JP5597814B2 - 疎水性ポリマー材料の光表面改質法 - Google Patents

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Description

本発明は、光反応を利用した疎水性ポリマー材料表面の親水化処理に関する。
疎水性ポリマー材料を生体環境で使用する際には、材料と生体とのなじみを考慮しなければならないため、水を主体とする環境においても直ちになじむような、親水処理が求められている。従来、プラズマ処理、グロー放電処理、イオンエッチング等の手法で、疎水性ポリマー材料の表面に親水性の官能基を発生させる方法が採られてきた(非特許文献1参照)。
しかしながら、これらの手法では、例えば、ポリマー鎖の運動性(官能基の向きなおり)が高いシリコーンゴム(ポリジメチルシロキサン(PDMS)等)のようなポリマー材料の表面を長期間安定して親水化させることはできないという問題があった。すなわち、シリコーンゴム等においては、一旦発生させた親水性官能基が、時間経過と共に再度ポリマー材料内部に進入するため、長期にわたり安定した表面親水性が得られないという問題があった。
また、疎水性ポリマー材料の表面親水化の手法としては、親水性ポリマーによる化学修飾も行われているが(非特許文献2参照)、この手法は操作が煩雑な上、通常、表面処理の過程でアセトンやヘキサン等の有機溶媒が使用されるため、生体への悪影響等が懸念される。
さらに、疎水性ポリマー材料を用いて義歯等のオーダーメイドのデバイスを作製した場合、このようなデバイスは、表面処理によって変形してはならないため、表面親水化の際、プラズマ処理等の厳しい処理条件の手法は適しておらず、穏やかで且つ簡便な処理条件による手法が必要であると考えられている。
越智 光一、表面解析・改質の化学(日本接着学会編)、日刊工業新聞社、2003年、97〜145頁 筏 義人、高分子表面の基礎と応用(下)、化学同人、1986年、181〜200頁
そこで、本発明が解決しようとする課題は、効率的且つ簡便であり、耐久性に優れた、疎水性ポリマー材料表面の親水化処理剤(表面処理剤)及び親水化処理方法(表面処理方法)を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、生体親和性を有する官能基と、アルキル基との光反応性を有する基とを側鎖に有する、新規光反応性ポリマーの合成に成功した。そして、当該光反応性ポリマーを用いた表面処理剤及び表面処理方法、及び当該光反応性ポリマーとアルキル基含有ポリマーとを含むポリマー組成物を用いた表面処理剤及び表面処理方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(2)で示される構造を有するポリマー。
(式中、m及びnは、互いに独立して、2以上の整数を表し、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とアジドフェニル基を含む側鎖を有する構造単位とはランダムな順序で結合している。)
本発明のポリマーとしては、例えば、一般式(2)中のm及びnに関して、n/(m+n)の値が0.30〜0.98であるものが挙げられる。
(2)ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーと、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーとを含む、ポリマー組成物。
本発明のポリマー組成物は、例えば、ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーが、下記一般式(1)で示される構造を有するポリマーであるものが挙げられる。
(式中、X1及びY1は、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、R1及びR2は、互いに独立して、置換基を有していてもよいフェニル基又は−C(O)−、−C(O)O−、−O−若しくは−S−で示される基を表し、jは1以上の整数を表し、k、m及びnは、互いに独立して、2以上の整数を表し、X1を含む構造単位とY1を含む構造単位とはランダムな順序で結合している。)
ここで、一般式(1)で示される構造を有するポリマーとしては、例えば、下記一般式(2)で示される構造を有するポリマーが挙げられる。
(式中、m及びnは、互いに独立して、2以上の整数を表し、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とアジドフェニル基を含む側鎖を有する構造単位とはランダムな順序で結合している。)
上記一般式(1)及び(2)で示される構造を有するポリマーとしては、例えば、n/(m+n)の値が0.30〜0.98であるものが挙げられる。
