JP7358207B2 - 現像部材、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

現像部材、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本開示は、電子写真画像形成装置に用いられる現像部材、並びにそれを具備する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置(以下、電子写真装置ともいう)の現像装置に用いられる現像ローラには、トナー搬送量の安定化が求められている。
特許文献1には、現像ローラ(現像剤担持体)の少なくとも表面が、異なる2種以上の不定形ポリマーをブレンドした後成型することにより形成された、連続相(海部)と不連続相(島部)を有する現像ローラを搭載した現像装置が開示されている。
特許文献2には、現像ローラの弾性表面層が導電性エラストマーからなり、少なくともその表面近傍において絶縁性粒子が分散され、該粒子の一部が表面に露出している現像ローラが開示されている。
特開平5-72889号公報 特許公開平4-88381号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1や特許文献2に記載の現像ローラは、ベタ黒画像や印字率の高い画像を出力し続けた場合に、当該現像ローラのトナーの搬送量が低下し、その結果として、電子写真画像の濃度が低下することがあった。
本開示の一態様は、ベタ黒画像や印字率の高い画像を出力し続けた場合にも、トナーの搬送量が低下しにくい現像部材の提供に向けたものである。
また、本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する電子写真プロセスカートリッジの提供に向けたものである。
さらに、本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の第一の態様によれば、導電性の基体、及び、該基体上の、導電層と、を具備している現像部材であって、該現像部材の外表面は、第1領域と、第2領域と、第3領域とで構成され、温度23℃、相対湿度50%の環境下で走査型プローブ顕微鏡を用いて探針との距離を90nmとし、4.5V印加したときに測定される該第1領域、該第2領域及び該第3領域の表面電位を各々V1、V2及びV3としたとき、V1が、-0.70V以上-0.50V以下であり、V1とV2が、1.30≦V1/V2≦25.00の関係を満たし、かつV3が、0.00V以上0.50V以下であり、該第1領域、該第2領域及び該第3領域がこの順に互いに隣接している部分が存在している現像部材が提供される。
また、本開示の第二の態様によれば、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、現像部材を具備し、該現像部材が、上述の現像部材である電子写真プロセスカートリッジが提供される。
さらに、本開示の第三の態様によれば、現像部材を具備する電子写真画像形成装置であって、該現像部材が、上述の現像部材である電子写真画像形成装置が提供される。
本開示の一態様によれば、ベタ黒画像や印字率の高い画像を出力し続けた場合にもトナー搬送量が低下しにくい現像部材を得られる。また、本開示の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する電子写真プロセスカートリッジを得られる。さらに、本開示の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真画像形成装置を得られる。
本開示の一態様に係る現像部材の説明図(部分断面図)である。 本開示の他の態様に係る現像部材の説明図であり、(a)は部分断面図、(b)は、平面図である。 本開示に係る現像部材の一例を示す模式的部分断面図である。 本開示に係るローラ形状の現像部材の一例における模式的断面図であり、(a)は基体の軸方向に平行な断面図、(b)は基体の軸方向に垂直な断面図である。 本開示に係るローラ形状の現像部材の他の例における模式的断面図であり、(a)は基体の軸方向に平行な断面図、(b)は基体の軸方向に垂直な断面図である。 本開示に係る電子写真画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本開示に係る電子写真プロセスカートリッジの一例を説明するための概略構成図である。 トナー搬送量を測定する際に使用する治具の概略構成図である。
特許文献1、及び特許文献2に係る現像ローラは、グラディエント力を利用してその外表面にトナーを担持し、搬送するものである。すなわち、現像ローラとトナー間での摩擦帯電や外部からの電圧印加により、絶縁部に電荷が溜まる。ここで、外表面に、絶縁部と導電部が露出していることによって、絶縁部と導電部の間で電位差が発生する。この電位差により微小閉電界が形成され、グラディエント力が発生する。このグラディエント力は現像ローラの軸方向に対して垂直に切断したときの中心方向に向かって発生する力である。特許文献1、及び特許文献2に係る現像ローラは、このグラディエント力によって、トナーを外表面に引き付けることで、トナーを感光ドラム上に搬送するものである。
グラディエント力を用いて外表面にトナーを担持させる現像ローラは、十分な量の現像剤を安定して外表面に担持し、搬送し得る。しかしながら、本発明者らの検討によれば、このような現像ローラであっても、ベタ黒画像や印字率の高い画像を連続して出力した場合には、トナーの搬送量が低下することがあった。
そこで、本発明者らは、トナーの搬送量をより一層向上させるべく検討を重ねた。
その結果、外表面に、導電性の異なる第1~第3の領域がこの順に互いに隣接してなる部分を有する現像部材が、上記の目的を良く達成し得ることを見出した。このような現像部材に電圧を印加し、又はトナーと摩擦したときに、蓄積される電荷の量が異なる第1~第3の領域を外表面に設けたことにより、各領域間に表面電位の差を生じさせることができる。その結果、グラディエント力が、第1の領域と第2の領域の境界部、第2の領域と第3の領域間で発生する。すなわち、特許文献1、及び特許文献2に係る現像ローラと比較して、グラディエント力の発生箇所が増加する。その結果、より多くのトナーを外表面に引き付けることができ、ベタ黒画像や印字率の高い画像を出力した場合であっても、トナー搬送量の低下を防止し、または抑制することができる。
以下、本開示の一態様に係る現像部材を詳細に説明する。
現像部材の外表面は、第1領域(第1の絶縁部)と、第2領域(第2の絶縁部)と、第3領域(導電部)とで構成されている。そして、探針を具備する走査型プローブ顕微鏡を用いて、所定の条件下で電圧を印加したときの各領域の表面電位が、以下の関係にある。
すなわち、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、各領域の表面との距離が90nmとなるように配置した探針に電圧を4.5V印加する。こうして測定される該第1領域、該第2領域及び該第3領域の表面電位を各々V1、V2及びV3と定義したとき、V1が、-0.70V以上-0.50V以下、V1とV2が、1.30≦V1/V2≦25.00の関係を満たし、かつV3が、0.00V以上0.50V以下である。
なお、V1、V2及びV3の大小関係は、絶対値でV2よりV1の方が大きく、V1とV2の値はマイナスの値となる。一方、V3の値は0.00Vもしくはプラスの値となる。
V1、V2及びV3を上記範囲内とすることで、第1領域、第2領域及び第3領域の表面電位差が生じ、各領域間で微少閉電界が発生し、各境界部でグラディエント力が発生する。すなわち、第1領域と第2領域間、第2領域と第3領域間で表面電位差が発生し、各領域間でグラディエント力が発生する。また、第1領域と第3領域とが隣接している場合は、第1領域と第3領域間でグラディエント力が発生する。従来の絶縁部と導電部間でのみで発生するグラディエント力の発生箇所と比較して、多段階でグラディエント力を発生させることができるので、発生箇所を増加することができる。結果として、トナー搬送量を増加させることができる。
