JP5589805B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、シート本体の表面に面状の表皮が被覆された車両用シートに関する。
従来、車両用シートにおいて、その表面に被覆される表皮の一部につまみ縫い部を設けて、表皮に弛みや皺を発生させないようにしたものがある(下記特許文献1参照)。上記つまみ縫い部は、シートクッションの前側部を被覆する表皮の前まち部に設けられており、他の被覆面部との周長の違いにより発生する弛みや皺を吸収する構成とされている。
実開平5−55995号公報
上記従来技術では、表皮をシートバックの背凭れ面の中央部のような皿状に凹んだ凹面上に面着させた状態で被覆したい場合、被覆によって生じる弛みや皺を吸収するために、表皮の所々につまみ縫い部を設ける必要が生じ、つまみ縫いにより表皮が三層に重ねられて硬化する部位が生じることから、表皮の感触が悪くなってしまうことがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、表皮の感触を悪化させることなく、表皮をシート本体に皿面状に凹んで又は突出して形成された皿面上に弛みや皺を生じさせないように被覆させられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シート本体の表面に面状の表皮が被覆された車両用シートである。表皮は、シート本体に皿状に浅く湾曲して凹んで又は突出して形成された皿面上に被覆されて設けられている。上記皿面上に被覆される表皮には、縫製線が設けられている。縫製線は、上記皿面の半径方向に延びる形に形成されている。この縫製線により、表皮は、皿面上に面着された際に、湾曲した皿面との周長差によって生じる折れ皺を発生させる周方向の圧縮力が上記縫製線の形成箇所に縫製線の形成箇所を屈曲させる力として集中的に作用して、折れ皺の発生が抑制される構成となっている。
この第1の発明によれば、表皮に皿面の半径方向に延びる形の縫製線が設けられることにより、表皮をシート本体に形成された皿面上に面着させた際に皿面との周長差によって生じる折れ皺を発生させる周方向の圧縮力が、縫製線の形成箇所に集中的に作用して、縫製線が屈曲することで折れ皺の発生が抑制される。したがって、表皮の感触を悪化させることなく、表皮をシート本体の皿面上に弛みや皺を生じさせないように被覆させられるようにすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、縫製線が皿面の中心から放射状に延びるように複数形成されているものである。
この第2の発明によれば、縫製線が皿面の中心から放射状に延びるように複数形成されることにより、縫製線の形成箇所の屈曲変形が1箇所に集中せず複数箇所に分散されるため、表皮をシート本体の曲面上により綺麗に面着させた状態に被覆することができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、表皮の縁部には、シート本体に着脱可能に結合することのできる面ファスナーが一体に設けられ、表皮は、面ファスナーを半径方向に引張り込んで縫製線の設けられた部位にテンションをかけた状態でシート本体に結合されているものである。
この第3の発明によれば、表皮が、面ファスナーを半径方向に引張り込んで縫製線の設けられた部位にテンションをかけた状態でシート本体に結合されることにより、縫製線の形成箇所に、表皮に折れ皺を発生させる周方向の圧縮力がより集中しやすくなる。したがって、表皮をシート本体の曲面上により綺麗に面着させた状態に被覆することができる。
