JP5585503B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下方吸引式のドワイトロイド焼結機を用いて、高強度で被還元性に優れる、高品質の高炉原料用焼結鉱を製造する方法に関するものである。
高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図1に示すような工程を経て製造される。焼結鉱の原料は、鉄鉱石粉や焼結鉱篩下粉、製鉄所内で発生した回収粉、石灰石およびドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などであり、これらの原料は、ホッパー1・・・の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出された原料は、ドラムミキサー2および3等によって適量の水が加えられ、混合、造粒されて、平均径が3〜6mmの擬似粒子である焼結原料とされる。この焼結原料は、その後、焼結機上に配設されているサージホッパー4、5からドラムフィーダー6と切り出しシュート7を介して、無端移動式の焼結機パレット8上に400〜800mmの厚さで装入され、焼結ベッドともいわれる装入層9を形成する。その後、装入層9の上方に設置された点火炉10で装入層表層の炭材に点火するとともに、パレット8の直下に配設されたウインドボックス11を介して装入層上方の空気を下方に吸引することにより、装入層内の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱で前記焼結原料を溶融して焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、破砕、整粒され、約5mm以上の塊成物が、成品焼結鉱として回収され、高炉に供給される。
上記製造プロセスにおいて、点火炉10によって点火された装入層内の炭材は、その後、装入層内を上層から下層に向かって吸引される空気によって燃焼を続け、厚さ方向に幅をもった燃焼・溶融帯(以降、単に「燃焼帯」ともいう。)を形成する。この燃焼帯の溶融部分は、上記吸引される空気の流れを阻害するため、焼結時間が延長して生産性が低下する要因となる。また、この燃焼帯は、パレット8が下流側に移動するのに伴って次第に装入層の上層から下層に移行し、燃焼帯が通過した後には、焼結反応が完了した焼結ケーキ層(以降、単に「焼結層」ともいう。)が生成される。また、燃焼帯が上層から下層に移行するのにともない、焼結原料中に含まれる水分は、炭材の燃焼熱で気化して、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し、湿潤帯を形成する。この水分濃度がある程度以上になると、吸引ガスの流路となる焼結原料の粒子間の空隙が水分で埋まり、溶融帯と同様、通気抵抗を増大させる要因となる。
図2は、厚さが600mmの装入層中を移動する燃焼帯が、装入層内のパレット上約400mmの位置(装入層表面から200mm下)にあるときの、装入層内の圧損と温度の分布を示したものであり、このときの圧損分布は、湿潤帯におけるものが約60%、燃焼帯におけるものが約40%であることを示している。
ところで、焼結機の生産量(t/hr)は、一般に、生産率(t/hr・m)×焼結機面積(m)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の機幅や機長、原料装入層の厚さ、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、歩留りなどにより変化する。したがって、焼結鉱の生産量を増加するには、装入層の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、あるいは、破砕前の焼結ケーキの冷間強度を高めて歩留りを向上することなどが有効であると考えられている。
図3は、焼結鉱の生産性が高い時と低い時、即ち、焼結機のパレット移動速度が速い時と遅い時の装入層内のある点における温度と時間の推移を示したものである。焼結原料の粒子が溶融し始める1200℃以上の温度に保持される時間は、生産性が低い場合はT、生産性が高い場合はTで表されている。生産性が高い時はパレットの移動速度が速いため、高温域保持時間Tが、生産性が低い時のTと比べて短くなる。しかし、1200℃以上の高温での保持時間が短くなると焼成不足となり、焼結鉱の冷間強度が低下し、歩留りが低下してしまう。したがって、高強度の焼結鉱を、短時間でかつ高歩留りで、生産性よく製造するためには、何らかの手段を講じて、1200℃以上の高温で保持される時間を延長し、焼結鉱の冷間強度を高めてやる必要がある。なお、焼結鉱の冷間強度を表す指標としては、一般に、SI(シャッターインデックス)、TI(タンブラーインデックス)が用いられている。
図4は、点火炉で点火された装入層表層の炭材が、吸引される空気によって燃焼を続けて燃焼帯を形成し、これが装入層の上層から下層に順次移動し、焼結ケーキが形成されていく過程を模式的に示した図である。また、図5(a)は、上記燃焼帯が、図4に示した太枠内に示した装入層の上層部、中層部および下層部の各層内に存在しているときの温度分布を模式的に示したものである。焼結鉱の強度は、1200℃以上の温度に保持される温度と時間の積に影響され、その値が大きいほど焼結鉱の強度は高くなる。そのため、装入層内の中層部および下層部は、装入層上層部の炭材の燃焼熱が吸引される空気によって運ばれて予熱されるため、高温度に長時間にわたって保持されるのに対して、装入層上層部は、予熱されない分、燃焼熱が不足し、焼結に必要な燃焼溶融反応(焼結反応)が不十分となりやすい。その結果、装入層の幅方向断面内における焼結鉱の歩留り分布は、図5(b)に示したように、装入層上層部ほど歩留りが低くなる。また、パレット両幅端部も、パレット側壁からの放熱や、通過する空気量が多いことによる過冷却によって、焼結に必要な高温域での保持時間が十分に確保できず、やはり歩留りが低くなる。
これらの問題に対して、従来は、焼結原料中に添加している炭材(粉コークス)量を増量することが行われてきた。しかし、コークスの添加量を増やすことによって、図6に示したように、焼結層内の温度を高め、1200℃以上に保持される時間を延長することができるものの、それと同時に、焼結時の最高到達温度が1400℃を超えるようになり、以下に説明する理由によって、焼結鉱の被還元性や冷間強度の低下を招くことになる。
非特許文献1には、焼結過程で焼結鉱中に生成する各種鉱物の引張強度(冷間強度)と被還元性について、表1のように示されている。そして、焼結過程では、図7に示したように、1200℃で融液が生成し始め、焼結鉱の構成鉱物の中で最も高強度で、被還元性も比較的高いカルシウムフェライトが生成する。これが、焼結温度として1200℃以上を必要とする理由である。しかし、さらに昇温が進んで1400℃を超え、正確には1380℃を超えるようになると、カルシウムフェライトは、冷間強度と被還元性が最も低い非晶質珪酸塩(カルシウムシリケート)と、還元粉化しやすい骸晶状二次ヘマタイトとに分解し始める。また、焼結鉱の還元粉化の起点となる二次ヘマタイトは、鉱物合成試験の結果から、図8の状態図に示したように、Mag.ss+Liq.域まで昇温し、冷却したときに析出するので、状態図上に示した(1)の経路でなく、(2)の経路を介して焼結鉱を製造することが、還元粉化を抑制する上で重要であるとしている。