本発明のポリマー組成物は、例えば、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーが、さらにホスホリルコリン基を含む側鎖を有するポリマーであるものが挙げられ、具体的には、下記一般式(3)で示される構造を有するポリマーが挙げられる。
(式中、X2及びY2は、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、R3及びR4は、互いに独立して、置換基を有していてもよいフェニル基又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-若しくは-S-で示される基を表し、R5は、水素原子又はOR6(ここで、R6は脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。)を表し、p、q、r及びsは、互いに独立して、2以上の整数を表し、X2を含む構造単位とY2を含む構造単位とはランダムな順序で結合している。)
上記一般式(3)で示される構造を有するポリマーとしては、例えば、下記一般式(4)で示される構造を有するポリマーが挙げられる。
(式中、p及びqは、互いに独立して、2以上の整数を表し、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とブチル基を含む側鎖を有する構造単位とはランダムな順序で結合している。)
上記一般式(3)及び(4)で示される構造を有するポリマーとしては、例えば、q/(p+q)の値が0.30〜0.95であるものが挙げられる。
本発明のポリマー組成物は、例えば、組成物中のポリマー成分全体に対する、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーの割合が30重量%以上であるものや、組成物中のポリマー成分全体の濃度が5重量%以上であるものが挙げられる。
(3)上記(1)に記載のポリマー又は上記(2)に記載の組成物を含む、表面処理剤。
本発明の表面処理剤は、基材の表面を親水化し得るものであることが好ましい。
本発明の表面処理剤は、例えば、光照射処理を利用して表面処理を行うものが挙げられる。
本発明の表面処理剤は、例えば、表面処理剤中のポリマー成分全体の濃度が0.1重量%以上であるものが挙げられる。
(4)上記(3)に記載の処理剤を基材の表面に塗布する工程、及び、塗布された当該処理剤に光照射処理をする工程を含む、基材の表面処理方法。
本発明の表面処理方法は、基材の表面を親水化する方法であることが好ましい。また、本発明の表面処理方法は、例えば、前記塗布する工程の前に、基材の表面にプラズマ処理をする工程を含むことができる。
本発明によれば、効率的且つ簡便であり、耐久性に優れた、疎水性ポリマー材料表面の親水化処理剤(表面処理剤)及び親水化処理方法(表面処理方法)を提供することができる。また、当該処理剤等に用いる光反応性ポリマー及びポリマー組成物を提供することができる。
本発明の表面処理剤は、各種疎水性ポリマー材料の表面を効率的且つ簡便に親水化することができるほか、例えば、シリコーンゴム等のようなポリマー鎖の運動性が高い材料に対しても、長期間にわたり安定した表面親水化をすることができる点で、極めて有用である。また、本発明の表面処理方法は、従来の手法であるプラズマ処理等と組合せて、より一層効率的且つ耐久性に優れた表面親水化をすることができ、一方、オーダーメイドのデバイスのように、プラズマ処理等の厳しい条件下での表面処理による変形等を避けるべきものに対しては、本発明の表面処理剤を用いた穏やかな条件下での表面処理が可能であり、処理対象となる疎水性ポリマー材料の物性や用途等に応じて適した表面処理を行うことができる点で、極めて実用性に優れたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。

1.表面処理剤
本発明の表面処理剤は、ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーと、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーとを含むポリマー組成物を、主要成分として含んでなるものである。また、本発明の表面処理剤としては、ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーのみを主要成分とするものも含まれる。
(1)ポリマー組成物
表面処理剤の主要成分となるポリマー組成物としては、前述の通り、ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーと、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーとを含む(すなわちブレンドした)ポリマー組成物が挙げられる。
ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーは、いわゆる光反応性ポリマーとしての性質を有するものである(以下、当該ポリマーを光反応性ポリマーと称することがある。)。当該ポリマー中、アジド基(−N3)は、光照射(具体的にはUV照射が好ましい)により光分解し、反応性に富むナイトレンを生成する。このナイトレンは、水素引き抜き反応によりアルキル基と容易に反応して結合し得るものである。一方、当該ポリマー中、ホスホリルコリン基(PC基)は、生体膜の主成分であるリン脂質(ホスファチジルコリン)の極性基と同様の構造を有する極性基である。ホスホリルコリン基がポリマーに含有されることにより、当該ポリマーに、親水性(ぬれ性)、具体的には、生体膜の表面が有する極めて良好な生体適合性、特に生体分子の非吸着性、及び非活性化特性が付与され、各種分子に対する非特異的吸着を効果的に抑制することができる。
ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマーは、限定はされないが、例えば、下記一般式(1)で示される構造を有するポリマーが好ましく挙げられる。
式(1)中、X1及びY1は、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表すものであればよく、限定はされないが、具体的には、例えば、ビニル系モノマー残基、アセチレン系モノマー残基、エステル系モノマー残基、アミド系モノマー残基、エーテル系モノマー残基及びウレタン系モノマー残基等が好ましく、これらの中でも、ビニル系モノマー残基がより好ましい。ビニル系モノマー残基としては、限定はされないが、例えば、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基及びスチリルアミド基等が好ましく、これらの中でも、メタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基及びアクリルアミド基がより好ましく、さらに好ましくはメタクリルアミド基及びアクリルアミド基であり、特に好ましくはメタクリルアミド基である。
式(1)中、R1は、置換基を有していてもよいフェニル基又は−C(O)−、−C(O)O−、−O−若しくは−S−で示される基を表し、好ましくは、−C(O)−、−C(O)O−又は−O−で示される基、より好ましくは−C(O)O−で示される基である。また、kは、2以上の整数を表し、好ましくは2〜12の整数、より好ましくは2〜4の整数、特に好ましくは2である。
式(1)中、X1を含む構造単位の具体例としては、限定はされないが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリン及び4−スチリルオキシブチルホスホリルコリン等に由来する構造単位が好ましく挙げられる。これらの中でも、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する構造単位が特に好ましい。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンは、“Kazuhiko Ishihara, Tomoko Ueda, and Nobuo Nakabayashi, Polymer Journal, 22, 355-360 (1990)”に記載の方法等により調製することができ、また、その他のホスホリルコリン系化合物(モノマー化合物)についても、当該方法及び常法に基づいて容易に調製できる。
式(1)中、R2は、置換基を有していてもよいフェニル基又は−C(O)−、−C(O)O−、−O−若しくは−S−で示される基を表し、好ましくは、−C(O)−、−C(O)O−又は−O−で示される基、より好ましくは−C(O)O−で示される基である。また、jは、1以上の整数を表し、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは1である。
なお、式(1)で示されるポリマー構造において、X1を含む構造単位とY1を含む構造単位とは、ランダムな順序で結合していてもよく、限定はされない。
さらに、上記一般式(1)で示される構造を有するポリマーの具体例としては、限定はされないが、下記一般式(2)で示される構造を有するポリマーが好ましく挙げられる。
式(2)中、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とアジドフェニル基を含む側鎖を有する構造単位とは、式(1)と同様、ランダムな順序で結合していてもよく、限定はされない。
上記式(1)及び(2)で示されるポリマーにおいては、m及びnは、特に限定はされず、互いに独立して、2以上の整数であればよいが、ここで、n/(m+n)の値は0.30〜0.98であることが好ましく、より好ましくは0.45〜0.80である。
上記式(1)及び(2)で示されるポリマーの重量平均分子量は、限定はされないが、例えば、5,000〜1,000、000が好ましく、より好ましくは10,000〜300,000である。
