JP2013174808A - 導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、現実には、高温高湿環境下においては、トナーへの摩擦帯電性の低下に起因するカブリが電子写真画像に発生する場合がある。一方、低温低湿環境下においては、現像装置内において、トナーを表面に担持し、搬送するための現像部材に用いられる導電性部材の表面硬度が上昇し、それによってトナーに加わるストレスが増大し、現像部材の表面にトナーが融着する場合がある。
また、特許文献2には、表面が規則的または不規則的に微小面積で分布した誘電部と接地された導電部とからなる現像ローラを用いて、現像ローラの表面近傍に多数の微小閉電界(マイクロフィールド)を形成し、この閉電界の作用により、トナー担持体上に多量のトナーを付着させることが提案されている。そして、特許文献3には、微小閉電界を形成するトナー担持体の具体的な構成として、誘電体物質中に導電体物質を分散して、この混合物を芯金上に塗布して表面に誘電部を露出させる分散タイプ、誘電体物質中に導電体物質を、分散繊維を巻き廻して溶融し、誘電部を一様に分散点在させるタイプおよび導電性基体に縦横の格子状の溝を形成し、この溝に熱硬化性樹脂を埋め込むローレットタイプが開示されている。
また、本発明の他の目的は、多様な環境の下で、安定して高品位な電子写真画像を形成可能なプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的に対して種々の検討を重ねた結果、下記(1)〜(4)の要件を満たす導電性部材が、上記目的を良く達成できることを見出した。
(2)該ドメイン相が、下記式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂で構成されていること、
(3)該マトリックス相は、下記式(A)、(B)および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂で構成されていること、および、
(4)該マトリックス相に導電性微粒子が偏在していること。
図2に本発明に係る導電性部材の長手方向に対して平行な断面図を示す。表面層4は、マトリックス相4aとドメイン相4bとからなる相分離構造(以降、単に「相分離構造」ともいう)を有する。また、マトリックス相4aは、導電性微粒子4cが前記マトリックス相4aに偏在している。
(1)感光体に対する導電性部材の周速比を増加させてトナー供給量を増加させる。
(2)トナー規制部材と導電性部材との接触圧を増加させ、トナー取り込み口(楔)を開かせることで、トナー取り込み量を増加させる。
(3)導電性部材表面の凹凸形状を大きくすることで、物理的搬送性を増加させる。
一方、上記(3)の手法は、表面凹凸の増大で、トナー供給ローラがトナー層の下、すなわち、現像部材の表面層にまで十分に入り込むことができない。そのため、トナーの掻き取りが不十分となり、残留したトナーが接触部材との間で繰り返しストレスを受け、トナー融着が生じる場合がある。
さらに、プロセススピードの高速化に伴って、画像追従不良を抑制するためにトナー供給量の増加が必要となり、トナーと接触部材との摺擦によるせん断抵抗が増大する傾向にあるので、表面層の削れや割れが進行し易くなる傾向にある。また、画像出力の高速化に伴い、高温高湿環境下におけるカブリも悪化する傾向にある。これは、感光体に対する導電性部材の周速比を低減するのに伴って、一プロセス当たりの導電性部材上のトナー担持量の絶対量が増加することで、摩擦によるトナー一個当たりの電荷獲得量が低下するためである。
(1)湿度が高い(水分が多い)ことにより、トナー同士が液架橋力で凝集し易くなるため、トナー転動性が悪化し、摺擦時の転がり摩擦を受ける頻度が低下する。
(2)温度が高いことにより、導電性部材表面およびトナーの樹脂材料の分子運動性が上昇するため、導電性部材表面とトナー表面との間に働く分子間力(タック性)が強くなり、トナー転動性が悪化する。
(3)水分が多く介在することにより、トナーと接触するトナー規制部材や導電性部材との摩擦帯電で帯電したトナー電荷が減衰しやすい。
(1)トナー吸引力の増加、
(2)トナーの転動性向上および電荷減衰の抑制、
(3)表面層の削れ、および割れの抑制、
(4)摺動時のトナーに与えるストレスの緩和。
誘電体部は、トナー規制部材などの接触部材により、トナーを介して摺擦されることにより帯電し、導電体部との隣接部上に微小閉電界を形成する。このとき、誘電体部と隣接する導電体部との間に電界勾配が形成される。導電性部材表面へ搬送されたトナーは、微小閉電界による電界勾配力(グラディエント力)を受けて、導電性部材表面に吸引され担持される。これは、誘電体面の面電荷と異極性トナーに対して、導電面より反発を受ける作用によって、トナーが吸引されるためである。このような電界効果によるトナー吸引作用は、分子間力や鏡像力といった一般的に知られているトナー付着力よりも付着体と被付着体との間の距離依存性が少ないため、多層のトナーを吸引することを可能とする。従って、上記構成とすることで、トナー搬送量の増加を容易とし、高速での電子写真画像の出力時にも、画像追従不良を抑制することが出来る。さらに、本発明の表面層は、トナー担持量を増大させるために、表面層に過度な凹凸を形成する必要や、トナー規制部材との接触圧を過度に増大させる必要がなく、トナー融着を効果的に抑制することが出来る。
