WO2019107372A1 - 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法 - Google Patents
芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法 Download PDFInfo
- Publication number
- WO2019107372A1 WO2019107372A1 PCT/JP2018/043642 JP2018043642W WO2019107372A1 WO 2019107372 A1 WO2019107372 A1 WO 2019107372A1 JP 2018043642 W JP2018043642 W JP 2018043642W WO 2019107372 A1 WO2019107372 A1 WO 2019107372A1
- Authority
- WO
- WIPO (PCT)
- Prior art keywords
- group
- substituent
- represented
- independently represent
- carbon atoms
- Prior art date
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J7/00—Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
- C08J7/04—Coating
- C08J7/043—Improving the adhesiveness of the coatings per se, e.g. forming primers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J7/00—Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J7/00—Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
- C08J7/04—Coating
- C08J7/056—Forming hydrophilic coatings
Definitions
- the present inventor has formed a hydrocarbon-based polymer thin film on the surface of a polyallyl ether ketone (PAEK) substrate and irradiated it with light to obtain a PAEK substrate.
- PAEK polyallyl ether ketone
- the present invention is as follows. (1) A method of modifying the surface of an aromatic polyether ketone substrate comprising applying a hydrocarbon-based polymer to the surface of the aromatic polyether ketone substrate and irradiating the polymer with light. (2) A polymer composite of an aromatic polyether ketone substrate and a hydrocarbon polymer characterized in that a hydrocarbon polymer is applied to the surface of the aromatic polyether ketone substrate and light is irradiated to the polymer. Production method.
- FIG. 6 is a view showing the wetting characteristics after surface treatment with various polymers (polymers of Nos. 1 to 12) obtained in Example 1. It is a figure which shows the result of having analyzed the polymer untreated PEEK substrate surface by XPS measurement. It is a figure which shows the result of having analyzed the PEEK board
- the surface of the PEEK substrate (surface modified PEEK substrate 1) after surface treatment with a copolymer (PMB30) of 2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine (hereinafter MPC) and n-butyl methacrylate (hereinafter BMA) was analyzed by XPS measurement It is a figure which shows a result. It is a figure which shows the result of having analyzed the surface of PEEK board
- R 4 represents a hydrogen atom, a phenyl group which may have a substituent, a heterocyclic functional group which may have a substituent, a glycidyl group, and the following formula (12): (Wherein, R 41 and R 42 each independently represent an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms) And a linear or branched hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, provided that R 4 is not — (CH 2 ) m—R 2 .
- the molar fraction of the obtained PMBV 622 was MPC: 72 mol%, BMA: 11 mol%, VPBA: 17 mol%.
- the molecular weight was determined by gel permeation chromatography (GPC) measurement, and as a result, the number average molecular weight (Mn) was 1.5 ⁇ 10 4 , the weight average molecular weight (Mw) was 9.1 ⁇ 10 5 , and the polydispersity was 1.7.
- Elemental analysis after surface treatment X-ray photoelectron spectroscopy (XPS) of the surface of the PEEK substrate (surface modified PEEK substrates 1 to 11) after surface treatment with various polymers (polymers of Nos. 1 to 11) obtained in Example 1 It analyzed by measurement.
- the XPS charts of the polymer untreated PEEK substrate surface are shown in FIGS. 3 to 4 and the XPS charts of the surface modified PEEK substrates 1 to 11 are shown in FIGS.
- elemental peaks unique to various polymers were confirmed.
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法を提供する。 本発明の一態様によれば、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法が提供される。
Description
本発明は、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面を他のポリマーで光固定して当該基材の表面を改質する方法に関する。
スーパーエンジニアリングプラスチックの一つである芳香族ポリエーテルケトン(以下「ポリアリールエーテルケトン」又は「PAEK」ともいう)は、十分な機械的強度を有し、化学薬品などに対して安定なために、その加工性の容易さと相成り金属材料を代替する素材として期待されている。
一方、表面に官能基を導入して、表面機能化を行う際には、化学的安定性のために、強酸による酸化処理やプラズマ照射やコロナ放電などの高エネルギー処理が不可欠となっており、導入される官能基にも制限があった。
最近、表面に重合性化合物をグラフト重合する方法が報告されているが(WO2010/58848)、反応系からの酸素の除去や重合性化合物の精製などのプロセスが必要であった。
一方、表面に官能基を導入して、表面機能化を行う際には、化学的安定性のために、強酸による酸化処理やプラズマ照射やコロナ放電などの高エネルギー処理が不可欠となっており、導入される官能基にも制限があった。
最近、表面に重合性化合物をグラフト重合する方法が報告されているが(WO2010/58848)、反応系からの酸素の除去や重合性化合物の精製などのプロセスが必要であった。
本発明は、ポリアリルエーテルケトン基材の表面に他のポリマーを化学結合させ固定することによる表面改質方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)基材の表面に炭化水素系ポリマー薄膜を成形し、これに光照射することでPAEK基材の表面を改質し得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法。
(2)芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする、芳香族ポリエーテルケトン基材と炭化水素系ポリマーとのポリマー複合体の製造方法。
(3)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンである(1)又は(2)に記載の方法。
(4)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトンである(1)又は(2)に記載の方法。
(1)芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法。
(2)芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする、芳香族ポリエーテルケトン基材と炭化水素系ポリマーとのポリマー複合体の製造方法。
(3)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンである(1)又は(2)に記載の方法。
(4)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトンである(1)又は(2)に記載の方法。
(5)炭化水素系ポリマーが、
次式(1):
[式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
で示される基を表し、
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(2):
[式中、X1、X2及びX3は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、
R1、R2、R3及びR4は前記と同様であり、
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、ニトロフェニル基などの置換芳香環、又は次式(24):
(式中、R51は、単結合、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。)
