JP2019095678A - プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

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Yuya Tomomizu
雄也 友水
大垣 晴信
Harunobu Ogaki
晴信 大垣
達也 山合
Tatsuya Yamaai
達也 山合
大祐 三浦
Daisuke Miura
大祐 三浦
修平 岩崎
Shuhei Iwasaki
修平 岩崎
彰 榊原
Akira Sakakibara
彰 榊原
匠 古川
Takumi Furukawa
匠 古川
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和範 野口
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Abstract

【課題】帯電部材の表面が低硬度であっても、C−Setによる横黒スジ状の画像発生を抑制でき、その結果として高品位な電子写真画像を高寿命で形成することのできるプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。【解決手段】帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有する電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材の比誘電率が10の3乗以上であり、該帯電部材の表面の三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義されるコア部において、マルテンス硬度の平均値が特定の範囲の値である帯電部材であって、かつ該電子写真感光体は、電荷輸送物質および特定の構造を有するポリカーボネート樹脂または特定の構造を有するポリエステル樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。【選択図】図3

Description

本発明はプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
レーザービームプリンター等の電子写真画像形成装置においては、感光体、帯電部材、現像部材およびクリーニング部材の如き複数の構成要素を一体的に組み込んでプロセスカートリッジとし、装置本体に対して着脱可能な構成とする場合がある。
近年、レーザービームプリンター等の電子写真画像形成装置において、さらなる長寿命化が求められている。そのために、帯電部材に対しても、長期に亘る帯電性能の安定化が必要である。特許文献1では、帯電部材の表面を低硬度化することで、長期の使用によっても、トナーの固着を抑制し、帯電部材の経時的な性能変化を抑える手法が提案されている。
特開2015−225241号公報
しかしながら、特許文献1に係る帯電部材は、例えば、感光体との長期に亘る当接によって、感光体との当接位置で、帯電ローラに容易に回復しない変形(以下、「圧縮永久ひずみ」ともいう)が生じる場合があった。なお、本明細書において、「圧縮永久ひずみ」を、Compression Setを略して、「C−Set」と記載する場合がある。C−Setの生じた帯電部材を電子写真画像の形成に供した場合、電子写真画像に、横黒スジを生じさせる場合がある。
本発明の一態様は、長期に亘る使用によっても、高品位な電子写真画像を安定して形成し得るプロセスカートリッジおよび電子写真装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有する電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、該帯電部材は、導電性支持体と、導電層とをこの順に有し、該帯電部材の比誘電率が10の3乗以上であり、該帯電部材の表面の三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義されるコア部において、0.04mNの押込み力で測定されるマルテンス硬度の平均値が2N/mm以上20N/mm以下であり、かつ該電子写真感光体は、電荷輸送物質およびポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂を含有する表面層を有し、該ポリカーボネート樹脂は一般式(I)で示される構造を有し、該一般式(I)で示される構造が、一般式(I−1)で示される構造を有し、該ポリエステル樹脂は一般式(II)で示される構造および一般式(III)で示される構造を有し、該一般式(III)で示される構造が、一般式(III−1)で示される構造を有するプロセスカートリッジが提供される:
Figure 2019095678
(一般式(I)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2019095678
(一般式(I−1)において、R111は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R112、R113は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R114〜R117は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
Figure 2019095678
(一般式(II)において、Xは2価の基を示す。)
Figure 2019095678
(一般式(III)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R31〜R38は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2019095678
(一般式(III−1)において、R311は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R312、R313は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R314〜R317は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。nは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)。
また、本発明の他の態様によれば、上記のプロセスカートリッジを有する電子写真装置が提供される。
本発明の一態様によれば、長期に亘る使用によっても高品位な電子写真画像を形成し得るプロセスカートリッジを得ることができる。また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して提供し得る電子写真装置を得ることができる。
本発明の一態様に係る帯電部材(ローラ)の断面図である。 本発明の一態様に係る帯電部材と感光体の当接位置における本発明の作用示す模式図である。 本発明の一態様に係る電子写真装置(電子写真画像形成装置)の図である。 三次元表面性状規格で定義されるコア部及び突出山部の説明図である。
本発明者らは、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジおよび電子写真装置において、帯電部材の表面が低硬度であっても、C−Setに起因する横黒スジを電子写真画像に発生することを抑制できる理由を以下のように推定している。
図1は、本態様に係る、ローラ形状を有する帯電部材(以下、「帯電ローラ」ともいう)断面図である。図2は、該帯電ローラと電子写真感光体(以下、感光体とも称する)の当接位置における本発明の作用示す模式図を示す。
表面を低硬度化した帯電部材は、表面の柔軟性のため帯電部材と感光体とを長期当接して静止させると、図2(a)に示すように、感光体当接位置での帯電ローラ21のC−Set22が大きくなる。その状態で印刷するとC−Set部とその他の部分で、図2(b)に示すように、感光体23との当接ムラ24が発生するため、帯電部材による感光体への摩擦帯電量ムラが生じる。その結果、C−Set部がその他の部分と比較して帯電不足になるため、黒スジ状の画像が発生すると推察している。