化学式(A)のセグメントの出発原料であるPET樹脂は、樹脂材料の中でも特に種々の溶媒に溶解し難く、樹脂の軟化温度も高いため、ゴム材料のような弾性層上に表面層として塗膜を形成させることが困難である。例えば、PET樹脂を熱溶融して塗膜を形成する場合は融点(約260℃)以上でPET樹脂を溶融する必要があり、下地の弾性層は熱分解もしくはダメージを与える場合がある。また、溶媒などに溶解させて塗膜を形成する場合、PET樹脂は、溶媒などへの溶解性が低く、さらには、結晶性が高いため、塗膜形成中に結晶が析出する場合がある。この場合、塗膜表面に結晶性析出物起因の凹凸が形成されると、弾性ローラとした場合に、凸部を起点にトナー融着が進行したり、ローラの摺動時に削れや割れが発生したりしやすくなる場合がある。従って、化学式(A)のセグメントを含んだ表面層を形成するためには、PET樹脂の構造規則性を低減させ、結晶性の適正化と溶媒への溶解性を向上させる必要がある。一般的な手法として、異なる構造のポリマーを二種以上混合し、ランダム共重合もしくはブロック共重合させる方法が挙げられる。このとき、PET樹脂と共重合させるポリマーの選択が重要である。共重合させるポリマーとの相溶性が悪いと、適正な結晶性を得るために、共重合させるポリマーの配合量が多量に必要になり、PET樹脂固有の特性を発現させることが困難になる。また、共重合させるポリマー自体の結晶性が高いと、上記と同様の理由により、PET樹脂固有の特性を発現させることが困難になる。従って、化学式(A)との相溶性および結晶性の適正化という観点から、化学式(B)は、化学式(A)と極性が近く相溶性が良好なエステル樹脂であり、さらに、結晶性が低い脂肪族エステル由来のセグメントであることが必要である。
化学式(A)のセグメントの出発原料であるPET樹脂は、剛性が強く、可とう性に劣る。そのため、ゴム材料のような弾性体上に塗膜を形成し、摺動部材として使用する場合、下地との追従性が極端に悪く、剥れや割れが発生しやすい。
従って、本発明において、脂肪族エステル由来のセグメントによって、表面層を構成するポリエステル共重合樹脂のエラストマー性を改善し、可とう性を向上させることが必要である。ポリエステル共重合樹脂のエラストマー性の発現は、ハードセグメントを構成する化学式(A)のPET樹脂由来の結晶の凝集力と低二次転移点を有するソフトセグメントの分子運動とで決まる。
本発明においては、化学式(B)がソフトセグメントに相当し、可とう性発現に重要な役割を果たす。その理由として、脂肪族エステルは、分子構造中に剛直なフェニル基由来などのベンゼン環を有さないことが挙げられる。また、化学式(B)の出発原料である脂肪族エステルを用いることで、PET樹脂とポリエステル共重合樹脂を形成した際に、結晶サイズの微細化が可能である。
エラストマー分子中のソフトセグメントとハードセグメントは互いに非相溶性であるため、これらはミクロに相分離する。このミクロ相分離状態、つまりモルフォロジーの形態は、分子構造中の結晶サイズに影響を及ぼし、エラストマーとしての可とう性に影響を与える。そのため、化学式(B)のソフトセグメントを、エラストマー分子中にランダムに存在させることで、PET樹脂由来の結晶サイズの増大が抑制され、エラストマーの可とう性の発現に有利に作用する。
一方で、化学式(C)を含まず、構造中に分子構造的に剛直なフェニル基を有するベンゾグアナミン樹脂やシクロヘキシルグアナミン樹脂などは、可とう性が悪く、削れや割れが発生する場合があるので、好ましくない。また、摺動時のトナーに与えるストレスが増加するため好ましくない。さらに、前記ベンゾグアナミン樹脂やシクロヘキシルグアナミン樹脂などは、ポリエステル共重合樹脂との極性が近く、相分離構造の形成が困難になるため、好ましくない。
相分離構造を有する塗膜を形成する方法として、SP値の異なる二種類の樹脂原料を溶媒中に混合溶解し、溶媒を乾燥させることで、相分離構造を形成する方法を挙げることが出来る。SP値は分子の凝集エネルギー密度の平方根であり、分子同士の凝集する力(分子間力)の大小を表す。従って、二者間のSP値差を適正化することで、混和(相溶)状態を制御し、相分離構造の制御を可能とする。本発明における2種類の樹脂原料とは、化学式(A)および化学式(B)からなるポリエステル共重合樹脂と、化学式(C)に示す骨格ユニットを含むメラミン樹脂である。ポリエステル共重合樹脂のSP値は、化学式(A)と化学式(B)との共重合比を調整することで制御できる。メラミン樹脂のSP値は、メラミン樹脂の骨格ユニットに付与した官能基の選択や、メチレン結合やメチレンエーテル結合の存在比と相関する分子量の選択によって、容易に制御できる。尚、本発明においては、極性が高いPET樹脂と極性が低い構造のメラミン樹脂とを用いているため、ポリエステル共重合樹脂のSP値に対して、メラミン樹脂のSP値が相対的に低いものである。