第1領域、第2領域及び第3領域は、現像部材表面から見て、この順に互いに隣接している部分が存在する必要がある。このような構成にすることにより、各領域の境界部でグラディエント力を発生させることができる。なお、第1領域の周辺すべての部分において、第2領域が隣接する必要はなく、一部、第1領域が第3領域に隣接していてもよい。また、第1領域、第2領域及び第3領域はこの順に互いに隣接していればよく、各領域の高さの上下関係や配設位置等、特に制限なく形成することができ、また、各領域を並設することもできる。
具体的な構成として、本開示の一態様に係る現像部材の部分的な断面を示す図1、本開示の他の態様に係る現像部材の部分的な断面及び平面を示す図2、及び本開示の更に他の態様に係る現像部材の部分的な断面を示す図3を用いて説明する。
図1に示した現像部材は、導電層1Bの周面上に第1領域1a、第2領域1b、第3領域(以下、導電部とも称する)1cを有する。なお、導電層1Bと第3領域1cは別に形成される。その方法としては、導電層1B上に第3領域1cの構成材料を溶解した塗料をディッピング等で塗布し、第3領域1cの構成材料が導電層1B上をはじかせることにより形成する方法が挙げられる。また導電層1Bと第3領域1cの形成は、ジェットディスペンサーを用いて導電層1B上に第3領域1cを形成する方法であってもよい。
図2に示す現像部材は、図2(a)に示すように、不図示の基体上に形成した、導電層1Bの外表面に、第1領域1a及び第2領域1bを有する。導電層1Bの外表面のうち、第1領域1a及び第2領域1bで被覆されていない露出部分が、第3領域1cを構成する。
なお、図2における導電層1Bは構成する材料に粒子を添加することによる粗面化を行っても構わない。
図3に示す現像部材は、不図示の基体上に設けられてなる導電層1B自体が、第2領域1b、第3領域1cを形成する材料を用いて形成されている。すなわち、基体の外表面上の導電層が、第2領域1bと第3領域1cとを有する相分離構造を有する。このような導電層1B上に、第1領域1aが、導電層1Bの第2領域1b及び第3領域1cの各々の少なくとも一部が、現像部材の外表面を構成するように設けられている。なお、現像部材の導電性を確保する観点から、導電層1Bを構成する第2領域1b及び第3領域1cのうち、第3領域1cを連続相とすることが好ましい。
<現像部材>
現像部材は、プリンタ等の電子写真装置における、電子写真用部材として用いることができる。また、本開示に係る現像部材は、特に、ローラ形状の現像部材(現像ローラ)等の電子写真用ローラとして好適に用いることができる。以降、本開示に係る現像部材を説明する上で、現像ローラに主に着目した説明を行うが、その用途は現像ローラに限定されない。上述のように、本開示において、第1領域、第2領域及び第3領域は、現像部材表面から見て、この順に互いに隣接している部分が存在する構成であれば、各領域の配設位置や並設する等、特に制限なく各領域を形成することができる。
図4及び図5に、本態様に係る、ローラ形状を有する現像部材(以降、「現像ローラ」ともいう)の2つの例の断面図を示す。図4(a)及び図5(a)は、基体1Aの軸方向に対して平行に現像部材を切断した際の断面図であり、図4(b)及び図5(b)は、基体1Aの軸方向に対して垂直に現像部材を切断した際の断面図である。図4に示すように、第1実施形態の現像部材は、導電性の基体1Aと、該基体の外周面上(基体上)に配される、第3領域1cである導電層1Bとを有する。該導電層1Bの外周面上(導電層上)には、第1領域1aと、第2領域1bとが配されている。第2領域は第1領域の外縁部に構成されている。図4の構成とすることにより、第1領域、第2領域、第3領域が互いに隣接するとともに、この順に隣接する箇所の数を制御しやすく、隣接する箇所を増加させることができるため、グラディエント力の発生箇所を増加させることができる。
また、第2実施形態の現像部材は、第3領域(導電層)1cと、導電性の基体1Aとの間に、必要に応じてさらに1層以上の他の層(例えば、他の弾性層等)を設けてもよい。図5では、導電層1Bと基体1Aとの間に、他の弾性層である内層1Cが設けられている。
これら実施形態の現像部材では、第1領域1aと第2領域1bが、第3領域1cである導電層1Bの表面の一部を被覆している。図4及び図5では、導電層1B上に、第1領域1aと第2領域1bが周方向及び軸方向(長手方向)に配置されており、現像部材の外表面に第1領域1aが点在し、さらに第1領域1aの外縁部に第2領域1bが構成されている。言い換えると、現像部材の表面は、第1領域及び第2領域の表面と、第1領域及び第2領域に被覆されていない導電層表面である第3領域とを含む。
なお、現像部材の外表面が、これらの表面部分を有していることは、以下の方法により確認することができる。即ち、現像部材の外表面を、走査型プローブ顕微鏡(より詳しくは、ケルビンフォース顕微鏡(KFM))にて、電位の高い部分(電荷が溜まる部分)と電位の低い部分(導電層の部分)を観察することにより確認することができる。
また、以下の方法で第1領域、第2領域の存在を更に確認することができる。即ち、現像部材の任意に選出された10か所について、(例えば、-8kVの)電圧印加直後から10秒間の表面電位の推移を(例えば0.05秒間隔で)それぞれ測定し、以下の式より各測定点の各時間における表面電位の保持率を求める。そして、任意に選出された10か所の10秒後の保持率の平均値が10%以上の場合、現像部材の表面部分に電荷が溜まる領域が存在することを確認することができる。
各測定点の保持率(%)={各時間の表面電位(V)/初期の表面電位(V)}×100
なお、この第1領域に構成される化合物の体積抵抗率は、1.0×1013Ω・cm以上1.0×1018Ω・cm以下である。第2領域に構成される化合物の体積抵抗率は、第1領域より低くすることが好ましく、より好ましいのは1.0×1011Ω・cm以上5.0×1012Ω・cm以下である。さらに第3領域である導電層の体積抵抗率は第2領域より低くすることが好ましく、より好ましくは、1.0×1010Ω・cm以下である。
以下、現像部材における各構成部材についてより詳しく説明する。
(導電性の基体)
導電性の基体(以下、軸芯体又は基体と称することもある)は、現像ローラ等の現像部材に使用する場合、現像部材の電極として、及び、導電層等を支持する部材として機能するものであれば適宜用いることができる。基体の形状は、特に限定されず、中空円筒状や中実円柱状のものを、適宜使用することができる。また、基体の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、鉄の如き金属又は合金、導電性合成樹脂の如き導電性の材質を用いることができる。さらに、基体の表面には、その外周面に設けられる導電層との接着性を向上させる目的で、適宜公知の接着剤を塗布してもよい。
(導電層)
第3領域は、導電性の基体と対向する側とは反対側の表面の一部で構成されていることが好ましい。言い換えると図2に示すように、基体の周面上に導電層1Bを設け、基体1Aに対向する側と反対側、つまり、導電層1Bの外表面上に第1領域1a及び第2領域1bを設け、導電層1Bの外表面のうち、第1領域1a及び第2領域1bで被覆されていない部分(露出部分)を第3領域1cとすることが好ましい。
導電層の外表面上に第1領域及び第2領域を形成し、導電層の外表面の露出部分を第3領域とすることにより、グラディエント力の発生箇所が増加する。そのことにより、トナー搬送量を確保することだけでなく、現像部材として、導電性を確保しやすく、現像部材の導電性を制御しやすくなる。