Figure 0005585503
すなわち、非特許文献1には、焼結鉱の品質を確保する上で、燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間などの制御が非常に重要な管理項目であり、これらの制御如何によって焼結鉱の品質がほぼ決定されることが開示されている。したがって、還元粉化性(RDI)に優れかつ高強度で被還元性に優れる焼結鉱を得るためには、1200℃以上の温度で生成したカルシウムフェライトを、カルシウムシリケートと二次ヘマタイトとに分解させないことが重要であり、そのためには、焼結時における装入層内の最高到達温度を1400℃超え、好ましくは1380℃超えとすることなく、装入層内の温度を1200℃(カルシウムフェライトの固相線温度)以上に長時間保持することが必要となる。以降、本発明では、上記1200℃以上1400℃以下の温度域に保持される時間を、「高温域保持時間」と称することとする。
なお、前述した装入層上層部の歩留低下を改善し、生産性を向上しようとする技術については、従来から幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、焼結鉱を製造するに際して、焼結原料中に添加したコークスに加えて、焼結原料に吸引される空気中に発熱性ガスを添加し、これを焼結帯で燃焼させることによって、焼結鉱の強度や生産率、成品歩留りの向上を図る技術が提案されている。しかし、この特許文献1の技術は、コークスと気体燃料を燃焼させることによって焼結時の最高到達温度を高め、焼結鉱の強度や生産率、歩留りの向上を図っているため、成品焼結鉱の被還元性(RI)の悪化をきたすという問題がある。
また、特許文献2には、装入層上層部を十分に焼成した時点で、装入層に供給する酸素含有ガスの質量流量を、装入層上層部を焼成する範囲において供給する酸素含有ガスの質量流量の1.01〜2.6倍とし、装入層内の差圧を増加させて、燃焼溶融帯の移行速度を極端に加速し、生産率を増大するとともに製品歩留りおよび品質の優れた製品を得る方法が提案されている。しかし、この特許文献2の技術は、装入層の層厚の増加やパレット移動速度の増加が可能となり、焼結機の生産率を向上させることができるが、それは、燃焼溶融帯の移動速度と最高到達温度を高めることにもなるため、やはり、成品焼結鉱の被還元性の悪化を来たすという問題がある。
また、特許文献3には、パレット上の装入層の上層部が焼結する間に、装入層に吸引される燃焼用空気中の酸素濃度を35%以上に富化して焼結することにより、生産性および成品歩留りを向上させる酸素富化操業方法が提案されている。しかしながら、この特許文献3の技術は、燃焼空気中の酸素濃度を35%以上に富化することで、コークスの燃焼性を向上し、最高到達温度の上昇を図っているものの、燃焼性が向上する分、焼結に必要な1200℃以上の高温域保持時間が不足するようになるという問題がある。
そこで、発明者らは、上記問題点を解決する技術として、焼結原料中への炭材添加量を削減した上で、焼結機の点火炉の下流において、燃焼下限濃度以下に希釈した各種気体燃料を、パレット上方から装入層内に導入し、その気体燃料を装入層内で燃焼させることによって、装入層内の最高到達温度および高温域保持時間の両方を適正範囲に制御する技術を特許文献4〜6等に提案している。
特公昭46−027126号公報 WO98/07891号公報 特開平02−073924号公報 特開2008−095170号公報 特開2010−047801号公報 特開2008−291354号公報
「鉱物工学」;今井秀喜、武内寿久禰,藤木良規編、(1976)、p.175、朝倉書店
下方吸引式焼結機を用いた焼結鉱の製造方法に、上記特許文献4〜6の技術を適用し、焼結原料中への炭材添加量を削減した上で、燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を装入層内に導入し、気体燃料を装入層内で燃焼させた場合には、後述する図16に示したように、上記気体燃料は、炭材が燃焼した後の装入層内(焼結層内)で燃焼するので、燃焼・溶融帯の最高到達温度を1400℃超えとすることなく、燃焼・溶融帯の幅を厚さ方向に拡大させることができ、効果的に高温域保持時間の延長を図ることができる。
しかしながら、上記特許文献4〜6の従来技術においては、高強度かつ被還元性に優れる、高品質の焼結鉱を得るためには、1200℃以上1400℃以下の高温域にどの程度の時間保持する必要があるのか、また、そのためには希釈した気体燃料をどの領域に供給すればよいのか、十分に明らかにされてはいなかった。
また、上記特許文献4〜6の技術で注意しなければならないことは、焼結にとって好ましい最高到達温度や高温域保持時間の範囲を決定するに際して、炭材や気体燃料を燃焼させる支燃性ガスとして酸素を21vol%含有する空気をそのまま用いていることである。というのは、実際の焼結中の装入層内は、炭材や気体燃料の燃焼反応によって、大気とは異なった雰囲気となっているはずであり、また、支燃性ガスの成分や組成が変われば、装入層内のガス雰囲気も変化し、焼結時の最高到達温度や高温域保持時間も、当然、変化するはずである。したがって、支燃性ガスの特性に応じて、焼結機の操業条件を変えてやる必要がある。しかしながら、従来技術では、支燃性ガスの特性、特に空気中に含まれる酸素量が、焼結性や焼結鉱の品質に及ぼす影響については、ほとんど検討がなされていないのが実情である。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、下方吸引式焼結機を用い、炭材と気体燃料とを装入層内で燃焼させて焼結鉱を製造する方法において、焼結に必要な高温域保持時間を明らかにし、気体燃料を供給すべき適正領域を決定すると共に、焼結時の最高到達温度や高温域保持時間に対する支燃性ガスの影響を調査し、その結果に基づいて、空気中の酸素濃度を適正範囲で富化し、もって、高強度で被還元性に優れる、高品質の焼結鉱を高歩留りで製造する方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ねた。