相分離構造を有する塗膜を形成する方法として、結晶性が高く、常温では固体状態の樹脂材料を過飽和量の溶媒に溶解し、塗膜を形成する方法が挙げられる。結晶性の高い樹脂材料は、塗膜形成中の溶剤の揮発によって部分的に結晶が析出しやすい性質を示す。この結晶の凸状の析出部がドメイン部となり、連続的に塗膜が形成された部分がマトリックス部となることで、相分離構造が形成される。このドメイン相、つまり、結晶の析出度は、本発明においては、ポリエステル共重合樹脂の結晶性に依存する。このポリエステル共重合樹脂の結晶性を分子構造の最適化をすることで、結晶サイズの大きさや、被覆率を制御することが重要なポイントである。また、樹脂材料の結晶性の適正化とともに、溶媒の沸点や蒸発速度およびSP値によっても、相分離構造、つまりドメインの大きさの制御を達成することが出来る。本発明では、上述の手法および材料組成を組み合わせて、相分離構造を制御し、(1)トナー吸引力増加(2)トナーの転動性向上および電荷減衰の抑制(3)表面層の削れおよび割れの抑制(4)トナーに与えるストレスの緩和の両立を実現した。
導電性微粒子は、表面層の機械的物性および導電性の適正化に寄与する。また、導電性微粒子をマトリックス相に偏在させることが、グラディエント力を形成するために必要である。導電性微粒子の種類として、本発明において特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の粉体や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の如き金属酸化物;ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブの如きカーボン系の導電剤。これらの中でも、カーボンブラックは、導電性の制御が容易であり、耐磨耗性に優れる、さらには、導電性微粒子に表面処理を施すことで、マトリックス相中に偏在させることが容易なので、特に好ましいものとして挙げることができる。
上記の構成を有する表面層は、軸芯体の外周に形成される弾性層の周面に、下記に示すポリエステル共重合樹脂、メラミン樹脂および導電性微粒子などの樹脂原料混合物を含む表面層形成用の塗料の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって形成できる。
本発明の導電性部材に用いる軸芯体は、軸芯体の外周に形成される上層としての少なくとも一層以上の弾性層3を支持し、感光体へトナーを搬送可能な強度と、帯電したトナーを感光体へ移動可能な電極となり得る導電性とを有するものであればよい。その材料としては、アルミニウム、ステンレス、導電性を有する合成樹脂、鉄、銅合金などの金属または合金が挙げられる。
また、軸芯体の外周に形成される弾性層は、原料主成分としてゴムまたは樹脂を用いた成型体である。また、弾性層は発泡体、非発泡体のいずれであってもよい。なお、原料主成分のゴムとして、従来、現像ローラに用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム。また、原料主成分の樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、以下のものが挙げられる。低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の如きポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹脂;フッ素樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6の如きポリアミド樹脂。そして、これらゴムおよび樹脂は、単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
これらの内、カーボンブラック系の導電剤は、比較的安価かつ容易に入手でき、また、主成分のゴムおよび樹脂材料の種類に依らず、良好な導電性を付与できるため、好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤の如き高分子化合物に対して使用される公知のものを適宜選択して使用できる。
加工助剤としては、公知の材料が使用可能である。具体的には、ステアリン酸、オレイン酸の如き脂肪酸、脂肪酸の金属塩やエステルが使用できる。
なお、本発明に係る導電性部材は、感光体を所定に電位に帯電させるための帯電部材として用いた場合においても優れた効果を発揮する。すなわち、本発明に係る導電性部材は、感光体の帯電が不安定化しやすい低温低湿環境下で、長期に亘って接触帯電用の帯電部材として使用した場合においても、表面の摩耗や割れは極めて生じにくく、長期に亘る感光体の安定した帯電に資するものである。
