JP2019036370A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 Download PDF

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Kentaro Watanabe
賢太郎 渡邉
祥之 上田
Yoshiyuki Ueda
祥之 上田
威史 五十嵐
Takeshi Igarashi
威史 五十嵐
健三 塙
Kenzo Hanawa
健三 塙
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Abstract

【課題】グライド試験の合格率が高い磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に磁性層2、所定組成の保護層3及び潤滑剤層4をこの順で有し、潤滑剤層は下式(1)で表される有機フッ素化合物を含む。
Figure 2019036370

【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置に関する。
現在、磁気記録媒体の記録密度は、400kTPIにも到達しており、外径65mmの磁気ディスク1枚の両面に情報を記録すると、記録容量が500GBに達する。今後さらに磁気記録再生装置の記録密度が向上すると言われている。磁気記録再生装置の記録密度を向上させるために最も重要なことは、磁気ヘッドのセンサー部分と磁気記録媒体の記録層との距離(いわゆるスペースロス)を短くすることである。そのため、磁気ヘッド、磁気記録媒体の保護層を薄くすること、磁気ヘッドの飛行高さを低くすることが継続的に検討されてきた。この時、磁気記録媒体の保護層上に形成される潤滑剤層の厚さがスペースロスを招くことが判明しており、潤滑剤層を極力薄くする試みもたゆみなく続けられている。
従来から、磁気記録媒体として、磁気記録媒体用の基板上に記録層等を積層した後、記録層上にカーボン等の保護層を形成し、さらに保護層上に潤滑剤層を形成したものが知られている。保護層は、記録層に記録された情報を保護するとともに、磁気ヘッドの摺動性を高めるものである。
しかしながら、磁気記録媒体の耐久性は十分ではない。
このため、一般に、保護層上に潤滑剤を塗布して潤滑剤層を形成する。保護層上に潤滑剤層を形成することによって、磁気記録再生装置の磁気ヘッドと保護層とが直接接触することを防止することができるとともに、磁気記録媒体上を摺動する磁気ヘッドの摩擦力を著しく低減させることができ、その結果、磁気記録媒体の耐久性が向上する。
磁気記録媒体に使用される潤滑剤としては、パーフルオロポリエーテル基を有する有機フッ素化合物が知られている。
例えば、特許文献1には、化学式
HOCHCFO(CFCFO)(CFO)CFCHOH・・・(3)
(ただし、p、qは、それぞれ1以上の整数である。)
で表される有機フッ素化合物を保護層上に塗布した磁気記録媒体が開示されている。このような有機フッ素化合物としては、例えば、フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)が挙げられる。
また、特許文献2には、化学式
HOCHCH(OH)CHOCHCFO(CFCFO)(CFO)CFCHOCHCH(OH)CHOH・・・(4)
(ただし、m、nは、整数であり、化学式(4)で表される化合物の数平均分子量は500〜5000である。)
で表される有機フッ素化合物フォンブリンZtetraol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)よりなる潤滑剤層を有する磁気記録媒体が開示されている。
上述の有機フッ素化合物は、いずれも2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に、ヒドロキシメチレン基を有することを特徴としている。このため、磁気記録媒体の保護層に潤滑剤を吸着させる際には、保護層と潤滑剤との間に水素結合を形成するために、一般に、保護層に窒化処理を施す必要がある。
特許文献3〜5には、パーフルオロポリエーテル基をフラーレン骨格に付与した有機フッ素化合物からなる潤滑剤が開示されている。具体的には、フラーレンに縮合したシクロプロパン環やピロリジン環を介して、パーフルオロポリエーテル基が付与された有機フッ素化合物からなる潤滑剤が開示されている。このような有機フッ素化合物は、球状のπ共役系であるフラーレン部位を利用することにより、sp炭素を含む保護層上に潤滑剤層が形成されている磁気記録媒体を実現することができる。
特許文献5に開示されている磁気記録媒体は、耐摩耗性が向上することや、磁気ヘッドによってかき乱された潤滑剤層が平滑性を保ちやすいことが実施例に記載されているものの、磁気ヘッドの安定飛行を保証するためのグライド試験に合格するか否かが記載されていない。
特開昭62−66417号公報 特開平9−282642号公報 特許第5600202号公報 特許第5600222号公報 特許第6152502号公報
一般に、磁気記録媒体の保護層上に潤滑剤層を形成することは、磁気記録再生装置の磁気ヘッドと保護層とが直接接触することを防止することができるとともに、磁気記録媒体上を摺動する磁気ヘッドの摩擦力を著しく低減させることができ、耐久性を向上させることができるため、磁気記録再生装置の構成に不可欠である。一方、磁気記録媒体の保護層上に潤滑剤を単に付着させるだけでは、経時によって潤滑剤層が剥がれ落ちてしまい、磁気記録媒体の耐摩耗性や耐久性を維持することができない。
そこで、磁気記録媒体の保護層上に潤滑剤を吸着させる必要がある。この吸着を実現するために、保護層と潤滑剤の間に作用する水素結合が利用されている。この水素結合は、例えば、窒化処理を施した保護層とヒドロキシ基を含む潤滑剤の組み合わせによって形成される。
一般に、潤滑剤の吸着に不可欠な窒化処理を施した保護層は、水などに対する耐腐食性が低下することが知られている。これは、炭素原子を主成分とする保護層に、電気陰性度が大きい窒素原子が加わることが原因である。
また、保護層への窒化処理は、薄膜である保護層の下に存在する磁性層にも影響しうる。これは、保護層への窒化処理が10eVオーダーのエネルギーを有しうるプラズマ照射により実施され、電場バイアスによりプラズマを保護層に引き付ける際に、プラズマの一部が磁性層に到達することが不可避であるためである。このため、保護層への窒化処理を省略することができれば、磁気記録再生装置の電磁変換特性が向上する。
さらに、保護層への窒化処理を省略した磁気記録媒体を実用化することができると、磁気記録再生装置の製造工程数を減少させることにより、生産コストを削減することが可能となる。
以上のような利点を実現するためには、窒化処理を施していない保護層に吸着することが可能な潤滑剤を用い、かつ、磁気記録再生装置として使用することが可能であることを保証するために、磁気ヘッドの安定飛行を判定するグライド試験の合格率を高くする必要がある。
本発明の一態様は、上記のような事情を鑑み、保護層に窒化処理を施さずに、グライド試験の合格率を高くすることが可能な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下に示す構成を備えるものである。
[1]非磁性基板上に、磁性層と、保護層と、前記保護層上に接して形成されている潤滑剤層とをこの順で有し、前記保護層は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満であり、前記潤滑剤層は、有機フッ素化合物を含み、前記有機フッ素化合物は、一般式(1)
Figure 2019036370
