JP5588224B2 - 透明導電層付き透光性基板、透明導電層付き透光性基板の製造方法、および、その透明導電層付き透光性基板を用いた集積型薄膜光電変換装置 - Google Patents

透明導電層付き透光性基板、透明導電層付き透光性基板の製造方法、および、その透明導電層付き透光性基板を用いた集積型薄膜光電変換装置 Download PDF

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Description

本発明は透明導電層付き透光性基板、透明導電層付き透光性基板の製造方法、および、その透明導電層付き透光性基板を用いた集積型薄膜光電変換装置を提供するものである。
光電変換装置は、受光センサー、太陽電池など様々な分野で用いられている。なかでも、太陽電池は、地球に優しいエネルギー源の一つとして脚光を浴びており、近年の環境問題に対する関心の高まりと、各国の導入加速政策によって、太陽電池の普及が急速に進んでいる。光電変換装置のなかで、太陽電池を含む光電変換装置の低コスト化、高効率化を両立するために原材料が少なくてすむ薄膜光電変換装置が注目され、開発が精力的に行われている。特に、ガラス等の安価な基板上に低温プロセスを用いて良質の光電変換層を形成する方法が低コストを実現可能な方法として期待されている。
ところが、薄膜光電変換装置では、光電変換層が薄いがゆえに太陽光の吸収量が十分とはいえなかった。そこで、これまで太陽光の吸収量を増加させるため、光電変換層に入射する光の光路長を増加させる工夫が講じられてきた。たとえば透光性基板側から太陽光を入射させる構造(スーパーストレート構造)の薄膜シリコン太陽電池においては、ガラス基板および/または、ガラス基板に形成された透明導電層に、数μmから数十nmのサイズの微細凹凸構造(テクスチャ)を設けることにより入射光の散乱を増加させることが行われている。また、ステンレス等の基板上に形成された薄膜シリコン太陽電池であって、薄膜光電変換層側から入射させる構造(サブストレート構造)の薄膜シリコン太陽電池においても、裏面反射層に、テクスチャを設けることで反射光の散乱を増大させることが行なわれている。上記のテクスチャを形成する方法としては、低圧CVD法、ナノインプリント法、ケミカルエッチング法、電解析出法(電析法)等が知られている。
一般に光を散乱させるためには微細凹凸のサイズが光の波長と同程度であることが望ましい。そのため、上記のテクスチャ形成方法の中でも、数μmオーダーの凹凸を形成することのできる電解析出法は、800nm〜1200nmの波長領域の光の散乱効果に特に優れる。たとえば、特許文献1には、電解析出法を用いることよりステンレス基板上に平均粒径が0.4〜1.2μmの酸化亜鉛結晶粒からなる、表面にテクスチャ構造を有する透明導電層を作製でき、この透明導電層は有効に光を乱反射させることが開示されている。さらに、その透明導電層付き透光性基板上にサブストレート構造の光電変換装置を作製し、その光電変換装置の光閉じ込め効果が優れていることが開示されている。ところが、電解析出法は基板を電極として基板界面での電極反応により透明導電層を形成するため、基板が導電性を有していることが必要である。そのため、基板が絶縁性の場合、基板に、金属等からなる導電層を形成した上で、電解析出法によって透明導電層を形成せねばならない。特に、スーパーストレート構造の光電変換装置の場合、透光性絶縁基板に形成する導電層は透明導電層でなければならない。
特開2000−22189号公報
上記のようにスーパーストレート構造の光電変換装置に用いる透明導電層を電解析出法により作製しようとする場合、透光性基板にまず、CVD法、スパッタリング法等で第一の透明導電層を形成し、続いて電解析出法により第二の透明導電層を作製しなければならない。発明者はガラスからなる透光性基板にCVD法により酸化亜鉛を主成分とする第一の透明導電層を形成し、得られた第一の透明導電層付き透光性基板に電解析出法を用いて第二の酸化亜鉛を主成分とする透明導電層を形成しようと試みたところ、得られた第二の透明導電層の膜厚が不均一であり、透明導電層付き透光性基板の主表面のうち、電解析出時の電源接続部から遠い領域ほど膜厚が薄く、また光散乱性が悪いことがわかった。
発明者が鋭意検討したところ、電解析出法で形成される透明導電膜の膜厚不均一性は第一の透明導電膜の電気抵抗の高さに起因していることが明らかになった。すなわち、高電気導電性基板(たとえばSUS)や、高導電層(たとえばAg膜)付き基板であれば、基板の面方向で電圧低下が起こらないため、基板表面電位が一様であるのに対し、透光性基板に第一の透明導電層を積層した透明導電層付き透光性基板では、電源接続部からの距離が遠いほど基板表面電位が下がる。その結果、膜が不均一に形成される。
本発明はかかる事情に鑑み、第二の透明導電層を均一に形成した、透明導電層付き透光性基板を提供すること、および、かかる透明導電層付き透光性基板を生産する方法を提供することを目的とする。また、本発明は上記課題を解決する透明導電層付き透光性基板に新たに生じる、受光面の有効受光面積が狭くなってしまうという問題を解決するために、集積型薄膜光電変換装置のより適切な集積構造を提供する。