また、本発明のプロセスカートリッジは、図4に示すように、少なくとも導電性部材1、トナー規制部材21、トナー容器20を有し、前記導電性部材1を現像ローラとして具備し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に装着される。さらに、本発明は、前記導電性部材の表面にトナーの薄層を形成し、その導電性部材を感光体に当接して配置させて感光体表面にトナーを供給することにより、感光体に可視画像を形成させる電子写真画像形成装置である。この導電性部材1、トナー規制部材21、トナー容器20を有するプロセスカートリッジ17は、図4に示す電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジのように、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24とともに一体のオールインワンプロセスカートリッジとすることができる。また、前記導電性部材1を帯電ローラ24として用いることも出来る。
図5は、本発明の導電性部材を具備したプロセスカートリッジを用いた電子写真画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図5の電子写真画像形成装置には、導電性部材1、トナー供給ローラ19、トナー容器20およびトナー規制部材21からなる現像装置22と、感光体18と、クリーニングブレード26と、廃トナー収容容器25と、帯電ローラ24とからなるプロセスカートリッジ17が脱着可能に電子写真画像形成装置の本体に装着されている。また、感光体18、クリーニングブレード26、廃トナー収容容器25、帯電ローラ24は電子写真画像形成装置の本体に配備されていてもよい。感光体18は矢印方向に回転し、感光体18を帯電処理するための帯電ローラ24によって一様に帯電され、感光体18に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光23により、その感光体表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光体18に対して接触配置される現像装置22によってトナー20aを付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。
下記の材料を直径30mm、L/D32の2軸押出機を用いて混練し、押出して樹脂混合物を調製した。
・カーボンブラック(商品名:Printex U、エボニック・デグサ・ジャパン製):40質量部
・炭酸カルシウム(商品名:ナノックス#30、丸尾カルシウム株式会社製):60質量部
・酸化亜鉛(商品名:活性亜鉛華、境化学工業株式会社製):5質量部
・ステアリン酸亜鉛(商品名:SZ−P、境化学工業株式会社製):2質量部
・加硫促進剤1(商品名 ノクセラーM、大内新興社製):0.5質量部
・加硫促進剤2(商品名 ノクセラーTRA、大内新興社製):1.2質量部
・硫黄(商品名:サルファックスPMC、鶴見化学株式会社製):1.6質量部
反応基として、以下のビニル基を有する液状シリコーンゴムベース材料Aとビニル基およびSiH基を有する液状シリコーンゴムベース材料Bとを質量比1:1で混合して調製した未加硫のシリコーンゴムを熱硬化して弾性層ローラ(2)を作製した。
・両末端にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が85000のジメチルポリシロキサン:100質量部
・カーボンブラック(商品名:Raven860Ultra、ColumbianChemical製):8質量部
・シリカ(商品名:レオロシールMT−10、トクヤマ社製):10質量部
・両末端にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が85000のジメチルポリシロキサン:100質量部
・カーボンブラック(商品名:Raven860Ultra、ColumbianChemical製):8質量部
・シリカ(商品名:レオロシールMT−10、トクヤマ社製):10質量部
・硬化触媒(2質量%の塩化白金酸のイソプロパノール溶液をジメチルポリシロキサンに対して10ppm配合したもの):0.5質量部
・メチルハイドロジェンポリシロキサン:3質量部(ベース材料AおよびBに含有するビニル基1モルに対して、SiH基が1.1モルとなる量)
・1,2−エタンジオール(R1炭素数:2、三協化学株式会社製)
・1,4−ブタンジオール(R1炭素数:4、三協化学株式会社製)
・1,5−ペンタンジオール(R1炭素数:5、宇部興産株式会社製)
・1,6−ヘキサンジオール(R1炭素数:6、宇部興産株式会社製)
・1,7−ヘプタンジオール(R1炭素数:7、宇部興産株式会社製)
・1,9−ノナンジオール(R1炭素数:9、メルクケミカルズジャパン製)
・3−メチル1,5−ペンタンジオール(R1炭素数:6、分岐型、株式会社クラレ製)
・2−メチル1,8−オクタンジオール(R1炭素数:9、分岐型、株式会社クラレ製)
・1,10−デカンジオール(R1炭素数:10、東京化成工業株式会社)
・アジピン酸(脂肪族系、R2炭素数:4、住友化学株式会社製)
・セバシン酸(脂肪族系、R2炭素数:8、ケイエフトレーディング株式会社製)
・テレフタル酸(芳香族系、三井化学株式会社製)
