JP2019029046A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護層に窒化処理を施さずに、グライド試験の合格率を高くすることが可能な磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に、磁性層2と、保護層3と、保護層3上に接して形成されている潤滑剤層4とをこの順で有する。保護層3は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満である。潤滑剤層4は、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含む。第1の有機フッ素化合物は、一般式(1)で表される化合物である。第2の有機フッ素化合物は、一般式(2−A)で表される化合物、または、一般式(2−B)で表される化合物である。
【選択図】図1
【解決手段】磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に、磁性層2と、保護層3と、保護層3上に接して形成されている潤滑剤層4とをこの順で有する。保護層3は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満である。潤滑剤層4は、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含む。第1の有機フッ素化合物は、一般式(1)で表される化合物である。第2の有機フッ素化合物は、一般式(2−A)で表される化合物、または、一般式(2−B)で表される化合物である。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置に関する。
現在、磁気記録媒体の記録密度は、400kTPIにも到達しており、外径65mmの磁気ディスク1枚の両面に情報を記録すると、記録容量が500GBに達する。今後さらに磁気記録再生装置の記録密度が向上すると言われている。磁気記録再生装置の記録密度を向上させるために最も重要なことは、磁気ヘッドのセンサー部分と磁気記録媒体の記録層との距離(いわゆるスペースロス)を短くすることである。そのため、磁気ヘッド、磁気記録媒体の保護層を薄くすること、磁気ヘッドの飛行高さを低くすることが継続的に検討されてきた。この時、磁気記録媒体の保護層上に形成される潤滑剤層の厚さがスペースロスを招くことが判明しており、潤滑剤層を極力薄くする試みもたゆみなく続けられている。
従来から、磁気記録媒体として、磁気記録媒体用の基板上に記録層等を積層した後、記録層上にカーボン等の保護層を形成し、さらに保護層上に潤滑剤層を形成したものが知られている。保護層は、記録層に記録された情報を保護するとともに、磁気ヘッドの摺動性を高めるものである。
しかしながら、磁気記録媒体の耐久性は十分ではない。
このため、一般に、保護層上に潤滑剤を塗布して潤滑剤層を形成する。保護層上に潤滑剤層を形成することによって、磁気記録再生装置の磁気ヘッドと保護層とが直接接触することを防止することができるとともに、磁気記録媒体上を摺動する磁気ヘッドの摩擦力を著しく低減させることができ、その結果、磁気記録媒体の耐久性が向上する。
磁気記録媒体に使用される潤滑剤としては、パーフルオロポリエーテル基を有する有機フッ素化合物が知られている。
例えば、特許文献1には、化学式
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH・・・(3)
(ただし、p、qは、それぞれ1以上の整数である。)
で表される有機フッ素化合物を保護層上に塗布した磁気記録媒体が開示されている。このような有機フッ素化合物としては、例えば、フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)が挙げられる。
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH・・・(3)
(ただし、p、qは、それぞれ1以上の整数である。)
で表される有機フッ素化合物を保護層上に塗布した磁気記録媒体が開示されている。このような有機フッ素化合物としては、例えば、フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)が挙げられる。
また、特許文献2には、化学式
HOCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2OCH2CH(OH)CH2OH・・・(4)
(ただし、m、nは、整数であり、化学式(4)で表される化合物の数平均分子量は500〜5000である。)
で表される有機フッ素化合物フォンブリンZtetraol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)よりなる潤滑剤層を有する磁気記録媒体が開示されている。
HOCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2OCH2CH(OH)CH2OH・・・(4)
(ただし、m、nは、整数であり、化学式(4)で表される化合物の数平均分子量は500〜5000である。)
で表される有機フッ素化合物フォンブリンZtetraol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)よりなる潤滑剤層を有する磁気記録媒体が開示されている。
上述の有機フッ素化合物は、いずれも2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に、ヒドロキシメチレン基を有することを特徴としている。このため、磁気記録媒体の保護層に潤滑剤を吸着させる際には、保護層と潤滑剤との間に水素結合を形成するために、一般に、保護層に窒化処理を施す必要がある。
特許文献3〜5には、パーフルオロポリエーテル基をフラーレン骨格に付与した有機フッ素化合物からなる潤滑剤が開示されている。具体的には、フラーレンに縮合したシクロプロパン環やピロリジン環を介して、パーフルオロポリエーテル基が付与された有機フッ素化合物からなる潤滑剤が開示されている。このような有機フッ素化合物は、球状のπ共役系であるフラーレン部位を利用して、sp2炭素を含む保護層上への潤滑剤層の形成を実現している。
特許文献3〜5は、耐摩耗性が向上することや、磁気ヘッドによってかき乱された潤滑剤層が平滑性を保ちやすいことが実施例に記載されているものの、実際に潤滑剤を塗布した磁気記録媒体が磁気ヘッドの安定飛行を保証するためのグライド試験に合格するか否かが記載されていない。
なお、特許文献5には、分子中に、フラーレン骨格と、フラーレン骨格に縮合したn個のピロリジン環とを有し、ピロリジン環はm個のパーフルオロポリエーテル鎖を含む基を有するアリール基を1個有し、mは2〜5の整数であり、nは1〜5の整数であるフラーレン誘導体が開示されている。
一般に、磁気記録媒体の保護層上に潤滑剤層を形成することは、磁気記録再生装置の磁気ヘッドと保護層とが直接接触することを防止することができるとともに、磁気記録媒体上を摺動する磁気ヘッドの摩擦力を著しく低減させることができ、耐久性を向上させることができるため、磁気記録再生装置の構成に不可欠である。一方、磁気記録媒体の保護層上に潤滑剤を単に付着させるだけでは、経時によって潤滑剤層が剥がれ落ちてしまい、磁気記録媒体の耐摩耗性や耐久性を維持することができない。
そこで、磁気記録媒体の保護層上に潤滑剤を吸着させる必要がある。この吸着を実現するために、保護層と潤滑剤の間に作用する水素結合が利用されている。この水素結合は、例えば、窒化処理を施した保護層とヒドロキシ基を含む潤滑剤の組み合わせによって形成される。
一般に、潤滑剤の吸着に不可欠な窒化処理を施した保護層は、水などに対する耐腐食性が低下することが知られている。これは、炭素原子を主成分とする保護層に、電気陰性度が大きい窒素原子が加わることが原因である。
