JP2017149917A - 高分子化合物、コーティング材、成形体、細胞培養容器および成形体の製造方法 - Google Patents

高分子化合物、コーティング材、成形体、細胞培養容器および成形体の製造方法 Download PDF

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佳樹 西川
孝行 松元
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孝行 松元
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Sohei Funaoka
創平 舩岡
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Masanori Senoo
政宣 妹尾
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Abstract

【課題】生体適合性に優れた被覆膜を、基材に対して良好な密着状態で形成するために有用な高分子化合物、およびこれを用いて形成した成形体に係る技術を提供する。
【解決手段】式(1)で示される構造を含む高分子化合物。
Figure 2017149917

(R、R及びRは各々独立に共重合して得られた状態の重合性原子団;l及びmは各々独立に2以上の整数;nは、1以上の整数;a及びbは各々独立に2以上の数;cは0以上の数;Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位は、夫々ランダムな順序で結合している、またはブロック状態で結合している)
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物、コーティング材、成形体、細胞培養容器および成形体の製造方法に関する。
細胞凝集塊の作製に用いる従来の培養容器(以下、細胞培養容器と示す。)には、培養細胞が当該容器表面に付着することを防ぐ目的で、親水性の生体適合性ポリマーを用いた表面処理が施されている。近年、上述した表面処理に使用可能な生体適合性ポリマーについては、これまでに種々の提案がなされている。
たとえば、特許文献1には、特定のホスホリルコリン類似基含有単量体と、多環式芳香族基含有ビニル単量体という疎水性単量体とを共重合して得られた重合体を用いて基材の表面処理を行い、細胞培養容器を作製する技術が記載されている。
また、特許文献2および3には、ホスホリルコリン基を含む側鎖と、アジド基を含む側鎖とを有するポリマーを用いて基材の表面処理を行い、細胞培養容器を作製する技術が記載されている。
特開2008−280398号公報 特開2010−059346号公報 特開2010−059367号公報
しかしながら、本発明者らは、従来の細胞培養容器について、目的の細胞凝集塊を安定的に作製できない場合があることを知見した。そこで、本発明者らは、従来の細胞培養容器を用いて安定的に細胞凝集塊を作製できない要因について鋭意検討した結果、従来の細胞培養容器では、生体適合性ポリマーを用いて形成した被覆膜が基材から剥離してしまっている等の不都合が生じる可能性があることを見出した。つまり、本発明者らは、従来の生体適合性ポリマーを用いて形成した被覆膜における基材と密着させる側の面と、基材との密着性という観点において、改善の余地があることを見出した。
そこで、本発明は、生体適合性に優れた被覆膜を、基材に対して良好な密着状態で形成するために有用な高分子化合物、およびこれを用いて形成した成形体に係る技術を提供する。
本発明によれば、下記一般式(1)で示される構造を含む高分子化合物が提供される。
Figure 2017149917
(上記一般式(1)において、R、R及びRは、互いに独立して、共重合して得られた状態の重合性原子団を表わし、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−である。R、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、−C(O)−、−C(O)O−、−O−、および−S−からなる群より選択された基である。Rは、置換基を有していてもよいフェニレン基、−OC(O)−、−C(O)−、および−O−からなる群より選択された基である。l及びmは、互いに独立した2以上の整数である。nは、1以上の整数である。a及びbは、互いに独立した2以上の数である。cは、0以上の数である。Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位は、それぞれランダムな順序で結合している、またはブロック状態で結合している。)
さらに、本発明によれば、上記高分子化合物を含む、コーティング材が提供される。
さらに、本発明によれば、基材と、
前記基材表面を覆うように形成された、上記高分子化合物を含むコーティング材からなる被覆部と、
を有する成形体が提供される。
さらに、本発明によれば、上記成形体により構成された細胞培養容器が提供される。
さらに、本発明によれば、上記高分子化合物を溶剤に溶かしたコーティング材を調製する工程と、
前記コーティング材を基材に塗布する工程と、
を含み、
前記塗布する工程において、前記コーティング材を前記基材の表面を覆うように塗布する、成形体の製造方法が提供される。
本発明によれば、生体適合性に優れた被覆膜を、基材に対して良好な密着状態で形成するために有用な高分子化合物、およびこれを用いて形成した成形体に係る技術を提供することができる。
本実施形態に係る細胞培養容器の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<高分子化合物>
本実施形態に係る高分子化合物は、下記一般式(1)で示される構造を含むポリマーである。
Figure 2017149917
(上記一般式(1)において、R、R及びRは、互いに独立して、共重合して得られた状態の重合性原子団を表わし、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−である。R、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、−C(O)−、−C(O)O−、−O−、および−S−からなる群より選択された基である。Rは、置換基を有していてもよいフェニレン基、−OC(O)−、−C(O)−、および−O−からなる群より選択された基である。l及びmは、互いに独立した2以上の整数である。nは、1以上の整数である。a及びbは、互いに独立した2以上の数である。cは、0以上の数である。Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位は、それぞれランダムな順序で結合している、またはブロック状態で結合している。)
まず、上記発明が解決しようとする課題の項で述べたとおり、本発明者らは、従来の細胞培養容器では安定的に細胞凝集塊を作製できない要因について鋭意検討した結果、従来の生体適合性ポリマーにより形成された被覆膜が基材から剥離してしまっている等の不都合が生じる可能性があることを見出した。つまり、本発明者らは、従来の生体適合性ポリマーにより形成された被覆膜に関し、生物資源とともに用いられる構造体の表面との相互作用の強さ(基材との密着性)という観点において改善の余地があることを見出した。