その結果、高強度で被還元性に優れる高品質の焼結鉱を得るために、1200〜1400℃の温度範囲に保持すべき時間、すなわち、高温域保持時間は、概ね150秒以上であること、したがって、気体燃料は、上記高温域保持時間が150秒未満である領域に供給すべきであること、また、従来、支燃性ガスである酸素を21vol%含有する空気に、さらに酸素を富化した場合には、焼結時のガス雰囲気が酸化方向に移行し、焼結原料中の炭材や気体燃料の燃焼開始温度を低温側に移行でき、最高到達温度の上昇を招くことなく、高温域保持時間の大幅な延長が可能となること、その結果、焼結鉱中に生成するカルシウムフェライト量が増加し、高強度で被還元性に優れる焼結鉱が得られること、そして、酸素富化の効果を最大限に発現させるためには、上記気体燃料を供給すべき領域において、好ましくは、上記気体燃料を供給すべき領域のさらに上流側1/2以内の領域において酸素を富化してやることが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成し、その装入層表面の炭材に点火すると共に、燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を含む装入層上方の空気をパレット下に配設されたウインドボックスで吸引して装入層内に導入し、装入層内において上記気体燃料と炭材を燃焼させて焼結鉱を製造する方法において、炭材の燃焼熱のみで焼結するときに1200℃以上1400℃以下に保持される高温域保持時間が150秒未満となる装入層の上層部分が、焼結反応が進行している段階、かつ、炭材燃焼により形成された燃焼帯が通過し、焼結温度が低下しつつある段階にある点火炉出側〜排鉱部までの間の領域に上記気体燃料を供給し、燃焼させて、上記高温域保持時間を150秒以上とすると共に、上記気体燃料供給する領域の、気体燃料供給開始位置から上流側1/2以内の範囲で空気中の酸素を富化することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
本発明の焼結鉱の製造方法は、上記焼結原料中の炭材量を変化させて、最高到達温度を1200〜1400℃の範囲に保持することを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料供給する領域の、気体燃料供給開始位置から上流側(1/4〜1/2)の範囲空気中の酸素を富化することを特徴とする請求項1または2に焼結鉱の製造方法。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記酸素の富化によって、空気中の酸素濃度を21vol%超35vol%未満とすることを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記酸素の富化によって、酸素富化領域における装入層内のガス雰囲気中のO濃度を12.5vol%以上とし、かつ、最高到達温度を1275〜1375℃の温度範囲とすることを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料の供給と酸素の富化により、上記高温域保持時間が150秒未満となる領域の高温域保持時間を150秒以上300秒以下とすることを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、気体燃料を供給しないときの炭材量から、供給する気体燃料の発熱量相当以上の量の炭材を削減することを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法における上記気体燃料を添加した空気は、予め燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を空気に添加したもの、あるいは、装入層上の大気中に気体燃料を高速で噴射して燃焼下限濃度以下に希釈したもの、のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法における上記気体燃料は、気体燃料を供給する領域の装入層上方に設置されたフード内の高さ方向中間部に間隙を有して1段以上配設された邪魔板の下方に供給し、上記富化する酸素は、上記フード内の邪魔板の上方において邪魔板の間隙に向けて供給することを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)1200℃以上1400℃以下の温度に保持する時間が不足となる領域に限定して気体燃料を供給することで、装入層内の全ての領域において、焼結時における高温域保持時間を150秒以上確保することが可能となる。
(2)支燃性ガス(空気)に酸素を富化し、焼結時のガス雰囲気を酸化方向に移行することによって、焼結鉱中のカルシウムフェライトの生成量を増大することができる。
(3)さらに、気体燃料を供給すると同時に、酸素を限定した範囲で富化することによって、気体燃料と焼結原料中の炭材の燃焼位置を低温側に移行させることができるので、最高到達温度を上昇させることなく、高温域保持時間を延長することができる。
(4)したがって、本発明によれば、高強度で被還元性に優れる高品質の焼結鉱を、生産性よく製造することが可能となる。
焼結プロセスを説明する概要図である。 焼結層内における温度分布と圧損分布を説明するグラフである。 高生産時と低生産時における装入層内の温度分布を説明する図である。 焼結進行に伴う装入層内の変化を説明する模式図である。 燃焼帯が装入層の上層部、中層部および下層部の各位置に存在しているときの温度分布と、装入層の幅方向断面内における焼結鉱の歩留り分布を説明する図である。 炭材量の変化(増量)による装入層内の温度変化を説明する図である。 焼結反応を説明する図である。 骸晶状二次ヘマタイトが生成する過程を説明する図である。 実験に用いた横型電気炉を説明する模式図である。 高温域保持時間が焼結鉱の冷間強度およびカルシウムフェライト生成量に及ぼす影響を示すグラフである。 焼結時のガス雰囲気中のO濃度がカルシウムフェライトの生成割合に及ぼす影響を示すグラフである。 焼結時のガス雰囲気中のCO/(CO+CO)がカルシウムフェライトの生成割合に及ぼす影響を示すグラフである。 焼結時のガス雰囲気中のO濃度がカルシウムシリケートの生成割合に及ぼす影響を示すグラフである。 焼結時のガス雰囲気中のCO/(CO+CO)がカルシウムシリケートの生成割合に及ぼす影響を示すグラフである。 焼結時のガス雰囲気中のO濃度および焼結温度がカルシウムフェライトの生成割合に及ぼす影響を示すグラフである。 気体燃料供給による焼結層内の温度分布の変化を説明する図である。 気体燃料供給と同時に、酸素を富化したときの焼結層内の温度分布の変化を説明する図である。 実験に用いた焼結試験鍋を説明する図である。 焼結鉱の品質、生産率等に及ぼす気体燃料供給の効果を示すグラフである。 焼結条件が焼結鉱の冷間強度SIおよび生産率に及ぼす影響を示すグラフである。 気体燃料の供給と同時に、酸素富化する実験条件を説明する図である。 気体燃料の供給と酸素富化が、焼結鉱の品質、生産率等に及ぼす影響を示すグラフである。 気体燃料と酸素を同時に供給する気体燃供給装置の一例を説明する図である。 実施例において、気体燃料の供給と同時に酸素富化を行う実験条件を説明する図である。 気体燃料の供給と酸素富化が、高温域保持時間および最高到達温度に及ぼす影響を示すグラフである。 気体燃料の供給と酸素富化が、焼結鉱の品質、生産率等に及ぼす影響を示すグラフである。