発明者は電解析出時において、基板表面電位を一様にすることができれば、光散乱効果に優れた凹凸形状を均一に形成できるのではないかと考え本発明に至った。
すなわち、本発明の第1は、透光性基板上に透明導電層を備える透明導電層付き透光性基板であって、
当該透明導電層は透光性基板側から第一の透明導電層と第二の透明導電層とが順次積層されてなり、
前記第二の透明導電層は酸化亜鉛を主成分とし電解析出法により形成されてなり、
前記透光性基板と前記第一の透明導電層との界面の一部には、第二の透明導電層を電解析出方法により形成する事に用いられる電解析出用電極層が前記第二の透明導電層と接しないように配置されてなり、
前記電解析出用電極層は、
前記透光性基板の主表面における外周縁部の全部または一部の領域に配置されてなる外周縁部電解析出用電極層、
及び/又は、
前記透光性基板の主表面における前記領域とは異なる部分の全部ではない一部の領域に配置されてなる線状の中心部電解析出用電極層
であることを特徴とし、
透光性基板の光透過側から見た場合に電解析出用電極層が存在しない領域が有りそこを介して光が透過可能である、透明導電層付き透光性基板である。
記線状の中心部電解析出用電極層の幅は、50μm以上300μm以下であることが好ましい。
り合う二つの線状の中心部電解析出用電極層の間隔は、5mm以上20mm以下であることが好ましい。
一の透明導電層は、酸化亜鉛を主成分とすることが好ましい。
本発明は、また、線状の中心部電解析出用電極層を少なくとも備える前記透明導電層付き透光性基板の透明導電層上に、少なくとも1つの光電変換ユニットを含む半導体層と、裏面電極層とが順次積層されており、
前記透明導電層、半導体層、および裏面電極層の各々は、実質的に直線状で互いに平行な複数の透明導電層分離溝、半導体層分離溝、および裏面電極層分離溝によってそれぞれ分割されることにより複数の短冊状光電変換セルが形成されてなり、
前記半導体層分離溝はその内部が前記裏面電極層を構成する導電性材料で満たされ、これを介して前記裏面電極層と前記透明導電層とが互いに電気的に直列接続されることによって複数の光電変換セルが電気的に直列接続されてなる集積型薄膜光電変換装置であって、
直列接続方向において一の透明導電層分離溝と一の半導体層分離溝と一の裏面電極層分離溝がこの順に順次隣り合う部分であって、透光性基板の光透過側から見て、透明導電層分離溝から裏面電極層分離溝までをそれぞれの溝を含んで囲むように視認される略長方形の領域をセル隣接境界領域とする場合において、
透光性基板の光透過側から見て少なくとも前記セル隣接境界領域の一部と重なるように、一の線状の中心部電解析出用電極層が形成されてなることを特徴とする、集積型薄膜光電変換装置である。
中心部電解析出用電極層は、例えば、実質的に直線状の互いに平行な二以上の線状である。
本発明は、また、透光性基板上に透明導電層を備える透明導電層付き透光性基板の製造方法に関し、
透光性基板の主表面に電解析出用電極層を形成する工程と、
前記電解析出用電極層を覆うように前記透光性基板の主表面上に第一の透明導電層を形成する工程と、
前記第一の透明導電層上に、酸化亜鉛を主成分とする第二の透明導電層を電解析出法により形成する工程と、を少なくとも含み、
前記電解析出用電極層は、
前記透光性基板の主表面における外周縁部の全部または一部の領域に配置されてなる外周縁部電解析出用電極層、
及び/又は、
前記透光性基板の主表面における外周縁部とは異なる部分の全部ではない一部の領域に配置されてなる線状の中心部電解析出用電極層
である、透明導電層付き透光性基板の製造方法である。
本発明にかかる透明導電層付き透光性基板は透光性でかつ、凹凸膜が均一に形成されており、本基板を用いれば光閉じ込め効果に優れた薄膜光電変換装置を作製することができる。さらに、本発明にかかる集積型薄膜光電変換装置では、光閉じ込め効果に優れた均一な凹凸膜を利用できる上、受光面の有効受光面積を低減させないと言う効果が得られる。これらの、均一凹凸膜形成効果と有効受光面積保持効果とが相俟って、光電変換素子の特性向上が図られる。
透明導電層付き透光性基板の概略構造断面図である。 透明導電層電解析出用電極層が形成される領域の一例を示す概略構造外観図である。なおXで示した断面図が図1の概略構造断面図に相当する。 本発明の一実施形態の集積型薄膜光電変換装置の概略構造断面図である。 実施例1にかかる透明導電層付き透光性基板の電源接続部材から10mm離れた位置における第二の透明導電層表面のSEM写真である。 実施例1にかかる透明導電層付き透光性基板の電源接続部材から25mm離れた位置における第二の透明導電層表面のSEM写真である。 比較例1にかかる透明導電層付き透光性基板の電源接続部材から10mm離れた位置における第二の透明導電層表面のSEM写真である。 比較例1にかかる透明導電層付き透光性基板の電源接続部材から15mm離れた位置における第二の透明導電層表面のSEM写真である。 比較例1にかかる透明導電層付き透光性基板の電源接続部材から20mm離れた位置における第二の透明導電層表面のSEM写真である。 比較例1にかかる透明導電層付き透光性基板の電源接続部材から25mm離れた位置における第二の透明導電層表面のSEM写真である。