ここで、生体適合性ポリマーは、上述した細胞培養容器等のような生物資源の保管に用いられる構造体の表面を覆う用途で使用されることが多い。そのため、生体適合性ポリマーには、上述した生体資源との親和性(生体適合性)の他に、上記構造体の表面と強く相互作用して密着できることが要求されている。
本実施形態に係る高分子化合物は、たとえば、細胞凝集塊の作製に用いる培養容器などの、生物資源とともに用いられる構造体の表面を覆うために用いることを想定したポリマーである。このポリマーは、上記一般式(1)に示した通り、少なくとも、親水性のホスホリルコリン基を含む(メタ)アクリレートモノマーと、疎水性基を含む(メタ)アクリレートモノマーと、フェニルアジド基と不飽和結合とを側鎖に含む(メタ)アクリレートモノマーとからなる3種のモノマーを共重合させてなるものである。本実施形態に係る高分子化合物によれば、ポリマーの分子構造中に含まれている親水性基と疎水性基とのバランスを、従来のポリマーと比べて高度に制御することができる。そのため、本実施形態に係る高分子化合物によれば、目的の細胞凝集塊を安定的に作製できる程度に優れた生体適合性と、塗布対象物である基材の表面に対する優れた密着性と、を両立した塗膜を形成することができる。
そして、本実施形態に係る高分子化合物は、上述したように、親水性のホスホリルコリン基を含む(メタ)アクリレートモノマーに由来する構造単位を含む(上記一般式(1)における、Rを含む構造単位に該当)。ここで、上記ホスホリルコリン基は、生体膜における脂質二重層を構成する代表的なリン脂質として知られているホスファチジルコリンが有する極性基である。このことから、生物資源の表面、すなわち、生体膜中には数多くのホスホリルコリン基が存在しているといえる。そのため、本実施形態に係る高分子化合物は、生体膜と同じホスホリルコリン基を極性基として有するものであるが故に、生体資源との親和性に優れている。
以下、本実施形態に係る高分子化合物について、詳細に説明する。
本実施形態に係る高分子化合物は、上記一般式(1)に示すように、親水性のホスホリルコリン基を含む構造単位を、Rを含む構造単位として含む。具体的に、上記Rとしては、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−が挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のRは、二価の結合基である。具体的には、Rとしては、置換基を有していてもよいフェニレン基、−C(O)−、−C(O)O−、−O−、および−S−が挙げられ、これらの中から選択できる。また、上述した置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1以上5以下の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1以上5以下の低級アルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のlは、2以上の整数であるが、好ましくは、2以上10以下である。言い換えれば、Rを含む構造単位中には、炭素数2以上の炭化水素基(アルキレン基)を含み、炭素数2以上10以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むと好ましく、炭素数2以上5以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むとより好ましい。かかるアルキレン基の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、 ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルプロピレン基等の分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。中でも、高分子化合物の生体適合性を向上させる観点から、エチレン基が好ましい。
本実施形態に係る高分子化合物は、上記一般式(1)に示すように、フェニルアジド基と不飽和結合とを側鎖に含む構造単位を、Rを含む構造単位として含む。具体的に、上記Rとしては、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−が挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のRは、二価の結合基である。具体的には、Rとしては、置換基を有していてもよいフェニレン基、−C(O)−、−C(O)O−、−O−、および−S−が挙げられ、これらの中から選択できる。また、上述した置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1以上5以下の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1以上5以下の低級アルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のRは、二価の結合基である。具体的には、Rとしては、置換基を有していてもよいフェニレン基、−OC(O)−、−C(O)−、および−O−が挙げられ、これらの中から選択できる。また、上述した置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1以上5以下の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1以上5以下の低級アルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のmは、2以上の整数であるが、好ましくは、2以上10以下である。言い換えれば、Rを含む構造単位中には、炭素数2以上の炭化水素基(アルキレン基)を含み、炭素数2以上10以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むと好ましく、炭素数2以上5以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むとより好ましい。かかるアルキレン基の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、 ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルプロピレン基等の分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。中でも、生体適合性と、対象物である基材の表面に対する優れた密着性と、を両立できる高分子化合物を実現する観点から、エチレン基が好ましい。