で示される基を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(3):
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素基を表し、pは2以上の整数を表す。)
で示されるもの;
又はセグメント化ポリウレタン若しくはポリイソブチレンである、(1)~(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)X1を含む構造単位が、次式(13):
(式中、R21は 水酸基、炭素数1~20の炭化水素基、又は次式(11):
で示される基を表す。)で示されるもの、又は次式(13-2):
で示されるものである(5)に記載の方法。
(7)X2を含む構造単位が、
次式(21):
(R40は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、又は次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基を表す。)、
次式(22):
又は、次式(23):
で示されるものである(5)又は(6)に記載の方法。
(8)芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体。
(9)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンである(8)に記載の複合体。
(10)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトンである(8)に記載の複合体。
(11)炭化水素系ポリマーが、
次式(1):
[式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
で示される基を表し、
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(2):
[式中、X1、X2及びX3は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、
R1、R2、R3及びR4は前記と同様であり、
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、ニトロフェニル基などの置換芳香環、又は次式(24):
(式中、R51は、単結合、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。)
で示される基を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、
cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、
X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(3):
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素基を表し、
pは2以上の整数を表す。)
で示されるもの;
又はセグメント化ポリウレタン若しくはポリイソブチレンである、(8)~(10)のいずれか1項に記載の複合体。
(12)X1を含む構造単位が、次式(13):
(式中、R21は水酸基、炭素数1~20の炭化水素基、又は次式(11):
で示される基を表す。)
で示されるもの、又は次式(13-2):
で示されるものである(11)に記載の複合体。
(13)X2を含む構造単位が、次式(21):
(R40は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、又は次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基を表す。)、
次式(22):
又は、次式(23):
で示されるものである(11)又は(12)に記載の複合体。
次式(1):
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(2):
R1、R2、R3及びR4は前記と同様であり、
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、ニトロフェニル基などの置換芳香環、又は次式(24):
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。)
で示される基を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(3):
で示されるもの;
又はセグメント化ポリウレタン若しくはポリイソブチレンである、(1)~(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)X1を含む構造単位が、次式(13):
(7)X2を含む構造単位が、
次式(21):
で示される基を表す。)、
次式(22):
(8)芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体。
(9)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンである(8)に記載の複合体。
(10)芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトンである(8)に記載の複合体。
(11)炭化水素系ポリマーが、
次式(1):
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(2):
R1、R2、R3及びR4は前記と同様であり、
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、ニトロフェニル基などの置換芳香環、又は次式(24):
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。)
で示される基を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、
cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、
X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(3):
pは2以上の整数を表す。)
で示されるもの;
又はセグメント化ポリウレタン若しくはポリイソブチレンである、(8)~(10)のいずれか1項に記載の複合体。
(12)X1を含む構造単位が、次式(13):
で示されるもの、又は次式(13-2):
(13)X2を含む構造単位が、次式(21):
で示される基を表す。)、
次式(22):
本発明の一形態によれば、PEAKの表面処理方法が提供される。本発明の一形態の方法によれば、PAEKの機械的特性と化学的安定性を担保しながら、表面に形成される炭化水素系ポリマーの表面特性を有する新規複合材が提供される。その結果、PAEKの機能材料としての応用範囲を飛躍的に高めることができるほか、従来の方法よりも簡便な方法であるため成形加工した後においても本発明の表面処理法により基材を機能化させることができる。表面に形成される炭化水素系ポリマーは官能基を担持させることも容易であるため、本発明の一形態の方法は、PAEKに高密度で特定の官能基を導入することができる。
本発明の一態様は、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法等に関する。本発明の一態様は、炭化水素系ポリマー化合物の薄膜を芳香族ポリエーテルケトン基材表面に化学的に固定するというものであり、光反応を利用することにより実施できる。本発明の一態様によれば、芳香族ポリエーテルケトンの機械的特性を活かしたまま、簡便かつ安全な方法で芳香族ポリエーテルケトンの表面を機能化させることができる。
本発明の一態様では、表面に塗布するためのポリマーを、芳香族ポリエーテルケトンを十分に濡らす溶媒に溶解し、この溶液を芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に塗布する工程、その後溶媒を揮散させることで薄膜を形成する工程、及びその表面に光照射する工程を含む。光照射により、ポリマー薄膜は芳香族ポリエーテルケトンの表面に共有結合で固定化される。これにより、芳香族ポリエーテルケトンの表面が、修飾したポリマーの特性に変わるため、親水性、接着性、潤滑性などの、芳香族ポリエーテルケトン基材のみでは得られない特徴が生じる。
1.芳香族ポリエーテルケトン基材
本発明において使用される芳香族ポリエーテルケトン基材は、スーパーエンジニアリングに使用されているものであり、その種類に限定されるものではない。芳香族ポリエーテルケトンは、ベンゼン環がエーテル基(-O-)とケトン基(-CO-)とで結合した構造を有する直鎖状ポリマーである。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンなどが挙げられるが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が好ましい。
本発明において使用される芳香族ポリエーテルケトン基材は、スーパーエンジニアリングに使用されているものであり、その種類に限定されるものではない。芳香族ポリエーテルケトンは、ベンゼン環がエーテル基(-O-)とケトン基(-CO-)とで結合した構造を有する直鎖状ポリマーである。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンなどが挙げられるが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が好ましい。
2.炭化水素系ポリマー
本発明において使用される炭化水素系ポリマーは、主鎖または側鎖に炭化水素基を有するポリマーであり、炭化水素基を有する限り特に限定されるものではない。ポリマー薄膜が芳香族ポリエーテルケトンの表面に共有結合する原理は、光照射により炭化水素系ポリマーからラジカルが生じ、相手側(芳香族ポリエーテルケトン基材)の水素を引き抜くことで共有結合するというものである(ただし、本発明はかかる原理に限定されるものではない)。この原理を利用できる限り炭化水素系ポリマーの種類は限定されず、任意に選択することができる。炭化水素系ポリマーは、一元系、二元系、三元系などいずれのものでもよい。
本発明において使用される炭化水素系ポリマーは、主鎖または側鎖に炭化水素基を有するポリマーであり、炭化水素基を有する限り特に限定されるものではない。ポリマー薄膜が芳香族ポリエーテルケトンの表面に共有結合する原理は、光照射により炭化水素系ポリマーからラジカルが生じ、相手側(芳香族ポリエーテルケトン基材)の水素を引き抜くことで共有結合するというものである(ただし、本発明はかかる原理に限定されるものではない)。この原理を利用できる限り炭化水素系ポリマーの種類は限定されず、任意に選択することができる。炭化水素系ポリマーは、一元系、二元系、三元系などいずれのものでもよい。
本発明の一態様では、炭化水素系ポリマーとして以下のものを例示することができる。
<式(1)に示すポリマー>
式(1)に示すポリマーを炭化水素系ポリマーとして使用することができる。
次式(1):
[式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表し、
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
で示される基を表し、
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるポリマー。
<式(1)に示すポリマー>
式(1)に示すポリマーを炭化水素系ポリマーとして使用することができる。
次式(1):
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるポリマー。
式(1)において、X1及びX2は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表す。X1及びX2は、例えば、ビニル系モノマー残基、アセチレン系モノマー残基、エステル系モノマー残基、アミド系モノマー残基、エーテル系モノマー残基及びウレタン系モノマー残基等が挙げられ、これらの中でも、ビニル系モノマー残基(例えばプロピレン系主鎖)が好ましい。また、X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位は、ランダムな順序で結合している。
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、好ましくは-C(O)O-で示される基である。
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
