JP2014160108A - トナー担持体、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

トナー担持体、現像装置及び画像形成装置 Download PDF

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康之 山下
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Abstract

【課題】耐摩耗性が高く、安定したトナークラウドを形成でき、耐フィルミング性に優れる表面層を有する現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、画像形成装置を提供する。また、低消費電力であり、長期間安定してトナーのクラウドを形成できる現像装置、現像装置に搭載されるトナー担持体、画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体と、導電性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記複数の電極と前記導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧が印加されることで、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下でありかつ2.0以上である樹脂から構成されることを特徴とするトナー担持体。
【選択図】図2

Description

本発明は、トナー担持体、トナー担持体を備えた現像装置及び、現像装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、電子写真プロセスによる現像装置が用いられている。このような現像装置のうち、静電潜像の形成された感光体に対して、現像剤(トナー)を搬送するトナー担持体を接触させずに現像を行う非接触方式の現像装置が注目されている。非接触方式の例としては、パウダーラウンド法・ジャンピング法、電界カーテンを利用した方法等が知られている。
前記ジャンピング現像方式(感光体とトナー担持体との間でトナー粒子をジャンピングさせる方式)は、トナー粒子とトナー担持体との付着力以上の印加電圧が必要となる。
また電界カーテン法は、内部に一定の間隔で並べられた複数の電極を有するトナー担持体の前記電極に交番電界を印加して、該トナー担持体表面に生じる交番不平等電界によって形成される電界カーテンにより、予め帯電させたトナーをホッピングさせ、静電潜像にトナー粒子を供給するものであり、トナー担持体表面でトナー粒子がホッピングするため、トナー粒子とトナー担持体表面との付着力が略零になり、現像のためにトナー粒子をトナー担持体表面から剥離する力が不要であるため、低電圧で十分にトナーを潜像担持体側に搬送することが可能なものである。
特許文献1に開示される前記電界カーテン方式の現像装置は、複数の電極の上に絶縁性材料などからなる表面保護層が被覆された現像剤担持搬送体を用いているので、トナーの電荷が電極にリークせず、トナーの電荷が失われてホッピング不良を引き起こすことがない。
特許文献2、3には、トナー粒子を、予め摩擦帯電させずに、トナー担持体の表面上に供給し、トナー粒子を交番電界によりホッピングさせてトナー粒子を帯電させるために、現像剤担持搬送体表面をトナーの正規帯電極性側への摩擦帯電を促す材料で形成することが開示されている。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、耐摩耗性が高く、安定したトナークラウドを形成でき、トナー帯電性、有機絶縁層または無機絶縁層との接着性、及び、耐フィルミング性に優れる表面層を有する現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、及び該現像装置を搭載する画像形成装置を提供することにある。
また、低消費電力であり、長期間安定してトナーのクラウドを安定的に形成し、感光体表面の静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像化可能である現像装置、現像装置に搭載されるトナー担持体、現像装置を搭載する画像形成装置を提供することにある。
ここで、トナークラウドとは、トナーが断続的にトナーホッピングを繰り返すことで霧状にトナー空気中に浮遊している状態を意味する。
電極間リークへの耐性を向上させるため、一方の電極を導電性支持体に担わせその導電性支持体上に絶縁層を形成することで、絶縁層上の電極と絶縁層膜厚の距離、隔離する形態をとることができる。
この形態の場合、トナーホッピングを引き起こす電界を形成するため交番電圧もしくは矩形波を電極へ印加したとき、導電性支持体および絶縁層上電極の電荷の間に静電気力が働き電極に多くの電荷を溜め込む。そのため電力が多く消費されるため、より消費電力を小さくすることが強く求められていた。そこで絶縁層に比誘電率が特定の範囲となる樹脂を用いるとトナーホッピングに影響なく消費電力を小さくできることを見出した。また絶縁層の膜厚を特定の範囲とした場合、絶縁層、表面層間の電極幅および電極間隔を特定の範囲とした場合、電極に印加する最大電圧差、周波数を特定の値とした場合、トナーホッピングに影響なく消費電力を小さくできることを見出した。
絶縁層に比誘電率が特定の範囲となる樹脂を用いることで消費電力を小さくする効果は、図4のような絶縁層上に異なる2種の相の電圧が印加される電極が交互に一定の間隔で並べられた複数の電極を有する櫛歯電極方式においても少なからず有効である。
すなわち、上記課題は、本発明の、下記(1)〜(12)によって解決される。
(1)「導電性支持体と、導電性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記複数の電極と前記導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧が印加されることで、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下でありかつ2.0以上である樹脂から構成されることを特徴とするトナー担持体。」
(2)「 導電性支持体と、導電性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に、少なくとも、異なる2種の相の電圧が印加される電極が交互に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記交互の電極間の電界が周期的に反転するように交互の電極それぞれに電圧が印加されることで、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下でありかつ2.0以上である樹脂から構成されることを特徴とするトナー担持体。」
(3)「前記絶縁層の膜厚が10μm以上30μm以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)のいずれかに記載のトナー担持体。」
(4)「前記電極の周方向1本当たりの幅dと、電極間の間隔幅Dについて、それぞれが40μm≦d≦200μm、90μm≦D≦200μmであることを特徴とする前記請前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー担持体。」
(5)「前記電極と導電性支持体に印加される電圧の最大電圧差が100V以上800V以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナー担持体。」
(6)「 前記電極と導電性支持体に印加される電圧の周波数が300Hz以上800Hz以下であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のトナー担持体。」
(7)「 前記複数の電極を覆う表面層に用いる材料が、ビスフェノール系のポリカーボネートを含むものであることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナー担持体。」