また、保護層への窒化処理は、薄膜である保護層の下に存在する磁性層にも影響しうる。これは、保護層への窒化処理が10eVオーダーのエネルギーを有しうるプラズマ照射により実施され、電場バイアスによりプラズマを保護層に引き付ける際に、プラズマの一部が磁性層に到達することが不可避であるためである。このため、保護層への窒化処理を省略することができれば、磁気記録再生装置の電磁変換特性が向上する。
さらに、保護層への窒化処理を省略した磁気記録媒体を実用化することができると、磁気記録再生装置の製造工程数を減少させることにより、生産コストを削減することが可能となる。
以上のような利点を実現するためには、窒化処理を施していない保護層に吸着することが可能な潤滑剤を用い、かつ、磁気記録再生装置として使用することが可能であることを保証するために、磁気ヘッドの安定飛行を判定するグライド試験の合格率を高くする必要がある。
本発明の一態様は、上記のような事情を鑑み、保護層に窒化処理を施さずに、グライド試験の合格率を高くすることが可能な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下に示す構成を備えるものである。
[1]非磁性基板上に、磁性層と、保護層と、前記保護層上に接して形成されている潤滑剤層とをこの順で有し、前記保護層は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満であり、前記潤滑剤層は、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含み、前記第1の有機フッ素化合物は、一般式
Ar1−O−CH2−A1−CH2−O−・・・(A)
(式中、Ar1は炭素数6〜22のアリール基であり、A1は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、一般式
Ar2−COO−CH2−A2−CH2−OCO−・・・(B)
(式中、Ar2は、炭素数6〜22のアリール基であり、A2は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、または、一般式
A3−CH2−O−・・・(C)
(式中、A3は、1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは2〜5の整数であり、nは1〜5の整数である。)
で表される化合物であり、前記第2の有機フッ素化合物は、一般式
Ar3−COO−CH2−A4−CH2−OCO−Ar4・・・(2−A)
(ただし、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A4は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物、または、一般式
Ar5−O−CH2−A5−CH2−O−Ar6・・・(2−B)
(ただし、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A5は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物である磁気記録媒体。
[2]前記A1、前記A2、前記A3、前記A4および前記A5は、それぞれ独立に、一般式
−(CF2)xO−
(ただし、xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有する[1]に記載の磁気記録媒体。
[3]前記第1の有機フッ素化合物が、化学式
[5]非磁性基板上に、磁性層と、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満である保護層とをこの順で有する基体に、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物がフッ素系溶媒に溶解している溶液を塗布することにより、前記保護層上に潤滑剤層を形成する工程を有し、前記第1の有機フッ素化合物は、一般式
Ar1−O−CH2−A1−CH2−O−・・・(A)
(式中、Ar1は、炭素数6〜22のアリール基であり、A1は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、一般式
Ar2−COO−CH2−A2−CH2−OCO−・・・(B)
(式中、Ar2は、炭素数6〜22のアリール基であり、A2は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、または、一般式
A3−CH2−O−・・・(C)
(式中、A3は、1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは2〜5の整数であり、nは1〜5の整数である。)
で表される化合物であり、前記第2の有機フッ素化合物は、一般式
Ar3−COO−CH2−A4−CH2−OCO−Ar4・・・(2−A)
(ただし、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A4は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物、または、一般式
Ar5−O−CH2−A5−CH2−O−Ar6・・・(2−B)
(ただし、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A5は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物であり、前記溶液は、前記第1の有機フッ素化合物および前記第2の有機フッ素化合物の濃度が、それぞれ独立に、0.0001質量%〜0.1質量%の範囲内である磁気記録媒体の製造方法。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に情報を記録する記録部と、前記磁気記録媒体に記録された情報を再生する再生部とからなる磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対移動させるヘッド移動部と、前記磁気ヘッドからの記録再生信号を処理する信号処理部とを有する磁気記録再生装置。
本発明の一態様によれば、保護層に窒化処理を施さずに、グライド試験の合格率を高くすることが可能な磁気記録媒体を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて、その構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かり易くするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合がある。各構成要素の寸法比率等は、一例であって、本発明は、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
以下、本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体について図面を用いて説明する。
(磁気記録媒体)
図1に、本発明の一実施形態である磁気記録媒体の一例を示す。
図1に、本発明の一実施形態である磁気記録媒体の一例を示す。
磁気記録媒体11は、非磁性基板1上に、磁性層2と、保護層3と、保護層上に接して形成されている潤滑剤層4とをこの順で有する。
なお、磁気記録媒体11においては、非磁性基板1と磁性層2との間に、密着層と、軟磁性下地層と、シード層と、配向制御層とがこの順で積層されていてもよい。
以下では、非磁性基板1と磁性層2との間に、密着層と、軟磁性下地層と、シード層と、配向制御層とがこの順で積層されている構成を例に挙げて説明する。
ここで、密着層、軟磁性下地層、シード層、配向制御層は、必要に応じて設けられるものであり、これらのうちの一部または全部は設けられていなくてもよい。
(非磁性基板)
非磁性基板1としては、AlまたはAl合金などの金属または合金材料からなる基板上に、NiPまたはNiP合金、その他のアモルファス金属からなる膜が形成されたものなどを用いることができる。
