JP2014002806A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、厚さ2.5nm以下の保護層において、高い耐腐食性を有す磁気記録媒体用保護層を提供する。
【解決手段】非磁性基板上に磁性層および前記磁性層上に形成された保護層を含む磁気記録媒体において、前記保護層は前記磁気層に接する下層と前記下層上に形成された上層とからなり、前記下層に用いられる材料は、−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する金属である磁気記録媒体を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体に関する。より詳しくは、本発明は、薄層化および耐食性を向上させた保護層を有する磁気記録媒体に関する。また、本発明は、該磁気記録媒体の製造方法を包含する。
ハードディスクドライブの記録容量は増大の一途を辿っており、搭載される磁気記録媒体の記録密度も高くなってきている。このような磁気記録の高密度化により、より小さな磁化領域を高いSN比で書き込むためには書き込み/読み出しヘッドを記録媒体表面に近づけること、すなわち、ヘッドと磁気記録媒体磁性層間の距離(磁気スペーシング)を小さくすることが要求されるようになった。磁気スペーシングを小さくする手段の1つとして、磁性層の上に形成される保護層や、その上の潤滑層を薄膜化することが求められている。
保護層は磁性層を保護する役割を担っており、金属材料からなる磁性層が大気中の水分や腐食性ガスと反応して腐食することのないよう、高い耐食性を有している必要がある。加えて、磁気記録媒体上を相対的に高速に、かつ僅かな磁気スペーシングで浮上しているヘッドが、何かの不具合で磁気記録媒体に接触した場合でも、磁性層がダメージを受けることのないよう、ヘッド浮上に対する耐久性が必要とされる。一般的には、耐久性および耐食性の観点から、炭素元素同士が強い結合力で緻密に結合しあうダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜が、保護層に用いられている。
また、潤滑層とは、ヘッドがスムーズかつ安定して磁気記録媒体上を浮上できるよう、保護層の上に極薄く形成された潤滑剤の層を指し、磁気記録媒体の最表層に該当する。
耐食性の向上のために、DLC保護層を形成する際に、炭化水素ガスに水素ガスを混合し、基板バイアス電圧を印加する方法(特許文献1)や、磁性層の表面へのプラズマ処理(特許文献2)、保護膜作製時のバイアス印加方法を工夫する方法(特許文献3)、あるいは、保護膜の水素含有量の規定(特許文献4)が開示されている。しかしながら、これらいずれの保護層の場合にも、磁性層は非常に腐食しやすいため、腐食防止の観点からは、膜厚約5nm以上の保護層が必要であった。
また、保護層の薄層化が進むほど、磁性層と保護層との熱膨張係数等の物性値の違いおよび界面不一致効果等による保護層中の歪の割合が大きくなり、耐久性が劣ることになる。引用文献5では、保護層と磁性層との間に前記歪を効果的に解消させる緩衝層を設け、保護層の薄層化を図っている。
一方、次期製品となるハードディスクドライブの設計指針が示されており、記録密度が1Tb/inで、磁気スペーシングが6.5nmと提案されている。磁気スペーシングの内訳を考慮すると、磁気ヘッドの保護層厚さが2nm程度、磁気ヘッド最表面と磁気記録媒体最表面の間隔(ヘッド浮上高さ)が2nm程度、磁気記録媒体の潤滑層が0.5nm〜1nm程度となり、磁気記録媒体の保護層厚さは2nm以下でなければならないことを意味している。すなわち、よりいっそう、薄く、かつ耐久性および耐腐食性に優れた保護層が求められている。
特開2006−114182号公報 特開2006−127619号公報 特開2007−46115号公報 特開2008−123646号公報 特開平9−138943号公報 特開2001−266328号公報
本発明は、厚さ2.5nm以下の保護層において、高い耐食性を有する磁気記録媒体用保護層を提供する。また、本保護層を用いることで、記録密度が1Tb/inを超える高密度記録に対応できる磁気記録媒体を提供する。
本発明は、非磁性基板上に磁性層および前記磁性層上に形成された保護層を含む磁気記録媒体において、前記保護層は前記磁気層に接する下層と前記下層上に形成された上層とからなり、前記下層に用いられる材料は、酸化されやすい金属であり、具体的には−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する金属であることを特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
本発明において、前記保護層下層は少なくとも膜厚が0.3nmであり、前記保護層上層はダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなり、また前記保護層は全膜厚が少なくとも1.5nmの膜厚を有する。
