JP5600202B1 - 磁気記録媒体用潤滑剤、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体用潤滑剤、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記録媒体の表面の汚染を効果的に防止でき、磁気記録媒体上に存在する汚染物質の磁気ヘッドへの付着(転写)を防止できる磁気記録媒体およびこれを備えた磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも磁性層と保護層と潤滑剤層とをこの順で有する磁気記録媒体であって、前記保護層は、炭素または炭素と水素を含み、前記潤滑剤層は前記保護層上に接して形成されたフラーレン骨格を有する有機化合物であり、前記フラーレン骨格を有する有機化合物が、下記一般式(i)で表されることを特徴とする。
[化1]

Description

本発明は、ハードディスクドライブなどの磁気記録再生装置に好適に用いられる磁気記録媒体用潤滑剤、磁気記録媒体およびこれを備えた磁気記録再生装置に関する。
現在、磁気記録媒体のトラック密度は、400kTPIにも到達している。65mmのディスク一枚の両面に記録すると500GBに達する。今後さらに磁気記録再生装置の記録密度の向上が続くと言われている。磁気記録再生装置の記録密度を向上させるために、最も重要なことはヘッドセンサー部分とメディアの記録材料との距離(いわゆるスペースロス)を短くすることである。そのため、ヘッド、メディアとも保護膜を薄くすること、ヘッドの飛行高さを低くすることが継続的に検討されてきた。さらに保護膜の上に塗っている潤滑剤の厚さもスペースロスに効いてくることがわかってきたので、潤滑剤を極力薄くする試みもたゆみなく続けられている。
従来から、磁気記録媒体として、磁気記録媒体用の基板上に記録層等を積層した後、記録層上にカーボン等の保護層を形成し、さらに保護層上に潤滑剤層を形成したものがある。保護層は、記録層に記録された情報を保護するとともに、磁気ヘッドの摺動性を高めるものである。しかし、記録層上に保護層を設けただけでは、磁気記録媒体の耐久性は十分に得られない。
このため、一般に、保護層の表面に潤滑剤を塗布して潤滑剤層を形成している。保護層上に潤滑剤層を設けることによって、磁気記録再生装置の磁気ヘッドと保護層とが直接接触することを防止できるとともに、磁気記録媒体上を摺動する磁気ヘッドの摩擦力を著しく低減させることができ、耐久性が向上される。
磁気記録媒体に使用される潤滑剤としては、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤などが提案されている。例えば、特許文献1には、HOCH−CFO−(CO)−(CFO)−CHOH(p、qは整数。)の構造をもつパーフロロアルキルポリエーテルの潤滑剤を塗布した磁気記録媒体が開示されている。
また、特許文献2には、HOCHCH(OH)−CHOCHCFO−(CO)−(CFO)−CFCHOCH−CH(OH)CHOH(p,qは整数。)の構造をもつパーフロロアルキルポリエーテル(テトラオール)の潤滑剤を塗布した磁気記録媒体が開示されている。
また、特許文献3には、フラーレンおよびその誘導体から選択される少なくとも1種の球状籠型分子と、少なくとも1種のフッ素系潤滑剤、好ましくはパーフルオロポリエーテル系化合物とを混合した潤滑剤が開示されている。
また、特許文献4には、ペルフルオロポリエーテル基を末端に有するフラーレン誘導体が開示されている。
特開昭62−66417号公報 特開平9−282642号公報 特開2006−131874号公報 特開2013−170137号公報
磁気記録再生装置の記録密度を向上させて、磁気記録再生装置の磁気ヘッドの浮上量をより小さくするために、潤滑剤層の厚みをより一層薄くすることが求められている。しかし、潤滑剤層の厚みを薄くすると、潤滑剤層に隙間が形成されて潤滑剤層による磁気記録媒体の表面の被覆率が低下し、潤滑剤層の下層の一部が露出される場合があった。
潤滑剤層に隙間が形成されると、潤滑剤層の隙間から潤滑剤層の下層に汚染物質を生成させる環境物質が侵入して、磁気記録媒体が汚染されてしまう。
より詳細には、潤滑剤層の隙間から潤滑剤層の下層に、イオン性不純物などの汚染物質を生成させる環境物質が侵入すると、潤滑剤層の下層に侵入した環境物質が、潤滑剤層の下層に存在するイオン成分を凝集させて磁気記録媒体を汚染する汚染物質を生成させる。また、磁気記録媒体を備えたハードディスクドライブの内部は、通常、磁気記録媒体を駆動して磁気記録媒体に情報の記録再生を行うことにより、高温状態となる。上述した潤滑剤層の隙間からの環境物質の侵入、潤滑剤層の下層に存在するイオン成分の凝集、磁気記録媒体を汚染する汚染物質の生成は、高温条件下でより顕著となる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、厚みを薄くしても高い被覆率で下層の表面を被覆できる磁気記録媒体用潤滑剤を提供することを目的とする。また厚みを薄くしても高い被覆率で保護層の表面を被覆できる潤滑剤層を有し、潤滑剤層の下層に侵入した環境物質に起因する潤滑剤層の下層に存在するイオン成分の凝集を防止し、磁気記録媒体を汚染する汚染物質の生成を抑制して、磁気記録媒体の表面の汚染を効果的に防止でき、磁気記録媒体上に存在する汚染物質の磁気ヘッドへの付着(転写)を防止できる磁気記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、上記の磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明者は、厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で保護層の表面を被覆できる磁気記録媒体用潤滑剤を得るために鋭意検討を重ねた。その結果、特定のフラーレン誘導体を用いることで、厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で下層の表面を被覆できる磁気記録媒体用潤滑剤が得られることを見出した。また特に、炭素または炭素と水素を含む膜からなる保護層上に、潤滑剤層として、特定のフラーレン誘導体を用いることで、保護層との結合力が非常に高いため保護層の表面が被覆されやすく、厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で保護層の表面を被覆できる潤滑剤層が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下に示す構成を備えるものである。
