JP5594674B2 - スタック装置及び扁平チューブ用フィンの製造装置 - Google Patents

スタック装置及び扁平チューブ用フィンの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、製造された扁平チューブを積層するスタック装置及びこのスタック装置を具備する扁平チューブ用フィンの製造装置に関する。
従来のクーラー等の熱交換器は、熱交換チューブを挿入する透孔が複数個穿設された熱交換器用フィンが複数枚積層されて構成されているものが一般的である。
かかる熱交換器用フィンは、図17に示す熱交換器用フィンの製造装置によって製造される。
熱交換器用フィンの製造装置には、アルミニウム等の金属製の薄板10がコイル状に巻かれたアンコイラー12が設けられている。アンコイラー12からピンチロール14を経て引き出された薄板10は、オイル付与装置16に挿入され、加工用オイルをその表面に付着され、プレス装置18内に設けられた金型装置20に供給される。
金型装置20は、内部に上下動可能な上型ダイセット22と、静止状態にある下型ダイセット24とが設けられている。この金型装置20によって、透孔の周囲に所定高さのカラーが形成された複数個のカラー付き透孔(図示せず)が所定の方向に所定の間隔で形成される。
以下、金属製の薄板に透孔等が加工されたものを、金属帯状体11と称する。金属帯状体11は、所定方向に所定距離移送された後、カッター26によって所定長さに切断される。所定長さに切断された製品(熱交換器用フィン)は、スタッカ28に収容される。スタッカ28は、鉛直方向に立設された複数のスタックピン27を有しており、透孔内にスタックピン27を挿入させて製造された熱交換器用フィンを積層している。
特開平5−192728号公報
従来の熱交換器用フィンは、金属帯状体に熱交換チューブが挿入される複数の透孔を穿設されたものであった。
しかしながら現在、多穴の扁平チューブを用いた熱交換器が開発されてきている。この扁平チューブを用いた熱交換器用フィン(以下、扁平チューブ用フィンと称する場合がある)を図18(A)及び(B)に示す。
扁平チューブ用フィン30は、扁平チューブ32が挿入される切り欠き部34が複数箇所に形成されており、切り欠き部34と切り欠き部34との間は、ルーバー35が形成された板状部36が形成されている。
切り欠き部34は、扁平チューブ用フィン30の幅方向の一方側からのみ形成されている。したがって、切り欠き部34と切り欠き部34との間の複数の板状部36は、長手方向に沿って伸びる連結部38によって連結されている。
ところで、このような扁平チューブ用フィンを従来の熱交換器用フィン製造装置によって製造しようとすると、以下のような問題が生じていた。
従来の熱交換器用フィンは、複数の透孔が穿設されており、製造されたフィンは、透孔を貫通するようなスタックピン27が配置されたスタッカ28に積層させている。
上記の扁平チューブ用フィンにおいては、透孔が形成されているわけではないので、積層させる際にスタックピン27を挿入するのは切り欠き部34になる。
切り欠き部34は、扁平チューブ用フィン30の搬送方向に狭く、幅方向に長い形状をしている。
このため、切り欠き部34に挿通されるスタックピン27は、搬送方向に肉薄であって、搬送方向から正面視するとほぼ長方形状の板状の部材が採用される。
なお、スタッカ28に所定枚数の扁平チューブ用フィンが積層されると、積層された位置から移動し、次に空のスタッカを移動させてきて扁平チューブ用フィンを積層させる。
スタックピン27の長さが短いと、積層可能な扁平チューブ用フィン30の枚数も減ってしまい、頻繁にスタッカを交換せざるをえなくなり、製造時の効率が悪い。
そこで、なるべく多くの扁平チューブ用フィン30が積層できるように、スタックピン27の長さを長くすることが求められている。
ところが、図19に示すように、スタックピン27の長さを長くすることにより、スタックピン27が揺れてしまうという現象が見いだされた。
スタックピン27の揺れは、扁平チューブ用フィン30を積層させるときにスタックピン27を上下動させた後、又は新たな空のスタッカ28を積層位置に搬送させて停止した後に、スタックピン27の肉薄の方向(搬送方向と同一の方向)に揺れが生じていた。
このように、スタックピン27が揺れていると、切り欠き部34にスタックピン27を正確に挿通することができない。このため、スタックピン27の揺れが収束するまで扁平チューブ用フィン30の積層を行うことができず、扁平チューブフィン30の製造が中断されてしまっていた。
このように、扁平チューブ用フィン30を効率良く製造するためにスタックピン27の長さを長くすれば揺れが大きくなり、かえって製造効率が悪化してしまうおそれがあるという課題があった。
本発明者等は、スタックピン27の長さを長くしつつも、揺れを生じさせないか、又は揺れの振幅を小さくして収束時間を短くすることを検討し、本発明に想到した。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、透孔が形成されていない扁平チューブ用フィンを迅速に積層可能なスタック装置、及びこれを用いて扁平チューブ用フィンを効率良く製造可能とする扁平チューブ用フィンの製造装置を提供することにある。
本発明にかかるスタック装置によれば、幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを積層するスタック装置であって、前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、前記揺れ防止構造は、積層される扁平チューブ用フィンが干渉しない位置において肉薄方向への揺れを防止するために肉厚に形成された保持部を有し、該保持部は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側の外方に配置されていることを特徴とする。
この構成を採用することによって、保持部によってスタックピンの剛性を高め、スタックピンの揺れを防止することができる。このため、スタックピンは確実に扁平チューブ用フィンの切り欠き部に挿通される。また、保持部と扁平チューブ用フィンが干渉せずにすむ。