本発明の基本的な技術思想について説明する。
発明者らは、まず、高強度かつ被還元性に優れる、高品質の焼結鉱を生産性よく製造するために必要な、1200℃以上1400℃以下の温度に保持すべき時間(高温域保持時間)を確認するため、電気炉を用いた焼結実験を行った。
この実験では、ペレタイザーを用いて、粒径が0.5mm以上の鉄鉱石を核粒子とし、粒径0.5mm未満の鉄鉱石および副原料である炭酸カルシウム、二酸化ケイ素を原料として添加しながら造粒し、約2〜5mmφの焼結原料とした。次いで、上記焼結原料を、アルミナ製のボートに乗せ、図9に示した横型電気炉の均熱帯中央付近に装入し、1200〜1400℃の温度範囲に保持時間を0〜350秒の範囲で変化させて焼結した。なお、上記実験では、焼結実験中、電気炉中に実機焼結機の排ガスと同組成の雰囲気ガスを流して、実機での焼結条件を模擬した。上記のようにして得た焼結鉱は、その後、急冷して回収し、冷間強度と生成したカルシウムフェライト量を測定した。焼結鉱の強度は、上記工程で得た焼結鉱を整粒して所定の粒度とした焼結鉱を、圧潰強度試験機を用いて、焼結鉱が圧潰するときの荷重(圧潰荷重)を求めた。また、カルシウムフェライト量は、粉末X線回折法を用いて測定した。
図10は、上記実験の結果を示したものであり、この図から、1200℃以上1400℃以下の温度に保持する時間(高温域保持時間)が長くなればなるほど、焼結鉱中に生成するカルシウムフェライト量が多くなり、それに伴って焼結鉱の強度も上昇すること、そして、高温域保持時間を150秒以上確保すると、カルシウムフェライトの生成量も大きく増加し、同時に圧潰強度試験での圧潰強度も大きく上昇して、本例では焼結鉱の圧潰強度が4.60kN以上となり、高炉用原料として十分な強度が得られるようになること、しかし、高温域保持時間が300秒を超えると、焼結鉱中のカルシウムフェライト量が理論値(45.7mass%)に近づいて飽和するため、それ以上高温域保持時間を延長しても、焼結鉱の冷間強度の大きな向上は望めなくなり、むしろ、燃料コストの面からは好ましくないことがわかった。
上記のように、高品質の焼結鉱を得るためには、1200℃以上1400℃以下に保持する高温域保持時間を150秒以上とする必要があること、したがって、下方吸引式焼結機を用いた焼結鉱の製造方法においては、希釈気体燃料を、炭材の燃焼熱のみでは高温域保持時間を150秒以上確保することができない装入層内の領域に供給する必要がある。ただし、高温域保持時間は、300秒を超えても、気体燃料の添加効果は飽和し、むしろコスト的に不利となるので、上限は300秒程度とするのが好ましい。
次に、発明者らは、酸素を21vol%含む空気に対して、酸素を富化した場合における焼結反応に及ぼす影響について検討した。
というのは、前述した表1に示したように、焼結過程で焼結鉱中に生成するカルシウムフェライトは、高強度で被還元性も良好であるのに対して、カルシウムシリケートは、低強度で被還元性も劣る。したがって、高品質の焼結鉱を製造する上で重要なことは、如何にして焼結鉱中にカルシウムフェライトを多く生成させ、カルシウムシリケートを生成させないかという点にある。また、焼結鉱中に生成される鉱物は、図7や図8に示したように、焼結時の最高到達温度や高温域保持時間によって変化する。しかし、最高到達温度や高温域保持時間は、焼結時のガス雰囲気の成分や組成によっても変化すると考えられるからである。
そこで、発明者らは、まず、焼結時のガス雰囲気が、最高到達温度や高温域保持時間に及ぼす影響について、以下の実験により調査した。
実験では、ペレタイザーを用いて、粒径が0.5mm以上の鉄鉱石を核粒子とし、粒径0.5mm未満の鉄鉱石および副原料である炭酸カルシウム、二酸化ケイ素を外装用原料として添加しながら造粒し、約2〜5mmφの焼結原料を得た。
この焼結原料を、アルミナ製のボートに乗せ、図9に示した横型電気炉の均熱帯中央付近に装入し、1200〜1400℃の温度範囲において焼結を行った。焼成した試料は、その後、急冷して回収し、焼結によって生成した鉱物種とそれらの生成割合(mass%)を、粉末X線回折法を用いて測定した。
なお、上記焼結実験における焼結時のガス雰囲気は、実機排ガスの成分組成から焼結中のガス雰囲気を予測し、その中で大きく分散していたO濃度およびCO/(CO+CO)の比に着目し、これらを操作因子として変動させた。
上記実験の結果について、O濃度とカルシウムフェライトの生成割合との関係を図11に、CO/(CO+CO)とカルシウムフェライトの生成割合との関係を図12に示した。これらの図から、O濃度が増加するのに伴い、また、CO/(CO+CO)が低下するのに伴い、カルシウムフェライトの生成割合が増加していることがわかる。
同様に、O濃度とカルシウムシリケートの生成割合との関係を図13に、CO/(CO+CO)とカルシウムシリケートの生成割合との関係を図14に示した。これらの図から、O濃度が増加するのに伴い、また、CO/(CO+CO)が低下するのに伴い、カルシウムシリケートの生成割合は減少していることがわかる。
これらの結果は、焼結時のガス雰囲気中のO濃度が高くなる、即ち、焼結時のガス雰囲気が酸化方向に移行するのにしたがって、カルシウムフェライトの生成割合が増加し、カルシウムシリケートの生成割合が減少すること、したがって、焼結時のガス雰囲気中のO濃度を高めてやることは、焼結鉱の品質向上に対して極めて有効であることを示している。
これらのO濃度とCO/(CO+CO)による鉱物組織の変化は、以下のように説明される。カルシウムフェライトは、重量比で約70%がヘマタイトで構成されている。ヘマタイトは、3価の酸化鉄であり、焼結中のガス雰囲気が酸化方向へ移行することにより安定化する。したがって、焼結時のガス雰囲気中のO濃度が高くなり、酸化方向へ移行すると、ヘマタイトが安定化して、カルシウムフェライトの生成割合が増加したものと考えられる。
一方、カルシウムシリケートは、重量比で約15%がウスタイトで構成されている。ウスタイトは2価の酸化鉄であり、焼結中のガス雰囲気が酸化方向へ移行すると、酸化反応によって失われる。したがって、焼結時のガス雰囲気中のO濃度が高くなり、酸化方向へ移行したことにより、ウスタイトが消失して、カルシウムシリケートの生成割合が減少したものと考えられる。
図15は、上記のような焼結実験を多数行うことによって得られた結果を、O濃度および焼結温度と、カルシウムフェライトの生成割合との関係として示したものである。この図15によると、焼結時の保持温度を1250〜1375℃、好ましくは1275〜1375℃の温度範囲に制御するとともに、焼結時のガス雰囲気中のO濃度を12.5vol%以上に高めてやる、すなわち焼結時のガス雰囲気を酸化方向へと移行させてやることにより、カルシウムフェライトの生成割合を著しく高めることができることがわかる。
また、支燃性ガスである空気中の酸素を富化してやるのと同時に、気体燃料を供給した場合には、上記焼結鉱中に生成する鉱物組織への影響以外に、以下に説明する焼結反応速度や焼結温度分布への好ましい影響も期待される。