で示される基を表し、好ましくは上記(11)で示される基である。
また本発明においては、例えばR1が-C(O)O-で示される基、R2が水素原子であり、mが4である。
また本発明においては、例えばR1が-C(O)O-で示される基、R2が水素原子であり、mが4である。
R3は、単結合でもよく、あるいは、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基である。
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表す。
一実施形態において、R4は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよい複素環式官能基であり、複素環式官能基としては、例えばピロリドン基、スクシンイミジル基、フラン環、ピリジン環、モルホリン環、エポキシ環、プリン環、ピリミジン環などが挙げられる。
また一実施形態において、R4は、上記式(12)で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表すものが挙げられる。
R42としての炭素数1~6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R41は、2価の基であり、具体的には、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素鎖から2個の水素を除いた基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n‐ブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表す。
一実施形態において、R4は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよい複素環式官能基であり、複素環式官能基としては、例えばピロリドン基、スクシンイミジル基、フラン環、ピリジン環、モルホリン環、エポキシ環、プリン環、ピリミジン環などが挙げられる。
また一実施形態において、R4は、上記式(12)で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表すものが挙げられる。
R42としての炭素数1~6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R41は、2価の基であり、具体的には、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素鎖から2個の水素を除いた基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n‐ブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
式(1)において、mは、2~20の整数を表し、好ましくは2~10である。
式(1)において、a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表すが、a+b≧2である。a及びbは、それぞれ、X1を含む構造単位およびX2を含む構造単位の重合数(モノマーユニットの数)を表す。従って、例えばX1を含む構造単位がないとき(a=0のとき)は、X2を含む構造単位が2以上のポリマーとなる。
式(1)において、a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表すが、a+b≧2である。a及びbは、それぞれ、X1を含む構造単位およびX2を含む構造単位の重合数(モノマーユニットの数)を表す。従って、例えばX1を含む構造単位がないとき(a=0のとき)は、X2を含む構造単位が2以上のポリマーとなる。
式(1)において、X1を含む構造単位の具体例としては、限定はされないが、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2-アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N-(2-メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4-メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6-メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10-メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、4-スチリルオキシブチルホスホリルコリン、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリレート、2-ジメチルアミノエチルメタクリレート、2ートリメチルアンモニウムエチルメタクリレート、3-カルボキシプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート等に由来する構造単位が好ましく挙げられる。
式(2)において、X1、X2及びX3は、それぞれ独立して、重合した状態の重合性原子団を表す。X1及びX2は前記と同様である。X3も、X1及びX2と同様にビニル系モノマー残基、アセチレン系モノマー残基、エステル系モノマー残基、アミド系モノマー残基、エーテル系モノマー残基及びウレタン系モノマー残基等が挙げられる。
R1、R2、R3及びR4は前記と同様である。
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、ニトロフェニル基などの置換芳香環を表す。R5は、例えば、ボロン酸基(-B(OH)2)、スルホン酸基、フッ素原子、アミノ基、ニトロ基などの1~5個の置換基で置換されたフェニルである。R5はPEEK表面への反応には無関係な官能基を採用することができ、例えばイオン交換機能、超撥水機能、生体分子固定化機能などを有する官能基である。
また、R5は、上記置換芳香環以外にも、次式(24):
で示される基とすることもできる。
式(24)において、R51は、単結合、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表す。
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。複素環式官能基としては、例えば、例えばピロリドン基、スクシンイミジル基、フラン環、ピリジン環、モルホリン環、エポキシ環、プリン環、ピリミジン環などが挙げられる。
式(2)において、a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。a、bおよびcは、それぞれ、X1を含む構造単位、X2を含む構造単位、およびX3を含む構造単位の重合数(モノマーユニットの数)を表す。
R1、R2、R3及びR4は前記と同様である。
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、ニトロフェニル基などの置換芳香環を表す。R5は、例えば、ボロン酸基(-B(OH)2)、スルホン酸基、フッ素原子、アミノ基、ニトロ基などの1~5個の置換基で置換されたフェニルである。R5はPEEK表面への反応には無関係な官能基を採用することができ、例えばイオン交換機能、超撥水機能、生体分子固定化機能などを有する官能基である。
また、R5は、上記置換芳香環以外にも、次式(24):
式(24)において、R51は、単結合、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表す。
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。複素環式官能基としては、例えば、例えばピロリドン基、スクシンイミジル基、フラン環、ピリジン環、モルホリン環、エポキシ環、プリン環、ピリミジン環などが挙げられる。
式(2)において、a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。a、bおよびcは、それぞれ、X1を含む構造単位、X2を含む構造単位、およびX3を含む構造単位の重合数(モノマーユニットの数)を表す。
上記実施形態における式(1)および式(2)に示すポリマーにおいて、X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位は異なる構造を有する。
一実施形態において、R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、ただし、R4は-(CH2)m-R2ではない。
一実施形態において、R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状の炭化水素基(ただし、直鎖状のアルキル基を除く)若しくは分岐状の炭化水素基を表す。
一実施形態において、R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、ただし、R4は-(CH2)m-R2ではない。
一実施形態において、R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状の炭化水素基(ただし、直鎖状のアルキル基を除く)若しくは分岐状の炭化水素基を表す。
<式(3)に示すポリマー>
式(3)に示すポリマーを炭化水素系ポリマーとして使用することができる。
次式(3):
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素基を表し、pは2以上の整数を表す。)で示されるポリマー。
式(3)に示すポリマーを炭化水素系ポリマーとして使用することができる。
次式(3):
<その他のポリマー>
本発明においては、上記ポリマーのほか、炭化水素系ポリマーとして、セグメント化ポリウレタン、ポリイソブチレンなども使用することができる。
モノマーユニットが連続して結合しているポリマー鎖はセグメントと呼ばれる。本明細書において、セグメント化ポリウレタンとは、異なる化学構造を有するセグメントがそれぞれウレタン結合で結合し、繰り返されているポリマーをいう。例えば、セグメント化ポリウレタンは、例えば、以下の構造を有するものである。
(式中、a、b、c及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。)
本発明においては、上記ポリマーのほか、炭化水素系ポリマーとして、セグメント化ポリウレタン、ポリイソブチレンなども使用することができる。
モノマーユニットが連続して結合しているポリマー鎖はセグメントと呼ばれる。本明細書において、セグメント化ポリウレタンとは、異なる化学構造を有するセグメントがそれぞれウレタン結合で結合し、繰り返されているポリマーをいう。例えば、セグメント化ポリウレタンは、例えば、以下の構造を有するものである。
<炭化水素基、置換基等について>
本明細書において、炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式又は環式であるが、飽和の非環式であることが好ましい。炭化水素基が非環式の場合には、直鎖状でも分岐状でもよい。炭化水素基には、炭素数1~20(「C1-20」と表記する。他の炭素数の場合も同様。)アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C4-20アルキルジエニル基、C6-18アリール基、C7-20アルキルアリール基、C7-20アリールアルキル基、C3-20シクロアルキル基、C3-20シクロアルケニル基、C1-20アルコキシ基、C6-20アリールオキシ基、C7-20アルキルアリールオキシ基、C2-20アルコキシカルボニル基などが含まれる。
C1-20アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
C2-20アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチルアリル基、2-ブテニル基等が挙げられる。
C2-20アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチルアリル基、2-ブテニル基等が挙げられる。
C2-20アルキニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基等が挙げられる。
C4-20アルキルジエニル基としては、例えば1,3-ブタジエニル基等が挙げられる。
C6-18アリール基としては、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
C4-20アルキルジエニル基としては、例えば1,3-ブタジエニル基等が挙げられる。
