JP4605142B2 - 焼結鉱の製造方法および焼結機 - Google Patents

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Description

本発明は、下方吸引式のドワイトロイド(DL)焼結機を用いて、高炉原料用焼結鉱を製造する方法、およびこの方法に用いる焼結機に関する。
高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図1に示すような工程を経て製造される。原料は、鉄鉱石粉、製鉄所内回収粉、焼結鉱篩下粉、石灰石及びドロマイトなどの含CaO原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などである。石灰石やドロマイトなどの含CaO原料は、以下、「CaO系副原料」という。これらの原料は、各ホッパー1・・・から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出された原料は、ドラムミキサー2等により適量の水を加えながら混合、続いて造粒され、3.0〜6.0mmの平均径を有する擬似粒子である焼結原料が形成される。形成された焼結原料は、焼結機上に配置されているサージホッパー4、5からドラムフィーダー6と切り出しシュ―ト7を介して、無端移動式の焼結機パレット8上に装入され、焼結ベッドともいう装入層9が形成される。装入層の厚さ(高さ)は400〜800mm前後である。その後、装入層9の上方に設置された点火炉10により、この装入層中の炭材に点火する。パレット8の下に配設されているウインドボックス11を介して下方に吸引することにより、該装入層中の炭材は順次に燃焼し、このときに発生する燃焼熱によって、前記焼結原料が燃焼、溶融し、焼結ケーキが生成する。その後、得られた焼結ケーキは、破砕後整粒され、5.0mm以上の塊成物からなる成品焼結鉱として回収される。
前記製造プロセスにおいては、まず、点火炉10により装入層の表面に点火が行われる。装入層中の炭材は、この装入層の頂部から下層部へ吸引される吸引ガスの作用により燃焼すると共に。その燃焼はパレット8の移動につれて次第に下層にかつ前方に進行する。この燃焼の進行と同時に、該装入層中の焼結原料粒子の水分は、炭材の燃焼で発生する熱によって蒸発するものの下方に吸引され、まだ温度が上がっていない下層の湿潤帯の焼結原料中に濃縮する。その水分濃度がある程度以上に大きくなると、吸引ガスの流路である原料粒子間の空隙を水分が埋めるようになるため、通気抵抗が増大する。なお、焼結化反応に必要となる溶融をしている部分もまた、通気抵抗が高くなる。
焼結鉱の生産量(t/hr)は、一般に、焼結生産率(t/hr・m)×焼結機面積(m)により決定される。即ち、生産量は、焼結機の機幅や機長、原料堆積層の厚さ(装入層厚さ)、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、歩留などにより変化する。この焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する方法、あるいは破砕前の焼結ケーキの冷間強度を向上させることにより歩留を向上させる方法などが、有効と考えられている。
図2は、装入層内の圧損と温度の分布を示すグラフである。図2の温度分布曲線は、装入層中を移動する燃焼(火炎)前線が、該装入層の厚み方向のパレット上の約400mmの位置にあるときを示している。このときの圧損分布は、湿潤帯におけるものが約60%、燃焼溶融帯におけるものが約40%である。
図3は、焼結鉱の高生産時と低生産時の装入層内の温度分布を示したものである。原料粒子が溶融し始める1200℃以上の温度に保持される高温域保持時間は、低生産の場合にはtで、生産性を重視する高生産の場合にはtで表されている。高生産の場合パレットスピードを上げる必要があり、高温域保持時間tが低生産時の高温域保持時間tと比べて短くなる。高温で保持されている時間が短くなるために、焼成不足となって、焼結鉱の冷間強度の低下を招いて、歩留が低下する。したがって、高強度焼結鉱の生産量を向上させるには、何らかの方法により、焼結ケーキの強度、即ち焼結鉱の冷間強度を上げて歩留の維持、向上を図ることが有効になると考えられる。なお、焼結鉱冷間強度にはSI(シャッターインデックス)、TI(タンブラーインデックス)が用いられる。
図4(a)は焼結機パレット上の装入層の焼結進行の原理を、図4(b)は装入層内の焼結過程の温度分布(ヒートパターン)を、図4(c)は焼結ケーキの歩留分布を示している。図4(b)からわかるように、装入層上部(焼結層)は下層部に比べて温度が上昇し難く、高温域保持時間が短くなる。そのため、この装入層上部では燃焼溶融反応(焼結化反応)が不十分となり、図4(c)に示すように、焼結ケーキの強度が低くなるため歩留が上がらず、生産性が低下する傾向になる。