本態様に係る帯電部材は、その表面が低硬度であっても、C−Setによる横黒スジ状の画像発生を抑制できるメカニズムは、クーロンの法則から導かれる式1を用いて説明できるものと考えられる。
式1 静電引力(F)∝ 電位差(V)× 誘電率(ε)/ 距離(d)
すなわち、静電引力(F)は、物質間にある電位差(V)と物質の誘電率(ε)に比例し、物質間の距離(d)に反比例する。
該プロセスカートリッジおよび電子写真装置を用いると、印刷時、感光体の応答性の高さにより帯電前電位が小さくなることで、帯電部材と感光体間の電位差(V)が大きくなる。帯電部材と感光体間の電位差(V)が大きくなると、図2(c)に示すように、それらの間に働く静電引力25(F)が大きくなる。帯電部材の比誘電率(ε)が大きいと、帯電部材の表面により多くの電荷を溜めることができるため、さらに静電引力25(F)が大きくなる。印刷時に働く静電引力の増加は、感光体との当接力を大きくするため、C−Set量以上に帯電部材の表面を変形させ、C−Setによる当接ムラを低減することができる。そして、帯電部材の表面が低硬度であると、帯電部材の変形が促進され、それに伴う帯電部材と感光体間の距離(d)が小さくなり、静電引力25をさらに増大させることができる。このような帯電部材と感光体の特徴の相乗効果により、帯電部材の表面が低硬度であっても、C−Setによる横黒スジ状の画像発生を抑制できると考えている。
本発明において、電子写真感光体の表面層は、ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂を含有する。ポリカーボネート樹脂は一般式(I)で示される構造を有し、一般式(I)で示される構造が、一般式(I−1)で示される構造を有する。また、ポリエステル樹脂は一般式(II)で示される構造および一般式(III)で示される構造を有し、該一般式(III)で示される構造が、一般式(III−1)で示される構造を有する。
Figure 2019095678
(一般式(I)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2019095678
(一般式(I−1)において、R111は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R112、R113は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R114〜R117は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
Figure 2019095678
(一般式(II)において、Xは2価の基を示す。)
Figure 2019095678
(一般式(III)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R31〜R38は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2019095678
(一般式(III−1)において、R311は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R312、R313は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R314〜R317は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。nは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
一般式(I)において、Xが、2価のアルキリデン基である場合、置換基としてフェニル基を有してもよい。また、一般式(III)において、Xが、2価のアルキリデン基である場合、置換基としてフェニル基を有してもよい。
また、ポリカーボネート樹脂が一般式(I)で示される構造として、一般式(I−2)で示される構造をさらに有することが好ましい。さらに応答性が向上するとともに、剛直性が高いフェニレン基の効果で、耐久性が向上するからである。
Figure 2019095678
さらに、ポリカーボネート樹脂が一般式(I)で示される構造として、一般式(I−3)、(I−4)または(I−5)で示される構造を有することが好ましい。さらに剛直性が高まり、耐久性が向上するからである。
Figure 2019095678
(一般式(I−3)において、R131〜R134は、それぞれ独立に水素原子、メチル基を表す。)
Figure 2019095678
Figure 2019095678
前記ポリエステル樹脂が一般式(II)で示される構造として、一般式(II−1)で示される構造を有することが好ましい。さらに応答性が向上するとともに、剛直性が高いフェニレン基の効果で、耐久性が向上するからである。
Figure 2019095678
前記ポリエステル樹脂が一般式(III)で示される構造として、一般式(III−2)で示される構造をさらに有することが好ましい。さらに剛直性が高まり、耐久性が向上するからである。
Figure 2019095678
(一般式(III−2)において、R321〜R324は、それぞれ独立に水素原子、メチル基を表す。)
本発明に係る帯電部材は、比誘電率が10の3乗以上である。また、帯電部材の表面の三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義されるコア部において、0.04mNの押込み力で測定されるマルテンス硬度の平均値が2N/mm以上20N/mm以下である。比誘電率が10の3乗以上であると、静電引力が大きくなるため、所望の効果が得られる。マルテンス硬度の平均値が2N/mm以上であると、C−Setが大きくなり過ぎず、横黒スジ抑制されるとともに、帯電ローラへのトナー埋め込まれによるポチ状の画像が抑制される。20N/mm以下であると、静電引力による帯電部材の変形効果が大きくなるとともに、帯電ローラへのトナー劣化固着によるポチ状の画像が抑制される。
本発明の一態様に係る帯電部材において、コア部とは、三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義される用語である。図4によりこれらの用語を説明する。面のある一定の高さ以上の領域の面積率が0%から100%となる高さを表した曲線を負荷曲線という。
負荷曲線から最緩傾斜直線(等価直線)を描くと、等価直線において負荷面積率0%に対応する高さと100%に対応する高さが求められる。コア部とは、等価直線の負荷面積率0%から100%に対応する高さの範囲に含まれる部分である。
コア部を特定するために、三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義される用語であるSpk、Svk、及びSkの値を用いる。Spk、Svk、及びSkは、負荷曲線と前記2つの高さ(等価直線における負荷面積率0%の高さと100%の高さ)から算出される。Skとは、コア部の最大高さから最小高さを差し引いた値であり、コア部のレベル差を示す。Spkとは、コア部から上に突出した部分で、負荷曲線の負荷面積率0%からSmr1%の範囲に対応する部分である突出山部高さを示し、Skよりも高い面の高さを平均値化することにより算出される。Svkとはコア部から下に突出した部分で、負荷曲線の負荷面積率100%からSmr2%の範囲に対応する部分である突出谷部高さを示し、Skよりも低い面の高さを平均値化することにより算出される。Smr1は、突出山部とコア部を分離する負荷面積率である。Smr2は、突出谷部とコア部を分離する負荷面積率である。詳細な特定法に関して後述する。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
<帯電部材>