図1の概略構造断面図および図2の概略構造外観図を参照して本発明の実施形態にかかる透明導電層付き透光性基板が説明される。透光性基板1としては、ガラス、透明高分子フィルム等が用いられる。透光性基板1の二つの面のうち、第一の透明導電層3が形成される側の面(以下主表面と呼ぶ)に凹凸が設けられていても良い。このような凹凸は光散乱特性を増大させ、光電流を増大させるからである。凹凸形成の方法として、ケミカルエッチング、ブラスト研磨法、ナノインプリント法等を用いることができる。また下地層として微粒子膜を透光性基板1の主表面上に形成し、微細な凹凸形状を形成させることも可能である。たとえば凹凸形成用微粒子およびバインダー形成材料を含んだ溶液(塗布液)を透光性基板1の主表面上に塗布することにより作製できる。具体的にはバインダー形成材料として、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物およびタンタル酸化物などの金属酸化物が挙げられる。また凹凸形成用微粒子としてシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、またはフッ化マグネシウム等が用いられうる。透光性基板1の主表面に塗布液を塗布する方法としてデッピング法、スピンコート法、バーコード法、スプレー法、ダイコート法、ロールコート法、フローコート法等が挙げられる。また、主表面とは逆側の面には反射防止膜が形成されていても良い。透光性基板1を透過する光の量を増大させ、光電流を増大させるからである。
なお本発明においては、透光性基板の面積は、例えば、好ましくは、910mm×455mm以上、より好ましくは、0.5m2以上、さらに好ましくは、1m角(1000mm×1000mm)以上、1.2m角(1200mm×1200mm)以上、1000mm×1400mm以上、最も好ましくは1420mm×1100mm以上の面積であっても、良い。透光性基板の厚さは、3mm、3.2mm、5mmなど、工業的に利用可能な厚さであることが好ましい。ガラス板としては、大面積な板が安価に入手可能で、透明性が高く、絶縁性が高い、二酸化珪素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)及び酸化カルシウム(CaO)を主成分とする両主面が平滑なフロート板ガラスを用いることができる。
透光性基板1の主表面における外周縁部の全部または一部の領域、および/または、透光性基板の主表面に形成された実質的に直線状の互いに平行な一以上の線状領域には透明導電層形成用集電電極層が設けられる。透明導電層形成用集電電極層により、電解析出法により第二の透明導電層を作製する際の、第一の透明導電層3表面の電位の不均一性が低減される。
なお、透光性基板1の主表面における外周縁部の全部または一部の領域に設けられる電解析出用電極層を外周縁部電解析出用電極層2Aと定義する。また、前記透光性基板の主表面における前記領域とは異なる部分の全部ではない一部の領域に配置されてなる線状の中心部電解析出用電極層を線状の中心部電解析出用電極層2Bと定義する。
本発明の一態様としては、図2に示されるように、透光性基板の主表面における外周縁部の全部の領域に外周縁部電解析出用電極層2Aが形成されかつ、主表面の前記領域とは異なる部分の全部ではない一部の領域に線状の中心部電解析出用電極層2Bが形成されていることが好ましい。なぜなら、第二の透明導電層4を電解析出法により作製する際に、第一の透明導電層3表面の電位ムラがより少なくなり、より均一な第二の透明導電層4を形成できるからである。
電解析出用電極層2が形成される外周縁部の領域は、幅(W1)が1mm以上で10mm以下の領域であることが望ましい。W1が1mmより小さい場合、電源接続用部材5の取り付けが困難であり、W1が10mmより大きい場合、透光性基板の透明領域が小さくなってしまうためである。
線状の中心部電解析出用電極層の線幅は50μm以上300μm以下であることが好ましい。50μmより小さい幅は形成が困難である上に線状の中心部電解析出用電極層の長手方向の抵抗が高くなるためである。また300μmより大きい幅は透光性基板の透明領域が小さくなり、光電変換装置作製上不利なためである。さらに70μm以上200μm以下の範囲にあることが生産適合性を考慮するとより好ましい。隣り合う二つの線状の中心部電解析出用電極層の間隔(W2)は5mm以上20mm以下であることが好ましく、7mm以上12mm以下であることが好ましい。W2は小さすぎると、透光性基板の透明領域が小さくなるためであり、W2が大きすぎると、電解析出を行う際、第二の透明導電層4を電解析出法により作製する際に、第一の透明導電層3表面の電位ムラが大きくなり、第二の透明導電層4の膜厚およびテクスチャ構造が不均一になるためである。複数の線状の中心部電解析出用電極層2Bが設けられている場合、それぞれの隣り合う二つの線状の中心部電解析出用電極層の間隔W2は同一であることが好ましい。なぜなら、本発明の別の実施形態にかかる集積型薄膜光電変換装置において、分離された各セルの面積が等しくなり、集積型薄膜光電変換装置の性能を最大化できるためである。