従来、装入層上部に高温保持を付与するための方法が提案されている。例えば、特許文献1は、点火炉直後で高濃度の可燃性ガスを吹き込むことを開示している。可燃性ガスの吹き込みに際し、炭材量を削減していないため、焼結層内が1380℃を超える高温となり、十分な冷間強度向上、歩留増加の改善効果を享受できていない。また、点火炉直後で0分〜2分間可燃性ガスの吹き込むことは、可燃性ガスに着火し、大火災を引き起こす危険が高く、現実性に乏しい技術であって、実用化には至っていない。
また、特許文献2は、焼結原料の装入層内を高温にするために、この装入層の上にフードを配設し、そのフードを通じて空気やコークス炉ガスとの混合ガスを点火炉直後の位置で吹き込むことを、開示している。焼結層内の温度は1350℃を超える高温になり、その吹き込みの効果を享受できなくなるとともに、可燃性混合ガスが発火し、大火災の危険があって、実用化されていない。
さらに、特許文献3は、低融点溶剤と炭材や可燃性ガスを同時に、点火炉直後の位置で吹き込む方法を開示している。この方法もまた、表面に火炎が残留した状態で可燃性ガスを吹き込むため、大火災になる危険が高いと同時に、焼結帯の幅が十分に厚くなっていないため(約15mm以下)、効果を十分に発揮することができない。さらに、低融点溶剤が多く存在するため、上層部において、過剰な溶融現象を引き起こし、空気の流路である気孔を閉塞してしまい。通気性を悪化させて、生産性の低下を招くことから、この技術もまた、現在に至るまで実用化されていない。
上記のように、これまで提案された従来技術は、いずれも実用化されておらず、経済的に成立する吹込み条件の探索が切望されていた。
特開昭48−18102号公報 特開昭55−18585号公報 特開平5−311257号公報
焼結鉱の品質制御において重要なことは、燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間などの制御が重要であり、これらの制御によって焼結鉱品質が決定される。この点について、特許文献1に記載の方法は、気体燃料を装入層の表面で燃焼させることにより、焼結工程の前半部分の該装入層上部温度を高める技術である。しかし、この方法では、気体燃料の濃度が高く、そのために燃焼を支える空気(酸素)量が不足し、焼結原料の炭材(コークス)の燃焼低下を招くおそれがあり、焼結鉱品質の改善が果せないという問題がある。また、特許文献2に記載された方法は、フードを設けて燃焼用空気と共に、可燃性ガスを供給することにより、一層の高温を得る方法であるが、この方法もまた熱量不足が起る。即ち、この方法の場合もまた、高温帯域においてコークスの燃焼に要する酸素が吹込み可燃性ガスの燃焼用に消費されるため、コークスの燃焼が遅くなって焼結時間が長引くという問題がある。
さらに、特許文献3に記載された方法は、空気(酸素)量を増加させると共に、低融点溶材や炭材を混合しているため、可燃性ガスおよびコークスの燃焼速度は大きくなるものの、低融点溶材や粉体を一緒に吹き込むため、燃焼用空気の通気性が低下するという問題点がある。
本発明の目的は、下方吸引式焼結機の操業において、装入層全体の通気性を悪化させることなく、高強度の焼結鉱を高歩留で製造する方法、およびこの方法を実施するために用いられる焼結機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は
循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して、パレット上に炭材を含む装入層を形成させる装入工程;
装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程;
予め燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層の上から供給して、装入層内で前記気体燃料を燃焼させる気体燃料燃焼工程;
パレット下に配置されたウインドボックスにて空気を吸引することにより、装入層中の炭材を燃焼させ、発生する燃焼熱によって、焼結ケーキを生成させる焼成工程;
を有する焼結鉱の製造方法において、
焼結原料中の炭材量を変えることによって、燃焼・溶融帯における最高到達温度を1200℃超え1380℃未満の温度に保持するとともに、装入層内に供給する希釈気体燃料の濃度を変えて焼結ケーキ中で燃焼させることによって、燃焼・溶融帯が1200℃以上に保持される高温域保持時間の延長を図ることを特徴とする焼結鉱の製造方法を提案する。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、前記希釈気体燃料を焼結ケーキの400〜800℃の温度範囲において燃焼させることが好ましい。
また、本発明の焼結鉱の製造方法における前記希釈気体燃料は、燃焼下限濃度の25%以下かつ2%以上の濃度に希釈された可燃性ガスであることが好ましい。
また、本発明の焼結鉱の製造方法における前記気体燃料燃焼工程では、
(a)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、少なくともその一部が未燃焼のままで、装入層中の燃焼・溶融帯にまで到達するようにして燃焼させる、
