JP5597990B2 - 絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法 - Google Patents

絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁鋼板の加工方法に関し、特に、絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法に関する。
従来、鉄やコバルト、ニッケルなど磁力線を通しやすい物質、いわゆる強磁性体の中で、コスト面で有利な鉄に珪素(シリコーン)を加える、結晶方位のそろい方や磁区の軸をコントロールするなどの手を加えることで、電気エネルギーと磁気エネルギーの変換効率を高くなるように磁気的な性質を改良した鉄板を電磁鋼板と言い、珪素が含まれていることから、従来は珪素鋼板とも呼ばれていた。
現在は、珪素を含まないものもので上記の磁気的な性質を改良した鉄板も登場しており、これも電磁鋼板と言う。
今日、広く一般的に使用されている電磁鋼板は、無方向性電磁鋼板と称され、結晶配向性の低い材料と、方向性電磁鋼板と称され、結晶配向性の高い材料とに大別される。
一般に、電磁鋼板は、板の面に平行な方向に磁化して使用され、無方向性電磁鋼板の場合は、板面内のどの方向の磁化特性もほぼ同じなのでモータなどの回転機器や小形のトランスなどに主として適用される。
一方、方向性電磁鋼板は、板面の圧延に平行な方向の磁気特性が特に優れ、大形トランスなどの磁化方向が一定している機器に多用されている。
尚、おおよそ、珪素鋼板からなる電磁鋼板における磁気特性の良否は、鋼板中のSi含有量によって決まり、高グレードの電磁鋼板ほどSi含有量が多い。
電磁鋼板の製造は、複雑、多岐にわたっておりますが、基本的には、図3にその処理ステップ(S1〜S13)を示すように、転炉製鋼(処理ステップS1)、連続鋳造(処理ステップS2)のあと、熱処理と加工を適宜組み合わせて複数回行い、表面処理を行い、ユーザ指定の幅、重量寸法に仕上げるものです。
例えば、無方向性電磁鋼板の製造法としては、転炉製鋼、連続鋳造により得られた珪素鋼スラブを熱間圧延後、熱延板焼鈍し、1回の冷間圧延により、または中間に焼鈍をはさんで2回以上の冷間圧延により、最終板厚とし、仕上げ焼鈍(連続焼鈍とも言う)を行い、その表裏に絶縁被膜を配設し、スリッターにて所定のサイズに切断する。(処理ステップS1〜S10)
また、例えば、方向性電磁鋼板の製造法としては、上記無方向性電磁鋼板の製造法における仕上げ焼鈍の後に、バッチ焼鈍を入れ、この段階で2次再結晶で特定方位をもった結晶だけを大きく成長させ、方向性を持たせ、更に、その表裏に絶縁被膜を配設し、スリッターにて所定のサイズに切断する。(処理ステップS1〜S8、S11〜S13))
絶縁被膜としては、絶縁性、耐性に優れ、処理性が良いものが好ましく、通常、有機樹脂のみまたは有機樹脂と無機成分の複合した絶縁被膜が用いられる。
上記電磁鋼板の製造方法においては、スリッターにて所定のサイズに切断してシート状(枚葉とも言う)としておりますが、場合によっては、コイル状として、後に帯状で取り出し加工することもあります。
このような絶縁被膜を表裏に配した絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工は、通常、プレス打ち抜き加工にて行われているが、プレス打ち抜き加工のため歪が避けられず、プレス加工歪に起因する鉄損が発生することとなります。
特に、無方向性電磁鋼板は、方向性電磁鋼板に比してSi含有量が低いものが多く使われ、この場合には硬度が低くて材質が軟かく、打抜性が悪い。
低珪素鋼板や純鉄系電磁鋼板では、その材質の軟かさのため、プレス打抜時に、カエリが発生しやすい。
また、このカエリの発生した板は、そのままでは積層できないので、通常力エリ取りと呼ばれるカエリを削り取る作業が施されるが、材質が軟かいとカエリがだれてしまい、カエリ取りが困難である。
一方、絶縁被膜を電磁鋼板の表裏に配設していない絶縁被膜レス電磁鋼板を用いて、フォトリソ法によりエッチング液を用いて外形加工を行う方法もある。
しかし、この方法の場合、例えば、図4に示す処理ステップ(S21〜S31)で行われ、電磁鋼板の素地に耐エッチング性のレジストを塗布、乾燥し、該塗布されたレジストに目的とする外形形状に合わせてフォトマスク等を介して選択露光を行い、現像処理、乾燥処理を経て、レジストが覆われていない露出した部分をエッチング液にてエッチングし、更に、エッチング後、残っているレジストを除去し、洗浄する等の、プレス打ち抜きに比べて多くの処理を行う必要があり、更に、加工されたものの表裏に絶縁被膜を付与する工程も必要で、工程数が多くなり、作業性や生産性の面で問題がある。