導電層は、感光体との適切なニップを形成するように弾性を有する層であり、その材料としては、公知のゴム材料や樹脂を用いることができる。ゴム材料としては、例えば、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ブタジエンゴム(BR)、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。なお、これらのゴムを単独あるいは数種類を混ぜた混合物として導電層に用いることができる。
また、樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリルウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂等及びこれらの混合物が挙げられる。なかでも、機械的強度が優れている点と、柔軟でありタック性により第1領域、第2領域それぞれを構成する化合物と密着しやすい点から、ウレタン樹脂が好ましい。
導電層に用いるウレタン樹脂は、公知の材料を適宜用いることができ、例えば、ウレタン樹脂を形成するためのモノマー(例えば、イソシアネート及びポリオール)や、プレポリマーを用いることができる。
導電層は、導電層で用いるゴム又は樹脂の体積抵抗率が高い場合、導電性を確保するため、導電剤を配合する必要がある。導電剤としてはカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、EC300JやEC600JD(いずれも商品名、ライオン社製)の様な高い導電性をもつカーボンブラック、中程度の導電性をもつゴム用カーボンブラック、並びに、塗料用のカーボンブラックを挙げることができる。
これらのカーボンブラックの中では、分散性と導電性の制御の観点から、塗料用カーボンブラックを用いることが好ましい。導電層中のカーボンブラックの含有割合(配合量)は、樹脂成分(例えば、ウレタン樹脂や後述する第2の樹脂)の合計を100質量%としたときに、導電化の観点から、3質量%以上、ゴム弾性の観点から、50質量%以下とすることが好ましい。
また、別の導電剤としてグラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫-酸化アンチモン固溶体等を各種導電化処理した金属酸化物や各種イオン導電材が挙げられる。
さらに、導電層に、カーボンブラック等の導電剤の他に、その他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、表面に凹凸を設けるための球状樹脂粒子や、補強材、表面調整剤、帯電制御剤等が挙げられる。
図5に示すように、後述する内層1Cを、導電性基体1Aと、導電層1Bとの間に有する場合、導電層のうち最表層となる、導電層1Bの厚みは、4μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上45μm以下がより好ましい。導電層の厚みを4μm以上とすることにより、内層中の低分子量成分の染み出しによる感光ドラム等の汚染を予防でき、導電層が剥離することを防ぐことができる。また、導電層の厚みを50μm以下とすることにより、現像部材の表面硬度を適度な硬度に保つことができ、トナー劣化を防ぐことができる。この場合、内層の厚さは、感光ドラムと適切な面積を持って接触する観点から1.0mm以上、コストの観点から5.0mm以下が好ましい。
また、内層を有さず、導電層を1層のみ有する場合、導電層1Bの厚みは、感光ドラムと適切な面積を持って接触する観点から1mm以上が好ましい。
(第2領域)
第2領域は、導電層の基体と対向する側とは反対側の表面上にある金属酸化物で構成されることが好ましい。言い換えると基体の周面上に導電層を設け、基体側と反対側、つまり、導電層の表面上に金属酸化物で構成された第2領域が配される。そして、導電層の一部を被覆し、現像部材の外表面の一部を構成しているのが好ましい。さらに導電層の被覆されていない部分を第3領域とすることがより好ましい。導電層の被覆されていない部分を第3領域とする場合、第2領域と第3領域とを並設する構成等と比較して、第2領域と第3領域とが隣接する部分の数や面積の制御がしやすく、グラディエント力の発生箇所を増加させることができるため好ましい。金属酸化物を使用することが好ましい理由については後述する。
なお、第2領域を導電層上に配する場合、第1領域の外縁部に第2領域を存在させることにより、第1領域と第2領域、第2領域と第3領域が隣接し、各領域の表面電位差が生じることにより、グラディエント発生箇所を増加することができる。
第2領域は、例えば、第1領域の外縁部に存在することを前提として、第2領域は、導電層上に点在している程度の面積で形成してもよく、導電層が少し露出している程度に第2領域を大きめの面積で形成しても構わない。
また、第2領域は、第1領域の外縁部の全領域に存在する必要は無く、第1領域の外縁部の一部に第2領域が存在せず、第1領域の外縁部に第3領域が存在していても構わない。
また、図2とは異なる構成として、例えば、第2領域が第1領域の外縁部に存在する前提で、導電層と第1領域との層間に第2領域を構成する化合物が存在する構成としてもよい。あるいは第2領域が第1領域の外縁部に存在し、かつ第1領域が露出している前提で、第1領域の層上に第2領域を構成する化合物が存在する構成としても構わない。
第2領域に用いる材料は、第2領域で構成される化合物の表面電位が第1領域で構成される化合物の表面電位より低くなるのであれば、特に限定されず使用することができる。樹脂としては、熱可塑樹脂、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等特に制限なく使用することができる。具体的には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリスチレン-アクリル樹脂共重合体、ポリアリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。また、金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化スズ等を挙げることができる。
第2領域は、金属酸化物粒子で構成されていることが好ましい。粒子径の小さい金属酸化物を用いると、金属酸化物粒子が凝集しやすくなるため、凝集体として第2の絶縁部を構成することができる。また、第1領域に使用する化合物として体積抵抗率が高いものを選択し、第2領域を構成する材料として金属酸化物粒子を用いると、第2領域の体積抵抗率を低くすることができる。そして、第1領域及び第3領域とのそれぞれの境界部でグラディエント力を発生することができる。さらに、第3領域上に第2領域を形成する際、導電層を露出した(第3領域)状態で第2領域を形成しやすい。
さらに体積抵抗率が高く、電荷が溜まるという観点で以下の金属酸化物粒子を用いることが好ましい。すなわち、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、チタン酸ストロンチウム粒子を用いることができる。
使用する金属酸化物粒子の粒子径は1μm以下であることが好ましい。粒子径を1μm以下とすることにより、金属酸化物粒子同士が凝集し、凝集体となるため、第2領域として形成しやすくなるとともに、導電層と密着しやすくなるため、第2領域が剥がれにくくなる。
また、現像部材の外表面において、第2領域の被覆率が、10%以上、40%以下であることが好ましい。この範囲にすることで、現像部材を使用する際に、第1領域との境界部や第3領域の境界部でグラディエント力が効率良く発生し、グラディエント力によりトナーを良好に搬送することができる。
第2領域の形状は、特に限定されない。