一般に、反応速度は以下の式で表される。
r=A×k×C
ここで、r:反応速度(mol/m・s)
A:温度に依存しない定数(頻度因子)
k:反応速度定数(m/s)
C:反応に使用される気体成分濃度(mol/m
n:分子1個の反応を進行させるために必要な気体成分の分子数(−)
ただし、この反応速度式では、逆反応は考慮していない。
上記式において、温度の影響はkに含まれており、このkを含む反応速度rは、温度の上昇とともに増大する。また、反応速度rは、反応に使用される気体成分濃度Cの増加に伴って上昇する。つまり、反応速度rは、温度上昇に伴う反応速度定数kや、反応に使用される気体成分濃度Cの増加によって上昇する。このことは、ある温度における反応速度は、反応に使用される気体成分濃度を高めてやることで上昇させることができることを、また、反応に使用される気体成分濃度を高めてやることで、高温時の反応速度を低温でも実現できることを意味している。
そこで、上記反応速度を、炭材と気体燃料の燃焼速度に、反応に使用される気体成分を酸素に置き換えて考えると、炭材と気体燃料の燃焼速度は、空気中の酸素を富化してやることによって高めることができること、また、空気中の酸素を富化してやることにより、低温でも高温と同じ燃焼速度とすることができることになる。
図16は、空気に気体燃料を添加する技術を開示する特許文献4に示された、焼結層内部の燃焼状態を説明する図であり、(a)は、燃焼帯の広がり(大きさ)を、(b)は、そのときの温度分布曲線を模式的に示したものである。そして、特許文献4によれば、空気中に吹き込んだ気体燃料は、炭材の燃焼位置よりも離れた位置、即ち、装入層上方側の低温度側で燃焼するため、炭材の燃焼に伴う温度ピークと気体燃料の燃焼に伴う温度ピークの2つの温度ピークが形成され、それら2つの温度ピークから合成された温度分布曲線は、すそ野の広い分布を示す結果、高温域保持時間が延長されると説明されている。
一方、空気中に酸素を富化すると同時に、気体燃料を添加する場合には、上述したように、気体燃料と炭材の燃焼速度を高めたり、燃焼温度を低温度側に移行させたりする効果が得られる。ここで、注目すべき点は、気体燃料が燃焼する低温度側の位置とは、焼結が完了して焼結鉱(焼結ケーキ)が生成した装入層上方側であり、一方、炭材が燃焼する低温度側の位置とは、まだ炭材が燃焼していない生原料が存在する装入層下方側ということである。
この燃焼位置の変化を、上記図16と対比して示したのが図17であり、(a)は、燃焼帯の広がり(大きさ)を、(b)は、そのときの温度分布曲線を模式的に示している。図16(b)と図17(b)との比較からわかるように、酸素富化と同時に気体燃料を吹き込む場合には、炭材の燃焼位置と気体燃料の燃焼位置の間隔が、気体燃料のみを吹き込む場合以上に広い裾野を有するようになる。この結果は、炭材と気体燃料の添加量を適正に制御してやれば、酸素富化と気体燃料の同時吹き込み操業を行うことによって、最高到達温度を上昇させることなく、従来技術以上に高温域保持時間を延長することが可能となることを示している。
上記、酸素富化の効果を確認するため、焼結試験鍋を用いて以下の実験を行った。
まず、鉄鉱石、溶剤および粉コークス等を、粉コークスを除いた配合割合が、表2に示した値となるようした混合した焼結原料を、ドラムミキサーに投入し、約5mmφの大きさに造粒した。この際、得られる焼結鉱中のシリカは4.9mass%、塩基度は2.0となるように調整した。次いで、上記造粒粒子を、図18に示した290mmφ×400mmHの大きさの円筒状の鉄製焼結鍋に充填して装入層を形成し、この装入層上方に配設した点火炉で点火し、焼結鍋の下方に配設したブロワーで、装入層上方から下方に空気を吸引して焼結原料中の炭材(粉コークス)を燃焼させて焼結を行った。
上記焼結実験では、表3に示したように、空気(O:21vol%)のみを支燃性ガスとして装入層中に導入する従来技術の焼結条件(T1)と、O濃度が28vol%となるよう酸素を富化した空気を装入層中に導入する焼結条件(T2)、LNGを濃度が0.4vol%に希釈した空気を装入層中に導入し、それと等熱量の炭材を削減した特許文献4に記載の焼結条件(T3)、LNGを濃度が0.4vol%に希釈した空気を装入層中に導入し、それと等熱量の炭材を削減すると同時に、O濃度が28vol%となるよう酸素を富化する焼結条件(T4)、および、LNGを濃度が0.4vol%に希釈した空気を装入層中に導入し、その等熱量の1.5倍の炭材を削減すると同時に、O濃度が28vol%となるよう酸素を富化する焼結条件(T5)の5水準の実験を行った。
なお、上記焼結実験では、焼結に要した時間を測定するとともに、得られた焼結鉱について、シャッター強度をJIS M8711に準じて測定し、さらに成品歩留まりを求め、それらの結果から生産率を求めた。
Figure 0005585503
Figure 0005585503
上記試験の結果を図19に示した。この結果から、空気に酸素を富化しただけの焼結方法(No.T2)では、従来技術(No.T1)と比較して、焼結鉱の冷間強度(SI)と成品歩留りが若干向上し、焼結時間が大幅に短縮される結果、生産率が向上している。一方、気体燃料としてLNGを空気中に吹き込む特許文献4に記載の焼結方法(No.T3)では、冷間強度が酸素富化のみの焼結方法以上に向上し、成品歩留りも大幅に向上し、また、焼結時間も従来技術より若干短縮された結果、生産率が向上している。また、気体燃料としてLNGを空気中に吹き込むと同時に、酸素を富化した焼結方法(No.T4,T5)では、冷間強度がさらに向上し、LNG吹き込みと同等の成品歩留りが得られ、しかも、焼結時間が酸素富化のみと同等に短縮した結果、大幅な生産率の向上が達成されている。
図20は、上記実験結果を、焼結鉱の冷間強度(SI)および生産率に及ぼす酸素とLNGの吹き込みの効果として示したものである。この図から明らかなように、空気に気体燃料を添加する、あるいは、空気に酸素を富化することによって、焼結鉱の冷間強度および生産率ともに向上することができるが、気体燃料を添加すると同時に酸素を富化して焼結を行った場合には、酸素富化のみ、LNG添加のみのときよりも、冷間強度、生産率ともに大幅に向上しており、同時吹込みによる相乗効果を確認することができる。しかも、No.T5では、吹込んだ気体燃料の発熱量以上の量のコークスを削減しているにもかかわらず、シャッター強度や生産率が、大きく向上していることがわかる。
ところで、上記の焼結実験は、焼結開始(点火)から焼結終了までのすべての時間において、気体燃料の供給や酸素富化を行ったときの効果を示したものである。しかしながら、前述したように、気体燃料の供給は、1200℃以上1400℃以下の温度範囲に保持される時間(高温域保持時間)が150秒未満の領域において行えばよく、それ以上の領域において気体燃料を供給しても、燃料コストの面から好ましくない。また、酸素の富化を、気体燃料の供給領域を超えて行うことも、ランニングコストや設備コストの面から好ましくない。また、富化する酸素量もできるだけ少ないほど好ましい。