本発明にかかるスタック装置によれば、幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを積層するスタック装置であって、前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、前記揺れ防止構造は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側のスタックピンの端部が下方から上方に向けて徐々に幅狭になるようにテーパ状に形成され、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側と反対側のスタックピンの端部が鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成されてなることを特徴とする。
この構成によれば、スタックピンの上部の質量を減らすことができる。このため、スタックピンの揺れの起因となる慣性モーメントを小さくすることができ、揺れの防止に寄与することができる。また、切り欠き部にはスタックピンの端部が当接して位置決めを行う必要があるので、スタックピンにおける切り欠き部の開口側の反対側の端部は鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成される必要がある。
本発明にかかる扁平チューブ用フィンの製造装置によれば、幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを製造する製造装置において、未加工の金属製の薄板に切り欠き部を形成して金属帯状体とする金型装置が設けられたプレス装置と、切り欠き部が形成されてなる金属帯状体を所定幅に切断し、幅方向に複数本整列してなる製品幅の金属帯状体を形成する列間スリット装置と、製品幅の金属帯状体を所定長さに切断するカットオフ装置と、カットオフ装置により所定長さに切断された扁平チューブ用フィンを積層させるためのスタック装置とを具備し、前記スタック装置は、前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、前記揺れ防止構造は、積層される扁平チューブ用フィンが干渉しない位置において肉薄方向への揺れを防止するために肉厚に形成された保持部を有し、該保持部は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側の外方に配置されていることを特徴としている。
この構成を採用することによって、保持部によってスタックピンの剛性を高め、スタックピンの揺れを防止することができる。また、保持部と扁平チューブ用フィンが干渉せずにすむ。このため、スタックピンは確実に扁平チューブ用フィンの切り欠き部に挿通される。このため、揺れが収束するまで扁平チューブ用フィンの製造を停止する必要が無く、扁平チューブ用フィンを効率良く製造することができる。
本発明にかかる扁平チューブ用フィンの製造装置によれば、幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを製造する製造装置において、未加工の金属製の薄板に切り欠き部を形成して金属帯状体とする金型装置が設けられたプレス装置と、切り欠き部が形成されてなる金属帯状体を所定幅に切断し、幅方向に複数本整列してなる製品幅の金属帯状体を形成する列間スリット装置と、製品幅の金属帯状体を所定長さに切断するカットオフ装置と、カットオフ装置により所定長さに切断された扁平チューブ用フィンを積層させるためのスタック装置とを具備し、前記スタック装置は、前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、前記揺れ防止構造は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側のスタックピンの端部が下方から上方に向けて徐々に幅狭になるようにテーパ状に形成され、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側と反対側のスタックピンの端部が鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成されてなることを特徴としている。
この構成によれば、スタックピンの上部の質量を減らすことができる。このため、スタックピンの揺れの起因となる慣性モーメントを小さくすることができ、揺れの防止に寄与することができる。
また、切り欠き部にはスタックピンの端部が当接して位置決めを行う必要があるので、スタックピンにおける切り欠き部の開口側の反対側の端部は鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成される必要がある。
本発明によれば、スタックピンが揺れることを防止することができる。このため、スタックピンは確実に扁平チューブ用フィンの切り欠き部に挿通される。このため、揺れが収束するまで扁平チューブ用フィンの製造を停止する必要が無く、扁平チューブ用フィンを効率良く製造することができる。
本発明に係る扁平チューブ用フィンの製造装置の概略の全体構成を示す側面図である。 図1の金型装置によって加工された金属帯状体の平面図である。 保持装置とスタック装置の側面図である。 図3を上方からみた場合の平面図である。 図3を搬送方向正面からみた場合の正面図である。 スタックピンの第1の実施形態の側面図及び正面図である。 第1の実施形態のスタックピンによって扁平チューブ用フィンをスタックする際の状態を示す平面図である。 図7を搬送方向側面からみた場合の側面図である。 スタックピンの第2の実施形態の側面図及び正面図である。 第2の実施形態のスタックピンによって扁平チューブ用フィンをスタックする際の状態を示す平面図である。 図10を搬送方向側面からみた場合の側面図である。 最初の1枚目の扁平チューブ用フィンをスタックする際の保持装置とスタック装置の動作を示す側面図である。 最初の1枚目の扁平チューブ用フィンをスタックする際の、スタックピン及びフィン受け部の初期位置を示す保持装置とスタック装置の側面図である。 最初の1枚目の扁平チューブ用フィンをスタックする際の、保持装置とスタック装置の動作を示す、搬送方向正面からみた場合の正面図である。 すでに複数枚積層されているスタック装置に、扁平チューブ用フィンをスタックする際の、スタックピン及びフィン受け部の初期位置を示す保持装置とスタック装置の側面図である。 すでに複数枚積層されているスタック装置に、扁平チューブ用フィンをスタックする際の、保持装置とスタック装置の動作を示す、搬送方向正面からみた場合の正面図である。 従来の熱交換器用フィンの製造装置の概略の全体構成を示す側面図である。 扁平チューブ用フィンの平面図である。 スタックピンの揺れについて示す説明図である。