(ただし、FLNは、フラーレン骨格であり、2mn個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、FLNに縮合した1つのシクロプロパン環に結合する基に含まれる2m個のRのうち、少なくとも1個は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、2n個のAは、それぞれ独立に、一般式
−COO−CH−A−CH
(式中、Rは、炭素数6〜22の1価の芳香族基であり、Aは、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは1〜5の整数であり、nは1〜6の整数である。)
で表される化合物である磁気記録媒体。
[2]前記有機フッ素化合物が、化学式
Figure 2019036370
で表される化合物、化学式
Figure 2019036370
で表される化合物、または、化学式
Figure 2019036370
で表される化合物であり、各化学式において、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である[1]に記載の磁気記録媒体。
[3]非磁性基板上に、磁性層と、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満である保護層とをこの順で有する基体に、有機フッ素化合物がフッ素系溶媒に溶解している溶液を塗布することにより、前記保護層上に潤滑剤層を形成する工程を有し、前記有機フッ素化合物は、一般式(1)
Figure 2019036370
(ただし、FLNは、フラーレン骨格であり、2mn個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、FLNに縮合した1つのシクロプロパン環に結合する基に含まれる2m個のRのうち、少なくとも1個は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、2n個のAは、それぞれ独立に、一般式
−COO−CH−A−CH
(式中、Rは、炭素数6〜22の1価の芳香族基であり、Aは、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは1〜5の整数であり、nは1〜6の整数である。)
で表される化合物であり、前記溶液は、前記有機フッ素化合物の濃度が0.0001質量%〜0.1質量%の範囲内である磁気記録媒体の製造方法。
[4][1]または[2]に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に情報を記録する記録部と、前記磁気記録媒体に記録された情報を再生する再生部とからなる磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対移動させるヘッド移動部と、前記磁気ヘッドからの記録再生信号を処理する信号処理部とを有する磁気記録再生装置。
本発明の一態様によれば、保護層に窒化処理を施さずに、グライド試験の合格率を高くすることが可能な磁気記録媒体を提供することができる。
本発明の一実施形態である磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態である磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて、その構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かり易くするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合がある。各構成要素の寸法比率等は、一例であって、本発明は、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体について図面を用いて説明する。
(磁気記録媒体)
図1に、本発明の一実施形態である磁気記録媒体の一例を示す。
磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に、磁性層2と、保護層3と、保護層上に接して形成されている潤滑剤層4とをこの順で有する。
なお、磁気記録媒体11においては、非磁性基板1と磁性層2との間に、密着層と、軟磁性下地層と、シード層と、配向制御層とがこの順で積層されていてもよい。
以下では、非磁性基板1と磁性層2との間に、密着層と、軟磁性下地層と、シード層と、配向制御層とがこの順で積層されている構成を例に挙げて説明する。
ここで、密着層、軟磁性下地層、シード層、配向制御層は、必要に応じて設けられるものであり、これらのうちの一部または全部は設けられていなくてもよい。
(非磁性基板)
非磁性基板1としては、AlまたはAl合金などの金属または合金材料からなる基板上に、NiPまたはNiP合金、その他のアモルファス金属からなる膜が形成されたものなどを用いることができる。
また、非磁性基板1としては、ガラス、石英、セラミックス、シリコンなどの非金属材料からなるものを用いてもよいし、非金属材料からなる基板上にアモルファス金属膜を形成したものを用いてもよい。
(密着層)
密着層は、非磁性基板1と、密着層上に設けられる軟磁性下地層とを接して配置した場合における非磁性基板1の腐食の進行を防止するものである。
密着層を構成する材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金などが挙げられる。
密着層の厚みは、2nm以上であることが好ましく、2〜10nmであることがより好ましい。これにより、密着層を設けることによる効果が十分に得られる。
(軟磁性下地層)
軟磁性下地層は、第1軟磁性層と、Ru膜からなる中間層と、第2軟磁性層とが順に積層された構造を有していることが好ましい。すなわち、軟磁性下地層は、2層の軟磁性層の間にRu膜からなる中間層を挟み込むことによって、中間層の上下の軟磁性層がアンチ・フェロ・カップリング(AFC)結合した構造を有していることが好ましい。これにより、外部からの磁界に対する耐性、並びに、垂直磁気記録方式に特有の問題であるWATE(Wide Area Tack Erasure)現象に対する耐性を高めることができる。
軟磁性下地層の厚みは、15〜80nmの範囲であることが好ましく、20〜50nmの範囲であることが更に好ましい。軟磁性下地層の厚みが15nm以上であると、磁気ヘッドからの磁束を十分に吸収することができ、書き込みが十分となり、磁気記録媒体11の記録再生特性が向上する。一方、軟磁性下地層の厚みが80nm以下であると、磁気記録媒体11の生産性が向上する。
第1および第2軟磁性層は、CoFe合金からなるものであることが好ましい。これにより、磁気記録媒体11の高い飽和磁束密度Bs(1.4T以上)を実現することができる。
また、第1および第2軟磁性層に使用されるCoFe合金には、Zr、Ta、Nb、Bの何れかを添加することが好ましい。これにより、第1および第2軟磁性層の非晶質化が促進され、シード層の配向性を向上させることが可能になるとともに、磁気ヘッドの浮上量を低減することが可能になる。
(シード層)
シード層は、その上に設けられる配向制御層および磁性層2の配向や結晶サイズを制御するためのものである。具体的には、磁気ヘッドから発生する磁束の基板面に対する垂直方向成分を大きくするとともに、磁性層2の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定するために、シード層が設けられる。
シード層は、NiW合金からなるものであることが好ましい。
シード層を構成するNiW合金に、必要に応じて、B、Mn、Ru、Pt、Mo、Taなどの他の元素を添加してもよい。