(8)「 前記複数の電極を覆う表面層に用いる材料が、少なくともメタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基または水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体により構成されたものであることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナー担持体。」
(9)「 前記(1)乃至(8)のいずれかに記載のトナー担持体および、少なくとも前記トナー担持体へのトナー供給手段を備えていることを特徴とする現像装置。」
(10)「 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成装置において、画像形成装置が前記(1)乃至(6)のいずれかに記載されたトナー担持体の複数の電極と導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧を印加する電圧印加手段を備えたものであることを特徴とする画像形成装置。」
また、本発明は次のような「トナー担持体」、「現像装置」及び「画像形成装置」を包含する。
(11)「前記グラフト共重合体を硬化剤により硬化した樹脂から前記表面層が構成されることを特徴とする前記(7)項に記載のトナー担持体。」
(12)「前記トナー担持体へのトナー供給手段をも備えていることを特徴とする前記(9)項に記載の現像装置。」
(13)「少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成装置であって、前記現像手段は前記(1)項乃至(8)項のいずれか又は前記(11)項に記載のトナー担持体を有するものであり、前記現像剤担持体の複数の電極と導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする前記(10)項に記載の画像形成装置。」
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明は、導電性支持体と、導電性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記複数の電極と前記導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧が印加されることで、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下でありかつ2.0以上である樹脂から構成されるトナー担持体である。
前記トナー担持体においては、トナーホッピングを引き起こす電界を形成するため交番電界もしくは矩形波を電極へ印加したとき、少ない消費電力でトナーホッピングを引き起こすことができる。
これにより低消費電力で感光体表面の静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像化可能である現像装置、現像装置に搭載されるトナー担持体、現像装置を搭載する画像形成装置の提供が可能となる。
また、前記複数の電極を覆う表面層が特に特定のものである場合は、耐摩耗性が高く、安定したトナークラウドを形成でき、トナー帯電性、有機絶縁層または無機絶縁層との接着性、及び、耐フィルミング性に優れる表面層を有する現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、及び該現像装置を搭載する画像形成装置を提供することができるという付随的ではあるが優れた効果を奏する。
本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 現像装置のトナーのクラウド状態の一例を説明する模式図である。 トナー担持体の構成を示す図である。 他のトナー担持体の構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。図1において、(1)は矢印(A)方向に回転するドラム状の感光体、(2)は感光体(1)の表面を一様に帯電する帯電ローラ、(3)は画像情報に対応するレーザー光等を感光体(1)の表面に照射する露光装置、(4)は感光体(1)の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する現像装置である。(5)は感光体(1)の表面に現像装置(3)で形成されたトナー像を転写用紙等の転写材(P)上に転写する転写ローラ、(6)は転写材(P)にトナー像を転写した後に感光体(1)の表面に残存するトナーを感光体(1)の表面から除去するクリーニング装置である。(7)は、転写材(P)上に転写された未定着トナー像を加熱、加圧して転写材(P)上に定着させる定着装置である。
この画像形成装置によって転写材(P)上にトナー画像を形成する方法について説明する。矢印(A)方向に回転する感光体(1)の表面を、帯電ローラ(2)によって所定の電圧を印加して一様に帯電させる。このように一様に帯電された感光体(1)の表面に所望の画像情報に対応するレーザー光を露光装置(3)から照射して感光体(1)の表面に静電潜像を形成する。続いてこのようにして形成された静電潜像に対して、現像装置(4)からトナーを供給して静電的に付着させて静電潜像をトナー像化させる。このようにして形成されたトナー像は、転写ローラ(5)によって感光体(1)の表面と転写材(P)を圧接させて矢印(B)方向に転写材(P)を搬送させながらバイアス電圧を印加して感光体(1)の表面から転写材(P)の表面に転写される。その後転写材(P)上に転写されたトナー像は、定着装置(7)の加熱ローラ(7a)及び加圧ローラ(7b)によって加熱加圧されて転写材(P)上に定着される。このようにして転写材P上にトナー像を転写した感光体(1)は、感光体(1)の表面に残存するトナーをクリーニング装置(6)で除去して感光体(1)の表面をクリーニングし、再び、帯電ローラ(2)によって一様に帯電される。以後、前述のように、露光装置(3)によって静電潜像が形成され、現像装置(4)で静電潜像がトナー像化され、転写ローラ(5)で転写材(P)上にトナー像が転写され、クリーニング装置(6)で感光体(1)の表面がクリーニングされる動作が繰り返される。
本発明においては、感光体(1)の表面に形成された静電潜像をトナーでトナー像化する現像装置(4)に特徴を有する。本実施形態における現像装置(4)は、図1に示すように、トナー(T)を収納する容器(8)内に、トナーを感光体(1)に開口部(8a)から供給するトナー担持体(9)が回転可能に取り付けられ、図示しない駆動手段によって矢印(C)方向に回転されるようになっている。そして、循環パドル(10)によってトナー(T)を攪拌しながら循環させてトナー(T)を帯電させると共にトナー(T)をトナー担持体(9)の表面に供給する。このようにしてトナー(T)が供給されたトナー担持体(9)は、その表面にトナー(T)を静電力によって保持しながら汲み上げ、トナー担持体(9)と所定間隔を有して容器(8)に取り付けられたブレード状のトナー規制部材(11)によって汲み上げるトナー量が規制されている。トナー担持体(9)は、後述するように、開口部(8a)で交番電界が印加されてトナー(T)のクラウドが形成される。その結果、このクラウドからトナー(T)が静電気的に感光体(1)の表面の静電潜像に供給されてトナー像が形成されるようになっている。なお、図1の符号(12)は、補給トナーを供給するトナー供給口である。
トナー担持体(9)について説明する。
図2に示すように、トナー担持体(9)は、下層から導電性支持体、絶縁層、電極パターン、表面層の順に積層構造となっている。
図3はトナー担持体(9)を説明する図である。
トナー担持体(9)は、図3(a)、(b)(なお、図3(a)は図3(b)の上面図におけるA−A’における断面図である。)に示すように、第1の電極と第2の電極とを有し、一方の電極の機能を導電性支持体(91A)に担わせ、導電性支持体(91A)をA相、絶縁層(95)上に形成された複数の線状の電極(91Bb)を有する電極パターン(91B)をB相とし、導電性支持体(91A)と電極(91Bb)との間の電位差によりトナー粒子をホッピングさせトナークラウドを形成するものである。