C6-18アリール基としては、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
C7-20アルキルアリール基としては、例えばo-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、2,5-キシリル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、メシチル基等が挙げられる。
C7-20アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基、ジエチルベンジル基等が挙げられる。
C7-20アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基、ジエチルベンジル基等が挙げられる。
C3-20シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
C3-20シクロアルケニル基としては、例えばシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
C1-20アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
C3-20シクロアルケニル基としては、例えばシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
C1-20アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
C6-20アリールオキシ基としては、例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
C7-20アルキルアリールオキシ基としては、例えばメチルフェニルオキシ基、エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ジメチルフェニルオキシ基、ジエチルフェニルオキシ基、ジプロピルフェニルオキシ基、ジブチルフェニルオキシ基、メチルエチルフェニルオキシ基、メチルプロピルフェニルオキシ基、エチルプロピルフェニルオキシ基等が挙げられる。
C7-20アルキルアリールオキシ基としては、例えばメチルフェニルオキシ基、エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ジメチルフェニルオキシ基、ジエチルフェニルオキシ基、ジプロピルフェニルオキシ基、ジブチルフェニルオキシ基、メチルエチルフェニルオキシ基、メチルプロピルフェニルオキシ基、エチルプロピルフェニルオキシ基等が挙げられる。
C2-20アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2‐メトキシカルボニル基、t‐ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
R1、R3、R4及びR5における置換基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、水酸基、チオール基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、アミノ基、シリル基、トリメチルシリル基、トリメトキシシリル基、メタンスルホニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基、C1-7アシル基又はC2-7アルコキシカルボニル基などを挙げることができる。
後述するR40、R51における置換基としても、上記に例示した置換基を用いることができる。
後述するR40、R51における置換基としても、上記に例示した置換基を用いることができる。
R1及びR3は同一であっても、異なっていてもよい。重合反応性の点では同一であることが、得られる共重合体のモノマーユニット組成を制御する観点から好ましい。
式(1)で示されるポリマーにおいて、a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数であればよいが(但し、a+b≧2である。)、ここで、本発明の一態様において、b/(a+b)の値は0.01~1.0であり、好ましくは0.05~1.0、さらに好ましくは0.1~1.0である。
本発明の別の態様において、b/(a+b)の値は0~1.0である。
式(1)で示されるポリマーにおいて、a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数であればよいが(但し、a+b≧2である。)、ここで、本発明の一態様において、b/(a+b)の値は0.01~1.0であり、好ましくは0.05~1.0、さらに好ましくは0.1~1.0である。
本発明の別の態様において、b/(a+b)の値は0~1.0である。
式(2)で示されるポリマーにおいて、a、b及びcはそれぞれ独立しており、a及びbは0又は1以上の整数を表し、cは1以上の整数を表す(但し、a+b+c≧2である。)。本発明の一態様においては、bの部分が全体の反応性を決定し、b/(a+b+c)の値は0.01~1.0であり、好ましくは0.05~1.0、さらに好ましくは0.1~1.0である。本発明の別の態様において、b/(a+b+c)の値は0~1.0である。
上記式(1)及び(2)で示されるポリマーの重量平均分子量(Mw)は、限定はされないが、例えば分子量の範囲は、1,000以上2,000,000以下であり、好ましくは1,000以上1,000,000以下である。一実施形態では、該重量平均分子量は、1,000以上500,000以下であり、または、10,000以上100,000以下である。1,000未満では、光反応する前の基材への被覆性が悪いために、表面被覆が完全になされない可能性がある。また2,000,000よりも大きいときは、ポリマー溶液の粘性が高くなりすぎて被覆が困難になる場合がある。
式(1)及び式(2)で示されるポリマーの合成については、モノマー化合物の調製及びそれらの重合を含め、基本的には、当業者の技術水準に基づき、常法により行うことができる。
<炭化水素系ポリマーの具体例>
ここで、X1を含む構造単位としては、次式(13):
(式中、R21は 水酸基、炭素数1~20の炭化水素基、又は次式(11):
で示される基を表す。)で示されるもの、又は次式(13-2):
で示されるものが挙げられる。
ここで、X1を含む構造単位としては、次式(13):
また、X2を含む構造単位としては、次式(21):
(R40は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式官能基(例えば、ピロリドン基、スクシンイミジル基、フラン環、ピリジン環、モルホリン環、エポキシ環、プリン環、ピリミジン環など)、グリシジル基、又は次式(12):
(式中、R41及びR42は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基を表す。)
で示される基を表す。)、
次式(22):
又は、次式(23):
で示されるものが挙げられる。
さらに詳しくは、実施例に記載のポリマーを挙げることができる。例えば、炭化水素系ポリマーとしては以下のものが挙げられる。
で示される基を表す。)、
次式(22):
さらに詳しくは、実施例に記載のポリマーを挙げることができる。例えば、炭化水素系ポリマーとしては以下のものが挙げられる。
(i)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とn-ブチルメタクリレート(BMA)の共重合体(PMB)
(式中、a及びbは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、a+b≧2である)。)
(ii)ポリメチルメタクリレート(PMMA)
(式中、bは、2以上の整数を表す。)
(iii)ポリビニルピロリドン(PVPy)
(式中、bは、2以上の整数を表す。)
(iv)MPCとステアリルメタクリレート(SMA)の共重合体(PMS)
(式中、a及びbは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、a+b≧2である)。)
(v)ポリブチルメタクリレート(PBMA)
(式中、bは、2以上の整数を表す。)
(vi)ポリブチルメタクリレート(PBMA)
(式中、a及びbは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、a+b≧2である)。)
(vii)MPCと2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)の共重合体(PMEH)
(式中、a及びbは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、a+b≧2である)。)
(viii)ポリスチレン(PS)
(式中、bは、2以上の整数を表す。)
(xi)MPCと2-(n-ブチルウレタン)エチルメタクリレート(MEBU)の共重合体(PMBU)
(式中、a及びbは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、a+b≧2である)。)
(x)セグメント化ポリウレタン(SPU)
(式中、a、b、c及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。)
(xi)MPCとBMAとp-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)の共重合体(PMBV)
(式中、a、b、及びcは1以上の整数を表す。但し、a+b+c≧3である。)
(xii)n-ブチルメタクリレート(BMA)とメタクリル酸(MA)の共重合体(PBMA)
(式中、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、m+n≧2である)。)
(xiii)n-ブチルメタクリレート(BMA)とグリシジルメタクリレート(GMA)の共重合体(PBGMA)
(式中、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、m+n≧2である)。)
(xiv)n-ブチルメタクリレート(BMA)とグリシジルメタクリレート(GMA)の共重合体 (PBGMA)
(式中、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、m+n≧2である)。)
(xv)n-ブチルメタクリレート(BMA)と3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(TMSPMA)の共重合体 (PBTMSPMA)
(式中、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、m+n≧2である)。)
(xvi)n-ブチルメタクリレート(BMA)とN-スクシンイミジルメタクリレート(NHS-MA)の共重合体(PBNHSMA)
(式中、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、m+n≧2である)。)
(ii)ポリメチルメタクリレート(PMMA)
(iii)ポリビニルピロリドン(PVPy)
(iv)MPCとステアリルメタクリレート(SMA)の共重合体(PMS)
(v)ポリブチルメタクリレート(PBMA)
(vi)ポリブチルメタクリレート(PBMA)
(vii)MPCと2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)の共重合体(PMEH)
(viii)ポリスチレン(PS)
(xi)MPCと2-(n-ブチルウレタン)エチルメタクリレート(MEBU)の共重合体(PMBU)
(x)セグメント化ポリウレタン(SPU)
(xi)MPCとBMAとp-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)の共重合体(PMBV)
(式中、a、b、及びcは1以上の整数を表す。但し、a+b+c≧3である。)
(xii)n-ブチルメタクリレート(BMA)とメタクリル酸(MA)の共重合体(PBMA)
(xiii)n-ブチルメタクリレート(BMA)とグリシジルメタクリレート(GMA)の共重合体(PBGMA)
(xiv)n-ブチルメタクリレート(BMA)とグリシジルメタクリレート(GMA)の共重合体 (PBGMA)
(式中、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す(但し、m+n≧2である)。)
(xv)n-ブチルメタクリレート(BMA)と3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(TMSPMA)の共重合体 (PBTMSPMA)
