JP5595811B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のエンジンルーム内に取り付けられる電気接続箱に関するものである。
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。これら多種多様な電子機器に電力を供給するために、前記自動車には、電源と前記電子機器との間の適宜箇所に、コネクタ、リレー、ヒューズ等の電気部品が集約されて構成された電気接続箱が配置されている。
なお、電気接続箱は、ジャンクションブロック、ヒューズブロック、リレーボックス、とも呼ばれる。本明細書では、前述したジャンクションブロック、ヒューズブロック、リレーボックスを、総称して以下電気接続箱と呼ぶ。
図6は、従来の電気接続箱を示す上面図である。図7は、図6に示された従来の電気接続箱を構成する通し部を示す拡大図である。図8は、図6に示された従来の電気接続箱を構成する通し部に電線が通されて、粘着テープが巻かれた状態を示す断面図である。図6に示された、従来の電気接続箱101は、箱状に形成されてその内側に各種電気部品(図示しない)が収容される箱本体102と、該箱本体102から突出して設けられ、複数の電線7を箱本体102の外部に引き出す筒状の通し部106と、を備えている。
上記通し部106には、図7、図8に示すように、前記複数の電線7が前記通し部106の内側に通された状態で、固定部材としての粘着テープ8が前記通し部106と前記複数の電線7との外周に、前記通し部106から前記複数の電線7に亘って隙き間なく連続して巻きつけられている。
また、前記通し部106には、該通し部106の外方向に向かって凸に設けられたリブ166が設けられている。上記リブ166は、前記通し部107の前記箱本体102から離れた端部106aに設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
実開平4−93423号公報
しかしながら、上述した従来の電気接続箱101においては、以下に示す問題があった。即ち、従来の電気接続箱101にはリブ166が設けられており、前記リブ166は、通し部106の前記箱本体102から離れた端部106aに設けられているので、リブ166が前記端部106aに設けられていない場合と比較すると、前記リブ166と電線7との落差(段差)が大きくなり、よって、前記段差が大きくなることで、前記固定部材としての粘着テープ8を前記通し部106と前記複数の電線7との外周に、前記通し部106から前記複数の電線7に亘って隙き間なく連続して巻きつけることが難しく、粘着テープ8と複数の電線7との間に生じた隙き間により、防水性が低下したり、そこから粘着テープ8がはがれたり、最悪の場合には、前記固定部材としての粘着テープ8が破れてしまうことも考えられる。
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、固定部材が、通し部から複数の電線に亘って、容易に巻きつけられることで、防水性の強化を図った電気接続箱を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、箱本体と、前記箱本体から突出して設けられ、複数の電線を前記箱本体の外部に引き出す筒状の通し部と、を備え、前記複数の電線が前記通し部の内側に通された状態で、固定部材が前記通し部から前記複数の電線に亘って連続して巻きつけられる電気接続箱において、前記通し部には、前記通し部の外方向に向かって凸に形成された、前記固定部材が位置ずれすることを防止するリブが設けられ、前記通し部の先端側には、前記固定部材が巻かれる巻き落とし部が設けられ、前記リブが、前記巻き落とし部において、前記通し部の先端を避けた位置に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、箱本体と、前記箱本体から突出して設けられ、複数の電線を前記箱本体の外部に引き出す筒状の通し部と、を備え、前記複数の電線が前記通し部の内側に通された状態で、固定部材が前記通し部から前記複数の電線に亘って連続して巻きつけられる電気接続箱において、前記通し部には、前記通し部の外方向に向かって凸に形成された、前記固定部材が位置ずれすることを防止するリブが設けられ、前記リブは、前記通し部の前記箱本体から離れた端部から離間した位置に設けられているので、前記リブが、前記通し部の前記箱本体から離れた前記端部に設けられた際よりも前記通し部と前記複数の電線との落差(段差)を、小さくすることとなり、よって、落差(段差)を小さくすることで、前記粘着テープが、容易に、前記通し部から前記複数の電線に亘って隙き間なく連続して巻きつけられることとなり、よって、防水性の強化を図った電気接続箱を提供することができる。