(b)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層内において燃焼させることによって、燃焼・溶融帯の上下方向の厚み幅および/またはパレット移動方向の幅を拡大させる、
(c)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層内において燃焼させることによって、燃焼・溶融帯の高温保持時間を延長させる、
ことが好ましい。
また、本発明の焼結鉱の製造方法におおける前記気体燃料燃焼工程では、
(a)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、点火炉以降の位置で供給する、
(b)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、装入層の表層部で焼結ケーキが生成されてから焼結が完了するまでの間に供給する、
(c)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上となる領域において供給する、
(d)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、燃焼前線が表層下の100mmに達した位置以降で供給する、
(e)燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、装入層の両サイドウオール近傍に供給する、
ことが好ましい。
前記気体燃料は、高炉ガス、コークス炉ガス、高炉・コークス炉混合ガス、プロパンガス、天然ガスとメタンガスからなるグループから選択された少なくとも一つのガスであるのが望ましい。
以上、説明したとおり本発明によれば、下方吸引式焼結機の操業において、装入層の上方から、希釈された気体燃料を用いることで装入層内の目標とする位置で燃焼させることができるようになり、しかもこの場合において、希釈気体燃料の供給位置や燃焼時の最高到達温度、高温域保持時間を調整することにより、燃焼不足になりやすく焼結鉱の冷間強度が低くなりやすい装入層上部のみでなく、装入層の中層以下の任意の部分の焼結鉱強度を高めるような操業を行うことができる。しかも、本発明では、装入層全体の通気性を悪化させることなく、とくに燃焼・溶融帯での反応、例えば、この帯域の上下方向の厚み幅やパレット移動方向における幅の調整を通じて、任意の位置における焼結ケーキの強度を調整することができるので、焼結鉱全体として冷間強度の高い成品焼結鉱を歩留良くかつ高い生産性を確保して製造することができるようになる。そして、本発明の焼結機を用いれば、こうした焼結機の操業を安定して行うことができる。
本発明に係る焼結鉱の製造方法は、装入工程、点火工程、気体燃料燃焼工程と焼成工程とを含んで構成されている。この製造方法において、前記装入工程は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入し、パレット上に炭材を含む装入層を形成させることからなる。前記点火工程は、点火炉において装入層表面の炭材に点火することからなる。前記気体燃料燃焼工程は、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層の上から供給し、装入層内で前記気体燃料を燃焼させる。この気体燃料燃焼工程が本発明の特徴の一つである。前記焼成工程は、パレット下に配置されたウインドボックスを通して空気を吸引し、装入層中の炭材を燃焼させ、発生す燃焼熱によって、焼結ケーキを生成させることからなる。
前記気体燃料燃焼工程において、前記気体燃料として、燃焼成分の含有濃度が大気中の常温における燃焼下限濃度以下である75%以下にまで希釈した可燃性ガスを使用することが好ましい。この気体燃料として、より好ましくは60%以下にまで希釈した可燃性ガス、さらに好ましくは25%以下の濃度にまで希釈した可燃性ガスを使用する。燃焼下限濃度の75%以下にまで希釈した可燃性ガスを使用することが好ましい理由は下記の二つである。
(a)前記気体燃料の装入層上部への供給は、時として、爆発的燃焼を招くおそれがあるので、少なくとも常温では、火種があってもなお燃焼しない状態にする。
(b)焼結機上(装入層中)で完全に燃焼することなく、未燃焼のままで焼結機の下流側にある電気集塵器等に達したとしても、電気集塵器の放電下で燃焼するおそれが全くない状態、即ち、燃焼下限濃度以下の条件で行う。
なお、この気体燃料の濃度は、後述するように、焼結原料中の総炭材(固体燃料+気体燃料)の燃焼に必要な空気(酸素)の不足を招いて、燃焼不足とならないように、希釈されたものを用いる必要がある。前記気体燃料は、燃焼下限濃度の2%以上の濃度に希釈された可燃性ガスであるのが好ましい。2%以上の濃度であれば、焼結鉱の強度と歩留まりがより改善される。また、気体燃料は、その濃度を炭材量(固体燃料)に応じて調節する。さらに、後述するように、気体燃料は、これを希釈することにより、装入層中の所定領域位置での燃焼を調整することができる。