本実施形態に係る高分子化合物は、上記一般式(1)に示すように、Rを含む構造単位を含む。具体的に、上記Rとしては、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−が挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のRは、二価の結合基である。具体的には、Rとしては、置換基を有していてもよいフェニレン基、−C(O)−、−C(O)O−、−O−、および−S−が挙げられ、これらの中から選択できる。また、上述した置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1以上5以下の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1以上5以下の低級アルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)に示すRを含む構造単位中のnは、1以上の整数であるが、好ましくは、1以上10以下である。言い換えれば、Rを含む構造単位中には、炭素数1以上の炭化水素基(アルキレン基)を含み、炭素数1以上10以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むと好ましく、炭素数1以上5以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むとより好ましい。かかるアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、 ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルプロピレン基等の分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。中でも、生体適合性と、対象物である基材の表面に対する優れた密着性と、を両立できる高分子化合物を実現する観点から、プロピレン基が好ましい。
また、本実施形態に係る高分子化合物は、上記一般式(1)で示される構造を有していれば、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、当該高分子化合物を用いて作製した塗膜全域において均一な生体適合性を付与する観点から、ランダム共重合体であることが好ましい。
そして、上記一般式(1)で示される構造は、下記一般式(2)で示される構造であることが好ましい。言い換えれば、本実施形態に係る高分子化合物は、下記一般式(2)で示される構造を含むことが好ましい。すなわち、本実施形態に係る高分子化合物は、側鎖にホスホリルコリン基を含む構造単位と、アジドシンナモイル基を含む構造単位と、アルキレート基を含む構造単位とからなる分子構造であることが好ましい。こうすることで、本実施形態に係る高分子化合物によれば、細胞が付着しにくいという細胞付着防止性に優れる一方で、対象物との間における化学的相互作用をより強固なものとした塗膜を実現することができる。
Figure 2017149917
(上記一般式(2)において、R、R及びRは互いに独立して、共重合して得られた状態の重合性原子団を表わし、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−である。a及びbは、互いに独立した2以上の数である。cは、0もしくは1以上の数である。nは、1以上10以下の整数である。Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位は、それぞれランダムな順序で結合している、またはブロック状態で結合している。)
上記一般式(2)におけるR1、R3及びR6は、上記一般式(1)におけるR1、R3及びR6と同じである。
また、上記一般式(2)に示すRを含む構造単位中のnは、1以上の整数であるが、好ましくは、1以上10以下である。言い換えれば、Rを含む構造単位中には、炭素数1以上の炭化水素基(アルキレン基)を含み、炭素数1以上10以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むと好ましく、炭素数1以上5以下の炭化水素基(アルキレン基)を含むとより好ましい。かかるアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、 ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルプロピレン基等の分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。中でも、生体適合性と、対象物である基材の表面に対する優れた密着性と、を両立できる高分子化合物を実現する観点から、プロピレン基が好ましい。
また、本実施形態に係る高分子化合物について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリオキシエチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、4000以上1000000以下であり、さらに好ましくは、15000以上500000以下であり、最も好ましくは、35000以上120000以下である。こうすることで、優れた生体適合性を維持しつつ、対象物の表面に対する密着性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態に係る高分子化合物は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから算出される分散比(Mw/Mn)が、好ましくは、1.5以上5以下であり、さらに好ましくは、2以上4.5以下である。こうすることで、当該高分子化合物をコーティング材として用いた場合に塗工ムラが生じることを抑制しつつ、優れた生体適合性を発現した塗膜を実現することができる。
また、本実施形態に係る高分子化合物が有する上記一般式(1)で示される構造において、a/(a+b+c)は、好ましくは、0.3以上0.995以下であり、さらに好ましくは、0.4以上0.9以下である。こうすることで、高分子化合物の有する生体適合性を向上させることが可能となる。
本実施形態に係る高分子化合物が有する上記一般式(1)で示される構造において、b/(a+b+c)は、好ましくは、0.005以上0.2以下であり、さらに好ましくは、0.01以上0.17以下であり、最も好ましくは、0.01以上0.045以下である。こうすることで、かかる高分子化合物を塗布する対象物表面との間に生じる相互作用をより一層強固なものとすることができる。そのため、b/(a+b+c)の値が上記数値範囲内となるように分子設計を行った場合には、上記発明が解決しようとする課題の項で述べた不都合が生じることを効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る高分子化合物が有する上記一般式(1)で示される構造において、c/(a+b+c)は、好ましくは、0以上0.5以下であり、さらに好ましくは、0.01以上0.4以下である。こうすることで、かかる高分子化合物自体に関する親水性と疎水性とのバランスを高度に制御することができる。
また、本実施形態に係る高分子化合物は、ポリマーが有する親水性基と疎水性基とのバランスを調整すべく、上述したRを含む構造単位、Rを含む構造単位、およびRを含む構造単位のいずれとも異なる構造単位を有していてもよい。また、上記異なる構造単位の合計含有量は、本実施形態に係る高分子化合物全量に対し、好ましくは、30mol%以下であり、さらに好ましくは、20mol%以下であり、より好ましくは、10mol%以下である。ただし、本実施形態に係る高分子化合物は、上述したRを含む構造単位、Rを含む構造単位、およびRを含む構造単位からなる構成であることが好ましい。
次に、本実施形態に係る高分子化合物の製造方法について説明する。