シード層の厚みは、2〜20nmの範囲であることが好ましい。シード層の厚みが2nm以上であると、シード層を設けたことによる効果が十分に得られる。一方、シード層の厚みが20nm以下であると、磁性層2の結晶サイズを良好に制御することができる。
(配向制御層)
配向制御層は、磁性層2の配向が良好なものとなるように制御するものである。
配向制御層は、Ru又はRu合金からなるものであることが好ましい。
配向制御層の厚みは、5〜30nmの範囲であることが好ましい。配向制御層の厚みを5nm以上とすることで、磁性層2の配向を良好に制御することができる。一方、配向制御層の厚みを30nm以下とすることで、磁気ヘッドと軟磁性下地層との間の距離が小さいものとなり、磁気ヘッドからの磁束を急峻にすることができる。
配向制御層は、1層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。配向制御層が複数層からなるものである場合、各層を構成する材料が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(磁性層)
磁性層2は、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いている。
磁性層2は、CoとPtを含むものであり、SNR特性を改善するために、酸化物や、Cr、B、Cu、Ta、Zrなどを更に含むものであってもよい。
磁性層2に含まれる酸化物としては、例えば、B、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、TiOなどが挙げられる。
磁性層2は、1層からなるものであってもよいし、組成の異なる複数層からなるものであってもよい。
例えば、磁性層2が第1磁性層と第2磁性層と第3磁性層の3層からなるものである場合、第1磁性層は、Co、Cr、Ptを含み、さらに酸化物を含む材料からなるグラニュラー構造のものであることが好ましい。
第1磁性層に含まれる酸化物としては、例えば、Cr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物が挙げられる。その中でも、TiO、Cr、SiOなどが好適に用いられる。
また、第1磁性層は、酸化物を2種以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。
第1磁性層に含まれる複合酸化物としては、Cr−SiO、Cr−TiO、SiO−TiOなどが好適に用いられる。
第1磁性層は、Co、Cr、Pt、酸化物の他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Ruの中から選ばれる1種以上の元素を含むことができる。これにより、第1磁性層に含まれる磁性粒子の微細化を促進させる、または、第1磁性層の結晶性や配向性を向上させることができ、高密度記録に適した磁気記録媒体11の記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
第2磁性層には、第1磁性層と同様の材料を用いることができる。第2磁性層は、グラニュラー構造のものであることが好ましい。
また、第3磁性層は、Co、Cr、Ptを含み、酸化物を含まない材料からなる非グラニュラー構造のものであることが好ましい。
第3磁性層は、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Ru、Mnの中から選ばれる1種以上の元素を含むことができる。これにより、第3磁性層に含まれる磁性粒子の微細化を促進させる、または、第3磁性層の結晶性や配向性を向上させることができ、高密度記録に適した磁気記録媒体11の記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができる。
磁性層2の厚みは、5〜25nmとすることが好ましい。磁性層2の厚みが5nm以上であると、十分な再生出力が得られ、熱揺らぎ特性も向上する。一方、磁性層2の厚みが25nm以下であると、磁性層2中の磁性粒子の微細化を促進させ、磁気記録媒体11に情報を記録する、または、磁気記録媒体に記録された情報を再生する時のノイズが減少し、信号/ノイズ比(S/N比)や記録特性(OW)に代表される磁気記録媒体11の記録再生特性が向上する。
なお、磁性層2が複数層からなる場合、磁性層2の厚みとは、複数層の全体の厚みをいう。
また、磁性層2が複数層からなるものである場合、隣接する磁性層の間には、非磁性層を適度な厚みで設けることが好ましい。これにより、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができ、磁気記録媒体11のS/N比を向上させることができる。
例えば、磁性層2が第1磁性層と第2磁性層と第3磁性層の3層からなる場合、第1磁性層と第2磁性層との間と、第2磁性層と第3磁性層との間に、非磁性層を設けることが好ましい。
非磁性層を構成する材料としては、例えば、Ru、Ru合金、CoCr合金、CoCrX1合金(ただし、X1は、Pt、Ta、Zr、Re、Ru、Cu、Nb、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、W、Mo、Ti、V、Zr、Bの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素である。)などが挙げられる。
また、非磁性層を構成する合金は、酸化物、金属窒化物または金属炭化物をさらに含むことが好ましい。
酸化物としては、例えば、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiO、Bなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、AlN、Si、TaN、CrNなどが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、TaC、BC、SiCなどが挙げられる。
非磁性層の厚みは、0.1〜1nmとすることが好ましい。これにより、磁気記録媒体11のS/N比を向上させることができる。
また、磁性層2は、高い記録密度を実現するために、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いた垂直磁気記録の磁性層であることが好ましいが、面内磁気記録の磁性層であってもよい。
(保護層)
保護層3は、記録層2を保護するためのものである。
保護層3は、一層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。
保護層3は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含むものである。
一般には、保護層は、窒素等が含まれている。これは、保護層に潤滑剤を保持する方法として、潤滑剤にヒドロキシ基を導入し、保護層に窒素原子を導入することにより、極性を持たせて水素結合を形成するからである。
本実施形態においては、保護層3上に形成されている潤滑剤層4は、有機フッ素化合物が球状のπ共役系を有するから、保護層3中の炭素との結合力を高くすることができる。
したがって、本実施形態において、保護層3は、窒素原子を本質的に必要としないため、窒素原子の含有量を1原子%未満とすることが可能となる。
ここで、保護層3中の窒素原子の含有量は、X線光電子分光法を用いて測定することができる。
保護層3の厚みは、1nm〜10nmの範囲内とすることが好ましい。保護層3の厚みが1nm以上であると、記録層2を保護する効果が十分となる。一方、保護層3の厚みが10nm以下であると、磁気記録媒体11を備える磁気記録再生装置における磁気的スペーシングを十分に低減することができ、磁気記録媒体11の記録密度を向上させるとともに、耐久性を向上させることができる。