電解析出用電極層2の材質としては、Fe,Cr,Ni,Au,Ti,Pd,Ag,Al,Cu,AlSi等の金属を含む材料が用いられる。特に抵抗率の小さい、Ag,Cu,Al,Cr等の金属、またはこれらの合金を含む材料であることが好ましい。また、電解析出用電極層2は、単層であってもよいし、多層であっても良い。これらの金属からなる電解析出用電極を形成する方法としては、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、スクリーン印刷法等が挙げられる。真空蒸着法を用いる場合、所望形状をなしたマスクを透光性基板1上に密着させ、真空中で所望の金属蒸着源を電子ビームまたは抵抗加熱で蒸発させ、電解析出用電極層2を形成する。スパッタリング法を用いる場合、電解析出用電極形状をなしたマスクを透光性基板1上に密着させ、所望の金属をスパッタさせ電解析出用電極層2を形成する。印刷法で形成する場合には、Agペースト、Alペースト、あるいはカーボンペーストをスクリーン印刷機で印刷する。
外周縁部電解析出用電極層2Aは透光性基板主表面から見て、透明導電性酸化物層と、金属層とが順次積層された構造を含む多層構造であることが好ましい。透光性基板1と外周縁部電解析出用電極層2Aとの密着性が向上するからである。透明導電性酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO等が用いられる。特に密着性向上および生産コストの点から、酸化亜鉛であることが好ましい。さらに、外周縁部電解析出用電極層2Aは、透光性基板主表面から、第一の透明導電性酸化物層、金属層、第二の透明導電性酸化物層が順次積層された構造であることが好ましい。外周縁部電解析出用電極層2Aと第一の透明導電層3との密着性が向上するからである。
電解析出用電極層2の膜厚は0.05μm以上20μm以下が好ましく、0.2μm以上10μm以下がさらに好ましく、0.2μm以上5μm以下がもっとも好ましい。膜厚が薄すぎると電解析出用電極層の膜面方向の電気抵抗が無視できず、電解析出時に第一の透明導電層3表面の電位ムラが大きくなり、第二の透明導電層4の膜厚およびテクスチャ構造が不均一になるためである。また、膜厚が厚すぎると、第一の透明導電膜を形成した場合に電解析出用電極が一部露出し、電解析出時に電解析出用電極2の露出部分に第二の透明導電層4が集中的に形成されるからである。
第一の透明導電層3の材料としてはITO、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等の金属酸化物またはこれらの金属酸化物に不純物をドープした金属酸化物が挙げられる。第一の透明導電層3は単層であってもよいし、組成の異なる複数の層であっても良い。単層の場合、酸化亜鉛が主成分であることが好ましい。組成の異なる複数の層の場合、第二の透明導電層4と接触する層の主成分は酸化亜鉛であることが好ましい。酸化亜鉛層が核となり、第二の酸化亜鉛層が円滑に形成されるためである。第一の透明導電層3を形成する方法としては、低圧CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等があるが、生産適合性の観点から低圧CVD法が望ましい。
ここで「低圧CVD法」の用語は、大気圧より低い圧力の気体を用いた熱化学的気相成長法を意味する。すなわち、低圧CVD法は、減圧CVD法、ロープレッシャーCVD法(Low Pressure CVD法:略称LP−CVD法)とも呼ばれ、大気圧より低い圧力の気体を用いた熱化学的気相成長法と定義される。通常では、「CVD」の用語は「プラズマCVD」、「光CVD」などのようにエネルギー源を明示した場合を除いて「熱CVD」を意味するので、「低圧CVD法」の用語は「低圧熱CVD法」と同義である。また、低圧熱CVD法は、減圧下の有機金属CVD法(略称、MOCVD法)をも包含する。
低圧CVD法による第一の透明導電層3の製膜条件は、原料ガスとして、有機亜鉛、酸化剤、ドーピングガス、および希釈ガスを供給することが好ましい。基板温度として120〜190度が好ましく、140〜180度がさらに好ましい。なお、ここでいう基板温度とは、基板が製膜装置の加熱部と接している面の温度のことをいう。また、圧力は5〜1000Paが好ましく、5〜100Paがさらに好ましく、5〜20Paがもっとも好ましい。このような条件化で製膜を行うと結晶中のゆがみが緩和された高品質な膜が得られる。原料ガスとしてジエチル亜鉛(DEZ)、水、ドーピングガス、および希釈ガスで形成される。亜鉛の原料ガスとしてはこの他ジメチル亜鉛を用いることもできる。酸素の原料ガスとしては、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、酸化二窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、五酸化二窒素、アルコール類(R(OH))、ケトン類(R(CO)R’)、エーテル類(ROR’)、アルデヒド類(R(COH))、アミド類((RCO)x(NH3−x)、x=1,2,3)、スルホキシド類(R(SO)R’)(ただし、RおよびR’はアルキル基)を用いることもできる。希釈ガスとしては希ガス(He、Ar、Xe、Kr、Rn)、窒素、水素などを用いることができる。ドーピングガスとしてはジボラン(B26)を用いることができる。DEZと水の比は1:1から1:5、DEZに対するB26の比は0.05%以上が好ましい。DEZ、水は常温常圧で液体なので、加熱蒸発、バブリング、噴霧などの方法で気化させてから、供給する。