本実施形態に係る高分子化合物は、たとえば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の方法を用いたラジカル重合反応により製造することができる。
また、本実施形態に係る高分子化合物の製造に用いる各種モノマーは、公知の方法で作製したものを用いてもよいし、市販のモノマーを使用してもよい。
本実施形態に係る高分子化合物を上述した公知の方法で製造する際には、溶媒を反応媒体として用いることができる。かかる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
また、本実施形態に係る高分子化合物をラジカル重合反応により製造する際には、反応開始剤を用いる必要がある。かかる反応開始剤としては、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチルアミド二水和物、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスマレノニトリルなどの脂肪酸アゾ化合物、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、およびこれらの混合物等が挙げられる。
また、本実施形態に係る高分子化合物を製造する際には、必要に応じて、たとえば、窒素ガスやアルゴンガス等により反応空間をガス置換してもよい。
<コーティング材>
本実施形態に係るコーティング材は、上述した本実施形態に係る高分子化合物を含むものである。上述した通り、本実施形態に係る高分子化合物は、優れた生体適合性と、塗布対象物の表面に対する優れた密着性と、を両立したものである。そのため、本実施形態に係るコーティング材によれば、優れた生体適合性を発現しつつ、コーティング対象物の表面に対して強固な結合を形成可能な塗膜を作製することができる。
また、本実施形態に係るコーティング材は、塗膜に要求される性能に応じて、溶剤、硬化剤、触媒、増感剤、カップリング剤、充填材等を含んでいてもよい。このうち、溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロプルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒を含む極性溶媒、水、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。中でも、本実施形態に係る高分子化合物の溶解性に優れる観点から、水−エタノールの混合溶媒が好適に使用できる。
<成形体>
本実施形態に係る成形体は、基材と、基材表面を覆うように形成された上記コーティング材からなる被覆部と、を有している。かかる被覆部は、上記基材表面の全域を覆うように形成されていることが好ましい。上記成形体は、たとえば、遠沈管、試験管、保存用のボトル、チューブ、バッグ、免疫分析用容器等の生化学容器や、上記背景技術の項で述べた細胞培養容器等の用途で使用することができる。ここで、上記細胞培養容器は、細胞を容器内部で培養できるものであればよく、その具体例としては、各種シャーレ、マルチウェルプレート、培養フラスコ、培養バッグ等が挙げられる。なお、細胞培養容器の具体的な形状については、後述する。
また、本実施形態に係る成形体における被覆部側の表面の水に対する接触角は、好ましくは、10°以上40°以下であり、さらに好ましくは、12°以上39°以下である。このように、本実施形態に係る成形体における被覆部側の表面、すなわち、細胞等の生体資源と接する側の表面は、水に対する濡れ性に優れたものであることが好ましい。こうすることで、本実施形態に係る成形体によれば、培養細胞が被覆部表面に吸着してしまうことを抑制することができるため、結果として、良質な細胞凝集塊を安定して作製することが可能となる。
本実施形態に係る成形体が有する基材を構成する材料としては、形状設計の自由度に優れている観点から、樹脂材料を好適に用いることができる。かかる樹脂材料の具体例としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、プロピオネート樹脂等の繊維素系樹脂等が挙げられる。中でも、成形性および滅菌性の観点から、ポリスチレン樹脂が好ましい。
なお、本実施形態に係る成形体が有する基材は、射出成形品であっても、ブロー成型品であっても、インジェクションブロー成形品であってもよい。
<成形体の製造方法>
本実施形態に係る成形体の製造方法は、上記高分子化合物を溶剤に溶解乃至分散させた上記コーティング材を調製する工程と、コーティング材を基材に塗布する工程と、を含み、かかる塗布する工程において、コーティング材を基材の表面を覆うように塗布するものである。
上記コーティング材を基材に塗布する方法としては、ピペット、ディスペンサー等により、手動または、自動化ロボットでスポット状に塗布する方法、コーティング溶液に浸漬させて塗布する方法、ロールなどで塗布する方法等が挙げられる。また、塗布したコーティング材は溶剤を含むため、かかる溶剤を飛ばす目的で、乾燥させる必要がある。この方法としては、自然乾燥のほかに、乾燥機中で乾燥させる方法、減圧乾燥機中で乾燥させる方法、熱板上で乾燥させる方法等がある。
そして、上述したスポット状に塗布する方法を採用する場合には、事前に基材の表面に対して低温プラズマ処理、コロナ放電処理や放射線照射処理を施すことにより、改質(酸化)しておくことが好ましい。こうすることで、コーティング材中に含まれている高分子化合物の基材に対する濡れ性を向上することができる。
コーティング材を基材の表面を覆うように塗布した後、塗布面に対して、たとえばUV等を用いて光照射する。こうすることで、コーティング材を硬化させることができる。
上記光照射の条件は、好ましくは、10mJ/cm以上1000mJ/cm以下であり、さらに好ましくは、50mJ/cm以上800mJ/cm以下であり、最も好ましくは、100mJ/cm以上600mJ/cm以下である。こうすることで、上記本実施形態に係る高分子化合物が有するRを含む構造単位中のアジド基に由来するナイトレンを発生させることが可能であり、かかるナイトレンと基材との間における相互作用を強めることができる。また、上記本実施形態に係る高分子化合物が有するビニル基と該ナイトレンが側鎖間で架橋構造を形成することもできる。これにより、成形体の表面から上記高分子化合物を含む塗膜が剥離することを抑制することができる。
<細胞培養容器>
本実施形態に係る細胞培養容器の構成について、図1を参照して説明する。また、かかる細胞培養容器は、上述した成形体からなることを前提としたものである。ここで、図1は、本実施形態に係る細胞培養容器の一例を示す断面図である。
本実施形態に係る細胞培養容器(ウェル1)は、図1に示すように、底面が、半球状または円錐状であり、かつ側面が底面に向かって縮径した形状のものである。こうすることで、増殖した細胞が自重により当該容器の底面に向けて容易に移動することが可能となるため、安定して細胞凝集塊を作製することができる。また、本実施形態に係る細胞培養容器(ウェル1)は、その内表面が上述した高分子化合物を含む膜でコーティングされていることが、優れた生体適合性と、該膜の基材に対する優れた密着性とのバランスを向上させる観点から好ましい。