[1]フラーレン骨格を有する有機化合物を含む磁気記録媒体用潤滑剤であって、前記フラーレン骨格を有する有機化合物が下記一般式(i)で表される有機化合物であることを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤。(式中、Aは、下記一般式(1)〜(6)で示されるいずれか1つのフルオロ化合物の末端のいずれか1つの水酸基がない基であり、R1は炭素数1〜24の有機基であり、mは0〜5の整数であり、nは1〜4の整数であり、下記一般式(1)〜(6)中のR2、R3は下記一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基であり、下記一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。)
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[2]前記一般式(i)で示される有機化合物が、下記一般式(ii)で示される有機化合物であることを特徴とする[1]に記載の磁気記録媒体用潤滑剤
Figure 0005600202
[3]前記フラーレン骨格を有する有機化合物が、下記一般式(iii)に示される有機化合物であり、この有機化合物の平均分子量が3000〜7000の範囲内であることを特徴とする[1]または[2]のいずれかに記載の磁気記録媒体用潤滑剤
式中、R2は、前記一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基であり、前記一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。
Figure 0005600202
[4]非磁性基板上に、少なくとも磁性層と、炭素または炭素と水素を含む保護層と、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用潤滑剤を含む潤滑剤層と、をこの順で有する磁気記録媒体。
[5]非磁性基板上に、少なくとも磁性層と保護層とを順に有する基体を作製する工程と、浸漬槽に入れられた潤滑剤層形成用溶液中に、前記基体を浸漬し、その後、浸漬槽から前記基体を一定の速度で引き上げることにより、保護層上に潤滑剤層を形成する工程と、を有し、前記潤滑剤層形成用溶液は、フラーレン骨格を有する有機化合物と、フッ素系溶媒とを含み、前記フラーレン骨格を有する有機化合物が、[1]に記載された一般式(i)で表される有機化合物であり、前記フッ素系溶媒への前記フラーレン骨格を有する有機化合物の溶解度を0.001質量%〜2質量%の範囲内とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
][4]に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させるヘッド移動部と、前記磁気ヘッドからの記録再生信号の処理を行う記録再生信号処理部と、を具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁気記録媒体用潤滑剤は、保護層と高い結合力で結合され、厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で保護層の表面を被覆できるので、イオン性不純物などの汚染物質を生成させる環境物質が本発明の磁気記録媒体用潤滑剤を含む潤滑剤層の隙間から侵入すること防止できる
このため、汚染物質を生成させる環境物質が潤滑剤層の隙間から侵入し、潤滑剤層の下層に侵入した環境物質が、潤滑剤層の下層に存在するイオン成分を凝集させて磁気記録媒体を汚染する汚染物質を生成させることによって、磁気記録媒体が汚染されることを効果的に防止できる。よって、本発明の磁気記録媒体用潤滑剤を含む潤滑剤層を有する磁気記録媒体は、磁気記録媒体上に存在する汚染物質が少ないものとなる。
また、本発明の磁気記録媒体は、厚みが薄くても磁気記録媒体の表面の汚染を効果的に防止できる潤滑剤層を有するものであるので、潤滑剤層の厚みを十分薄くすることにより、さらなる記録密度の向上に対応可能しうるものとなるとともに、高温状態で使用した場合であっても、汚染されにくく、耐環境性に優れ、安定した磁気記録再生特性を有するものとなる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、浸漬槽に入れられた潤滑剤層形成用溶液中に、非磁性基体上に少なくとも磁性層と保護層を順に有する基体を浸漬し、その後、浸漬槽から一定の速度で引き上げる工程を含むことにより、潤滑剤層形成用溶液を前記基体上の表面に均一に塗布することができ、高温状態で使用した場合であっても、汚染されにくく、耐環境性に優れ、安定した磁気記録再生特性を有する磁気記録媒体を製造することができる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、磁気記録媒体上に存在する汚染物質が少ない本発明の磁気記録媒体を備えるものであるので、磁気記録媒体上に存在する汚染物質が、磁気記録再生装置の磁気ヘッドに転写されて、記録再生特性が低下したり、浮上安定性が損なわれたりすることが防止されたものとなる。その結果、本発明の磁気記録再生装置は、安定した磁気記録再生特性を有するものとなる。
本発明の一実施形態の磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態の磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いてその構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は特徴を分かり易くするために便宜上特徴となる部分は拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は一例であって、本発明は、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体について図を用いて説明するとともに、本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体用潤滑剤についても説明する。