なお、電極パターン(91B)の形成は、円筒状に成形された支持体(91A)の周面に蒸着での銅薄膜が形成されたものからフォトレジスト法によって所望の形状に加工することにより可能である、形成方法について特に限定はなく、フォトレジスト法を用いたパターニング以外に、例えばインクジェット装置等を用いた描画により形成しても構わない。導電性支持体(91A)としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性の優れた材料からなる支持体を用いることができる。また、導電性支持体(91A)の大きさについて特に限定はなく、発明の実施者が適宜選択したものを用いればよい。また、電極(91Bb)の幅(d)、及び電極(91Bb)間の間隔(D)についても特に限定はなく、発明の実施者が適宜定めればよいが、後述する櫛歯電極型に比し間隔(D)を広くすることができるため、短絡することを防止でき好ましい。
トナークラウドの形成は、電極パターン(91Bb)の幅(d)、間隔(D)及び交番電圧等によって影響される。良好なクラウドを形成するには、電極パターン(91Bb)の電極の幅(d)、間隔(D)をそれぞれ40μm〜250μmの幅、85μm〜500μmの間隔とすれば良い。より好ましくは電極の幅(d)、間隔(D)をそれぞれ40μm〜200μmの幅、90μm〜200μmの間隔とするとなお良い。
また、交番電圧としては、周波数100Hz〜5KHz、最大電圧差100V〜3KVが好適である。より好ましくは周波数100Hz〜800Hz、最大電圧差300V〜800Vとするとなお良い。
電極(91Bb)を構成する材料は、高い導電性を有する材料であれば使用することができるが、ペースト状であると電極パターンを描画することによりこれを達成でき好ましい。
なお、本実施形態におけるトナー担持体(9)においては、交番電圧電源として単相の交番電圧を使用するようにしているが、周期の異なる複数相の交番電圧電源も使用することが可能である。担持体に設けられた2つの電極に周期的に正負の方向が入れ替わるように電圧を印加することにより、担持体表面の電界が周期的に逆方向へと入れ替わる、時間的に変化する電界により、トナー粒子が、感光体(1)の表面とトナー担持体(9)の表面層(98)との間でホッピングしてトナーのクラウドを形成し、このクラウドのトナー(T)が感光体(1)の表面に形成された静電潜像に向かって静電気的に吸引、付着してトナー像を形成できる。
(導電性支持体)
導電性支持体として、例えばAl、Ni、Fe、Cu、Auなどの金属、もしくはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn23、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙等から形成された円筒状の支持体が使用できる。
(絶縁層)
導電性支持体と絶縁層上の電極に挟まれる絶縁層について記述する。導電性支持体と電極の間に交番電圧を印加するとその消費電力は絶縁層の誘電率に比例する。そのため誘電率は小さいことが好ましい。また消費電力を小さくするには絶縁層膜厚を厚くすれば良いが、表面への湧出電界が小さくなり、トナーホッピングが弱くなり、正常な画像が得られない。また、印加する交番電界もしくは矩形派の最大電圧差を小さくしても消費電力を小さくできるがやはり、表面への湧出電界が小さくなり、トナーホッピングが弱くなり、正常な画像が得られない。印加する交番電界もしくは矩形派の周波数を小さくしても消費電力を小さくできるが、トナーが感光体へ供給される量が少なくなり正常な画像が得られない。
本発明者は鋭意検討の末、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下であり、かつ2.0以上である樹脂により構成されれば低消費電力であるトナー担持体を提供可能なことを見出した。これらの樹脂を少なくとも絶縁層に含有することが必要である。
フルオロエチレンとビニルエーテルモノマーの共重合体により構成されるフッ素樹脂が本発明の前記絶縁層を構成する樹脂として用いることができる。
具体的には、旭硝子(株)製のルミフロンLF−100、ルミフロンLF−200、ルミフロンLF−200F、ルミフロンLF−302、ルミフロンLF−400、ルミフロンLF−600、ルミフロンLF−600X、ルミフロンLF−800、ルミフロンLF−906N、ルミフロンLF−910N、ルミフロンLF−916N、ルミフロンLF−936、ルミフロンLF−9010などをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
テトラフルオロエチレンとビニルモノマーの共重合体により構成されるフッ素樹脂も本発明の前記絶縁層を構成する樹脂として用いることができる。
具体的には、ダイキン工業(株)製のゼッフルGK−500、ゼッフルGK−510、ゼッフルGK−550、ゼッフルGK−570、ゼッフルGK−580などをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
これらフルオロエチレンとビニルエーテルモノマーの共重合体、もしくはテトラフルオロエチレンとビニルモノマーの共重合体のいずれかにより構成されるフッ素樹脂の硬化剤としてはポリオールであるフッ素樹脂を硬化できる多価イソシアネートを用いることが好ましい。多価イソシアネートは形成薄膜の誘電率に大きな影響を与えずフッ素樹脂を硬化するのに好ましい。
具体的には、旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネートTHA−100、デュラネートTPA−100、デュラネートTSS−100、デュラネートTSE−100、デュラネートTSR−100など、住化バイエル(株)のスミジュールN3300など、三井武田ケミカル(株)製のタケネートD−177N、タケネートD−173N、タケネートD−140Nなど、日本ポリウレタン工業(株)コロネートHXなどをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
特に硬化剤としては常温における塗工液の保存性向上のためブロックイソシアネート構造をもつ多価イソシアネートを用いることが好ましい。
具体的には、旭化成ケミカルズ(株)製のデュラネートTPA−B80X、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80Tなど、住化バイエル(株)製のデスモジュールBL−3175、BL4265などをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
そのほかメラミン硬化剤も適用可能である。メラミン硬化剤としては、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、エポキシ変性メラミン、部分又は完全にアルキルエーテル化されたメラミン樹脂等を用途に応じて各種変性されたものが使用できる。
具体的には、DIC(株)製のスーパーベッカミン G−821−60、L−110−60、L−127−60、L−105−60など三井サイテック(株)製のサイメル−370、サイメル−771、マイコート−102をこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
絶縁層の形成には適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
パーフルオロエチレン性不飽和基を分子両末端に有するパーフルオロビニルエーテル(以後、パーフルオロビニルエーテルと記載)の重合体も本発明の絶縁層を構成する樹脂として用いることができる。
具体的に旭硝子製のサイトップ CTL−109AE、サイトップ CTX−109AE、サイトップ CTX−809A、サイトップ CTX−809AP2、サイトップ CTX−809S、サイトップ CTX−809SP2、サイトップ CTL−809A、サイトップ CTL−809M、サイトップ CTL−816APなどから選ばれる1種もしくは2種以上を混合して用いることが好ましい。
また、パーフルオロビニルエーテルの硬化は、不活性ガス(Ar、He、Nなど)雰囲気下にて行うことで絶縁層(95)表面の酸化を防止し、消費電力増大を抑制することができる。
絶縁層(95)の形成にはフッ素系溶剤、例えばサイトップCT−SOLV100E、サイトップ CT−SOLV180を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
そのほか本発明の絶縁層を構成する樹脂として用いることができるものとして、フッ素含有樹脂の一種である旭硝子製のAl−Polymerを用いることができる。