一般に、保護層に窒素原子を導入すると、窒素原子の電気陰性度が炭素原子の電気陰性度よりも大きいため、保護層の極性が上昇し、親水性の汚染物質の影響を受けやすくなる。
一方、本実施形態においては、保護層3に窒素原子を導入する必要がない、即ち、窒化処理が不要であるので、磁気記録媒体11の耐久性を向上させることができる上、工程数を削減することもできる。
(潤滑剤層)
潤滑剤層4は、磁気記録媒体11の汚染を防止するとともに、磁気記録媒体11上を摺動する磁気記録再生装置の磁気ヘッドの摩擦力を低減させて、磁気記録媒体11の耐久性を向上させるためのものである。
潤滑剤層4は、保護層3上に接して形成されており、有機フッ素化合物を含む。
有機フッ素化合物は、一般式(1)
Figure 2019036370
(ただし、FLNは、フラーレン骨格であり、2mn個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、FLNに縮合した1つのシクロプロパン環に結合する基に含まれる2m個のRのうち、少なくとも1個は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、2n個のAは、それぞれ独立に、一般式
−COO−CH−A−CH
(式中、Rは、炭素数6〜22の1価の芳香族基であり、Aは、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは1〜5の整数であり、nは1〜6の整数である。)
で表される化合物である。
すなわち、有機フッ素化合物は、フラーレン骨格と、フラーレン骨格に縮合した1〜6個のシクロプロパン環とを有する。ここで、シクロプロパン環は、2価のパーフルオロポリエーテル基を含むオキシカルボニル基と結合し、さらにm個の炭素原子からなるアルキレン基を介して、2価のパーフルオロポリエーテル基を含むアルコキシカルボニル基と結合している。このとき、オキシカルボニル基の非結合末端基がAである。また、アルキレン基を構成するm個の炭素原子は、水素原子または炭化水素基のみと結合し、炭素原子のうち、少なくとも1個は、少なくとも1個の炭化水素基と結合している。
FLNは、C60フラーレン骨格であることが好ましい。
Rにおける炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基が挙げられる。その中でも、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、FLNに縮合した1つのシクロプロパン環に結合する基に含まれる2m個のRのうち、カルボニル基のα位の炭素原子に結合するRの少なくとも1つが、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
における2価のパーフルオロポリエーテル基は、一般式
−(CFO−・・・(2)
(ただし、式中xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有することが好ましい。これにより、有機フッ素化合物のフッ素系溶媒に対する溶解性が増大し、その結果、被塗布面に、より均一に有機フッ素化合物を塗布することが可能になる。
また、Aにおける2価のパーフルオロポリエーテル基が、xが1または2である一般式(2)で表される基を1〜50個含むことがより好ましい。このような2価のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、工業的に合成されており、容易に入手することができるため、産業上利用しやすい。
なお、一般式(2)で表される構成単位は、シクロプロパン環等を介して、何れの方向にフラーレン骨格が結合していてもよい。
における2価のパーフルオロポリエーテル基が、直鎖基であることが好ましい。
における炭素数6〜22の1価の芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基、トリル基、メシチル基などのアルキルアリール基などが挙げられる。その中でも、アリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基が特に好ましい。
mは、原料を容易に入手することができることから、1〜3であることが好ましく、一般式(1)で表される化合物を合成する際の有機反応が進行のしやすいことから、2であることがより好ましい。
nは、一般式(1)で表される化合物を合成しやすいことから、2または3であることが好ましい。
有機フッ素化合物、即ち、一般式(1)の化合物の具体例としては、いずれも後述するが、化合物1(C1)、化合物2(C2)、化合物3(C3)などが挙げられる。
潤滑剤層4の主成分に、フラーレン骨格を有する有機フッ素化合物を用いる。有機フッ素化合物は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含む保護層3との相互作用によって吸着することができる。フラーレンは、球状に配列した炭素原子により構成される炭素の分子状同素体であり、π共役系を有するため、炭素原子または炭素原子と水素原子からなる保護層3との相互作用を強めることができる。
通常、フラーレンやその誘導体の多くは、一般的な溶媒に溶けにくいので、磁気記録媒体11の表面に塗布するのが困難である。
しかしながら、本実施形態で用いられる有機フッ素化合物は、フッ素系溶媒に可溶である。これにより、潤滑剤層4の厚みを薄くしても、高い被覆率で保護層3の表面を被覆することができる。すなわち、有機フッ素化合物を用いることで、炭素または炭素と水素からなる保護層3との相互作用を強めることと、潤滑剤層4の厚みを薄くしても、高い被覆率で保護層3の表面を被覆することとを同時に実現することができる。
潤滑剤層4の平均厚みは、0.6nm(6Å)〜1.5nm(15Å)の範囲内とすることが好ましく、0.8nm〜1.2nmの範囲内とすることが特に好ましい。潤滑剤層4の平均厚みを0.6nm以上とすることにより、均一な厚みで保護層3の表面を高い被覆率で被覆することができる。また、潤滑剤層4の平均厚みを1.5nm以下とすることにより、磁気ヘッドの浮上量を十分小さくして、磁気記録媒体11の記録密度を高くすることができる。
保護層3の表面が潤滑剤層4によって十分に高い被覆率で被覆されていない場合、磁気記録媒体11の表面に吸着した、イオン性不純物などの汚染物質を生成させる環境物質を含む水が、潤滑剤層4の隙間を通り抜けて、潤滑剤層4の下に侵入する。その結果、潤滑剤層4の下層に侵入した環境物質は、潤滑剤層4の下に隠されていた微少なイオン成分を凝集させてイオン性の汚染物質が生成する。そして、磁気記録媒体11に情報を記録する、または、磁気記録媒体11に記録された情報を再生する際に、凝集した汚染物質が磁気ヘッドに付着(転写)して、磁気ヘッドが破損したり、磁気記録再生装置の磁気記録再生特性を低下させたりする。このような潤滑剤層4の隙間からの環境物質の侵入に起因する問題は、磁気記録媒体11を高温条件下で保持した場合、より顕著に現れる。
汚染物質を生成させる環境物質としては、例えば、イオン性不純物が挙げられる。
イオン性不純物に含まれる金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
イオン性不純物に含まれる無機イオンとしては、例えば、ケイ素イオン、塩化物イオン、炭酸水素イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、アンモニアイオン、シュウ酸イオン、蟻酸イオンなどが挙げられる。
次に、磁気記録媒体11の製造方法を説明する。
まず、非磁性基板1上に、磁性層2と、保護層3とを、この順で有する基体を作製する。