図1は本発明の一実施形態の磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。
図1に示す磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に、少なくとも磁性層2と保護層3と潤滑剤層4とをこの順で有し、保護層3は、炭素または炭素と水素を含み、潤滑剤層4は保護層3上に接して形成されたフラーレン骨格を有する有機化合物を含み、フラーレン骨格を有する有機化合物は、一般式(i)に表される有機化合物である。一般式(i)中のAは、一般式(1)〜(6)で表されるいずれか1つのフルオロ化合物の末端のいずれか1つの水酸基がない基である。また一般式(1)〜(6)中のR2、R3は一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基である。さらに、一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。
磁気記録媒体11においては、非磁性基板1と磁性層2との間に、図示しない密着層と軟磁性下地層とシード層と配向制御層とがこの順序で積層されていてもよい。以下では当該構成を例に挙げて説明する。密着層、軟磁性下地層、シード層、配向制御層は、必要に応じて設けられるものであり、これらのうちの一部または全部は設けられていなくてもよい。
(非磁性基板)
非磁性基板1としては、AlまたはAl合金などの金属または合金材料からなる基体上に、NiPまたはNiP合金、その他のアモルファス金属からなる膜が形成されたものなどを用いることができる。また、非磁性基板1としては、ガラス、石英、セラミックス、シリコンなどの非金属材料からなるものを用いてもよいし、非金属材料からなる基体上にアモルファス金属膜を形成したものを用いてもよい。
(密着層)
密着層は、非磁性基板1と密着層上に設けられる軟磁性下地層とを接して配置した場合における非磁性基板1の腐食の進行を防止するものである。密着層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金など適宜選択できる。密着層の厚みは、密着層を設けることによる効果が十分に得られるように2nm以上であることが好ましい。
(軟磁性下地層)
軟磁性下地層は、第1軟磁性膜と、Ru膜からなる中間層と、第2軟磁性膜とが順に積層された構造を有していることが好ましい。すなわち、軟磁性下地層は、2層の軟磁性膜の間にRu膜からなる中間層を挟み込むことによって、中間層の上下の軟磁性膜がアンチ・フェロ・カップリング(AFC)結合した構造を有していることが好ましい。軟磁性下地層がAFC結合した構造を有していることにより、外部からの磁界に対しての耐性、並びに垂直磁気記録特有の問題であるWATE(Wide Area Tack Erasure)現象に対しての耐性を高めることができる。
軟磁性下地層の膜厚は、15〜80nmの範囲であることが好ましく、20〜50nmの範囲であることが更に好ましい。軟磁性下地層の膜厚が15nm未満であると、磁気ヘッドからの磁束を十分に吸収することができず、書き込みが不十分となり、記録再生特性が悪化する恐れがあるため、好ましくない。一方、軟磁性下地層の膜厚が80nmを超えると、生産性が著しく低下するため好ましくない。
第1および第2軟磁性膜は、CoFe合金からなるものであることが好ましい。第1および第2軟磁性膜がCoFe合金からなるものである場合、高い飽和磁束密度Bs(1.4(T)以上)を実現できる。
また、第1および第2軟磁性膜に使用されるCoFe合金には、Zr、Ta、Nb、Bの何れかを添加することが好ましい。これにより、第1および第2軟磁性膜の非晶質化が促進され、シード層の配向性を向上させることが可能になるとともに、磁気ヘッドの浮上量を低減することが可能となる。
(シード層)
シード層は、その上に設けられた配向制御層および磁性層2の配向や結晶サイズを制御するためのものであり、磁気ヘッドから発生する磁束の基板面に対する垂直方向成分を大きくするとともに、磁性層2の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定するために設けられている。
シード層は、NiW合金からなるものであることが好ましい。シード層がNiW合金からなるものである場合、必要に応じてNiW合金にB、Mn、Ru、Pt、Mo、Taなどの他の元素を添加してもよい。
シード層の膜厚は、2〜20nmの範囲であることが好ましい。シード層の膜厚が2nm未満であると、シード層を設けたことによる効果が十分に得られない場合がある。一方、シード層の膜厚が20nmを超えると、結晶サイズが大きくなるために好ましくない。
(配向制御層)
配向制御層は、磁性層2の配向が良好なものとなるように制御するものである。配向制御層は、Ru又はRu合金からなるものであることが好ましい。
配向制御層の膜厚は、5〜30nmの範囲であることが好ましい。配向制御層の膜厚を30nm以下とすることで、磁気ヘッドと軟磁性下地層との間の距離が小さいものとなり、磁気ヘッドからの磁束を急峻にすることができる。また、配向制御層の膜厚を5nm以上とすることで、磁性層2の配向を良好に制御できる。
配向制御層は、1層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。配向制御層が複数層からなるものである場合、全ての配向制御層が同じ材料からなるものであってもよいし、少なくとも一部が異なる材料からなるものであってもよい。
(磁性層)
磁性層2は、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いた磁性膜からなる。磁性層2は、CoとPtを含むものであり、更にSNR特性を改善するために、酸化物や、Cr、B、Cu、Ta、Zrなどを含むものであってもよい。磁性層2に含有される酸化物としては、B、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、TiOなどが挙げられる。