非磁性基板1としては、AlまたはAl合金などの金属または合金材料からなる基板上に、NiPまたはNiP合金、その他のアモルファス金属からなる膜が形成されたものなどを用いることができる。
また、非磁性基板1としては、ガラス、石英、セラミックス、シリコンなどの非金属材料からなるものを用いてもよいし、非金属材料からなる基板上にアモルファス金属膜を形成したものを用いてもよい。
(密着層)
密着層は、非磁性基板1と、密着層上に設けられる軟磁性下地層とを接して配置した場合における非磁性基板1の腐食の進行を防止するものである。
密着層は、非磁性基板1と、密着層上に設けられる軟磁性下地層とを接して配置した場合における非磁性基板1の腐食の進行を防止するものである。
密着層を構成する材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金などが挙げられる。
密着層の厚みは、2nm以上であることが好ましく、2〜10nmであることがより好ましい。これにより、密着層を設けることによる効果が十分に得られる。
(軟磁性下地層)
軟磁性下地層は、第1軟磁性膜と、Ru膜からなる中間層と、第2軟磁性膜とが順に積層された構造を有していることが好ましい。すなわち、軟磁性下地層は、2層の軟磁性膜の間にRu膜からなる中間層を挟み込むことによって、中間層の上下の軟磁性膜がアンチ・フェロ・カップリング(AFC)結合した構造を有していることが好ましい。これにより、外部からの磁界に対する耐性、並びに、垂直磁気記録方式に特有の問題であるWATE(Wide Area Tack Erasure)現象に対する耐性を高めることができる。
軟磁性下地層は、第1軟磁性膜と、Ru膜からなる中間層と、第2軟磁性膜とが順に積層された構造を有していることが好ましい。すなわち、軟磁性下地層は、2層の軟磁性膜の間にRu膜からなる中間層を挟み込むことによって、中間層の上下の軟磁性膜がアンチ・フェロ・カップリング(AFC)結合した構造を有していることが好ましい。これにより、外部からの磁界に対する耐性、並びに、垂直磁気記録方式に特有の問題であるWATE(Wide Area Tack Erasure)現象に対する耐性を高めることができる。
軟磁性下地層の厚みは、15〜80nmの範囲であることが好ましく、20〜50nmの範囲であることが更に好ましい。軟磁性下地層の厚みが15nm以上であると、磁気ヘッドからの磁束を十分に吸収することができ、書き込みが十分となり、磁気記録媒体11の記録再生特性が向上する。一方、軟磁性下地層の厚みが80nm以下であると、磁気記録媒体11の生産性が向上する。
第1および第2軟磁性膜は、CoFe合金からなるものであることが好ましい。これにより、磁気記録媒体11の高い飽和磁束密度Bs(1.4T以上)を実現することができる。
また、第1および第2軟磁性膜に使用されるCoFe合金には、Zr、Ta、Nb、Bの何れかを添加することが好ましい。これにより、第1および第2軟磁性膜の非晶質化が促進され、シード層の配向性を向上させることが可能になるとともに、磁気ヘッドの浮上量を低減することが可能になる。
(シード層)
シード層は、その上に設けられる配向制御層および磁性層2の配向や結晶サイズを制御するためのものである。具体的には、磁気ヘッドから発生する磁束の基板面に対する垂直方向成分を大きくするとともに、磁性層2の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定するために、シード層が設けられる。
シード層は、その上に設けられる配向制御層および磁性層2の配向や結晶サイズを制御するためのものである。具体的には、磁気ヘッドから発生する磁束の基板面に対する垂直方向成分を大きくするとともに、磁性層2の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定するために、シード層が設けられる。
シード層は、NiW合金からなるものであることが好ましい。
シード層を構成するNiW合金に、必要に応じて、B、Mn、Ru、Pt、Mo、Taなどの他の元素を添加してもよい。
シード層の厚みは、2〜20nmの範囲であることが好ましい。シード層の厚みが2nm以上であると、シード層を設けたことによる効果が十分に得られる。一方、シード層の厚みが20nm以下であると、磁性層2の結晶サイズを良好に制御することができる。
(配向制御層)
配向制御層は、磁性層2の配向が良好なものとなるように制御するものである。
配向制御層は、磁性層2の配向が良好なものとなるように制御するものである。
配向制御層は、Ru又はRu合金からなるものであることが好ましい。
配向制御層の厚みは、5〜30nmの範囲であることが好ましい。配向制御層の厚みを5nm以上とすることで、磁性層2の配向を良好に制御することができる。一方、配向制御層の厚みを30nm以下とすることで、磁気ヘッドと軟磁性下地層との間の距離が小さいものとなり、磁気ヘッドからの磁束を急峻にすることができる。
配向制御層は、1層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。配向制御層が複数層からなるものである場合、各層を構成する材料が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(磁性層)
磁性層2は、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いている。
磁性層2は、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いている。
磁性層2は、CoとPtを含むものであり、SNR特性を改善するために、酸化物や、Cr、B、Cu、Ta、Zrなどを更に含むものであってもよい。
磁性層2に含まれる酸化物としては、例えば、B2O3、SiO2、SiO、Cr2O3、CoO、Ta2O3、TiO2などが挙げられる。
磁性層2は、1層からなるものであってもよいし、組成の異なる複数層からなるものであってもよい。
例えば、磁性層2が第1磁性層と第2磁性層と第3磁性層の3層からなるものである場合、第1磁性層は、Co、Cr、Ptを含み、さらに酸化物を含む材料からなるグラニュラー構造のものであることが好ましい。
第1磁性層に含まれる酸化物としては、例えば、Cr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物が挙げられる。その中でも、TiO2、Cr2O3、SiO2などが好適に用いられる。
また、第1磁性層は、酸化物を2種以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。
第1磁性層に含まれる複合酸化物としては、Cr2O3−SiO2、Cr2O3−TiO2、SiO2−TiO2などが好適に用いられる。
第1磁性層は、Co、Cr、Pt、酸化物の他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種以上の元素を含むことができる。これにより、第1磁性層に含まれる磁性粒子の微細化を促進させる、または、第1磁性層の結晶性や配向性を向上させることができ、高密度記録に適した磁気記録媒体11の記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
第2磁性層には、第1磁性層と同様の材料を用いることができる。第2磁性層は、グラニュラー構造のものであることが好ましい。
また、第3磁性層は、Co、Cr、Ptを含み、酸化物を含まない材料からなる非グラニュラー構造のものであることが好ましい。
第3磁性層は、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Ru、Mnの中から選ばれる1種以上の元素を含むことができる。これにより、第3磁性層に含まれる磁性粒子の微細化を促進させる、または、第3磁性層の結晶性や配向性を向上させることができ、高密度記録に適した磁気記録媒体11の記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができる。