また、本実施形態に係る細胞培養容器(ウェル1)における細胞培養領域の底部内面は、その曲率半径R'が、2.6mm以下であること好ましく、2.0mm以下であるとさらに好ましい。こうすることで、細胞同士が十分な密度で集まるため、より質の高い細胞凝集塊を形成することが可能となる。さらに、曲率半径R'が上記上限値以下である場合、ウェル1形状を底部2に向けて細くすることができるため、底部2から同じ高さで培地を吸引した場合の培地交換効率(培地全体量に対する吸引除去する培地量の割合)を向上させることもできる。
一方、ウェル1の底部内面の曲率半径R'は、1.0mm以上であることが好ましい。こうすることで、培養時に死滅した細胞が、ウェル1底面に対して高密度に凝集することを抑制できるため、結果として、倒立顕微鏡による顕鏡性を向上させることが可能であるため、ウェル1内の細胞または胚様体の観察を正確に行うことができる。
また、ウェル1の開口部3の直径は、マルチディスペンサーを使用する場合の操作性を確保する観点から、4.0mm以上とすることが好ましい。
ウェル1の容量は、好ましくは、80μL以上500μL以下であり、より好ましくは、80μL以上200μL以下である。こうすることで、細胞凝集塊を作製するために用いる培地量を必要十分量に抑えることができる。
ここで、ウェル1の形状は、以下の構造であることが好ましい。
図1に示すように、ウェル1の側面の稜線を上記ウェル1の底部2を越えて延長した直線aと、上記開口部3の中心から垂直に上記ウェルの底部2を越えて延長した直線bと、が交差する角度θは、3°以上、30°以下であることが好ましい。こうすることで、培地中の細胞がより底部2に集まりやすくなり、更に培地交換の際のディスペンサーチップ操作も容易となる。
また、かかる交差する角度θは、5°以上、15°以下であるとさらに好ましい。こうすることで略U字形状の底部2と側面がよりなだらかにつながる形状となり培地中の細胞が更に集まりやすくなり、より良好な形状の細胞凝集塊を作製することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<モノマーの合成>
まず、テフロン(登録商標)製撹拌機、ジムロート冷却機、温度計および滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ(以下、反応器とも示す。)を十分に乾燥した。この反応器内に、4−アジド桂皮酸18.9g(0.10mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド130mlとを仕込んだ後、乾燥窒素を流しながら室温下、4−アジド桂皮酸が完全に溶けるまで撹拌した。その後、反応器を0℃付近まで冷却し、滴下漏斗を用いて塩化チオニル13.75g(0.115mol)を1時間かけて滴下した。全ての塩化チオニルを滴下した後、反応器を65℃まで加熱して4時間反応を継続させた。次に、約40℃でN,N−ジメチルホルムアミドを減圧留去し、容器を移して室温で一昼夜、真空乾燥することで19.8gの4−アジド桂皮酸クロライドを得た。
得られた4−アジド桂皮酸クロライド10g(0.048mol)をテフロン(登録商標)製撹拌機、ジムロート冷却器、温度計および滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ内に、トルエン190ml、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)7.0g(0.054mol)と一緒に仕込み、撹拌しながら50℃に加熱した。次に、反応容器内に、トリエチルアミン13gとトルエン190mlの混合液を、滴下漏斗を用いて一時間かけて滴下混合した。滴下終了後、さらに4時間反応を継続させた。反応終了後、塩酸塩を濾紙で濾捌後、得られた濾液を5%HCl水溶液で抽出して分液ロート下層のHEMA水溶液を除いた。その後、上層のトルエン溶液に対して無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、トルエンをエバポレートして除去してから、真空乾燥機で一昼夜乾燥して14.6gのモノマー(メタクリロイルオキシエチル−4−アジド桂皮酸エステル(MECAz))を得た。得られたMECAzを、以下の実施例に用いた。
<高分子化合物の合成>
(実施例1)
1.4g(4.74mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.077g(0.26mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.2g(1.4mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール5.3g(6.7mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0131g(0.08mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒320ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール100mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液9.7gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところ17wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で74:4:22の仕込み比率で重合させたところ、96%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、76.6:1.5:21.9であることが分かった。
(実施例2)
1.58g(5.35mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.108g(0.36mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.215g(1.52mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール5.1g(6.5mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0131g(0.08mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒320ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール100mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液14.1gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は12.5wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で74:5:21の仕込み比率で重合させたところ、93%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、72.0:1.4:26.6であることが分かった。
(実施例3)