具体的に旭硝子製のAL−Polymer AL−X504、AL−X2030を1種もしくは2種を混合して用いることができる。Al−Polymerの硬化は、不活性ガス(Ar、He、Nなど)雰囲気下にて行うことで絶縁層(95)表面の酸化を防止し、消費電力増大を抑制することができる。
Al−Polymerによる絶縁層の形成には適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
ノルボルネン樹脂も本発明の絶縁層を構成する樹脂として用いることができる。
ノルボルネン樹脂としては日本ゼオンからシクロオレフィンポリマーが上市されており、容易に入手できる。具体的には、日本ゼオン(株)製のZEONEX480、ZEONEX480R、ZEONEX48R、ZEONEX330R、ZEONEX RS420、ZEONEX F52R、ZEONOR1020R、ZEONOR1060R、などをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
ノルボルネン樹脂による絶縁層の形成には適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。溶媒としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラリン、リモネン(光学異性体含む)、テトラヒドロフランなどを用いることができる。とくに、溶媒に少なくともリモネンを用いると、金属支持体に対する接着性が確保しやすいので好ましい。そのほか人体への有害性、環境負荷から好ましくないが、トルエン等の芳香族有機溶剤、四塩化炭素等の塩素系有機溶剤も用いることができる。塗工法としては浸漬塗工法、スプレー塗工法等の慣用される塗工法を用いることができる。
非環式オレフィンと環状オレフィンの共重合体も本発明の絶縁層を構成する樹脂として用いることができる。用いる非環式オレフィンと環状オレフィンの共重合体は非環式オレフィンが炭素数2〜12、好ましくは2〜6の低級アルケン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等の非環式オレフィンであることが好ましく、環状オレフィンがノルボルネン、テトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン等の少なくとも1つの二重結合を有する炭素数3〜17、好ましくは5〜12の環状もしくは多環式オレフィンであることが好ましい。環状オレフィンはノルボルネンであることが特に好ましい。
非環式オレフィンと環状オレフィンの共重合体としては、Topas Advanced Polymers GmbH社製で日本国内ではポリプラスティック(株)から上市されている環状オレフィンコポリマー(COC)であるTOPAS 5013LS−01、TOPAS 5013L−10、TOPAS6013S−04、TOPAS6015S−04、TOPAS 9506F−04、TOPAS 8007F−04、TOPAS 8007F−400、TOPAS 6013F−04などをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
非環式オレフィンと環状オレフィンの共重合体による絶縁層の形成には適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。溶媒としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラリン、リモネン(光学異性体含む)、テトラヒドロフランなどを用いることができる。とくに、溶媒に少なくともリモネンを用いると、金属支持体に対する接着性が確保しやすくなり好ましい。そのほか人体への有害性、環境負荷から好ましくないが、トルエン等の芳香族有機溶剤、四塩化炭素等の塩素系有機溶剤も用いることができる。塗工法としては浸漬塗工法、スプレー塗工法等の慣用される塗工法を用いることができる。
ベンゾシクロブテン系樹脂も本発明の絶縁層を構成する樹脂として用いることができる。
具体的にザ・ダウケミカルカンパニー製のCYCLOTENE 3022−35 Resin、CYCLOTENE 3022−46 Resin、CYCLOTENE 3022-57 Resin、CYCLOTENE 3022−63 Resin、CYCLOTENE 4022−35 Resin、CYCLOTENE 4022−40 Resin、CYCLOTENE 4022−46 Resinなどをこれらの1種もしくは2種以上を混合して用いることが好ましい。
また、ベンゾシクロブテン系樹脂の硬化は、不活性ガス(Ar、He、N2など)雰囲気下にて行うことで絶縁層表面の酸化を防止し、消費電力増大を抑制することができる。
絶縁層の形成には適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
絶縁層膜厚は材料にもよるが1μm以上100μm以下であることが好ましい。
1μm未満では電極とトナー間に電荷リークが生じないよう絶縁するのが困難であるため1μm以上とするのが好ましい。100μmより厚くては内部電極からの電界が弱くなり、トナーが表面層から遊離してホッピング可能である静電気力を生じることが困難であり、50μm以下がさらに好ましい。
より好ましくは、絶縁層膜厚は10μm以上30μm以下とすると低消費電力であり、かつ、大きな電力を用いなくともローラ表面からトナーをホッピングさせるに十分な電界を湧出させることができるのでより良い。
(表面層−その1)
表面層は電極を被覆し、トナー等へのリーク防止、およびトナーとの摩擦帯電によりトナーを適度に帯電させる機能が求められる。
それら求められる機能が満たせるならば表面層に用いる材料はかまわないが、特にビスフェノール系のポリカーボネートが摩擦帯電能とトナーホッピングとを両立させ、長期間トナーのクラウドを安定的に形成可能であり、耐摩耗性をも向上させることができる。
分子量は30000〜60000であることが溶媒への溶解時の扱いやすさ等の点から好ましい。分子量が小さ過ぎると、塗工液を調製する際には作業し易いけれども、作製済みの感光体の塗工膜中でポリカーボネートの速やかな結晶化や分子鎖再配位による体積の著しい減少を来たし、所望の耐久強度が得難くなることがある。
表面層にはポリカーボネート樹脂に添加剤としてレベリング剤が含有されていても良い。
レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができるシリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。
表面層にはそのほか、可塑剤、酸化防止剤、などの添加剤を適量添加することもできる。
表面層の形成にはテトラヒドロフラン等のポリカーボネート樹脂を可溶な1種類以上の溶媒を用いて、浸漬塗工法、スプレー塗工法等の慣用される塗工法によって形成することができる。
なお、本実施形態におけるトナー担持体(9)においては、交番電圧電源として単相の交番電圧を使用するようにしているが、周期の異なる複数相の交番電圧電源も使用することが可能である。担持体に設けられた2つの電極に周期的に正負の方向が入れ替わるように電圧を印加することにより、担持体表面の電界が周期的に逆方向へと入れ替わる、時間的に変化する電界により、トナー粒子が、感光体(1)の表面とトナー担持体(9)の表面層(98)との間でホッピングしてトナーのクラウドを形成し、このクラウドのトナー(T)が感光体(1)の表面に形成された静電潜像に向かって静電気的に吸引、付着してトナー像を形成できる。
(表面層−その2)
また、トナー粒子を安定して負帯電させるためには、トナー粒子を摺擦する現像剤担持体表面は適切な帯電性を有している必要がある。実施例及び比較例から理解されるように、ポリカーボネートは適度なトナー帯電が可能であり、現像剤担持体表面に使用することが可能である。しかし、ポリカーボネート樹脂は熱可塑性であるため、耐久性の観点からは硬化性のものが選択可能である。
また、表面層の摩耗の要因のひとつとして、表面層の樹脂の分子鎖が、交番電圧により切断されることが考えられ、耐摩耗性を向上させるには分子結合力が高いものまたは結合数が多いものを用いることが考えられる。