磁性層2は、1層からなるものであってもよいし、組成の異なる材料からなる複数層からなるものであってもよい。
例えば、磁性層2が第1磁性層と第2磁性層と第3磁性層の3層からなる場合、第1磁性層は、Co、Cr、Ptを含み、さらに酸化物を含んだ材料からなるグラニュラー構造のものであることが好ましい。第1磁性層に含有される酸化物としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましい。その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。また、第1磁性層は、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、SiO−TiOなどを好適に用いることができる。
第1磁性層は、Co、Cr、Pt、酸化物の他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含むことにより、磁性粒子の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
第2磁性層には、第1磁性層と同様の材料を用いることができる。第2磁性層は、グラニュラー構造のものであることが好ましい。
また、第3磁性層は、Co、Cr、Ptを含み、酸化物を含まない材料からなる非グラニュラー構造のものであることが好ましい。第3磁性層は、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Mnの中から選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。第3磁性層がCo、Cr、Ptの他に上記元素を含むものであることにより、磁性粒子の微細化を促進、又は結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができる。
磁性層2の厚みは、5〜25nmとすることが好ましい。磁性層2の厚みが上記未満であると、十分な再生出力が得られず、熱揺らぎ特性も低下する。また、磁性層2の厚さが上記範囲を超えた場合には、磁性層2中の磁性粒子の肥大化が生じ、記録再生時におけるノイズが増大し、信号/ノイズ比(S/N比)や記録特性(OW)に代表される記録再生特性が悪化するため好ましくない。
また、磁性層2が複数層からなるものである場合、隣接する磁性層の間には、非磁性層を設けることが好ましい。磁性層2が第1磁性層と第2磁性層と第3磁性層の3層からなる場合、第1磁性層と第2磁性層との間と、第2磁性層と第3磁性層との間に、非磁性層を設けることが好ましい。
磁性層間に非磁性層を適度な厚みで設けることで、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができ、S/N比をより向上させることができる。
磁性層2の間に設けられる非磁性層は、例えば、Ru、Ru合金、CoCr合金、CoCrX1合金(X1は、Pt、Ta、Zr、Re,Ru、Cu、Nb、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、W、Mo、Ti、V、Zr、Bの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の元素を表す。)などを好適に用いることができる。
また、磁性層2の間に設けられる非磁性層としては、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物を含んだ合金材料を使用することが好ましい。具体的には、酸化物として、例えば、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiO、Bなど、金属窒化物として、例えばAlN、Si、TaN、CrNなど、金属炭化として、例えば、TaC、BC、SiCなどをそれぞれ用いることができる。
磁性層2の間に設けられる非磁性層の厚みは、0.1〜1nmとすることが好ましい。非磁性層の厚みを上記の範囲とすることで、S/N比をより向上させることができる。
また、磁性層2は、より高い記録密度を実現するために、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いた垂直磁気記録の磁性層であることが好ましいが、面内磁気記録であってもよい。
(保護層)
保護層3は、記録層2を保護するものである。保護層3は、一層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。本実施形態の保護層3は、炭素または炭素と水素を含むものであり、これに窒素等が含まれても良い。保護層3上に形成されている潤滑剤層4は、炭素との結合力が非常に高い。保護層3が炭素または炭素と水素を含むことで、保護層3に含まれる炭素原子と潤滑剤層4とが結合して、保護層3と潤滑剤層4とが高い結合力で結合される。その結果、潤滑剤層4の厚みが薄くても高い被覆率で保護層3の表面が被覆された磁気記録媒体11となり、磁気記録媒体11の表面の汚染を効果的に防止できる。
保護層3の膜厚は1nm〜10nmの範囲内とすることが好ましい。保護層3の膜厚が上記の範囲内である場合、本実施形態の磁気記録媒体11を備える磁気記録再生装置における磁気的スペーシングを十分に低減することができ、さらなる記録密度の向上に対応しうるものになるとともに、耐久性を向上させることができる。なお、磁気的スペーシングとは、磁気ヘッドと磁性層4との間の距離のことを意味する。磁気的スペーシングを狭くするほど磁気記録再生装置の電磁変換特性を向上させることができる。
保護層3の膜厚が1nm未満であると、記録層2を保護する効果が不十分となる場合がある。また、保護層3の膜厚が10nmを超えると、磁気的スペーシングの低減が不十分となる場合がある。
(潤滑剤層)
潤滑剤層4は、本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体用潤滑剤を含む。
潤滑剤層4は、磁気記録媒体11の汚染を防止するとともに、磁気記録媒体上を摺動する磁気記録再生装置の磁気ヘッドの摩擦力を低減させて、磁気記録媒体11の耐久性を向上させるものである。