上記式(1)及び(2)で示される構造を有するポリマーは、必要に応じ、他のモノマー由来の構造単位を含むものであってもよく、限定はされないが、通常、他のモノマー由来の構造単位の割合は、ポリマーを構成する全構造単位に対して、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下である。
なお、上記式(1)及び(2)で示されるポリマーの合成については、モノマー化合物の調製及びそれらの重合を含め、基本的には、当業者の技術水準に基づき、常法により行うことができる。但し、上記式(2)で示されるポリマー中の、アジドフェニル基を含む側鎖を有する構造単位の由来元であるモノマー化合物の調製については、十分に水分を排除した条件下で行わないと、目的のモノマー化合物が得られないため、調製方法は困難であるといえる。具体的には、該モノマー化合物は、アジド安息香酸クロライドとメタクリル酸(アクリル酸)ω-ヒドロキシアルキルとの縮合反応で合成することができるが、アジド安息香酸クロライドが有するアジド基の電子受容性に起因して、酸塩化物の分解が起こりやすいために、完全な脱水条件化における反応条件を設定しなければならない。一方において、メタクリル酸ω-ヒドロキシアルキルは親水性の水酸基を持つために、多分の水分が混入している。メタクリル酸ω-ヒドロキシアルキルの熱に対する安定性、自然重合の点から通常の蒸留操作において脱水を行うことができないために、完全脱水系を実現することは極めて困難である。本発明者は反応条件を詳細に検討し、該モノマーの効率的かつ安定的合成法を完成し、これにより本発明に供することが可能となった。
アルキル基を含む側鎖を有するポリマーは、上述のいわゆる光反応性ポリマーと、光照射により結合し得るポリマーである。
当該ポリマーは、アルキル基を含む側鎖を有するものであればよく、限定はされないが、例えば、さらにホスホリルコリン基を含む側鎖を有するポリマーであることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、下記一般式(3)で示される構造を有するポリマーが好ましく挙げられる。
式(3)中、X2及びY2は、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表すものであればよく、限定はされないが、具体的には、例えば、ビニル系モノマー残基、アセチレン系モノマー残基、エステル系モノマー残基、アミド系モノマー残基、エーテル系モノマー残基及びウレタン系モノマー残基等が好ましく、これらの中でも、ビニル系モノマー残基がより好ましい。ビニル系モノマー残基としては、限定はされないが、例えば、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基及びスチリルアミド基等が好ましく、これらの中でも、メタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基及びアクリルアミド基がより好ましく、さらに好ましくはメタクリルアミド基及びアクリルアミド基であり、特に好ましくはメタクリルアミド基である。
式(3)中、R3は、置換基を有していてもよいフェニル基又は−C(O)−、−C(O)O−、−O−若しくは−S−で示される基を表し、好ましくは、−C(O)−、−C(O)O−又は−O−で示される基、より好ましくは−C(O)O−で示される基である。また、sは、2以上の整数を表し、好ましくは2〜12の整数、より好ましくは2〜4の整数、特に好ましくは2である。
式(3)中、X2を含む構造単位の具体例としては、限定はされないが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリン及び4−スチリルオキシブチルホスホリルコリン等に由来する構造単位が好ましく挙げられる。これらの中でも、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する構造単位が特に好ましい。
式(3)中、R4は、置換基を有していてもよいフェニル基又は−C(O)−、−C(O)O−、−O−若しくは−S−で示される基を表し、好ましくは、−C(O)−、−C(O)O−又は−O−で示される基、より好ましくは−C(O)O−で示される基である。また、rは、2以上の整数を表し、好ましくは2〜18の整数、より好ましくは3〜10の整数、特に好ましくは3である。さらに、R5は、水素原子又はOR6(ここで、R6は脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。)を表し、好ましくは水素原子である。ここで、R6の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基及びアルケニル基等が好ましく挙げられ、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基等が好ましく挙げられる。