本発明者らは、現像剤担持体表面層構成材料について鋭意研究した結果、アミノ基を含まず、結合数の多い、メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基または水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体は、加熱温度を高くしなくても硬化可能であり、前記共重合体を硬化させた表面層は、耐摩耗性に優れ、かつ長期間トナーのクラウドを安定的に形成できることをも見出した。
グラフト共重合体の幹成分の大半を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル( メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。グラフト共重合体の幹成分に水酸基を導入するためには、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体または連鎖移動剤として水酸基を有するメルカプト化合物をラジカル共重合させることにより導入することができる。水酸基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。水酸基を有するメルカプト化合物の具体例としては、メルカプトエタノール、チオグリセロールなどが挙げられる。
グラフト共重合体の幹成分には、上記単量体単位以外の単量体単位が含まれていてもよく、かかる単量体としては、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸などが挙げられる。
グラフト共重合体の枝成分のシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン等のジアルキルポリシロキサンや、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が用いられる。本発明におけるグラフト共重合体は、分子末端にラジカル重合性基を有するシリコーンすなわちシリコーン系マクロモノマーと前記単量体を共重合して得られるグラフト共重合体であることが好ましい。シリコーン系マクロモノマーとしては、分子量1,000〜100,000のシリコーンの末端に、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基が結合したものが好ましい。
前記メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基または水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分とするグラフト共重合体は溶剤可溶型であり膜形成が容易で、100〜200℃の低温乾燥で表面層を形成できるため好ましく、また、幹成分にカルボキシル基または水酸基を有するものであると、カルボキシル基または水酸基と硬化剤との反応により、網目構造を増やすことができ、高強度で耐摩耗性の高い表面層を形成できるため好ましい。
前記グラフト共重合体の分子量は10,000〜300,000であることが溶媒への溶解時の扱いやすさ等の点から好ましい。さらに30,000〜200,000であることが好ましい。
前記メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体としては、東亞合成などから上市されている。具体的には東亞合成製のUS−350、US−352、US−380、GS−1015、GS−3000などを挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上を混合して用いることが好ましい。
前記硬化剤としてはエポキシ樹脂、及びイソシアネート樹脂等を挙げることができる。各樹脂のイソシアネート硬化剤は、帯電付与性を有するため特に有効である。イソシアネート硬化剤の添加量は、樹脂にもよるが、当量から当量の1.5倍量であり、帯電付与性と硬化性のバランスの観点から当量から当量の1.1倍量であることが好ましい。
表面層にはメタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基または水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体に添加剤としてレベリング剤が含有されていても良い。
レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができるシリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。
表面層にはそのほか、可塑剤、酸化防止剤、などの添加剤を適量添加することもできる。
表面層の形成は、グラフト共重合体を溶解できる1種類以上の溶媒を用いて、浸漬塗工法、スプレー塗工法等の慣用される塗工法によって形成することができる。
前記共重合体を溶解できる溶媒としては、トルエン、MIBK、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる
表面層−その1及び−その2のいずれの場合においても、表面層の膜厚はトナー担持体の表面にトナーの電界カーテンを形成でき、また、電極(91b)のトナー担持体表面への露出を防ぐことができればいずれでもかまわないが、0.5μm以上、50μm以下であることが好ましい。
0.5μm以下では電極とトナー間に電荷リークが生じないよう絶縁するのが困難であるため0.5μm以上とするのが好ましい。
50μm以上では内部電極からの電界が弱くなる為、トナーが表面層から遊離してホッピング可能である静電気力を生じることが困難であるため50μm以下とするのが好ましい。
さらに、5〜50μmであるとトナーホッピングはより安定的に行われる。
以上のように本発明は、上記のように、図3に示す上下電極方式のトナー担持体に適用すると大きな効果を得るものであるが、図4に示す櫛歯電極方式のトナー担持体に適用することも効果は小さいが可能である。
櫛歯電極方式について説明する。
トナー担持体(9)は、図4(a)、(b)(なお、図4(a)は図4(b)の上面図におけるA−A’における断面図である。)に示すように、線状の複数の電極(90Aa)を有する第1の電極パターン(90A)と線状の複数電極(90Bb)を有する第2の電極パターン(90B)とが、電極(90Aa)と電極(90Bb)とが交互にトナー担持体の軸方向に平行に形成され、この電極パターン(90A)、(90B)上にこれらの電極(90Aa)、(90Bb)を上に、電極(90Aa)、(98Bb)を保護するための表面層(98)が形成されている。
支持体(93)としては、ポリイミド、ポリカーボネート、ナイロン、フッ素系樹脂、ポリアセタール、フェノール、ポリスチレン等の合成樹脂から形成された円筒状の絶縁性支持体、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、チタン、ステンレスなどを切削、研摩などの金属加工をした円筒状の金属の導電性支持体に前記合成樹脂を被覆したものを使用することができる。
後者の導電性支持体を用いた形態では支持体の振れ、近接部材との間隙の大きさ等の高い精度を実現できるのでより好ましい。この場合、導電性支持体と電極の絶縁を確保するため合成樹脂を被覆する必要がある。このとき用いる樹脂の誘電率は消費電力に影響するため小さいことが好ましい。被覆膜は前述の絶縁層と同様の樹脂や同様の形態をとることができる。
本発明にて用いられるトナーとしては、粉砕法、もしくは重合法にて形成された既知のトナーを用いることができる。
〔実施例1〕
(実施例1用絶縁層用塗工液)
フッ素樹脂(ルミフロンLF−200(旭硝子製))190重量部、イソシアネート硬化剤(TPA−B80E 旭化成ケミカル製))35重量部をメチルエチルケトン75重量部と混合し、実施例1用絶縁層用塗工液を作製した。この塗工液から得られた絶縁層の比誘電率は表1に示される(以下の例においても同様に表1に示される)。
(表面層用塗工液)
テトラヒドロフラン70重量部、シクロヘキサノン30重量部の混合液に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(パンライト TS−2050(帝人化成製))3重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、