(装置全体の構成)
本実施形態にかかる扁平チューブ用フィンの製造装置100の全体構成を図1に示す。
アルミニウム等の未加工の金属製の薄板41は、アンコイラー40にコイル状に巻回されている。アンコイラー40から引き出された薄板41は、ループコントローラ42内に挿入され、間欠送りされる薄板41のばたつきがループコントローラ42によって抑えられる。
ループコントローラ42の下流側には、NCフィーダ44が設けられている。NCフィーダ44は、薄板41の上面と下面とに接触する2つのローラから構成されており、2つのローラが回転駆動することにより、薄板41を互いに挟み込んで薄板41を間欠送りする。
NCフィーダ44の下流側には、金型装置46が内部に配置されたプレス装置48が設けられている。プレス装置48において、薄板41が金型装置46によって所定の形状の金属帯状体49に形成される。
プレス装置48において形成された金属帯状体49を図2に示す。図2に示されている金属帯状体49は、搬送方向である矢印Aに直交する製品幅方向に4つの製品が並んで形成されている。
金属帯状体49から得られる具体的な製品については、図18に示しているように扁平チューブ32が挿入される切り欠き部34が複数箇所に形成されており、切り欠き部34と切り欠き部34との間は、ルーバー35が形成された板状部36が形成されている。また、ルーバー35の幅方向の両端部側には、金属製の薄板が切り起こされて形成された開口部37が形成されている。1つのルーバー35に対する2つの開口部37,37のうち、一方側の開口部37は、板状部36の先端部側に形成されている。
切り欠き部34は、扁平チューブ用フィン30の幅方向の一方側からのみ形成されている。したがって、切り欠き部34と切り欠き部34との間の複数の板状部36は、長手方向に沿って連続して伸びる連結部38によって連結されている。
上記の1つのルーバー35に対する2つの開口部37,37のうち、他方側の開口部37は、この連結部38上に形成されている。
図2に示す金属帯状体49は、2つの製品が、互いの切り欠き部34の開口側が隣接するように対峙して配置されている組が、2組形成されている。すなわち、2つの製品の切り欠き部34の開口側が対峙して配置された組が、互いの連結部38同士が隣接するように配置されている。
このように、4つの製品を相対するように配置することによって、金型の左右の荷重バランスが良くなる。
なお、図2のような金属帯状体と異なり、複数の製品の切り欠き部34が全て一方の方向に開口側を向けるようにして配置してしまうと、各製品を切り離す列間スリット装置52(後述する)によって各製品間を切り離す際に、切り欠き部34とそうでない部位との間で、切断位置のずれによる切断片(ヒゲ:切断不良)が生じてしまう可能性が高い。したがって、複数の製品の切り欠き部34の開口側が全て一方方向に向いて配置させる場合には、切り欠き部34の開口部の境目ではなく、連結部38部分に進入した位置まで切り欠き部34の開口部分を若干広げ、切断させる必要が出てくる。しかし、この場合だと断面に段差が生じてしまうし、また金型の左右の荷重バランスが悪くなる。したがって、図2に示したような配置で複数の製品を製造することが好ましい。
扁平チューブ用フィンの製造装置100の全体構成の説明に戻る。
図1に示すようにプレス装置48内の金型装置46で形成された金属帯状体49は、プレス装置48の下流側に設けられている送り装置50によって間欠的に搬送方向に送られる。送り装置50の送りタイミングは、NCフィーダ44と連動して動作するように設けられており、安定した間欠送りを可能とする。
送り装置50は、水平方向に移動可能な往復動ユニット51が、初期位置と移送位置との間を往復動して金属帯状体49を牽引する。往復動ユニット51の上面には、送りピン55が上方に突出して配置されており、送りピン55が金属帯状体49に形成された切り欠き部34に下方から進入し、送りピン55が牽引することで金属帯状体49は移送位置まで移動する。
送り装置50の下流側には、列間スリット装置52が設けられている。列間スリット装置52は、金属帯状体49の上面側に配置された上刃53と、金属帯状体49の下面側に配置された下刃54とを有する。列間スリット装置52は、プレス装置48の上下動動作を利用して動作するように設けるとよい。
上刃53及び下刃54は、金属帯状体49の搬送方向に沿って長尺に形成されており、間欠送りされる金属帯状体49を、噛み合わせた上刃53と下刃54とで切断し、搬送方向に長い帯状の製品(以下、製品幅の金属帯状体と称する場合がある)を製造する。
列間スリット装置52によって製品幅に切断された、複数本の製品幅の金属帯状体49は、それぞれが別体に設けられたカットオフ装置60内に送り込まれる。
なお、カットオフ装置60に送り込まれる前に、複数本の製品幅の金属帯状体49は、隣り合う製品幅の金属帯状体49同士の間を所定間隔あけるように配置される。また、カットオフ装置60に送り込まれる前には、複数本の製品幅の金属帯状体49は、カットオフ装置60による1回の送り長さよりも長い長さを一時的に溜めるため、下方に撓ませるようにしてバッファ部分Bを形成している。
カットオフ装置60内には、搬送方向に各製品幅の金属帯状体49を間欠的に搬送する送り装置62が設けられている。送り装置62の構造としては、プレス装置48の下流側に設けられている送り装置50の構造よりも、1回の送り長さが長くすることができるような構成となっている。
送り装置62は、水平方向に移動可能な搬送ユニット64が、所定距離移動することにより製品幅の金属帯状体49をプレス装置48側から牽引し、カットオフ装置60の下流側に押し出す。搬送ユニット64の上面には、製品幅の金属帯状体49の数だけ水平方向に並んだ複数列の送りピン65が列状に上方に突出して配置されている。送りピン65がそれぞれの製品幅の金属帯状体49に形成された切り欠き部34に下方から進入し、送りピン65が牽引することでそれぞれの製品幅の金属帯状体49は移送位置まで移動する。
カットオフ装置60内において、送り装置62の下流側には切断装置66が設けられている。