1.75g(5.93mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.121g(0.41mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.251g(1.76mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール4.98g(6.3mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0131g(0.08mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒320ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール100mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液14.1gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は15wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で73:5:22の仕込み比率で重合させたところ、ほぼ100%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、74.0:2.2:23.8であることが分かった。
(実施例4)
0.93g(3.15mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.138g(0.46mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.131g(0.92mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール3.24g(4.1mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0123g(0.076mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を5mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒200ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール50mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液10.3gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は10wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で70:10:20の仕込み比率で重合させたところ、88%の収率で目的のポリマー粉末が得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、73.1:5.1:21.8であることが分かった。
(実施例5)
2.48g(8.41mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.37g(1.23mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.341g(2.34mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール9.8g(12.4mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0248g(0.15mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を600mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒320ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール200mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液18.9gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は15.2wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で70:10:20の仕込み比率で重合させたところ、90%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、73.4:4.4:22.2であることが分かった。
(実施例6)
0.93g(3.15mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.136g(0.45mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.128g(0.91mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール0.93g、水:エタノール=3:7溶媒2.9mlに溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0082g(0.05mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を5mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒200ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール50mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液14.7gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は6.6wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で70:10:20の仕込み比率で重合させたところ、82%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、66.7:3.8:29.5であることが分かった。
(実施例7)
1.21g(4.1mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.347g(1.15mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.17g(1.2mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール5.2g(6.6mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0131g(0.08mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒320ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール100mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液9.3gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は16.9wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で64:18:18の仕込み比率で重合させたところ、90.9%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、68.2:11.8:20.0であることが分かった。