表面層用塗工液を作製した。
(トナー担持体)
直径16mm、長さ230mmの円柱状のAl製導電性支持体上に前記の実施例1用絶縁層用塗工液にてスプレー塗工を行い、180℃60分加熱乾燥することで膜厚20μmの絶縁層を形成した。これを絶縁層形成済みの支持体(91A)とした。絶縁層形成済みの支持体(91A)上にそれぞれ蒸着によって導電性金属箔膜である0.8μm厚みの銅箔膜を形成した。さらに、これらの銅箔膜上に5μm厚みのレジスト膜を塗布した。銅膜及びレジスト膜に覆われた絶縁層形成済みの支持体(91A)に幅d=100μm、長さL=200mm、間隔D=150μmで離間させた格子状のパターンをレーザー描画機で露光して、NaCO水溶液中で現像した後、FeCl水溶液に浸漬させてエッチングを行い、前記電極パターンと同一形状の電極パターン(91B)を有する電極(91Bb)を形成した。
次に、このようにして所定の電極パターン(91B)を有する電極を形成した絶縁層形成済みの支持体(91A)の電極パターン(91B)の片側端部をマスキングし、電極を覆う最大膜厚20μmの表面層(98)を表面層形成塗工液にてスプレー塗工を行い、150℃60分加熱乾燥することにより形成した。
表面層(98)は絶縁層形成済みの支持体(91A)の端部で電極が露出した状態で塗布した。
このようにして実施例1用トナー担持体を作製した。
このようにして作製したトナー担持体を現像装置に組み込んだ。
(電極への電圧印加条件)
現像装置(4)の開口部に取り付けた端子と導電性支持体に−700Vと0Vのそれぞれをピークに持つ各瞬間における平均電位が−350Vの矩形電圧波形を700KHzの周波数で交流電源から印加した。
トナーとして(株)リコー製のImagio Neo C320に搭載されるBK色トナー(ワックス非含有粉砕トナー)を現像装置(4)に供給して使用した。
これらの現像装置およびトナーをImagio Neo C320の黒ステーションに組み込んで画像出力を行い、現像装置の消費電力、トナー担持体上のトナー飛翔の状態、異常画像の発生の有無、を比較した。
また、各絶縁層塗工液により作製した絶縁層の比誘電率を測定した。
(測定方法)
アルミ蒸着PETフィルムを各導電性支持体に巻きつけそれぞれ絶縁層塗工液を塗工することで絶縁層をアルミ蒸着PETフィルム上に形成した。各絶縁層上マスクを行い、蒸着機にて金を10cm2蒸着させた。LCRメータにて絶縁層上の蒸着金とPETフィルム上のアルミ間の静電容量を測定し、面積と絶縁層膜厚から比誘電率を算出した。
(LCRメータ測定条件)
測定周波数:1kHz、印加電圧:5V、回路:等価並列回路
[実施例2]
(実施例2用絶縁層塗工液)
フッ素樹脂(ルミフロンLF−906N(旭硝子製))140重量部、イソシアネート硬化剤(TPA−B80E (旭化成ケミカル製))66重量部、メチルエチルケトン93重量部と混合し、実施例2用絶縁層用塗工液を作製した。
実施例2用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、他は実施例1と同様に実施例2用トナー担持体を作製し、評価した。
[実施例3]
(実施例3用絶縁層塗工液)
フッ素樹脂(ゼッフルGK−570(ダイキン工業製))166重量部、イソシアネート硬化剤(TPA−B80E旭化成ケミカル製))41重量部をメチルエチルケトン92重量部と混合し、実施例3用絶縁層用塗工液を作製した。
実施例3用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、他は実施例1と同様に実施例3用トナー担持体を作製し、評価した。
[実施例4]
(実施例4用絶縁層塗工液)
パーフルオロビニルエーテル(サイトップ CTL−109AE(旭硝子製))150重量部をサイトップCT−SOLV100E(旭硝子製)150重量部と混合し、実施例4用絶縁層用塗工液を作製した。
実施例4用絶縁層塗工液を用いて浸漬塗工を行い、他は実施例1と同様に実施例4用トナー担持体を作製し、評価した。
[実施例5]
(実施例5用絶縁層塗工液)
シクロヘキサン160重量部、d−リモネン40重量部の混合液に、シクロオレフィンポリマー(ZEONEX−480R(日本ゼオン製))10重量部を溶解し、実施例5用絶縁層用塗工液を作製した。
実施例5用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、他は実施例1と同様に実施例5用トナー担持体を作製し、評価した。
[実施例6]
(実施例6用絶縁層塗工液)
シクロヘキサン160重量部、d−リモネン40重量部の混合液に、COC樹脂(TOPAS 6013S−04)10重量部を溶解し、実施例6用絶縁層用塗工液を作製した。
実施例6用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、他は実施例1と同様に実施例6用トナー担持体を作製し、評価した。
[実施例7]
(実施例7用絶縁層塗工液)
ベンゾシクロブテン系樹脂(CYCLOTENE 3022−57 Resin(ザ・ダウケミカルカンパニー製))100重量部をテトラヒドロフラン27重量部と混合し、実施例7用絶縁層用塗工液を作製した。
実施例7用絶縁層塗工液を用いて浸漬塗工を行い、窒素雰囲気下で加熱乾燥した他は実施例1と同様に実施例7用トナー担持体を作製し、評価した。
[実施例8]
実施例1用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、絶縁層膜厚を30μm、電極パターンを以下とした他は実施例1と同様に実施例8用トナー担持体を作製した。
(電極パターン)
幅d=40μm、間隔D=90μm
(電極への電圧印加条件)
現像装置(4)の開口部に取り付けた端子と導電性支持体に−800Vと0Vのそれぞれをピークに持つ各瞬間における平均電位が−400Vの矩形電圧波形を500KHzの周波数で電源から印加した。
[実施例9]
実施例1用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、絶縁層膜厚を10μm、電極パターンを以下とし、表層膜厚を5μmとした他は実施例1と同様に実施例9用トナー担持体を作製し、以下の条件で評価した。
(電極パターン)
幅d=200μm、間隔D=200μm
(電極への電圧印加条件)
現像装置(4)の開口部に取り付けた端子と導電性支持体に−300Vと0Vのそれぞれをピークに持つ各瞬間における平均電位が−150Vの矩形電圧波形を700KHzの周波数で交流電源から印加した。
[実施例10]
実施例1用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、絶縁層膜厚を16μm、電極パターンを以下とした他は実施例1と同様に実施例10用トナー担持体を作製し、以下の条件で評価した。
(電極パターン)
幅d=100μm、間隔D=150μm
(電極への電圧印加条件)
現像装置(4)の開口部に取り付けた端子と導電性支持体に−700Vと0Vのそれぞれをピークに持つ各瞬間における平均電位が−350Vの矩形電圧波形を300KHzの周波数で交流電源から印加した。
[比較例1]
(比較例1用絶縁層塗工液)
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))110重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))60重量部をメチルエチルケトン110重量部に溶解し、比較例1用絶縁層用塗工液を作製した。
比較例1用絶縁層塗工液を用いて浸漬塗工を行い、他は実施例1と同様に比較例1用トナー担持体を作製し、評価した。
[比較例2]
(比較例2用絶縁層塗工液)
アクリレートモノマーとして3官能以上のラジカル重合性モノマー1(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)・・・1000部・
3官能以上のラジカル重合性モノマー2(KAYARAD DPCA120、日本化薬株式会社製)・・・1000部・
光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・100部・
レベリング剤としてのポリエステル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン(BYK-UV3570、BYK社製)・・・5部