切断装置66は、各々の製品幅の金属帯状体49を所定長さに切断することにより、扁平チューブ用フィン30を形成する。切断装置66は、各製品幅の金属帯状体49の上面側に配置された上刃68と、各製品幅の金属帯状体49の下面側に配置された下刃69とを有する。
上刃68と下刃69とが型閉じすることによって、各製品幅の金属帯状体49が搬送方向に沿って所定長さに切断され、扁平チューブ用フィン30が製造される。
カットオフ装置60の下流側には、保持装置70と、製造された扁平チューブ用フィン30を板厚方向(上下方向)に積層するスタック装置80とが設けられている。
なお、図3には、図1の保持装置とスタック装置をさらに拡大して詳細にしたところを示している。図4は、保持装置によって保持された扁平チューブ用フィンを上方から見た平面図を示している。図5は、図3を搬送方向下流側からみた正面図を示している。
保持装置70は、カットオフ装置60の下流側から搬送方向に出てきた製品幅の金属帯状体49を、搬送方向にスライド可能に支持している。具体的には、保持装置70は、カットオフ装置60から出てきた製品幅の金属帯状体49の幅方向端部を載置できるように、製品幅の金属帯状体49の幅方向両側に配置された、一対の保持体71,71を有している。各保持体71,71は、断面コの字状に形成されている。各保持体71,71を搬送方向から見ると、互いに幅方向外側に凹む凹部74が互いに対向するように形成されている。
このような保持装置70は、まだ切断される前の製品幅の金属帯状体49の時点から、切断装置66によって所定長さに切断されて扁平チューブ用フィン30に形成された後も保持状態を維持することができる。
また、各保持体71,71は、互いに接離動する方向(水平方向)に移動可能に設けられている。各保持体71,71を接離動させる接離動手段として、シリンダ72が設けられている(図1,図5以外の図面では省略)。
スタック装置80は、複数本のスタックピン81(図面上では3本)が立設されたほぼ平板状のスタックピンベース部82と、スタックピンベース部82を支持する支持脚83と、支持脚83の下方に設けられて支持脚83を上下動させるスタックピン上下動手段86とを有している。
本実施形態においては、スタックピン上下動手段86としては、サーボモータ84とサーボモータ84の出力軸に連結されたボールネジ85が該当する。
(スタックピンの第1の実施形態)
スタックピンの第1の実施形態について説明する。
本実施形態のスタックピン81の形状を図6(A)、(B)に示す。図6(A)は搬送方向に対して側面から見た側面図であり、(B)は搬送方向の正面から見た正面図である。
図7に本実施形態のスタックピン81が扁平チューブ用フィン30の切り欠き部34に挿通される平面図を示し、図8に図7の側面図を示す。
スタックピン81は、その上部が幅狭に形成されている。この上部が幅狭な構成が、スタックピン81の揺れを防止する揺れ防止構造である。
なお、本実施形態のスタックピン81は、切り欠き部34の開口側に対応する端部81aが下方から上方に向けて徐々に幅狭になるようにテーパ状に形成されている。このため、スタックピン81の上部が幅狭となる。
一方、スタックピン81における、切り欠き部34の開口側の反対側の連結部38側の端部81bは、鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成されている。切り欠き部34の連結部38側の端部には、スタックピン81の端部81bが当接して位置決めを行う必要があるので、スタックピン81における、切り欠き部34の開口側の反対側の連結部38側の端部81bは、鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成される必要がある。
このように、スタックピン81の上部を幅狭にすることによって、スタックピン81の上部の質量を減らすことができる。このため、スタックピンの揺れの起因となる慣性モーメントを小さくすることができ、揺れの防止に寄与することができる。
なお、揺れ防止構造としての上部を幅狭にしても、スタックピン81の揺れが完全に防止されない場合もあるが、とにかく揺れの振幅は小さくできる。揺れの振幅が小さくなることで、揺れの収束までの時間を短縮することができるので、扁平チューブ用フィン30の効率良い製造が可能となる。
このように、スタックピン81の揺れを防止し、または揺れの振幅を小さくすることで、スタックピン81全体の長さ(高さ)を長くすることが可能となり、扁平チューブ用フィン30の積層量を増やすことができる。
また、スタックピン81の揺れを防止し、揺れの振幅を小さくすることにより、スタックピン81の先端の位置精度が向上するので、扁平チューブ用フィン30の確実な積層が行える。
本実施形態のスタックピン81では、切り欠き部34の開口側の端部に位置する側を上方に向けて徐々に狭くなるようなテーパ状に形成した。
しかし、スタックピン81の上部の質量を小さくして揺れの防止をすることができれば、スタックピン81の形状としてはどのようなものであってもよい。
なお、スタックピン81の先端部は尖鋭に形成されていてもよいし、先端部が丸められた形状に形成されていてもよい。
(スタックピンの第2の実施形態)
スタックピン81の第2の実施形態を説明する。
スタックピン81の第2の実施形態の形状を図9(A)、(B)に示す。図9(A)は搬送方向に対して側面から見た側面図であり、(B)は搬送方向の正面から見た正面図である。
図10に本実施形態のスタックピン81が扁平チューブ用フィン30の切り欠き部34に挿通される平面図を示し、図11に図10の側面図を示す。
スタックピン81は、切り欠き部34に挿通される挿通部分81cの外側で肉薄の挿通部を保持する保持部114を備えている。保持部114が、スタックピン81の揺れを防止する揺れ防止構造である。
なお、揺れ防止構造としての保持部114をスタックピン81に設けたとしても、スタックピン81の揺れが完全に防止されない場合もあるが、とにかく揺れの振幅は小さくできる。揺れの振幅が小さくなることで、揺れの収束までの時間を短縮することができるので、扁平チューブ用フィン30の効率良い製造が可能となる。