磁性層2の厚みは、5〜25nmとすることが好ましい。磁性層2の厚みが5nm以上であると、十分な再生出力が得られ、熱揺らぎ特性も向上する。一方、磁性層2の厚みが25nm以下であると、磁性層2中の磁性粒子の微細化を促進させ、磁気記録媒体11に情報を記録する、または、磁気記録媒体に記録された情報を再生する時のノイズが減少し、信号/ノイズ比(S/N比)や記録特性(OW)に代表される磁気記録媒体11の記録再生特性が向上する。
なお、磁性層2が複数層からなる場合、磁性層2の厚みとは、複数層の全体の厚みをいう。
また、磁性層2が複数層からなるものである場合、隣接する磁性層の間には、非磁性層を適度な厚みで設けることが好ましい。これにより、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができ、磁気記録媒体11のS/N比を向上させることができる。
例えば、磁性層2が第1磁性層と第2磁性層と第3磁性層の3層からなる場合、第1磁性層と第2磁性層との間と、第2磁性層と第3磁性層との間に、非磁性層を設けることが好ましい。
非磁性層を構成する材料としては、例えば、Ru、Ru合金、CoCr合金、CoCrX1合金(ただし、X1は、Pt、Ta、Zr、Re、Ru、Cu、Nb、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、W、Mo、Ti、V、Zr、Bの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素である。)などが挙げられる。
また、非磁性層を構成する合金は、酸化物、金属窒化物または金属炭化物をさらに含むことが好ましい。
酸化物としては、例えば、SiO2、Al2O3、Ta2O5、Cr2O3、MgO、Y2O3、TiO2、B2O3などが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、AlN、Si3N4、TaN、CrNなどが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、TaC、BC、SiCなどが挙げられる。
非磁性層の厚みは、0.1〜1nmとすることが好ましい。これにより、磁気記録媒体11のS/N比を向上させることができる。
また、磁性層2は、高い記録密度を実現するために、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向を向いた垂直磁気記録の磁性層であることが好ましいが、面内磁気記録の磁性層であってもよい。
(保護層)
保護層3は、記録層2を保護するためのものである。
保護層3は、記録層2を保護するためのものである。
保護層3は、一層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよい。
保護層3は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含むものである。
一般には、保護層は、窒素等が含まれている。これは、保護層に潤滑剤を保持する方法として、潤滑剤にヒドロキシ基を導入し、保護層に窒素原子を導入することにより、極性を持たせて水素結合を形成するからである。
本実施形態においては、保護層3上に形成されている潤滑剤層4は、フラーレンを含む第1の有機フッ素化合物が球状のπ共役系を有するとともに、フラーレンを含まない第2の有機フッ素化合物が芳香環によるπ共役系を有するから、保護層3中の炭素との結合力を高くすることができる。
したがって、本実施形態において、保護層3は、窒素原子を本質的に必要としないため、窒素原子の含有量を1原子%未満とすることが可能となる。
ここで、保護層3中の窒素原子の含有量は、X線光電子分光法を用いて測定することができる。
保護層3の厚みは、1nm〜10nmの範囲内とすることが好ましい。保護層3の厚みが1nm以上であると、記録層2を保護する効果が十分となる。一方、保護層3の厚みが10nm以下であると、磁気記録媒体11を備える磁気記録再生装置における磁気的スペーシングを十分に低減することができ、磁気記録媒体11の記録密度を向上させるとともに、耐久性を向上させることができる。
一般に、保護層に窒素原子を導入すると、窒素原子の電気陰性度が炭素原子の電気陰性度よりも大きいため、保護層の極性が上昇し、親水性の汚染物質の影響を受けやすくなる。
一方、本実施形態においては、保護層3に窒素原子を導入する必要がない、即ち、窒化処理が不要であるので、磁気記録媒体11の耐久性を向上させることができる上、工程数を削減することもできる。
(潤滑剤層)
潤滑剤層4は、磁気記録媒体11の汚染を防止するとともに、磁気記録媒体11上を摺動する磁気記録再生装置の磁気ヘッドの摩擦力を低減させて、磁気記録媒体11の耐久性を向上させるためのものである。
潤滑剤層4は、磁気記録媒体11の汚染を防止するとともに、磁気記録媒体11上を摺動する磁気記録再生装置の磁気ヘッドの摩擦力を低減させて、磁気記録媒体11の耐久性を向上させるためのものである。
潤滑剤層4は、保護層3上に接して形成されており、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含む。
第1の有機フッ素化合物は、一般式
Ar1−O−CH2−A1−CH2−O−・・・(A)
(式中、Ar1は、炭素数6〜22のアリール基であり、A1は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、一般式
Ar2−COO−CH2−A2−CH2−OCO−・・・(B)
(式中、Ar2は、炭素数6〜22のアリール基であり、A2は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、または、一般式
A3−CH2−O−・・・(C)
(式中、A3は、1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは2〜5の整数であり、nは1〜5の整数である。)
で表される化合物である。
すなわち、第1の有機フッ素化合物は、分子中に、フラーレン骨格と、フラーレン骨格に3位および4位で縮合したn個のピロリジン環とを有し、ピロリジン環は、m個のパーフルオロポリエーテル鎖を有するアリール基を1個有する。
R1は、メチル基であることが好ましい。
R2は、直鎖基であることが好ましい。
FLNは、C60フラーレン骨格であることが好ましい。
Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、フェニル基またはナフチル基であることが好ましい。
A1、A2及びA3は、それぞれ独立に、一般式
−(CF2)xO−
(ただし、xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有することが好ましく、一般式
−(CF2CF2O)y(CF2O)z−
(ただし、yおよびzは、それぞれ独立に、1〜50である。)
で表される基であることがさらに好ましい。
−(CF2)xO−
(ただし、xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有することが好ましく、一般式
−(CF2CF2O)y(CF2O)z−
(ただし、yおよびzは、それぞれ独立に、1〜50である。)
で表される基であることがさらに好ましい。
第1の有機フッ素化合物、即ち、一般式(1)の化合物の具体例としては、いずれも後述するが、一般式(A)のR2を有する化合物1(C1)、一般式(B)のR2を有する化合物3(C3)、一般式(C)のR2を有する化合物4(C4)などが挙げられる。
なお、第1の有機フッ素化合物は、特許文献5に記載されている合成法により合成することができる。
第2の有機フッ素化合物は、一般式
Ar3−COO−CH2−A4−CH2−OCO−Ar4・・・(2−A)
