JP5405923B2 - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、膜厚方向に屈折率又は仕事関数が異なる透明電極膜を有する光電変換素子及びその製造方法に関する。
透明導電膜は、太陽電池の光電変換素子の窓電極、電磁シールドの電磁遮蔽膜、透明タッチパネル等の入力装置の電極、液晶表示体、EL(エレクトロルミネセンス)発光体、EC(エレクトロクロミック)表示体等の透明電極等に幅広く用いられている。
特に、太陽電池用途で用いられる透明電極は、例えば、外光入射側から、透明基板(ガラス等)/透明電極/半導体の構成であるとき、透明電極の外光入射側の面では、透明電極と透明基板(ガラス等)との屈折率差を低減し、外光反射を低減するために、低屈折率であることが、透明電極と半導体との界面では、半導体層との屈折率差を低減し、半導体との界面での界面反射を低減するために、高屈折率であることが理想とされていた。
また、太陽電池用途で用いられる透明電極は、半導体層で発生した電子又はホール移動の際のエネルギー障壁が低い(例えば、電子の移動に関して、p型半導体層/n型半導体層/透明電極/集電極の構成では、n型半導体層と透明電極の界面、及び透明電極と集電極の界面では、仕事関数の差が小さい)ことが理想とされていた。
一方、従来の透明電極材料は、ITO、AZO、ATOに代表されるように、結晶化することで透明電極に要求される低抵抗化が図られている。屈折率又は仕事関数は結晶構造によって、一義的に決定されるため、膜厚方向に結晶性を変えて屈折率又は仕事関数の傾斜を持たせることは困難であった。
これに対し、外光反射低減の目的で、反射防止層を積層する(例えば、特許文献1,2)、光学膜厚を用いる等の対策が実施されてきた。
しかしながら、反射防止層を積層する手法は、プロセスアップを招き、光学膜厚を用いる設計は、膜厚の制約を受け、抵抗値と透過率の両立が十分でなかった。
また、界面反射低減のためには、半導体層界面に高屈折率層を積層する方法があるが、やはり、プロセスアップを招く等の問題があった。
更に、エネルギー障壁低減の目的で、透明電極と半導体層の間に中間層を設ける方法や、膜厚を増加させ、エネルギー障壁の傾斜を緩やかにする方法等の対策が実施されてきた。
しかしながら、中間層を設ける手法は、プロセスアップを招き、膜厚を増加させる手法は、透過率の低下を招く等の問題があった。
尚、特許文献1には、透明電極層と光吸収層の界面の電子親和力を調整して変換効率を高めることが、特許文献2には、高導電率電極層と光吸収層5の界面の仕事関数を調整して変換効率を高めることが記載されている。
特開2004−214300号公報 特開2005−109360号公報
本発明の目的は、変換効率の高い光電変換素子及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の光電変換素子及びその製造方法が提供される。
1.外光入射側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層を有し、
前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の屈折率が小さくなるように変化している光電変換素子。
2.前記第1の面から前記第2の面の間で、屈折率が連続して変化する1記載の光電変換素子。
3.前記第1の面と前記第2の面の屈折率の差が0.2以上である1又は2記載の光電変換素子。
4.対向する第1の面と第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層と、前記インジウム亜鉛酸化物層の第1の面と接する隣接層を有し、
インジウム亜鉛酸化物層と前記隣接層の仕事関数の差が小さくなるように、前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の仕事関数が変化している光電変換素子。
5.前記第1の面から前記第2の面の間で、仕事関数が連続して変化する4記載の光電変換素子。
6.前記第1の面が外光入射側にある4又は5記載の光電変換素子。
7.前記第1の面と前記第2の面の仕事関数の差が0.2eV以上である4〜6のいずれか記載の光電変換素子。
8.少なくとも1層のa−Si層を含む1〜7のいずれか記載の光電変換素子。
9.タンデム構造である1〜8のいずれか記載の光電変換素子。
10.単結晶又は多結晶Si基板を含む1〜9のいずれか記載の光電変換素子。
11.製膜温度を室温から昇温することによって、屈折率が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、1〜3のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
12.製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、屈折率が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、1〜3のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
13.製膜温度を室温から昇温することによって、仕事関数が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、4〜7のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