さらに、第2領域の平均高さ(絶縁被覆部表面からの平均厚み)は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。この範囲にすることで、現像部材を使用する際に、グラディエント力が効率良く発生し、このグラディエント力によりトナーを良好に搬送することができる。
第2領域の被覆率、及び、平均高さ(高さ)は、以下の方法により測定することができる。即ち、被覆率については、光学顕微鏡を用いて、任意に選出された30ヶ所における観察画像より、各画像における第2領域の被覆面積率をそれぞれ求め、その平均値を被覆率として算出する。また、平均高さについては、走査型電子顕微鏡を用いて、任意に選出された第2領域30個(30ヶ所)の高さを測定し、その平均値とする。なお、絶縁部の高さを測定する際、導電層の表面に凹凸がある場合には、凹部に被覆されている第2領域の高さを測定する。
(第1領域)
第1領域は、導電層の基体と対向する側とは反対側の表面上の電気絶縁性部で構成されていることが好ましい。言い換えると、基体の周面上に導電層を設け、基体側と反対側、つまり、導電層の表面上に電気絶縁性部は配される。そして電気絶縁性部がこの導電層の一部を被覆し、現像部材の外表面の一部を構成しているのが好ましい。
このような構成とすることで、第2領域との表面電位差を大きくすることができ、第1領域と第2領域の境界部でグラディエント力を発生することができる。なお、電気絶縁性とは、体積抵抗率が1.0×1016Ω・cm以上1.0×1018Ω・cm以下のものを指す。なお、第1領域は第2領域と隣接するよう形成する。本開示における電気絶縁性部の詳細は後述する。
また、上記、電気絶縁性部は樹脂を含むことが好ましい。そのような構成とすることで、電気絶縁性がより高くなる。さらに、第1領域を形成する方法として、導電層上に第1領域形成材料を溶解させた塗料を塗布する際、樹脂を用いると金属酸化物と比較して、導電層表面上で弾きやすいので、ある間隔で第1領域を形成しやすい。結果として、より第2領域との隣接する箇所の数を制御することができ、結果としてグラディエント力の発生箇所を増やすことができる。
この際、導電層上に配される第1領域のうちの少なくとも一部は、ある間隔、具体的には、5μm以上300μm以下の間隔をあけて、導電層上に配される(点在させる)ことが好ましい。この間隔にすることにより、現像部材を使用する際に、グラディエント力が効率良く発生し、このグラディエント力によりトナーを良好に搬送することができる。
なお、図4及び図5に示すように、第1領域全てを、導電層上に間隔をあけて(例えば、略等間隔で)配置してもよい。これにより、導電層の表面全域に均一にグラディエント力が発生し、均一にトナーを搬送することができる。その際、上述したように、グラディエント力の効率的発生の観点から、導電層上にある均一間隔で配される電気絶縁性部間の距離は、5μm以上300μm以下とすることが好ましい。
また、前記現像部材の外表面において、第1領域の被覆率は、10%以上、40%以下であることが好ましい。この範囲にすることで、現像部材を使用する際に、グラディエント力が効率良く発生し、グラディエント力によりトナーを良好に搬送することができる。
第1領域の形状は、特に限定されない。
さらに、第1領域の平均高さ(絶縁被覆部表面からの平均厚み)は、0.5μm以上30μm以下であることが好ましい。この範囲にすることで、現像部材を使用する際に、グラディエント力が効率良く発生し、このグラディエント力によりトナーを良好に搬送することができる。
第1領域の配置間隔、被覆率、及び、平均高さ(高さ)は、以下の方法により測定することができる。即ち、配置間隔については、光学顕微鏡を用いて、隣り合う第1領域の距離を任意に選出された30か所において測定し、その平均値を配置間隔とする。また、被覆率については、光学顕微鏡を用いて、任意に選出された30ヶ所における観察画像より、各画像における第1領域の被覆面積率をそれぞれ求め、その平均値を被覆率として算出する。また、平均高さについては、走査型電子顕微鏡を用いて、任意に選出された第1領域30個(30ヶ所)の高さを測定し、その平均値とする。なお、第1領域の高さを測定する際、導電層の表面に凹凸がある場合には、凹部に被覆されている第1領域の高さを測定する。
第1領域を構成する化合物は、表面電位が-0.70V以上-0.50V以下になるのであれば、特に限定されず使用することができる。例えば、熱可塑樹脂、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂は、特に制限なく使用することができる。具体的には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリスチレン-アクリル樹脂共重合体、ポリアリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。好ましくは、分子中に芳香族構造、脂環構造を有する樹脂を用いることにより、第1領域の体積抵抗率を高くすることができる。
(内層)
現像部材は、上述したように、導電性の基体、導電層の他に、他の層を有することができ、例えば、図5に示すように、導電性基体1Aと、導電層1Bとの間に、内層1Cを有することができる。内層は、導電性を有する弾性層であることができ、本開示に係る現像部材は、導電性の弾性層を単層又は複数層有することができる。
なお、内層は、導電性を有し、他の部材(例えば、感光ドラムやトナー規制部材)との圧接時に適度に面積を持って接触するため、また、トナーへのストレス低減のため、電子写真用部材に弾性を持たせる役割をする。
内層に用いる材料は、導電層で用いる材料と同じものを使用することができる。
なお、現像部材における導電部の体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることが好ましいことから、内層中のカーボンブラックの添加量は、以下のようにすることが好ましい。即ち、ゴム材料の合計100質量部に対して、1質量部以上80質量部以下とすることが好ましく、2質量部以上70質量部以下とすることがより好ましい。
さらに、内層では、必要に応じて他の導電剤をカーボンブラックと併せて使用することもできる。他の導電剤としては、例えば、以下の材料が挙げられる。グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金。酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫-酸化アンチモン固溶体等を各種導電化処理した金属酸化物や各種イオン導電材。なお、現像部材における導電部の体積抵抗率を上記範囲にする観点から、これらの他の導電剤の添加量は、ゴム材料の合計100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下とすることが好ましく、5質量部以上18質量部以下することがより好ましい。
また、その他の添加剤としては、現像部材の分野で公知なものを適宜使用することができる。他の添加剤としては、例えば、親水性シリカ、疎水性シリカ、石英、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタンの補強剤、伝熱向上剤を挙げることができる。
<現像部材の製造方法>
以下、基体の周面上に内層を形成後、 導電層を形成し、さらに導電層の周面上に第1領域、第2領域を形成し、第1領域、第2領域が被覆されていない導電層の表面部分を第3領域とする構成をもつローラの製造方法について説明する。
(内層形成工程)
導電性の基体(軸芯体)上に内層を設ける製造方法としては、現像部材の分野において公知の方法を適宜用いることができる。例えば、基体と、内層形成用材料とを共に押出して成型する方法が挙げられる。また内層形成用材料が液状であれば、円筒状のパイプと、このパイプの両端に配設された基体を保持するための駒と、基体とを配設した金型に、この内層形成用材料を注入し、加熱硬化する方法等が挙げられる。なお、内層形成用材料は、上述したように、ゴム材料、樹脂、導電剤及び他の添加剤等を含むことができる。