2−ブタノン・・・8000部・
比較例2用絶縁層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、紫外線硬化した後、加熱乾燥した他は実施例1と同様に比較例2用トナー担持体を作製した。
各実施例及び比較例の測定結果及び観察結果を表1に示す。
実施例1〜10は比較例1、2に比較して消費電力が少ない。
[実施例11]
櫛歯電極形態における実施例を以下に記述する。
実施例1のトナー担持体における電極パターンに代えて以下の電極パターンを形成した。どの他は同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。結果は表1に示される(以下同じ)。
(形成した電極パターン)
銅膜及びレジスト膜に覆われた絶縁層形成済みの支持体(93)に幅d=100μm、長さL=200mmの線状の複数の電極(90Aa)及び電極(90Bb)を間隔D=200μmで離間したもの
[実施例12〜17]
実施例12〜17については電極パターンが実施例11と同様である以外は、それぞれ実施例2〜7と同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。
[実施例18]
電極パターンが図4の櫛歯電極形状であるほかは実施例8と同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。
[実施例19]
電極パターンが図4の櫛歯電極形状であるほかは実施例9と同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。
[実施例20]
電極パターンが図4の櫛歯電極形状であるほかは実施例10と同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。
[比較例3]
電極パターンが実施例11と同様である以外は、比較例1と同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。
[比較例4]
電極パターンが実施例11と同様である以外は、比較例2と同様にトナー担持体を形成し、評価を行った。
Figure 2014160108
〔実施例21〕
<絶縁層用塗工液21>
フルオロエチレンとビニルエーテルモノマーとの交互共重合体(ルミフロン LF200MEK (旭硝子製))190重量部、イソシアネート樹脂(TPA−B80E(旭化成ケミカルズ製))35重量部をメチルエチルケトン75重量部と混合し、絶縁層用塗工液を作製した。
<表面層用塗工液21>
メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体(サイマック US-352(東亞合成製))87重量部、エポキシ樹脂(エピコート828(ジャパンエポキシレジン製))20重量部を1−ブタノール203重量部に溶解し、表面層用塗工液21を作製した。
<現像剤担持体21>
直径16mm、長さ230mmの円柱状のAl製導電性支持体上に前記の絶縁層用塗工液にて浸漬塗工を行い、膜厚18μmの絶縁層を形成した。これを絶縁層形成済みの支持体(91A)とした。絶縁層形成済みの支持体(91A)上にそれぞれ蒸着によって導電性金属箔膜である0.8μm厚みの銅箔膜を形成した。さらに、これらの銅箔膜上に5μm厚みのレジスト膜を塗布した。銅膜及びレジスト膜に覆われた絶縁層形成済みの支持体(91A)に幅d=100μm、長さL=200mm、間隔D=150μmで離間させた格子状のパターンをレーザー描画機で露光して、NaCO水溶液中で現像した後、FeCl水溶液に浸漬させてエッチングを行い、前記電極パターンと同一形状の電極パターン(91B)を有する電極(91Bb)を形成した。
次に、このようにして所定の電極パターン(91B)を有する電極を形成した絶縁層形成済みの支持体(91A)の電極パターン(91B)の片側端部をマスキングし、電極を覆うように、表面層形成塗工液をスプレー塗工し、180℃で60分間硬化させ、最大膜厚28μmの表面層(98)を形成した。
現像剤担持体21は、絶縁層形成済みの支持体(91A)の端部の電極が表面層(98)から露出しており、端子と接続が可能である。このようにして作製した現像剤担持体21(9)を現像装置(4)に組み込んだ。
〔実施例22〕
<表面層用塗工液22>
メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体(サイマック US−350(東亞合成製))88重量部、エポキシ樹脂(エピコート828)(ジャパンエポキシレジン製))20重量部を1−ブタノール203重量部に溶解し、表面層用塗工液22を作製した。
実施例21の表面層用塗工液21を表面層用塗工液22に代える他は実施例21と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例23〕
<表面層用塗工液23>
メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つ水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体(レゼダ GS−1015(東亞合成製))100重量部、イソシアネート樹脂(TPA-B80E(旭化成ケミカルズ製))37重量部をメチルエチルケトン111重量部、シクロヘキサノン55重量部の混合液に溶解し、表面層用塗工液23を作製した。
実施例21の表面層用塗工液21を表面層用塗工液23に代える他は実施例21と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例24〕
<表面層用塗工液24>
メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体(サイマック US−352(東亞合成製))87重量部を1-ブタノール203重量部に溶解し、表面層用塗工液24を得た。
実施例21の表面層用塗工液21を表面層用塗工液24に代える他は実施例21と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例25〕
<表面層用塗工液25>
メタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つ水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体(レゼダ GS−1015(東亞合成製))127重量部をメチルエチルケトン87重量部、シクロヘキサノン87重量部の混合液に溶解し、表面層用塗工液25を作製した。
実施例21の表面層用塗工液21を表面層用塗工液25に代える他は実施例21と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例26〕
<絶縁層用塗工液22>
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))110重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))60重量部をメチルエチルケトン110重量部に溶解し絶縁層用塗工液22を得た。
実施例21の絶縁層用塗工液21を絶縁層塗工液22に代える他は実施例21と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例27〕
実施例23の絶縁層用塗工液3を絶縁層用塗工液22に代える他は実施例23と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例28〕
<現像剤担持体22>
直径16mm、長さ230mmの円柱状のAl製導電性支持体上に前記の絶縁層用塗工液1にて浸漬塗工を行い、膜厚18μmの絶縁層を形成した。これを絶縁層形成済みの支持体(93)とした。絶縁層形成済みの支持体(93)上にそれぞれ蒸着によって導電性金属箔膜である0.8μm厚みの銅箔膜を形成した。さらに、これらの銅箔膜上に5μm厚みのレジスト膜を塗布した。銅膜及びレジスト膜に覆われた絶縁層形成済みの支持体(93)に幅d=100μm、長さL=200mmの線状の複数の電極(90Aa)及び電極(90Bb)を間隔D=200μmで離間させた電極パターン(90A)をレーザー描画機で露光して、NaCO水溶液中で現像した後、FeCl水溶液に浸漬させてエッチングを行い、前記電極パターンと同一形状の電極パターン(90B)を有する電極(90Aa)及び電極(90Bb)を形成した。