(実施例8)
1.33g(4.49mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.193g(0.64mmol)のメタクリロイルオキシエチル4-アジド桂皮酸エステル(MECAz)と、0.20g(1.41mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール5.3g(6.7mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0131g(0.08mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=6:3:1混合溶媒320ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール100mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液11.3gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は14.2wt%であった。
つまり、MPCと、MECAzと、BMAとを、モル比で70:10:20の仕込み比率で重合させたところ、93.4%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、MECAzおよびBMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、73.4:5.9:20.7であることが分かった。
(比較例1)
1.42g(4.8mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.171g(1.2mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール3.0g(3.8mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0082g(0.05mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=7:2:1混合溶媒200ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール50mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液14gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は9.3wt%であった。
つまり、MPCと、BMAとを、モル比で80:20の仕込み比率で重合させたところ、81.8%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、BMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、76.5:23.5であることが分かった。
(比較例2)
0.89g(3.0mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.427g(3.0mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール3.1g(3.9mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0082g(0.05mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=7:2:1混合溶媒200ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール50mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液10.2gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は7.9wt%であった。
つまり、MPCと、BMAとを、モル比で50:50の仕込み比率で重合させたところ、60.7%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、BMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、46.0:54.0であることが分かった。
(比較例3)
0.53g(1.8mmol)の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)と、0.598g(4.2mmol)のブチルメタクリレート(BMA)とをエタノール3.2g(4mL)に溶解させた後、得られた溶解液を三方コックをした枝付き反応容器内に導入した。次に、反応容器内に0.0082g(0.05mmol)の2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを導入し、10分間アルゴンガスを吹き込んだ後密閉し、60℃で20時間反応させた。
得られたポリマー溶液を10mlのエタノール溶液で希釈し、ヘキサン:アセトン:エタノール=7:2:1混合溶媒200ml中にかき混ぜながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間撹拌した。その後、溶媒除去し残ったポリマーをエタノール50mlで再溶解してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮してポリマーエタノール溶液4gを得た。得られたポリマー溶液を一部サンプル瓶に移して48時間真空乾燥させて重量測定してポリマー溶液濃度を算出したところポリマー溶液濃度は8.7wt%であった。
つまり、MPCと、BMAとを、モル比で30:70の仕込み比率で重合させたところ、30.9%の収率で目的のポリマーが得られた。
得られたポリマーにおけるMPC、BMAの含有割合は、H−NMRの測定結果より、24.5:75.5であることが分かった。
<コーティング材の調製>
上述した方法で得られた各実施例および各比較例のポリマー粉末をそれぞれ、溶媒(エタノール)に溶解させ、該ポリマー粉末の含有量が1.0重量%のコーティング材を調製した。
<細胞培養容器の作製>
基材として、ポリスチレン製の96穴ウェルプレート成形品(住友ベークライト社製、9096U)を準備した。次に、この基材表面に対し、BRANSON/IPC社製のプラズマ装置(SERIES7000)を用いて5分間の酸素プラズマ処理を実施した。
次いで、上記基材に対して、1ウェルにつき250μLのコーティング材を注入し5分間浸漬した状態で放置した後、コーティング材をピペットで除去し、該基材を裏返した。その後、25℃で12時間乾燥させた後、基材のウェル内部に対してUVランプを用いて光照射することで、コーティング材中の高分子化合物を硬化させた。このときの光照射条件は、波長250nmのUV光を20mW/cm2で30秒間照射する条件に設定した。