なお、式(3)で示されるポリマー構造において、X2を含む構造単位とY2を含む構造単位とは、ランダムな順序で結合していてもよく、限定はされない。
さらに、上記一般式(3)で示される構造を有するポリマーの具体例としては、限定はされないが、下記一般式(4)で示される構造を有するポリマーが好ましく挙げられる。
式(4)中、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とアルキル基を含む側鎖を有する構造単位とは、式(3)と同様、ランダムな順序で結合していてもよく、限定はされない。
上記式(3)及び(4)で示されるポリマーにおいては、p及びqは、特に限定はされず、互いに独立して、2以上の整数であればよいが、ここで、q/(p+q)の値は0.30〜0.95であることが好ましく、溶媒に対する溶解性の点と反応性の点からからより好ましくは0.45〜0.85である。
上記式(3)及び(4)で示されるポリマーの重量平均分子量は、限定はされないが、例えば、5,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは溶解性の観点から10,000〜300,000である。
上記式(3)及び(4)で示される構造を有するポリマーは、必要に応じ、他のモノマー由来の構造単位を含むものであってもよく、限定はされないが、通常、他のモノマー由来の構造単位の割合は、ポリマーを構成する全構造単位に対して、30モル%(mol%)以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下である。
本発明のポリマー組成物は、上記各ポリマー以外に、当該組成物の特性や効果が損なわれない範囲において、任意の他の構成成分を含むものであってもよく、限定はされない。任意の構成成分としては、例えば、各種溶媒等が挙げられ、溶媒としては、例えば、水とエタノールとの混合溶媒等が好ましく挙げられる。
本発明のポリマー組成物は、組成物中のポリマー成分全体に対する、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーの割合が、限定はされないが、30重量%(wt%)以上であることが好ましく、より好ましくは35重量%以上であり、さらに好ましくは45重量%以上である。アルキル基を含む側鎖を有するポリマーの割合が上記範囲内であることにより、最終的に(光照射後において)より高い親水性(ぬれ性)を付与することができる。
また、本発明のポリマー組成物は、組成物中(すなわちポリマー溶液中)の全ポリマー成分の濃度が、限定はされないが、5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上である。
(2)表面処理剤
本発明の表面処理剤は、前述の通り、上記ポリマー組成物を主要成分として含むものであり、基材の表面を親水化することができるものである。また、上記ポリマー組成物を構成するポリマーのうち、ホスホリルコリン基を含む側鎖とアジド基を含む側鎖とを有するポリマー(光反応性ポリマー)のみを主要成分とする表面処理剤も、本発明の表面処理剤に含まれ、上記ポリマー組成物を含む表面処理剤と同様に、基材表面の親水化を行うことができる。
本発明の表面処理剤は、後述するように、対象基材の表面に塗布後、光照射処理を利用して表面処理を行うことができるものである。
本発明の表面処理剤は、上記ポリマー組成物以外に、一般的に基材の表面処理剤の成分として用いられる任意の他の成分(例えば、各種溶媒等)を含むものであってもよく、限定はされない。溶媒としては、例えば、水とエタノールとの混合溶媒等が好ましく挙げられる。
本発明の表面処理剤は、通常、溶液状のものであることが好ましく、主要成分として前記ポリマー組成物を含む場合は、当該処理剤中のポリマー濃度は、例えば、0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2重量%以上、さらに好ましくは0.25重量%以上、さらにより好ましくは0.5重量%以上である。同様に、主要成分として前記光反応性ポリマーを含む場合は、当該処理剤中のポリマー濃度は、例えば、0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%以上、さらにより好ましくは0.5重量%以上である。

2.表面処理方法
本発明の表面処理方法は、基材の表面を親水化する方法であり、具体的には、上述した本発明の表面処理剤を基材の表面に塗布する工程(塗布工程)、及び、塗布された当該処理剤に光照射処理をする工程(光照射工程)を含む方法である。
塗布工程においては、前述したポリマー組成物又は光反応性ポリマーを主要成分として含む表面処理剤を用いて行えばよく、限定はされない。
光照射工程は、好ましくは基材に塗布した表面処理剤(液)が乾燥した後、当該処理剤に光を照射すればよく、限定はされない。照射光としては、アジド基がラジカルを生じさせることができるものがよいため、紫外線(UV光)が好ましい。照射光の線量は、限定はされず、当業者の通常の技術常識に基づいて、適宜設定することができる。