(ただし、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A4は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物、または、一般式
Ar5−O−CH2−A5−CH2−O−Ar6・・・(2−B)
(ただし、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A5は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物である。
Ar3−COO−CH2−A4−CH2−OCO−Ar4・・・(2−A)
(ただし、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A4は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物、または、一般式
Ar5−O−CH2−A5−CH2−O−Ar6・・・(2−B)
(ただし、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A5は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物である。
Ar3〜Ar6は、それぞれ独立に、フェニル基またはナフチル基であることが好ましい。
A4及びA5は、一般式
−(CF2)xO−
(ただし、xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有することが好ましく、一般式
−(CF2CF2O)y(CF2O)z−
(ただし、yおよびzは、それぞれ独立に、1〜50である。)
で表される基であることがさらに好ましい。
−(CF2)xO−
(ただし、xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有することが好ましく、一般式
−(CF2CF2O)y(CF2O)z−
(ただし、yおよびzは、それぞれ独立に、1〜50である。)
で表される基であることがさらに好ましい。
第2の有機フッ素化合物の具体例としては、いずれも後述するが、一般式(2−A)の化合物としての、化合物2(C2)、化合物5(C5)、一般式(2−B)の化合物としての、化合物6(C6)などが挙げられる。
なお、第2の有機フッ素化合物のうち、一般式(2−A)で表される有機フッ素化合物は、既存の末端にヒドロキシ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を塩基存在下で酸塩化物と反応させ、エステル化することによって、合成することができる。また、一般式(2−B)で表される有機フッ素化合物は、既存の末端にヒドロキシ基を有するパーフルオロポリエーテル化合物に塩基を作用させ、脱プロトン化させることによって生成するアルコキシド種を、銅触媒存在下でハロゲン化アリールとカップリング反応させることによって、合成することができる。
潤滑剤層4の主成分の1つとして、フラーレン骨格を有する第1の有機フッ素化合物を用いる。第1の有機フッ素化合物は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含む保護層3との相互作用によって吸着することができる。フラーレンは、球状に配列した炭素原子により構成される炭素の分子状同素体であり、π共役系を有するため、炭素原子または炭素原子と水素原子からなる保護層3との相互作用を強めることができる。
通常、フラーレンやその誘導体の多くは、一般的な溶媒に溶けにくいので、磁気記録媒体11の表面に塗布するのが困難である。
しかしながら、第1の有機フッ素化合物は、フッ素系溶媒に可溶である。これにより、潤滑剤層4の厚みを薄くしても、高い被覆率で保護層3の表面を被覆することができる。すなわち、第1の有機フッ素化合物を用いることで、炭素または炭素と水素からなる保護層3との相互作用を強めることと、潤滑剤層4の厚みを薄くしても、高い被覆率で保護層3の表面を被覆することとを同時に実現することができる。
また、潤滑剤層4の第1の有機フッ素化合物とは異なる成分として、鎖状のパーフルオロポリエーテル基の末端に芳香環を有する第2の有機フッ素化合物を用いる。第2の有機フッ素化合物も炭素原子または炭素原子と水素原子を含む保護層3との相互作用によって吸着することができる。
このような潤滑剤層4は、後述する、第1の有機フッ素化合物及び第2の有機フッ素化合物を含む潤滑剤層用塗布液を基体の表面に塗布することにより、形成することができる。このような潤滑剤層用塗布液を用いることにより、第1の有機フッ素化合物を単独で用いた場合に不足してしまう潤滑剤層4の流動性を高めることで、磁気ヘッドの摺動性を高め、グライド試験に合格する水準のヘッド飛行安定性を確保することができる。
一方、潤滑剤として、第2の有機フッ素化合物を単独で用いた場合は、粘度が比較的低いことから、第2の有機フッ素化合物が磁気ヘッドに付着しやすい傾向がある。このため、長時間に及ぶヘッド飛行安定性を確保しにくいという問題が生じる。
潤滑剤層4の平均厚みは、0.6nm(6Å)〜1.5nm(15Å)の範囲内とすることが好ましく、0.8nm〜1.2nmの範囲内とすることが特に好ましい。潤滑剤層4の平均厚みを0.6nm以上とすることにより、均一な厚みで保護層3の表面を高い被覆率で被覆することができる。また、潤滑剤層4の平均厚みを1.5nm以下とすることにより、磁気ヘッドの浮上量を十分小さくして、磁気記録媒体11の記録密度を高くすることができる。
保護層3の表面が潤滑剤層4によって十分に高い被覆率で被覆されていない場合、磁気記録媒体11の表面に吸着した、イオン性不純物などの汚染物質を生成させる環境物質を含む水が、潤滑剤層4の隙間を通り抜けて、潤滑剤層4の下に侵入する。その結果、潤滑剤層4の下層に侵入した環境物質は、潤滑剤層4の下に隠されていた微少なイオン成分を凝集させてイオン性の汚染物質が生成する。そして、磁気記録媒体11に情報を記録する、または、磁気記録媒体11に記録された情報を再生する際に、凝集した汚染物質が磁気ヘッドに付着(転写)して、磁気ヘッドが破損したり、磁気記録再生装置の磁気記録再生特性を低下させたりする。このような潤滑剤層4の隙間からの環境物質の侵入に起因する問題は、磁気記録媒体11を高温条件下で保持した場合、より顕著に現れる。
汚染物質を生成させる環境物質としては、例えば、イオン性不純物が挙げられる。
イオン性不純物に含まれる金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
イオン性不純物に含まれる無機イオンとしては、例えば、ケイ素イオン、塩化物イオン、炭酸水素イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、アンモニアイオン、シュウ酸イオン、蟻酸イオンなどが挙げられる。
次に、磁気記録媒体11の製造方法を説明する。
まず、非磁性基板1上に、磁性層2と、保護層3とを、この順で有する基体を作製する。
基体を作製する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、前述した密着層、軟磁性下地層、シード層、配向制御層、磁性層2の成膜方法としては、スパッタリング法などを用いることができる。
また、保護層3の成膜方法としては、カーボンターゲット材を用いるスパッタ法、エチレンやトルエンなどの炭化水素原料を用いるCVD(化学蒸着法)法、IBD(イオンビーム蒸着)法などを用いることができる。
次に、基体の表面に潤滑剤層用塗布液を塗布する。
潤滑剤層用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布が好ましい。
具体的には、潤滑剤層用塗布液が入れられた浸漬塗布装置の浸漬槽中に基体を浸漬した後、浸漬槽から基体を一定の速度で引き上げることにより、保護層3上に潤滑剤層4を形成する。このとき、引き上げる気液界面でフッ素系溶媒が蒸発し、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物が均一に塗布され、均一に混合した潤滑剤層4が形成される。