そこで、発明者らは、気体燃料を供給する領域内において、富化する酸素量一定の条件の下で、酸素をどの範囲に供給すべきか、すなわち、狭い範囲に高濃度の酸素を供給するのがよいのか、あるいは、広い範囲で薄く酸素を富化するのがよいのかを調査する実験を行った。
実験は、前述した実験と同様、表2に示した焼結原料を、ドラムミキサーに投入し、約5mmφの大きさに造粒した。この際、得られる焼結鉱中のシリカは4.9mass%、塩基度は2.0となるように調整した。
次いで、上記造粒粒子を、図18に示した290mmφ×400mmHの大きさの円筒状の鉄製焼結鍋に充填して装入層を形成し、この装入層上方に配設した点火炉で点火し、焼結鍋の下方に配設したブロワーで、装入層上方から下方に空気を吸引して焼結原料中の炭材(粉コークス)を燃焼させる、生産量が312千トン/月程度の実機焼結機を模擬した焼結実験を行った。
なお、上記焼結実験では、有効機長(点火炉出側〜排鉱部)が58mの焼結機で、炭材量5.0mass%でLNGの供給なしで焼結する焼結条件をベース(T1)とし、気体燃料(LNG)の供給範囲および富化する酸素の濃度および供給長さを表4のように変化させた焼結条件を模擬した。具体的には、酸素富化なしで、上記有効機長の上流側17mに亘って0.4vol%に希釈したLNGを気体燃料として供給する、即ち、装入層の上層部29%の範囲に希釈気体燃料を供給する条件(T2)、T2の条件において、LNG供給範囲の全長(17m)に亘って酸素を富化する条件(T3)、T2の条件において、LNG供給範囲の上流側1/2(8.5m)において酸素を富化する条件(T4)、および、T2の条件において、LNG供給範囲の上流側1/4(4.25m)において酸素を富化する条件(T5)の5水準で焼結実験を行った。なお、LNGを供給するT2の条件では、焼結原料中の炭材量を4.7mass%に、LNGを供給し、さらに酸素を富化するT3〜T5の条件では、焼結原料中の炭材量を4.5mass%に削減した。上記実験条件のイメージ図を、図21に示した。
Figure 0005585503
なお、上記焼結実験では、焼結に要した時間を測定するとともに、得られた焼結鉱について、シャッター強度をJIS M8711に準じて測定し、さらに成品歩留まりを求め、それらの結果から生産率を求め、その結果を図22に示した。この結果から、LNGの供給も、酸素富化も行わないベース条件(T1)に対して、LNGを供給した条件(T2)では、焼結鉱の強度が上昇して歩留りが向上し、さらに、焼結時間も短縮するため生産率は大幅に向上している。しかし、LNGの供給と合わせて酸素を富化した条件(T3〜T5)では、焼結鉱の強度がさらに上昇して歩留りが向上している。しかし、酸素をLNGの供給と同じ範囲で薄く長く酸素を富化した条件(T3)では、焼結時間が延長し、生産率が低下する傾向となる。ただし、ベース条件(T1)よりは生産率が向上している。
上記焼結実験の結果から、気体燃料の供給に併せて酸素を富化してやることが有効であるが、好ましくは気体燃料を供給する領域の上流側1/2以内の領域、さらに好ましくは、上流側(1/4〜1/2)以内の領域において集中的に気体燃料を富化してやるのが効果的であることがわかった。
上記のように酸素を薄く長い範囲で富化することで、焼結時間が長くなる原因については、以下のように考えている。
前述したように、装入層内に気体燃料を供給し燃焼させる場合、炭材燃焼による燃焼帯が通過した後の焼結温度が低下しつつある装入層(焼結層)内において気体燃料が燃焼するので、その部分の温度を高めて燃焼帯の厚さ方向の幅を拡大し、高温域保持時間を延長することができる。また、酸素の富化は、気体燃料の燃焼温度を低める作用があるので、酸素を富化しない場合よりも低温度域、即ち、装入層上層部で気体燃料が燃焼するようになる。しかし、図2において説明したように、燃焼帯は、通気抵抗を高める作用があるため、燃焼帯の幅の拡大は、通風量の低下を招き焼結時間の延長を来たすことになる。そして、その影響は、酸素を富化する時間が長ければ長いほど大きくなるため、LNGの供給領域と同じ範囲に酸素を富化した条件では、特に焼結時間が延長したものと考えられる。
次に、本発明の焼結鉱の製造方法について具体的に説明する。
本発明の焼結鉱の製造方法は、下方吸引式焼結機を用いて、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成し、その装入層表面の炭材に点火すると共に、燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を含む装入層上方の空気をパレット下に配設されたウインドボックスで吸引して装入層内に導入し、装入層内において上記気体燃料と炭材を燃焼させて焼結鉱を製造する方法である点において、従来の特許文献4〜6の技術と同じである。したがって、気体燃料を供給する場合には、焼結時の装入層内、特に、装入層の中層から下層における最高到達温度を1200〜1400℃の範囲に保持するため、焼結原料中に添加する炭材量を削減するのが好ましい。
しかしながら、本発明の焼結鉱の製造方法の特徴は、上記気体燃料を、炭材の燃焼熱で焼結するときに1200℃以上1400℃以下に保持される高温域保持時間が150秒未満となる領域において供給すること(第1の特徴)、および、上記気体燃料を供給する領域の内のさらにその上流側1/2以内の領域において、酸素を富化すること(第2の特徴)にある。
第1の特徴である、気体燃料を、炭材の燃焼熱で焼結するときに1200℃以上1380℃以下に保持される高温域保持時間が150秒未満となる領域において供給する理由は、炭材の燃焼熱のみでは高温域保持時間を150秒以上確保することができない装入層の領域に気体燃料を供給し、燃焼させることで、装入層内の全てに位置において高温域保持時間を150秒以上確保し、高品質の焼結鉱を得るためである。すなわち、本発明は、炭材の燃焼熱で焼結鉱を製造する方法において、主に気体燃料の供給量を変化させることによって高温域保持時間を150秒以上とする技術である。
炭材の燃焼熱のみでは高温域保持時間を150秒以上確保することができない装入層の領域は、実機焼結機の装入層内に熱電対を挿入し、その位置における焼結中の温度の経時変化を実測し、それぞれの位置における1200℃以上1400℃以下に保持される高温域保持時間を求めることで、特定することができる。
例えば、図4(b)に示したパレット幅方向中央上層部の高温域保持時間が150秒未満となる装入層の厚さ方向の領域は、パレット幅方向中央部において、装入層表層から内部に熱電対を挿入して焼結時における、装入層厚さ方向各位置における温度変化を実測し、各位置における高温域保持時間の分布から求めることができる。