潤滑剤層4は保護層3上に接して形成されたフラーレン骨格を有する有機化合物を含むものであり、フラーレン骨格を有する有機化合物は、一般式(i)で表され、その式中、Aが一般式(1)〜(6)で示されるいずれか1つのフルオロ化合物の末端のいずれか1つの水酸基がない基である。
潤滑剤4に、フラーレン骨格を有する有機化合物を用いることで、炭素または炭素と水素からなる保護層3との相互作用力を高めることができる。フラーレンは60個のカーボンがサッカーボールのように結合した炭素の同素体であり、π電子がすべての方位に対して向いているため、炭素または炭素と水素からなる保護層3との相互作用力を高めることができる。
本来、通常のフラーレンは常温で固体であり、また溶媒にも溶けにくいので磁気記録媒体11の表面に塗布するのが困難である。しかし、当該フラーレン骨格を有する有機化合物を用いることで、フッ素系溶媒に可溶となる。これにより、潤滑剤層4の厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で保護層3の表面を被覆できる。すなわち、フラーレン骨格を有する有機化合物とすることで、炭素または炭素と水素からなる保護層3との相互作用力を高めることと、潤滑剤層4の厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で保護層3の表面を被覆することとを同時に実現することができる。
潤滑剤層4は、一般式(i)に示されたフラーレン骨格を有する有機化合物を含んでいる。フラーレン骨格は、炭素原子60個からなるサッカーボール状の構造であり、6員環が20個、5員環が12個、60本の単結合、30本の二重結合で形成されている。一般式(i)で表されるフラーレン骨格を有する有機化合物は、フラーレン骨格の二重結合の内のn個(nは1〜4の整数)が切れて、それぞれの箇所に新たな炭素が単結合し、その新たな炭素は、それぞれが、炭素数1〜24の有機基と、−(CHCOO−基とが単結合している。
一般式(i)で表される有機化合物において、フラーレン骨格に新たな炭素が2個以上結合する場合の結合位置は任意であるが、フラーレン骨格の中心に対して対称位置にそれぞれの炭素が結合するのが生成した化合物の構造安定性を高める上で好ましい。
一般式(1)〜(6)で示されるフルオロ化合物は、何れもフッ素系潤滑剤として安定な物質であり、また末端に複数の水酸基を有するため、この水酸基を介して保護層3を形成する炭素または水素と高い結合力を得ることができる。上記のフラーレン骨格を有する有機化合物を合成する際、一般式(1)〜(6)で示されるフルオロ化合物の末端の水酸基の一つが失われたとしても、一般式(1)〜(6)で示されるフルオロ化合物は複数の水酸基を有するため、残りの水酸基が保護層3を形成する炭素または水素と結合し、保護層3と潤滑剤層4との高い結合力を得ることができる。
また一般式(1)〜(6)で示されるフルオロ化合物中のR2,R3は一般式(a)〜(h)のパーフルオロエーテル基を用いることができる。その具体例を以下に述べる。
一般式(1)に示す化合物としては、平均分子量が1000〜4000の範囲内であることが好ましい。例えば、ソルベイ社製のZ−DOL(製品名)が挙げられる。Z−DOLは、一般式(1)のR2が一般式(c)であり、r、sが4〜30の範囲内であり、平均分子量が1000〜4000の範囲内であるものである。
一般式(2)に示す化合物としては、平均分子量が1000〜4000の範囲内であることが好ましい。例えば、ソルベイ社製のZ−DOL(製品名)を原料として製造することができる。
一般式(3)に示す化合物としては、平均分子量が1000〜4000の範囲内であることが好ましい。例えば、ソルベイ社製のFOMBLIN TX2000(製品名)が挙げられる。TX2000、一般式(3)のR2が一般式(c)であり、r、sが4〜30の範囲内であり、平均分子量が1000〜4000の範囲内であるものである。
一般式(4)に示す化合物としては、平均分子量が1000〜8000の範囲内であることが好ましい。例えば、Moresco社製のD4OH(製品名)が挙げられる。D4OHは、一般式(4)のR2が一般式(g)であり、yが4〜30の範囲内であり、平均分子量が1000〜4000の範囲内であるものである。また、R2を一般式(h)とし、zを4〜30の範囲内とし、平均分子量を1000〜4000の範囲内としても良い。
一般式(5)に示す化合物としては、平均分子量が1000〜5000の範囲内であることが好ましい。例えば、旭硝子社製のQA−40(製品名)がある。QA−40は、一般式(5)のR2が一般式(a)であり、R3が一般式(b)であり、p、qが4〜10の範囲内であり、平均分子量が2000〜5000の範囲内であるものである。
一般式(6)に示す化合物としては、平均分子量が1000〜5000の範囲内であることが好ましい。例えば、旭硝子社製のQA−40(製品名)の末端基をテトラオールとした旭硝子社製のQG−40(製品名)が挙げられる。QG−40は、一般式(6)のR2が一般式(a)であり、R3が一般式(b)であり、p、qが4〜10の範囲内であり、平均分子量が2000〜5000の範囲内であるものである。
フラーレン骨格の有機化合物として、一般式(i)のR1をフェニル基、mを3、nを2とした、一般式(ii)で表される有機化合物を用いるのが好ましい。一般式(ii)で示される有機化合物は、式中Aを一般式(1)〜(6)で示される何れか1つのフルオロ化合物の末端のいずれか1つの水酸基がない置換基とすることで、フッ素系溶媒への溶解度を適切な範囲内とすることができる。そのため、保護層3への塗布性が良好となり、これにより潤滑剤層4の厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに高い被覆率で保護層3の表面を被覆可能となる。
潤滑剤層4に含有させるフラーレン骨格を有する有機化合物として、一般式(iii)で表される有機化合物を使用し、この有機化合物の平均分子量を3000〜7000の範囲内とするのが好ましい。一般式(iii)で表される有機化合物は、一般式(i)の有機化合物のR1をフェニル基、mを3、nを2とし、この式中Aが一般式(3)で示されるフルオロ化合物の末端の1つの水酸基がない基として得られる。この化合物のR2として、一般式(a)〜(h)に記載されたパーフルオロエーテル基の何れかを用いることができる。