潤滑剤層用塗布液としては、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物が溶解している溶液を用いる。
溶液中の第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物の濃度は、それぞれ独立に、0.0001質量%〜0.1質量%の範囲内であり、0.001質量%〜0.05質量%の範囲内であることが好ましい。溶液中の第1の有機フッ素化合物または第2の有機フッ素化合物の濃度が0.0001質量%未満であると、必要な厚みの潤滑剤層4を形成することができなくなり、0.1質量%を超えると、潤滑剤層4が必要以上に厚くなり、磁気記録媒体11の記録密度を損なう。
また、溶液中の第1の有機フッ素化合物に対する第2の有機フッ素化合物の質量比は、0.001〜1000であることが好ましく、0.1〜100であることがより好ましく、3〜30であることがさらに好ましい。
フッ素系溶媒の市販品としては、例えば、PF−5060(テトラデカフルオロヘキサン)(3M社製)などが挙げられる。
(磁気記録再生装置)
図2に、本発明の一実施形態である磁気記録再生装置の一例を示す。
図2に、本発明の一実施形態である磁気記録再生装置の一例を示す。
磁気記録再生装置101は、磁気記録媒体11(図1参照)と、磁気記録媒体11を記録方向に駆動する媒体駆動部123と、磁気ヘッド124と、磁気ヘッド124を磁気記録媒体11に対して相対運動させるヘッド移動部126と、磁気ヘッド124からの記録再生信号を処理する信号処理部128とを有する。磁気ヘッド123は、磁気記録媒体に情報を記録する記録部と、磁気記録媒体に記録された情報を再生する再生部からなる。
磁気ヘッド124の素子部(再生部)をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、記録密度が高くても、十分な信号強度を得ることができ、記録密度が高い磁気記録再生装置を実現することができる。
また、磁気ヘッド124の浮上量を0.005μm(5nm)〜0.020μm(20nm)で浮上させた場合には、出力が向上して高いSNRが得られ、記録容量が大きく、信頼性が高い磁気記録再生装置とすることができる。
磁気記録再生装置101は、磁気記録媒体11上に存在する汚染物質が少ない磁気記録媒体11を有しているので、磁気記録媒体11上に存在する汚染物質が、磁気記録再生装置101の磁気ヘッド124に転写されて、記録再生特性が低下したり、浮上安定性が損なわれたりすることが防止されたものとなる。したがって、磁気記録再生装置101は、安定した磁気記録再生特性を有するものとなる。
また、磁気記録再生装置101は、窒化処理が施されていない保護層を有する磁気記録媒体11を備えるため、窒化処理によって損なわれていた保護層の耐久性や磁性層の性能が向上する。その結果、磁気記録再生装置101は、優れた電磁変換特性と耐久性を有する。また、磁気記録再生装置101の製造工程数も、従来と比較して、減少する。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
(保護層中の窒素原子の含有量)
XPS装置PHI Quantera II(登録商標)(アルバック・ファイ社製)を用いて、保護層中の窒素原子の含有量を測定した。
XPS装置PHI Quantera II(登録商標)(アルバック・ファイ社製)を用いて、保護層中の窒素原子の含有量を測定した。
(潤滑剤層の平均厚み)
フーリエ変換赤外分光光度計Nicolet iS50(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて、高感度反射法により、赤外吸収スペクトルのC−F結合の伸縮振動エネルギーに相当する吸収ピークの強度を測定し、潤滑剤層の平均厚みを求めた。このとき、各潤滑剤層について、4点ずつ厚みを測定し、その平均値を平均厚みとした。
フーリエ変換赤外分光光度計Nicolet iS50(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて、高感度反射法により、赤外吸収スペクトルのC−F結合の伸縮振動エネルギーに相当する吸収ピークの強度を測定し、潤滑剤層の平均厚みを求めた。このとき、各潤滑剤層について、4点ずつ厚みを測定し、その平均値を平均厚みとした。
(グライド試験)
磁気記録媒体に対し、AEセンサーを付けた磁気ヘッドを、通常の磁気ヘッドの飛行高さよりも低い高さで飛行させて、表面の突起物を検出する試験をグライド試験という。磁気ヘッドの飛行高さは、通常、7〜10nmであるが、グライド試験では、磁気ヘッドの飛行高さを4〜7nmとする。磁気記録媒体の全面に亘って、かつ、カバー率が200%以上となるように、磁気ヘッドをシークさせ、突起物が一点でも観測されると、不合格となる。また、グライド試験は、磁気ヘッドの飛行安定性も同時に評価している。磁気ヘッドの飛行が不安定になると、ノイズが大きくなるが、基本ノイズの大きさを計測して、一定の閾値を用いて、全面において閾値以下であったものを合格とした。
磁気記録媒体に対し、AEセンサーを付けた磁気ヘッドを、通常の磁気ヘッドの飛行高さよりも低い高さで飛行させて、表面の突起物を検出する試験をグライド試験という。磁気ヘッドの飛行高さは、通常、7〜10nmであるが、グライド試験では、磁気ヘッドの飛行高さを4〜7nmとする。磁気記録媒体の全面に亘って、かつ、カバー率が200%以上となるように、磁気ヘッドをシークさせ、突起物が一点でも観測されると、不合格となる。また、グライド試験は、磁気ヘッドの飛行安定性も同時に評価している。磁気ヘッドの飛行が不安定になると、ノイズが大きくなるが、基本ノイズの大きさを計測して、一定の閾値を用いて、全面において閾値以下であったものを合格とした。
(実施例1)
外径65mmの洗浄済みのガラス基板(HOYA社製)を、DCマグネトロンスパッタ装置C−3040(アネルバ社製)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
外径65mmの洗浄済みのガラス基板(HOYA社製)を、DCマグネトロンスパッタ装置C−3040(アネルバ社製)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
その後、このガラス基板の上に、スパッタリング法により、CrTiターゲットを用いて厚み10nmの密着層を成膜した。
次いで、密着層の上に、スパッタリング法により、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Feの含有量20原子%、Zrの含有量5原子%、Taの含有量5原子%、残部Co}のターゲットを用いて、100℃以下の基板温度で、厚み25nmの第1軟磁性層を成膜した。さらに、第1軟磁性層の上に、厚み0.7nmのRuからなる中間層と、厚み25nmのCo−20Fe−5Zr−5Taからなる第2軟磁性層とを成膜し、軟磁性下地層を形成した。
次に、軟磁性下地層の上に、スパッタリング法により、Ni−6W{Wの含有量6原子%、残部Ni}ターゲットを用いて、厚み5nmのシード層を成膜した。その後、シード層の上に、スパッタリング法により、第1の配向制御層として、スパッタ圧力を0.8Paとして、厚み10nmのRu層を成膜した。次に、第1の配向制御層上に、スパッタリング法により、第2の配向制御層として、スパッタ圧力を1.5Paとして、厚み10nmのRu層を成膜した。
続いて、第2の配向制御層の上に、スパッタリング法により、スパッタ圧力を2Paとして、91(Co15Cr16Pt)−6(SiO2)−3(TiO2){Crの含有量15原子%、Ptの含有量16原子%、残部Coの合金の含有量91mol%、SiO2の含有量6mol%、TiO2の含有量3mol%}からなる厚み9nmの第1磁性層を成膜した。
次に、第1磁性層の上に、スパッタリング法により、スパッタ圧力を2Paとして、88(Co30Cr)−12(TiO2){Crの含有量30原子%、残部Coの合金の含有量88mol%、TiO2の含有量12mol%}からなる厚み0.3nmの非磁性層を成膜した。その後、非磁性層の上に、スパッタリング法により、92(Co11Cr18Pt)−5(SiO2)−3(TiO2){Crの含有量11原子%、Ptの含有量18原子%、残部Coの合金の含有量92mol%、SiO2の含有量5mol%、TiO2の含有量3mol%}からなる厚み6nmの第2磁性層を成膜した。
その後、第2磁性層の上に、スパッタリング法により、Ruからなる厚み0.3nmの非磁性層を成膜した。次いで、非磁性層の上に、スパッタリング法により、Co−20Cr−14Pt−3B{Crの含有量20原子%、Ptの含有量14原子%、Bの含有量3原子%、残部Co}からなるターゲットを用いて、スパッタ圧力を0.6Paとして、厚み7nmの第3磁性層を成膜した。次に、CVD法により、炭素と水素からなる厚み2nmの保護層を成膜し、基体を作製した。
保護層は、水素原子の含有量が約15原子%であり、窒素原子の含有量が1原子%未満であった。
次に、浸漬塗布法を用いて、保護層上に潤滑剤を塗布した。具体的には、まず、化学式
ここで、化合物1の合成法は、特許文献5に記載されている。また、化合物2は、数平均分子量(Mn)約1300の有機フッ素化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)を、ジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下で、1−ナフトイルクロリドを用いてエステル化することにより、合成することができる。
次に、150℃で10分間空気中で焼成した後、低圧水銀灯EUV200US−A2(SEN特殊光源社製)を用いて、波長185nmおよび254nmの紫外線を8秒間照射し、磁気ディスクを作製した。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品47枚、不合格品3枚となった。
(実施例2)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、化学式
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、化学式
ここで、化合物3の合成法は、特許文献5に記載されている。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品49枚、不合格品1枚となった。
(実施例3)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、化学式
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1の代わりに、化学式
ここで、化合物4の合成法は、特許文献5に記載されている。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品45枚、不合格品5枚となった。
(実施例4)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物2の代わりに、化学式
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物2の代わりに、化学式
ここで、化合物5は、数平均分子量(Mn)約1300の有機フッ素化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)を、ジクロロメタン中、トリエチルアミンの存在下で、塩化ベンゾイルを用いてエステル化することにより、合成することができる。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品44枚、不合格品6枚となった。
(実施例5)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物2の代わりに、化学式
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物2の代わりに、化学式
ここで、化合物6は、数平均分子量(Mn)約1300の有機フッ素化合物フォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製)を、炭酸セシウムで脱プロトンすることによって生じるアルコキシド種に対し、ヨウ化銅(I)および2−シクロヘキサノンカルボン酸エチルからなる触媒の存在下で、溶媒を用いずに、1−ヨードナフタレンとカップリング反応を進行させることにより、合成することができる。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品47枚、不合格品3枚となった。
(比較例1)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物2を添加せず、化合物3の濃度を0.0016質量%とした以外は、実施例2と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.1nmであった。
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物2を添加せず、化合物3の濃度を0.0016質量%とした以外は、実施例2と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.1nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品22枚、不合格品28枚となった。
(比較例2)
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1を添加せず、化合物2の濃度を0.015質量%とした以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.0nmであった。
潤滑剤層用塗布液を調製する際に、化合物1を添加せず、化合物2の濃度を0.015質量%とした以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは1.0nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品4枚、不合格品46枚となった。
(比較例3)
化学式(3)
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH・・・(3)
(ただし、p、qは、それぞれ1以上の整数である。)
で表されるフォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製、数平均分子量2000)を、濃度が0.01量%となるように、テトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、潤滑剤層用塗布液を調製した。
化学式(3)
HOCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2OH・・・(3)
(ただし、p、qは、それぞれ1以上の整数である。)
で表されるフォンブリンZdol(ソルベイスペシャルティポリマーズ社製、数平均分子量2000)を、濃度が0.01量%となるように、テトラデカフルオロヘキサンに溶解させ、潤滑剤層用塗布液を調製した。
得られた潤滑剤層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気ディスクを作製した。このとき、潤滑剤層の平均厚みは0.8nmであった。
磁気ディスク50枚のグライド試験を実施したところ、合格品0枚、不合格品50枚となった。
表1に、グライド試験の結果を示す。
これに対して、比較例1、2の磁気記録媒体は、潤滑剤層が第1の有機フッ素化合物または第2の有機フッ素化合物を含まないため、グライド試験の合格率が低い。
また、比較例3の磁気記録媒体は、潤滑剤層が第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含まないため、グライド試験の合格率が低い。このことから、窒化処理が施されていない保護層を有する磁気記録媒体を用いて、グライド試験の合格率を高くすることは、従来より磁気記録媒体に使用されてきた潤滑剤では発現できない特性であることがわかる。
以上の結果は、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含む潤滑剤層の、ヘッド飛行安定性に対する好適性を示すものである。
なお、実施例1〜3の磁気記録媒体のグライド試験の合格率の対比から、化合物3は、化合物1、4よりも、第1の有機フッ素化合物として好適であることが示唆される。
また、実施例2、4、5の磁気記録媒体のグライド試験の合格率の対比から、化合物2は、化合物5、6よりも、第2の有機フッ素化合物として好適であることが示唆される。
1 非磁性基板
2 磁性層
3 保護層
4 潤滑剤層
11 磁気記録媒体
101 磁気記録再生装置
123 媒体駆動部
124 磁気ヘッド
126 ヘッド移動部
128 信号処理部
2 磁性層
3 保護層
4 潤滑剤層
11 磁気記録媒体
101 磁気記録再生装置
123 媒体駆動部
124 磁気ヘッド
126 ヘッド移動部
128 信号処理部
本実施形態の磁気記録媒体および磁気記録再生装置は、高い記録密度と耐久性を示し、かつ製造工程数が削減された磁気記録媒体および磁気記録再生装置を利用する産業において利用可能性がある。
Claims (6)
- 非磁性基板上に、磁性層と、保護層と、前記保護層上に接して形成されている潤滑剤層とをこの順で有し、
前記保護層は、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満であり、
前記潤滑剤層は、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物を含み、
前記第1の有機フッ素化合物は、一般式
Ar1−O−CH2−A1−CH2−O−・・・(A)
(式中、Ar1は炭素数6〜22のアリール基であり、A1は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、一般式
Ar2−COO−CH2−A2−CH2−OCO−・・・(B)
(式中、Ar2は、炭素数6〜22のアリール基であり、A2は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、または、一般式
A3−CH2−O−・・・(C)
(式中、A3は、1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは2〜5の整数であり、nは1〜5の整数である。)
で表される化合物であり、
前記第2の有機フッ素化合物は、一般式
Ar3−COO−CH2−A4−CH2−OCO−Ar4・・・(2−A)
(ただし、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A4は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物、または、一般式
Ar5−O−CH2−A5−CH2−O−Ar6・・・(2−B)
(ただし、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A5は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物である磁気記録媒体。 - 前記A1、前記A2、前記A3、前記A4および前記A5は、それぞれ独立に、一般式
−(CF2)xO−
(ただし、xは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有する請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 非磁性基板上に、磁性層と、炭素原子または炭素原子と水素原子を含み、窒素原子の含有量が1原子%未満である保護層とをこの順で有する基体に、第1の有機フッ素化合物および第2の有機フッ素化合物がフッ素系溶媒に溶解している溶液を塗布することにより、前記保護層上に潤滑剤層を形成する工程を有し、
前記第1の有機フッ素化合物は、一般式
Ar1−O−CH2−A1−CH2−O−・・・(A)
(式中、Ar1は、炭素数6〜22のアリール基であり、A1は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、一般式
Ar2−COO−CH2−A2−CH2−OCO−・・・(B)
(式中、Ar2は、炭素数6〜22のアリール基であり、A2は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基、または、一般式
A3−CH2−O−・・・(C)
(式中、A3は、1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される基であり、mは2〜5の整数であり、nは1〜5の整数である。)
で表される化合物であり、
前記第2の有機フッ素化合物は、一般式
Ar3−COO−CH2−A4−CH2−OCO−Ar4・・・(2−A)
(ただし、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A4は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物、または、一般式
Ar5−O−CH2−A5−CH2−O−Ar6・・・(2−B)
(ただし、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、炭素数6〜22のアリール基であり、A5は、2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表される化合物であり、
前記溶液は、前記第1の有機フッ素化合物および前記第2の有機フッ素化合物の濃度が、それぞれ独立に、0.0001質量%〜0.1質量%の範囲内である磁気記録媒体の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する媒体駆動部と、
前記磁気記録媒体に情報を記録する記録部と、
前記磁気記録媒体に記録された情報を再生する再生部とからなる磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対移動させるヘッド移動部と、
前記磁気ヘッドからの記録再生信号を処理する信号処理部とを有する磁気記録再生装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017148158A JP2019029046A (ja) | 2017-07-31 | 2017-07-31 | 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 |
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JP (1) | JP2019029046A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021102712A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 昭和電工株式会社 | 潤滑油組成物及び機械装置 |
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2017
- 2017-07-31 JP JP2017148158A patent/JP2019029046A/ja active Pending
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