1,2−エタンジオール620.6g(10mol)、アジピン酸730.7g(10mol)、触媒のテトラブチルチタネート0.94g(0.50mol)をパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、マグネチックスターラーを用いて混合撹拌した。その後、フラスコ内の温度を230℃になるまで加熱し、30分間混合撹拌した。最終圧力は30Torrとし、留去する水は反応系該へ除外した。反応終了後、白色の反応生成物としてのエステル樹脂(1)を得た。このエステル樹脂(1)をクロロホルムに溶解させ、その後メタノールで再沈殿させた後、得られた生成物をFT−IRおよびH−NMRを用いて、スペクトル解析を行った。その結果、エステル樹脂(1)は、アジピン酸エチルを基本骨格とする脂肪族ポリエステルであることを確認した。合成に用いた出発原料および構造を表1に示す。
エステル樹脂(1)同様にエステル樹脂(2)〜(11)の合成を行った。このときの脂肪族ジオール類と二塩基酸のモル比は、常に1:1で合成した。合成に用いた出発原料および構造を表1に示す。
ε−カプロラクトン(ダイセル工業株式会社製)1141.4g(10mol)、エチレングリコール(三菱化学株式会社製)620.6g(10mol)、開始剤としてナトリウムメチラート0.50gをパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、マグネチックスターラーを用いて10分混合撹拌した。その後、フラスコ内の温度を100℃になるまで加熱し、30分間混合撹拌した。最終圧力は10Torrとし、留去する水は反応系該へ除外した。反応終了後、白色の反応生成物としてのエステル樹脂(12)を得た。このエステル樹脂(12)をクロロホルムに溶解させ、その後メタノールで再沈殿させた後、得られた生成物をFT−IRおよびH−NMRを用いて、スペクトル解析を行った。その結果、エステル樹脂(12)は、R1の炭素数が5、およびR2の炭素数が2を基本骨格とする脂肪族ポリエステルであることを確認した。
上述の方法で得られたエステル樹脂(1)を50℃、0.1mmHgの減圧下、36時間乾燥した。その後、ポチエチレンテレフタレート(商品名:ポリエチレンテレフタレートフィルム用樹脂、越前ポリマー株式会社製)800質量部、およびテトラブチルチタネート0.1質量部をパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、エステル樹脂(1)200質量部を窒素雰囲気化で投入した。その後、直ちに減圧を開始し30分間で0.15mmHgの減圧度とした。この混合物を245℃の温度で30分間重縮合した後に、水中へストランド状で回収し、冷却することで、生成物を得た。得られた生成物をFT−IRおよびH−NMRを用いて、スペクトル解析を行った。その結果、生成物は、化学式(A)のセグメントを有し、化学式(B)のセグメントにおいて、R1の炭素数が2、およびR2の炭素数が4を基本骨格とするポリエステル共重合樹脂であることが確認された。合成されたPET−E−(1)の原材料および構造を表2に示す。
ポリエステル共重合樹脂(1)同様に、ポリエステル共重合樹脂(2)〜(12)の合成を行った。合成されたPET−E−(2)〜(12)の原材料および構造を表2に示す。
・エステルポリオール(商品名:P−3010、3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなる。SP値:8.4、株式会社クラレ製)
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン20SB、SP値:7.4、Mn:6500、三井化学株式会社製)
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン21R、SP値:8.3、Mn:10000、三井化学株式会社製)
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン2020、SP値:7.8、Mn:2500、三井化学株式会社製)
・メチル化メラミン樹脂(商品名:SB15−594、SP値:8.2、Mn:2000、DIC株式会社製)
・メチル化メラミン樹脂(商品名:サイメル303、SP値:8.4、Mn:500、三井サイテック社製)
・イソブチル変性メラミン樹脂(商品名:265B−L、SP値:7.7、Mn:6500、日立化成株式会社製)
・ジメチルイミノ型ベンゾグアナミン樹脂(商品名:マイコート106、SP値:8.9、Mn:1000、三井サイテック社製)
・ブロック型イソシアネート樹脂(商品名:コロネート2507、SP値:8.8、Mn:1500、日本ポリウレタン工業株式会社製)
・酸性カーボン(商品名:MA−100、平均一次粒子径:22nm、DBP吸収量:100ml/100g、pH:3.5、三菱化学株式会社製)
・酸性カーボン(商品名:MA−11、平均一次粒子径:29nm、DBP吸収量:64ml/100g、pH:3.5、三菱化学株式会社製)
・スズ系酸化物導電性粉末(商品名:S−2000、DBP吸収量:60ml/100g、pH:4.0、三菱マテリアル電子化成株式会社製)