図9(A)に示すように、スタックピン81の挿通部分81cは搬送方向に薄く形成されているので、保持部114が存在せずに挿通部分81cのみであると搬送方向に往復動する揺れが生じやすい。しかし、搬送方向に肉厚の保持部114を設けたことにより、スタックピン81の揺れを防止し、スタックピン81全体の長さ(高さ)を長くすることが可能となり、扁平チューブ用フィン30の積層量を増やすことができる。
スタックピン81の揺れを防止することにより、スタックピン81の先端の位置精度が向上するので、扁平チューブ用フィン30の確実な積層が行える。
なお、本実施形態では、図9(B)に示すように、スタックピン81の幅方向の切り欠き部34の開口側の端部が、上方に向けて徐々に狭くなるようなテーパ状に形成されているが、このようなテーパ状に形成しなくてもよい。
本実施形態における保持部114は、上下方向に長い直方体を採用しているが、スタックピン81全体の揺れの防止ができるのであれば、形状としてはどのようなものであってもよい。例えば、保持部114は、円柱状であってもよい。
また、本実施形態の保持部114は、スタックピン81の挿通部分81cとは別体として形成されている。具体的には、保持部114には上下方向に伸びる溝が形成され、この溝内に、スタックピン81の切り欠き部34の開口側端部が挿入されて固定されている。
しかし、保持部114はスタックピン81と別体に構成するのではなく、スタックピン81と保持部114とは一体に構成してもよい。
また、保持部114は、切り欠き部34には挿通できない大きさであるから、扁平チューブ用フィン30の切り欠き部34の開口側の外方に配置されることが好ましい。このような位置にあれば、保持部と扁平チューブ用フィン30が干渉せずにすむ。
なお、スタックピン81の先端部は尖鋭に形成されていてもよいし、先端部が丸められた形状に形成されていてもよい。
(規制ピンの説明)
また、図4、図7、図10には、規制ピン94が設けられているところを示している(他の図面では省略されている)。
規制ピン94は、製品幅の金属帯状体49の移送方向におけるスタックピン81の立設位置と同じ位置であって、かつ、製品幅の金属帯状体49の連結部38の側端縁に当接する位置に立設されている。すなわち、スタックピン81と規制ピン94によって、製品幅の金属帯状体49の連結部38を幅方向で挟み込むような位置に規制ピン94が配置される。
規制ピン94は、スタックピン81と同じく、スタックピンベース部82の上面に立設されている。
このような規制ピン94を立設した場合、保持体71には規制ピン94との干渉を回避するための規制ピン回避部96が形成される。規制ピン回避部96は、図4に示すように、対向した状態で配設された保持体71のうちの一方において、対向面側の端縁の一部を製品幅の金属帯状体49の移送方向と直交する方向(幅方向)に切り欠いた凹状の切り欠き部とすることができる。
このようにスタックピンベース部82の上面にスタックピン81と規制ピン94を立設すれば、製品幅の金属帯状体49がカットオフ処理されて扁平チューブ用フィン30に個片化された後、扁平チューブ用フィン30をスタック装置80に積層させる際に、スタックピン81と規制ピン94とにより扁平チューブ用フィン30の幅方向の動きが規制され、扁平チューブ用フィン30の幅方向のずれがなくなる。すなわち扁平チューブ用フィン30はスタックピンベース部82に対して、より整然とした状態で積層されることになる。
また、スタック装置80は、スタックピン81の上下動とは別個に上下動する、扁平チューブ用フィン30を載置可能なフィン受け部88を有している。フィン受け部88の下側には、フィン受け部88を支持するように下方に延びる支持脚87と、支持脚87の下方に設けられて支持脚87を上下動させる受け部上下動手段89とが設けられている。
また、受け部上下動手段89は、スタックピン上下動手段86とは別個に設けられており、スタックピンベース部82とは別々に動作することができる。
受け部上下動手段89は、本実施形態においては、サーボモータ90とサーボモータ90の出力軸に連結されたボールネジ91によって構成される。
フィン受け部88は、扁平チューブ用フィン30を積層させるために上面が平面状に形成されている。一方、スタックピンベース部82も扁平チューブ用フィン30が積層できるように上面が平面状に形成されている。
図4で示されているように、本実施形態では、スタックピンベース部82の方が、広い面積を有している。フィン受け部88は上面から見て円形状であって、スタックピンベース部82よりも小さい面積である。具体的には、スタックピンベース部82の所定位置には、フィン受け部88が通過可能な円形の通過穴93が形成されており、スタックピンベース部82とフィン受け部88とは互いに干渉することなく、互いに自由に上下動可能である。
なお、図3で示した状態は、スタックピンベース部82とフィン受け部88とが同じ高さ位置にあって、スタックピンベース部82とフィン受け部88の両方の上面が同一平面となっている。扁平チューブ用フィン30は、この同一平面となったスタックピンベース部82とフィン受け部88の上面に載置されている。
(保持装置とスタック装置の動作説明)
次に、図12〜図14に基づいて、1枚目の扁平チューブ用フィン30をスタック装置80にスタックさせる際の、保持装置70及びスタック装置80の構成及び動作について説明する。なお、以下の説明は、スタックピンの構成としては、上部が幅狭となっている第1の実施形態のスタックピンに基づく。
まず、カットオフ装置60の切断装置66における上刃68および下刃69の位置を製品幅の金属帯状体49が通過する(送り出される)前にシリンダ72が伸長し、一対の保持体71の各々のコの字状部分の凹部74によって製品幅の金属帯状体49の幅方向両側端縁および底面を保持可能な位置にセットされる。
一対の保持体71が製品幅の金属帯状体49の両側端縁と底面を保持する位置にセットされると、送り装置62により製品幅の金属帯状体49が送り出される。製品幅の金属帯状体49は、互いの凹部74を対向させた状態で配置された一対の保持体71により形成されたガイド空間に沿って、落下しないように保持されつつ移送方向がガイドされる。
送り装置62により製品幅の金属帯状体49が所定長さまでで移送されると、送り装置62が一旦停止する。