特開昭58−45352号公報 特開昭63−114940号公報 特開2003−226948号公報
上記のように、絶縁被膜を表裏に配した絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工は、通常、プレス打ち抜き加工にて行われているが、プレス打ち抜き加工のため歪が避けられず、特に、無方向性電磁鋼板は、方向性電磁鋼板に比してSi含有量が低いものが多く使われ、この場合には硬度が低くて材質が軟かく、打抜性が悪くプレス加工歪が発生し、プレス加工歪に起因する鉄損の発生が問題となっていた。
また、絶縁被膜を電磁鋼板の表裏に配設していない絶縁被膜レスの電磁鋼板を用いて、フォトリソ法によりエッチング液を用いて外形加工を行う方法の場合には、特に、工程数が多く、作業性や生産性の面で問題があります。
本発明は、これらに対応するもので、具体的には、絶縁被膜を表裏に配した絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工を、無歪に、且つ、工程数を少なくしてでき、作業性や生産性の面で優れる絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法を提供しようとするものです。
本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法は、電磁鋼板の表裏に絶縁被膜を配した、絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板に対し、表裏の絶縁被膜にレーザ光を描画照射して、目的とする外形加工形状に対応して表裏の絶縁被膜を選択的に除去して、電磁鋼板を選択的に露出させるレーザ光照射工程と、前記レーザ光照射工程で残った絶縁被膜を耐エッチング膜として、前記レーザ光照射工程にて露出した電磁鋼板部をエッチング液にてエッチングして、電磁鋼板を外形加工するエッチング加工工程とを、順に行い、且つ、前記エッチング加工工程において耐エッチング膜とした絶縁被膜を、そのまま外形加工された電磁鋼板の絶縁被膜として残すことを特徴とするものである。
そして、上記の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を帯状に連続した形態で支給し、帯状に連続した形態のまま、前記レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行うことを特徴とするものである。
そしてまた、上記の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を枚葉形態で支給して、前記レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行うことを特徴とするものである。
また、上記いずれかの絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記電磁鋼板が珪素鋼板からなる無方向性電磁鋼板であることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記レーザ光照射工程は、波長1064nmのYAGレーザあるいはCO2 レーザにて行うものであることを特徴とするものである。
(作用)
本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法は、このような構成にすることにより、絶縁被膜を表裏に配した絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工を、無歪に、且つ、工程数を少なくしてでき、作業性や生産性の面で優れる絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工の提供を可能としている。
具体的には、表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板に対し、表裏の絶縁被膜にレーザ光を選択的に描画照射して、目的とする外形加工形状に対応して表裏の絶縁被膜を選択的に除去して、電磁鋼板を露出させるレーザ光照射工程と、前記レーザ光照射工程で残った絶縁被膜を耐エッチング膜として、前記レーザ光照射工程にて露出した電磁鋼板部をエッチング液にてエッチングして、電磁鋼板を外形加工するエッチング加工工程とを、順に行い、且つ、前記エッチング加工工程において耐エッチング膜とした絶縁被膜を、そのまま外形加工された電磁鋼板の絶縁被膜として残すことにより、これを達成している。