また本発明において、前記保護層下層に用いられる材料は、亜鉛、インジウム、スズ、ゲルマニウム、またはこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
本発明において、前記保護層の膜厚が2.5nm以下であることが好ましい。
さらに本発明は、非磁性基板上に磁性層および前記磁気層上に形成された保護層を含む磁気記録媒体において該磁気記録媒体の耐食性を改良する方法であって、前記保護層を前記磁気層に接する下層と前記下層上に形成された上層とから形成し、前記保護層下層は−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する材料から形成され、前記保護層は全膜厚が少なくとも1.5nmの膜厚を有することを特徴とする磁気記録媒体の耐食性を改良する方法を提供する。
また本発明は、非磁性基板に形成された磁気層上に−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する材料を積層させて保護層下層を形成する工程と、前記保護下層上にDLC層を形成して保護層上層を形成する工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法を提供する。
本発明によれば、厚さ2.5nm以下の保護層において、高い耐食性を有することができる。また、本保護層を用いることで、記録密度が1Tb/inを超える高密度記録に対応する磁気記録媒体を提供することができる。
本発明で用いられる磁気記録媒体の一例を示した断面図および斜視図である。 本発明の磁気記録媒体の製造工程の一例を示したフローである。
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、当業者であれば、適宜設計変更可能である。
図1は本発明の磁気記録媒体の一実施形態の構成を示す断面図である。本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板101と、非磁性基板101上に形成された軟磁性層を含む層102と、軟磁性層を含む層102上に形成された磁性層103と、磁性層103上に形成された保護層下層104aと、保護層下層104a上に形成された保護層上層104b、および保護層上層104b上に形成された潤滑層105とを有する。
(非磁性基板)
本発明において用いる非磁性基板101は、非磁性体であり、また後述する各層の形成に用いられる条件(溶媒、温度など)に耐えるものが用いられる。さらに寸法安定性に優れていることが好ましい。さらに詳細には、ガラス、Al合金、シリコン、各種プラスチックなどの材料からなる基板を用いることができる。
(軟磁性層を含む層)
軟磁性層を含む層102は、軟磁性層単独でも、後述するように軟磁性層と他の層とを組み合わせたものであってもよい。軟磁性層は、磁性層103に垂直方向磁界を集中させるための層である。軟磁性層は、特に限定されるものではないが、Fe、Co、Ni、Ta、およびZrのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。たとえば、軟磁性層は、Co−Zr系合金、Fe−Co系、Fe−B系、フェライトなど各種の軟磁性材料を用いて形成することができる。
軟磁性層は、特定の組成を有する単層膜として構成することもできる。また、磁性層103に記録された磁化を安定化させるとともに媒体表面から漏洩する磁化強度を増大させ、記録ヘッドの記録効率を増大させ、その結果、記録媒体のノイズ低減するように複数の磁性膜を強磁性的または反強磁性的に結合させた積層膜としてもよい。
軟磁性層を含む層102は、軟磁性層のほか、さらに中間層(図示せず)を含んでもよい。中間層は、Ru、Re、Osなどの六方晶系金属、あるいはこれらを含む合金を用いて形成することができる。中間層は、磁性層203と軟磁性層との磁気交換相互作用を調整することもできる。
さらに、軟磁性層を含む層102は、軟磁性層と中間層との間に、必要に応じて効率的に中間層を配向させるための配向制御層(図示せず)を設けてもよい。このような材料としては非磁性のCo合金やNi合金が好ましく、これらは結晶粒径のばらつきを低減させる効果をもつ。
軟磁性層を含む層102は、好ましくは、厚さ20〜300nm程度で形成される。
(磁性層)
軟磁性層を含む層102の上に形成される磁性層103は、Coを主成分とする合金からなる垂直磁性膜であればよく、CoCr系、CoPt系などの合金膜のほか、これらを用いたグラニュラー膜などを用いることもできる。主成分とは、磁性層103を構成する成分の中で最も含有量(重量%)が多い成分を意味する。ここで、磁性層103は、Coのほか、Pt、Cr及びOをさらに含んでいることが好ましい。このような構成とすることで、軟磁性層を含む層102の結晶粒径や偏析構造を引き継いだ、結晶性の良い磁性層を提供することができる。