・PET−E−(1):80質量部
・n−ブチル化メラミン樹脂(商品名:ユーバン2020):20質量部
表面層形成用塗料液の材料として、上記成分を混合して表面層樹脂成分とした。最初に、PET-E-(1)を、メチルエチルケトン(MEK)を用いて、樹脂固形分50%になるように調整し、完全に溶解するまで撹拌した。その後、n−ブチル化メラミン樹脂を加えて、混合撹拌した。続いて、この表面層樹脂成分の固形分100質量部に対して、カーボンブラック(商品名:MA−100、三井化学株式会社製)30質量部およびMEKを加え、モーターで一時間混合攪拌した。続いて、総固形分比25質量%になるようにMEKをさらに加え、モーターで更に一時間混合攪拌をした。続いて、上記混合溶液を横型分散NVM−03(商品名、アイメックス社製)で周速7m/sec、流量1cc/min、分散液温度15℃の条件下で、3時間均一分散した。なお、この分散の際に、直径=1.5mmのガラスビーズ(商品名:DMB503B、ホッターズバロティニーズ社製)を用いた。次に、この溶液を表面層形成後の膜厚が10μmになるように、MEKを用いて固形分18質量%に希釈し、この溶液を300メッシュの網でろ過したものを表面層形成用塗料(1)とした。
表面層形成用塗料液(2)〜(60)は、表3および表4に示す出発原料を用いた以外は、表面層形成用塗料液(1)と同様の方法で調製した。各々の表面層形成用塗料液の調製に用いた出発原料の質量部と物性を表3および表4に示す。尚、本発明の表中の表記においては、ポリエステル共重合樹脂、およびポリエステルポリオールを主剤と称する。また、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イソシアネート樹脂を硬化剤と称する。
(GPCによるメラミン樹脂のMn測定)
GPCカラム「TSKgel SuperHM−M」(商品名、東ソー株式会社製)2本を直列につないだ高速液体クロマトグラフ分析装置「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー株式会社製)を用いた。溶媒にテトラヒドロフラン(THF)、温度40℃、流速0.6 ml/min、RI(屈折率)検出器の測定条件下において、測定サンプルを0.1質量%のTHF溶液として測定した。検量線作成用の標準試料として数種の単分散標準ポリスチレン(東ソー株式会社製)を用いて検量線の作成を行い、これを基に得られた測定サンプルの保持時間から、数平均分子量(Mn)を求めた。各実施例および比較例で作製した導電性部材としての導電性ローラにおける結果を表3、4に示す。
ポリエステル共重合樹脂およびメラミン樹脂のSP値の測定は以下のように行った。
溶剤を完全に揮散させたサンプル0.25gを30mlサンプル管に入れ、良溶媒としてアセトンを3.0ml加え、十分に撹拌、溶解した。次に、50mlビュレットを用いて貧溶媒としてノルマルヘキサンを滴下し、白濁を生じるのに要した滴下量を測定した。SP値(δ)は、各溶媒のSP値、およびサンプルの溶解に要したアセトンと白濁を生じるのに要したノルマルヘキサンの体積分率から、以下の式で計算した。
δ=δAcetone×φAcetone+δHexane×φHexane
φAcetone=VAcetone/(VAcetone+VHexane)
φHexane=VHexane/(VAcetone+VHexane)
δHexane:ノルマルヘキサンのSP値(7.0)
φAcetone:アセトンの体積分率
φHexane:ノルマルヘキサンの体積分率
VAcetone:サンプルの溶解に要したアセトン量(3.0ml)
VHexane:白濁を生じるのに要したノルマルヘキサンの滴下量(測定値)
(導電性微粒子の含有量測定)
導電性ローラの表面層を、マニュピレーターを用いて、弾性層から適量切り出した。その後、下記条件で熱重量分析法(DTA−TG)を用いて、導電性微粒子の含有量を測定した。このとき、窒素雰囲気下の加熱処理で重量減少が生じたものが、表面層樹脂由来のものに相当する。また、酸素雰囲気下の加熱処理で重量減少が生じたものが、導電性微粒子由来のものに相当する。その量比関係から、本発明の表面層に含まれる導電性微粒子の含有量を求めた。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける導電性微粒子の含有量を表3、表4に示す。
・測定機器;Thermo plus TG8120(商品名;株式会社リガク製)
・昇温/降温条件:25℃→800℃→200℃(窒素雰囲気下)→800℃(酸素雰囲気下)
・昇温/降温速度条件;10℃/min
・測定用試料ホルダー;アルミナパン
導電性ローラの表面層を、マニュピレーターを用いて、弾性層から適量切り出し、その後500℃、24時間の焼成条件でマトリックス相のポリマーを分解した。その後、残渣物を洗浄することで、表面層中の導電性微粒子を分取した。その導電性微粒子約0.1gを30ccのガラス瓶に秤り取り、その後20mlのトルエンを加えて蓋をし、15分間超音波振動器を用いて、均一に分散した。その後、スポイトを用いて、分散液を吸い取り、ガラスプレート上に一滴滴下し、乾燥することで、評価用サンプルを作製した。その評価用サンプルを走査型顕微鏡S−4800(商品名、日立工業株式会社製)を用いて観察し、インターセプト法を用いることで、各々の導電性微粒子の平均一次粒子径と定義した。