そして、その高温域保持時間が150秒未満である領域の高温域保持時間の延長を図るためには、その部分の焼結反応が進行している段階において気体燃料を供給してやる必要がある。例えば、装入層の厚さ方向の上層部20%の領域で、高温域保持時間が150秒未満である場合には、その部分の焼結反応が進行している点火炉出側〜排鉱部までの間(有効機長)の上流側20%の領域で気体燃料を供給してやることが必要である。
なお、実機焼結機において、気体燃料の供給範囲を、パレット進行方法で、%単位で変化させることは、設備的に現実的ではない。そこで、上記点火炉出側〜排鉱部までの有効機長部分を、進行方向に複数に区分し、その区分単位で希釈気体燃料の供給ができるようにし、有効機長の全ての範囲で高温域保持時間が150秒以上となるよう、区分単位で希釈気体燃料の供給ON/OFFを行えるようにするのが好ましい。ただし、点火炉を出た直後の装入層表層部はまだ高温であり、気体燃料への着火が懸念されることから、点火炉出側から3m程度の間は、気体燃料の供給は避けるのが好ましい。
ただし、高温域保持時間が30秒未満の領域では、気体燃料を供給しても高温域保持時間を150秒以上に延長することは実質的に難しい。したがって、現実的には、パレット幅方向中央部の装入層の表層から内部に熱電対を挿入して、装入層の厚さ方向各位置における焼結時の温度変化を実測し、高温域保持時間が30秒以上150秒未満となる領域に、気体燃料を供給するようにするのが好ましい。
なお、上記気体燃料は、その気体燃料の燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料として装入層内に導入することが好ましい。希釈気体燃料の濃度が燃焼下限濃度以上であると、装入層上方で燃焼してしまい、気体燃料を供給する効果が失われてしまったり、爆発を起こしたりするおそれがある。また、希釈気体燃料が高濃度であると、低温度域で燃焼してしまうため、高温域保持時間の延長に有効に寄与し得ないおそれがあるからである。したがって、希釈気体燃料の濃度は、好ましくは大気中の常温における燃焼下限濃度の3/4(75%)以下、より好ましくは燃焼下限濃度の1/5(20%)以下、さらに好ましくは燃焼下限濃度の1/10(10%)以下である。ただし、希釈気体燃料の濃度が、燃焼下限濃度の1/100(1%)未満では、燃焼による発熱量が不足し、焼結鉱の強度向上と歩留りの改善効果が得られないため、下限は燃焼下限濃度の1%とする。これを、天然ガス(LNG)についてみると、LNGの室温における燃焼下限濃度は4.8vol%であるから、希釈気体燃料の濃度は0.05〜3.6vol%の範囲が好ましいことになる。
また、上記燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を含む空気は、予め燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を装入層上方の空気中に混合したもの、あるいは、装入層上方の空気中に、高濃度のまま(生)の気体燃料を高速で噴射して空気と混合させることによって、瞬時に燃焼下限濃度以下に希釈したものであってもよい。
また、焼結原料中に添加する炭材量(コークス量)は、空気中に添加した気体燃料の発熱量に相当する量以上の炭材を削減することが好ましい。というのは、炭材量をそのままにして気体燃料を添加した場合には、トータルの発熱量が過大となって最高到達温度が適正温度範囲の上限値(1400℃)を超え、カルシウムフェライトの生成割合が減少し、カルシウムシリケートが増加する結果、低強度で還元性に劣る焼結鉱となってしまうからである。したがって、本発明においては、焼結原料中の炭材量は、空気中に添加する気体燃料の量(燃焼熱量)に応じて、焼結時の最高到達温度を1200〜1400℃の温度範囲、望ましくは1200〜1380℃の温度範囲となるよう適宜調整する必要がある。
因みに、発熱量でみた場合、炭材量の1mass%に相当する気体燃料は、LNG(液化天然ガス)で約1vol%、プロパンガスで約0.5vol%である。
次に、第2の特徴である、気体燃料を供給する領域において、酸素を富化する理由は、この酸素富化によって、焼結時のガス雰囲気が酸化方向に移行する結果、焼結によって焼結鉱中のカルシウムフェライトの生成割合が増大し、カルシウムシリケートの生成割合が低減するので、高強度でかつ還元性に優れる焼結鉱を得ることができるからである。
また、上記酸素を富化する領域を、気体燃料を供給する領域のさらにその上流側1/2以内に制限するのが好ましい理由は、図22に示したように、酸素を長時間に亘って供給すると、高強度の焼結鉱が得られるももの、焼結時間が長くなるため、生産率が低下するようになるからである。
上記酸素富化の効果は、装入層内の吸引する空気中に含まれる酸素濃度を、大気中の酸素濃度(21vol%)超えとしてやれば少量でも得ることができるが、好ましくは、焼結時のO濃度を12.5vol%以上とすることができる酸素量とすることが好ましく、この観点からは、空気中の酸素濃度を24.5vol%以上に富化してやるのが好ましい。一方、空気中の酸素濃度が35vol%以上となると、酸素富化に要するコストが、享受する利益を上回るようになるので、好ましくない。よって、空気に富化する酸素量は、空気中の酸素濃度が21vol%超35vol%未満の範囲となるよう添加するのが好ましく、より好ましくは24.5〜30vol%の範囲、さらに好ましくは、24.5〜28vol%の範囲である。
上記酸素を富化する方法は、特に制限はなく、例えば、ウインドボックスで装入層を介して吸引する空気に純酸素を添加する方法や、後述する気体燃料と共に高濃度酸素を添加する方法気体燃料を添加する雰囲気に高濃度酸素を添加して予め所定の酸素濃度としておく方法などを好適に用いることができる。
上記前者の例として、気体燃料として生ガスを用いる気体燃料供給装置において、さらに、酸素を供給する装置の模式図を図23に示した。この装置は、気体燃料を供給する領域の装入層上方に設置されたフード内の高さ方向中間部に、間隙を有して1段以上の邪魔板を配設し、その邪魔板の下方に気体燃料供給配管を配設して、生の気体燃料を吹き消え現象が起こる高速で水平方法に噴出して瞬時に燃焼下限濃度以下の希釈気体燃料とするとともに、上記邪魔板の上方に酸素供給配管を配設し、富化する酸素を邪魔板の間隙に向けて供給するものである。したがって、酸素供給配管から供給される酸素は、一旦、邪魔板上あるいは邪魔板の間隙を通過するまでに富化する濃度に達した後、気体燃料と合流するため、高濃度の酸素と気体燃料が接触するのを防止できるようになっている。なお、上記配管から供給する酸素は純酸素でなくてもよい。ここで、気体燃料供給パイプの上方に配設してある邪魔板は、LNG等の気体燃料は空気より軽いため、フード上方に漏洩散失するのを防止するためである。なお、酸素は、比重が気体燃料より重いためフード外へ拡散する虞は少ない。
なお、本発明においては、気体燃料の供給と同時に、酸素を富化するところに特徴があるが、これによって、焼結反応を高めて焼結に要する時間を短縮できるだけでなく、気体燃料と焼結原料中の炭材の燃焼位置をより低温度側に移行させて装入層内の温度分布曲線を非常に裾野の広いものとし、高温域保持時間をより一層延長することができるので、生産率を上昇させた上で、焼結鉱の品質改善を図ることができる。