(xvi)n-ブチルメタクリレート(BMA)とN-スクシンイミジルメタクリレート(NHS-MA)の共重合体(PBNHSMA)
3.表面改質方法及び複合体の製造方法
本発明の方法は、前記の通り、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする。
塗布工程においては、前記炭化水素系ポリマーを主要成分として含む溶液を用いて行えばよい。本発明において使用可能な溶媒としては、炭化水素系ポリマーを溶解し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えばエタノール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
塗布手段は特に限定されず、当業者に公知の方法により行えばよい。例えば、浸漬法、スピンコート法などが挙げられる。
本発明の方法は、前記の通り、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする。
塗布工程においては、前記炭化水素系ポリマーを主要成分として含む溶液を用いて行えばよい。本発明において使用可能な溶媒としては、炭化水素系ポリマーを溶解し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えばエタノール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
塗布手段は特に限定されず、当業者に公知の方法により行えばよい。例えば、浸漬法、スピンコート法などが挙げられる。
光照射工程は、芳香族ポリエーテルケトン基材に塗布した炭化水素系ポリマー溶液が乾燥した後、光を照射すればよい。照射光としては、ラジカルを生じさせることができるものがよいため、紫外線(UV光)が好ましい。照射光の波長は250nm~480nmである。250nmより低波長の光ではエネルギーが高くPEEK基材表面を障害する危険性があり、一方、480nm以上では光エネルギーが弱いために、ポリマーの表面での反応効率が悪くなる場合がある。なお、適切な増感剤を利用して、波長領域を変更することも可能である。照射光の線量や照射時間は、限定はされず、当業者の通常の技術常識に基づいて、適宜設定することができる。
このようにして、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体を得ることができる。
上記工程により、芳香族ポリエーテルケトン基材に塗布されたポリマーは、基材の表面を被覆して、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面の特徴を改変する。
上記工程により、芳香族ポリエーテルケトン基材に塗布されたポリマーは、基材の表面を被覆して、芳香族ポリエーテルケトン基材の表面の特徴を改変する。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
表面処理
表面処理には下記のポリマー(No.1~12のポリマー)を用いた。
1. 2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とn-ブチルメタクリレート(BMA)の共重合体 (MPC/BMA=3/7)(PMB30)
日油(株)製品(重量平均分子量(Mw):5 x 105)
表面処理には下記のポリマー(No.1~12のポリマー)を用いた。
1. 2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とn-ブチルメタクリレート(BMA)の共重合体 (MPC/BMA=3/7)(PMB30)
日油(株)製品(重量平均分子量(Mw):5 x 105)
5. MPCとステアリルメタクリレート(SMA)の共重合体(MPC/SMA=9/1)(PMS90)
ガラス製のアンプルに2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)およびn-ステアリルメタクリレート(SMA)をモル比90:10で秤量した。これに開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて65℃にて5.5時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=9:1の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥後、得られた粉末を蒸留水に再溶解し、48時間透析を行った後、凍結乾燥により白色粉末のPMS90を得た。得られたPMS90のモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 91 mol%, SMA: 9 mol%であった。収率は67%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は1.8 x 104、重量平均分子量(Mw)は6.1 x 104、多分散度は3.4であった。
ガラス製のアンプルに2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)およびn-ステアリルメタクリレート(SMA)をモル比90:10で秤量した。これに開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて65℃にて5.5時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=9:1の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥後、得られた粉末を蒸留水に再溶解し、48時間透析を行った後、凍結乾燥により白色粉末のPMS90を得た。得られたPMS90のモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 91 mol%, SMA: 9 mol%であった。収率は67%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は1.8 x 104、重量平均分子量(Mw)は6.1 x 104、多分散度は3.4であった。
7. MPCとドデシルメタクリレート(DMA)の共重合体(MPC/DMA=7/3)(PMD70)
実施例1のSMAの代わりに、ドデシルメタクリレート(DMA)を用いて、MPCと共重合反応を行い、PMDを得た。ガラス製のアンプルにMPCおよびDMAをモル比80:20で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて9.0時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=9:1の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥後、得られた粉末を蒸留水に再溶解し、60時間透析を行った後、凍結乾燥により白色粉末のPMDを得た。得られたPMDのモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 88 mol%, DMA: 12 mol%であった。収率は64%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は2.7 x 104、重量平均分子量(Mw)は8.6 x 104、多分散度は3.1であった。
実施例1のSMAの代わりに、ドデシルメタクリレート(DMA)を用いて、MPCと共重合反応を行い、PMDを得た。ガラス製のアンプルにMPCおよびDMAをモル比80:20で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて9.0時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=9:1の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥後、得られた粉末を蒸留水に再溶解し、60時間透析を行った後、凍結乾燥により白色粉末のPMDを得た。得られたPMDのモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 88 mol%, DMA: 12 mol%であった。収率は64%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は2.7 x 104、重量平均分子量(Mw)は8.6 x 104、多分散度は3.1であった。
8. MPCと2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)の共重合体(MPC/EHMA=3/7)(PMEH30)
実施例1のSMAの代わりに、2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)を用いて、MPCと共重合反応を行い、PMEH30を得た。ガラス製のアンプルにMPCおよびEHMAをモル比30:70で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は1.0 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて12時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。得られたPMEH30のモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 33 mol%, EHMA: 67 mol%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は4.4 x 104、重量平均分子量(Mw)は1.2 x 105、多分散度は2.7であった。
実施例1のSMAの代わりに、2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)を用いて、MPCと共重合反応を行い、PMEH30を得た。ガラス製のアンプルにMPCおよびEHMAをモル比30:70で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は1.0 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて12時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。得られたPMEH30のモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 33 mol%, EHMA: 67 mol%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は4.4 x 104、重量平均分子量(Mw)は1.2 x 105、多分散度は2.7であった。
10. MPCと2-(n-ブチルウレタン)エチルメタクリレート(MEBU)の共重合体(MPC/MEBU=3/7)(PMBU30)
実施例1のSMAの代わりに、2-(n-ブチルウレタン)エチルメタクリレート(MEBU)を用いて、MPCと共重合反応を行い、PMBUを得た。ガラス製のアンプルにMPCおよびMEBUをモル比30:70で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は1.0 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて12時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。得られたPMBUのモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 30 mol%, MEBU: 70 mol%であった。
実施例1のSMAの代わりに、2-(n-ブチルウレタン)エチルメタクリレート(MEBU)を用いて、MPCと共重合反応を行い、PMBUを得た。ガラス製のアンプルにMPCおよびMEBUをモル比30:70で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は1.0 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて12時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。得られたPMBUのモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 30 mol%, MEBU: 70 mol%であった。
12. MPCとBMAとp-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)の共重合体(MPC/BMA/VPBA=6/2/2)(PMBV622)