基体を作製する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、前述した密着層、軟磁性下地層、シード層、配向制御層、磁性層2の成膜方法としては、スパッタリング法などを用いることができる。
また、保護層3の成膜方法としては、カーボンターゲット材を用いるスパッタ法、エチレンやトルエンなどの炭化水素原料を用いるCVD(化学蒸着法)法、IBD(イオンビーム蒸着)法などを用いることができる。
次に、基体の表面に潤滑剤層用塗布液を塗布する。
潤滑剤層用塗布液としては、有機フッ素化合物が溶解している溶液を用いる。
溶液中の有機フッ素化合物の濃度は、0.0001質量%〜0.1質量%の範囲内であり、0.001質量%〜0.05質量%の範囲内であることが好ましい。溶液中の有機フッ素化合物の濃度が0.0001質量%未満であると、必要な厚みの潤滑剤層4を形成することができなくなり、0.1質量%を超えると、潤滑剤層4が必要以上に厚くなり、磁気記録媒体11の記録密度を損なう。
フッ素系溶媒の市販品としては、例えば、PF−5060(テトラデカフルオロヘキサン)(3M社製)などが挙げられる。
潤滑剤層用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布が好ましい。
具体的には、潤滑剤層用塗布液が入れられた浸漬塗布装置の浸漬槽中に基体を浸漬した後、浸漬槽から基体を一定の速度で引き上げることにより、保護層3上に潤滑剤層4を形成する。このとき、引き上げる気液界面でフッ素系溶媒が蒸発し、有機フッ素化合物が均一に塗布され、均一に混合した潤滑剤層4が形成される。
(磁気記録再生装置)
図2に、本発明の一実施形態である磁気記録再生装置の一例を示す。
磁気記録再生装置101は、磁気記録媒体11(図1参照)と、磁気記録媒体11を記録方向に駆動する媒体駆動部123と、磁気ヘッド124と、磁気ヘッド124を磁気記録媒体11に対して相対運動させるヘッド移動部126と、磁気ヘッド124からの記録再生信号を処理する信号処理部128とを有する。磁気ヘッド123は、磁気記録媒体に情報を記録する記録部と、磁気記録媒体に記録された情報を再生する再生部からなる。
磁気ヘッド124の素子部(再生部)をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、記録密度が高くても、十分な信号強度を得ることができ、記録密度が高い磁気記録再生装置を実現することができる。
また、磁気ヘッド124の浮上量を0.005μm(5nm)〜0.020μm(20nm)で浮上させた場合には、出力が向上して高いSNRが得られ、記録容量が大きく、信頼性が高い磁気記録再生装置とすることができる。
磁気記録再生装置101は、磁気記録媒体11上に存在する汚染物質が少ない磁気記録媒体11を有しているので、磁気記録媒体11上に存在する汚染物質が、磁気記録再生装置101の磁気ヘッド124に転写されて、記録再生特性が低下したり、浮上安定性が損なわれたりすることが防止されたものとなる。したがって、磁気記録再生装置101は、安定した磁気記録再生特性を有するものとなる。
また、磁気記録再生装置101は、窒化処理が施されていない保護層を有する磁気記録媒体11を備えるため、窒化処理によって損なわれていた保護層の耐久性や磁性層の性能が向上する。その結果、磁気記録再生装置101は、優れた電磁変換特性と耐久性を有する。また、磁気記録再生装置101の製造工程数も、従来と比較して、減少する。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
(合成例1)
化合物A、B、Cの合成:
1−ブロモ−3−メチル−1,3−ブタンジカルボン酸ジメチル(東京化成工業社製)(0.4g、1.5mmol)と、C60フラーレン(0.36g、0.50mmol)を、o−ジクロロベンゼン(40mL)に加えた。得られた混合物にカリウムt−ブトキシド(0.22g、2.0mmol)を加え、室温で3日攪拌した後、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた黒色油状物質を適量のトルエンに溶解させ、濾過した後、再びロータリーエバポレーターで濃縮することで、粗生成物(0.62g)を黒色固体として得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン−酢酸エチル(100:0〜9:1))により、粗生成物から精製し、分離した。これにより、2個のシクロプロパン環を有するフラーレン誘導体(化合物A)を黒色固体(94mg、86μmol、収率17%)として、3個のシクロプロパン環を有するフラーレン誘導体(化合物B)を黒色固体(40mg、31μmol、収率6%)として、4〜6個のシクロプロパン環を有するフラーレン誘導体(化合物C)を黒色固体(132mg、混合物)として得た。
なお、化合物A、B、Cは、質量分析により同定した。
Figure 2019036370
(合成例2)
化合物Dの合成:
合成例1で得た化合物A(94mg、86μmol)のo−ジクロロベンゼン(25mL)溶液に、数平均分子量約2000のパーフルオロポリエーテル化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)(2.5g、1.3mmol)のヘキサフルオロテトラクロロブタン(25mL)溶液を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸(1mL)を滴下した。次に、モレキュラーシーブス4A(以下、「MS4A」と記すことがある。)入りガラス繊維製円筒濾紙を備え付けたソックスレー抽出器とジムロート冷却管とを取り付けた後、190℃に設定した湯浴で加熱し、3時間攪拌しながら還流した。反応混合物を室温まで冷却し、アンモニア水(10mL)を加えて中和した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた油状物質を適量のフッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製)に溶解させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮することで、黒色油状の粗生成物(3.2g)を得た。
次に、入口および出口を有する肉厚のステンレス鋼製の圧力容器(内径20mm×深さ200mm)に粗生成物を入れた後、圧力容器内の温度を60℃に保ちながら、超臨界二酸化炭素送液ポンプPU2086−CO2(日本分光社製)を用いて、超臨界二酸化炭素を液化二酸化炭素換算流量5mL/分で圧力容器に送った。このとき、圧力容器内の圧力を9〜17MPaの範囲で変化させ、未反応のフォンブリンZdolなどの不純物を除いた。その後、圧力容器内の圧力を27MPaに上げ、黒色固体(化合物D)0.22gを抽出した。
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
(合成例3)
化合物1の合成:
合成例2で得た化合物D(0.22g、25μmol)と、トリエチルアミン(23mg、0.23mmol)を、フッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製)(10mL)に加え、氷浴によって冷却した後、ベンゾイルクロリド(21mg、0.15mmol)を加えた。混合物を室温に戻した後、15時間攪拌した。反応混合物にアンモニア水(1mL)を加えた後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた白色の粉末を含む油状物質を適量のテトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮することで、黒色油状の粗生成物(0.20g)を得た。