本発明の表面層の形成に用いた導電性微粒子のDBP吸収量の測定は、JIS−Z8901に準拠した方法で測定を行った。
各導電性微粒子10gをビーカーに秤り取り、100mlの水およびエチルアルコールを3滴加えて時計皿で覆い、15分間煮沸した。煮沸後室温まで冷却し、遠心分離法により上澄み液を除去して、泥状の測定サンプルを調製した。この測定サンプルに、pHメーター“HM−30R”(商品名、東亜ディーケーケー社製)の電極を入れ、ビーカーの中を動かしながら測定を行い、pH値が一定になった値を各導電性微粒子のpH値とした。
まず、先に作製した弾性層ローラ(1)にエキシマUV処理を施すことで、表面処理を行った。弾性層ローラ(1)の軸芯体を回転軸として30rpmで回転させながら、波長172nmの紫外線を細管エキシマランプ(ハリソン東芝ライティング製)により、積算光量が150mJ/cm2となるように照射して処理を行った。照射時の弾性層表面とエキシマランプの距離は2mmとした。その後、表面処理した弾性層ローラの周面に、デイッピング塗工法を用いて、先に調製した表面層形成用塗料液(1)を塗工して最表面層を形成した。
実施例1において、弾性層ローラ(1)を弾性層ローラ(2)に変更するか、表面層形成用塗料液(1)に変えて表面層形成用塗料液(2)〜(51)を用いる他は、実施例1と同様にして導電性ローラ(2)〜(51)を作製した。実施例1の導電性ローラ(1)と同様に、導電性ローラ(2)〜(51)について、表面層の構造解析、相分離構造の確認、および導電分布分析を行った。また、導電性ローラ(2)〜(51)を現像ローラとして用いて画像形成し、画像評価を行った。実施例2〜51における導電性ローラ(2)〜(51)に用いた弾性層ローラ、表面層特性の評価および画像評価の結果を表9に示す。
実施例1において、弾性層ローラ(1)を弾性層ローラ(2)に変更するか、表面層形成用塗料液(1)に変えて表面層形成用塗料液(52)〜(60)を用いる他は、実施例1と同様にして導電性ローラ(52)〜(60)を作製した。導電性ローラ(52)〜(60)について、実施例1の導電性ローラ(1)と同様に、表面層の構造解析、相分離構造の確認、および導電分布分析を行った。また、導電性ローラ(52)〜(60)を現像ローラとして用いて画像形成し、画像評価を行った。比較例1〜9における導電性ローラ(52)〜(60)に用いた弾性層ローラ、表面層特性の評価および画像評価の結果を表10に示す。
続いて以下に本発明の実施例および比較例で行った画像評価の方法を具体的に説明する。
本発明の画像評価に用いたレーザープリンタは、市販のレ−ザープリンタ(商品名:HP Color LaserJET CP4525dn、ヒューレッドパッカード社製)の記録メディアの出力スピードを60ppmに改造したものである。改造は、高圧電源の設定、モーターのギア、紙搬送を適宜調節して行った。また、現像ブレードの固定位置の変更や、現像ブレードとプロセスカートリッジ容器との間にスペーサを挟むことで、導電性ローラ上のトナー担持量が0.50mg/cm2となるように調節した。
作製した新品の導電性ローラを新品のプロセスカートリッジ(商品名:CE260X、ヒューレッドパッカード社製、色:黒)に、現像ローラとして組み込み、このプロセスカートリッジを温度35℃、湿度85%RHの環境に48時間放置した。放置後、同環境において、プロセスカートリッジを当該レーザープリンタ改造機に組み込み、1%の印字率で連続12000枚の画像出力を行った。その後、同環境において白ベタ画像を出力した。反射濃度計(商品名:TC−6DS/A、東京電色社製)を用い、非印字範囲(基準)および印字範囲のベタ白部の反射率を測定し、基準に対する反射率の低下量(%)を「カブリ」とした。このカブリを下記表5の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
上述の高温高湿環境長期保管後のカブリの画像評価後に、同環境において1%の印字率で連続100枚画像出力し、その後、A4サイズ(210mm×297mm)の黒ベタ画像を連続5枚出力した。導電性ローラのトナー搬送性が低下すると、感光体へのトナー供給を多量に必要とする黒ベタ画像を連続で出力した場合、出力画像の先端と後端で顕著に濃度差が生じる。この連続出力画像の先端50mmと、後端50mm(先端から247mm)に位置する濃度を、上記反射濃度計を用いて測定し、先端に対する後端の濃度低下率を、「画像追従性」の指標とした。この画像追従性を下記表6の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