この後、スタックピン上下動手段86のサーボモータ84が駆動し、スタックピンベース部82を上昇させる。なお、本実施形態では、3本のスタックピン81の長さは、搬送方向に向かうにしたがって徐々に低くなるように(すなわち、3本のスタックピン81の上端の高さ位置は、カットオフ装置60から離れるにつれて徐々に低くなるように)設けられている。したがって、スタックピンベース部82が上昇すると、カットオフ装置60から送り出された製品幅の金属帯状体49に対して、カットオフ装置60側の切り欠き部34から順にスタックピン81が挿通される。
カットオフ装置60側の切り欠き部34から順にスタックピン81が挿通されることによって、位置ズレが少ないカットオフ装置60側の切り欠き部34に最初にスタックピン81が挿通されることとなる。このため、製品幅の金属帯状体49の搬送方向先端側部分の横ずれを補正することができ、全ての切り欠き部34に対して確実にスタックピン81を挿通させることができる。
全てのスタックピン81(本実施形態では3本のスタックピン81)が製品幅の金属帯状体49の切り欠き部34に挿通すると、カットオフ装置60の切断装置66が製品幅の金属帯状体49を所定位置で切断処理し、製品幅の金属帯状体49が扁平チューブ用フィン30に個片化される。
このように製品幅の金属帯状体49を切断処理する際は、スタックピン81が切り欠き部34に挿通し、製品幅の金属帯状体49が位置決めされた状態で保持されているので、正確な切断処理を行うことができる。すなわち、寸法精度の高い扁平チューブ用フィン30を得ることができる。
切断装置66により個片化された扁平チューブ用フィン30は、個片化される前と同様にスタックピン81が切り欠き部34に挿通した状態で各保持体71に保持されている。
また、最初の扁平チューブ用フィン30を受けるフィン受け部88は、受け部上下動手段89によって、扁平チューブ用フィン30の落下距離を極めて短くするように、予めスタックピンベース部82よりも上昇した位置に配置されている。
図14の(A)は、図13を搬送方向の正面側からみたところである。ここでは、製品幅の金属帯状体49が所定長さに切断された扁平チューブ用フィン30に個片化されたところを示している。
図14の(B)では、まずスタックピン上下動手段86が駆動してスタックピン81が扁平チューブ用フィン30の切り欠き部34に挿入される。
次に、保持体71,71の接離動手段であるシリンダ72が短縮して、一対の保持体71をそれぞれ扁平チューブ用フィン30から離間する方向に水平移動する。各保持体71が水平移動して扁平チューブ用フィン30の保持を解除したことによって、扁平チューブ用フィン30は切り欠き部34に挿通しているスタックピン81に沿ってスタックピンベース部82上に落下する。このとき、フィン受け部88の上面と保持体71の扁平チューブ用フィン30の保持面(凹部74の内底面)との距離はごくわずかであるため、落下距離が短くて済み、扁平チューブ用フィン30をスタックピンベース部82の上に整然と積層させることができる。
図14の(C)に示すように、扁平チューブ用フィン30のフィン受け部88への落下後、スタックピン上下動手段86が駆動して、スタックピン81を初期位置(図13及び図14(A)の位置)に下降させる。スタックピン81は、この位置に下降させておかないと次の製品幅の金属帯状体49の搬送の邪魔になるためである。
また、スタックピン81の下降動作とは別に、フィン受け部88も下降する。フィン受け部88の下降動作は、受け部上下動手段89の駆動によって行われる。フィン受け部88の下降距離hは、扁平チューブ用フィン30の上下方向の1枚分の厚さ程度である。フィン受け部88は、扁平チューブ用フィン30が1枚ずつ落下するごとに、扁平チューブ用フィン30の上下方向の厚さ程度分だけ下降する。このため、扁平チューブ用フィン30の落下距離は常に短い距離を維持しつつ、積層された扁平チューブ用フィン30の上面が保持体71の邪魔に成らないようにすることができる。
さらに、図14の(C)では、保持体71,71の接離動手段であるシリンダ72が延長して、一対の保持体71を互いに接近させ、次に保持する製品幅の金属帯状体49を保持できる初期位置に水平移動させる。
なお、スタックピン81の下降動作と、フィン受け部88の下降動作は、特にどの順番で実行してもよく、また同時に実行してもよい。なお、保持体71同士を接近させる動作については、フィン受け部88に積層されている扁平チューブ用フィン30に当接しないように、少なくともフィン受け部88の下降動作よりも後に行われるようにすることが好ましい。
続いて、図15及び図16に基づいて、2枚以上の扁平チューブ用フィン30が積層された後の、保持装置70及びスタック装置80の構成及び動作について説明する。
図15は、スタック装置80には既に複数枚の扁平チューブ用フィン30が積層され、保持装置70に保持された製品幅の金属帯状体49が、所定長さに切断された扁平チューブ用フィン30に個片化されたところを示している。
そして、図16の(A)〜(B)では、まずスタックピン上下動手段86が駆動してスタックピン81が扁平チューブ用フィン30の切り欠き部34に挿入される。
次に、保持体71,71の接離動手段であるシリンダ72が短縮して、一対の保持体71をそれぞれ扁平チューブ用フィン30から離間する方向に水平移動する。各保持体71が水平移動して扁平チューブ用フィン30の保持を解除したことによって、扁平チューブ用フィン30は切り欠き部34に挿通しているスタックピン81に沿って、積層された扁平チューブ用フィン30の最上部に落下する。
このとき、積層された扁平チューブ用フィン30の最上部の上面と、保持体71の扁平チューブ用フィン30の保持面(凹部74の内底面)との距離はごくわずかであるため、落下距離が短くて済み、扁平チューブ用フィン30を整然と積層させることができる。
また、図16の(B)においては、扁平チューブ用フィン30のフィン受け部88への落下後、スタックピン上下動手段86が駆動して、スタックピン81を初期位置(図14(A)の位置)に下降させる。スタックピン81は、この位置に下降させておかないと次の製品幅の金属帯状体49の搬送の邪魔になるためである。
また、スタックピン81の下降動作とは別に、フィン受け部88も下降する。フィン受け部88の下降動作は、受け部上下動手段89の駆動によって行われる。フィン受け部88の下降距離は、扁平チューブ用フィン30の上下方向の1枚分の厚さ程度である。フィン受け部88は、扁平チューブ用フィン30が1枚ずつ落下するごとに、扁平チューブ用フィン30の上下方向の厚さ程度分だけ下降する。このため、扁平チューブ用フィン30の落下距離は常に短い距離を維持しつつ、積層された扁平チューブ用フィン30の上面が保持体71の邪魔に成らないようにすることができる。