第一の透明導電層3の膜厚は0.4μmから5μmが好ましく、0.7 μmから3μmがさらに好ましい。膜厚が薄すぎると膜面方向の電気抵抗が大きくなり、第二の透明導電層4形成時にその膜厚ムラが大きくなってしまう。逆に厚すぎると、光吸収ロス量が大きくなり、本基板を用いて光電変換装置を作製した場合に光電変換層で吸収される光の量が減るためである。
第二の透明導電層4は酸化亜鉛を主成分とする透明導電層である。第二の透明導電層4は硝酸イオンおよび亜鉛イオンを含む水溶液を電解液とした電解析出法により作製することができる。電解析出法では硝酸イオン濃度、亜鉛イオン濃度、溶液温度、電流密度、電極間距離、添加剤の種類、添加剤の濃度を選択することにより表面凹凸状態を種々変化させることが可能である。電解析出を行う際に電源接続用部材5を第一の透明導電層3までを形成した透明導電層付き透光性基板に取り付ける。電源接続用部材5はひとつ設けられていてもよいし、複数設けられていても良い。第二の透明導電層4の膜厚は1μmから5μmが好ましく、2μmから4μmがさらに好ましい。膜厚が薄すぎると光散乱に適切な凹凸が形成されず、逆に厚すぎると透過率が低下し、光電変換装置を作製した際に光電変換電流が低下するからである。
図3は、本発明の別の実施形態の一例にかかる集積型薄膜光電変換装置を概略的に示す断面図である。図3に示す集積型薄膜光電変換装置は、透光性基板1の上に、線状の中心部電解析出用電極層2B、第一の透明導電層3、第二の透明導電層4、半導体層7、及び裏面電極層8を順次積層した構造を有している。線状の中心部電解析出用電極層2Bは紙面に対し鉛直方向に延在しており、かつ互いに平行である。半導体層7は少なくとも一つの光電変換ユニットを有する。裏面電極層8としては、Al、Ag、Au、Cu、PtおよびCrからなる群から選択される少なくとも一つの材料を、スパッタ法または蒸着法により形成した金属層とすることが好ましい。また、半導体層7との間に、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO等の導電性酸化物層を裏面電極層8の一部として形成することが好ましい。この導電性酸化物層は、半導体層7と金属層との間の密着性を高めるとともに、裏面電極層8の光反射率を高め、さらに、光電変換ユニットの化学変化を防止する機能を有する。
集積型薄膜光電変換装置には、上記薄膜を分割する透明導電層分離溝9A、半導体層分離溝9B、および、裏面電極層分離溝9Cがこの順で設けられている。(透明導電層、半導体層、および裏面電極層の各々は、実質的に直線状で互いに平行な複数の透明導電層分離溝、半導体層分離溝、裏面電極層分離溝によってそれぞれ分割されることにより複数の短冊状光電変換セルが形成されている。)透明導電層分離溝9A、半導体層分離溝9B、および、裏面電極層分離溝9Cは、互いに平行であって、紙面に対して垂直な方向に延在している。ここで、隣り合う光電変換セル間の境界は、透明導電層分離溝9A、裏面電極層分離溝9Cによって規定されており、本明細書では隣り合う光電変換セル間の境界の領域をセル隣接境界領域10と定義する。すなわち、直列接続方向において一の透明導電層分離溝と一の半導体層分離溝と一の裏面電極層分離溝がこの順に順次隣り合う部分であって、透光性基板の光透過側から見て、透明導電層分離溝から裏面電極層分離溝までをそれぞれの溝を含んで囲むように視認される略長方形の領域をセル隣接境界領域とする。前記の紙面に対し鉛直方向に延在した一の線状の中心部電解析出用電極層2Bは、透明導電層付き透光性基板に鉛直な方向から見て(すなわち、透光性基板の光透過側から見て)、セル隣接境界領域10内の透明導電層分離溝9Aと裏面電極層分離溝9Cとの間の領域に形成されている。すなわち、直列接続方向において一の透明導電層分離溝と一の半導体層分離溝と一の裏面電極層分離溝がこの順に順次隣り合う部分であって、透光性基板の光透過側から見て、透明導電層分離溝から裏面電極層分離溝までをそれぞれの溝を含んで囲むように視認される略長方形の領域をセル隣接境界領域とする場合において、透光性基板の光透過側から見て少なくとも前記セル隣接境界領域の一部と重なるように、一の線状の中心部電解析出用電極層が形成されている。