次に、ウェルの内部を、超純水で3回繰り返し洗浄してから乾燥させた。次いで、ウェルの内部に対して、γ線照射装置を用いて吸収線量が6kGyとなるようにγ線を照射(ラジエ工業社にて実施)した。こうすることで、実施例及び比較例に係る滅菌済みの細胞培養容器を得た。
上述した方法で得られた高分子化合物および細胞培養容器について、下記に示す測定及び評価を行った。
・重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn):各実施例および各比較例に係る高分子化合物の重量平均分子量(Mw)、および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリオキシエチレンの検量線から求めた、ポリオキシエチレン換算値を用いた。測定条件は、以下の通りである。
装置:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置(日本分光株式会社製、LC−2000Plusシリーズ)
カラム:東ソー社製、TSK−GELALPHA−M、ALPHA−2500
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:メタノール/水=7/3(vol/vol)混合溶媒
試料濃度:0.05wt%
・被覆膜表面の水に対する接触角:プラズマ処理済みのポリスチレン容器に対し、含有ポリマー濃度が0.3wt%となるように調製したポリマー溶液を入れて5分間静置後、該溶液を除去した。次いで、かかるポリスチレン容器の内部を乾燥させてからUV照射した後に、水洗乾燥することによりポリマー被覆膜を持つ容器を得た。
次に協和界面化学社製のCA−V型接触角計を用いて被覆膜表面の水に対する接触角を測定した。接触角の値は、超純水2.0μL液滴を測定する被覆膜表面に接触させてから85秒後の状態のものを測定した。
HepG2細胞(ヒト肝癌由来細胞)を用いた細胞凝集塊作製:まず、あらかじめ90mmφの培養シャーレで培養し増殖させたHepG2細胞を培養液(ダルベッコ改変MEM+10%ウシ胎児血清)に対して、10,000cells/mLの濃度で分散させることにより細胞懸濁液を調製した。次いで、この細胞懸濁液を、細胞培養容器に100μL/ウェルずつ分注し、37℃、5%CO雰囲気下にて3日間培養した。
3日後各ウェルの細胞凝集塊が形成されていることを顕微鏡下で確認し、細胞凝集塊の状態を以下の基準で評価した。
◎:良好な1つの細胞凝集塊が形成された。
○:良好な細胞凝集塊とともに、小さな細胞凝集塊が複数形成された。
×:細胞凝集塊は形成されず、細胞間接着が確認された。
Figure 2017149917
表1からも分かるように、実施例の細胞培養容器は、いずれも、良好な細胞凝集塊を形成することができるものであった。このことから、実施例の細胞培養容器における被覆膜は、いずれも、基材から剥離することのない良好な密着状態で形成しているといえる。
1 ウェル
2 底部
3 開口部
a 直線
b 直線
θ 交差する角度
R' 曲率半径

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で示される構造を含む高分子化合物。
    Figure 2017149917
    (上記一般式(1)において、R、R及びRは、互いに独立して、共重合して得られた状態の重合性原子団を表わし、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−である。R、R及びRは、互いに独立して、置換基を有していてもよいフェニレン基、−C(O)−、−C(O)O−、−O−、および−S−からなる群より選択された基である。Rは、置換基を有していてもよいフェニレン基、−OC(O)−、−C(O)−、および−O−からなる群より選択された基である。l及びmは、互いに独立した2以上の整数である。nは、1以上の整数である。a及びbは、互いに独立した2以上の数である。cは、0以上の数である。Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位は、それぞれランダムな順序で結合している、またはブロック状態で結合している。)
  2. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリオキシエチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、4000以上1000000以下である、請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 前記一般式(1)において、a/(a+b+c)が、0.3以上0.995以下である、請求項1または2に記載の高分子化合物。
  4. 前記一般式(1)において、b/(a+b+c)が、0.005以上0.2以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  5. 前記一般式(1)において、c/(a+b+c)が、0以上0.5以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  6. 当該高分子化合物が下記一般式(2)で示される構造を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 2017149917
    (上記一般式(2)において、R、R及びRは互いに独立して、共重合して得られた状態の重合性原子団を表わし、−CH−CH−又は−CH−C(CH)−である。a及びbは、互いに独立した2以上の数である。cは、0以上の数である。nは、1以上10以下の整数である。Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位と、Rを含む構造単位は、それぞれランダムな順序で結合している、またはブロック状態で結合している。)
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含む、コーティング材。
  8. 基材と、
    前記基材の表面を覆うように形成された、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含むコーティング材からなる被覆部と、
    を有する成形体。
  9. 当該成形体が生化学容器である、請求項8に記載の成形体。
  10. 当該成形体における前記被覆部側の表面の水に対する接触角が、10°以上40°以下である、請求項8または9に記載の成形体。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の成形体により構成された細胞培養容器。
  12. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の高分子化合物を溶剤に溶解乃至分散させたコーティング材を調製する工程と、
    前記コーティング材を基材に塗布する工程と、
    を含み、
    前記塗布する工程において、前記コーティング材を前記基材の表面を覆うように塗布する、成形体の製造方法。
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