本発明においては、上記塗布工程の前に、処理対象となる基材表面にプラズマ処理をする工程を含めることもできる。プラズマ処理を施した状態の基材表面に、さらに本発明の表面処理剤を用いて親水化を行うことにより、従来プラズマ処理だけでは親水化の耐久性がなかったような基材に対しても、高い親水性と耐久性とを併せ持つ表面処理を施すことができる。例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーンゴムに対しては、従来プラズマ処理だけでは官能基の向きなおりの影響で耐久性に優れた親水化処理を行えなかったため、有効であるといえる。但し、一定の形状を保つ必要のある基材(オーダーメイドのデバイス等)に対しては、プラズマ処理等の厳しい条件下での処理は、その基材の形状を変化させてしまうおそれがあるため、避けるべき場合もある。
本発明の表面処理方法に用い得る基材は、限定はされないが、当該方法により効果的な表面親水化を行うことができるという点で、いわゆる疎水性ポリマー材料を含んでなる基材が好適である。疎水性ポリマー材料としては、例えば、各種シリコーンゴム(置換シリコーン、変性シリコーンを含む等);ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリオレフィン等の有機物からなるもの;金属、セラミックスあるいはガラス系基材にシランカップリング剤で表面処理したもの等が挙げられる。
基材の形状は、特に限定はされず、例えば、板状、ビーズ状及び繊維状の形状のほか、板状の基材に設けられた穴や溝なども挙げられる。
また、基材の用途としては、限定はされないが、例えば、各種医療用デバイス、コンタクトレンズ、歯科用器具、義歯、人工臓器、バイオチップ、バイオセンサー、酸素富加膜及び細胞保存器具等が挙げられる。

以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.光反応性ポリマー(PMPAz)の合成
(1)光反応性モノマー(メタクリロイルオキシエチルオキシカルボキシ4-フェニルアジド(MPAz))の合成
アジド安息香酸(12.3g)をベンゼン(74.0g)に溶解し、チオニルクロライド(37.1g)を加えた後、80°Cで4時間沸点還流した。不溶物をろ過後、エバポレートし、60gのリグロインに溶解した。再度、80°Cで沸点還流し、不溶物をろ過後、エバポレートによりアジド安息香酸クロライドを回収した。得られたアジド安息香酸クロライド(9.00g)を4つ口フラスコに入れ、クロロホルム90mLを加えて溶解した。トリエチルアミン(5.01g)と2-エチルヘキシルメタクリレート(HEMA) (6.51g)を滴下ロートに入れゆっくり滴下した。12時間室温で反応させた後、未反応のHEMAとMPAzを分離するため、HCl水溶液で抽出を行った。得られたMPAzクロロホルム溶液に無水硫酸マグネシウムを加え脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ過後、エバポレートによりクロロホルムを除去し、オイル状のMPAzを得た。
(2)PMPAzの合成
ガラス製のアンプルに2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(1.85g)およびMPAz(1.72g)、開始剤として、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(10.2mg)を秤量した。エタノールを用いてモノマー濃度0.5mol/L、開始剤濃度25mmol/Lとなるように希釈した。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて15時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥し白色粉末のPMPAzを得た。得られたPMPAzは、下記構造式において、n/(m+n)の値が0.75のものであった。
PMPAzの構造式
2.アルキル基含有ポリマー(PMB80)等の入手
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とブチルメタクリレート(BMA)とのモノマー組成比(MPC:BMA(mol比))が80:20のポリマーであるPMB80、同比が50:50のポリマーであるPMB50、同比が30:70のポリマーであるPMB30、及び、同比が100:0のポリマーであるPMPCの計4種のポリマーを、日油株式会社より入手した(製品名;PMB80:LIPIDURE-PMB(登録商標)82、PMB50:LIPIDURE-PMB(登録商標)55、PMB30:LIPIDURE-PMB(登録商標)37、PMPC:LIPIDURE(登録商標)-HM)。