磁性層103は単一の層からなるものでもよい。また、磁性層103は複数の層からなるものでもよく、磁気記録信号のノイズ低減を目的として、磁性層金属の結晶粒界を磁気的に分離させるように磁性層103中にSiOなどの酸化膜を添加してもよい。たとえば、磁性層203は第一磁性層と第二磁性層とからなり、さらに第一磁性層と第二磁性層との間に結合制御層(図示せず)を有してもよい。
磁性層103は、好ましくは厚さ5〜50nm程度で形成される。
前述の各層の製膜方法については、スパッタリング法(直流マグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法などを含む)のほか、蒸着法、塗布法など当該技術において知られている任意の方法を用いて実施することができる。制御性などの観点から、直流マグネトロンスパッタリング法を用いることが好適である。例えば、Co,Ta,Ru等からなる軟磁性層を含む層102を、スパッタ法で厚さ60nm成膜させ、続けて、CoCrPt−SiOよりなる磁性層203をスパッタ法で厚さ20nm成膜させることができる。
(保護層)
本願発明の保護層104は、保護層下層104aおよび保護層上層104bから形成される。保護層下層104aの膜厚は十分な耐食性を提供できる程度であればよく、好ましくは0.3nm以上である。また保護層104の厚さは1.5nm以上であり、好ましくは保護層104の厚さは2.5nm以下である。
保護層下層104aは酸化しやすい材料で形成される。好ましくは、−0.8〜0.3(V)の標準電極電位を有する。これらに限定されないが、本願発明の保護層下層104aに用いることのできる材料には、Zn(−0.8V)、In(−0.3V)、Sn(−0.1V)、およびGe(0.2V)を含む(()内は標準電極電位を示す)。
保護層上層104bは、DLCをプラズマCVD法により製膜して得ることができる。プラズマCVD法とは、膜を構成する原子を含む化合物ガスにエネルギーを与えてプラズマ状態にし、活性なイオンやラジカルを発生させて化学反応を起こし、薄膜を形成する方法である。DLCを製膜する際の原料ガスは、炭化水素系ガス、例えば、メタン(CH)、エチレン(C)、アセチレン(C)、トルエン(C)などを用いる。
保護層104は、保護層上層104bが製膜された後、潤滑剤の塗布性を向上させるために保護層表面の撥液性を低下させる処理を行ってもよい。例えば、窒素ガスが導入されたチャンバー内でプラズマを発生させ、活性な窒素イオンや窒素ラジカルを保護層表面と反応させる窒素プラズマ処理を行ってもよい(例えば、特許文献6等参照)。
(潤滑層)
保護層上層104b上に液体潤滑剤が塗布されて潤滑層105が形成される。液体潤滑剤としては、例えばパーフルオロポリエーテル(PFPE)などが用いられ、ディッピング法などによって塗布される。
潤滑剤が塗布された磁気記録媒体は、さらに加熱処理を行ってもよい。例えば100℃程度に保たれた炉内に一定時間放置してもよい。この加熱処理によって潤滑層105と保護層104の結合力を上げ、潤滑層105が容易に剥がれるのを防ぐことができる。
潤滑層105の厚さは、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)で予め潤滑層なしの磁気記録媒体Aに対し測定を行なっておき、次いで潤滑層を有する磁気記録媒体Bを測定することで、両者の値の差分から得ることができる。潤滑層はその機能を果たす厚さとして、例えば1.0nmで形成される。
(製造工程)
図2は本発明の磁気記録媒体の製造工程の一例を示したものである。これらの工程は、基板の片面に対して、または両面に対して処理が行われてもよい。両面に対して同時に処理が行われた場合には、製造された磁気記録媒体は両面同等の性能を有することができる。
第1の製造工程として、基板研磨・洗浄工程201において、ガラスまたはアルミニウムを母材としたドーナツ状の円盤基板101が、ヘッドの浮上に好適な粗さになるまで平坦に研磨された後、研磨剤や研磨滓が精密に洗い流される。具体的には、例えば、ガラスを母材とする基板101を、基板研磨・洗浄工程201にて表面粗さRaが0.1nm程度になるよう研磨した後、超音波洗浄とスクラブ洗浄によって、研磨剤や研磨滓を十分に除去する。
続いて成膜工程202では、真空に保たれた成膜装置の中で、スパッタ法によって円盤基板101上に金属材料からなる磁性層103が成膜される。磁性層103が成膜される前に、磁性層103の性能を向上させるための軟磁性層を含む層102が厚さ20〜300nm程度で成膜されることもある。具体的には、例えば、Co,Ta,Ru等からなる軟磁性層を含む層102を、スパッタ法で厚さ60nm成膜し、続けて、CoCrPt−SiOよりなる磁性層103をスパッタ法で厚さ20nm成膜する。
磁性層103が成膜された後、連続して、同じく真空に保たれた成膜装置の中で保護層104が成膜される。まず、保護層下層104aが成膜される。続いて保護層上層104bがプラズマCVD法によって成膜される。保護層下層104aと保護層上層104bの合計厚さは2.5nm以下である。また、場合により、保護層上層104bが成膜された後、窒素プラズマ処理を実施する。
続いて、潤滑層工程203にて、保護層上層104b上に液体潤滑剤が塗布されて潤滑層105が形成される。液体潤滑剤としては、例えばパーフルオロポリエーテル(PFPE)などが用いられ、ディッピング法などによって塗布される。具体的には、例えば、ディッピング法により、潤滑剤Z−Tetraol(SolvaySolexis社製)を用いて、潤滑層105を形成する。潤滑剤溶液に浸漬されている磁気記録媒体を引き上げる速度は例えば2mm/secとする。潤滑剤が塗布された磁気記録媒体は、例えば100℃程度に保たれた炉内に一定時間放置される。
次いで、ヘッド浮上の妨げになり得る表面の突起物・付着汚れを除去するための、表面クリーニング工程204が実施される。具体的には、例えば、粒度#6000の砥粒を持つバーニッシュテープで磁気記録媒体上全面を走査することにより、磁気記録媒体上の突起物・付着汚れを除去する。
前記クリーニング処理後、磁気記録媒体表面を外観検査装置で測定することにより、表面クリーニング工程204で磁気記録媒体表面に傷を発生させていないかどうか検査される。
最後に、ヘッド浮上試験工程205でグライド試験が行なわれる。グライド試験とは、ピエゾセンサが装着されたグライドヘッドを、磁気記録媒体表面から所定の浮上量を保って浮上させる。磁気記録媒体表面に存在する突起物の高さが前記浮上量より高い場合には、グライドヘッドが突起物に衝突するため、それをピエゾセンサが検知する。磁気記録媒体表面の1箇所からでも規定の値より大きな衝突を検知すれば、その磁気記録媒体は不良品となり、出荷されることはない。具体的には、例えば、30%スライダーのグライドヘッドを、線速度8.6m/secで浮上させ、全面に亘って走査させる。グライド試験の判定基準として、ピエゾセンサが発する電圧値が走査範囲全面に亘って200mV以下であれば合格とする。
以上のようにして製造された本発明の磁気記録媒体は、保護層の膜厚が2.5nm以下であっても、高い耐食性と耐久性とを有することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、以下の実施例は、本発明をなんら限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者により種々変更可能である。
<実施例1>
図2に示した方法に基づき、磁気記録媒体Aを得た。
保護層下層104aは、GeをDCスパッタによりDC出力150Wにて製膜し、形成した。保護層下層104aであるゲルマニウム膜の厚さは0.3nm(実施例1−1)、0.5nm(実施例1−2)、0.7nm(実施例1−3)とした。
次いで、保護層上層104bをプラズマCVD法によって形成した。該プラズマCVDは、原料ガスCをガス流量30sccmで供給しながら、フィラメント−基板間のバイアス電圧100V中、プラズマ密度6×1010cm−3で行われた。保護層上層104bは、保護層下層104aと保護層上層104bの合計膜厚が2.5nmとなるように形成された。
得られた磁気記録媒体Aに対し、後述する耐食性試験を行った。結果を表1に示す。
さらに磁気記録媒体Aに対し、窒化プラズマ処理、潤滑剤の塗布を実施し、磁気記録媒体Bを得た。なお、窒化プラズマ処理は潤滑層の膜厚が1.0nmとなるように行われた。
窒化プラズマ処理された磁気記録媒体Aに対し、XPS分析により保護層104中の窒素含有量を求めた。結果を表1に示す。
次いで、上述の方法で、磁気記録媒体Bに対し、表面クリーニング工程204を実施した。表面クリーニング工程204を経た磁気記録媒体Bに対し、表面の傷の有無を外観検査装置により確認し、さらにヘッド浮上試験工程205において上で具体的に提示した方法によりグライド試験を実施した。結果を表1に示す。
<実施例2>
保護膜下層104aの材質として、亜鉛(実施例2−1)、インジウム(実施例2−2)、あるいはスズ(実施例2−3)を採用した以外は実施例1−1と同様に磁気記録媒体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
保護膜下層104aおよび保護膜上層104bの膜厚を調整し、全厚を2nm(実施例3−1)、1.5nm(実施例3−2)、とした以外は実施例1と同様に磁気記録媒体を作製、評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、保護層下層104aを成膜せず、保護層上層104bのみを厚さ2.5nmで成膜した磁気記録媒体を作製し、実施例1同様の特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