透明導電層分離溝9Aは、第一の透明導電層3および第二の透明導電層4からなる透明導電層をそれぞれの光電変換セルに対応して分離しており、透明導電層と半導体層7との界面に開口を有し且つ透光性基板1の主表面を底面としている。透明導電層分離溝9Aは、半導体層7によって埋め込まれており、隣り合う透明導電層同士を電気的に絶縁している。裏面電極層分離溝9Cは、半導体層7、及び裏面電極層8をそれぞれの光電変換セルに対応して分離しており、裏面電極層8の上面に開口を有し且つ第二の透明導電層4と半導体層7との界面を底面としている。この裏面電極層分離溝9Cは、隣り合う光電変換セル間で裏面電極層同士を電気的に絶縁している。半導体層分離溝9Bは、透明導電層分離溝9Aと裏面電極層分離溝9Cとの間に設けられている。半導体層分離溝9Bは、半導体層7を分離しており、半導体層7と裏面電極層8との界面に開口を有し且つ第二の透明導電層4と半導体層7との界面を底面としている。この半導体層分離溝9Bは、裏面電極層8を構成する導電性材料で埋め込まれて(満たされて)おり、隣り合う光電変換セルの一方の裏面電極層8と他方の透明導電層(第一の透明導電層3および第二の透明導電層4)とを電気的に接続している。すなわち、半導体層分離溝9B及びそれを埋め込む導電性材料は、透光性基板1上に並置された光電変換セル同士を直列接続する役割を担っている。セル隣接境界領域10は光電変換ユニットである半導体層7を隣あう光電変換セルに分離し、かつ、直列に接続するための領域であり、セル隣接境界領域10内で吸収された光は光電流に寄与しない。
ここで仮にセル隣接境界領域10ではない領域に線状の中心部電解析出用電極層2Bを形成した場合、入射した光が線状の中心部電解析出用電極層2Bに吸収または、反射されることにより、線状の中心部電解析出用電極層2Bよりも膜面側に、光が進入せず、光電変換ユニット(半導体層7)に進入する光の量が減少する。結果、セル隣接境界領域10だけでなく、線状の中心部電解析出用電極層2Bが形成された領域でも入射された光が有効に光電変換に使われないこととなる。一方図3に示されるように、紙面に対し鉛直方向に延在した電解析出用電極層2を、セル隣接境界領域10に形成した場合、光電変換量のロスはセル隣接境界領域10でのみ生ずることになる。
透明導電層分離溝9A、裏面電極層分離溝9C、半導体層分離溝9Bはレーザースクライブ法により、形成することができる。レーザースクライブには、パルスYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーを照射して行うことが好ましい。なぜなら、透明導電層分離溝9AのレーザースクライブにはYAGレーザーの基本波の1064nmのレーザー光を用い、半導体層分離溝9Bおよび裏面電極層分離溝9CのレーザースクライブにはYAGレーザーの第二高調波の532nmのレーザー光を用いることができ、また、レーザーの出力安定性および装置の経済性に優れるからである。
透明導電層分離溝9Aを形成する場合、第二の透明導電層4を形成した後の透明導電層付き透光性基板の透明導電層にYAGレーザーの基本波の1064nmのレーザー光を集光することにより行うことができる。レーザー光は透光性基板側から入射することもできるし、透明導電層側から入射することもできる。半導体層分離溝9Bを形成する場合、半導体層を形成した後の透明導電層付き透光性基板の半導体層にYAGレーザーの第二高調波の532nmのレーザー光を集光することにより行うことができる。半導体層分離溝9Bは、透明導電層付き透光性基板に鉛直な方向から見て(透光性基板の光透過側から見て)、線状の中心部電解析出用電極層2Bが形成された領域と全部または一部が重複した領域に形成されることが好ましい。セル隣接境界領域10の面積を小さくすることができるためである。その場合、レーザー光は半導体層側から入射させることができる。裏面電極層分離溝9Cは、半導体層7および裏面電極層を形成した後、透明導電層付き透光性基板の半導体層7に主表面の逆側の面からYAGレーザーの第二高調波の532nmのレーザー光を集光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、電極層の幅や厚みや間隔を測定する場合には、断面の実体顕微鏡による観察や、断面SEM写真の観察や、断面TEM写真の観察等を行うこと等によって、対照物のスケールと比較するなどの方策で、幅、厚み、間隔などを特定することができる。
(実施例1)
実施例1として透明導電層付き透光性基板を作製した。まず厚み1.8mm、125mm×60mmのガラス基板の中央部に50mm×50mmのマスクを設置したうえで、外周縁部電解析出用電極層2Aとして、スパッタリング法にて酸化亜鉛を90nm、Agを200nm、酸化亜鉛を90nm順次製膜した。続いてマスクを取り外した後、低圧CVD法により酸化亜鉛を主成分とする第一の透明導電層3を形成した。まず、上記の基板を製膜チャンバーに搬入し基板温度を160度に温調した。その後、水素を1000sccm、水素で5000ppmに希釈されたジボランを280sccm、水を400sccm、ジエチル亜鉛を200sccm導入した。このときのチャンバー圧は20Paとし、膜厚2μmの酸化亜鉛を主成分とする第一の透明導電層3を堆積させた。
次に、電解析出法により酸化亜鉛を主成分とする第二の透明導電層4を製膜した。対極電極として125mm×60mmの亜鉛板を用いた。第一の透明導電層3が形成された透明導電性基板と対極電極との間は8mmとした。絶縁テープを外周縁部電解析出用電極層2Aが形成されている領域に貼り付けることにより、外周縁部電解析出用電極層2Aが形成されていない50mm×50mmの領域にのみ製膜を行った。電解析出に用いられる電解液は、硝酸亜鉛濃度を0.1mol/Lとし、添加剤として、デキストリン濃度を0.15g/L、フタル酸水素カリウム濃度を40μmol/Lに調整した水溶液とした。電解析出時の水溶液温度を80度、電流密度を4mA/cm2として、膜厚3μmの酸化亜鉛膜を製膜した。その際、基板の短辺中央部に電源接続用部材を設けた。第二の透明導電層形成後、真空下で、1時間400度で加熱処理を行った。当該透明導電層付き透光性基板の電源接続用部材からSEM測定位置までの距離を、10mm、25mmと変えた場合の第二の透明導電層4表面のSEM測定を行った(図4および図5)。