(導電層形成工程)
導電性の基体(内層を有する場合は内層)上に、導電層を形成する方法として、例えば、ゴム材料又はウレタン樹脂等の樹脂、カーボンブラック等の導電剤及び溶剤等と添加剤を混合、分散した塗工液を基体上に塗工する方法が挙げられる。
ウレタン樹脂を使用する場合、上記塗工液に用いる溶剤は、ウレタン樹脂が溶解(又は分散)するという条件内で適宜選択することができる。具体的には溶剤として以下のものが挙げられる。メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンに代表されるケトン類;ヘキサン、トルエン等に代表される炭化水素類;メタノール、イソプロパノールに代表されるアルコール類;エステル類;水。特に好ましい溶剤は、樹脂の溶解性及び沸点の観点から、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンである。
(第2領域の形成工程)
導電層上に第2領域を形成する方法は特に限定されない。例えば、第2領域を樹脂で構成する場合、樹脂を溶剤に溶解させ、スプレーやディッピング、ロールコート等の方法で導電層上に塗布し、必要に応じて加熱又は紫外線照射によって硬化する方法を用いることができる。また、金属酸化物粒子を用いる場合、樹脂の場合と同様にして形成する方法や、あるいは金属酸化物粒子を導電層上に直接、塗布し、余分に塗布された金属酸化物粒子を除去する等の方法を用いることができる。なお、第2領域を樹脂で構成する場合、導電層上に塗布後、導電層の一部を露出させる必要があり、塗布後、第2領域を構成する樹脂が、導電層上である程度はじかれるよう、導電層の表面性を表面調整材等で制御する必要がある。また、第2領域を金属酸化物粒子で構成する場合、導電層に塗布後、導電層の表面が露出するよう、ラッピングフィルム等を用いて除去する必要がある。
(第1領域の形成工程)
導電層上に第1領域を形成する方法については特に限定されないが、例えば、以下の方法を用いることができる。第1領域を形成するための化合物を含む材料(硬化前)を、スクリーン印刷やジェットディスペンサーで、上記導電層上又は、第2領域上にドット状に塗布し、必要に応じて加熱又は紫外線照射により、硬化(重合)する方法。導電層上又は、第2領域上に、上記絶縁性材料をディッピング、スプレー、ロールコート等で塗布し、意図的に材料を導電層上ではじかせた後に、必要に応じて加熱又は紫外線照射により、硬化する方法。
上記材料は、上述した第1領域を形成するための化合物(モノマー等)、溶剤、並びに、重合開始剤等の添加剤を含むことができる。
なお、第1領域の形成材料として熱可塑樹脂を用いる場合、熱可塑性樹脂は、分子量が比較的大きいため、塗れ広がり易く、導電層の表面全面に膜として形成される。このため、導電層又は第2領域の表面を露出することができず、本開示に規定する表面状態を形成できない場合がある。このため、所定の第1領域を形成し易くするため、予め、導電層表面の濡れ性を制御することにより、上記熱可塑性樹脂を塗布後にこの樹脂をある程度はじかせて、導電層又は第2領域の表面を露出しながら第1領域を形成し易くすることが好ましい。
上記塗工液に用いる溶剤は、熱可塑樹脂が溶解するという条件内で適宜選択することができる。具体的には溶剤として以下のものが挙げられる。メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンに代表されるケトン類;ヘキサン、トルエン等に代表される炭化水素類;メタノール、イソプロパノールに代表されるアルコール類;エステル類;水。特に好ましい溶剤は、その後、紫外線を用いて硬化する場合、十分に乾燥させる必要がある観点や、乾燥時に絶縁部を形成する際、露出している導電部の面積を確保する観点から、メチルエチルケトン等の低沸点溶剤が好ましい。
上記導電層表面の濡れ性を制御する方法としては、例えば、表面調整剤等を添加する方法を用いることができる。
(第1領域、第2領域の形成順番について)
第1領域、第2領域の形成順番については、第2領域を第1領域の外縁部に存在させるためと第3領域と第2領域が隣接する構成とするため、始めに第2領域を形成し、その後、第1領域を形成することが好ましい。
<電子写真画像形成装置及び電子写真プロセスカートリッジ>
本開示に係る現像部材を用いることができる電子写真画像形成装置(電子写真装置)の一例の概略構成図を図6に示す。この電子写真装置は、以下の装置等を少なくとも有する。即ち、静電潜像を担持する像担持体;該像担持体を一次帯電する帯電装置;一次帯電された該像担持体に静電潜像を形成する露光装置;該静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成するための現像装置;該トナー画像を転写材に転写する転写装置を有する。以下に詳しく説明する。
図6に示す(カラー)電子写真装置は、イエローY、マゼンダM、シアンC及びブラックBKの色トナー毎に設けられた電子写真プロセスカートリッジ(各色用)(10a~10d)をタンデム形式で有している。これらの電子写真プロセスカートリッジは、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されることができ、本開示に係る現像部材1を現像ローラとして具備している。これらのプロセスカートリッジは、仕様は各色トナー特性に応じて少し差異があるものの、基本的構成において同じである。本開示に係る電子写真プロセスカートリッジは、例えば、次の構成を有してもよい。すなわち、感光ドラム2等の像担持体と、帯電ローラ9等の帯電部材を有する帯電装置と、現像ローラ1等の現像部材を有する現像装置と、クリーニングブレードの如きクリーニング部材33を有するクリーニング装置とを有することができる。
図6に示す電子写真装置において、感光ドラム2は矢印方向に回転しており、その周囲には、感光ドラム2を一様に帯電するための帯電ローラ9が設けられている。また、この電子写真装置には、一様に帯電した感光ドラム2にレーザー光21を照射して静電潜像を形成する露光手段(露光装置)、及び静電潜像を形成した感光ドラム2にトナーを供給し静電潜像を現像する、現像ローラを有する現像装置が設けられている。更に、感光ドラム2上のトナー像を、給紙ローラ22により供給され搬送ベルト23によって搬送される紙等の記録媒体(転写材)24の裏面からバイアス電源25を印加して記録媒体24上に転写する転写ローラ26を有する転写装置が設けられている。なお、現像装置の詳細については後述する。
搬送ベルト23は、駆動ローラ27、従動ローラ28及びテンションローラ29に懸架され、各画像形成部で形成されたトナー像を記録媒体24上に順次重畳して転写するように、画像形成部と同期して移動して記録媒体24を搬送するよう制御されている。なお、記録媒体24は、搬送ベルト23にさしかかる直前に設けられた吸着ローラ30の働きにより、搬送ベルト23に静電的に吸着されて、搬送されるようになっている。
この電子写真装置では、感光ドラム2と、本開示に係る電子写真用部材(電子写真用ローラ)1である現像ローラとは接触して配置されており、それらは感光ドラム2と現像ローラの接触箇所において同方向に回転している。更に、この電子写真装置には、記録媒体24上に重畳転写したトナー像を加熱等により定着する定着装置31と、画像形成された記録媒体を装置外に排紙する搬送装置(図示せず)とが設けられている。なお、記録媒体24は剥離装置32の働きにより搬送ベルト23から剥がされて定着装置31に送られるようになっている。さらに、この電子写真装置には、感光ドラム2上に転写されずに残存する転写残トナーを除去するクリーニングブレード33を有するクリーニング装置と、感光ドラムから掻き取られたトナーを収納する廃トナー容器34とが設けられている。クリーニングされた感光ドラム2は画像形成可能となって待機するようになっている。