PMBの構造式(PMB80の場合、q/(p+q)の値が0.80となる。)
3.疎水性ポリマー基材表面のコーティング
シリコーンゴムであるポリジメチルシロキサン(PDMS)の試片に対して、その表面を、まず約30秒間、常法により酸素プラズマ処理し、その後、直ちに表面処理剤としての各種試料溶液に浸漬した。なお、試料溶液は、PMPAzと、PMB80、PMB50、PMB30又はPMPCとを所望の割合で混合したポリマー組成物の溶液を使用した(下記4.(1)〜(4)項参照)。
浸漬したPDMS試片を風乾後、試片表面にUV光(254nm)を約1分間照射することにより、PMPAzをPDMS試片の表面に架橋してコーティングした。
4.接触角測定による表面の親水性(ぬれ性)評価
以下の(1)〜(4)に示す通り、添加ポリマーの量、種類、ポリマー濃度、溶媒の種類が表面ぬれ性に及ぼす影響を、前記コーティング後のPDMS試片表面の接触角測定(液滴法)により評価した。実際の測定は、自動接触角計(協和界面科学社製、製品名:CA-W)を用い、室温、常圧のもとで2μLの水滴を表面に接触させ、表面の接触角を測定した。
(1)PMB80添加量の影響
PMPAzにPMB80を0〜100%の割合で加え、試料溶液を調製した。試料溶液の溶媒には、水:エタノール=1:1を用い、全体のポリマー濃度は0.25 wt%とした(図1)。
表面処理無しのPDMS試片表面の接触角が110度程度であるのに対し、PMPAz溶液で表面処理後の接触角は70度程度と親水的であった。PMPAz溶液にPMB80を添加すると接触角はさらに低下し、PMB80を50%以上添加した系では20度程度と非常に小さい値を示した。PMB80のBMAユニットがPDMS試片表面に吸着し、光架橋点を提供すると共に、表面にホスホリルコリン基が集積したことにより親水化したと考えられた。
(2)添加ポリマーの種類の影響
PMPAzに4種のポリマー(PMPC, PMB80, PMB50, PMB30)を、1:9の割合(PMPAzが1)で混合し、試料溶液を調製した。試料溶液の溶媒には、水:エタノール=1:1を用い、全体のポリマー濃度は0.25 wt%とした(図2)。
PMPC、PMB50及びPMB30を添加した系では、接触角が60〜70度程度であり、添加していない系とほぼ変わらない値を示した。PMPCはアジド基と反応できるアルキル基がなく、一方、PMB50やPMB30は疎水基であるBMAユニットの含有率が高いので接触角の低下が見られなかったと考えられた。添加ポリマーとしては、アジド基と反応するアルキル基(BMAユニット)を有し、かつホスホリルコリン基の含有率が高いPMB80が適していることが分かった。
(3)ポリマー濃度の影響
PMPAzとPMB80とを1:9(PMPAz:PMB80)の割合で混合し、溶媒には、水:エタノール=1:1を用いて試料溶液を調製した。溶液全体のポリマー濃度は0.1〜0.5 wt%とした(図3)。
いずれのポリマー濃度においても、表面処理後は、未処理のPDMS試片に比べ低い接触角を示した。しかしながら、完全に表面がポリマーで覆われるためには0.25 wt%以上のポリマー濃度が好ましいことが分かった。
(4)溶媒の影響
PMPAzとPMB80とを1:9(PMPAz:PMB80)の割合で混合し、水:エタノールの組成比を0〜100%の割合で変えた溶媒を用いて、試料溶液を調製した。溶液全体のポリマー濃度は0.25 wt%とした(図4)。
いずれの組成比の溶媒を用いても、表面処理後は、未処理のPDMS試片に比べ低い接触角を示した。有機溶媒を用いずに、水系での処理が可能であった。PDMS試片表面が撥水性のため、エタノールの含有量が増加するほど、表面張力が下がり、ポリマー中のアジド基とPDMS試片表面が反応しやすくなった結果、PDMS試片表面が完全にポリマーで覆われたため、より低い接触角を示した。
実施例1で合成したPMPAzと、水:エタノール=1:1の溶媒を用いて、試料溶液を調製した。溶液全体のポリマー濃度は0.1〜0.5 wt%とした。
次いで、ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂;PMMA)の試片に対して、その表面を、まず約30秒間、常法により酸素プラズマ処理し、その後、直ちに表面処理剤としての上記試料溶液(ポリマー濃度:0.1〜0.5 wt%)に浸漬した。
浸漬したPMMA試片を風乾後、試片表面にUV光(254nm)を約1分間照射することにより、PMPAzをPMMA試片の表面に架橋してコーティングした。
ポリマー濃度(PMPAz濃度)が表面ぬれ性に及ぼす影響を、コーティング後のPMMA試片表面の接触角測定(液中接触角法)により評価した(図5)。この接触角測定は、水中で基板(試片)表面に気泡を接触させるcaptive bubble法(図6参照)を用いて行った。図6中、接触角θが大きいほど、基板表面の親水性が高いことを意味する。実際の測定は、自動接触角計(協和界面科学社製、製品名:CA-W)を用い、室温、常圧のもとで2μLの気泡を水中で表面に接触させ、接触角を測定した。
図5の結果から、PMMA基板をPMPAzで表面処理することにより、接触角が120度程度から170度程度になり、親水化したことが示された。
試片表面の接触角(液滴法)に対するPMB80の添加量の影響を示すグラフである。 試片表面の接触角(液滴法)に対する添加ポリマーの種類の影響を示すグラフである。 試片表面の接触角(液滴法)に対するポリマー濃度の影響を示すグラフである。 試片表面の接触角(液滴法)に対する溶媒(水の割合)の影響を示すグラフである。 試片表面の接触角(液中接触角法:captive bubble法)に対するポリマー濃度の影響を示すグラフである。 captive bubble法の概略を示す図である。

Claims (17)

  1. 下記一般式(2):
    (式中、m及びnは、互いに独立して、2以上の整数を表し、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とアジドフェニル基を含む側鎖を有する構造単位とはランダムな順序で結合している。)
    で示される構造を有するポリマー。
  2. 一般式(2)で示される構造を有するポリマーは、n/(m+n)の値が0.30〜0.98である、請求項1記載のポリマー。
  3. 下記一般式(2):
    (式中、m及びnは、互いに独立して、2以上の整数を表し、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とアジドフェニル基を含む側鎖を有する構造単位とはランダムな順序で結合している。)
    で示される構造を有するポリマーと、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーとを含む、ポリマー組成物。
  4. 一般式(2)で示される構造を有するポリマーは、n/(m+n)の値が0.30〜0.98である、請求項記載の組成物。
  5. アルキル基を含む側鎖を有するポリマーが、さらにホスホリルコリン基を含む側鎖を有するポリマーである、請求項3又は4記載の組成物。
  6. アルキル基を含む側鎖を有するポリマーが、下記一般式(3):
    (式中、X及びYは、互いに独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよいフェニル基又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-若しくは-S-で示される基を表し、Rは、水素原子又はOR(ここで、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。)を表し、p、q、r及びsは、互いに独立して、2以上の整数を表し、Xを含む構造単位とYを含む構造単位とはランダムな順序で結合している。)
    で示される構造を有するポリマーである、請求項記載の組成物。
  7. 一般式(3)で示される構造を有するポリマーが、下記一般式(4):
    (式中、p及びqは、互いに独立して、2以上の整数を表し、ホスホリルコリン基を含む側鎖を有する構造単位とブチル基を含む側鎖を有する構造単位とはランダムな順序で結合している。)
    で示される構造を有するポリマーである、請求項記載の組成物。
  8. 一般式(3)及び(4)で示される構造を有するポリマーは、q/(p+q)の値が0.30〜0.95である、請求項又は記載の組成物。
  9. 組成物中のポリマー成分全体に対する、アルキル基を含む側鎖を有するポリマーの割合が30重量%以上である、請求項3〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 組成物中のポリマー成分全体の濃度が5重量%以上である、請求項3〜のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 請求項1若しくは2記載のポリマー又は請求項3〜10のいずれか1項に記載の組成物を含む、表面処理剤。
  12. 基材の表面を親水化することができるものである、請求項11記載の処理剤。
  13. 光照射処理を利用して表面処理を行うものである、請求項11又は12記載の処理剤。
  14. 表面処理剤中のポリマー成分全体の濃度が0.1重量%以上である、請求項1113のいずかれ1項に記載の処理剤。
  15. 請求項1114のいずれか1項に記載の処理剤を基材の表面に塗布する工程、及び、塗布された当該処理剤に光照射処理をする工程を含む、基材の表面処理方法。
  16. 基材の表面を親水化する方法である、請求項15記載の方法。
  17. 前記塗布する工程の前に、基材の表面にプラズマ処理をする工程を含む、請求項15又は16記載の方法。
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