この中で特に、化合物の平均分子量を3000〜7000の範囲内とするのが保護層3の表面の潤滑剤層4の被覆率を高める上で好ましい。また潤滑剤層4に含有させるフラーレン骨格を有する有機化合物としては、一般式(iii)で表される有機化合物として、フラーレン骨格への有機基の結合位置を対称位置とした以下の一般式(iv)の有機化合物を用いるのが好ましい。一般式(iv)の有機化合物は、一般式(iii)に示される有機化合物の中で安定構造の化合物だからである。
Figure 0005600202
潤滑剤層4の平均膜厚は、0.8nm(8Å)〜2nm(20Å)の範囲内とするのが好ましく、特に1nm〜1.9nmの範囲内とするのが好ましい。潤滑剤層4の平均膜厚を0.8nm以上とすることにより、アイランド状または網目状とならず均一の膜厚で、保護層3の表面を高い被覆率で被覆できる。また、潤滑剤層4の平均膜厚を2nm以下とすることにより、磁気ヘッドの浮上量を十分小さくして、磁気記録媒体11の記録密度を高くすることができる。
保護層3の表面が潤滑剤層4によって十分に高い被覆率で被覆されていない場合、磁気記録媒体11の表面に吸着したイオン性不純物などの汚染物質を生成させる環境物質を含む水が、潤滑剤層4の隙間を通り抜けて、潤滑剤層4の下に侵入する。潤滑剤層の下層に侵入した環境物質は、潤滑剤層4の下に隠されていた微少なイオン成分を凝集させてイオン性の汚染物質を生成する。そして、磁気記録再生の際に、この汚染物質(凝集成分)が磁気ヘッドに付着(転写)して、磁気ヘッドを破損したり、磁気記録再生装置の磁気記録再生特性を低下させたりする。このような潤滑剤層4の隙間からの環境物質の侵入に起因する問題は、磁気記録媒体11を高温条件下に保持した場合、より顕著に現れる。
汚染物質を生成させる環境物質は、例えば、イオン性不純物であり、前記イオン性不純物に含まれる金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどを挙げることができ、無機イオンとしては、例えば、シリコンイオン、塩素イオン、HCOイオン、HSOイオン、硫酸イオン、アンモニアイオン、シュウ酸イオン、蟻酸イオンなどを挙げることができる。
本実施形態の磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に、少なくとも磁性層2と保護層3と潤滑剤層4とをこの順序で有する磁気記録媒体11であって、保護層3が、炭素または炭素と水素を含み、潤滑剤層4が保護層3上に接して形成されたものであって、潤滑剤層4は上記フラーレン骨格を有する有機化合物を含むので、潤滑剤層4と保護層3とが高い結合力で結合された、潤滑剤層4の厚みが十分に薄いものとなる。
すなわち、本実施形態の磁気記録媒体11は、厚みを薄くしてもアイランド状または網目状とならずに、ほぼ均一の膜厚で保護層の表面を高い被覆率で被覆できる潤滑剤層を備えたものとなり、イオン性不純物などの汚染物質を生成させる環境物質が潤滑剤層4の隙間から侵入することが防止されたものとなる。よって、本実施形態の磁気記録媒体11は、磁気記録媒体上に存在する汚染物質が少ないものとなる。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも磁性層2と保護層3とを順に有する基体を作製する工程と、前記基体を浸漬槽に入れられた潤滑剤層形成用溶液中に浸漬し、その後、浸漬槽から前記基体を一定の速度で引き上げることにより、保護層上に潤滑剤層を形成する工程とを有する。
前記潤滑剤層形成用溶液は、フラーレン骨格を有する有機化合物と、フッ素系溶媒とを含み、前記フラーレン骨格を有する有機化合物が、前記一般式(i)に表される有機化合物であり、前記フッ素系溶媒への前記フラーレン骨格を有する有機化合物の溶解度を0.001質量%〜2質量%の範囲内である。
非磁性基板上に、少なくとも磁性層2と保護層3とを順に有する基体を作製する工程は特に限定はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、前述の密着層、軟磁性下地層、シード層、配向制御層、非磁性層はスパッタリング法を用いることができる。また磁性層2は、蒸着法、イオンビームスパッタ法、マグネトロンスパッタ法など従来の公知のいかなる方法によって形成できる。一般にスパッタリング法を用いることが多い。さらに保護層3の成膜方法としては、カーボンターゲット材を用いるスパッタ法や、エチレンやトルエンなどの炭化水素原料を用いるCVD(化学蒸着法)法,IBD(イオンビーム蒸着)法などを用いることができる。
潤滑剤層4を形成する工程は、特に限定されないが、例えば、スピンコート法やディップ法などを用いることができる。ディップ法を用いる場合、例えば、ディップコート装置の浸漬槽に入れられた潤滑剤層形成用溶液中に、非磁性基体1上に保護層3までの各層が形成された基体を浸漬し、その後、浸漬槽から基体を所定の速度で引き上げることにより、潤滑剤層形成用溶液を基体の保護層3上の表面に塗布する方法を用いることができる。ディップ法を用いることで、潤滑剤層形成用溶液を基体の保護層3上の表面に均一に塗布することができ、保護層3上に均一な膜厚の潤滑剤層4を形成できる。
フラーレン骨格を有する有機化合物は、フッ素系溶媒への溶解度を、0.001質量%〜2質量%の範囲内とするのが好ましい。0.01質量%〜1質量%の範囲内とするのがより好ましい。
0.001質量%未満では、潤滑剤がフッ素系溶媒に溶けすぎても保護層3の表面に塗布された潤滑剤がフッ素系溶媒に洗い流されてしまう。一方、2質量%を超えると、潤滑剤4がフッ素系溶媒に不溶となり、潤滑剤の塗布にディップコート法を用いることができない。
潤滑剤層形成用溶液に用いられる溶媒としては、例えば、バートレルXF(商品名、三井デュポンフロロケミカル社製)等のフッ素系溶媒などが挙げられる。
(磁気記録再生装置)
次に、本発明の実施形態である磁気記録再生装置の一例について説明する。図2は、本発明の実施形態である磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。本発明の実施形態である磁気記録再生装置101は、図1に示す本発明の実施形態である磁気記録媒体11と、磁気記録媒体11を記録方向に駆動する媒体駆動部123と、記録部と再生部からなる磁気ヘッド124と、磁気ヘッド124を磁気記録媒体11に対して相対運動させるヘッド移動部126と、磁気ヘッド124からの記録再生信号の処理を行う記録再生信号処理部128とを具備したものである。