(比較例1)
外周縁部電解析出用集電電極層2Aを形成する工程を行わなかったこと以外は、実施例1の工程と同一の工程で透明導電層付き透光性基板を作製した。得られた第二の透明導電層4では膜厚が不均一であり、電源接続用部材から遠い領域ほど膜厚が薄く、また光散乱性が低かった。また、当該透明導電層付き透光性基板の電源接続用部材からSEM測定位置までの距離を、10mm、15mm、20mm、25mmと変えた場合の第二の透明導電層4表面のSEM写真(図6〜図9)を比較すると、電源接続用部材からSEM測定位置までの距離が長いほど小さい結晶が析出していた。
実施例1にかかる透明導電層付き透光性基板は比較例1にかかる透明導電層付き透光性基板より、第二の透明導電層4の膜厚の不均一性は少なかった。また、実施例1に係るSEM写真(図4および図5)と比較例2に係るSEM写真(図6〜図9)とを比較すると、実施例1では結晶粒のサイズが電源接続部からの距離によらず、均一な結晶粒が形成されていることが分かる。
(実施例2)
実施例1でのスパッタリング法による外周縁部電解析出用電極層2A形成の後に、幅80μmのアルミニウムの線状の中心部電解析出用電極層2Bを10mm間隔で、マスクを用いた真空蒸着法により形成した。線状の中心部電解析出用電極層の膜厚は0.5μmとした。その後、第一の透明導電層3を形成する工程、および第二の透明導電層4を形成する工程は実施例1と同一の方法により行った。比較例1にかかる透明導電層付き透光性基板より、第二の透明導電層の膜厚の不均一性はさらに少なかった。
(実施例3)
実施例2の透明導電層付き透光性基板6に50mm×50mmの領域を10mm×50mmの5つの領域に分離した集積型薄膜光電変換装置を作製した。具体的には、実施例2の透明導電層付き透光性基板における外周縁部電解析出用電極層2Aをブラスト研磨法により、除去した。続いて線状の中心部電解析出用電極層2Bと平行となるように、透明導電層分離溝9Aを形成した。線状の中心部電解析出用電極層2Bと透明導電層分離溝9Aとの距離は50μmとした。透明導電層分離溝9Aの幅は80μmとした。続いて、半導体層7を製膜した。
半導体層としては、プラズマCVD法により厚さ15nmのp型薄膜結晶シリコン層、厚さ2000nmの真性薄膜結晶シリコン層の光電変換層、および厚さ15nmのn型薄膜結晶シリコン層を順次積層することにより形成した。半導体層7形成後、半導体層分離溝9Bを、溝幅が100μmとなるように形成した。また、透明導電層付き透光性基板に鉛直な方向から見た場合における線状集電電極層が形成されている領域(幅80μm)が半導体層分離溝9Bの形成される領域にすべて含まれるように、半導体層分離溝9Bを形成した。半導体層分離溝9BはYAGレーザーの第二高調波の532nmのレーザー光を半導体層7側から集光することにより形成した。光学顕微鏡により半導体層分離溝9Bを観察したところ、半導体層7が十分除去され、半導体層7より、下層側に存在する第二の透明導電層4が露出していた。
その後、裏面電極層8として、酸化亜鉛を90nm、Agを200nmの膜厚で、スパッタリング法で形成した。最後に裏面電極分離溝9Cを線状の中心部電解析出用電極層2Bと平行となるように形成した。線状の中心部電解析出用電極層2Bと裏面電極分離溝9Cとの距離は100μmとした。得られた集積型薄膜光電変換装置の隣り合うセルの裏面電極間は電気的に十分絶縁されていることがテスターにより確認された。また、AM1.5の光を100mW/cm2で照射し出力特性を測定した。
(比較例2)
厚み1.8mm、125mm×125mmのガラスに、厚さ800nmのピラミッド状SnO2膜を熱CVD法にて形成した。続いて基板中央の50mm×50mmの領域以外の領域のSnO2膜をブラスト研磨法により、除去した。その後、実施例3のブラスト研磨工程より後の工程と同一の工程を経て、50mm×50mmの領域を10mm×50mmの5つの領域に分離した集積型薄膜光電変換装置を作製した。得られた集積型薄膜光電変換装置をAM1.5の光を100mW/cm2で照射し出力特性を測定した。
実施例3に係る集積型薄膜光電変換装置の電流電圧特性パラメータと比較例2に係る集積型薄膜光電変換装置の電流電圧特性パラメータとの比を求めたところ、開放電圧は0.99、短絡電流は1.06、フィルファクターは0.98、変換効率は1.03であった。短絡電流の向上により変換効率が向上することが分かる。
以上のとおり、本発明の実施例では、薄膜結晶シリコン(薄膜微結晶シリコンともいう)の光電変換ユニットの光電変換装置で説明したが、本発明は、アモルファスシリコンの光電変換ユニットをさらに含むタンデム型等の光電変換装置においても、有効であることは、言うまでも無い。
1 透光性基板
2 透明導電層電解析出用電極層(電解析出用電極層)
2A 透光性基板の主表面における外周縁部の全部または一部の領域に形成された外周縁部電解析出用電極層(外周縁部電解析出用電極層)
2B 透光性基板の主表面を複数の領域に分割する実質的に直線状の互いに平行な一以上の線状の中心部電解析出用電極層(線状中心部電解析出用電極層)
3 第一の透明導電層
4 第二の透明導電層
5 電源接続用部材
6 透明導電層付き透光性基板
7 半導体層
8 裏面電極層
9A 透明導電層分離溝
9B 半導体層分離溝
9C 裏面電極層分離溝
10 セル隣接境界領域
W1 外周縁部電解析出用電極層が形成されている領域の幅
W2 隣り合う二つの線状の中心部電解析出用電極層の間隔

Claims (8)

  1. 透光性基板上に透明導電層を備える透明導電層付き透光性基板であって、
    前記透明導電層は、前記透光性基板側から、第一の透明導電層と第二の透明導電層とが順次積層されてなり、
    前記第二の透明導電層は酸化亜鉛を主成分とし電解析出法により形成されてなり、
    前記透光性基板と前記第一の透明導電層との界面の一部には、前記第二の透明導電層を電解析出方法により形成する事に用いられる電解析出用電極層が前記第二の透明導電層と接しないように配置されてなり、
    前記電解析出用電極層は、
    前記透光性基板の主表面における外周縁部の全部または一部の領域に配置されてなる外周縁部電解析出用電極層、
    及び/又は、
    前記透光性基板の主表面における前記外周縁部とは異なる部分の全部ではない一部の領域に配置されてなる線状の中心部電解析出用電極層
    であり、
    前記透光性基板の光透過側から見た場合に、電解析出用電極層が存在しない領域が有り、そこを介して光が透過可能である、透明導電層付き透光性基板。
  2. 前記第一の透明導電層が酸化亜鉛を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電層付き透光性基板。
  3. 前記電解析出用電極層は、前記中心部電解析出用電極層を備え、
    前記中心部電解析出用電極層は、実質的に直線状の互いに平行な二以上の線状である、請求項1または2に記載の透明電極層付き透光性基板。
  4. 前記線状の中心部電解析出用電極層の幅が50μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項に記載の透明導電層付き透光性基板。
  5. 隣り合う二つの線状の中心部電解析出用電極層の間隔が5mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項またはに記載の透明導電層付き透光性基板。
  6. 透光性基板上に透明導電層を備える透明導電層付き透光性基板の製造方法であって、
    透光性基板の主表面に電解析出用電極層を形成する工程と、
    前記電解析出用電極層を覆うように前記透光性基板の主表面上に第一の透明導電層を形成する工程と、
    前記第一の透明導電層上に、酸化亜鉛を主成分とする第二の透明導電層を電解析出法により形成する工程と、を少なくとも含み、
    前記電解析出用電極層は、
    前記透光性基板の主表面における外周縁部の全部または一部の領域に配置されてなる外周縁部電解析出用電極層、
    及び/又は、
    前記透光性基板の主表面における外周縁部とは異なる部分の全部ではない一部の領域に配置されてなる線状の中心部電解析出用電極層
    である、透明導電層付き透光性基板の製造方法。
  7. 前記第一の透明導電層として、酸化亜鉛を主成分とする層が低圧CVD法により形成される、請求項6に記載の透明導電層付き透光性基板の製造方法。
  8. 求項3〜5のいずれか1項に記載の透明導電層付き透光性基板の透明導電層上に、少なくとも1つの光電変換ユニットを含む半導体層と、裏面電極層とが順次積層されており、
    前記透明導電層、半導体層、および裏面電極層の各々は、実質的に直線状で互いに平行な複数の透明導電層分離溝、半導体層分離溝、および裏面電極層分離溝によってそれぞれ分割されることにより複数の短冊状光電変換セルが形成されてなり、
    前記半導体層分離溝はその内部が前記裏面電極層を構成する導電性材料で満たされ、これを介して前記裏面電極層と前記透明導電層とが互いに電気的に直列接続されることによって複数の光電変換セルが電気的に直列接続されてなる集積型薄膜光電変換装置であって、
    直列接続方向において一の透明導電層分離溝と一の半導体層分離溝と一の裏面電極層分離溝が、この順に順次隣り合う部分であって、透光性基板の光透過側から見て、透明導電層分離溝から裏面電極層分離溝までをそれぞれの溝を含んで囲むように視認される略長方形の領域をセル隣接境界領域とする場合において、
    透光性基板の光透過側から見て、少なくとも前記セル隣接境界領域の一部と重なるように、一の線状の中心部電解析出用電極層が形成されてなることを特徴とする、集積型薄膜光電変換装置。
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