そして、前記表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を帯状に連続した形態で支給し、帯状に連続した形態のまま、前記レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行うことにより、量産性の良いものとしている。
また、前記表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を枚葉形態で支給して、前記レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行う態様の場合には、処理における搬送工程を短かくすることを可能とし、搬送磁気劣化を完全に排除することができる。
特に、電磁鋼板が珪素鋼板からなる無方向性電磁鋼板である場合には有効であるが、これに限定はされない。
更に具体的には、前記レーザ光照射工程においては、波長1064nmのYAGレーザあるいはCO2 レーザにて行う態様が挙げられる。
本発明は、このように、絶縁被膜を表裏に配した絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工を、無歪に、且つ、工程数を少なくしてでき、作業性や生産性の面で優れる絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法の提供を可能とした。
図1(a)〜図1(e)は本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法の実施形態の1例の処理状態を示した一部断面図で、図1(f)は図1(e)に対応する平面図です。 図2(a)は本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法の実施形態の1例を実施するための処理装置の概略構成を示した図で、図2(b)はレーザ照射の位置合わせを説明するためのレーザ照射の概略断面図で、図2(c)はエッチング加工部の加工状態を示した概略断面図である。 電磁鋼板の製造工程の概略を示した図である。 従来のフォトエッチング法による絶縁被膜レス電磁鋼板の外形加工方法の処理フローを示した概略図である。 レーザ光が照射部された領域の写真である。
先ず、本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法の実施形態の第1の例を、図1に基づいて説明する。
第1の例の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法は、図2(a)に示す処理装置による処理にて、珪素鋼板からなる無方向性電磁鋼板である電磁鋼板10の表裏に絶縁被膜11を配した電磁鋼板材10Aから、所望の外形形状のモータなどの回転機器や小形のトランスなどに主として適用される電磁鋼板部材を得るための外形加工するものです。
第1の例は、図2に示すように、無方向性電磁鋼板である電磁鋼板10の表裏に絶縁被膜11を配した帯状に連なる電磁鋼板材10Aを、帯状に連続した形態で支給し、必要に応じて各処理部にて停止させることもあるが、基本的には、水平方向に帯状にして点線矢印の方向に進行させながら、帯状に連続した形態のまま、レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行うものです。
ここでは、絶縁被膜としては、有機樹脂と無機成分の複合した絶縁性、耐性が良い絶縁被膜が用いられるが、レーザ光の選択照射による絶縁被膜の除去性の良く、且つ、耐エッチング性の良いものが好ましい。
尚、図2(a)においては、電磁鋼板材10Aの搬送ロールや搬送を制御するロール等を省略して示しておりますが、基本的には、従来のシャドウマスクやリードフレーム等のエッチング加工製品を帯状の加工用鋼材を用いて連続的にエッチング加工する場合と同様で、ここでは説明を省略します。
先ず、電磁鋼板10の表裏に絶縁被膜11を配した電磁鋼板材10Aを巻き取ったコイル41から、水平、帯状に引き出して、張力をかけて張った状態で、レーザ照射部42にて、電磁鋼板10の表裏の絶縁被膜11にレーザ光20を選択的に描画照射して、目的とする外形加工形状に対応して絶縁被膜を選択的に除去して、電磁鋼板を選択的に露出させるレーザ光照射工程を行う。(図1(a)〜図1(c))
レーザ光照射部42では、例えば、電磁鋼板材10Aの上下に、それぞれ、照射ヘッドを、複数、電磁鋼板材10Aの長手方向に直行する方向に直線状に配し、各照射ヘッドの照射をオンオフ制御しながら、電磁鋼板材10Aとレーザ照射部とを相対的に移動させ、電磁鋼板10の表裏の絶縁被膜11を照射し、所望の形状に選択的に照射を行う。
両側の描画用データは、それぞれ、互いに描画照射する絵柄が対象になるように作成しておくことが要求される。
ここでは、表裏の照射位置を合わせているが、位置合わせは、図2(b)に示すように、予め設けておいた複数の貫通孔10Aa位置を基準として、表裏の位置合わせを行う。 例えば、表裏それぞれについて、基準穴の位置をカメラにより把握し、これをデータ処理して、対応して照射ヘッドの照射位置を制御する。
レーザとしては、操作性や絶縁被膜の除去性からは、YAGレーザ(基本波長1064nm)あるいはCO2 レーザが挙げられるが、これらに限定はされない。
尚、通常、レーザ照射により飛散物が周辺部に再付着することによる、加工寸法等、エッチング加工への影響はないようですが、飛散物の再付着がエッチング加工に影響する場合には、エアーブローもしくは吸引装置を適宜設けておく。
設備コスト及び量産性の面からの面からCO2 レーザが好ましい。
CO2 レーザを用いた場合、シート製品加工では、表裏それぞれ、照射エリアが50mm□/1ヘッドで、18ヘッド数とすると、帯状で、面付けした状態で照射して、
電磁鋼板材10Aの搬送速度を120m/分、程度とすることができる。
次に、図2(a)に示すエッチング加工部43にて、帯状の状態で、レーザ光照射工程で残った絶縁被膜を耐エッチング膜として、レーザ光照射工程にて露出した電磁鋼板の素地部分を、表裏両面からエッチング液にてスプレーエッチングして、電磁鋼板10を外形加工するエッチング加工工程を行い、電磁鋼板を所望の外形形状にする。(図1(d)〜図1(e))
ここでは、エッチング液として塩化第二鉄溶液を用いて行う。
エッチング加工工程の外形加工は、目的とする外形形状の電磁鋼板部材(製品)を電磁鋼板部材以外のエッチング加工の残部に、部分的に繋ぎ部(トメとも言う)10bを配して支持し、多数配列させた状態で得る。(図1(f))
尚、図1(f)のA1−A2断面が図1(e)に相当する。
リードフレームやシャドウマスクのエッチングによる外形加工の場合と同様に、面付けされた状態で得る。
電磁鋼板部材が50mmφの製品の場合、1mm幅程度の繋ぎ部を製品の外周に6個程度設ける。
次いで、電磁鋼板部材(製品)がエッチング加工の残部に繋ぎ部(トメとも言う)10bにて保持された状態で、図2(a)に示す洗浄部44に搬送され、洗浄処理を施される。
次いで、洗浄後の、電磁鋼板部材(製品)がエッチング加工の残部に繋ぎ部(トメとも言う)10bにて保持された状態に対して、断裁部にてスリッターで、製品を所定数含む、所定の面付けを1単位として、シート状に断裁し、積層部46において積み重ね状態とする。
尚、積み重ねは、必要に応じて合紙をシート間に配しておく。
更に、各シートについて、繋ぎ部10bを疲労破断(応力破断とも言う)して、あるいは、切断して表裏に絶縁被膜を有し、目的とする外形形状の電磁鋼板部材を得る。
このようにして、第1の例の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法により、目的とする外形形状の電磁鋼板部材を得ることができるが、第1の例によれば、無歪の電磁鋼板部材を量産性良く作製することができる。
第1の例においては、上記のように、絶縁被膜に直接レーザの描画照射を行い、選択的に絶縁被膜を除去し、残存する絶縁被膜を耐エッチング性膜として用い、エッチング加工を行うため、従来のプレス加工による外形加工に起因して発生していた歪の発生はなく、無歪で外形加工ができ、且つ、従来の被膜レスの電磁鋼板を用いて、脱脂洗浄等の前処理、レジスト塗布、露光、現像、乾燥、エッチング、レジスト除去、洗浄等の多くの処理を行う、フォトエッチング法にて外形加工する場合に比べて、工程数を極端に減らしている。
第1の例においては、従来のフォトエッチング法を用いた場合の、脱脂洗浄等の前処理、レジスト塗布、現像等の処理や、絶縁被膜の塗工が不要となる。
次に、本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法の実施形態の第2の例を、説明する。
第2の例も、第1の例と同様、珪素鋼板からなる無方向性電磁鋼板である電磁鋼板の表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板材で、所望の外形形状のモータなどの回転機器や小形のトランスなどに主として適用される電磁鋼板部材を得るための外形加工するものですが、第2の例は、第1の例とは異なり、表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を枚葉形態で支給して、枚葉形態のまま、レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行い、外形加工するものです。
第2の例の場合は、所定のサイズにスリッターにより切断された枚葉の(シート状とも言う)電磁鋼板材を加工用素材として用い、各電磁鋼板材毎に、第1の例と同様に、電磁鋼板材の絶縁被膜にレーザ光を描画照射して、目的とする外形加工形状に対応して絶縁被膜を選択的に除去して、電磁鋼板部を露出させるレーザ光照射工程と、前記レーザ光照射工程で残った絶縁被膜を耐エッチング膜として、前記レーザ光照射工程にて露出した電磁鋼板の素地部分をエッチング液にてエッチングして、電磁鋼板を外形加工するエッチング加工工程とを、この順に行い、所望の外形形状にする。
第2の例においては、片面からのみのレーザ照射を行い、該片面のみ電磁鋼板の素地部分を露出させ、該片面のみからエッチング加工を行う。
レーザ光照射工程は、例えば、レーザ光描画照射用のステージ上に絶縁被膜付き電磁鋼板1枚を載せ、ステージとレーザ光とを制御して相対的に移動させることにより、電磁鋼板の上側から絶縁被膜にレーザ光を選択的に描画照射して、目的とする外形加工形状に対応して絶縁被膜を選択的に除去して、電磁鋼板の上側の電磁鋼板部を露出させる。
エッチング加工工程は、例えば、絶縁被膜付き電磁鋼板のレーザ光照射面を上側にしてロール搬送しながら、上側から揺動するスプレーにてエッチング液をかけながら搬送してエッチングして、所定の外形形状にする。
本例においても、第1の例と同様、製品部は、繋ぎ部(トメ)により枚葉の電磁鋼板材の残部に保持されている。
第2の例においては、エッチング加工後、洗浄し、洗浄された枚葉の電磁鋼板材を、必要に応じて合紙を間に配して積み重ねた状態とする。
次いで、各枚葉の電磁鋼板材から、更に、繋ぎ部を切断して個片化して、表裏に絶縁被膜を有し、目的とする外形形状の電磁鋼板部材を得る。
このようにして、第2の例の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法により、目的とする外形形状の電磁鋼板部材を得ることができるが、第2の例も第1の例と同様、無歪の電磁鋼板部材を量産性良く作製することができ、また、従来のプレス加工による外形加工に起因して発生していた歪の発生はなく、無歪で外形加工ができ、且つ、従来の被膜レスの電磁鋼板を用いて、脱脂洗浄等の前処理、レジスト塗布、露光、現像、乾燥、エッチング、レジスト除去、洗浄等の多くの処理を行う、フォトエッチング法にて外形加工する場合に比べて、工程数を極端に減らしている。
第2の例においても、従来のフォトエッチング法を用いた場合の、脱脂洗浄等の前処理、レジスト塗布、現像等の処理や、絶縁被膜の塗工が不要となる。
第2の例の場合、処理における搬送工程を短かくすることを可能とし、搬送磁気劣化を完全に排除することができる。
尚、第2の例は、第1の例に比べて量産性の面で劣るが、小ロット対応という面では優れる。
次に、本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法の実施形態の第3の例を、説明する。
第3の例は、第2の例と同様、枚葉の電磁鋼板材を用いて加工するものであるが、電磁鋼板材の表裏の絶縁被膜に対して、それぞれ、レーザ照射を行い、露出した電磁鋼板の素地部分を表裏からエッチング加工するものです。
レーザ光照射工程は、例えば、電磁鋼板材に貫通穴を複数あけておき、この穴に位置合わせして、レーザ光照射を片面づつ、繰り返して、表裏とも行う。
エッチング加工工程は、例えば、絶縁被膜付き電磁鋼板の一方側を上側にしてロール搬送しながら、上下側から、それぞれ、揺動するスプレーにてエッチング液をかけながら搬送して、両面側からエッチングして、所定の外形形状にする。
本例においても、第1の例と同様、製品部は、繋ぎ部(トメ)により枚葉の電磁鋼板材の残部に保持されている。
第3の例においても、第2の例の場合と同様、エッチング加工後、洗浄し、洗浄された枚葉の電磁鋼板材を、必要に応じて合紙を間に配して積み重ねた状態とする。
次いで、各枚葉の電磁鋼板材から、更に、繋ぎ部を切断して個片化して、表裏に絶縁被膜を有し、目的とする外形形状の電磁鋼板部材を得る。
このようにして、第3の例の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法により、目的とする外形形状の電磁鋼板部材を得ることができるが、第3の例も第1の例と同様、無歪の電磁鋼板部材を量産性良く作製することができ、また、従来のプレス加工による外形加工に起因して発生していた歪の発生はなく、無歪で外形加工ができ、且つ、従来の被膜レスの電磁鋼板を用いて、脱脂洗浄等の前処理、レジスト塗布、露光、現像、乾燥、エッチング、レジスト除去、洗浄等の多くの処理を行う、フォトエッチング法にて外形加工する場合に比べて、工程数を極端に減らしている。
第3の例においても、従来のフォトエッチング法を用いた場合の、脱脂洗浄等の前処理、レジスト塗布、現像等の処理や、絶縁被膜の塗工が不要となる。