磁気ヘッド124の素子部(再生部)をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記録再生装置を実現することができる。また、磁気ヘッド124の浮上量を0.005μm(5nm)〜0.020μm(20nm)と従来用いられているより低い高さで浮上させた場合には、出力が向上して高いSNRが得られ、大容量で高信頼性の磁気記録再生装置とすることができる。
本実施形態の磁気記録再生装置101は、磁気記録媒体上に存在する汚染物質が少ない磁気記録媒体11を具備しているので、磁気記録媒体11上に存在する汚染物質が、磁気記録再生装置101の磁気ヘッド124に転写されて、記録再生特性が低下したり、浮上安定性が損なわれたりすることが防止されたものとなる。したがって、本発明の磁気記録再生装置101は、安定した磁気記録再生特性を有するものとなる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
洗浄済みのガラス基板(HOYA社製、外形65mm)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3040)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
その後、このガラス基板の上に、スパッタリング法によりCrTiターゲットを用いて層厚10nmの密着層を成膜した。次いで、スパッタリング法により密着層の上に軟磁性下地層として、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Fe含有量20原子%、Zr含有量5原子%、Ta含有量5原子%、残部Co}のターゲットを用いて100℃以下の基板温度で、層厚25nmの第1軟磁性層を成膜し、その上に層厚0.7nmのRuからなる中間層と、層厚25nmのCo−20Fe−5Zr−5Taからなる第2軟磁性層とを成膜した。
次に、軟磁性下地層の上に、スパッタリング法によりNi−6W{W含有量6原子%、残部Ni}ターゲットを用いて、層厚5nmのシード層を成膜した。その後、シード層の上に、スパッタリング法により第1の配向制御層として、スパッタ圧力を0.8Paとして層厚10nmのRu層を成膜した。次に、第1の配向制御層上に、スパッタリング法により第2の配向制御層として、スパッタ圧力を1.5Paとして層厚10nmのRu層を成膜した。
続いて、第2の配向制御層の上に、スパッタリング法により91(Co15Cr16Pt)−6(SiO)−3(TiO){Cr含有量15原子%、Pt含有量16原子%、残部Coの合金を91mol%、SiOからなる酸化物を6mol%、TiOからなる酸化物を3mol%}からなる第1磁性層を、スパッタ圧力を2Paとして層厚9nmで成膜した。
次に、第1磁性層の上に、スパッタリング法により88(Co30Cr)−12(TiO){Cr含有量30原子%、残部Coの合金を88mol%、TiOからなる酸化物を12mol%}からなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。その後、非磁性層の上に、スパッタリング法により92(Co11Cr18Pt)−5(SiO)−3(TiO){Cr含有量11原子%、Pt含有量18原子%、残部Coの合金を92mol%、SiOからなる酸化物を5mol%、TiOからなる酸化物を3mol%}からなる第2磁性層を、スパッタ圧力を2Paとして層厚6nmで成膜した。
その後、第2磁性層の上に、スパッタリング法によりRuからなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。次いで、非磁性層の上に、スパッタリング法によりCo−20Cr−14Pt−3B{Cr含有量20原子%、Pt含有量14原子%、B含有量3原子%、残部Co}からなるターゲットを用いて、スパッタ圧力を0.6Paとして第3磁性層を層厚7nmで成膜した。次に、CVD法により炭素と水素からなる層厚20nmの保護層を成膜した。保護層に含まれる水素は約15原子%であった。
次に潤滑剤として用いるフラーレン骨格を有する有機化合物(以下、フラーレン化合物という。)を合成した。すなわち、[6,6]−ジフェニルC62−ビス酪酸メチルエステルを1gと、ソルベイ社製FOMBLIN TX2000を18.2gと、p−トルエンスルホン酸・一水和物を0.38gとを、ヘキサフルオロベンゼン(100mL)に加え、窒素気流下において72時間攪拌しながら加熱還流した。その後、反応物を0.1モルのアンモニア水、および純水で順次分液洗浄した後、ヘキサフルオロベンゼンを留去した。その後、生成物を精製すると共に生成物からFOMBLIN TX2000を除去し一般式(iii)(R2は一般式(c)、平均分子量は5000)に示す構造のフラーレン化合物、1.5gを得た。
合成したフラーレン化合物をバートレルXF(商品名、三井デュポンフロロケミカル社製)に溶解して潤滑剤層形成用溶液とした。フラーレン化合物(潤滑剤)の濃度は0.3質量%とした。なお、合成したフラーレン化合物のバートレルXFへの溶解度は0.4質量%であった。
次に、ディップ法を用いて、保護層上に潤滑剤を塗布した。すなわち、ディップコート装置の浸漬槽に入れられた潤滑剤層形成用溶液中に、保護層までの各層が形成された基体を浸漬し、その後、浸漬槽から基体を一定の速度で引き上げることにより、潤滑剤層形成用溶液を基体の保護層上の表面に塗布した。潤滑剤層の膜厚は1.4nmとした。
(実施例2〜4)
実施例1と同様に磁気記録媒体を製造したが、実施例2〜4では潤滑剤として用いるフラーレン化合物の構造を変えた。すなわち、実施例1ではフラーレン骨格に2つの有機基を結合させたが、実施例2では実施例1と同一の有機基を1つ結合させた下記一般式(v)の化合物を、実施例3では3つ(n=3)の有機基を結合させた下記一般式(vi)の化合物を、実施例4では4つ(n=4)結合させた下記一般式(vii)の化合物を用いた。なお、合成したフラーレン化合物のバートレルXFへの溶解度はそれぞれ、0.05質量%(n=1)、0.6質量%(n=3)、0.9質量%(n=4)であった。なお、R2は一般式(c)である。
Figure 0005600202
Figure 0005600202