次に、入口および出口を有する肉厚のステンレス鋼製の圧力容器(内径20mm×深さ200mm)に、粗生成物を入れた後、圧力容器内の温度を60℃に保ちながら、超臨界二酸化炭素送液ポンプPU2086−CO2(日本分光社製)を用いて、超臨界二酸化炭素を液化二酸化炭素換算流量5mL/分で圧力容器に送った。このとき、圧力容器内の圧力を10〜16MPaの範囲で変化させ、フラーレン骨格を有さず、抽出することが可能な不純物を除いた。その後、圧力容器内の圧力を27MPaに上げ、黒色固体(化合物1)0.14gを抽出した。
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
(合成例4)
化合物Eの合成:
合成例1で得た化合物B(22mg、17μmol)のo−ジクロロベンゼン(25mL)溶液に、数平均分子量約2000のパーフルオロポリエーテル化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)(1.0g、0.5mmol)のヘキサフルオロテトラクロロブタン(25mL)溶液を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL)を滴下した。次に、モレキュラーシーブス4A入りガラス繊維製円筒濾紙を備え付けたソックスレー抽出器とジムロート冷却管とを取り付けた後、190℃に設定した湯浴で加熱し、15時間攪拌しながら還流した。反応混合物を室温まで冷却し、アンモニア水(10mL)を加えて中和した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた油状物質を適量のフッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製)に溶解させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮することで、黒色油状の粗生成物(1.1g)を得た。
次に、入口および出口を有する肉厚のステンレス鋼製の圧力容器(内径20mm×深さ200mm)に、粗生成物を入れた後、圧力容器内の温度を60℃に保ちながら、超臨界二酸化炭素送液ポンプPU2086−CO2(日本分光社製)を用いて、超臨界二酸化炭素を液化二酸化炭素換算流量5mL/分で圧力容器に送った。このとき、圧力容器内の圧力を9〜16MPaの範囲で変化させ、未反応のフォンブリンZdolなどの不純物を除いた。その後、圧力容器内の圧力を27MPaに上げ、黒色固体(化合物E)65mgを抽出した。
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
(合成例5)
化合物2の合成:
合成例4で得た化合物E(65g、5.0μmol)と、トリエチルアミン(22mg、0.22mmol)を、フッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製)(10mL)に加え、氷浴によって冷却した後、ベンゾイルクロリド(10mg、71μmol)を加えた。混合物を室温に戻した後、15時間攪拌した。反応混合物にアンモニア水(1mL)を加えた後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた白色の粉末を含む油状物質を適量のテトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮することで、黒色油状の粗生成物(60mg)を得た。
次に、入口および出口を有する肉厚のステンレス鋼製の圧力容器(内径20mm×深さ200mm)に、粗生成物を入れた後、圧力容器内の温度を60℃に保ちながら、超臨界二酸化炭素送液ポンプPU2086−CO2(日本分光社製)を用いて、超臨界二酸化炭素を液化二酸化炭素換算流量5mL/分で圧力容器に送った。このとき、圧力容器内の圧力を10〜17MPaの範囲で変化させ、フラーレン骨格を有さず、抽出することが可能な不純物を除いた。その後、圧力容器内の圧力を27MPaに上げ、黒色固体(化合物2)35mgを抽出した。
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
(合成例6)
化合物Fの合成:
合成例1で得た化合物C(0.13g、混合物)のo−ジクロロベンゼン(30mL)溶液に、数平均分子量約2000のパーフルオロポリエーテル化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)(3.6g、1.8mmol)のヘキサフルオロテトラクロロブタン(30mL)溶液を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸(1mL)を滴下した。次に、モレキュラーシーブス4A入りガラス繊維製円筒濾紙を備え付けたソックスレー抽出器とジムロート冷却管とを取り付けた後、190℃に設定した湯浴で加熱し、3時間攪拌しながら還流した。反応混合物を室温まで冷却し、アンモニア水(10mL)を加えて中和した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた油状物質を適量のフッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製)に溶解させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮することで、黒色油状の粗生成物(3.6g)を得た。
次に、入口および出口を有する肉厚のステンレス鋼製の圧力容器(内径20mm×深さ200mm)に、粗生成物を入れた後、圧力容器内の温度を60℃に保ちながら、超臨界二酸化炭素送液ポンプPU2086−CO2(日本分光社製)を用いて、超臨界二酸化炭素を液化二酸化炭素換算流量5mL/分で圧力容器に送った。このとき、圧力容器内の圧力を9〜16MPaの範囲で変化させ、未反応のフォンブリンZdolなどの不純物を除いた。その後、圧力容器内の圧力を27MPaに上げ、黒色油状物質(化合物F)0.44gを抽出した。
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
(合成例7)
化合物3の合成:
合成例6で得た化合物F(0.19g)と、トリエチルアミン(40mg、0.40mmol)を、フッ素系溶媒AK−225(旭硝子社製)(10mL)に加え、氷浴によって冷却した後、1−ナフトイルクロリド(43mg、2.3mmol)を加えた。混合物を室温に戻した後、15時間攪拌した。反応混合物にアンモニア水(1mL)を加えた後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた白色の粉末を含む油状物質を適量のテトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、濾過した後、ロータリーエバポレーターで濃縮することで、黒色油状の粗生成物(91mg)を得た。
次に、入口および出口を有する肉厚のステンレス鋼製の圧力容器(内径20mm×深さ200mm)に、粗生成物を入れた後、圧力容器内の温度を60℃に保ちながら、超臨界二酸化炭素送液ポンプPU2086−CO2(日本分光社製)を用いて、超臨界二酸化炭素を液化二酸化炭素換算流量5mL/分で圧力容器に送った。このとき、圧力容器内の圧力を10〜17MPaの範囲で変化させ、フラーレン骨格を有さず、抽出することが可能な不純物を除いた。その後、圧力容器内の圧力を27MPaに上げ、黒色固体(化合物3)63mgを抽出した。
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
(保護層中の窒素原子の含有量)
XPS装置PHI Quantera II(登録商標)(アルバック・ファイ社製)を用いて、保護層中の窒素原子の含有量を測定した。
(潤滑剤層の平均厚み)
フーリエ変換赤外分光光度計Nicolet iS50(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて、高感度反射法により、赤外吸収スペクトルのC−F結合の伸縮振動エネルギーに相当する吸収ピークの強度を測定し、潤滑剤層の平均厚みを求めた。このとき、各潤滑剤層について、4点ずつ厚みを測定し、その平均値を平均厚みとした。
(グライド試験)
磁気記録媒体に対し、AEセンサーを付けた磁気ヘッドを、通常の磁気ヘッドの飛行高さよりも低い高さで飛行させて、表面の突起物を検出する試験をグライド試験という。磁気ヘッドの飛行高さは、通常、7〜10nmであるが、グライド試験では、磁気ヘッドの飛行高さを4〜7nmとする。磁気記録媒体の全面に亘って、かつ、カバー率が200%以上となるように、磁気ヘッドをシークさせ、突起物が一点でも観測されると、不合格となる。また、グライド試験は、磁気ヘッドの飛行安定性も同時に評価している。磁気ヘッドの飛行が不安定になると、ノイズが大きくなるが、基本ノイズの大きさを計測して、一定の閾値を用いて、全面において閾値以下であったものを合格とした。
(クリーデンス)
上記のグライド試験を実施した際に、一時的にノイズが増大し、再度同じ場所を測定したときには、ノイズの増大が見られないことがある。このような現象をクリーデンスと呼び、グライド試験において、突起物として扱わず、合否の判断には用いない。しかしながら、一時的にノイズが増大することは、一般に、潤滑剤層の不均一性あるいは比較的柔らかい異物の存在を示す。このため、クリーデンスの回数の平均値を、潤滑剤層の平滑性および清浄度を表す指標として用いる。
(実施例1)
外径65mmの洗浄済みのガラス基板(HOYA社製)を、DCマグネトロンスパッタ装置C−3040(アネルバ社製)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
その後、このガラス基板の上に、スパッタリング法により、CrTiターゲットを用いて厚み10nmの密着層を成膜した。
次いで、密着層の上に、スパッタリング法により、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Feの含有量20原子%、Zrの含有量5原子%、Taの含有量5原子%、残部Co}のターゲットを用いて、100℃以下の基板温度で、厚み25nmの第1軟磁性層を成膜した。さらに、第1軟磁性層の上に、厚み0.7nmのRuからなる中間層と、厚み25nmのCo−20Fe−5Zr−5Taからなる第2軟磁性層とを成膜し、軟磁性下地層を形成した。
次に、軟磁性下地層の上に、スパッタリング法により、Ni−6W{Wの含有量6原子%、残部Ni}ターゲットを用いて、厚み5nmのシード層を成膜した。その後、シード層の上に、スパッタリング法により、第1の配向制御層として、スパッタ圧力を0.8Paとして、厚み10nmのRu層を成膜した。次に、第1の配向制御層上に、スパッタリング法により、第2の配向制御層として、スパッタ圧力を1.5Paとして、厚み10nmのRu層を成膜した。
続いて、第2の配向制御層の上に、スパッタリング法により、スパッタ圧力を2Paとして、91(Co15Cr16Pt)−6(SiO)−3(TiO){Crの含有量15原子%、Ptの含有量16原子%、残部Coの合金の含有量91mol%、SiOの含有量6mol%、TiOの含有量3mol%}からなる厚み9nmの第1磁性層を成膜した。
次に、第1磁性層の上に、スパッタリング法により、スパッタ圧力を2Paとして、88(Co30Cr)−12(TiO){Crの含有量30原子%、残部Coの合金の含有量88mol%、TiOの含有量12mol%}からなる厚み0.3nmの非磁性層を成膜した。その後、非磁性層の上に、スパッタリング法により、92(Co11Cr18Pt)−5(SiO)−3(TiO){Crの含有量11原子%、Ptの含有量18原子%、残部Coの合金の含有量92mol%、SiOの含有量5mol%、TiOの含有量3mol%}からなる厚み6nmの第2磁性層を成膜した。
その後、第2磁性層の上に、スパッタリング法により、Ruからなる厚み0.3nmの非磁性層を成膜した。次いで、非磁性層の上に、スパッタリング法により、Co−20Cr−14Pt−3B{Crの含有量20原子%、Ptの含有量14原子%、Bの含有量3原子%、残部Co}からなるターゲットを用いて、スパッタ圧力を0.6Paとして、厚み7nmの第3磁性層を成膜した。次に、CVD法により、炭素と水素からなる厚み2nmの保護層を成膜し、基体を作製した。
保護層は、水素原子の含有量が約15原子%であり、窒素原子の含有量が1原子%未満であった。
次に、浸漬塗布法を用いて、保護層上に潤滑剤を塗布した。具体的には、まず、化学式
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
で表される化合物1(C1)を、濃度が0.001質量%となるように、テトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、潤滑剤層用塗布液を調製した。次に、浸漬塗布装置の浸漬槽に入れられた潤滑剤層用塗布液中に、基体を浸漬した後、浸漬槽から基体を一定の速度で引き上げることにより、基体の保護層上に、平均厚み1.0nmの潤滑剤層を形成した。次に、ナイロンテープおよびアルミナ粒子を含むポリエステルテープを用いて、潤滑剤層を研磨した。
次に、150℃で10分間空気中で焼成した後、低圧水銀灯EUV200US−A2(SEN特殊光源社製)を用いて、波長185nmおよび254nmの紫外線を8秒間照射し、磁気ディスクを作製した。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品50枚、不合格品0枚となった。また、クリーデンスの平均値は0.2であった。
(実施例2)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、化学式
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
で表される化合物2(C2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.1nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品47枚、不合格品3枚となった。また、クリーデンスの平均値は0.4であった。
(実施例3)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、化学式
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
で表される化合物3(C3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.1nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品49枚、不合格品1枚となった。また、クリーデンスの平均値は0.3であった。
(比較例1)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、特許文献3に記載されている、化学式
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
