較例4〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工業社製)110重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)60重量部をメチルエチルケトン110重量部に溶解して調製した絶縁層用塗工液を用い、及び、実施例1の絶縁層塗工液のスプレー塗工に代えて浸漬塗工を用いた他は、実施例4と同様にして図5に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔比較例5〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて実施例1の表面層用塗工液を用い、実施例1の表面層形成方法と同様の形成方法にて絶縁層を形成した他は、実施例4と同様にして図5に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔比較例6〕
実施例1の絶縁層用塗工液に代えて、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックスB BX−1、積水化学工業社製)30重量部をメチルエチルケトン70重量部に溶解して調製した絶縁層用塗工液を用いる他は、実施例4と同様にして図5に示すトナー担持体(9)を作製し、これを現像装置(4)に組み込んだ。
〔評価〕
現像装置(4)の開口部(8a)に取り付けた2つの端子の一方に−400V、他方に0Vのそれぞれをピークに持つことによって常時平均電位が−200Vとなる交流バイアスを5KHzの周波数で交流電源から印加した。この場合、奇数番目電極群(9bA)と偶数番目電極群(9bB)の交流バイアスは逆位相である。
トナー及び現像装置は実施例1と同じにして画像出力を行い、現像装置の消費電力、導電性支持体と電極間のリークの有無、トナー担持体上のトナー飛翔の状態、異常画像の発生の有無、を比較した。
実施例4〜6及び比較例4〜6の測定結果及び観察結果を表2に示す。表2にみられるように、実施例4〜6は比較例4に比較して消費電力が少ないことが分かる。比較例2、3については、電極への電圧印加において導電性支持体と電極の間がリークして導通する現象が見られた。導電性支持体と電極の間に電位差が生じないため電界は発生せず、トナー担持体表面でトナーのホッピングは生じなかった。画像出力も行えなかった。
Figure 0005601192
1 感光体
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 定着装置
7a 加熱ローラ
7b 加圧ローラ
8 容器
8a 開口部
9 トナー担持体(現像ローラ)
10 循環パドル
11 トナー規制部材
14 交番電流
A 回転方向
B 搬送方向
C 回転方向
D 間隔
T トナー
d 幅
56 二成分現像器
57 マグネットスリーブ
59 交番電圧
60 容器
61 現像剤攪拌装置
62 現像剤攪拌装置
63 現像剤
90A 電極パターン
90Aa 電極
90B 電極パターン
90Bb 電極
91A 導電性支持体
91B 電極
91Bb 電極
93 支持体
95 絶縁層
98 表面層
特開平3−21967号公報 特開2007−133388号公報 特開2010−217608号公報

Claims (10)

  1. トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像に供される該トナー担持体であって、導電性又は絶縁性支持体と、該支持体上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、該複数の電極を覆う表面層とを有し、該絶縁層がポリイミドシリコーンにより構成されていることを特徴とするトナー担持体。
  2. 前記支持体は導電性支持体で一方の電極を構成し、該電極と他方の電極となる前記複数の電極とに電圧が印加されるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー担持体。
  3. 前記支持体は絶縁性支持体であり、前記複数の電極は第1の電極パターンの電極と第2の電極パターンの電極とが交互に平行に形成されており、かつ該第1の電極パターンの電極と該第2の電極パターンの電極とに電圧が印加されるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー担持体。
  4. 前記第1の電極パターンの電極と前記第2の電極パターンの電極とが櫛歯状に配置されたものであることを特徴とする請求項3に記載のトナー担持体。
  5. 前記複数の電極はトナーの搬送方向に配列され、電界を発生させるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー担持体。
  6. 前記表面層がポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー担持体。
  7. トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像装置において、該トナー担持体が請求項1〜6のいずれかに記載のトナー担持体であることを特徴とする現像装置。
  8. 前記トナー担持体は、前記感光体と空間を有して対面する非接触状態に配置されることを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
  9. 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び、トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像手段を含む画像形成装置において、該ホッピング現像手段が請求項7又は8に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、及び、トナー担持体に担持されたトナーを、該トナー担持体が有する複数の電極が形成する電界によってホッピングさせ、該トナー担持体と対面する感光体表面の静電潜像を現像するホッピング現像工程を含む画像形成方法において、該トナー担持体が請求項1〜6のいずれかに記載のトナー担持体であることを特徴とする画像形成方法。
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