Figure 0005600202
(比較例1,2)
実施例1と同様に磁気記録媒体を製造したが、比較例1では潤滑剤にフラーレン骨格を有さない旭硝子社製のQA−40(製品名)、比較例2では旭硝子社製のQG−40(製品名)を用いた。
(磁気記録媒体の耐環境性評価)
実施例1の磁気記録媒体の耐環境性を以下に示す方法により評価した。以下に示す耐環境性の評価は、高温環境下において汚染物質を生成させる環境物質による磁気記録媒体の汚染を調べる評価手法の一つである。以下に示す耐環境性の評価では、高温環境下における汚染物質を生成させる環境物質としてSiイオンを用い、環境物質によって生成された磁気記録媒体を汚染する汚染物質の量としてSi吸着量を測定した。
具体的には、まず、評価対象である磁気記録媒体を、温度85℃、湿度0%の高温環境下で、シロキサン系Siゴムの存在下に240時間保持した。次に、磁気記録媒体の表面に存在するSi吸着量をtof−SIMS(time offlight−Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて分析測定して、高温環境下における環境物質であるSiイオンによる汚染の程度をSi吸着量として評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005600202
本発明の磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置は、高記録密度の磁気記録媒体および磁気記録再生装置を利用・製造する産業において利用可能性がある。
1…非磁性基板、2…磁性層、3…保護層、4…潤滑剤層、11…磁気記録媒体、101…磁気記録再生装置、123…媒体駆動部、124…磁気ヘッド、126…ヘッド移動部、128…記録再生信号処理部。

Claims (7)

  1. フラーレン骨格を有する有機化合物を含む磁気記録媒体用潤滑剤であって、
    前記フラーレン骨格を有する有機化合物が下記一般式(iii)で表される有機化合物であることを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤。
    (式中、R2は、下記一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基であり、下記一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。)
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
    Figure 0005600202
  2. フラーレン骨格を有する有機化合物を含む磁気記録媒体用潤滑剤であって、
    前記フラーレン骨格を有する有機化合物が下記一般式(v)で表される有機化合物であることを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤。
    (式中、R2は、前記一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基であり、前記一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。)
    Figure 0005600202
  3. フラーレン骨格を有する有機化合物を含む磁気記録媒体用潤滑剤であって、
    前記フラーレン骨格を有する有機化合物が下記一般式(vi)で表される有機化合物であることを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤。
    (式中、R2は、前記一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基であり、前記一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。)
    Figure 0005600202
  4. フラーレン骨格を有する有機化合物を含む磁気記録媒体用潤滑剤であって、
    前記フラーレン骨格を有する有機化合物が下記一般式(vii)で表される有機化合物であることを特徴とする磁気記録媒体用潤滑剤。
    (式中、R2は、前記一般式(a)〜(h)で示されるパーフルオロエーテル基であり、前記一般式(a)〜(h)中のp、q、r、s、t、u、v、w、x、y、zは1〜100の整数である。)
    Figure 0005600202
  5. 非磁性基板上に、少なくとも磁性層と、炭素または炭素と水素を含む保護層と、請求項1〜のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用潤滑剤を含む潤滑剤層と、をこの順で有する磁気記録媒体。
  6. 非磁性基板上に、少なくとも磁性層と保護層とを順に有する基体を作製する工程と、
    浸漬槽に入れられた潤滑剤層形成用溶液中に、前記基体を浸漬し、その後、浸漬槽から前記基体を一定の速度で引き上げることにより、保護層上に潤滑剤層を形成する工程と、を有し、
    前記潤滑剤層形成用溶液は、フラーレン骨格を有する有機化合物と、フッ素系溶媒とを含み、
    前記フラーレン骨格を有する有機化合物が、前記一般式(iii)、前記一般式(v)、前記一般式(vi)または前記一般式(vii)のいずれかで表される有機化合物であり、
    前記フッ素系溶媒への前記フラーレン骨格を有する有機化合物の溶解度を0.001質量%〜2質量%の範囲内とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 請求項に記載の磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、
    前記磁気記録媒体に情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させるヘッド移動部と、
    前記磁気ヘッドからの記録再生信号の処理を行う記録再生信号処理部と、を具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
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