さらに、扁平チューブ用フィン30の落下後、保持体71,71の接離動手段であるシリンダ72が延長して、一対の保持体71を互いに接近させ、次に保持する製品幅の金属帯状体49を保持できる初期位置に水平移動させる。
なお、スタックピン81の下降動作と、フィン受け部88の下降動作は、特にどの順番で実行してもよく、また同時に実行してもよい。なお、保持体71同士を接近させる動作については、フィン受け部88に積層されている扁平チューブ用フィン30に当接しないように、少なくともフィン受け部88の下降動作よりも後に行われるようにすることが好ましい。
図16の(C)では、受け部上下動手段89の駆動によってフィン受け部88が上昇し、積層された扁平チューブ用フィン30の最上部に位置する扁平チューブ用フィン30の上面を、各保持体71の下面に当接させる。
このような動作により、フィン受け部88に積層されている扁平チューブ用フィン30が若干傾斜していたりして積層の状態が好ましく無い状態であっても、フィン受け部88と各保持体71との間で、積層されている扁平チューブ用フィン30の上面と下面とを押さえることとなり、綺麗に整列した積層状態にすることができる。
そして、積層された扁平チューブ用フィン30の上面を保持体71の下面に当接させた後、受け部上下動手段89の駆動によってフィン受け部88が下降する。
フィン受け部88の下降位置は、次の扁平チューブ用フィン30が落下してきた場合に、落下してきた扁平チューブ用フィン30を受ける位置である。
なお、上述してきた一連の動作をスタック装置80に積層された扁平チューブ用フィン30の数が、所定数になるまで繰り返し実行される。
スタック装置80に積層された扁平チューブ用フィン30が所定数になると、スタックピンベース部82を支持脚83から取りはずし、スタックピン81が切り欠き部34に挿通されたままの状態で次の工程へ移行させることができる。
扁平チューブ用フィン30の積層を再開する際には、複数本のスタックピン81が立設された空のスタックピンベース部82を支持脚83に装着することで行える。
このように、スタックピン81の上下動とは別に、フィン受け部88の上下動を実行し、しかもフィン受け部88の下降距離は扁平チューブ用フィン30の1枚分の厚さ程度であり、その他フィン受け部88が上昇するのは積層された扁平チューブ用フィン30の最上部の上面を保持体71の下面に当接させる距離だけである。上昇距離は、落下してきた扁平チューブ用フィン30を受ける受け位置から、保持体71の下面までの距離であるから、極めて短い距離である。
したがって、フィン受け部88の上下動の時間を短縮でき、扁平チューブ用フィンの1枚あたり製造サイクルを短縮し、生産効率を上げることができる。
なお、上述してきた保持装置70及びスタック装置80の動作は、制御部110によって制御されて実行される(図1参照)。
なお、制御部110は、保持装置70及びスタック装置80の制御だけではなく、扁平チューブ用フィンの製造装置100を構成する各装置の同期をとらなくてはならないため、扁平チューブ用フィンの製造装置100全体の動作を実行するものである。
すなわち、NCフィーダ44、プレス装置48、送り装置50、列間スリット装置52、カットオフ装置60、保持装置70、スタック装置80の一連の動作はそれぞれ制御部110により同期動作が制御されている。
このような制御部110としては制御用プログラムが記憶手段に記憶され、制御プログラムに基づいて動作を行う中央演算手段(CPU)を有するシーケンサや、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
なお、図3、図8、図11に示したように、スタックピンベース部82に立設されている各スタックピン81の上端部の高さ位置は、製品幅の金属帯状体49の移送方向における上流側(カットオフ装置60側)に立設されたスタックピン81の高さ位置が最も高く、移送方向における下流側に進む(カットオフ装置60から離間する)に伴ってスタックピン81の上端高さ位置が徐々に低くなるように形成されている。
具体的にはスタックピンベース部82に立設させるスタックピン81の長さ寸法を、製品幅の金属帯状体49の移送方向の上流側から下流側に向けて徐々に短くしている。
このようなスタックピン81の構成を採用することで、スタックピン81が製品幅の金属帯状体49の切り欠き部34に挿通する順番がカットオフ装置60側から(移送方向上流側から)順番に挿通されることになる。
カットオフ装置60側における製品幅の金属帯状体49の送り出し位置は、設計上の送り出し位置にきわめて近接した位置または一致しているから、スタックピン81を製品幅の金属帯状体49の切り欠き部34に挿通させる際における位置ずれの心配がない。そして、スタックピン81をカットオフ装置60側から挿通させることにより、製品幅の金属帯状体49の移送方向の下流側先端縁の位置も設計位置となるように修正することができる。
したがって、製品幅の金属帯状体49のすべての切り欠き部34に対するスタックピン81の挿通位置のずれが防止され、スタックピン81による製品幅の金属帯状体49の破損を防止することができる。
なお、上述した実施形態では、未加工の金属製の薄板41には、幅方向に複数の扁平チューブ用フィン30を並列して製造するために列間スリット装置52を有する形態について説明した。
しかし、細長帯状体に形成された金属製の薄板41を用い、薄板41の幅方向において扁平チューブ用フィン30を1個取りする場合には列間スリット装置52の構成は省略することもできる。また、以上に説明した実施形態と同様に薄板41の幅方向に複数の扁平チューブ用フィン30を同時に製造する際には、金型の左右バランスを維持するためになるべく偶数個の扁平チューブ用フィン30を1枚の薄板の幅方向内に配置し、切り欠き部34同士が向かい合うような組を設けることが好ましい。
さらに、上述した実施形態においては、断面形状がコの字型に形成されている保持体71について説明しているが、保持体71は少なくとも幅方向外側に凹む凹部74として底面と側面を有する形態であればよく、具体的には断面L字型や断面C字型に形成された保持体71の構成を採用してもよい。
さらに上述した保持体71は、金属帯状体49の送り出し方向に連続した形態について説明しているが、扁平チューブ用フィン30の長さ方向に沿って所要長さに形成された複数の保持体71を所定の間隔をあけた状態で配設した形態としてもよい。保持体71どうしの配設間隔部分にスタックピン81および規制ピン94が進入するように配置すれば、規制ピン94を保持体71に干渉させないようにできる。
また、以上の実施形態においては、保持体71の接離動手段としてシリンダ72を採用しているが、保持体71を移動させることさえできれば特にシリンダに限定するものではない。
さらに、スタックピン上下動手段86及び受け部上下動手段89としてサーボモータとサーボモータの出力軸に連結されたボールネジを採用した形態について説明した。しかし、各上下動手段としても、上述した形態のサーボモータとボールネジの組み合わせに限定するものではない。
30 扁平チューブ用フィン
32 扁平チューブ
34 切り欠き部
35 ルーバー
36 板状部
37 開口部
38 連結部
40 アンコイラー
41 薄板
42 ループコントローラ
44 NCフィーダ
46 金型装置
48 プレス装置
49 金属帯状体
50,62 送り装置
51 往復動ユニット
52 列間スリット装置
53 上刃
54 下刃
55,65 送りピン
60 カットオフ装置
64 搬送ユニット
66 切断装置
68 上刃
69 下刃
70 保持装置
72 シリンダ
74 凹部
80 スタック装置
81 スタックピン
82 スタックピンベース部
83 支持脚
84,90 サーボモータ
85,91 ボールネジ
86 スタックピン上下動手段
87 支持脚
88 フィン受け部
89 受け部上下動手段
93 通過穴
94 規制ピン
96 規制ピン回避部
100 扁平チューブ用フィンの製造装置
110 制御部
114 保持部

Claims (4)

  1. 幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを積層するスタック装置であって、
    前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、
    該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、
    前記揺れ防止構造は、積層される扁平チューブ用フィンが干渉しない位置において肉薄方向への揺れを防止するために肉厚に形成された保持部を有し、
    該保持部は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側の外方に配置されていることを特徴とするスタック装置。
  2. 幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを積層するスタック装置であって、
    前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、
    該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、
    前記揺れ防止構造は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側のスタックピンの端部が下方から上方に向けて徐々に幅狭になるようにテーパ状に形成され、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側と反対側のスタックピンの端部が鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成されてなることを特徴とするスタック装置。
  3. 幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを製造する製造装置において、
    未加工の金属製の薄板に切り欠き部を形成して金属帯状体とする金型装置が設けられたプレス装置と、
    切り欠き部が形成されてなる金属帯状体を所定幅に切断し、幅方向に複数本整列してなる製品幅の金属帯状体を形成する列間スリット装置と、
    製品幅の金属帯状体を所定長さに切断するカットオフ装置と、
    カットオフ装置により所定長さに切断された扁平チューブ用フィンを積層させるためのスタック装置とを具備し、
    前記スタック装置は、
    前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、
    該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、
    前記揺れ防止構造は、積層される扁平チューブ用フィンが干渉しない位置において肉薄方向への揺れを防止するために肉厚に形成された保持部を有し、
    該保持部は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側の外方に配置されていることを特徴とする扁平チューブ用フィンの製造装置。
  4. 幅方向の一方側から他方側に向けて、熱交換器用の扁平チューブを挿入させる切り欠き部が形成されてなる扁平チューブ用フィンを製造する製造装置において、
    未加工の金属製の薄板に切り欠き部を形成して金属帯状体とする金型装置が設けられたプレス装置と、
    切り欠き部が形成されてなる金属帯状体を所定幅に切断し、幅方向に複数本整列してなる製品幅の金属帯状体を形成する列間スリット装置と、
    製品幅の金属帯状体を所定長さに切断するカットオフ装置と、
    カットオフ装置により所定長さに切断された扁平チューブ用フィンを積層させるためのスタック装置とを具備し、
    前記スタック装置は、
    前記切り欠き部に挿通されるスタックピンを具備し、
    該スタックピンは、揺れ防止構造を有し、
    前記揺れ防止構造は、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側のスタックピンの端部が下方から上方に向けて徐々に幅狭になるようにテーパ状に形成され、扁平チューブ用フィンの切り欠き部の開口側と反対側のスタックピンの端部が鉛直方向に伸びる鉛直線状に形成されてなることを特徴とする扁平チューブ用フィンの製造装置。
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