続いて、図7を用いて、現像装置の一例を詳しく説明する。図7において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する静電潜像担持体としての感光ドラム2は、矢印B方向に回転される。トナー容器であるホッパー3中には非磁性一成分トナー4を撹拌するための撹拌翼5が設けられている。本開示に係る現像部材1である現像ローラにトナー4を供給し、かつ現像後の現像ローラの表面に存在するトナー4を剥ぎ取るためのトナー供給・剥ぎ取り部材(トナー供給・剥ぎ取りローラ)6が現像ローラに当接している。トナー供給・剥ぎ取りローラが現像ローラ(矢印A方向)と同じ方向(矢印C方向)に回転することにより、両ローラの接触箇所において、トナー供給・剥ぎ取りローラの表面は現像ローラの表面とカウンター方向に移動することになる。これにより、ホッパー3から供給された非磁性一成分トナー4が現像ローラに供給される。現像ローラには、これに担持された非磁性一成分トナー4を移動させるために、現像バイアス電源7により現像バイアス電圧が印加される。
トナー供給・剥ぎ取り部材6は、樹脂、ゴム、スポンジ等の弾性ローラ部材で構成されることが好ましい。トナー供給・剥ぎ取り部材6は、感光ドラム2に現像移行されなかったトナーを、一旦現像ローラ表面から剥ぎ取ることにより、現像ローラ上における不動のトナーの発生を阻止し、トナーの帯電を均一化することができる。
現像装置に配されるトナー規制部材8は、現像ローラ上の非磁性一成分トナー4の層厚を規制する部材として働く。このトナー規制部材8は、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴム弾性を有する材料、あるいはリン青銅、ステンレス銅等の金属弾性を有する材料で構成されることができる。トナー規制部材8を現像ローラの回転方向と逆の方向に反らした形態で該現像ローラに圧接させることにより、現像ローラ上に更に薄いトナー層を形成することができる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
<導電層の作製>
導電性の基体として、直径6mmのステンレス鋼(SUS304)製の中実の軸芯体を用意した。該軸芯体の周面にシランカップリング系プライマー(商品名:DY35-051、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、その後、温度150℃で60分間焼付けた。次に、円筒状の金型の内部に、上記の軸芯体を同軸に配置し、金型の内周面と軸芯体の周面との間隙に以下の表1に示す材料を分散させた内層形成用の液状材料(内層形成用材料)を充填し、温度140℃で20分加熱した。冷却後、金型から、上記材料が付着した軸芯体を脱型し、更に、この軸芯体を温度200℃に加熱したオーブン中で4時間加熱して、軸芯体上に厚さ3mmのシリコーンゴム層(内層)を有する内層ローラ1を得た。
Figure 0007358207000001
次に、この内層ローラ1のシリコーンゴム層(内層)の周面上に、以下のようにして導電層を設けた。即ち、表2に示す各材料を秤量し、これらの材料にMEK(メチルエチルケトン)を加え、よく分散させた混合物(導電層形成用材料)をオーバーフロー型循環式塗布装置に入れた。上記塗布装置に上記内層ローラ1を浸漬し、引き上げた後に、風乾を40分行い、その後、140℃で5時間加熱し、厚さ20μmの導電層が設けられた導電性弾性ローラ1を製造した。
Figure 0007358207000002
導電性弾性ローラを周方向に回転させる装置に、上記で得られた導電性弾性ローラ1を取り付ける。そして、回転速度20ppmで回転させながら、酸化マグネシウム粒子(商品名、キョーワマグMF-30、協和化学工業社製)を、導電性弾性ローラ1の周面上に付着させた。次いで、紙製のウエス(商品名:キムワイプS-200、日本製紙クレシア社製)を用いて、酸化マグネシウム粒子を、導電性弾性ローラ1の周面上に擦り付けて、導電層の外表面に埋め込んだ。次に、導電性弾性ローラ1を回転速度20rpmで回転させたまま、ラッピングフィルム#8000(商品名、スリーエムジャパン社製)を用いて、導電性弾性ローラ1の周面を研磨して、導電層に埋め込まれた酸化マグネシウム粒子の一部を導電性弾性ローラの外表面に露出させるとともに、導電層の外表面の一部を露出させた。その結果、導電性弾性ローラ1の外表面は、導電層の一部及び酸化マグネシウム粒子の一部とで構成されることとなった。その後、温度80℃で2時間加熱し、第2領域が設けられたローラ1を得た。
次に、スチレンアクリル共重合体(商品名:ヒタロイドHA1470、日立化成社製)を固形分濃度が3%となるようMEKに溶解し、オーバーフロー型循環式塗布装置に入れた。第2領域が形成されたローラ1を浸漬した。引き上げた後に、40分間、風乾し、その後、温度90℃で1時間加熱した。こうして、現像ローラ1を得た。
(第1領域、第2領域及び第3領域の確認)
得られた現像ローラ1に対して、各領域の評価を以下のようにして行った。
まず、現像ローラ1の外表面をレーザー顕微鏡(商品名:VK-8710、キーエンス社製)にて500倍の倍率で観察した。その結果、現像ローラ1の表面に第1領域、第2領域、第3領域が存在し、第1領域の外縁部に第2領域が存在することを確認した。具体的には、導電層の外表面であって、かつ、現像ローラの外表面を構成している導電層の外表面が、第3領域を構成していた。また、該導電層によって、少なくとも一部が現像ローラの外表面に露出するように保持されている酸化マグネシウムの粒子の露出部分が第2領域を構成していた。さらに、酸化マグネシウムの粒子の露出部分の周囲を取り囲むように形成されたスチレンアクリル共重合体の層が、第1領域を構成していた。なお、第1領域が、酸化マグシウムの粒子の露出部分を取り囲むように形成されている理由は、スチレンアクリル共重合体の溶液が、導電層の露出部分、及び酸化マグネシウム粒子の露出部分ではじかれ、導電層の外表面と酸化マグネシウムの粒子の界面に溜まったためであると考えられる。
(第1領域及び第2領域の被覆率と第3領域が露出している割合(以下、露出割合と記す)の測定)
第1領域及び第2領域の被覆率と第3領域の露出割合を、上記のレーザー顕微鏡を用いて、以下のようにして求めた。すなわち、現像ローラ1の外表面30か所について、倍率500倍にて観察し、第1領域及び第2領域の被覆率と第3領域の露出割合をそれぞれ求め、30か所の平均値をそれぞれ、第1領域及び第2領域の被覆率と第3領域の露出割合とした。その結果、第1領域の被覆率が29%であり、第2領域の被覆率が36%であり、第3領域の露出割合が35%であった。
(第1領域及び第2領域の平均高さ測定)
現像ローラ1について断面観察できるよう、かまぼこ形状に切り出した。切り出したゴム片を現像ローラ1の断面を観察できるようサンプル台にセットし、走査型電子顕微鏡(商品名:S-3700N、(株)日立ハイテクノロジー社製)を用いて観察し、第1領域及び第2領域の厚さを測定した。30か所について、それぞれの厚さを測定し、その平均値を第1領域及び第2領域の厚さとした。その結果、第1領域の平均高さは1.4μm、第2領域の平均高さは0.8μmであった。
(第1領域、第2領域及び第3領域の表面電位測定)
あらかじめ、温度23℃、湿度50%環境下に24時間放置した、現像ローラ1について、第1領域、第2領域、第3領域を含む断面を切り出した。切り出した断面を、走査型プローブ顕微鏡(商品名:MFP-3D-Origin、オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社製)にて、探針との距離を90nmとし、4.5V印加した。得られた表面電位像から、表面電位が高い点と低い点について各20点ずつ抽出し、その平均を求め表面電位とし、第1領域、第2領域及び第3領域の表面電位を得た。現像ローラ1の第1領域、第2領域、第3領域の表面電位は、それぞれ、-0.70V、-0.54V及び0.50Vであった。
(第1領域形成材料の体積抵抗率の測定)
現像ローラ1から第1の領域を含むサンプルを切りだし、ミクロトームで平面サイズ50μm四方、厚みtが100nmの薄片サンプルを作製した。次に、この薄片サンプルを金属平板上に設置し、上方から、押しつけ面の面積Sが100μmの金属端子で薄片サンプルの第1領域に押し当てた。この状態で、金属端子と金属平板間にKEITHLEY社エレクトロメーター6517Bにより1Vの電圧を印加することにより抵抗Rを求め、この抵抗Rから体積抵抗率pv(Ω・cm)を下記式で算出した。
pv=R×S/t
同様の操作を3サンプルについて行い、体積抵抗率pvの3点相加平均値を求めた。得られた体積抵抗率pvの相加平均を第1領域の体積抵抗率とした。
得られた体積抵抗率は1.2×1013Ω・cmであった。
(現像ローラとしての評価)
評価I)画像濃度差の評価
次に、実施例1に係る現像ローラ1を、カラーレーザープリンタ(商品名:HP Color LaserJet Enterprise M652dn、HP社製)用の改造プロセスカートリッジに装着した。なお、改造プロセスカートリッジとして、トナー供給・剥ぎ取り部材の外径を1mm細くし、さらに回転速度を20%遅くしたものを用いた。そのプロセスカートリッジを上記カラーレーザープリンタに装着し、温度23℃/湿度50%環境下で24時間放置した。その後、ベタ黒画像を1枚出力した後に、ベタ黒画像を連続して100枚出力し、さらにベタ黒画像を1枚出力した。最初に出力したベタ黒画像と最後に出力したベタ黒画像について、分光濃度計:X-Rite504(商品名、エス・ディ・ジー社)を用いてベタ黒画像中、縦10か所×横5か所、計50か所測定し、50か所の測定値の平均をベタ黒画像濃度とした。最初と最後のベタ黒画像濃度差を求め、以下の基準をもとに評価した。
ランクA:画像濃度の差が0.10以下。
ランクB:画像濃度の差が0.10より大きく、0.15以下。
ランクC:画像濃度の差が0.15より大きく、0.20以下。
ランクD:画像濃度の差が0.20より大きく、0.25以下。
ランクE:画像濃度の差が0.25より大きく、0.30以下。
ランクF:画像濃度の差が0.30より大きい。
評価II)トナー搬送量の評価
上記画像濃度差の評価と同条件でカラーレーザープリンタを用いて、上記画像濃度差の評価におけるベタ黒画像100枚連続で出力前後について、ベタ黒画像を出力する際に、カラーレーザープリンタの電源を切り、プロセスカートリッジを取り出した。次に、図8に示すような外筒36と内筒35と円筒濾紙37(商品名:円筒濾紙No.86R、アドバンテック社製)とからなる治具を掃除機に取り付け、プロセスカートリッジに装着されている現像ローラ上のトナーを円筒濾紙の中に吸引した。なお、図8の紙面右方向に掃除機を取り付け、紙面左方向からトナーを吸引した。そして、吸引したトナーの質量を計測し、現像ローラ上の単位面積あたりのトナー量をトナー搬送量(mg/cm)として求めた。ベタ黒画像100枚出力する前のトナー搬送量とベタ黒画像100枚出力した後のトナー搬送量の差を計算し、トナー搬送量の差を求め以下の基準をもとに評価した。
ランクA:トナー搬送量の差が0.05以下。
ランクB:トナー搬送量の差が0.05より大きく、0.10以下。
ランクC:トナー搬送量の差が0.10より大きく、0.15以下。
ランクD:トナー搬送量の差が0.15より大きく、0.20以下。
ランクE:トナー搬送量の差が0.20より大きく、0.25以下。
ランクF:トナー搬送量の差が0.25より大きい。
〔実施例2〕
第2領域を形成する材料として、下記表3に示す材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ2を作製した。
Figure 0007358207000003
〔実施例3〕
第2領域を形成する材料として、下記表4に示す材料を用いて導電性弾性ローラ1上に第2領域を形成し、ローラ3を作製した。
Figure 0007358207000004
次に、第1領域形成材料として、下記表5に示す材料を用いて、ローラ3上に第1領域を形成した。
Figure 0007358207000005
具体的には、上記表5に示す各材料を秤量し、上記シリコーン樹脂が固形分濃度3%となるようMEKを加え、よく溶解させた混合物をオーバーフロー型循環式塗布装置に入れた。上記塗布装置にローラ3を浸漬し、引き上げた後に、風乾を40分行い、その後、150℃で2時間加熱し、現像ローラ3を作製した。
〔実施例4〕
第2領域形成材料として、表3に示す材料を用いたこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ4を作製した。
〔実施例5〕
第2領域形成材料として、下記表6に示す材料を用いて導電性弾性ローラ1上に第2領域を形成し、ローラ5を作製した。
Figure 0007358207000006
次に、第1領域形成材料として下記表7に示す材料を用いて、ローラ5上に第1領域を形成した。
Figure 0007358207000007
具体的には、上記表7に示す各材料を秤量し、上記アクリル化合物の固形分濃度が3%となるようMEKを加え、よく溶解させた混合物をオーバーフロー型循環式塗布装置に入れた。上記塗布装置にローラ5を浸漬し、引き上げた後に、風乾を40分行い、その後、90℃で1時間加熱した。その後、この混合物を付着させたローラの表面に、積算光量が2200mJ/cmとなるよう紫外線を照射することにより、上記成分を硬化させ、現像ローラ5を得た。なお、紫外線照射装置としては、UV硬化装置(商品名:ハンディタイプUV硬化装置「MDH2501-02」、ランプタイプ:メタルハライド(Fe/Ga)・高圧水銀ランプ、主波長:250~450nmの連続波長、ランプワット数:250W;マリオネットワーク社製)を用いた。
〔実施例6〕
第2領域形成材料として、表6に示す材料を用いたこと以外については実施例1と同様にして現像ローラ6を作製した。
〔実施例7〕
第2領域形成材料として、表6に示す材料を用いたこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ7を作製した。
〔実施例8〕
第2領域形成材料として酸化マグネシウム(商品名、キョーワマグMF-30、協和化学工業社製)を用いたこと以外については実施例5と同様にして現像ローラ8を作製した。
〔実施例9〕
第2領域形成材料として、表4に示す材料を用いたこと以外については実施例5と同様にして現像ローラ9を作製した。
〔実施例10〕
第1領域形成材料としてポリシラザン(商品名、PHPS、エクスシア整社製)を用いた。具体的には、上記ポリシラザンのMEK溶液をオーバーフロー型循環式塗布装置に入れた。上記塗布装置にローラ1を浸漬し、引き上げた後に、風乾を40分行い、その後、温度80℃/湿度95%の環境下で2時間加熱したことと、以外については実施例1と同様にして現像ローラ10を作製した。なお、ポリシラザンは反応後、酸化ケイ素(シリカ)を形成する。
〔実施例11〕
第1領域形成材料として、ポリエステル樹脂(商品名、バイロン200、東洋紡社製)を用いたこと以外については実施例1と同様にして現像ローラ11を作製した。
〔実施例12〕
第2領域形成材料として、酸化ケイ素(商品名、KE-P30、日本触媒社製)を用いたこと以外については実施例1と同様にして現像ローラ12を作製した。
〔実施例13〕