さらに、酸素富化と同時に気体燃料を供給した場合には、高温域保持時間を大幅に延長することができるので、気体燃料の発熱量に相当する量以上の炭材を削減することが可能となる。この炭材量の削減は、燃焼によって発生する二酸化炭素の削減にも寄与するので、地球環境にも好ましい。
表2に示した焼結原料を、ドラムミキサーに投入し、約5mmφの大きさに造粒した。この際、得られる焼結鉱中のシリカは4.9mass%、塩基度は2.0となるように調整した。次いで、上記造粒粒子に炭材(粉コークス)を添加して、図18に示した290mmφ×400mmHの大きさの円筒状の鉄製焼結鍋に充填して装入層を形成し、この装入層上方に配設した点火炉で点火し、焼結鍋の下方に配設したブロワーで、装入層上方から下方に空気を吸引して焼結原料中の炭材を燃焼させる、実機焼結機を模擬した焼結実験を行った。
なお、上記焼結実験では、有効機長(点火炉出側〜排鉱部)が58mの焼結機で、図24に示したように、その上流側17mに亘って気体燃料を供給する、即ち、装入層の上層部29%の領域に0.4vol%に希釈したLNGを供給するとともに、その気体燃料供給領域内において、酸素濃度を25.4vol%に富化する領域を、表5に示したように変化させることを模擬した。具体的には、気体燃料としてLNGのみを添加する条件をベース(T1)とし、この条件にさらに気体燃料供給領域と同じ領域で酸素を富化する条件(T2)、気体燃料供給領域のうちの上流側1/2の領域に酸素を富化する条件(T3)の3水準で焼結を行った。なお、焼結原料中の炭材添加量は、LNG供給のみのT2の条件では4.7mass%とし、LNGを供給し、さらに酸素を富化するT2,3の条件では4.5mass%に削減した。
Figure 0005585503
また、上記焼結模擬実験では、焼結試験鍋中に表層から100mm、200mmおよび300mmの各位置に熱電対を挿入し、焼結時における各位置の高温域保持時間を測定し、その結果を図25に示した。また、焼結に要した時間を測定するとともに、得られた焼結鉱について、シャッター強度をJIS M8711に準じて測定し、さらに成品歩留まりを求め、それらの結果から生産率を求め、その結果を図26に示した。
上記試験の結果から、気体燃料の供給に加えて、その気体燃料の供給領域で酸素を富化した条件(T2)では、気体燃料のみ供給し、酸素を富化していない条件(T1)と比較して、焼結鉱の冷間強度SIと成品歩留りを大幅に高めることができ、生産率も大幅に向上している。また、気体燃料の供給領域の上流側1/2の領域で酸素を富化した条件(T3)では、気体燃料のみ供給し、酸素を富化していない条件(T1)と比較して、焼結鉱の冷間強度SIと成品歩留りを大幅に高めることができ、生産率も大幅に向上している。また、気体燃料の供給領域の全長で酸素を富化する条件(T2)との比較でも、生産性が大幅に向上している。
本発明の焼結技術は、製鉄用、特に高炉用原料として使用される焼結鉱の製造技術として有用であるばかりでなく、その他の鉱石塊成化技術としても利用することができる。
1:原料ホッパー
2:ドラムミキサー
3:ロータリーキルン
4、5:サージホッパー
6:ドラムフィーダー
7:切り出しシュート
8:パレット
9:装入層
10:点火炉
11:ウインドボックス
12:カットオフプレート

Claims (9)

  1. 循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成し、その装入層表面の炭材に点火すると共に、燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を含む装入層上方の空気をパレット下に配設されたウインドボックスで吸引して装入層内に導入し、装入層内において上記気体燃料と炭材を燃焼させて焼結鉱を製造する方法において、
    炭材の燃焼熱のみで焼結するときに1200℃以上1400℃以下に保持される高温域保持時間が150秒未満となる装入層の上層部分が、焼結反応が進行している段階、かつ、炭材燃焼により形成された燃焼帯が通過し、焼結温度が低下しつつある段階にある、点火炉出側〜排鉱部までの間の領域に上記気体燃料を供給し、燃焼させて、上記高温域保持時間を150秒以上とすると共に、
    上記気体燃料供給する領域の、気体燃料供給開始位置から上流側1/2以内の範囲で空気中の酸素を富化することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 上記焼結原料中の炭材量を変化させて、最高到達温度を1200〜1400℃の範囲に保持することを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 上記気体燃料供給する領域の、気体燃料供給開始位置から上流側(1/4〜1/2)の範囲空気中の酸素を富化することを特徴とする請求項1または2に焼結鉱の製造方法。
  4. 上記酸素の富化によって、空気中の酸素濃度を21vol%超35vol%未満とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 上記酸素の富化によって、酸素富化領域における装入層内のガス雰囲気中のO濃度を12.5vol%以上とし、かつ、最高到達温度を1275〜1375℃の温度範囲とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 上記気体燃料の供給と酸素の富化により、上記高温域保持時間が150秒未満となる領域の高温域保持時間を150秒以上300秒以下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  7. 気体燃料を供給しないときの炭材量から、供給する気体燃料の発熱量相当以上の量の炭材を削減することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  8. 上記気体燃料を添加した空気は、予め燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を空気に添加したもの、あるいは、装入層上の大気中に気体燃料を高速で噴射して燃焼下限濃度以下に希釈したもの、のいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の焼結鉱の製造方法。
  9. 上記気体燃料は、気体燃料を供給する領域の装入層上方に設置されたフード内の高さ方向中間部に間隙を有して1段以上配設された邪魔板の下方に供給し、上記富化する酸素は、上記フード内の邪魔板の上方において邪魔板の間隙に向けて供給することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
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