14.製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、仕事関数が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、4〜7のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、変換効率の高い光電変換素子及びその製造方法が提供できる。
本発明の光電変換素子の一実施形態であるタンデム型太陽電池を示す図である。 本発明の光電変換素子の他の実施形態であるタンデム型太陽電池を示す図である。
本発明の第1の態様の光電変換素子は、外光入射側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層を有し、第2の面から第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の屈折率が小さくなるように変化している。具体的には、外光入射側の第1の面と、第1の面と対向する第2の面の屈折率が異なり、第1の面の屈折率が第2の面の屈折率より小さいインジウム亜鉛酸化物層を有する。
ここで、「面の屈折率」とはその面を形成する材料の屈折率である。また、その面側領域の材料の屈折率でもよく、例えば、界面から10nmまでの領域又は界面から10nmまでの領域の材料の平均の屈折率である。
屈折率は、第1の面から第2の面の間で、断続的に変化してもよいし、連続して変化してもよい。なお、屈折率は短波長領域では大きく変化するため、ここで記載する屈折率は太陽光強度が高く、屈折率が安定化する波長550nmでの値を示す。
好ましくは、第1の面と第2の面の屈折率の差は0.2以上である。例えば、約1.5〜2.5、1.7〜2.1と変化する。
好ましくは、第1の面の屈折率は1.9以下である。
この光電変換素子は、外光入射側の第1の面の屈折率が相対的に小さいので、外光の反射を低減でき、変換効率が高まる。
また、a−Si層に代表される半導体層の屈折率は3.5以上と大きいため、第2の面の屈折率は半導体層と透明電極層の界面反射低減のため、大きい方が好ましい。好ましくは、2.0以上である。この光電変換素子は、半導体層との屈折率差が小さいため、半導体層と透明電極層との間の界面反射を低減でき、変換効率が向上する。
図1に、本発明の光電変換素子の一実施形態であるタンデム型太陽電池を示す。この太陽電池1は、基板10上に、透明電極層20、光吸収層30、中間層40、光吸収層32、背面電極層50が設けられている。さらに、透明電極層20及び背面電極層50にそれぞれ集電極60,62が設けられている。矢印が入射する外光を示す。透明電極層20がインジウム亜鉛酸化物層であり、対向する2つの面200,202を有している。第1の態様では、外光入射側の面200(第1の面)の屈折率は、面202(第2の面)の屈折率より低い。即ち、外光入射側の面200の屈折率が小さくなるように、透明電極層20の屈折率が膜厚方向に変化している。
尚、中間層40が、屈折率が異なるインジウム亜鉛酸化物層でもよい。中間層40の2つの面400,402の内、面400が外光入射側の面となる。
図2に、本発明の光電変換素子の他の実施形態であるタンデム型太陽電池を示す。この太陽電池3は、図1の太陽電池1において、基板10上の層構成を、透明電極層20から背面電極層50まで逆にしたものである。矢印で示す外光入射方向も逆である。面402又は面202が外光入射側の面となる。
本発明の第2の態様の光電変換素子は、対向する第1の面と第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層と、インジウム亜鉛酸化物層の第1の面と接する隣接層を有し、第1の面側のインジウム亜鉛酸化物層と隣接層の仕事関数の差が小さくなるように、第2の面から第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の仕事関数が変化している。具体的には、第1の面と前記隣接層の仕事関数の差が、第2の面と前記隣接層の仕事関数の差より小さい。
ここで、「面の仕事関数」とはその面を形成する材料の仕事関数である。また、その面側領域の材料の仕事関数でもよく、例えば、界面から10nmまでの領域又は界面から10nmまでの領域の材料の平均の仕事関数である。
仕事関数は、第1の面から第2の面の間で、断続的に変化してもよいし、連続して変化してもよい。例えば、約4.0〜5.5eV、4.5〜5.1eVと変化する。
好ましくは、第1の面と第2の面の仕事関数の差は0.2eV以上である。好ましくは、第1の面と隣接層の仕事関数の差は0.2eV以下である。
この光電変換素子は、第1の面と隣接層の仕事関数の差が小さいので、半導体層で発生した電子又はホール移動の際のエネルギー障壁が低く、変換効率が高まる。
図2に示す光電変換素子において、第2の態様では、面202が第1の面であっても、面200が第1の面であってもよい。面202が第1の面のとき、集電極60が隣接層になるため、面202と集電極60の仕事関数の差が、面200と集電極60の仕事関数の差より小さい。即ち、面202と集電極60の仕事関数の差が小さくなるように、透明電極20の仕事関数が膜厚方向に変化する。
図1に示す光電変換素子において、面200が第1の面のとき、集電極60が隣接層になり、面200と集電極60の仕事関数の差が、面202と集電極60の仕事関数の差より小さい。
尚、第1の態様と同様に、中間層40が、仕事関数が異なるインジウム亜鉛酸化物層でもよい。
インジウム亜鉛酸化物層は、透明電極又はタンデム構造の中間電極として使用できる。本発明の光電変換素子は単結晶又は多結晶Si基板を含むことができ、太陽電池として好適に使用できる。
太陽電池のセル構造は一対の電極間に1以上の光吸収層を有する構造であれば特に限定されない。好ましくは2以上の光吸収層を有する。素子構成の例を以下に示す。屈折率又は仕事関数が異なる少なくとも1つのインジウム亜鉛酸化物層を有する。
(1)裏面光入射型素子構成
[a−Si/a−Si系]
・外光入射側→硝子/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/中間層/a−SiGe(p,i,n)/Ag
・外光入射側→硝子/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/中間層/a−SiGe(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/Ag
・外光入射側→硝子/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/a−SiGe(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/Ag
[a−Si/μc−Si系]
・外光入射側→硝子/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/中間層/μC−Si(p,i,n)/Ag
・外光入射側→硝子/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/中間層/μC−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/Ag
・外光入射側→硝子/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/μC−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/Ag
(2)表面光入射型素子構成
[a−Si/a−Si系]
・硝子/Mo/a−SiGe(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層←外光入射側
・硝子/Mo/インジウム亜鉛酸化物層/a−SiGe(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層←外光入射側
・硝子/Mo/インジウム亜鉛酸化物層/a−SiGe(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層←外光入射側
[a−Si/μc−Si系]
・硝子/Mo/μC−Si(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層←外光入射側
・硝子/Mo/インジウム亜鉛酸化物層/μC−Si(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層←外光入射側
・硝子/Mo/インジウム亜鉛酸化物層/μC−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物層←外光入射側
(3)ハイブリット結晶Si系
・インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p,i)/C−Si(n)/a−Si(i,n+)/インジウム亜鉛酸化物層
・インジウム亜鉛酸化物層/a−Si(p+,i)/C−Si(p)/a−Si(i,n)/インジウム亜鉛酸化物層
上記の屈折率又は仕事関数が異なるインジウム亜鉛酸化物層は、製膜温度を室温から昇温することによって、又は製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、形成できる。
例えば、インジウム亜鉛酸化物からなるターゲットを用いてスパッタリングする。ターゲットとして、好ましくは、In:ZnO=80〜95:5〜20wt%の組成のものを使用できる。
温度を昇温して製膜するときの条件を以下に示すが、これらに限定されること無く適宜変更することができる。
・全圧 :0.1〜1.0Pa
・酸素分圧:0.001〜0.2Pa
・製膜温度:室温(20℃)〜200℃
・膜厚 :100〜300nm(太陽電池用膜厚)
・製膜速度:2nm〜10nm/sec(膜厚に合せて設定)
・昇温速度:1.2〜18℃/min(製膜時間に合せて設定)
酸素濃度を変えて製膜するときの条件を以下に示すが、これらに限定されること無く適宜変更することができる。
・全圧 :0.1〜1.0Pa
・酸素分圧:0.001〜0.2Pa
・製膜温度:室温(20℃)〜200℃
・膜厚 :100〜300nm(太陽電池用膜厚)
・製膜速度:2nm〜10nm/sec(膜厚に合せて設定)
・酸素導入:0.033〜2%/sec(製膜時間に合せて設定)
本発明の光電変換素子は、プロセスアップを招く積層構成ではなく、単層構成で、インジウム亜鉛酸化物層の外光入射側面の屈折率を低くできる。外光入射側面の屈折率を低くするために、光学膜厚設計の制約がない。
また、本発明の光電変換素子は、プロセスアップを招く積層構成ではなく、単層構成で、インジウム亜鉛酸化物層と隣接層の仕事関数の差を小さくできる。インジウム亜鉛酸化物層の膜厚増加を伴わないので、透過率の低下がない。
[屈折率及び仕事関数の温度依存性]
<試験例1>
In中にZnOを10wt%含むターゲットを用い、マグネトロンスパッタ装置を用いて、ガラス上に、300nmの膜厚のインジウム亜鉛酸化物膜を、製膜速度10nm、基板温度室温、酸素0%、製膜圧力0.5Paの条件で製膜した。
得られたインジウム亜鉛酸化物膜の屈折率を、分光エリプソメトリー測定装置(有限会社テクノ・シナジー社製)により測定したところ、屈折率は2.1(550nm)であった。
また、得られたインジウム亜鉛酸化物膜の仕事関数を、大気中光電子分光装置(理研計器株式会社製:AC−2)により測定したところ、仕事関数は4.5eVであった。
<試験例2>
基板温度を50℃とした他は試験例1と同じようにしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、屈折率と仕事関数を測定した。屈折率は1.9(550nm)、仕事関数は4.5eVであった。
<試験例3>
基板温度を100℃とした他は試験例1と同じようにしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、屈折率と仕事関数を測定した。屈折率は1.9(550nm)、仕事関数は4.7eVであった。
<試験例4>
基板温度を200℃とした他は試験例1と同じようにしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、屈折率と仕事関数を測定した。屈折率は1.7(550nm)、仕事関数は4.9eVであった。
[屈折率及び仕事関数の酸素分圧依存性]
<試験例5>
酸素濃度を1%(酸素分圧:0.005Pa)とした他は試験例1と同じようにしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、屈折率と仕事関数を測定した。屈折率は2.1(550nm)、仕事関数は4.7eVであった。
<試験例6>
酸素濃度を5%(酸素分圧0.025Pa)とした他は試験例1と同じようにしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、屈折率と仕事関数を測定した。屈折率は1.9(550nm)、仕事関数は4.8eVであった。
<試験例7>
酸素濃度を20%(酸素分圧0.1Pa)とした他は試験例1と同じようにしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、屈折率と仕事関数を測定した。屈折率は1.7(550nm)、仕事関数は5.1eVであった。
[製膜温度を変えた太陽電池素子の作製]
<実施例1>
In中にZnOを10wt%含むターゲットを用い、基板温度昇温機構の付帯したマグネトロンスパッタ装置を用いて、太陽電池素子基板「硝子/Mo/a−SiGe(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)」に、300nmの膜厚のインジウム亜鉛酸化物膜を、製膜速度10nm/sec、酸素0%、製膜圧力0.5Paの条件下で、基板温度を室温(20℃)から昇温速度6℃/secで200℃まで昇温し、製膜した。
太陽電池素子基板上に製膜したインジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、試験例1〜4の結果より、屈折率が2.1(第2の面)から1.7(外光入射側第1の面)まで傾斜していることが想定される。
また、インジウム亜鉛酸化物膜の仕事関数は、試験例1〜4の結果より、仕事関数が4.5から4.9まで傾斜していることが想定される。
インジウム亜鉛酸化物膜上に、取り出し電極をAuペーストで印刷し、素子性能を評価したところ、変換効率は18%であった。
なお、一般的に、a−Si層の仕事関数は4.0eV、Auの仕事関数は5.1eVであることが知られている。
変換効率は以下のようにして求めた。
作製した太陽電池をAM1.5条件下(入射強度(Pin)100mW/cm)でI−V特性を測定した。得られた開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF値)から、太陽電池の光電変換効率(η)を下記式によって導出した。
Figure 0005405923
<実施例2>
基板温度を室温(20℃)から昇温速度1℃/secで50℃まで昇温して製膜した他は実施例1と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は15%であった。
試験例1,2の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、2.1(第2の面)から1.9(外光入射側第1の面)まで傾斜し、仕事関数は4.5のままであることが想定される。
<比較例1>
基板温度を室温のままで製膜した他は実施例1と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は12%であった。
試験例1の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は2.1のまま、仕事関数は4.5のままであることが想定される。
[酸素濃度を変えた太陽電池素子の作製]
<実施例3>
In中にZnOを10wt%含むターゲットを用い、バルブ自動調整機構の付帯したマグネトロンスパッタ装置を用いて、太陽電池素子基板「硝子/Mo/a−SiGe(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)」に、300nmの膜厚のインジウム亜鉛酸化物膜を、製膜温度室温、製膜速度10nm、製膜圧力0.5Paの条件下で、Ar100%から、酸素をガス流量100sccmに対し、0.033sccm,0.067sccm,0.1sccmと1秒毎に0.033sccmづつ1sccmまで増加させながら、製膜した。
太陽電池素子基板上に製膜したインジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、試験例1,5の結果より、屈折率が2.1のままであることが想定される。
また、インジウム亜鉛酸化物膜の仕事関数は、試験例1,5の結果より、仕事関数が4.5から4.7まで傾斜していることが想定される。
インジウム亜鉛酸化物膜上に、取り出し電極をAuペーストで印刷し、素子性能を評価したところ、変換効率は14%であった。
なお、一般的に、a−Si層の仕事関数は4.0eV、Auの仕事関数は5.1eVであることが知られている。
<実施例4>
Ar100%から、酸素をガス流量100sccmに対し、0.67sccm,1.34sccm,2sccmと1秒毎に0.67sccmづつ20sccmまで増加させながら製膜した他は実施例3と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は18%であった。
試験例1,5〜7の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は2.1(第2の面)から1.7(外光入射側第1の面)まで傾斜し、仕事関数が4.5から5.1まで傾斜していることが想定される。
<比較例2>
酸素濃度を20%(酸素分圧0.1Pa)のままで製膜した他は実施例3と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は12%であった。
試験例7の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は1.7のまま、仕事関数は5.1のままであることが想定される。
<実施例5>
太陽電池素子基板「硝子/Mo/a−SiGe(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物膜/a−Si(p,i,n)」を用いた他は実施例1と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は20%であった。
試験例1〜4の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、2.1(第2の面)から1.7(外光入射側第1の面)まで傾斜し、仕事関数は4.5から4.9まで傾斜していることが想定される。
<実施例6>
太陽電池素子基板「硝子/Mo/a−SiGe(p,i,n)/インジウム亜鉛酸化物膜/a−Si(p,i,n)」を用いた他は実施例4と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は20%であった。
試験例1,5〜7の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、2.1(第2の面)から1.7(外光入射側第1の面)まで傾斜し、仕事関数は4.5から5.1まで傾斜していることが想定される。
<実施例7>
太陽電池素子基板「硝子/Mo/μc−Si(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)」を用いた他は実施例1と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は18%であった。
試験例1〜4の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、2.1(第2の面)から1.7(外光入射側第1の面)まで傾斜し、仕事関数は4.5から4.9まで傾斜していることが想定される。
<実施例8>
太陽電池素子基板「硝子/Mo/μc−Si(p,i,n)/中間層/a−Si(p,i,n)」を用いた他は実施例4と同様にしてインジウム亜鉛酸化物膜を製膜し、太陽電池素子を作製し、評価した。変換効率は18%であった。
試験例1,5〜7の結果より、インジウム亜鉛酸化物膜の屈折率は、2.1(第2の面)から1.7(外光入射側第1の面)まで傾斜し、仕事関数は4.5から5.1まで傾斜していることが想定される。
上記の屈折率又は仕事関数が膜厚方向に異なるインジウム亜鉛酸化物層を有する素子は、インジウム亜鉛酸化物層を電極又はタンデムの中間層として用いる、太陽電池(a−Si、a−SiとμC−Siのタンデム、a−SiとC−Siの積層、結晶シリコン系、非シリコン系、有機系)、有機EL素子等として使用できる。
1,3 太陽電池
10 基板
20 透明電極層
30,32 光吸収層
40 中間層
50 背面電極層
60,62 集電極
200,202,400,402 面

Claims (19)

  1. 外光入射側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層を有し、
    前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の屈折率が小さくなるように変化している光電変換素子であって、
    前記インジウム亜鉛酸化物層においてインジウムと亜鉛の比が一定である光電変換素子
  2. 外光入射側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層を有し、
    前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の屈折率が小さくなるように変化している光電変換素子であって、
    前記インジウム亜鉛酸化物層がIn :ZnO=80〜95:5〜20wt%の組成の単一のターゲットをスパッタリングして形成されたものである光電変換素子
  3. 外光入射側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層を有し、
    前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の屈折率が小さくなるように変化している光電変換素子であって、
    前記インジウム亜鉛酸化物層が、製膜温度を室温から昇温することによって、屈折率を傾斜させたものである光電変換素子
  4. 外光入射側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層を有し、
    前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の屈折率が小さくなるように変化している光電変換素子であって、
    前記インジウム亜鉛酸化物層が、製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、屈折率を傾斜させたものである光電変換素子
  5. 前記第1の面から前記第2の面の間で、屈折率が連続して変化する請求項1〜4のいずれか記載の光電変換素子。
  6. 前記第1の面と前記第2の面の屈折率の差が0.2以上である請求項1〜5のいずれか記載の光電変換素子。
  7. 対向する第1の面と第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層と、前記インジウム亜鉛酸化物層の第1の面と接する隣接層を有し、
    インジウム亜鉛酸化物層と前記隣接層の仕事関数の差が小さくなるように、前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の仕事関数が変化している光電変換素子。
  8. 対向する第1の面と第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層と、前記インジウム亜鉛酸化物層の第1の面と接する隣接層を有し、
    インジウム亜鉛酸化物層と前記隣接層の仕事関数の差が小さくなるように、前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の仕事関数が変化している光電変換素子であって、
    前記インジウム亜鉛酸化物層が、製膜温度を室温から昇温することによって、屈折率を傾斜させたものである光電変換素子
  9. 対向する第1の面と第2の面を有するインジウム亜鉛酸化物層と、前記インジウム亜鉛酸化物層の第1の面と接する隣接層を有し、
    インジウム亜鉛酸化物層と前記隣接層の仕事関数の差が小さくなるように、前記第2の面から前記第1の面へ、インジウム亜鉛酸化物層の仕事関数が変化している光電変換素子であって、
    前記インジウム亜鉛酸化物層が、製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、屈折率を傾斜させたものである光電変換素子
  10. 前記第1の面から前記第2の面の間で、仕事関数が連続して変化する請求項7〜9のいずれか記載の光電変換素子。
  11. 前記第1の面が外光入射側にある請求項7〜10のいずれか記載の光電変換素子。
  12. 前記第1の面と前記第2の面の仕事の差が0.2eV以上である請求項7〜11のいずれか記載の光電変換素子。
  13. 少なくとも1層のa−Si層を含む請求項1〜12のいずれか記載の光電変換素子。
  14. タンデム構造である請求項1〜13のいずれか記載の光電変換素子。
  15. 単結晶又は多結晶Si基板を含む請求項1〜14のいずれか記載の光電変換素子。
  16. 製膜温度を室温から昇温することによって、屈折率が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、請求項1、2、5及び6のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
  17. 製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、屈折率が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、請求項1、2、5及び6のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
  18. 製膜温度を室温から昇温することによって、仕事関数が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、請求項7及び10〜12のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
  19. 製膜中に徐々に酸素導入量を増やし酸素分圧を上げていくことによって、仕事関数が傾斜したインジウム亜鉛酸化物膜を形成する、請求項7及び10〜12のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
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