で表される化合物4(C4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.1nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品12枚、不合格品38枚となった。また、クリーデンスの平均値は6.7であった。
(比較例2)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、特許文献5に記載されている、化学式
Figure 2019036370
(ただし、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である。)
で表される化合物5(C5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.2nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品21枚、不合格品29枚となった。また、クリーデンスの平均値は4.6であった。
(比較例3)
化学式(3)
HOCHCFO(CFCFO)(CFO)CFCHOH・・・(3)
(ただし、p、qは、それぞれ1以上の整数である。)
で表される数平均分子量約2000の有機フッ素化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)を、濃度が0.01量%となるように、テトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、潤滑剤層用塗布液を調製した。
得られた潤滑剤層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは0.8nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品2枚、不合格品48枚となった。また、クリーデンスは、不合格品のうち、磁気ディスクの全面をシークする前に測定を終了したものがあるため、平均値を算出することができなかった。
表1に、グライド試験及びクリーデンスの結果を示す。
Figure 2019036370
表1から、実施例1〜5の磁気記録媒体は、グライド試験の合格率が高いことがわかる。さらに、実施例1〜5の磁気記録媒体は、クリーデンスの平均値が小さいことからも、平滑性および清浄度が高い潤滑剤層が形成されていることが示唆される。
これに対して、比較例1、2の磁気記録媒体は、潤滑剤層がフラーレン骨格を有する有機フッ素化合物を含むものの、一般式(1)で表される化合物を含まないため、グライド試験の合格率が低い。
また、比較例3の磁気記録媒体は、潤滑剤層がフラーレン骨格を有さない有機フッ素化合物を含むものの、一般式(1)で表される化合物を含まないため、グライド試験の合格率が低い。
以上の結果は、一般式(1)で表される化合物を含む潤滑剤層の磁気ヘッドの飛行安定性に対する好適性を示すものである。
1 非磁性基板
2 磁性層
3 保護層
4 潤滑剤層
11 磁気記録媒体
101 磁気記録再生装置
123 媒体駆動部
124 磁気ヘッド
126 ヘッド移動部
128 信号処理部
本実施形態の磁気記録媒体および磁気記録再生装置は、高い記録密度と耐久性を示し、かつ製造工程数が削減された磁気記録媒体および磁気記録再生装置を利用する産業において利用可能性がある。

Claims (4)

  1. 非磁性基板上に、磁性層と、保護層と、前記保護層上に接して形成されている潤滑剤層とをこの順で有し、
    前記保護層は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満であり、
    前記潤滑剤層は、有機フッ素化合物を含み、
    前記有機フッ素化合物は、一般式(1)
    Figure 2019036370
    (ただし、FLNは、フラーレン骨格であり、2mn個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、FLNに縮合した1つのシクロプロパン環に結合する基に含まれる2m個のRのうち、少なくとも1個は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、2n個のAは、それぞれ独立に、一般式
    −COO−CH−A−CH
    (式中、Rは、炭素数6〜22の1価の芳香族基であり、Aは、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
    で表される基であり、mは1〜5の整数であり、nは1〜6の整数である。)
    で表される化合物である磁気記録媒体。
  2. 前記有機フッ素化合物が、化学式
    Figure 2019036370
    で表される化合物、化学式
    Figure 2019036370
    で表される化合物、または、化学式
    Figure 2019036370
    で表される化合物であり、
    各化学式において、R におけるp及びqは平均重合度であり、(CFO)と(CFCFO)との順序は任意である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 非磁性基板上に、磁性層と、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満である保護層とをこの順で有する基体に、有機フッ素化合物がフッ素系溶媒に溶解している溶液を塗布することにより、前記保護層上に潤滑剤層を形成する工程を有し、
    前記有機フッ素化合物は、一般式(1)
    Figure 2019036370
    (ただし、FLNは、フラーレン骨格であり、2mn個のRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、FLNに縮合した1つのシクロプロパン環に結合する基に含まれる2m個のRのうち、少なくとも1個は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、2n個のAは、それぞれ独立に、一般式
    −COO−CH−A−CH
    (式中、Rは、炭素数6〜22の1価の芳香族基であり、Aは、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
    で表される基であり、mは1〜5の整数であり、nは1〜6の整数である。)
    で表される化合物であり、
    前記溶液は、前記有機フッ素化合物の濃度が0.0001質量%〜0.1質量%の範囲内である磁気記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、
    前記磁気記録媒体に情報を記録する記録部と、
    前記磁気記録媒体に記録された情報を再生する再生部とからなる磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対移動させるヘッド移動部と、
    前記磁気ヘッドからの記録再生信号を処理する信号処理部とを有する磁気記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112102852A (zh) * 2019-06-17 2020-12-18 昭和电工株式会社 磁记录介质的制造方法
WO2022158501A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 株式会社Moresco パーフルオロポリエーテル化合物、潤滑剤および磁気ディスク

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