実施例1の車両用シート全体の構成を示した斜視図である。 リバーシブルカバーの一部をシート本体から取り外した状態を示した斜視図である。 図1のIII-III線断面図である。 図1のIV-IV線断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートの構成について、図1〜図4を用いて説明する。本実施例の車両用シートは、図1に示すように、シート本体1が、背凭れとなるシートバック10と、着座部となるシートクッション20と、頭部の支えとなるヘッドレスト30と、を備えて構成されている。上記シートバック10、シートクッション20及びヘッドレスト30は、それぞれ、内部に骨格構造を覆うようにクッションパッドが内装されており、その表面全体を覆うように布製のカバーが被せ付けられて構成されている。
また、図1〜図2に示すように、シートバック10のシート前方側に面を向けた背凭れ面側の中央部10Aには、裏返しにより意匠面を変えて使用することのできる両面使用可能な布製面状のリバーシブルカバー13が着脱可能に設けられている。ここで、リバーシブルカバー13が本発明の表皮に相当する。ここで、シートバック10は、その幅方向の中央部10Aが、着座乗員P(図3〜図4参照)の身体背部を支持する部位として、概ねその表面が平坦な面形状に形成されているが、その着座乗員Pの腰部を支持する下方領域の面部が、シート前方側に緩やかに突出する形状とされている。
また、シートバック10は、その中央部10Aの着座乗員Pの背部上方を支える中央上部10Aaの面形状が、その中心付近を中心に、皿状に浅く湾曲して凹んだ凹み面10Acとなって形成されている。ここで、凹み面10Acが本発明の皿面に相当する。上記凹み面10Acは、上記中央上部10Aaの面領域を超えて、その両サイドの中央部10Aの面領域にまで及んで形成されている。また、上記シートバック10の両サイド部には、着座乗員Pの胴体部を両外側から支持するサイドサポート部10Bが、シート前方側に突出した形となって形成されている。
ここで、上記シートバック10の本体部の構成について説明する。シートバック10の本体部は、図3〜図4に示すように、その内部の骨格構造(図示省略)を覆うようにクッションパッド11が内装されており、更にクッションパッド11の表面全体を覆うように布製の表皮ベース12が被せ付けられた構成となっている。上記クッションパッド11は、シートバック10の外観形状のベースを成すものであり、図1〜図2に示すように、このクッションパッド11の形状によって、上述したシートバック10の中央部10Aの面形状や、サイドサポート部10Bの突出形状や、中央上部10Aaの皿状に湾曲した凹み面10Acの形状が、それぞれ形作られている。
また、表皮ベース12は、上記クッションパッド11の表面全体を覆うようにクッションパッド11に被せ付けられて設けられており、その被せ付けられた各縁部が、図示しないシートバック10の骨格構造部に係止されて固定されている。また、上記表皮ベース12は、上記クッションパッド11の背凭れ面側に形成された突出形状のサイドサポート部10Bや曲面形状の凹み面10Ac等の起伏のある形状に対して、クッションパッド11に隙間なく面着した状態で被覆されるよう、上記中央部10Aと各サイドサポート部10Bとの間の境界部(吊り込み部10D1)、及び中央部10Aにおける中央上部10Aaとその他の面部10Abとの間の境界部(吊り込み部10D2)において、それぞれ、クッションパッド11内に吊り込まれて引っ張り込まれた状態とされて保持されている。この吊り込み部10D1,10D2の設定されたラインにより、上記中央部10Aと各サイドサポート部10Bとの間の境界部、及び中央上部10Aaとその他の面部10Abとの間の境界部が、それぞれ見た目に仕切られている。上記中央上部10Aaとその他の面部10Abとを仕切る吊り込み部10D2のラインは、シートバック10の中央部10Aに上方側からベロを垂れ下げるようなU字形状を形作るように形成されている。
そして、上記表皮ベース12の中央部10Aの領域上に、リバーシブルカバー13が着脱可能に取り付けられている。このリバーシブルカバー13は、上述したシートバック10の中央部10Aにおけるその他の面部10Abの形状に即した形に形成されており、その他の面部10Ab全体を表面側から覆った状態となるように被せ付けられて、その各縁部が表皮ベース12との間に構成された固定構造により係着されて固定されている。次に、このリバーシブルカバー13の表皮ベース12(シート本体)に対する固定構造について説明する。
図2に示すように、リバーシブルカバー13は、その両サイドの各縁部が、線ファスナー12Bにより、シートバック10の中央部10Aと各サイドサポート部10Bとの境界部(吊り込み部10D1)のラインに沿った箇所にそれぞれ結合されて固定される。ここで、リバーシブルカバー13の両サイドの各縁部には、線ファスナー12Bを構成する一方側の務歯13A(エレメント)が、同縁部に沿って一体的に結合されて設けられており、表皮ベース12には、結合具となるスライダ12B2の付いたもう一方側の務歯12B1(エレメント)が、各吊り込み部10D1のラインに沿って一体的に結合されて配設されている。
上記各スライダ12B2は、上記各務歯12B1,13A同士を結合する際には、スライダ12B2を表皮ベース12側の務歯12B1の上端部側に移動させた状態にして、このスライダ12B2にリバーシブルカバー13側の務歯13Aの上端部を掛け合わせてから、スライダ12B2を表皮ベース12側の務歯12B1上を下方側へスライドさせることにより、両務歯12B1,13Aを上端部側から下端部側に向かって順に掛け合わせて結合していくようになっている。したがって、上記のように各スライダ12B2を操作して各側の務歯12B1,13A同士を結合することにより、リバーシブルカバー13の両サイドの縁部が、シートバック10の中央部10Aと各サイドサポート部10Bとの境界部(吊り込み部10D1)のラインに沿った箇所にそれぞれ結合されて固定された状態となる。なお、上記各務歯12B1,13A同士の結合状態を外す場合には、スライダ12B2を表皮ベース12側の各務歯12B1の上端部位置までスライドさせればよい。これにより、各務歯12B1,13A同士の掛け合わせ状態が外されるため、リバーシブルカバー13側の務歯13Aの上端部をスライダ12B2との掛け合わせ状態から外すことができる(図2参照)。
また、上記リバーシブルカバー13には、そのシートバック10の中央上部10Aaとの境界部に臨むU字状の中央上縁部13Bに、この中央上縁部13Bから突出する複数枚の面ファスナー13Cが一体的に結合されて設けられている。これら面ファスナー13Cは、リバーシブルカバー13の中央上縁部13Bからそれぞれ面方向に突出して設けられており、その表裏両面上に、面着構造を成す細かく密集したループ状の起毛が無数に並んで形成されている。
一方、シートバック10の上記中央上部10Aaには、その表皮ベース12上に、上記リバーシブルカバー13に設けられた各面ファスナー13Cを面着させた状態に結合することのできる複数枚の面ファスナー12Aが、各面ファスナー13Cに対応した配設箇所に一体的に結合されて設けられている。これら面ファスナー12Aの表面上には、上記各面ファスナー13Cに形成された細かく密集したループ状の起毛にそれぞれ絡んで係合することのできるフック状の起毛が、細かく無数に並んで密集して形成されている。
したがって、上述したリバーシブルカバー13の両サイドの各縁部を、それぞれ線ファスナー12Bによってシートバック10側に固定した後に、各面ファスナー13Cを直接把持して、各面ファスナー13Cをシートバック10の中央上部10Aaに設けられた各面ファスナー12Aに押し付けて面着させることにより、リバーシブルカバー13の中央上縁部13Bも、シートバック10側に結合した状態にして固定することができる。
また、上記リバーシブルカバー13の、上記シートバック10の中央上部10Aaの両脇部を通ってシートバック10の両肩口へと延びる各肩部13Dには、それらの内部に樹脂板13D1が挿入されており、各肩部13Dの曲げや捩りに対する剛性が高められている。これら肩部13Dは、シートバック10の上面部10Cの各肩口において、表皮ベース12の更に表面側に被せ面部12Cがそれぞれ被せ付けられて構成されている各収容ポケット12C1内に差し込まれることで、各被せ面部12Cと表皮ベース12との間に挟まれて保持されるようになっている。詳しくは、上記各被せ面部12Cは、シートバック10の上面部10Cにおいて、互いの間にゴムバンド12Dが掛着されており、このゴムバンド12Dの張力によって、それぞれに表皮ベース12上に押え付けられるテンションがかけられた状態とされている。したがって、上記テンションがかけられた各被せ面部12Cと表皮ベース12との間の各収容ポケット12C1内に各肩部13Dを差し込むことにより、各肩部13Dが各収容ポケット12C1内において挟み込まれた状態となって保持される。
そして、上記のようにシートバック10の中央部10A上にリバーシブルカバー13が取り付けられた後に、更に、上記リバーシブルカバー13の面ファスナー13Cが露呈しているシートバック10の中央上部10Aa上には、同中央上部10Aaを外部に対して被覆することのできる面状のベロカバー14が被せ付けられる。このベロカバー14は、図2に示すように、その後縁部14Cが、シートバック10の上面部10Cの後側部に縫合されており、この後側の縫合部を基点にその面をシートバック10の前面側に被せ付けるように回し込んで、シートバック10の上面部10Cと中央上部10Aaとを被覆した状態に被せ付けられるようになっている。このベロカバー14を被せ付けることにより、前述したシートバック10の上面部10Cの被せ面部12C同士を繋ぐゴムバンド12Dや、シートバック10の中央上部10Aaに露呈していたリバーシブルカバー13の各面ファスナー13C(固定構造)が、ベロカバー14の面形状によって外部に対して被覆された状態となる(図1参照)。上記ベロカバー14は、そのシートバック10の中央上部10Aaに被せ付けられる面部の形状が、同中央上部10Aaの面形状に即した形に形成されており、シートバック10の中央上部10Aa上に被せ付けられることにより、リバーシブルカバー13の中央上縁部13BのU字形状の内部に入り込む形でセットされて、リバーシブルカバー13と面一状に並んで連続した面を形成するように配設される(図3〜図4参照)。
ここで、図2に示すように、上記ベロカバー14の裏面部には、そのシートバック10の中央上部10Aaに被せ付けられる部位面の周縁部に、複数枚の面ファスナー14Bが一体的に結合されて設けられている。これら面ファスナー14Bは、シートバック10の中央上部10Aa上に露呈するリバーシブルカバー13の各面ファスナー13Cに対応した配設箇所に設けられており、それらの面上には、リバーシブルカバー13の各面ファスナー13Cの表面上に形成された細かく密集したループ状の起毛にそれぞれ絡んで係合することのできるフック状の起毛が、細かく無数に並んで密集して形成されている。したがって、これら面ファスナー14Bを、ベロカバー14をシートバック10の中央上部10Aa上に被せ付ける時に、それぞれリバーシブルカバー13の各面ファスナー13C上に押し付けて密着させることにより、ベロカバー14の周縁部が、リバーシブルカバー13の固定構造である各面ファスナー13Cを外部に対して被覆した状態として、リバーシブルカバー13の中央上縁部13Bに一体的に結合されて固定された状態となる(図3〜図4参照)。
詳しくは、上記ベロカバー14の被覆により、リバーシブルカバー13の中央上縁部13Bの固定構造を成す各面ファスナー13Cは、ベロカバー14と表皮ベース12との間に挟み込まれて、双方に設けられた面ファスナー12A,14Bにそれぞれ面着されて結合された状態となって固定された状態となる。これにより、リバーシブルカバー13の中央上縁部13Bは、ベロカバー14及び表皮ベース12のそれぞれに対して位置ずれしないように保持された状態として、シートバック10に対して強く固定された状態となる。
ここで、上述したベロカバー14の内部には、その周縁形状に沿って樹脂板14Aが挿入されており、ベロカバー14の曲げや捩りに対する剛性が高められている。この樹脂板14Aの挿入された構成により、ベロカバー14は、これをリバーシブルカバー13の各面ファスナー13Cに面着させて固定する前の自由状態時には、その剛性によって、図1の仮想線状態で示されるように、その面形状がシートバック10の上面部10C上から前方側へ延び出す片持ち状の姿勢状態に保持されるようになっている。このように、ベロカバー14がその自由状態時にシートバック10の背凭れ面上に垂れ下がらない構成となっていることにより、リバーシブルカバー13をシートバック10に対して着脱する作業時に、ベロカバー14が垂れ下がらないように手で押さえておく作業が不要となるため、リバーシブルカバー13の着脱作業を簡便に行うことができる。
また、上記ベロカバー14の内部に挿入された樹脂板14Aは、その板幅が各面ファスナー14Bの配設箇所に跨がるように配設されている。これにより、各面ファスナー14Bをリバーシブルカバー13の各面ファスナー13Cに押し付ける作業の際に、樹脂板14Aの剛性によって押し付け力が効果的に伝わるようになっており、各面ファスナー14Bを押し付けて面着させる作業を簡便に行えるようになっている。なお、上記樹脂板14Aの剛性は、ベロカバー14の各面ファスナー14Bとリバーシブルカバー13の各面ファスナー13Cとの結合を引き離さない程度に弱く設定されている。上記ベロカバー14は、シートバック10の前面側に回し込まれた状態で、そのシートバック10の上面部10Cにかかっている面上に、ヘッドレスト30のステー31を差し込むためのサポート部材が貫通して差し込まれて装着された状態とされている。
ところで、図1に示すように、上述したリバーシブルカバー13には、そのシートバック10の中央上部10Aaの両サイド部、すなわち前述した凹み面10Ac(皿面)上に覆い掛けられる面部上に、複数の縫製線13Eが設けられている。これら縫製線13Eは、リバーシブルカバー13を構成する表側の布材と裏側の布材とにそれぞれ別個に設けられており、各布材の表裏面をそれぞれ密着させた状態に縫い合わせている。上記縫製線13Eは、リバーシブルカバー13の表側の布材と裏側の布材とで同じ箇所に設けられており、リバーシブルカバー13が被覆されるシートバック10の凹み面10Ac(皿面)のほぼ中心箇所(中央上部10Aaのほぼ中央近傍箇所)から放射状に延びるライン(凹み面10Acの凹みの中心から半径方向に延びるライン)を形成するように施されている。これら縫製線13Eにより、リバーシブルカバー13は、それ自体は平面状の形に形成されているため、上記凹み面10Ac上に面着されて被覆される際に、湾曲した凹み面10Acとの周長差によって生じる折れ皺を発生させる周方向の圧縮力が、これら縫製線13Eの形成箇所において各縫製線13Eの形成箇所を屈曲させる力として集中的に作用して、折れ皺の発生が抑制される構成となっている。なお、上記各縫製線13Eは、リバーシブルカバー13を構成する表側の布材と裏側の布材とで異なる箇所に設けられていてもよい。しかし、各縫製線13Eを表側の布材と裏側の布材とで同じ箇所に設けた方が、リバーシブルカバー13を表裏どちらの面で使用する際にも、両縫製線13Eが重なって形成された箇所を一緒に屈曲させることができ、裏側に位置する布材の縫製線13Eが表側に浮き出るおそれがない。ただし、縫製線13Eを表側の布材と裏側の布材とで異なる箇所に設けることにより、リバーシブルカバー13の表裏を入れ替えることで、縫製線13Eによる意匠を変えて楽しむことが可能となる。なお、縫製線13Eをリバーシブルカバー13の表側の布材と裏側の布材とで同じ箇所に設ける場合において、各布材毎に縫製線13Eを別個に設けると、縫製線13Eの位置がずれてしまう場合には、両布材をひとまとめに縫い合わせるように縫製線13Eを施してもよい。
また、図2に示すように、リバーシブルカバー13に上述したように各縫製線13Eが形成されていることにより、リバーシブルカバー13の各面ファスナー13Cを表皮ベース12上の各面ファスナー12A上に押し付けて面着させる際に、各面ファスナー13Cを各縫製線13Eが延びる方向(凹み面10Ac(皿面)の半径方向内方側)に引張り込んで、各縫製線13Eが設けられた部位に各縫製線13Eが延びる方向へのテンションをかけた状態で面着させることにより、各縫製線13Eがピンと張られた状態でリバーシブルカバー13が張設されるようになっている。上記各縫製線13Eが設けられた部位に作用するテンションは、各縫製線13Eの形成箇所を表皮ベース12の面に近づける方向に移動させる力として作用する。したがって、上記のように各縫製線13Eが設けられた部位にテンションをかけた状態でリバーシブルカバー13を張設することにより、上述したリバーシブルカバー13に折れ皺を発生させるように作用する周方向の圧縮力が、上記各縫製線13Eの形成箇所に対してより集中して作用しやすくなるため、この圧縮力が、リバーシブルカバー13の面を凹み面10Ac上に押し付ける力として作用しやすくなり、リバーシブルカバー13をより表皮ベース12の凹み面10Ac上に綺麗に面着させた状態に被覆させられるようになっている。
このように、本実施例の車両用シートによれば、リバーシブルカバー13の縁部(中央上縁部13B)の固定構造を成す各面ファスナー13Cは、ベロカバー14と表皮ベース12との間に挟まれて、この双方に結合されることで、ベロカバー14により外部に対して被覆された状態とされて表皮ベース12に固定される。したがって、リバーシブルカバー13の表皮ベース12に対する固定構造を外部に対して被覆することができるため、リバーシブルカバー13を表皮ベース12(シートバック10)に見栄え良く固定することができる。
また、リバーシブルカバー13の中央上縁部13Bに設けられた各面ファスナー13Cが、ベロカバー14及び表皮ベース12の双方に結合されることにより、各面ファスナー13Cを表皮ベース12に対してより強固に固定することができる。また、面ファスナー13Cをリバーシブルカバー13の中央上縁部13Bから突出させて設けたことにより、突出した各面ファスナー13Cを直接把持して各面ファスナー13Cを表皮ベース12に結合させる作業を簡便に行うことができる。また、各面ファスナー13Cがリバーシブルカバー13の面上から外れて(突出して)設けられることで、リバーシブルカバー13の固定構造をより外部に露呈させにくくし、ベロカバー14により被覆させやすくすることができる。
また、リバーシブルカバー13に凹み面10Ac(皿面)の半径方向に延びる形の縫製線13Eを設けたことにより、リバーシブルカバー13を表皮ベース12に形成された凹み面10Ac(皿面)上に面着させた際に、湾曲した凹み面10Acとの周長差によって生じる折れ皺を発生させる周方向の圧縮力が、縫製線13Eの形成箇所に集中的に作用して、縫製線13Eが屈曲することで折れ皺の発生が抑制される。したがって、リバーシブルカバー13の感触を悪化させることなく、リバーシブルカバー13を表皮ベース12の凹み面10Ac上に弛みや皺を生じさせないように被覆させられるようにすることができる。
また、縫製線13Eが凹み面10Ac(皿面)の中心から放射状に延びるように複数形成されることにより、縫製線13Eの形成箇所の屈曲変形が1箇所に集中せず複数箇所に分散されるため、リバーシブルカバー13を表皮ベース12の曲面上(凹み面10Ac上)により綺麗に面着させた状態に被覆することができる。また、リバーシブルカバー13が、各面ファスナー13Cを半径方向に引張り込んで各縫製線13Eが設けられた部位にテンションをかけた状態で表皮ベース12に結合されることにより、縫製線13Eの形成箇所に、リバーシブルカバー13に折れ皺を発生させる周方向の圧縮力がより集中しやすくなる。したがって、リバーシブルカバー13を表皮ベース12の曲面(凹み面10Ac)上により綺麗に面着させた状態に被覆することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。例えば、上記実施例では、本発明の表皮に相当する構成として、両面使用可能な布製の面状部材より成るリバーシブルカバー13を例示したが、表皮は、革等の可撓性を有した面状部材よりなるものであればよく、また、片面使用される用途として構成されたものであってもよい。また、上記実施例では、リバーシブルカバー13(表皮)に設けられた各面ファスナー13C(固定構造)が、リバーシブルカバー13の中央上縁部13B(縁部)から突出して、その表裏両面が表皮ベース12(シート本体)及びベロカバー14にそれぞれ面着されて結合される構成とされたものを示したが、各面ファスナー13C(固定構造)は、表皮ベース12(シート本体)及びベロカバー14のうちの少なくとも一方と結合されて固定される構成となっていれば足りる。また、面ファスナー13C(固定構造)は、リバーシブルカバー13(表皮)の面上に設けられるものであってもよい。
また、ベロカバー14は、シートバック10(シート本体)とは分離されて別体で構成されるものであってもよい。また、上記実施例では、リバーシブルカバー13(表皮)を表皮ベース12(シート本体)やベロカバー14に面着させて結合させる手段として、面ファスナー12A,13C,14Bを例示したが、粘着手段やフック等の他の係合手段を用いてもよい。また、上記実施例では、シートバック10の着座面側(背凭れ面側)に被せ付けられる表皮構造に本発明の構成を適用したものを例示したが、本発明の構成は、シートバック10における他の面部に被せ付けられる表皮構造の他、シートクッション20やヘッドレスト30に被せ付けられる表皮構造に適用することができるものである。
また、ベロカバー14を、表皮ベース12(シート本体)に直接係合させて固定し、リバーシブルカバー13(表皮)を、上記ベロカバー14を表皮ベース12(シート本体)に係合させることにより発揮される係合力により表皮ベース12(シート本体)との間に挟み込んで保持する構成としてもよい。また、上記実施例では、本発明の皿面に相当する面として、シートバック10の背凭れ面上に設定した凹み面10Acを例示したが、皿面は凸面であってもよい。
1 シート本体
10 シートバック
10A 中央部
10Aa 中央上部
10Ab その他の面部
10Ac 凹み面(皿面)
10B サイドサポート部
10C 上面部
10D1 吊り込み部
10D2 吊り込み部
11 クッションパッド
12 表皮ベース(シート本体)
12A 面ファスナー
12B 線ファスナー
12B1 務歯
12B2 スライダ
12C 被せ面部
12C1 収容ポケット
12D ゴムバンド
13 リバーシブルカバー(表皮)
13A 務歯
13B 中央上縁部(縁部)
13C 面ファスナー
13D 肩部
13D1 樹脂板
13E 縫製線
14 ベロカバー
14A 樹脂板
14B 面ファスナー
14C 後縁部
20 シートクッション
30 ヘッドレスト
31 ステー
P 着座乗員

Claims (3)

  1. シート本体の表面に面状の表皮が被覆された車両用シートであって、
    前記表皮は前記シート本体に皿状に浅く湾曲して凹んで又は突出して形成された皿面上に被覆されて設けられ、
    該皿面上に被覆される前記表皮には縫製線が設けられ、該縫製線は前記皿面の半径方向に延びる形に形成され、該縫製線により前記表皮は前記皿面上に面着された際に、湾曲した該皿面との周長差によって生じる折れ皺を発生させる周方向の圧縮力が前記縫製線の形成箇所に該縫製線の形成箇所を屈曲させる力として集中的に作用して折れ皺の発生が抑制される構成となっていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記縫製線が前記皿面の中心から放射状に延びるように複数形成されていることを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートであって、
    前記表皮の縁部には前記シート本体に着脱可能に結合することのできる面ファスナーが一体に設けられ、前記表皮は前記面ファスナーを半径方向に引張り込んで前記縫製線の設けられた部位にテンションをかけた状態で前記シート本体に結合されていることを特徴とする車両用シート。
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