製造した新品の導電性ローラを新品のプロセスカートリッジ(商品名:CE263A、ヒューレッドパッカード社製、色:マゼンタ)に組み込み、このプロセスカートリッジを温度15℃、湿度10%RHの環境に48時間放置した。放置後、同環境において、プロセスカートリッジを当該レーザープリンタ改造機に組み込み、2%の印字率で連続画像出力を行った。導電性ローラ表面にトナーが融着すると、トナーに与える摩擦帯電性が低下することによるカブリとなって画像上に顕在化する。そのため、低温低湿環境におけるトナー融着の評価は、ベタ白部分に3%を超えるカブリが観察される出力枚数を計測するとともに、下記表7の評価基準で、画像評価後のローラ外観評価をすることで行った。また、出力1000枚毎に上記反射濃度計を用い、非印字範囲(基準)および印字範囲のベタ白部の反射率を測定した。基準に対する反射率の低下量(%)を「カブリ」とした。さらに、顕著なカブリやトナー融着が発生した場合も、連続印字枚数が15000枚に達するまでは継続して、トナー融着の評価を行った。尚、ローラ外観の観察前に、エアブローでトナー融着に寄与しないトナーを除去することで、下記表7の基準で外観評価を行った。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
上記の低温低湿環境下におけるトナー融着評価と同時に、画像出力5000枚毎に導電性ローラの表面層をデジタルマイクロスコープ(商品名:VH―8000;株式会社キーエンス製)にて観察し、耐削れ性および耐割れ性の評価を下記表8の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表9、10に示す。
上記で作製した弾性層ローラ(1)を、回転砥石(GC#80)を用いて研磨し、厚み1.25mm(直径:8.5mm)の弾性層を形成した。その後、レ−ザープリンタ(商品名:HP Color LaserJET CP4525dn、ヒューレッドパッカード社製)の帯電ローラとして組み替えられるように、軸芯体を加工することで、弾性層ローラ(3)を得た。この弾性層ローラ(3)上に、実施例(1)同様に、表面層形成塗料液(23)、(24)、(26)および(35)を用いて、表面層を形成し、実施例(52)〜(55)の導電性ローラ(61)〜(64)を得た。
上記で作製した弾性層ローラ(3)上に、実施例(1)同様に、表面層形成塗料液(54)、(58)および(60)を用いて、表面層を形成することで、比較例(10)〜(12)の導電性ローラ(65)〜(67)を得た。
作製した新品の導電性ローラ(61)〜(67)を、新品のプロセスカートリッジ(商品名:CE260X、ヒューレッドパッカード社製、色:黒)に、帯電ローラとして組み込み、プロセスカートリッジを温度15℃、湿度10%RHの環境に48時間放置した。 同環境において、各プロセスカートリッジを、評価1で用いたレーザープリンタ改造機に装填し、2%の印字率で15000枚の電子写真画像を連続出力した。引き続いて、ハーフトーン画像を1枚出力し、当該ハーフトーン画像を目視で観察し、感光体への帯電ムラ起因の画像ムラを下記の基準で評価した。各実施例および比較例で作製した導電性ローラにおける結果を表11に示す。
B:感光体への帯電ムラ起因の画像ムラが認められた。
2 軸芯体
3 弾性層
4 表面層
4a マトリックス相
4b ドメイン相
4c 導電性微粒子
5 浸漬槽
5a 浸漬槽の上端
6 ローラ
7 液受け部
8 攪拌タンク
9 管
10 表面層形成用塗料
11 ポンプ
12,13 管
14 攪拌翼
15 昇降装置
16 昇降板
17 プロセスカートリッジ
18 感光体
19 トナー供給ローラ
20 トナー容器
20a トナー
21 トナー規制部材
22 現像装置
23 レーザー光
24 帯電ローラ(導電性ローラ)
25 廃トナー収集容器
26 クリーニングブレード
27 定着装置
28 駆動ローラ
29 転写ローラ
30 バイアス電源
31 テンションローラ
32 転写搬送ベルト
33 従動ローラ
34 紙
35 給紙ローラ
36 吸着ローラ
Claims (3)
- 軸芯体と、該軸芯体の外周に弾性層を有し、該弾性層の外周に表面層を有する導電性部材であって、
該表面層は、
下記式(A)、(B)および(C)を含むポリエステルメラミン樹脂と、
下記式(A)および(B)からなるポリエステル共重合樹脂と、
導電性微粒子と、を含み
該ポリエステルメラミン樹脂は該表面層中でマトリックス相を形成し、
該ポリエステル共重合樹脂は該表面層中においてドメイン相を形成し、かつ、
該導電性微粒子が該マトリックス相に偏在していることを特徴とする導電性部材:
- 電子写真画像形成装置の本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、導電性部材、トナー規制部材、およびトナー容器を有し、かつ該導電性部材が、請求項1に記載の導電性部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 感光体および感光体に当接して配置される導電性部材を有する電子写真画像形成装置であって、該導電性部材が、請求項1に記載の導電性部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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