実施例1のSMAの代わりに、n-ブチルメタクリレート(BMA)とp-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)を用いて、MPCと共重合反応を行い、三元共重合体(PMBV622)を得た。ガラス製のアンプルにMPC、BMAおよびVPBAをモル比60:20:20で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.5 mol/L、開始剤濃度2.5 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて65℃にて6時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥後、得られた粉末を蒸留水に再溶解し、48時間透析を行った後、凍結乾燥により白色粉末のPMBV622を得た。得られたPMBV622のモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 72 mol%, BMA: 11 mol%, VPBA: 17 mol%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は1.5 x 104、重量平均分子量(Mw)は9.1 x 105、多分散度は1.7であった。
実施例1のSMAの代わりに、n-ブチルメタクリレート(BMA)とp-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)を用いて、MPCと共重合反応を行い、三元共重合体(PMBV622)を得た。ガラス製のアンプルにMPC、BMAおよびVPBAをモル比60:20:20で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてエタノールを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.5 mol/L、開始剤濃度2.5 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて65℃にて6時間行なった。反応終了後、エーテル:クロロホルム=8:2の溶媒を用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥後、得られた粉末を蒸留水に再溶解し、48時間透析を行った後、凍結乾燥により白色粉末のPMBV622を得た。得られたPMBV622のモル分率は1H-NMR測定の結果、MPC: 72 mol%, BMA: 11 mol%, VPBA: 17 mol%であった。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により分子量を求めた結果、数平均分子量(Mn)は1.5 x 104、重量平均分子量(Mw)は9.1 x 105、多分散度は1.7であった。
上記No.1~12のポリマーを表面処理に用いた。
No.1, 2, 4, 5, 7, 8, 10, 12のポリマーはエタノール、No.3, 6, 9のポリマーはテトラヒドロフラン、No.11のポリマーはクロロホルムを溶媒として用いてポリマー濃度が0.50 wt%となるように溶液を調製した。
PEEK基板を各種ポリマー溶液に10秒間浸漬し、風乾した。その後、サンプルにUV光(波長:300~450 nm, 最大輝度:365 nm, 強度:18 mW)を30 分間照射した。未反応のポリマーを基板から除去するため、各ポリマーの溶解に利用した溶媒に浸漬し、一晩振とうさせながら洗浄した。
これにより、上記No.1~12のポリマーで表面処理された表面改質PEEK基板1~12(すなわち、PEEK基板上に上記No.1~12のポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体)を得た。
No.1, 2, 4, 5, 7, 8, 10, 12のポリマーはエタノール、No.3, 6, 9のポリマーはテトラヒドロフラン、No.11のポリマーはクロロホルムを溶媒として用いてポリマー濃度が0.50 wt%となるように溶液を調製した。
PEEK基板を各種ポリマー溶液に10秒間浸漬し、風乾した。その後、サンプルにUV光(波長:300~450 nm, 最大輝度:365 nm, 強度:18 mW)を30 分間照射した。未反応のポリマーを基板から除去するため、各ポリマーの溶解に利用した溶媒に浸漬し、一晩振とうさせながら洗浄した。
これにより、上記No.1~12のポリマーで表面処理された表面改質PEEK基板1~12(すなわち、PEEK基板上に上記No.1~12のポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体)を得た。
表面処理後の濡れ性の評価
図1に示すcaptive bubble法を用いて、実施例1で得た上記No.1~11のポリマーで表面改質されたPEEK基板(表面改質PEEK基板1~11)について、水中における表面の濡れ性を評価した。水中における気泡の接触角(θ)を180°から引いた値(180°-θ)を図2に示す。PEEK基板が80°程度であるのに対し、親水性のポリマーで処理した基板(No.1, 2, 5, 7, 8, 10)では0~40°の値を示した。
図1に示すcaptive bubble法を用いて、実施例1で得た上記No.1~11のポリマーで表面改質されたPEEK基板(表面改質PEEK基板1~11)について、水中における表面の濡れ性を評価した。水中における気泡の接触角(θ)を180°から引いた値(180°-θ)を図2に示す。PEEK基板が80°程度であるのに対し、親水性のポリマーで処理した基板(No.1, 2, 5, 7, 8, 10)では0~40°の値を示した。
表面処理後の元素分析
実施例1で得た各種ポリマー(No.1~11のポリマー)で表面処理した後のPEEK基板(表面改質PEEK基板1~11)表面をX線光電子分光(XPS)測定により分析した。ポリマー未処理のPEEK基板表面のXPSのチャートを図3~4に示し、表面改質PEEK基板1~11のXPSのチャートを図5~15に示す。その結果、各種ポリマーに特有の元素ピークが確認された。
実施例1で得た各種ポリマー(No.1~11のポリマー)で表面処理した後のPEEK基板(表面改質PEEK基板1~11)表面をX線光電子分光(XPS)測定により分析した。ポリマー未処理のPEEK基板表面のXPSのチャートを図3~4に示し、表面改質PEEK基板1~11のXPSのチャートを図5~15に示す。その結果、各種ポリマーに特有の元素ピークが確認された。
細胞接着を利用したポリマーの安定性評価
PMBV622 (実施例1で得たNo.12のポリマー)の5.0 wt%エタノール溶液を調製し、PEEK基板にスピンコートした。乾燥後、サンプルの特定領域にのみUV光を15分間照射し、エタノール中で超音波洗浄を1分間行った。表面処理後のPEEK基板を直径35mmのディッシュにいれ、L929細胞(播種密度:105 cells/cm2)を37°Cで24時間培養した。
PMBV622 (実施例1で得たNo.12のポリマー)の5.0 wt%エタノール溶液を調製し、PEEK基板にスピンコートした。乾燥後、サンプルの特定領域にのみUV光を15分間照射し、エタノール中で超音波洗浄を1分間行った。表面処理後のPEEK基板を直径35mmのディッシュにいれ、L929細胞(播種密度:105 cells/cm2)を37°Cで24時間培養した。
L929の接着挙動を図16に示す。MPCポリマーで覆われた表面では、細胞の接着が抑制されることが知られている(K. Fukazawa, et al, ACS Applied Materials & Interfaces 8巻、36号、24949頁-24998頁、2016年)。超音波洗浄していない基板上では、UV光照射の有無にかかわらず細胞が接着しなかった。これは、PEEK表面がPMBVで覆われているためである。超音波洗浄した基板上では、UV光を照射していない領域にのみ細胞が接着した。UV光を照射していない領域では、超音波洗浄によりPMBVがPEEK基板から溶出し、未処理のPEEK表面が露出したためである。一方、UV光照射した領域では、細胞接着が抑制された。これは、PMBVがPEEK基板表面に光反応により共有結合で結合しているため、超音波洗浄後でも安定であることを示している。
表面処理
表面処理には下記のポリマー(No.13~17のポリマー)を用いた。
表面処理には下記のポリマー(No.13~17のポリマー)を用いた。
13. n-ブチルメタクリレート(BMA)とメタクリル酸(MA)の共重合体 (PBMA)
ガラス製のアンプルにn-ブチルメタクリレート(BMA)およびメタクリル酸(MA)をモル比70:30で秤量した。これに開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、n-ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBMAを得た。得られたPMBAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 81 mol%, MA: 19 mol%であった。
ガラス製のアンプルにn-ブチルメタクリレート(BMA)およびメタクリル酸(MA)をモル比70:30で秤量した。これに開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、n-ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBMAを得た。得られたPMBAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 81 mol%, MA: 19 mol%であった。
14. n-ブチルメタクリレート(BMA)とグリシジルメタクリレート(GMA)の共重合体 (PBGMA)
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、グリシジルメタクリレート(GMA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBGMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびGMAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、メタノールを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBGMAを得た。得られたPBGMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 71 mol%, GMA: 29 mol%であった。
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、グリシジルメタクリレート(GMA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBGMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびGMAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、メタノールを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBGMAを得た。得られたPBGMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 71 mol%, GMA: 29 mol%であった。
15. n-ブチルメタクリレート(BMA)と2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の共重合体 (PBHEMA)
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、2-ヒドロキシメタクリレート(HEMA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBHEMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびHEMAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBHEMAを得た。得られたPBGMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 70 mol%, HEMA: 30 mol%であった。