保護膜下層104aであるゲルマニウムの膜厚を0.1nmとした以外は実施例1と同様に磁気記録媒体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(耐食性試験)
磁気記録媒体Aの表面に酸を滴下することによって、保護層104の耐食性を評価した。磁気記録媒体Aの磁性層103はCoCr合金からなるため、保護層104を通して酸に溶け出したCo量を評価すれば、保護層104の耐食性の優劣が判断できる。
水平に置かれた磁気記録媒体A上に、一定量の酸を滴下して一定時間放置した後、この液を全量回収する。そしてICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)により液中に含まれるCo量を測定することにより耐食性を評価することができる。具体的には、体積濃度3%の硝酸を用い、滴下量は0.8ml、滴下後の放置時間を1時間とした。得られたCo量を、上記滴下した液が磁気記録媒体A表面に触れた面積で割ることによって、単位面積あたりのCo溶出量が得られる。耐食性の判定基準として、これまでの経験からハードディスクドライブ内で問題を起こすことの無かった、単位面積あたりのCo溶出量5ng/cm以下を合格とした。
Figure 2014002806
保護層下層104aの膜厚が0.3nm以上であり、保護層104全体の膜厚が2.5nmである実施例1−1〜1−3および2−1〜2−3においては、保護層下層104aがゲルマニウム、亜鉛、あるいはインジウム、スズのいずれの場合であっても、作製された磁気記録媒体は十分な耐食性および耐久性を有することができた。
さらに、保護層104全体の膜厚を2.0nmおよび1.5nmと小さくした実施例3−1および3−2においても、実施例1および2に比べてCo溶出量の増加は見られたものの、十分な耐食性および耐久性を有する磁気記録媒体を得ることができた。
一方、保護層下層104aを有さない比較例1および十分な膜厚の保護層下層104aを有さない比較例2においては、Co溶出量が大きく、十分な耐食性を有することができなかった。
これは、理論により限定されるものではないが、酸化しやすい材料を保護層下層104aに選択することにより、保護層上層104bのDLC層を通り抜けた酸素が保護層下層104aの材料と結合して体積膨張を起こすことにより、より緻密な保護層が形成されたものと考えられる。
101 基板
102 軟磁性層を含む層
103 磁性層
104 保護層
104a 保護層下層
104b 保護層上層
105 潤滑層
201 基板研磨・洗浄工程
202 成膜工程
203 潤滑層工程
204 表面クリーニング工程
205 ヘッド浮上試験工程

Claims (5)

  1. 非磁性基板上に磁性層および前記磁気層上に形成された保護層を含む磁気記録媒体において、
    前記保護層は、前記磁気層に接する下層と前記下層上に形成された上層とからなり、
    前記保護層下層は−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する材料から形成され、少なくとも膜厚が0.3nmであり、
    前記保護層上層はダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなり、
    前記保護層は全膜厚が少なくとも1.5nmの膜厚を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記保護層下層に用いられる材料が亜鉛、インジウム、スズ、ゲルマニウム、またはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記保護層の膜厚が2.5nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 非磁性基板上に磁性層および前記磁気層上に形成された保護層を含む磁気記録媒体において該磁気記録媒体の耐食性を改良する方法であって、
    前記保護層を前記磁気層に接する下層と前記下層上に形成された上層とから形成し、
    前記保護層下層は−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する材料から形成され、
    前記保護層は全膜厚が少なくとも1.5nmの膜厚を有することを特徴とする磁気記録媒体の耐食性を改良する方法。
  5. 非磁性基板に形成された磁気層上に−0.8〜0.3Vの標準電極電位を有する材料を積層させて保護層下層を形成する工程と、
    前記保護下層上にDLC層を形成して保護層上層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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