第3の例の場合も、処理における搬送工程を短かくすることを可能とし、搬送磁気劣化を完全に排除することができる。
尚、第3の例も、第1の例に比べて量産性の面で劣り、第2の例に比べても工程数が増えるが、第2の例に比べて、厚い電磁鋼板材の加工性は良い。
本発明の縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法は、上記実施形態に限定はされない。
例えば、第1の例は、レーザ照射工程、エッチング加工工程、いずれも、縁被膜付き電磁鋼板を水平方向にして処理を行っているが、垂直方向にして処理を行う形態も挙げられる。
更に、レーザ照射工程、エッチング加工工程を、テスト例を挙げて説明する。
テスト例は、加工用の電磁鋼板材として、厚さ0.35mmの珪素鋼板(住友金属株式会社製のスミロックス35SX250(JISグレード35A相当品))の表裏に、有機樹脂と無機成分の複合した絶縁性の、厚さ0.4μm絶縁被膜を配した絶縁被膜付き電磁鋼板を用い、第3の形態と同様、絶縁被膜付き電磁鋼板に対して所定の貫通穴を設けて、これを位置合わせマークとして位置合わせして、表裏の絶縁被膜に、表裏の描画位置が合うようにレーザ光の描画照射を行い、次いで、両側からノズルにて塩化第二鉄溶液を吹き付けて、外形加工を行った。
レーザ光として基本波長(1064nm)のYAGレーザを用い、出力10W、加工速度0.5m/mmの速度で、レーザ光の描画照射を行い、外形加工形状に対応して電磁鋼板部を露出させたが、レーザ光が照射部された領域においては、図5に示す写真のように、良好な形状で、電磁鋼板部が露出された。
尚、図5に示す写真中、平坦部が絶縁被膜が除去され、電磁鋼板部が露出された部分です。
また、40μm〜80μm幅のラインのエッチング加工形状については、従来の、被膜レスの電磁鋼板を用いた場合のレジストのフォトマスクを用いて露光現像を行う製版、エッチングを行う、フォトエッチング外形加工と同様レベルの、良好な加工状態を得ることができた。
10 電磁鋼板
10A 電磁鋼板材
10Aa 貫通穴
10B エッチング加工後の電磁鋼板材
10a 貫通部
10b 繋ぎ部
11 絶縁被膜
11a 絶縁被膜除去部
20 レーザ光
30 エッチング液
41 コイル
42 レーザ照射部
43 エッチング加工部
44 洗浄部
45 断裁部
46 積層部

Claims (5)

  1. 電磁鋼板の表裏に絶縁被膜を配した、絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板に対し、表裏の絶縁被膜にレーザ光を描画照射して、目的とする外形加工形状に対応して表裏の絶縁被膜を選択的に除去して、電磁鋼板を選択的に露出させるレーザ光照射工程と、前記レーザ光照射工程で残った絶縁被膜を耐エッチング膜として、前記レーザ光照射工程にて露出した電磁鋼板部をエッチング液にてエッチングして、電磁鋼板を外形加工するエッチング加工工程とを、順に行い、且つ、前記エッチング加工工程において耐エッチング膜とした絶縁被膜を、そのまま外形加工された電磁鋼板の絶縁被膜として残すことを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法。
  2. 請求項1に記載の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を帯状に連続した形態で支給し、帯状に連続した形態のまま、前記レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行うことを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法。
  3. 請求項1に記載の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記表裏に絶縁被膜を配した電磁鋼板を枚葉形態で支給して、前記レーザ光照射工程とエッチング加工工程とを、順に行うことを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記電磁鋼板が珪素鋼板からなる無方向性電磁鋼板であることを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法であって、前記レーザ光照射工程は、波長1064nmのYAGレーザあるいはCO2 レーザにて行うものであることを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の外形加工方法。
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