本発明の一実施の形態にかかる電気接続箱を示す斜視図である。 図1に示された電気接続箱の上面図である。 図1に示された電気接続箱を構成する通し部を示す拡大図である。 図1に示された電気接続箱を構成する通し部に複数の電線が通された状態を示す斜視図である。 図1に示された電気接続箱を構成する通し部に複数の電線が通されて、粘着テープが巻かれた状態を示す断面図である。 従来の電気接続箱を示す上面図である。 図6に示された従来の電気接続箱を構成する通し部を示す拡大図である 図6に示された従来の電気接続箱を構成する通し部に複数の電線が通されて、粘着テープが巻かれた状態を示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態にかかる電機接続箱を、図1乃至図5に基づいて説明する。図1などに示された電気接続箱1は、自動車のエンジンルームなどに取り付けられて、前記自動車に搭載された多種多様な電子部品に電力を供給するものである。また、本明細書では、ジャンクションブロック、ヒューズブロック、リレーボックスを、総称して以下電気接続箱1と呼ぶ。
上記電気接続箱1は、図1、図2に示すように、複数の電気部品が収容される箱本体2と、該箱本体2から突出して設けられ、複数の電線7を前記箱本体2の外部に引き出す筒状の通し部6と、前記通し部6に設けられ、前記通し部6の外方向に向かって凸に形成されたリブ66と、を備えている。また、前記通し部6には、前記複数の電線7が前記通し部6の内側に通された状態で、固定部材としての粘着テープ8が前記通し部6と前記複数の電線7との外周に、前記通し部6から前記複数の電線7に亘って隙き間なく連続して巻きつけられる。
箱本体2は、筒状に形成された本体部3と、前記本体部3の上面を覆うように該本体部3に着脱自在に取り付けられるアッパーカバー(図示しない)と、前記本体部3の(前記上面から離れた側の)下面を覆うように該本体部3に着脱自在に取り付けられるロアカバー4と、を備えている。また、箱本体2には、複数の電気部品が合成樹脂製のカセットブロック5に装着されて収容されている。なお、図1においては、アッパーカバーは取り外された状態を示している。また、図1などに示す矢印Kは、本体部3にカバー4が、近付く方向、及び、離れる方向を示している。
上記本体部3は、合成樹脂で構成され、周知の射出成型により形成されている。本体部3には、アッパーカバーの後述するロック部に係止するロック受け部31と、ロアカバー4の後述する係止部41に係止する係止受け部32と、が設けられている。
上記アッパーカバーは、絶縁性の合成樹脂からなりかつ、周知の射出成形により有底筒状に成形される。アッパーカバーには、ロック部(図示しない)が設けられている。
上記ロアカバー4は、絶縁性の合成樹脂からなりかつ、周知の射出成形により有底筒状に成形される。ロアカバー4には、複数の係止部41が設けられている。
上記通し部6は、一端が各電気部品に接続された複数の電線7の他端側が通されることで、該他端側を箱本体2の外部に引き出している。また、通し部6は、箱本体2の内部と外部とに亘って連通している。また、図4、図5などに示すように、通し部6の後述する巻き落とし部61B、62B、ベラ65と、前記複数の電線7との外周には、粘着テープ8が隙き間なく連続して巻きつけられる(巻き落とされる)。
前記通し部6は、図3、図4などに示すように、本体部3の前記下面の縁から樋状に立設した樋状部60と、前記下面の縁に重ねられるロアカバー4の縁から立設した底壁部63と、を備えている。また、本体部3にロアカバー4が取り付けられると、樋状部60と、底壁部63との周方向の縁同士が重ねられて四角筒状に形成された通し部6を構成する。
上記樋状部60は、板状の天壁部61と、天壁部61の周方向の両縁から板状に立設する、一対の側壁部62と、を備えている。
上記天壁部61は、矢印K方向のアッパーカバー側に設けられている。また、天壁部61は、本体部3に連なる基部61Aと、前記基部61Aの箱本体2から離れた側に連なる第1巻き落とし部61Bと、を備えている。上記第1巻き落とし部61Bは、図4に示すように、前記第1巻き落とし部61Bの箱本体2寄りの端部(以下、基端部と記す)から、前記第1巻き落とし部61B(前記通し部6)の箱本体2から離れた端部(以下、先端部と記す)6aに向かうにしたがって、矢印Kのアッパーカバーに近付く方向(ロアカバー4から離れる方向)に傾斜するように設けられている。
上記一対の側壁部62それぞれは、基部61Aに連なる基部62Aと、前記基部62Aと前記第1巻き落とし部61Bとの双方に連なる第2巻き落とし部62Bと、を備えている。また、図3に示すように、各第2巻き落とし部62Bの天壁部61から離れた縁は、通し部6の前記基端部から先端部6aに向かうにしたがって、矢印Kの天壁部61に近付く方向に切り欠かれている。こうして、通し部6は、該通し部6の先端部6aに向かうにしたがって徐々に先細となるように形成されている。
上記底壁部63は、ロアカバー4に連なり、基部61Aと相対する位置に設けられた撓み部64と、前記撓み部64に連なり前記第1巻き落とし部61Bと相対する位置に設けられたベラ65と、を備えている。
上記撓み部64は、該撓み部64の厚みがベラ65よりも薄く形成されており、前記撓み部64は、矢印Kに沿って弾性変形自在に形成されている。即ち、撓み部64は、通し部6の内方向と外方向(矢印K方向)との双方に弾性変形自在に形成されている。また、撓み部64が弾性変形していない状態(即ち、中立状態)の通し部6の内径は、複数の電線7の電線径が最も小さい場合に合わせて形成されている。また、撓み部64が弾性変形していない状態(即ち、中立状態)では、ベラ65の周方向の縁と各第2巻き落とし部62Bの各縁とが重ねられている。また、撓み部64が、通し部6の外方向(矢印K方向)に弾性変形した状態では、ベラ65の周方向の縁と各第2巻き落とし部62Bの各縁とは互いに重ねられることなく、該ベラ65は、複数の電線7によって、通し部6の内径が拡径する方向(矢印K方向)に押し拡げられている。