第2領域形成材料として、酸化チタン(商品名、SA-1、堺化学工業社製)を用いたこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ13を作製した。
〔実施例14〕
第2領域形成材料として、酸化亜鉛(商品名、F-1、ハクスイテック社製)を用いたこと以外については実施例1と同様して現像ローラ14を作製した。
〔実施例15〕
第2領域形成材料として、チタン酸ストロンチウム(商品名、安達新産業社製)を用いたこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ15を作製した。
〔実施例16〕
第2領域形成材料として、酸化ケイ素(商品名、KE-P30、日本触媒社製)を用いたこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ16を作製した。
〔実施例17〕
第2領域形成材料として、酸化ケイ素(商品名、KE-P30、日本触媒社製)を用いたこと以外については実施例11と同様にして現像ローラ17を作製した。
〔実施例18〕
第2領域形成材料として、アクリル粒子(商品名、ファインスフェアFS-201、日本ペイントインダストリアルコーティングス社製)を用いたこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ18を作製した。
〔比較例1〕
第2領域形成材料として、下記、表8に示す材料を用いて導電性弾性ローラ1上に第2領域を設け、ローラ19を作製した。
Figure 0007358207000008
次に、第1領域形成材料として、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(商品名、AD-TMP、新中村工業社製)を用いてローラ19上に第1領域を形成した。それ以外については、実施例5と同様にして現像ローラ19を作製した。
〔比較例2〕
第2領域形成材料として、表9に示す材料を用いたこと以外については、実施例3と同様にして現像ローラ20を作製した。
Figure 0007358207000009
〔比較例3〕
第2領域形成材料として、表3に示す材料を用いたこと以外については、実施例5と同様にして現像ローラ21を作製した。
〔比較例4〕
第2領域を形成しなかったこと以外については実施例3と同様にして現像ローラ22を作製した。
上記、実施例2~18及び比較例1~3で得られた各現像ローラについて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例1~18及び比較例1~4に係る現像ローラの第1領域及び第2領域の構成材料を表10にまとめて示す。また、評価結果を表11に示す。
Figure 0007358207000010
Figure 0007358207000011
実施例1~18では、現像部材の外表面に、第1領域、第2領域及び第3領域を、本開示所定の要件を満たすように形成した。
即ち、実施例の現像ローラは、第1領域、第2領域及び第3領域の表面電位を各々V1、V2及びV3としたとき、V1が、-0.70V以上-0.50V以下であり、V1とV2が、1.30≦V1/V2≦25.00であり、かつV3が、0.00V以上0.50V以下である関係を満たしていた。その結果、第1領域、第2領域及び第3領域それぞれにおいて表面電位差が発生し、さらに各領域の隣接部分でグラディエント力が発生し、トナー搬送力を維持することができ、ベタ黒画像を出力し続けてもベタ黒画像の濃度を維持することができた。
実施例10、11では実施例1~9と比較して、第1領域形成材料の体積抵抗率が高い現像ローラを作製した。その結果、より大きなグラディエント力が発生し、ベタ黒画像濃度を維持することができた。特に、実施例11においては、第1領域形成材料として樹脂を用いたことにより、金属酸化物を用いた実施例10と比較して、ある間隔で第1領域を形成しやすくなった。このため、より第2領域との隣接する箇所の数を、増やすことができ、結果としてグラディエント力の発生箇所を増やすことができた。その結果、ベタ黒画像濃度を維持することができた。
実施例12~17では第2領域形成材料として特定の金属酸化物を用いた現像ローラを作製した。その結果、トナーとの摩擦帯電において、これらの金属酸化物の体積抵抗率が高いため、第2領域で帯電しやすくなり、結果として、ベタ黒画像濃度を維持することができた。
実施例1~17において、実施例18と比較して、第2領域形成材料として金属酸化物を用いた。その結果、よりベタ黒画像濃度を維持することができた。
一方、比較例1~3では、現像部材の外表面に、第1領域、第2領域及び第3領域を形成したものの、各領域の表面電位が実施例とは異なる範囲の現像ローラであった。
その結果、比較例1においては、各領域で表面電位差は生じたものの、表面電位が最も高い第1領域の表面電位が低いため、各領域における発生したグラディエント力が弱くなり、ベタ黒画像濃度の維持ができなかった。
比較例2、3においては、第2領域における表面電位V2が、第1領域や第3領域の表面電位V1、V3との差が小さくなり、結果として、表面電位差が小さく、グラディエント力の発生箇所が少なくなり、ベタ黒画像濃度の維持ができなかった。
また、比較例4では、第2領域を形成しなかった。その結果、実施例1~18と比較してグラディエント力の発生箇所が少なく、ベタ黒画像濃度を維持することができなかった。
1a 第1領域
1b 第2領域
1c 第3領域
1A 導電性の基体
1B 導電層1C 内層
10a~10d電子写真プロセスカートリッジ

Claims (8)

  1. 導電性の基体、及び、該基体上の、導電層と、を具備している現像部材であって、
    該現像部材の外表面は、第1領域と、第2領域と、第3領域とで構成され、
    温度23℃、相対湿度50%の環境下で走査型プローブ顕微鏡を用いて探針との距離を90nmとし、4.5V印加したときに測定される該第1領域、該第2領域及び該第3領域の表面電位を各々V1、V2及びV3としたとき、
    V1が、-0.70V以上-0.50V以下であり、
    V1とV2が、1.30≦V1/V2≦25.00の関係を満たし、かつ、
    V3が、0.00V以上0.50V以下であり、
    該第1領域、該第2領域及び該第3領域がこの順に互いに隣接している部分が存在していることを特徴とする現像部材。
  2. 前記第2領域が、前記導電層の前記基体と対向する側とは反対側の表面上にある金属酸化物粒子で構成されている請求項1に記載の現像部材。
  3. 前記金属酸化物粒子が、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項2に記載の現像部材。
  4. 前記第1領域が、前記導電層の前記基体と対向する側とは反対側の表面上の電気絶縁性部で構成されている請求項1~3のいずれか一項に記載の現像部材。
  5. 前記電気絶縁性部が、樹脂を含む請求項4に記載の現像部材。
  6. 前記第3領域が、前記導電層の前記基体と対向する側とは反対側の表面の一部で構成されている請求項1~5のいずれか一項に記載の現像部材。
  7. 電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、
    少なくとも現像部材を有し、該現像部材が、請求項1~6のいずれか一項に記載の現像部材であることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  8. 少なくとも現像部材を有する電子写真画像形成装置であって、
    該現像部材が、請求項1~6のいずれか一項に記載の現像部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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