帯電部材の一例を図1に示す。ここに示す帯電部材は帯電ローラであり、導電性支持体としての芯金11と、芯金11の周面上に設けられた導電性弾性層12と、該導電性弾性層の周面上に設けられた表面層13から構成されている。導電性弾性層12と芯金11との間に、別の導電性弾性層が配されていてもよい。表面層を設けず、導電性弾性層を帯電ローラの最表面として用いてもよい。
(導電性支持体)
導電性支持体は、導電性を有し、表面層等を支持可能であって、かつ、帯電部材としての、典型的には帯電ローラとしての強度を維持し得るものであればよい。導電性支持体の導電性は、適宜設定でき、例えば電子写真用帯電部材の導電性支持体の導電性として公知の範囲に適宜設定することができる。
(導電性弾性層)
導電性弾性層は、バインダーと導電性を付与する材料とから構成することができる。バインダーとしては、ゴム弾性を示す材料を用いることができる。バインダーに使用できる具体的なゴム材料としては、例えば以下のポリマーが挙げられる。天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体ゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンホモポリマー(CHC)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(CHR)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(CHR−AGE)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の水添物(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM、ANM)等の原料ゴムに架橋剤を配合した熱硬化性のゴム材料や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー。さらに、これらポリマーをブレンドした混合物でもよい。中でもアクリロニトリルブタジエンゴムは、加工性に優れ、押出成形に最も適しており、好ましい。
導電性を付与する機構は、イオン導電機構と電子導電機構の二つに大別される。
イオン導電機構のゴム組成物は、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムに代表される極性ゴムと、イオン導電剤からなるものが一般的である。イオン導電剤としては、以下のものが挙げられる。過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質が挙げられる。ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩が挙げられる。トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム等の有機酸無機塩が挙げられる。これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。これらのイオン導電剤の中でも、環境変化に対して抵抗が安定なことから過塩素酸4級アンモニウム塩が好ましい。
これらのイオン導電剤の使用量は、原料ゴム、イオン導電剤、及びその他配合剤の種類によって、ゴム組成物が所望の電気抵抗値となるように、適宜選択することができる。例えば、原料ゴム100質量部に対して、イオン導電剤0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは0.2質量部以上10質量部以下とすることができる。
電子導電機構のゴム組成物は、ゴム中に導電性粒子として、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト、金属微粉末、金属酸化物等を分散したものが一般的である。電子導電機構のゴム組成物は、イオン導電機構のゴム組成物に比べ、導電性粒子とゴムの界面が多くできるため、効果的に比誘電率を高めることができる。さらには、電気抵抗の温湿度依存性が小さい、ブリードやブルームが少ない、安価であるなどの長所がある。そのため、電子導電機構のゴム組成物を用いるのが好ましい。
導電性粒子としては、以下のものが挙げられる。ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀等の金属および金属酸化物;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト等。導電性粒子は導電性弾性層の表面に大きな凸部を形成しないことが好ましく、平均粒子径が10nmから300nmであるものを用いることが好ましい。
これらの導電性粒子の使用量は、原料ゴム、導電性粒子、およびその他配合剤の種類によって、ゴム組成物が所望の電気抵抗率となるように、適宜選択することができるが、ゴム組成物の体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。例えば、原料ゴム100質量部に対して、導電性粒子0.5質量部以上、100質量部以下、好ましくは5質量部以上、70質量部以下とすることができる。
また、ゴム組成物中には、他の導電剤、粗し粒子、充填剤、加工助剤、老化防止剤、架橋助剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、分散剤等を含有させることができる。
粗し粒子の材質は特に限定されず、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂の如き樹脂、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の微粒子や繊維、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物、前記記載の樹脂または金属の微粒子や繊維および金属酸化物表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子、グラファイトやガラス状カーボン等の炭素粒子などを用いることができる。
導電性弾性層に用いる粗し粒子の体積平均粒子径は6μm以上、45μm以下であることがより好ましい。体積平均粒子径が6μm以上であれば、効果的に粗さを形成することができ、感光体の回転方向の上流での放電不足に起因して下流での放電が断続的に発生するために起こる横スジ状の画像不良を容易に抑制できる。また、体積平均粒子径が45μm以下であれば、凸部周辺の表面粗さの小さい部位での帯電不足による画像ムラを容易に防止できる。体積平均粒子径は以下の方法によって求められる。帯電部材を導電性基体の表面に正投影した投影部の面に平行な面を切断面集束イオンビーム(商品名:FB−2000C、日立製作所社製)にて切り出しながら、断面画像を撮影する。この断面画像を基にランダムに選択した50個の粗し粒子を球形近似した時の直径と体積を個々に導き、これらの値から50個の粗し粒子の体積平均粒子径を算出する。
導電性弾性層に用いる粗し粒子の含有量は、原料ゴムの100質量部に対して、5質量部以上、50質量部以下が好ましい。
(表面層)
表面層はバインダー樹脂と粗し粒子から構成することができる。バインダー樹脂としては、被帯電体である感光体を汚染しないものであれば特に限定されるものではなく、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)、オレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等のベースポリマーが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上併せて用いてもよい。取り扱いの容易性、材料設計の自由度の大きさ等の観点から、バインダー材料は、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