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、2-ヒドロキシメタクリレート(HEMA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBHEMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびHEMAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBHEMAを得た。得られたPBGMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 70 mol%, HEMA: 30 mol%であった。
16. n-ブチルメタクリレート(BMA)と3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(TMSPMA)の共重合体 (PBTMSPMA)
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(TMSPMA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBTMSPMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびTMSPMAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBTMSPMAを得た。得られたPBTMSPMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 70 mol%, TMSPMA: 30 mol%であった。
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(TMSPMA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBTMSPMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびTMSPMAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBTMSPMAを得た。得られたPBTMSPMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 70 mol%, TMSPMA: 30 mol%であった。
17. n-ブチルメタクリレート(BMA)とN-スクシンイミジルメタクリレート(NHS-MA)の共重合体 (PBNHSMA)
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、N-スクシンイミジルメタクリレート(NHS-MA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBNHSMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびNHS-MAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、メタノールを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBNHSMAを得た。得られたPBNHSMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 68 mol%, TMSPMA: 32 mol%であった。
実施例5のNo.13においてMAの代わりに、N-スクシンイミジルメタクリレート(NHS-MA)を用いて、BMAと共重合反応を行い、PBNHSMAを得た。ガラス製のアンプルにBMAおよびNHS-MAをモル比70:30で秤量した。これに開始剤としてAIBNを加え、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて所定濃度に希釈した。この際、モノマー濃度は0.50 mol/L、開始剤濃度5.0 mmol/Lとした。十分に溶液中の酸素をアルゴンで除去後、アンプルを封管した。反応はシリコーンオイルバスを用いて60℃にて24時間行なった。反応終了後、メタノールを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去した。減圧乾燥により白色粉末のPBNHSMAを得た。得られたPBNHSMAのモル分率は1H-NMR測定の結果、BMA: 68 mol%, TMSPMA: 32 mol%であった。
上記No.13~17のポリマーを表面処理に用いた。
上記No.13~17ポリマーはテトラヒドロフランを用いてポリマー濃度が0.50 wt%となるように溶液を調製した。
PEEK基板を各種ポリマー溶液に10秒間浸漬し、風乾した。その後、サンプルにUV光(波長:300~450 nm, 最大輝度:365 nm, 強度:18 mW)を30 分間照射した。未反応のポリマーを基板から除去するため、各ポリマーの溶解に利用した溶媒に浸漬し、一晩振とうさせながら洗浄した。
これにより、上記No.13~17のポリマーで表面処理された表面改質PEEK基板13~17(すなわち、PEEK基板上に上記No.13~17のポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体)を得た。
上記No.13~17ポリマーはテトラヒドロフランを用いてポリマー濃度が0.50 wt%となるように溶液を調製した。
PEEK基板を各種ポリマー溶液に10秒間浸漬し、風乾した。その後、サンプルにUV光(波長:300~450 nm, 最大輝度:365 nm, 強度:18 mW)を30 分間照射した。未反応のポリマーを基板から除去するため、各ポリマーの溶解に利用した溶媒に浸漬し、一晩振とうさせながら洗浄した。
これにより、上記No.13~17のポリマーで表面処理された表面改質PEEK基板13~17(すなわち、PEEK基板上に上記No.13~17のポリマー薄膜が形成されたポリマー複合体)を得た。
ポリマーの構造解析
実施例5で調製した、各種ポリマー(No.13~17のポリマー)の構造をFT-IR測定により分析した。図17にIRスペクトルを示す。全てのポリマーについて、メタクリル酸エステルのC=Oに由来するIR吸収が1720-1730 cm-1に確認できた。また、各種ポリマーに特徴的な官能基に由来するIR吸収が確認できた。これらは、この表面処理法によりPEEK基板にBMA系ポリマーが被覆されたことを示す。
実施例5で調製した、各種ポリマー(No.13~17のポリマー)の構造をFT-IR測定により分析した。図17にIRスペクトルを示す。全てのポリマーについて、メタクリル酸エステルのC=Oに由来するIR吸収が1720-1730 cm-1に確認できた。また、各種ポリマーに特徴的な官能基に由来するIR吸収が確認できた。これらは、この表面処理法によりPEEK基板にBMA系ポリマーが被覆されたことを示す。
表面処理後の濡れ性の評価
図1に示すCaptive bubble法を用いて、実施例5で得た上記No.13~17のポリマーで表面改質されたPEEK基板について、水中における表面の濡れ性を評価した。水中における気泡の接触角(θ)を180°から引いた値(180°-θ)を図18に示す。
表面の液滴の接触角(水接触角;180°-θ)は、界面に関わる様々な現象や機能を考える上で簡便で効果的なパラメーターとなる。これは、表面自由エネルギーと大きく関わり、表張力の異なる液滴の接触角を測定することで、液滴の表面張力との関連から臨界表面張力を得ることが可能であることを意味する。未処理PEEK表面の水接触角は85°となり、これは非常に疎水的な表面であることを示している。親水的な2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)ユニットを持つポリマー(PBHEMA)では、表面の水接触角が72°へと低下することが認められた。
図1に示すCaptive bubble法を用いて、実施例5で得た上記No.13~17のポリマーで表面改質されたPEEK基板について、水中における表面の濡れ性を評価した。水中における気泡の接触角(θ)を180°から引いた値(180°-θ)を図18に示す。
表面の液滴の接触角(水接触角;180°-θ)は、界面に関わる様々な現象や機能を考える上で簡便で効果的なパラメーターとなる。これは、表面自由エネルギーと大きく関わり、表張力の異なる液滴の接触角を測定することで、液滴の表面張力との関連から臨界表面張力を得ることが可能であることを意味する。未処理PEEK表面の水接触角は85°となり、これは非常に疎水的な表面であることを示している。親水的な2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)ユニットを持つポリマー(PBHEMA)では、表面の水接触角が72°へと低下することが認められた。
これらの結果より、PEEK基板表面に簡便な方法で炭化水素系ポリマーを固定化できることがわかった。これに伴い、多様な官能基の導入が可能である。
表面処理後の元素分析
実施例5で得た各種ポリマー(No.13~17のポリマー)で表面処理した後のPEEK基板(表面改質PEEK基板13~17)表面をX線光電子分光(XPS)測定により分析した。XPSのチャートを図19~23に示す。各種ポリマーに特有の元素ピークが確認された。
実施例5で得た各種ポリマー(No.13~17のポリマー)で表面処理した後のPEEK基板(表面改質PEEK基板13~17)表面をX線光電子分光(XPS)測定により分析した。XPSのチャートを図19~23に示す。各種ポリマーに特有の元素ピークが確認された。
以上、本発明について実施形態及び例示物等を示して説明したが、本発明は上記に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書に記載した全ての文献及び刊行物は、その目的にかかわらず参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。また、本明細書は、本願の優先権主張の基礎となる日本国特許出願である特願2017-227906号(2017年11月28日出願)及び特願2018-084817号(2018年4月26日出願)の特許請求の範囲、明細書の開示内容を包含し、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
Claims (13)
- 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法。
- 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマーを塗布し、これに光照射することを特徴とする、芳香族ポリエーテルケトン基材と炭化水素系ポリマーとのポリマー複合体の製造方法。
- 芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンである請求項1又は2に記載の方法。
- 芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトンである請求項1又は2に記載の方法。
- 炭化水素系ポリマーが、次式(1):
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(2):
R1、R2、R3及びR4は前記と同様であり、R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、及びニトロフェニル基からなる群から選択される置換芳香環、又は次式(24):
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。)
で示される基を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、
cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、
X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(3):
で示されるもの;
又はセグメント化ポリウレタン若しくはポリイソブチレンである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。 - 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面に炭化水素系ポリマー薄膜が形成されたポリマー
複合体。 - 芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン又はポリエーテルエーテルケトンエーテルケトンケトンである請求項8に記載の複合体。
- 芳香族ポリエーテルケトンが、ポリエーテルエーテルケトンである請求項8に記載の複合体。
- 炭化水素系ポリマーが、次式(1):