上記リブ66は、図4、図5などに示すように、巻き落とし部61B、62Bとベラ65との全周に亘って設けられており、前記通し部6の前記先端部6aから離間した位置から箱本体2に向かって、互いに間隔をあけて複数設けられている。即ち、リブ66は、前記通し部6の前記先端部6aには設けられていない。また、リブ66の外周には、前記粘着テープ8が巻きつけられて、前記リブ66は、前記粘着テープ8が位置ずれすることを防止する。
上述した電気接続箱1の組立手順について説明する。まず、各電線7の一端が接続された各電気部品をカセットブロック5に装着して、各電気部品が装着されたカセットブロック5を本体部3に収容する。または、各電気部品が装着されたカセットブロック5を本体部3に収容した後、各電線7の一端を各電気部品に接続してもよい。そして、各電気部品に接続された複数の電線7の他端側を本体部3の外部に引き出す。次に、複数の電線7の他端側が本体部3の外部に引き出された状態で、本体部3の下面を覆うようにロアカバー4を近付ける。すると、樋状部60と底壁部63との周方向の縁同士が重ねられるとともに、ロアカバー4の係止部41が本体部3の係止受け部32に係止することで、通し部6が組み立てられる(図4に示す)。この際、通し部6の内側には、一端が各電気部品に接続され、他端側が本体部3(箱本体2)の外部に引き出された複数の電線7が通されている。さらに、前記複数の電線7が前記通し部6の内側に通された状態で、固定部材としての粘着テープ8を、巻き落とし部61B、62B、底壁部63のベラ65と複数の電線7との外周に、巻き落とし部61B、62B、底壁部63のベラ65から、複数の電線7に亘って隙き間なく連続して巻きつける。この際、巻き落とし部61B、62B、底壁部63のベラ65にはリブ66が設けられているので、該リブ66の外周には、粘着テープ8が巻きつけられていることとなる。最後に、アッパーカバーのロック部が本体部3のロック受け部31に嵌まることで、箱本体2が組み立てられる、と同時に、電気接続箱1が完成する。
上述した実施形態によれば、箱本体2と、前記箱本体2から突出して設けられ、複数の電線7を前記箱本体2の外部に引き出す筒状の通し部6と、を備え、前記複数の電線7が前記通し部6の内側に通された状態で、固定部材としての粘着テープ8が前記通し部6から前記複数の電線7に亘って連続して巻きつけられる電気接続箱1において、前記通し部6には、前記通し部6の外方向に向かって凸に形成された、前記固定部材としての粘着テープ8が位置ずれすることを防止するリブ66が設けられ、前記リブ66は、前記通し部6の前記箱本体2から離れた端部(先端部)6aから離間した位置に設けられているので、前記リブ66が、前記通し部6の前記箱本体2から離れた前記端部(先端部)6aに設けられた際よりも前記通し部6と前記複数の電線7との落差(段差)を、小さくすることとなり、よって、落差(段差)を小さくすることで、前記粘着テープ8が、容易に、前記通し部6から前記複数の電線7に亘って隙き間なく連続して巻きつけられることとなり、よって、防水性の強化を図った電気接続箱1を提供することができる。
なお、上述した実施形態によれば、リブ66は、通し部6の先端部6aから離間した位置に、該通し部6の全周に亘って設けられているが、本発明はこれに限ったものではなく、リブ66は、通し部6の先端部6aから離間した位置に設けられていれば、該通し部6の全周に亘って設けられていなくてもよい。即ち、リブ66は、通し部6の先端部6aから離間した位置に設けられていれば、該通し部6の一部に設けられていればよい。
また、上述した実施形態によれば、通し部6は、本体部3から立設した樋状部60とロアカバー4から立設した底壁部63とによって構成されている、即ち、通し部6は、箱本体2と一体に設けられているが、本発明はこれに限ったものではなく、通し部6は、例えば、箱本体2に組み付けられるサイドカバーに設けられた、箱本体2と別体に設けられた部材であってもよい。
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 電気接続箱
2 箱本体
6 通し部
6a 先端部(端部)
66 リブ
7 電線
8 粘着テープ(固定部材)

Claims (1)

  1. 箱本体と、
    前記箱本体から突出して設けられ、複数の電線を前記箱本体の外部に引き出す筒状の通し部と、を備え、
    前記複数の電線が前記通し部の内側に通された状態で、固定部材が前記通し部から前記複数の電線に亘って連続して巻きつけられる電気接続箱において、
    前記通し部には、前記通し部の外方向に向かって凸に形成された、前記固定部材が位置ずれすることを防止するリブが設けられ、
    前記通し部の先端側には、前記固定部材が巻かれる巻き落とし部が設けられ、
    前記リブが、前記巻き落とし部において、前記通し部の先端を避けた位置に設けられていることを特徴とする電気接続箱。
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