粗し粒子の材質は特に限定されず、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂の如き樹脂、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の微粒子や繊維、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物、前記記載の樹脂または金属の微粒子や繊維および金属酸化物表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子、グラファイトやガラス状カーボン等の炭素粒子などを用いることができる。
表面層に用いる粗し粒子は、体積平均粒子径は3μm以上、30μm以下、特には、5μm以上、15μm以下であることが好ましい。体積平均粒子径は前述の方法で算出することができる。
また、表面層に含まれる粗し粒子の含有量は、表面層100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
表面層に導電性粒子を含有させることができる。導電性粒子としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物系導電性粒子、アルミニウム、鉄、銅、銀等の金属系導電性粒子を挙げることができる。また、これらの導電性粒子は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。また、導電性粒子として、シリカ粒子に導電性粒子を被覆した複合粒子を用いることもできる。導電性粒子としては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックは比重が小さく、かつ、導電性が高いため、バインダー樹脂に対して少量の添加で、十分な導電性を確保することができる。また、表面層の硬度を低硬度に保つことができる。なお、導電性粒子は前記粗し粒子としても機能することができる。
表面層の厚みは、0.1μm以上、50μm以下であることが好ましく、マルテンス硬度の平均値および比誘電率を適正な範囲に調製しやすいため0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。
<帯電部材の製造方法>
帯電部材の製造方法を説明する。前記方法は、支持体上に導電性弾性層を形成する工程と、該導電性弾性層の表面上に塗工液を塗工して塗膜を形成する工程を含む。前記方法により得られる、本発明に係る帯電部材の表面における0.04mNの押込み力で測定されるマルテンス硬度の平均値は、2N/mm以上20N/mm以下である。前述したように導電性弾性層はカーボンブラックを利用した導電化に代表される電子導電機構の方が効果的に比誘電率を高めることができるため好ましい。導電性弾性層または表面層には粗し粒子が含まれることが、帯電を安定化することができるため好ましい。該塗工液の塗工方法としては、静電スプレー法、ディッピング法、リングコート法等の塗布方法が挙げられる。弾性層の表面に塗工された該塗工液の塗膜を乾燥することで、表面層を形成することができる。また、表面層を表面処理することにより、動摩擦係数、表面自由エネルギーなどの物性を調整することができる。具体的には、表面層に活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、電子線などが挙げられ、紫外線が好ましい。また、表面層を形成せず、導電性弾性層を最表層とする製造方法でもよい。
<電子写真感光体>
電子写真感光体は、電荷輸送物質およびポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂を含有する表面層を有する。さらに、支持体および、感光層を有する。電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。本発明においては、感光層の上に保護層を設けない場合、(1)積層型感光層の場合は、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層が表面層となり、(2)単層型感光層の場合は、電荷輸送物質を含有する感光層が表面層となる。
電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。
電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂を含有する。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。
また、電荷輸送物質は複数の種類を共に含有させてもよい。以下、電荷輸送物質の具体例を示す。
Figure 2019095678
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電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、一般式(I)で示される構造を有し、該一般式(I)で示される構造が、一般式(I−1)で示される構造を有することを特徴とする。
Figure 2019095678
(一般式(I)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2019095678
(一般式(I−1)において、R111は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R112、R113は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R114〜R117は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
一般式(I)において、Xが、2価のアルキリデン基である場合、置換基としてフェニル基を有してもよい。
一般式(I−1)で示される構造の具体例を以下に示す。
Figure 2019095678
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中でも式(I−1−1)で示される構造が好ましい。
一般式(I)で示される構造は、さらに(I−1)以外の構造を有することが好ましい。有しても良い構造としては、例えば、以下のような構造が上げられる。
Figure 2019095678
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中でも、式(I−2)を有していることが好ましい。
さらには、式(I−2)および式(I−3−1)、式(I−3−2)、式(I−3−3)、式(I−4)または式(I−5)のいずれかを有していることが好ましい。中でも、式(I−2)および式(I−4)を有していることが好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般式(II)で示される構造および一般式(III)で示される構造を有し、該一般式(III)で示される構造が、一般式(III−1)で示される構造を有する。
Figure 2019095678
(一般式(II)において、Xは2価の基を示す。)
Figure 2019095678
(一般式(III)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R31〜R38は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2019095678
(一般式(III−1)において、R311は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R312、R313は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R314〜R317は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。nは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
また、一般式(III)において、Xが、2価のアルキリデン基である場合、置換基としてフェニル基を有してもよい。
一般式(II)で示される構造としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などのカルボン酸に由来する構造が挙げられる。具体的には、以下の構造例等があげられる。
Figure 2019095678
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中でも式(II−1)で示される構造を有することが好ましい。
一般式(III−1)で示される構造の具体例を以下に示す。
Figure 2019095678
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中でも式(III−1−1)で示される構造が好ましい。
一般式(III)で示される構造は、さらに(III−1)以外の構造を有することが好ましい。有しても良い構造としては、例えば、以下のような構造が上げられる。
Figure 2019095678
Figure 2019095678
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中でも、(III−2−1)、(III−2−2)および(III−2−3)で示される構造を有していることが好ましい。
さらには、(III)で示される構造中、式(III−2−1)、(III−2−2)、(III−2−3)で示される構造の含有量が35mol%以上、70mol%以下であることが好ましい。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂それぞれの共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよいが、ランダム共重合が電気特性の点で特に好ましい。
表面層は、結着樹脂として、上記ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂に加えて、その他の樹脂を用いてもよい。シロキサン樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。その他の樹脂は、複数種類をブレンドしても、共重合させてもよい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜10:10がより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送層を形成するための塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。
具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様の材料が使用できる。単層型感光層の平均膜厚は、10μm以上45μm以下であることが好ましい。
<保護層>
感光層の上に、本発明の効果を奏する範囲で、保護層を有してもよい。保護層を設ける場合は、保護層が表面層となる。保護層は、電荷輸送物質と、結着樹脂と、を含有する。更に、保護層には、潤滑剤などの添加剤を含有してもよい。
<プロセスカートリッジ、電子写真装置>
本発明に係るプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体および、これまで述べてきた帯電部材を有する帯電手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である。
また、本発明に係る電子写真装置は、前記プロセスカートリッジを有することを特徴とする。
図3に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図3において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光(画像露光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されて電子写真感光体1にトナー像を形成する。次いで、電子写真感光体1の表面のトナー像が、転写手段(転写ローラなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。電子写真感光体1の表面のトナー像は、中間転写体を介して転写材(紙など)へ転写しても良い。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されてトナー像が定着されることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
トナー像の転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)が電子写真感光体1の表面から除去される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図3に示すように、帯電手段3が帯電ローラの如き接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターの如き電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図3では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、実施例、比較例を示して、さらに本発明を具体的に説明する。これらは、本発明を限定するものではない。
<帯電部材の製造例>
<導電性支持体>
導電性基体として直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製の円筒状基体の外周に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性樹脂を塗布し、乾燥したものを使用した。
<導電性弾性層用材料の調製例>
<導電性弾性層用材料(1)>
導電性弾性層用の未加硫ゴム組成物の調製は、次のようにして行った。まず、カーボンブラック(商品名:トーカブラック#7360SB、東海カーボン社製)を50質量部、酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製)を5質量部用意した。また、炭酸カルシウム(商品名:スーパー1700、丸尾カルシウム社製)を40質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部を用意した。これらをアクリロニトリルブタジエンゴム(商品名:N230SV,JSR社製)100質量部に加えた。得られた混合物を、50℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練した。次いで、PMMA粒子(商品名:ガンツバールGM3001、アイカ工業社製)を20質量部、硫黄を1質量部、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)(商品名:ノクセラーTBZTD、大内新興化学工業社製)を4質量部添加した。その後、温度25℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練し、導電性弾性層用の未加硫ゴム組成物を得た。
<導電性弾性層用材料(2)>
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#7360SB、東海カーボン社製)を45質量部、炭酸カルシウム(商品名:スーパー1700、丸尾カルシウム社製)を20質量部にした以外は導電性弾性層用材料(1)と同様の方法で調製した。
<導電性弾性層用材料(3)>
カーボンブラック(商品名:トーカブラック#7360SB、東海カーボン社製)を55質量部、炭酸カルシウム(商品名:スーパー1700、丸尾カルシウム社製)を70質量部にした以外は導電性弾性層用材料(1)と同様の方法で調製した。
<導電性弾性層用材料(4)>
カーボンブラック(商品名:サーマックスフローフォームN990、Cancarb社製)を10質量部、イオン導電性剤として過塩素酸四級アンモニウム塩(商品名:アデカサイザーLV70、ADEKA社製)を2質量部用意した。また、脂肪族ポリエステル系可塑剤(商品名:ポリサイザーP202、DIC社製)10質量部、酸化亜鉛(商品名:亜鉛華2種、堺化学工業社製)を5質量部、炭酸カルシウム(商品名:スーパー1700、丸尾カルシウム社製)を40質量部、ステアリン酸亜鉛1質量部用意した。これらをエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(GECO)(商品名:エピクロマーCG−102、大阪ソーダ(旧ダイソー)社製)100質量部に加えた。得られた混合物の混練以降の操作は導電性弾性層用材料(1)と同様の方法で調製した。
<導電性弾性層用材料(5)>
硫黄を0.5質量部、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)(商品名:ノクセラーTBZTD、大内新興化学工業社製)を2質量部にした以外は導電性弾性層用材料(1)と同様の方法で調製した。
<加硫ゴムローラの作製>
未加硫ゴムローラへ成形するために、支持体の供給機構、未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機を用意した。クロスヘッドには内径9.3mmのダイスを取付け、押出機とクロスヘッドを80℃に、支持体の搬送速度を60mm/secに調整した。この条件で、押出機より前記導電性弾性層用材料を供給して、クロスヘッド内にて前記支持体に前記導電性弾性層用材料を被覆し、未加硫ゴムローラを得た。次に、160℃の熱風加硫炉中に前記未加硫ゴムローラを投入し、60分間加熱することで未研磨弾性部材を得た。その後、軸方向の長さを232mmになるように弾性層の端部を切除した。最後に、弾性層の表面を回転砥石で研磨した。これによって、中央部直径が8.5mmの加硫ゴムローラを得た。なお、該弾性部材のクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は90μmであった。
<表面層用材料の調製>
<表面層用材料(1)>
THF(テトラヒドロフラン)中に、ポリマー成分として熱可塑性N−メトキシメチル化6−ナイロン(商品名:トレジンF−30K、ナガセケムテックス社製)100質量部を添加した。また、硬化剤としてメチレンビスエチルメチルアニリン(商品名:キュアハード−MED、イハラケミカル工業社製)5質量部を添加した。さらに、導電剤としてカーボンブラック(商品名:デンカブラックHS100、電気化学工業社製)20質量部、PMMA樹脂粒子(ガンツパールGM0801、アイカ工業社製)15質量部を混合し、溶液が均一になるまで十分に撹拌した。その後、二本ロールを用いて溶液中の各成分を分散させた。これにより、表面層用材料(1)を調製した。
<表面層用材料(2)>
窒素雰囲気下、反応容器内でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR200日本ポリウレタン工業社製)27質量部に対し、ポリエステルポリオール(商品名:P3010 クラレ株式会社製)100質量部を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量4.3%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。イソシアネート基末端プレポリマーの54.9質量部に対して、同じくポリエステルポリオール(商品名:P2010、クラレ株式会社製)41.52質量部、カーボンブラック(MA230:三菱化学社製)20質量部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解した。これにより、固形分が27質量%になるように調整した。以上のように混合液1を作製した。内容量450mLのガラス瓶内に、前記混合液1の270gと、平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gを入れ、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散した。分散した後、PMMA樹脂粒子(ガンツパールGM0801、アイカ工業社製)15質量部を混合した。その後、15分間さらに分散し、ガラスビーズを除去して、表面層用材料(2)を調製した。
<表面層の作製>
ロールコート法により、加硫ゴムローラの表面に、上記のとおり調製した表面層用材料を塗工した。この際、所望の膜厚となるようにスクレーパーで不要な塗布液を欠き落としながら塗工を行った。塗膜形成後、これを150℃で30分間加熱し、厚み1.0μmの導電性樹脂層を形成した。これにより、軸体(導電性支持体)と、軸体の外周面に沿って形成された導電性弾性層と、導電性弾性層の外周面に沿って形成された表面層とを有する帯電部材を作製した。
<帯電ローラ(A)〜(M)>
表1に示すように導電性弾性層および表面層、表面層の膜厚や有無を変更し、帯電部材としての帯電ローラ(A)〜(M)を得た。
表面層の膜厚は、表面層の軸方向3箇所、円周方向3箇所、計9箇所における断面を、光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察して測定し、その平均値を表面層の「膜厚」とした。
Figure 2019095678
(帯電部材の比誘電率の測定方法)
帯電部材の比誘電率には、インピーダンスアナライザー(ソーラトロン社製、126096W型)を使用した。ローラ中央部30mmの幅で円筒状にドータイト(藤倉化成製)の電極を作製し、帯電部材の芯金と電極間(もしくはローラ芯金と金属シリンダ間)に印加して比誘電率を測定した。AC0.5Vpp、周波数0.01Hzから1MHz、DC0、1、2、5、10、15V、測定点数(5point/decade)の条件で測定し、RC並列回路でフィッティングし、そのCから比誘電率を算出できる。本特許における、比誘電率とは上述した方法で算出した1000Hz時の比誘電率である。
(コア部のマルテンス硬度の測定方法)
三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義されるコア部のマルテンス硬度の測定においては、まず、コンフォーカル顕微鏡(商品名:オプテリクスハイブリッド、レーザーテック株式会社製)によってコア部を特定する。続いて、微小硬度測定装置(商品名:ピコデンターHM500、フィッシャー・インストルメンツ株式会社製)および備え付けの顕微鏡を用いることによって測定することができる。対物レンズ20倍、画素数1024pixel、高さ分解能0.1μmで観察した高さ画像全体の曲面補正をして3次元計測し、計測したSk、Spk、Svkの値を用いて高さ画像を二値化することにより、コア部を特定する。マルテンス硬度は、温度25℃、相対湿度50%の環境下、微小硬度測定機に備え付けの顕微鏡を用い、白色共焦点顕微鏡で特定したコア部に四角錘型ダイヤモンドの圧子を当てて、下記式(2)の押し込み速度の条件で測定することができる。
式(2) dF/dt=0.1mN/10s
式(2)において、Fは力、tは時間を表す。
測定結果から圧子が0.04mNの力で押込まれた際の硬さを抽出し、10箇所で測定した値を平均化することで、コア部のマルテンス硬度の平均値が得られる。
<電子写真感光体の製造例>
<ポリカーボネート樹脂の製造例>
<ポリカーボネート樹脂(1)>
5質量%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン(東京化成工業製、製品コードD3267)を53.0g(0.196mol)と、ハイドロサルファイト0.1gを溶解した。これにメチレンクロライド500mlを加えて攪拌しつつ、15℃に保ちながら、次いでホスゲン60gを60分かけて吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(東京化成工業製、製品コードB0383)1gを加えて攪拌して、反応液を乳化させた。乳化後0.3mlのトリエチルアミンを加え、23℃にて1時間攪拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、110℃、24時間乾燥して、式(I−1−1)で示される構造を有するポリカーボネート樹脂(1)を得た。
<ポリカーボネート樹脂(2)〜(5)>
一般式(I)で示される構造と各構造のモル比率が表2に示すものとなるように、使用するジオールの種類および量を変えた以外は、ポリカーボネート樹脂(1)と同様にして、ポリカーボネート樹脂(2)〜(5)を得た。
Figure 2019095678
<ポリエステル樹脂の製造例>
<ポリエステル樹脂(1)>
下記式で示されるジカルボン酸ハライド59g
Figure 2019095678
をジクロロメタンに溶解させ、酸ハロゲン化物溶液を調製した。また、別途、下記式で示されるジオール24.2g、
Figure 2019095678
下記式で示されるジオール27g
Figure 2019095678
を10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、重合触媒としてトリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加して攪拌し、ジオール化合物溶液を調製した。
次に、上記酸ハロゲン化物溶液を上記ジオール化合物溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。
重合反応中に重合調整剤として、p−ターシャルブチルフェノールを加えた。その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水相が中性になるまで水での洗浄を繰り返した。
洗浄後、ジクロロメタン溶液を攪拌下のメタノールに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を真空乾燥させてポリエステル樹脂A72.3gを得た。
得られたポリエステル樹脂Aは、式(II)で示される構造のなかで、式(II−1)で示される構造を100モル%有していた。また、式(III)で示される構造のなかで、式(III−1−1)で示される構造を50モル%、式(III−2−3)で示される構造を50モル%有するポリエステル樹脂であった。また、得られたポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は85,000であった。
<ポリエステル樹脂(2)〜(5)>
使用するジカルボン酸化合物およびジオールの種類および量を変えた以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にして、ポリエステル樹脂(2)〜(5
)を得た。得られたポリエステル樹脂(2)〜(5)の一般式(II)で示される構造および一般式(III)で示される構造と各構造のモル比率を表3に示す。
Figure 2019095678
<電子写真感光体(A)>
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
[導電層]
次に、酸化亜鉛粒子(比表面積:15m/g、平均粒径:70nm、粉体抵抗:3.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合した。
これに、シランカップリング剤としてのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)1.5部を添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧留去して、140℃で6時間加熱して乾燥させ、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてのブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:デスモジュールBL3175/1、住化バイエルンウレタン(株)製)15部を用意した。これらをメチルエチルケトン73.5部/1−ブタノール73.5部の混合溶剤に溶解させた。
この溶液に上記シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子81部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加えた。また、オクチル酸亜鉛(商品名:ニッカオクチックス亜鉛Zn8%、日本化学産業(株)製)0.81部を加えた。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃雰囲気下で3時間分散処理した。
分散処理後、これにシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.01部、および、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145、GE東芝シリコーン(株)製)を5.6部加えて攪拌した。これにより導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を前記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥、熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
[下引き層]
次に、電荷輸送物質として、下記式で示される化合物8.5部、
Figure 2019095678
ブロックされたイソシアネート化合物(商品名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ製)15部、樹脂として、ポリビニルアルコール樹脂(商品名:KS−5Z、積水化学工業製)0.97部を用意した。また、触媒としてヘキサン酸亜鉛(II)(商品名:ヘキサン酸亜鉛(II)、三津和化学薬品製)0.15部を用意した。これらを、1−メトキシ−2−プロパノール88部とテトラヒドロフラン88部の混合溶媒に溶解した。
この溶液にシリカスラリーを加えた。シリカスラリーは、イソプロピルアルコールに分散された平均一次粒子径が9〜15nmのシリカスラリー(製品名:IPA−ST−UP、日産化学工業(株)製、固形分濃度:15質量%、粘度:9mPa・s)を用いた。シリカスラリーは、東京スクリーン(株)製のナイロンスクリーンメッシュシート(製品名:N−No.150T)を通して1.8部加え、1時間撹拌した。その後、ADVANTEC(株)製のテフロン(登録商標)製フィルター(製品名:PF020)を用いて加圧ろ過し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間170℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、導電層上に膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
[電荷発生層]
次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)2部をシクロヘキサノン100部に溶解させた。
この溶液に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部を加えた。
これを、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理した。分散処理後、これに酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
[電荷輸送層]
次に、式(CTM−1)で示される化合物5部、式(CTM−3)で示される化合物2部、およびポリカーボネート樹脂合成例で合成したポリカーボネート樹脂(1)10部を用意した。これらを、ジメトキシメタン33部、オルトキシレン15部および安息香酸メチル25部の混合溶液に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を130℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が22μmの電荷輸送層(表面層)を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体(A)を製造した。
<電子写真感光体(B)〜(H)>
電荷輸送物質およびポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂を表4のように変更した以外は電子写真感光体(A)と同様に製造した。
Figure 2019095678
<実施例1>
(評価1:C−Setによる横黒スジ画像評価)
作製した帯電部材Aおよび電子写真感光体Eを、A4紙縦出力用の電子写真装置(LBP7200C キヤノン製)用の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、50℃90%RHの環境で14日間、その後さらに23℃50%RHの環境で7日間静置後、画像評価を行った。画像出力は、23℃50%RHの環境で行った。評価画像はA4サイズの普通紙にハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向に対して垂直方向に、幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)である。得られた画像を目視で観察し、下記基準に基づき、当該画像におけるC−Setに起因する横黒スジの有無、程度を評価した。表5に評価結果を示す。
ランクA:横黒スジが全く認められない。
ランクB:横黒スジが極僅かに認められる。
ランクC:横黒スジがわずかに認められる。
ランクD:横黒スジが明らかに認められる。
(評価2:電子写真感光体の耐久性評価)
横黒スジ画像評価と同様の電子写真プロセスカートリッジに作製した帯電部材Aおよび電子写真感光体Eを組み込み、15℃20%RHの環境で評価を行った。A4サイズの普通紙を用いて1枚画像出力を行うごとに1度停止する間欠モードにて画像出力を行い、5,000枚の画像出力後、電子写真感光体中央部の表面の初期からの電荷輸送層の膜厚の減少量について評価を行った。その際の膜厚の測定は、フィッシャー製膜厚測定機フィッシャーMMS渦電流法プローブEAW3.3で行った。なお、電荷輸送層の膜厚の減少量は、30,000枚の画像出力後の膜厚の減少量を1,000枚あたりに換算した値で評価した。表5に評価結果を示す。
(評価3:帯電ローラの耐久性評価)
電子写真感光体の耐久性評価後のプロセスカートリッジを用いて、温度15℃、相対湿度20%の環境で画像評価を行った。評価画像はA4紙にハーフトーン画像(電子写真感光体の回転方向に対して垂直方向に、幅1ドットの線を間隔2ドットで描く画像)である。得られた画像を目視で観察し、当該画像における、帯電ローラへの汚れの堆積に起因するポチ状の画像ムラに関して以下の基準により評価を行った。表5に評価結果を示す。
ランクA:ポチ状の画像ムラが全く認められない。
ランクB:ポチ状の画像ムラが極僅かに認められる。
ランクC:ポチ状の画像がわずかに認められる。
<実施例2〜17、比較例1〜5>
表5のように帯電ローラと電子写真感光体の組み合わせを変えた以外は、実施例1と同様に評価した。表5に評価結果を示す。
Figure 2019095678
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
11 導電性支持体
12 電性弾性層
13 表面層

Claims (6)

  1. 帯電部材と該帯電部材によって接触帯電される電子写真感光体とを有し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
    該帯電部材は、導電性支持体と、導電層をこの順に有し、該帯電部材の比誘電率が10の3乗以上であり、該帯電部材の表面の三次元表面性状規格(ISO25178−2:2012)で定義されるコア部において、0.04mNの押込み力で測定されるマルテンス硬度の平均値が2N/mm以上20N/mm以下であり、
    かつ該電子写真感光体は電荷輸送物質およびポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂を含有する表面層を有し、
    該ポリカーボネート樹脂は一般式(I)で示される構造を有し、該一般式(I)で示される構造が、一般式(I−1)で示される構造を有し、
    該ポリエステル樹脂は一般式(II)で示される構造および一般式(III)で示される構造を有し、該一般式(III)で示される構造が、一般式(III−1)で示される構造を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
    Figure 2019095678
    (一般式(I)において、X1は、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
    Figure 2019095678
    (一般式(I−1)において、R111は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R112、R113は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R114〜R117は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。mは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
    Figure 2019095678
    (一般式(II)において、Xは2価の基を示す。)
    Figure 2019095678
    (一般式(III)において、Xは、単結合、酸素原子、2価のアルキリデン基または2価のシクロアルキリデン基を表す。R31〜R38は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。)
    Figure 2019095678
    (一般式(III−1)において、R311は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R312、R313は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。R314〜R317は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。nは、括弧内の繰り返し数を示し、0〜3の整数である。)
  2. 前記ポリカーボネート樹脂が一般式(I)で示される構造として、一般式(I−2)で示される構造を有する請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
    Figure 2019095678
  3. 前記ポリカーボネート樹脂が一般式(I)で示される構造として、一般式(I−3)、(I−4)または(I−5)で示される構造を有する請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
    Figure 2019095678
    (一般式(I−3)において、R131〜R134は、それぞれ独立に水素原子、メチル基を表す。)
    Figure 2019095678
    Figure 2019095678
  4. 前記ポリエステル樹脂が一般式(II)で示される構造として、一般式(II−1)で示される構造を有する請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
    Figure 2019095678
  5. 前記ポリエステル樹脂が一般式(III)で示される構造として、一般式(III−2)で示される構造を有する請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
    Figure 2019095678
    (一般式(III−2)において、R321〜R324は、それぞれ独立に水素原子、メチル基を表す。)
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを有する電子写真装置。
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