R1は、置換基を有していてもよいフェニル基、又は-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R2は、水素原子、水酸基、又は次式(11):
R3は、単結合、又は置換基を有していてもよいフェニル基、若しくは-C(O)-、-C(O)O-、-O-、-CONH-若しくは-NHCOO-で示される基を表し、
R4は、水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、グリシジル基、次式(12):
で示される基、又は炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基を表し、
mは、2~20の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し(但し、a+b≧2である。)、
X1を含む構造単位及びX2を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(2):
R1、R2、R3及びR4は前記と同様であり、
R5はフェニルボロン酸、フェニルスルホン酸基、ペンタフルオロフェニル基、アミノフェニル基、及びニトロフェニル基からなる群から選択される置換芳香環、又は次式(24):
R52は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい複素環式官能基、又はグリシジル基を表す。)
で示される基を表し、
a及びbは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、
cは1以上の整数を表し(但し、a+b+c≧2である。)、
X1を含む構造単位、X2を含む構造単位及びX3を含む構造単位はランダムな順序で結合している。]
で示されるもの;
次式(3):
pは2以上の整数を表す。)
で示されるもの;
又はセグメント化ポリウレタン若しくはポリイソブチレンである、請求項8~10のいずれか1項に記載の複合体。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017227906 | 2017-11-28 | ||
JP2017-227906 | 2017-11-28 | ||
JP2018084817A JP7285532B2 (ja) | 2017-11-28 | 2018-04-26 | 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法 |
JP2018-084817 | 2018-04-26 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2019107372A1 true WO2019107372A1 (ja) | 2019-06-06 |
Family
ID=66664941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
PCT/JP2018/043642 WO2019107372A1 (ja) | 2017-11-28 | 2018-11-27 | 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
WO (1) | WO2019107372A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2798842C1 (ru) * | 2019-06-28 | 2023-06-28 | Алькон Инк. | Офтальмологические композиции |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0625450A (ja) * | 1992-03-11 | 1994-02-01 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 表面改質ゴム製品とその製造方法 |
JP2010059346A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Univ Of Tokyo | 疎水性ポリマー材料の光表面改質法 |
WO2010074238A1 (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-01 | 日本メディカルマテリアル株式会社 | ポリマー摺動材料、人工関節部材、医療器具及びその製造方法 |
JP2017127551A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | 京セラ株式会社 | 脊椎用スクリューアセンブリ |
WO2017209222A1 (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 京セラ株式会社 | 医療機器の製造方法 |
WO2018003822A1 (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-04 | 日油株式会社 | 滑り性付与剤および滑り性付与方法 |
-
2018
- 2018-11-27 WO PCT/JP2018/043642 patent/WO2019107372A1/ja active Application Filing
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0625450A (ja) * | 1992-03-11 | 1994-02-01 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 表面改質ゴム製品とその製造方法 |
JP2010059346A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Univ Of Tokyo | 疎水性ポリマー材料の光表面改質法 |
WO2010074238A1 (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-01 | 日本メディカルマテリアル株式会社 | ポリマー摺動材料、人工関節部材、医療器具及びその製造方法 |
JP2017127551A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | 京セラ株式会社 | 脊椎用スクリューアセンブリ |
WO2017209222A1 (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 京セラ株式会社 | 医療機器の製造方法 |
WO2018003822A1 (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-04 | 日油株式会社 | 滑り性付与剤および滑り性付与方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2798842C1 (ru) * | 2019-06-28 | 2023-06-28 | Алькон Инк. | Офтальмологические композиции |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Bartholome et al. | Nitroxide-mediated polymerization of styrene initiated from the surface of silica nanoparticles. In situ generation and grafting of alkoxyamine initiators | |
Yan et al. | Surface-initiated photoinduced ATRP: Mechanism, oxygen tolerance, and temporal control during the synthesis of polymer brushes | |
Isakova et al. | Controlled RAFT polymerization and zinc binding performance of catechol-inspired homopolymers | |
Xu et al. | Surface-initiated atom transfer radical polymerization from halogen-terminated Si (111)(Si− X, X= Cl, Br) surfaces for the preparation of well-defined polymer− Si hybrids | |
Wei et al. | Stratified polymer brushes from microcontact printing of polydopamine initiator on polymer brush surfaces | |
US7759406B2 (en) | Process for producing polysilsesquioxane graft polymer, pressure-sensitive adhesive, and pressure-sensitive adhesive sheet | |
Abraham et al. | Multi‐functional initiator and poly (carboxybetaine methacrylamides) for building biocompatible surfaces using “nitroxide mediated free radical polymerization” strategies | |
JP2017177754A (ja) | 表面修飾フィルム | |
JP6298691B2 (ja) | 相分離構造を含む構造体の製造方法及びトップコート膜の成膜方法 | |
Mocny et al. | Synthesis of Loop Poly (Methyl Methacrylate) Brushes via Chain-End Postpolymerization Modification | |
Cimen et al. | Synthesis and stability of BODIPY‐based fluorescent polymer brushes at different p H s | |
Nguyen et al. | Solid-supported MADIX polymerization of vinyl acetate | |
CN108586738B (zh) | 一种线性聚乙烯亚胺嵌段共聚物的合成方法 | |
WO2019107372A1 (ja) | 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法 | |
JP6078150B2 (ja) | 物品の表面のエピラム化のための作用剤 | |
JP7285532B2 (ja) | 芳香族ポリエーテルケトン基材の表面改質方法 | |
TW201842098A (zh) | 親水性構造體及親水性構造體的製造方法 | |
JP5007881B2 (ja) | 親水性フィルム及びその製造方法 | |
US7247387B1 (en) | Material and process for controlled thin polymeric coatings on plastic surface | |
JP6019738B2 (ja) | 親水性層を有する基材の製造方法 | |
JP2019034990A (ja) | 多孔質体の表面処理ポリマー | |
JP2021187907A (ja) | 親水性基材及び親水性基材作製方法 | |
JP7048946B2 (ja) | 表面処理膜、その製造方法、及び物品 | |
Loontjens et al. | Synthesis of α-alkyl ω-trimethoxysilane polyoxazolines and their application as coatings on glass fibres | |
CN110372836B (zh) | 一种乙烯基砜表面引发水相阴离子聚合方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
Ref document number: 18884447 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
|
122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 18884447 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |