JP5588114B2 - セリウム系研摩材の製造方法及び処理方法 - Google Patents

セリウム系研摩材の製造方法及び処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、セリウム系研摩材の製造方法及び処理方法に関し、特に、使用済みのセリウム系研摩材を再利用するための製造及び処理技術に関する。
セリウム系研摩材は、ケイ素(以下、場合によりSiと記載する)成分をSi換算で0.5質量%以上と比較的多く含んでいる場合がある。セリウム系研摩材は、粗大粒子を多く含んでいると研摩時に傷が多く発生する傾向があるが、このケイ素成分が多く含まれていても、研摩時に傷が多く発生する傾向が認められている。ところが、ケイ素成分含有量が0.2質量%以下、さらには0.1質量%以下と少なく、粗大粒子の含有量が少ないセリウム系研摩材であっても、研摩に使用すると傷が発生する場合がある。
ところで、セリウム系研摩材を利用する分野においては、資源の有効利用という観点から、使用済みセリウム系研摩材を再利用するためのリサイクル技術が提唱されている。具体的には、使用済みセリウム系研摩材をフッ化水素酸で処理する方法が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。しかし、これら先行技術により製造されたセリウム系研摩材は、ケイ素成分の含有量が、ある程度は低減されているものの、研摩に使用すると傷が多く発生する傾向があることが指摘されている。
特許第3560121号公報 特開2007−276055号公報
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、研摩傷の発生が少ないセリウム系研摩材を簡易に製造する方法、そして、セリウム系研摩材及び使用済みセリウム系研摩材を処理することにより、研摩傷の発生が少ないセリウム系研摩材を得るための処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願発明者が鋭意研究したところ、セリウム系研摩材のケイ素成分が少ない場合であっても、微量の結晶性シリカが含まれていると、研摩時の傷を発生しやすい傾向があることを見出した。そして、この結晶性シリカは使用済みセリウム系研摩材には確実に含まれており、使用前のセリウム系研摩材にも含まれている場合があることも判明した。そして、この結晶性シリカは、非晶質のシリカに比べてフッ化水素酸に溶解しにくく、残留しやすいことも分かった。このような知見に基づき、本願発明者は本発明を想到するに至った。
本発明は、焙焼後のセリウム系研摩材原料とフッ化水素酸とを混合する混合処理工程を有するセリウム系研摩材の製造方法において、混合処理に供用する焙焼後のセリウム系研摩材原料が含有するSiのモル数をSi、フッ化水素酸のモル数をHFとしたとき、HF/4Siが1.0以上であり、焙焼後のセリウム系研摩材原料とフッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、(i)〜(iii)に示す処理のうち少なくとも1種を行うことを特徴とするセリウム系研摩材の製造方法に関する。
(i)焙焼後のセリウム系研摩材原料を湿式分級する湿式分級処理。(ii)焙焼後のセリウム系研摩材原料をスラリーとし、該スラリーを均一混合後、2〜20μmから選択される所定のストークス径以上の粗粒子が沈降するまで該スラリーを静置し、底に沈降した沈殿物を除去する操作を少なくとも1回行う沈降分離処理。
(iii)焙焼後のセリウム系研摩材原料をスラリーとし、該スラリーをフィルターに通過させるフィルタリング処理。
本発明のセリウム系研摩材の製造方法においては、焙焼後のセリウム系研摩材原料とフッ化水素酸との混合処理前に、焙焼後のセリウム系研摩材原料と、フッ化水素酸以外の鉱酸とを混合し、その後固液分離する鉱酸処理を行うことが好ましい。
また、本発明は、セリウム系研摩材とフッ化水素酸とを混合するセリウム系研摩材の処理方法において、混合処理に供用するセリウム系研摩材が含有するSiのモル数をSi、フッ化水素酸のモル数をHFとしたとき、HF/4Siが1.0以上であり、セリウム系研摩材とフッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、(iV)〜(Vi)に示す処理のうち少なくとも1種を行うことを特徴とするセリウム系研摩材の処理方法に関する。
(iV)セリウム系研摩材を湿式分級する湿式分級処理。
(V)セリウム系研摩材をスラリーとし、該スラリーを均一混合後、2〜20μmから選択される所定のストークス径以上の粗粒子が沈降するまで該スラリーを静置し、底に沈降した沈殿物を除去する操作を少なくとも1回行う沈降分離処理。
(Vi)セリウム系研摩材をスラリーとし、該スラリーをフィルターに通過させるフィルタリング処理。
本発明のセリウム系研摩材の処理方法においては、セリウム系研摩材とフッ化水素酸との混合処理前に、セリウム系研摩材と、フッ化水素酸以外の鉱酸とを混合し、その後固液分離する鉱酸処理を行うことが好ましい。
また、本発明のセリウム系研摩材の処理方法においては、混合処理に供用するセリウム系研摩材が使用済みセリウム系研摩材であり、該使用済みセリウム系研摩材が含有するケイ素(Si)のモル数をSi、鉄(Fe)のモル数をFe、アルミニウム(Al)のモル数をAl、フッ化水素酸のモル数をHFとしたとき、HF/(4Si+3Fe+3Al)が1.0以上である、ことが好ましい。
そして、本発明は、上記した本発明のセリウム系研摩材の処理方法に処理されたセリウム系研摩材を用いてセリウム系研摩材を製造するセリウム系研摩材の製造方法に関する。
本発明のセリウム系研摩材の処理方法に処理されたセリウム系研摩材を用いてセリウム系研摩材を製造する場合、前記処理方法を実施したセリウム系研摩材を分級処理することが好ましい。
本発明は、セリウム系研摩材が含有するケイ素(Si)は0.2質量%以下であり、セリウム系研摩材中の、ストークス径10μm以上の粒子の含有量が1000質量ppm以下であり、ストークス径5μm以上の粒子の含有量が1質量%以下であり、セリウム系研摩材中のストークス径5μm以上の粒子が含有するSiが、セリウム系研摩材中のストークス径5μm以上の粒子全量に対して15質量%以下であることを特徴とするセリウム系研摩材に関する。この本発明のセリウム系研摩材は、上記した製造方法、或いは処理方法により得ることができる。
本発明によれば、研摩傷の発生が少ないセリウム系研摩材を容易に提供することができる。また、本発明によれば、使用済みのセリウム系研摩材の再利用が有効に行えるので、資源の有効利用という観点から、本発明は極めて有効なものである。
以下、本発明における実施形態について説明する。
本発明においては、セリウム系研摩材の製造方法では、出発物質が焙焼後のセリウム系研摩材原料であり、セリウム系研摩材の処理方法では、出発物質がセリウム系研摩材或いは使用済みセリウム系研摩材であるが、本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法及び本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法については、発明の技術的特徴部分が共通している。そのため、以下の説明においては、該製造方法及び該処理方法に関して共通する事項については、まとめて説明するものとする。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法における原材料としては、焙焼後のセリウム系研摩材原料、セリウム系研摩材(特に研摩すると研摩傷が発生するもの)、使用済みセリウム系研摩材である。これらは、希土類成分としてCeを主成分とした希土類元素の酸化物又はCeを主成分とした希土類元素の酸化物と希土類元素のフッ素(F)含有化合物(LaOF、LaF、CeF、CeLa等)との混合物からなるものである。
焙焼前のセリウム系研摩材原料については、希土類元素の炭酸塩や蓚酸塩を含んでいる場合が多く、酸化物の場合でも十分に焼成されたものでないため、フッ化水素酸と混合するとフッ化水素酸は希土類元素の化合物(酸化物、蓚酸塩、酸化物等)と優先的に反応する傾向がある。つまり、フッ化水素酸が、セリウム系研摩材原料に含有されたケイ素(Si)とあまり反応しないため、セリウム系研摩材原料の場合は、焙焼後にフッ化水素酸と混合する必要がある。セリウム系研摩材原料はフッ化水素酸がケイ素(Si)と優先的に反応しやすくするという点から700℃以上で焙焼されたものであるのが好ましく、750℃以上で焙焼されたものであるのがより好ましく、800℃以上で焙焼されたものであるのがさらに好ましい。
本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法においては、特に研摩時に研摩傷の発生する傾向が強いセリウム系研摩材、或いは使用済みセリウム系研摩材に適用することが好ましい。これらのセリウム系研摩材には、研摩傷の原因となる結晶性シリカ(SiO)を含んでいることが多いためである。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法における原材料としての、焙焼後のセリウム系研摩材原料、セリウム系研摩材、使用済みセリウム系研摩材については、CeO/TREO(全酸化希土(TREO)に対する酸化セリウムの割合)が40質量%以上のものが好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%がさらに好ましい。また、99.9質量%を超える高純度のものも使用可能である。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法においては、フッ化水素酸(HF)との混合処理を行うものであるが、その混合条件としては、混合時間を10時間以上にすることが好ましい。それは、フッ化水素酸に対する結晶性シリカ(SiO)の溶解性から10時間以上混合しておくことが望ましく、30時間超がより好ましい。そして、36時間以上の混合時間がさらに好ましく、48時間以上が特に好ましい。また、製造効率、処理効率などの工業的な実現性を考慮すると、混合時間は240時間以内が好ましく、196時間以内がより好ましく、144時間以内がさらに好ましい。
混合処理時の処理温度については、特に加温しなくてもよいが、結晶性シリカとの反応性を高めるという点で、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。また、高温にしすぎるとフッ化水素酸の混合時に、フッ化水素酸が蒸発しやすくなり、フッ化水素酸を最初から多く入れるか途中で補充する必要が出てくるため経済的でない。したがって、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下がさらに好ましい。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは処理方法における混合処理に供用する焙焼後のセリウム系研摩材原料、或いはセリウム系研摩材が含有するケイ素(Si)のモル数をSi、フッ化水素酸(HF)のモル数をHFとしたとき、全シリカ(SiO)の溶解性、特に結晶性シリカの溶解性から、HF/4Siは1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましい。HF/4Si=1.0の場合は、SiO+4HF⇒SiF+2HOの理論量の場合に相当する。
また、F含有量は増えにくい傾向であるけれども、あまりに多量のフッ化水素酸で混合処理すると、混合処理後のF含有量がかなり多くなることがあるため、製造コストの観点から、HF/4Siは30以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。Si量が少ない場合はHF濃度が薄くなってしまうためHF/4Siが100程度になるようにフッ化水素を加える場合もある。
本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法においては、鉄(Fe)やアルミニウム(Al)を含有する使用済みセリウム系研摩材を使用する場合、含有する鉄(Fe)、アルミニウム(Al)のモル数をFe、Alとすると、HF/(4Si+3Fe+3Al)が1.0以上好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましい。HF/(4Si+3Fe*+3Al)=1.0は、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)が酸化物であると仮定すると、SiO+4HF⇒SiF+2HO、1/2Fe+3HF⇒FeF+3/2HO及び1/2Al+3HF⇒AlF+3/2HOの理論量の場合に相当する。FeやAlの含有が問題となるのは、通常、鉄(Fe)系やアルミニウム(Al)系の無機凝集処理を行うことが多い使用済みの研摩材の場合であるが、混合処理に供用する焙焼後のセリウム系研摩材原料や使用前のセリウム系研摩材にFe、Alが含有されている場合には、上記条件を満たすことが好ましい。
また、F含有量は増えにくい傾向ではあるけれども、あまりに多量のフッ化水素酸で混合処理すると、混合処理後のF含有量がかなり多くなる場合があるので、製造コストの観点から、HF/(4Si+3Fe+3Al)は30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。但し、FeやAlを多く含有する場合は、フッ化水素酸の混合処理前に、後述する鉱酸処理を実施して、FeやAlの含有量を低減しておくことが好ましい。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法においては、フッ化水素酸との混合処理のみでは結晶性シリカ(SiO)を十分低減することはできないので、以下に説明する(i)〜(iii)の各処理、(iV)〜(Vi)の各処理を、フッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、それぞれの各処理から選択される少なくとも1つの処理を行うものである。(i)と(iV)、(ii)と(V)、(iii)と(Vi)は共通した処理であるため、それぞれ纏めて説明する
(i)及び(iV)は湿式分級処理である。この湿式分級処理は、シリカ(SiO)、特に結晶性シリカ(SiO)を低減するために、フッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、焙焼後のセリウム系研摩材原料、セリウム系研摩材、使用済みセリウム系研摩材を湿式分級するものである。これにより、粗大なSiO粒子、特に結晶性SiO粒子を低減することができる。
湿式分級処理を行う場合、湿式分級装置としてはサイクロンが好適に使用できる(例えば、村田工業株式会社製 スーパークロンなど)。このサイクロン装置では、通常は粗粒を除去するために用いるが、3液分離型のサイクロンを使用して、粗粒と微粒を同時に除去することもできる。
フッ化水素酸との混合処理後に、湿式分級処理を実施する場合は、湿式分級処理前に、水洗処理を行ってフッ化水素酸を除去してから実施すれば、湿式分級装置の接液部分の材質がテフロン(登録商標)などの耐食性材料でなくても、湿式分級装置を使用することができるので、好ましい。
(ii)及び(V)の処理は、沈降分離処理である。この沈降分離処理は、シリカ(SiO)、特に結晶性シリカ(SiO)を低減するために、フッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、焙焼後のセリウム系研摩材原料、セリウム系研摩材、使用済みセリウム系研摩材を、スラリー化して均一混合後、2〜20μmから選択される所定のストークス径以上の粗粒子が沈降するまで該スラリーを静置し、底に沈降した沈殿物を除去する操作を少なくとも1回行うものである。沈降は、スラリーの最上部分に存在する所定のストークス径の粒子が底に沈降するために要する時間行なう。沈降時間が短いと所定のストークス径より大きな粒子が残留する可能性がある。そのため、沈降時間は若干長くしても問題ないが、あまり長いと底部沈降物に所定のストークス径よりも小さな粒子の割合が多くなり損失が多くなる。また、特に、1回目の底部沈降物には所定のストークス径よりも小さな粒子が大量に含まれる傾向になるため、1回目の底部沈降物を別途スラリー化し、同様な処理を行い所定のストークス径よりも小さい粒子を回収することもできる。この沈降沈殿処理は、少なくとも1回行うことにより、所定のストークス径よりも大きな粒子が、ほぼ100%除去されるため、複数回の処理を行う必要はない。但し、2回目の沈降沈殿処理を行う場合には、1回目のストークス径より小さくして処理を行う必要がある。
(iii)及び(Vi)の処理は、フィルタリング処理である。このフィルタリング処理は、シリカ(SiO)、特に結晶性シリカ(SiO)を低減するために、フッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、焙焼後のセリウム系研摩材原料、セリウム系研摩材、使用済みセリウム系研摩材をスラリー化して均一混合後、フィルターを通過させるものである。フィルターとしてはカートリッジフィルターが簡便で好ましい。フィルターの孔径を徐々に小さくして2段階以上のフィルタリングをすることが好ましい。フィルターの孔径は、結晶性シリカの低減の観点から50μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。また、研摩材粒子の収率という観点から0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上が更に好ましい。
上記した(i)〜(iii)の各処理、(iV)〜(Vi)の各処理を、フッ化水素酸との混合処理前に実施すれば、フッ化水素酸との混合処理に使用する高価なフッ化水素酸の使用量を低減できる。
また、(i)〜(iii)の各処理、(iV)〜(Vi)の各処理については、フッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、少なくとも1つの処理行うことができるが、(i)〜(iii)の各処理或いは(iV)〜(Vi)の各処理を組み合わせて行ってもよい。また、混合処理前と混合処理後との両方において行ってもよい。
(i)〜(iii)の各処理、或いは(iV)〜(Vi)の各処理を行う際には、処理対象となるスラリーを十分に攪拌することなどの方法により、粒子を十分に分散させた状態にして実施することが好ましい。なお、攪拌だけでは分散が不十分な場合は分散剤を添加することができる。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法においては、フッ化水素酸との混合処理前において、焙焼後のセリウム系研摩材原料、セリウム系研摩材、使用済みのセリウム系研摩材のいずれかを、フッ化水素酸以外の鉱酸と混合して、固液分離を行う鉱酸処理を行うことが好ましい。この鉱酸処理は、不純物を低減するための目的で行うものである。鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等を用いることができる。また、この鉱酸処理を行うと、非常に微粒のSiO粒子が懸濁し、上澄液の抜出し時又はろ過等による固液分離時に、微粒のSiO粒子(大部分は非晶質)が除去される(ろ過の場合は微粒のSiO粒子の多くが、ろ過漏れしてろ液側に分布する)ため、後のフッ化水素酸との混合処理に使用する、高価なフッ化水素酸の使用量を低減できる。また、使用済みセリウム研摩材の場合、凝集剤としてFe系、Al系等の凝集剤を使用して回収される場合が多く、この鉱酸処理によりFe、Al等を低減できる。Fe、Al等はフッ化水素酸とも反応するため、Fe、Al等を含有する使用済みセリウム系研摩材に対して鉱酸処理を行うと、後のフッ化水素酸との混合処理に使用する高価なフッ化水素酸の使用量を低減できる。
フッ化水素酸以外の鉱酸については、塩酸、硫酸、硝酸等を用いることができる。この鉱酸としては、窒素を含まず排水処理の負荷が小さいという点では塩酸、硫酸が好ましい。カルシウム(Ca)やバリウム(Ba)等の硫酸塩の溶解度が小さい不純物を含む場合は硫酸を使用すると除去できないため、塩酸が好ましい。CaやBa等の硫酸塩の溶解度が小さい不純物を含まない場合は塩酸、硫酸が好ましい。コスト面では硫酸が有利である。
鉱酸処理における処理温度は、希土類元素が溶解して損失するのを防止することから、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましい。特に、加熱処理を行わないことが好ましい。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法或いは本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法においては、フッ化水素酸との混合処理後に、固液分離処理、水洗処理を行うことが好ましい。後工程におけるフッ化水素酸の影響を低減することができるためである。固液分離処理は、ろ過又は上澄液の抜出しによって行なうことができる。また、この固液分離時に、同時に水洗を行ってもよい。水洗の方法としては、上澄液を抜出し、水を加えて撹拌(リパルプ)し、上澄液を抜き出すか、若しくはろ過をする方法、又はろ過を行い、ろ過装置に保持した固形分に水を通す方法等がある。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法においては、粉末のセリウム系研摩材を製造する場合、好ましくは上記した固液分離処理、水洗処理を行い、乾燥処理を行うことが好ましい。そして、この乾燥処理後、解砕、分級を行うことが好ましい。本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法においては、フッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、(i)〜(iii)の各処理から選択される少なくとも1つの処理を行うものであるが、混合処理後に、(i)〜(iii)の各処理から選択される少なくとも1つの処理を行った場合は、(i)〜(iii)の各処理の後に、好ましくは上記した固液分離処理、水洗処理を行い、乾燥処理を行う。また、(i)〜(iii)の各処理から選択される少なくとも1つの処理を先に行い、その後フッ化水素酸との混合処理を行った場合は、この混合処理後に、好ましくは上記した固液分離処理、水洗処理を行い、乾燥処理を行うことが好ましい。
この乾燥処理は、通常、100〜200℃で行えばよいが、研摩傷の発生を抑制し、研摩速度を高める方法として、200℃超〜400℃以下で乾燥を行うことも可能である。また、研摩傷の発生を抑制し、研摩速度を高める他の方法として、100〜200℃にて乾燥処理した後、解砕処理し、乾燥温度よりも50℃以上高い温度から400℃以下の温度範囲にて熱処理してもよい。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法においては、スラリー状のセリウム系研摩材を製造する場合、好ましくは上記した固液分離処理、水洗処理を行い、水系溶媒と混合することが好ましい。この固液分離処理、水洗処理は、上記した粉末のセリウム系研摩材の製造方法の場合と同様に行えばよい。この固液分離処理、水洗処理後、所定の水系溶媒と混合することで、スラリー状のセリウム系研摩材を製造する。この水系溶媒と混合した、湿式粉砕、湿式分級、沈降分離、フィルタリングの少なくとも1種を実施することが好ましい。
また、スラリー状のセリウム系研摩材を製造する場合、上記した粉末セリウム系研摩材を製造した後、水系溶媒と混合して得ることもできる。この場合も水系溶媒と混合後、湿式粉砕、湿式分級、沈降分離、フィルタリングの少なくとも1種を実施するのが好ましい。
スラリー状のセリウム系研摩材を製造する際に用いる水系溶媒とは、水又は水と水に対する溶解度がある少なくとも1種の有機溶媒とを溶解度の範囲内で混合したものをいう。具体的な有機溶媒としては、アルコール系の場合、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、1−プロパノール(n−プロピルアルコール)、2−プロパノール(iso−プロピルアルコール、IPA)、2−メチル−1−プロパノール(iso−ブチルアルコール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコール)、1−ブタノール(n−ブチルアルコール)、2−ブタノール(sec−ブチルアルコール)などがあり、多価アルコールの場合、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール(トリメチレングリコール)、1,2,3−プロパントリオール(グリセリン)などがあげられる。また、有機溶媒がケトン系の場合、プロパノン(アセトン)、2−ブタノン(メチルエチルケトン、MEK)などがあり、その他としては、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,4−ジオキサンなどがあげられる。
本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法においては、適宜、添加剤を加えることができる。例えば、分散剤、固化防止剤、付着防止剤、pH調整剤等の添加剤を加えることにより、所望の特性を備えるセリウム系研摩材とすることができる。
本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法については、その処理したセリウム系研摩材を、そのまま研摩材として使用することも可能である。また、本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法により処理したセリウム系研摩材を用いて、セリウム系研摩材を製造することもできる。そして、本発明に係るセリウム系研摩材の処理方法についても、上記した本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法における粉末のセリウム系研摩材を製造する場合の条件、或いは、スラリー状のセリウム系研摩材を製造する場合の条件を適用することが好ましい。
本発明に係るセリウム系研摩材は、その組成として、CeO/TREOが、研摩速度の点から40質量%以上のものが好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%がさらに好ましい。99.9質量%を超える高純度のものも使用可能である。
また、本発明に係るセリウム系研摩材は、フッ素(F)含有量が、 研摩傷発生抑制の点から、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。CeO/TREOが99質量%を超え、研摩速度を高くするための高温乾燥処理又は乾燥後熱処理して得られた場合には、フッ素(F)含有量が0.1質量%未満でもよいが、通常は、フッ素(F)含有量が0.1質量%以上である。このフッ素含有量は、セリウム系研摩材が粉末の場合はセリウム系研摩材中の含有量であり、スラリーの場合は固形分(粉末のセリウム系研摩材に相当)中の含有量である。
そして、本発明に係るセリウム系研摩材は、ケイ素(Si)含有量が、研摩傷の発生を抑制する点から、0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましい。このシリコン含有量は、セリウム系研摩材が粉末の場合はセリウム系研摩材中の含有量であり、スラリーの場合は固形分(粉末研摩材に相当)中の含有量である。
本発明に係るセリウム系研摩材は、ストークス径10μm以上の粗粒子の含有量は、研摩傷の発生を抑制する点から、1000質量ppm(0.1質量%)以下が好ましく、500質量ppm(0.05質量%)以下がより好ましく、300質量ppm(0.03質量%)以下がさらに好ましい。さらに、本発明に係るセリウム系研摩材は、ストークス径5μm以上の粗粒子の含有量が、研摩傷の発生を抑制する点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。この粗粒子含有量は、セリウム系研摩材が粉末の場合はセリウム系研摩材中の含有量であり、スラリーの場合は固形分(粉末研摩材に相当)中の含有量である。
本発明に係るセリウム系研摩材は、ストークス径5μm以上の粗粒子中のケイ素(Si)含有量が、研摩傷の発生を抑制する点から、15質量%以下が好ましく10質量%以下がより好ましく5質量%以下がさらに好ましい。
さらに、本発明に係るセリウム系研摩材は、レーザ回折・散乱法粒度分布測定における体積メジアン径(D50)が、研摩傷の発生を抑制する点から、3.5μm以下が好ましく、3.0μm以下がより好ましく、2.5μm以下がさらに好ましい。また、研摩速度を大きく維持する点から、体積メジアン径(D50)は0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましい。
以下に、実施例及び比較例を参照しながら本発明の実施形態について詳説する。まず初めに、本実施例及び比較例のセリウム系研摩材を製造方法或いは処理方法について説明する。表1〜表4に、各製造条件及び処理条件等を示す。
表1〜4において、処理対象の欄には、以下に説明する各セリウム系研摩材の製造方法或いは処理方法において用いた、セリウム系研摩材原料(A−1、A−2)、研摩傷の発生が多いセリウム系研摩材(B)、使用済みセリウム系研摩材(C−1、C−2)を示している。また、表1〜表4において、鉱酸処理の欄、粗大SiO除去処理の中の湿式分級、沈降分離、フィルタリングの各欄、フッ化水素酸との混合処理の順番欄に記載した数字は、それらの処理の順番を示している。表1〜表4において、ハイフン(−)で示した欄は、該当する処理等を行っていないことを示している。
Figure 0005588114
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実施例1、2、比較例1、2:
表1に示す実施例1、2、比較例1、2については、焙焼後のセリウム系研摩材原料を用いて研摩材を製造した場合である。そして、実施例1及び2については、フッ化水素酸の混合処理前に、上記した湿式分級処理を行ってセリウム系研摩材を製造した。比較例1及び2の場合は、この湿式分級処理、フッ化水素酸の混合処理は行っていない。
まず、表1に示す実施例1及び比較例1における処理対象A−1(原料)については、中国産炭酸希土(TREO=40質量%、CeO/TREO=60質量%、Si=0.10質量%)を用いた。まず、所定量の中国産炭酸希土の湿式粉砕を行った。この湿式粉砕は、粉砕後においてレーザ回折・散乱法粒度分布測定((株)堀場製作所製:LA−920)における体積基準メジアン径(D50)が3.0μmとなるまで行った。そして、この湿式粉砕後に、フッ化処理を行った。このフッ化処理は、10質量%フッ化水素酸を添加して、フッ素(F)/TREO=7.2質量%となるようにした。その後、ろ過し、150℃×12時間の乾燥後、950℃、6時間の焙焼を行った。この焙焼後に解砕処理をしたものを原料として用いた。この解砕処理をした焙焼後のセリウム系研摩材原料中におけるシリカ(Si)含有量は、0.18質量%であった。
表1に示す実施例2及び比較例2における処理対象A−2(原料)については、処理対象A−1におけるフッ化処理を行わないこと、焙焼温度を980℃としたこと以外は、A−1と同じ条件で得られた焙焼後のセリウム系研摩材原料である。このフッ化処理を行わない場合、950℃で焙焼を行うと、A−1の原料よりも、体積基準メジアン径(D50)が小さくなる傾向があるため、A−2の場合は焙焼温度を980℃とした。この処理対象A−2についての、焙焼後の解砕処理をしたセリウム系研摩材原料中におけるケイ素(Si)含有量は、0.23質量%であった。
実施例1及び実施例2については、フッ化水素酸との混合処理前に、次の条件の湿式分級処理を行った。処理対象A−1或いはA−2の原料40kgと水160kgとを混合して十分に撹拌した後、3液分級サイクロン((株)村田工業製スーパークローンTR−10型)にて、湿式分級処理を行った(この3液分級サイクロンでは、以下に説明するトップ液及びミドル液の取り出しのための、直径3mmの穴が空いているものを使用した、以下同じ)。この装置は、微粒成分を含むトップ液(上部側の液)、粗粒成分を含むボトム液(底部側の液)、及び、これらの中間的な粒子成分を含むミドル液(中間部の液)の3液に分級することが可能であり、本実施形態においては、ミドル液を原液(分級対象であるスラリー)に戻すようにした循環をしながら、粗大な粒子が低減されたトップ液と、粗大な粒子が濃縮されたボトム液に分離した。トップ液中のケイ素(Si)は、実施例1が43g、実施例2が53gであった。尚、この湿式分級処理は、比較例1及び比較例2については行わなかった。
実施例1及び実施例2については、この湿式分級処理で得られたトップ液のみを取り出し、このトップ液を撹拌しながら50℃に加温後、55質量%フッ化水素酸をモル比で、HF/4Si=10になる量(実施例1ではフッ化水素酸2.22kg、実施例2ではフッ化水素酸2.75kg)添加し、撹拌・混合を48時間行うフッ化水素酸による混合処理を行った。その後、フィルタープレスにてろ過、通水洗浄を行い、ケーキを150℃にて24時間乾燥後、解砕を行った。尚、モル数については、トップ液中のケイ素の重さから換算して、上記の式に基づき、55質量%フッ化水素酸の添加量を計算した。
フッ化水素酸による混合処理の後、乾燥、解砕処理したものに対して、最終的な分級処理を行ってセリウム系研摩材を製造した。また、比較例1及び2は、焙焼後のセリウム系研摩材原料を同じ条件で、最終的な分級処理を行ってセリウム系研摩材を製造した。この最終的な分級処理は、精密空気分級機(日清エンジニアリング(株)製ターボクラシファイアTC−25N)にて分級点10μmに設定して分級し、粗粉を除去した。実施例1及び2、比較例1及び2の最終的な分級処理条件はすべて同じとした。
実施例3、比較例3:
表1に示す実施例3、比較例3については、研摩傷の発生が非常に多いセリウム系研摩材を用いた場合である。そして、実施例3については、フッ化水素酸の混合処理前に、湿式分級処理を行ってセリウム系研摩材を処理した。
この実施例3及び比較例3の処理対象Bは、セリウム系研摩材(バストネサイト精鉱から製造された、三井金属鉱業(株)製の旧製品(商品名:ミレークS−2))であり、CeO/TREO=50質量%、フッ素(F)含有量は6.5質量%、ケイ素(Si)含有量は0.30質量%で、ストークス径10μm以上の粒子の割合が920質量ppm、ストークス径5μm以上の粒子の割合が0.48質量%であった。また、ストークス径5μm以上の粗粒子中のケイ素(Si)含有量は25質量%であった。
実施例3においては、フッ化水素酸との混合処理前に、上記実施例1及び実施例2と同様の湿式分級処理を行った。この実施例3の湿式分級処理におけるトップ液中のケイ素(Si)は、70gであった。尚、この湿式分級処理は、比較例3については行わなかった。
そして、この湿式分級処理後、フッ化水素酸との混合処理を行った。この混合処理条件も、上記実施例1及び実施例2と同様とした。この実施例3については、混合処理まで行った後、フィルタープレスにてろ過、通水洗浄を行い、ケーキを150℃にて24時間乾燥後、解砕を行い、セリウム系研摩材を得た。また、比較例3については、特に処理を行うことなく、そのままセリウム系研摩材とした。尚、この実施例3及び比較例3については、上記実施例1及び実施例2で説明した最終的な分級処理は行わなかった。
実施例4、5、比較例4、5:
表1に示す実施例4、5、比較例4、5については、Fe系凝集剤にて凝集処理した使用済みセリウム系研摩材を処理して、セリウム系研摩材を製造した場合である。実施例4及び5は、フッ化水素酸の混合処理前に湿式分級処理を行い、さらに実施例4についてはその湿式分級処理の後に鉱酸処理を行った。また、比較例4、5は、フッ化水素酸の混合処理は行わず、比較例4については湿式分級処理のみを、比較例5については鉱酸処理のみを行った。
表1に示す実施例4、5及び比較例4、5における処理対象C−1は、Fe系凝集剤にて凝集処理した使用済みセリウム系研摩材であり、その組成は次のものようなであった。乾燥減量が52質量%、TREO/乾燥品(乾燥品中の全酸化希土の割合が76質量%、CeO/TREOが61質量%、フッ素(F)/乾燥品が4.3質量%、ケイ素(Si)/乾燥品が1.3質量%、鉄(Fe)/乾燥品が8.0質量%、アルミニウム(Al)/乾燥品が0.40質量%であった。この乾燥品とは、後述する乾燥減量の測定により、湿分を除去された処理対象C−1の乾燥質量である(以下、同様)。
尚、乾燥減量は、JIS K 0067−1992「化学製品の減量及び残分試験方法」の「4.1乾燥減量試験」の「第1法 大気圧下で加熱乾燥する方法」に準じて測定した(加熱乾燥温度105℃)。全酸化希土(TREO)は、対象物を酸溶解後、シュウ酸により沈殿させ、沈殿物を焼成後、重量法により測定した。Fe、Alについては、対象物をアルカリ溶解後、温水抽出して酸溶解をしたものを、ICP−AES法により測定した。Siについては、対象物をアルカリ溶解後、温水抽出したものを、ICP−AES法により測定した。Fについては、対象物をアルカリ溶解後、温水抽出したものを、フッ化物イオン電極法により測定した。また、各測定の対象としたは、乾燥減量は、湿った使用済みセリウム系研摩材であり、CeO/TREOは、全酸化希土(TREO)測定で得られた酸化物試料、Fe、Al、Si、Fは、乾燥減量測定で得られ乾燥品から算出したものである。
実施例4、比較例4については、処理対象であるC−1のFe含有使用済みセリウム系研摩材を、フッ化水素酸との混合処理前に、次の条件の湿式分級処理を行った。処理対象であるC−1のFe含有使用済みセリウム系研摩材湿量100kg(乾量換算48kg)と純水380kgとを混合して十分に撹拌した後、上記した3液分級サイクロン((株)村田工業製スーパークローンTR−10型)にて、ミドル液を原液(分級対象であるスラリー)に戻す循環をしながら、粗大な粒子が低減されたトップ液と、粗大な粒子が濃縮されたボトム液に分離した。トップ液中のケイ素(Si)は、実施例4が210g、比較例4が210gであった。
そして、実施例4は、この湿式分級処理後のトップ液を次の条件の鉱酸処理を行った。実施例4の湿式分級処理後のトップ液(成分:ケイ素(Si)0.37kg、鉄(Fe)3.4kg、アルミニウム(Al)0.17kg含有)に対して、を攪拌しながら、98質量%硫酸をFe及びAlを+3価として計算した理論量の1.5倍(15.1kg)添加し、3時間撹拌を続けた。その後、フィルタープレスにてろ過し、通水洗浄を行った。ろ過・水洗処理したケーキでは、ケイ素(Si)0.21kg、鉄(Fe)0.051kg、アルミニウム(Al)0.015kgを含有していた。
また、この鉱酸処理は、比較例5において、処理対象C−1に次のよう条件で行った。処理対象C−1湿量100kg(乾量換算48kg)と純水380kgとを混合して十分に撹拌し、この攪拌を続けながら、98質量%硫酸をFe及びAlを+3価として計算した理論量の1.5倍(17.1kg)添加し、2時間撹拌を続けた。その後、フィルタープレスにてろ過し、通水洗浄を行った。ろ過・水洗処理したケーキでは、ケイ素(Si)0.38kg、鉄(Fe)0.055kg、アルミニウム(Al)0.38kgを含有していた。
続いて、実施例4及び5については、次のようにして、フッ化水素酸による混合処理を行った。実施例4は、上記したろ過・水洗処理して得られたケーキ(分析用サンプルを除く全量98kg)と、純水380kgとを混合して、十分に撹拌してスラリー化して、該スラリーを撹拌しながら、50℃に加温後、55質量%フッ化水素酸をモル比で、HF/(4Si+3Fe+3Al)=3になる量(実施例4:3.75kg)添加し、撹拌・混合を48時間行うフッ化水素酸による混合処理を行った。実施例5については、湿式分級処理で得られたトップ液のみを取り出し、このトップ液を撹拌しながら50℃に加温後、55質量%フッ化水素酸をモル比で、HF/(4Si+3Fe+3Al)=1.3になる量(実施例5:12.0kg)添加し、撹拌・混合を48時間行うフッ化水素酸による混合処理を行った。その後、それぞれフィルタープレスにてろ過、通水洗浄を行った。
そして、実施例4、5及び比較例4、5については、次の条件の乾燥処理、分級処理を行った。実施例4及び5は、フッ化水素酸による混合処理後のケーキ、比較例4は湿式分級処理後のトップ液を取り出し、フィルタープレスにてろ過したケーキ、比較例5は鉱酸処理後の固液分離されたケーキに対して行った。乾燥処理は、150℃、24時間とした。そして、解砕処理後、精密空気分級機(日清エンジニアリング(株)製ターボクラシファイアTC−25N)にて分級点10μmに設定して、粗粉を除去する分級処理を行った。
実施例6〜実施例34、比較例6〜比較例10:
表2〜4に示す実施例6〜実施例34、比較例6〜比較例10については、Fe系凝集剤やAl系凝集剤を使用していない使用済みセリウム系研摩材を処理して、セリウム系研摩材を製造した場合である。実施例6〜実施例18については、表2に示すように、フッ化水素酸による混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、湿式分級処理、沈降分離処理、フィルタリング処理のいずれか、或いは、これらを組み合わせて処理したものである。また、実施例18については、鉱酸処理を行った。比較例6については、フッ化水素酸による混合処理のみ行い、比較例7〜9は湿式分級処理、沈降分離処理、フィルタリング処理のいずれか、或いは、これらを組み合わせて処理し、フッ化水素酸による混合処理を行わなかった。実施例19〜実施例26、比較例10については、フッ化水素酸による混合処理前に沈降分離処理を、フッ化水素酸による混合処理後にフィルタリング処理を行い、フッ化水素酸による混合処理におけるフッ化水素酸の添加量を変化させてセリウム系研摩材を製造した。さらに、実施例27〜30は、実施例15と同じ条件で、フッ化水素酸による混合処理における処理時間を変化させてセリウム系研摩材を製造した。実施例31〜34は、実施例15と同じ条件で、フッ化水素酸による混合処理における処理温度を変化させてセリウム系研摩材を製造した。以下に、処理対象、各処理条件について説明する。
まず、表2〜表4に示す実施例6〜実施例34、比較例6〜比較例10における処理対象C−2は、Fe系凝集剤やAl系凝集剤を使用していない使用済みセリウム系研摩材であり、その組成は次のものようなであった。乾燥減量が51質量%、TREO/乾燥品(乾燥品中の全酸化希土の割合)が86質量%、CeO/TREOが62質量%、フッ素(F)/乾燥品が5.8質量%、ケイ素(Si)/乾燥品が1.5質量%、鉄(Fe)/乾燥品が0.43質量%、アルミニウム(Al)/乾燥品が0.38質量%であった。尚、各成分測定については、上記処理対象C−1の場合と同様である。実施例6〜実施例34、比較例6〜比較例10では、この処理対象C−2を、湿量100kg(乾量換算49kg)用いた。
表2〜表4に示すように、実施例6〜実施例34、比較例6〜比較例10の各処理に関しては、表中の鉱酸処理の欄、粗大SiO除去処理の中の湿式分級、沈降分離、フィルタリングの各欄、フッ化水素酸との混合処理の順番欄に記載した数字の順番で行った。ここでの各実施例及び各比較例は、最初の処理として、処理対象C−2湿量100kg(乾量換算49kg)と純水380kgとを混合して十分に撹拌し、これを供用した。また、湿式分級処理、沈殿分離処理、フィルタリング処理のいずれかを行った後に、続いて次の処理を行う場合には、処理して得られたスラリーをそのまま、次の処理に使用した。そして、鉱酸処理またはフッ化水素酸による混合処理をした後に、続いて次の処理を行う場合は、処理して得られたケーキと純水380kgとを十分に撹拌したものを、次の処理に使用した。湿式分級処理、沈殿分離処理、フィルタリング処理、鉱酸処理、フッ化水素酸による混合処理の5種類の中で、最後に実施した処理が、湿式分級処理、沈殿分離処理、フィルタリング処理のいずれかであった場合には、乾燥前にフィルタープレスによるろ過を行った。
鉱酸処理は、処理対象のスラリーを撹拌しながら、98%硫酸を3kg添加し、2時間撹拌を続けた。その後、フィルタープレスにてろ過し、通水洗浄を行った。この処理対象C−2では、鉄(Fe)をあまり含有していない使用済みセリウム系研摩材であり、その処理対象であるスラリーも鉄(Fe)をあまり含有しないため、硫酸を添加して微粒のシリカ(SiO)を分散させ、フィルタープレスによるろ過において、ろ過漏れさせて、微粒のシリカ(SiO)を低減することを主目的として、鉱酸処理を実施した。
湿式分級処理は、処理対象のスラリーを、3液分級サイクロン((株)村田工業製スーパークローンTR−10型)にて、ミドル液を原液(分級対象であるスラリー)に戻す循環をしながら、粗大な粒子が低減されたトップ液と、粗大な粒子が濃縮されたボトム液に分離した。
沈降分離処理は、ストークス径を10μmとして1回行った。具体的には、処理対象のスラリーを、沈降槽に投入して、十分に撹拌した後、ストークスの式から計算される所定時間、スラリーを静置し、サイホンにて底部沈殿物を残して、別の槽に抜き出した。静置した所定時間は、スラリーの最上部に存在する球状の径10μmの粒子(仮想粒子)がスラリーの底部にまで沈降するために要する時間であり、ストークスの式から計算することにより得られる。
フィルタリング処理は、孔径25μm及び10μmの糸巻きフィルター(カートリッジフィルター)(日本フィルター(株)製「CW−25」と「CW−10」)とを2連で使用し、スラリー化させた処理対象を通過させつことにより行った。
フッ化水素酸による混合処理は、実施例6〜18、比較例6については、処理対象のスラリーを撹拌しながら、50℃に加温後、55質量%フッ化水素酸をモル比で、HF/(4Si+3Fe+3Al)=2.0になる量を添加し、撹拌・混合を48時間行うフッ化水素酸による混合処理を行った。実施例19〜26、比較例10については、HF/(4Si+3Fe+3Al)が表3に示した数値になるように、フッ化水素酸の添加量を変化させた。実施例27〜30、実施例31〜34については、実施例15と同様な条件で、フッ化水素酸による混合処理における処理時間、処理温度を表3及び表4示すように、それぞれ変化させた。
そして、実施例6〜実施例34及び比較例6〜比較例10については、処理後のケーキの乾燥処理、分級処理を行った。乾燥処理は、150℃、24時間とした。そして、解砕処理後、精密空気分級機(日清エンジニアリング(株)製ターボクラシファイア
TC−25N)にて分級点10μmに設定して、粗粉を除去する分級処理を行った。
比較例11〜14:
表4に示す比較例11〜14については、上記した使用済みセリウム系研摩材(C−1、C−2)を用いて、先行技術文献(特許文献2:特開2007−276055号公報)に開示されている再生方法にて、セリウム系研摩材の再生処理を行った。
この先行技術文献による再生処理は、特許文献2の実施例1の条件に基づいた。具体的には、以下の手順により、再生処理を行った。
まず、比較例11、12については、使用済みセリウム系研摩材として上記C−1を用い、比較例13、14については、使用済みセリウム系研摩材として上記C−2を用いた。
各使用済み研摩材を湿量10kgと純水15Lとを混合して、撹拌することにより、再分散スラリーを作製した。
そして、この再分散スラリーに、35質量%の塩酸(HCl)を、モル比で、HCl/(3Fe+3Al)=1.3となるように、徐々に加え、室温で2時間撹拌し、塩酸による酸処理を行った。
塩酸による酸処理後、固液分離しないで、46質量%フッ酸(フッ化水素酸)を、比較例11、13ではHF/4Si=1.3に、比較例12、14ではHF/6Si=1.3になるように、徐々に加え、50℃に加温し、5時間撹拌するフッ酸による酸処理を行った。このHF/6F=1.0の場合は、SiO+6HF⇒HSiF+2HOの理論量の場合に相当する。
フッ酸により酸処理後、次の条件による固液分離処理を行った。フッ酸により酸処理後のスラリーを1時間の静置沈降をして、上澄液を抜出し、水15Lを加えて良く撹拌(リパルプ)した。これらの操作を3回繰り返して水洗し、最後に真空ろ過を行い、沈殿物を回収した。
そして、回収した沈殿物を110℃で12時間乾燥し、その乾燥ケーキを解砕機で解砕した後、精密空気分級機(日清エンジニアリング(株)製
ターボクラシファイア TC−25N)にて分級点10μmに設定して、粗粉を除去する分級処理を行い、セリウム系研摩材を再生した。
以上のようにして得られた各実施例、各比較例のセリウム系研摩材について、その組成、粒径、及び研摩特性について調べた。その結果を表5〜表8に示す。
Figure 0005588114
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各セリウム系研摩材の組成、粒径、特定ストークス径以上の粒子含有量、研摩特性については、以下に説明する方法にて測定した。
全酸化希土(TREO)の測定:
研摩材原料或いは研摩材原料の全酸化希土は、シュウ酸塩沈殿・焼成・重量法により測定した(単位 固形物:質量%、液:g/L)。前処理として、固形物(研摩材原料或いは研摩材)は過塩素酸及び過酸化水素により溶解し、煮沸して行った。測定対象が液である場合は、そのまま煮沸して行った。また、CeO/TREOについては、上記した全酸化希土(TREO)測定を行って得られたTREO試料を、過塩素酸及び過酸化水素により溶解し、ICP−AES法により測定した。
フッ素、ケイ素、及び鉄、アルミニウム含有量の測定:
フッ素(F)含有量は、測定対象となる固形物(研摩材原料或いは研摩材)を、アルカリ溶融・温湯抽出により溶液化してフッ化物イオン電極法(単位 固形物:質量%、液:g/L)により測定した。ケイ素(Si)含有量は、測定対象となる固形物(研摩材原料或いは研摩材)を、アルカリ溶融・温湯抽出により溶液化してICP−AES法により測定した。また、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)含有量は、測定対象となる固形物(研摩材原料或いは研摩材)をアルカリ溶融・温湯抽出後、過塩素酸及び過酸化水素により溶解し、ICP−AES法により測定した。
レーザー回折・散乱法による体積基準のメジアン径(D50)の測定:
レーザー回折・散乱法粒子径分布測定装置((株)堀場製作所製:LA−920)を使用して粒度分布を測定することにより、体積基準のメジアン径(D50:小粒径側からの累積体積50%における粒径)を求めた。
特定ストークス径以上の粒子含有量:
測定対象の研摩材100gを標線を引いた測定容器に投入し、約25℃の0.1質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を標線より少し下の位置まで添加し、撹拌混合後静置し、同ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を標線まで更に添加し、十分に撹拌混合を行った。その後、標線上にある特定ストークス径の粒子が測定容器の底部にまで沈降する時間(所定時間)を、予めストークスの式により計算しておき、所定時間静置沈降させた。続いて、底部の沈降物を残して、スラリーを抜き出した。沈降物が残った測定容器に、約25℃の0.1質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を標線まで添加し、十分に撹拌混合を行い、前記所定時間の静置沈降を行った後、底部の沈降物を残してスラリーを抜き出した。このような、スラリー化、撹拌混合、静置沈降、抜き出しの操作を、更に6回繰り返した(合計8回)後、最終的に測定容器に残留した底部沈降物を水洗、乾燥して、その質量を精密天秤にて測定した。最終的な底部沈殿物の乾燥質量をA(g)とすると、特定ストークス径以上の粗大粒子の含有量Sは、S(質量%)=A÷100×100またはS(質量ppm)=A÷100×1000000により計算される。上記した一連の操作を1回だけしか行わない場合、底部沈降物中に特定ストークス径よりも小さいな粒子が多数混入するため、一連の操作を多数回繰り返すことで、底部沈殿物中に含まれる特定ストークス径よりも小さな粒子の混入を無視できる程度まで少なくすることができる。
ストークス径5μm以上の粒子のSi含有量:
上記測定方法において、ストークス径5μm以上の粒子含有量測定で得られた、ストークス径5μm以上の粒子を0.1g秤量し、その秤量試料をアルカリ溶融・温湯抽出して溶液化して、ICP−AES法により、ケイ素(Si)含有量を測定した。
研摩速度:
研摩機として、研摩試験機(HSP−2I型、台東精機(株)製)を用意した。この研摩試験機は、スラリー状の研摩材を研摩対象面に供給しながら、当該研摩対象面を研摩パッドで研摩するものである。研摩材スラリーの砥粒濃度は、100g/Lとした(分散媒は水のみ)。そして、本研摩試験では、スラリー状の研摩材を5リットル/分の割合で供給することとし、研摩材を循環使用した。なお、研摩対象物は65mmφの平面パネル用ガラスとした。また、研摩パッドはポリウレタン製のものを使用した。研摩面に対する研摩パッドの圧力は9.8kPa(100g/cm2)とし、研摩試験機の回転速度は100min−1(rpm)に設定し、10枚のガラスを5分間かけて研摩をした。この研摩速度は、研摩前後のガラス重量を測定して研摩によるガラス重量の減少量を求め、比較例1の減少量を100として、この比較例1の相対値として各研摩速度を求めた。
研摩傷:
研摩傷評価は、30万ルクスのハロゲンランプを光源として用いる反射法で研摩後のガラス表面を目視観察し、ガラス全面の観察範囲中に、幅1mm以上の研摩傷の本数をカウントし、合計8枚のガラスについて研摩傷観察を行い、その合計本数を研摩傷評価値とした。この研摩傷の評価では、研摩材として使用可能なレベルが、研摩傷本数50本以下であり、好ましくは20本以下、さらに好ましくは10本以下である。表中、∞と記載した研摩傷評価は、明らかに300本を遙か超える研摩傷が確認された場合を示している。
表5〜表8に示す結果より、各実施例のセリウム系研摩材は、各比較例に比べると、基本的に研摩速度が大きく、研摩傷の発生が抑制されいることが判明した。先行技術の再現として行った比較例11〜14については、研摩速度はある程度確保されているものの、研摩傷の量が、各実施例よりも、多く発生している傾向が認められた。
本発明によれば、資源の有効利用が可能となり、研摩傷の発生が少ないセリウム系研摩材を簡易に得ることができる。

Claims (4)

  1. セリウム系研摩材とフッ化水素酸とを混合するセリウム系研摩材の処理方法において、
    混合処理に供用するセリウム系研摩材が使用済みセリウム系研摩材であり、
    該使用済みセリウム系研摩材が含有するSiのモル数をSi 、Feのモル数をFe 、Alのモル数をAl 、フッ化水素酸のモル数をHF としたとき、HF /(4Si +3Fe +3Al )が3.0以上であり、
    セリウム系研摩材とフッ化水素酸との混合処理前又は混合処理後の少なくとも一方で、以下の(iV)〜(Vi)の処理のうち少なくとも1種を行うことを特徴とするセリウム系研摩材の処理方法。
    (iV)セリウム系研摩材を湿式分級する湿式分級処理。
    (V)セリウム系研摩材をスラリーとし、該スラリーを均一混合後、2〜20μmから選択される所定のストークス径以上の粗粒子が沈降するまで該スラリーを静置し、底に沈降した沈殿物を除去する操作を少なくとも1回行う沈降分離処理。
    (Vi)セリウム系研摩材をスラリーとし、該スラリーをフィルターに通過させるフィルタリング処理。
  2. セリウム系研摩材とフッ化水素酸との混合処理前に、
    セリウム系研摩材と、フッ化水素酸以外の鉱酸とを混合し、その後固液分離する鉱酸処理を行う請求項1に記載のセリウム系研摩材の処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する処理方法により処理されたセリウム系研摩材を用いてセリウム系研摩材を製造するセリウム系研摩材の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載する処理方法を実施したセリウム系研摩材を分級処理する請求項3に記載のセリウム系研摩材の製造方法。
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