次に、このようにして所定の電極パターン(90A)及び電極パターン(90B)を有する電極を形成した絶縁層形成済みの支持体(93)の電極パターン(90A)及び電極パターン(90B)の片側端部をマスキングし、電極を覆うように、表面層形成塗工液1をスプレー塗工し、180℃で60分間硬化させ、最大膜厚28μmの表面層(98)を形成した。
現像剤担持体22は、絶縁層形成済みの支持体(93)の端部の電極が表面層(98)から露出しており、端子と接続が可能である。このようにして作製した現像剤担持体22(9)を現像装置(4)に組み込んだ。
〔実施例29〕
実施例28の表面層用塗工液21を表面層用塗工液22に代える他は実施例28と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例30〕
実施例28の表面層用塗工液21を表面層用塗工液23に代える他は実施例28と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例31〕
実施例28の表面層用塗工液21を表面層用塗工液24に代える他は実施例28と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例32〕
実施例28の表面層用塗工液21を表面層用塗工液25に代える他は実施例28と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例33〕
実施例28の絶縁層用塗工液21を絶縁層塗工液22に代える他は実施例25と同様にして現像剤担持体を得た。
〔実施例34〕
実施例30の表面層塗工液21を表面層塗工液23に、絶縁層用塗工液21を絶縁層塗工液22に代える他は実施例28と同様にして現像剤担持体を得た。
[比較例5]
<表面層用塗工液27>
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))75重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))25重量部を、メチルエチルケトン305重量部に溶解し表面層用塗工液27を得た。
実施例21の表面層用塗工液21に代えて、表面層用塗工液27を用い、実施例21の表層形成方法と同様の形成方法にて表面層を形成した他は、実施例21と同様に現像剤担持体を得た。
[比較例6]
実施例28の表面層用塗工液21に代えて、表面層用塗工液27を用い、実施例28の表層形成方法と同様の形成方法にて表面層を形成した他は、実施例28と同様に現像剤担持体を得た。
<電極への電圧印加条件>
現像装置(4)の開口部に取り付けた端子と導電性支持体に−400Vと0Vのそれぞれをピークに持つ各瞬間における平均電位が−200Vの交流バイアスを5KHzの周波数で交流電源から印加した。
トナーとしてIMAGIO Neo C320に搭載されるBK色トナー(ワックス非含有粉砕トナー)を現像装置(4)に供給して使用した。
これらの現像装置およびトナーをIMAGIO Neo C320の黒ステーションに組み込んで画像出力を行い、現像剤担持体上のトナー帯電性、50時間連続印刷後時の現像剤担持体上のトナー帯電性、表面層材料の摩耗量、異常画像の発生の有無、消費電力を比較した。
各実施例及び比較例の測定結果及び観察結果を表2に示す。
実施例21〜34、比較例5〜6では異常画像出力は見られないが、実施例21〜34は、比較例5〜6と比較して摩耗量が少ない。また、実施例27〜34の現像材担持体の構成は実施例21〜27の現像剤担持体の構成より消費電力が低い。
比較例5、6については、現像剤担持体表面材料のトナー帯電性が、比較、高いためトナーが現像剤担持体表面上に静電気的引力で比較、引きつけられる。そのため、現像剤担持体表面でトナーのホッピングは、比較、やや不安定であった。
Figure 2014160108
1 感光体
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 定着装置
7a 加熱ローラ
7b 加圧ローラ
8 容器
8a 開口部
9 トナー担持体
10 循環パドル
11 トナー規制部材
A 回転方向
B 搬送方向
C 回転方向
D 間隔
T トナー
d 幅
90A 電極パターン
90Aa 電極
90B 電極パターン
90Bb 電極
91A 導電性支持体
91B 電極
91Bb 電極
93 支持体
95 絶縁層
98 表面層
特開平3−21967号公報 特開2007−133388号公報

Claims (10)

  1. 導電性支持体と、導電性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記複数の電極と前記導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧が印加されることで、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下でありかつ2.0以上である樹脂から構成されることを特徴とするトナー担持体。
  2. 導電性支持体と、導電性支持体上に形成された絶縁層と、絶縁層上に、少なくとも、異なる2種の相の電圧が印加される電極が交互に一定の間隔で並べられた複数の電極と、前記複数の電極を覆う表面層とを有するトナー担持体であって、前記交互の電極間の電界が周期的に反転するように交互の電極それぞれに電圧が印加されることで、電極間の電界によりトナーをホッピングさせてトナーのクラウドを形成するものであり、少なくとも前記絶縁層が、比誘電率が3.3以下でありかつ2.0以上である樹脂から構成されることを特徴とするトナー担持体。
  3. 前記絶縁層の膜厚が10μm以上30μm以下であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のトナー担持体。
  4. 前記電極の周方向1本当たりの幅dと、電極間の間隔幅Dについて、それぞれが40μm≦d≦200μm、90μm≦D≦200μmであることを特徴とする前記請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー担持体。
  5. 前記電極と導電性支持体に印加される電圧の最大電圧差が100V以上800V以下であることを特徴とする前記請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー担持体。
  6. 前記電極と導電性支持体に印加される電圧の周波数が300Hz以上800Hz以下であることを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー担持体。
  7. 前記複数の電極を覆う表面層に用いる材料が、ビスフェノール系のポリカーボネートを含むものであることを特徴とする前記請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー担持体。
  8. 前記複数の電極を覆う表面層に用いる材料が、少なくともメタクリル酸アルキル単量体を主たる構成成分とし且つカルボキシル基または水酸基を有するビニル重合体を幹成分とし、シリコーンを枝成分としてなるグラフト共重合体により構成されたものであることを特徴とする前記請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー担持体。
  9. 前記請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー担持体および、少なくとも前記トナー担持体へのトナー供給手段を備えていることを特徴とする現像装置。
  10. 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成装置において、画像形成装置が請求項1乃至6のいずれかに記載されたトナー担持体の複数の電極と導電性支持体間の電界が周期的に反転するように電極と導電性支持体に電圧を印加する電圧印加手段を備えたものであることを特徴とする画像形成装置。
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