本発明に係る焼結鉱の製造方法では、該装入層中の炭材へ点火された後に、希釈された気体燃料が装入層へ供給される。点火直後の位置では希釈気体燃料を供給しても、表層上で単に燃焼が起るだけであり、焼結層に何ら影響を与えるようなことがない。装入層上部において焼結原料が焼成されて焼結ケーキの層が形成された後に、希釈された気体燃料を装入層へ供給するのが好ましい。希釈された気体燃料の供給は、焼結ケーキの層が形成されていれば、任意の位置で行うことができる。希釈された気体燃料の供給を焼結ケーキの層が形成された後に行う理由は、下記の通りである。
(a)装入層の上部に未だ焼結ケーキが生成していない状態でこの気体燃料の供給を行うと、該装入層上で爆発的な燃焼が起こる危険がある。
(b)気体燃料の供給は歩留りを向上させる必要のある部分を対象とする。即ち、焼結鉱強度を上昇させたい部分に供給することが有効である。
装入層最高到達温度または高温域保持時間のいずれかを調整するために、前記燃焼・溶融帯の厚みが、少なくとも15mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上になる条件下で希釈気体燃料の供給を行うことが好ましい。燃焼・溶融帯の厚みが15mm未満では、焼結層(焼結ケーキ)を通して吸引される大気(大気と気体燃料の混合気体)による冷却に伴い、気体燃料を供給しても燃焼・溶融帯の厚みの拡大を伴わず、気体燃料供給の効果が不十分となる。一方、前記燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上となる段階で前記気体燃料を希釈して供給すると、燃焼・溶融帯の厚みが大きく拡大し、高温域保持時間が延長する。
なお、前記燃焼・溶融帯の厚みの確認は、例えば、透明石英製窓や竪型管状の試験鍋を用いて確認することができ、前記希釈気体燃料の供給位置の決定に役立つ。
また、この希釈された気体燃料は、燃焼前線が表層下に下がり、燃焼・溶融帯が表層から100mm以上、好ましくは200mm以上下がった位置で供給するのが好ましい。すなわち、中・下層部領域を対象として希釈された気体燃料を供給するのが好ましい。例えば、希釈気体燃料が、前記装入層中に焼結ケーキが生成した後の装入層中の中・下層部、すなわち、燃焼前線が表層から100mm移動した段階(未燃焼のままそこの領域に到達するように)で始めて燃焼するように、希釈気体燃料を供給する。その理由は、100mm以上下がった位置であれば、焼結層を通して吸引される大気による冷却に伴う影響が軽減され、燃焼・溶融帯の厚み拡大を伴うからである。より好ましくは200mm以上であれば、大気による冷却に伴う影響は解消されて燃焼・溶融帯の厚みは30mm以上に拡大される。また、この供給は、歩留り低下の著しいサイドウオール近傍の幅方向(パレット進行方向に直行する方向)両端部で行うことがより好ましい。
なお、気体燃料供給装置は、焼結機の規模にもよって異なるが、例えば、気体燃料供給量1,000〜5,000m(標準)/h、約1.5万t/日−機長90mの焼結機の規模のもので、点火炉の下流側の約5m以降の位置に配置することが好ましい。
本発明に係る製造装置では、前記希釈気体燃料の供給位置は、パレット移動方向における点火炉出側で焼結ケーキが生成した後の、いわゆる燃焼前線が表層下に進行した位置(例えば、表層下100mm以上、好ましくは約200mm程度以下で気体燃料の燃焼が起こる位置)から焼結が完了するまでの間の1ヶ所以上の任意の位置で行うことが好ましい。つまり、このことは、上述したように、燃焼前線が装入層の表層下に移った段階で該気体燃料の供給を開始することを意味しており、このことは気体燃料の燃焼が装入層の内部で起り、そして次第により下層に移るので、爆発のおそれがなくなり、安全な焼結操業が可能になることを意味している。
本発明に係る製造方法では、装入層中への希釈気体燃料の供給はまた、生成した焼結ケーキの再加熱を促進するものであることも意味している。即ち、この該気体燃料の供給は、もともと高温域保持時間が短く熱不足になりやすいために、焼結鉱の冷間強度が低い焼結ケーキに対し、この部分に固体燃料の供給に比べて反応性の高い気体燃料を供給することによって、燃焼・溶融帯の再生−拡大を図り、不足しやすいこの部分の燃焼熱を補填するという意義を担うものだからである。
また、本発明に係る焼結鉱の製造方法では、点火後の装入層上部から供給した前記気体燃料の少なくともその一部を未燃焼のまま、燃焼・溶融帯にまで吸引(導入)して、ターゲット位置で燃焼するように供給することが好ましい。それは、気体燃料の供給、即ち装入層中への吹込みの効果を単に装入層上部のみならず、厚み方向の中央部である燃焼・溶融帯にまで波及させることがより効果的と考えられるからである。それは、気体燃料の供給が、熱不足(高温域保持時間の不足)になりやすい装入層の上層部に行われると、十分な燃焼熱を提供することにつながり、この部分の品質(焼結強度)を改善できるからである。そして、気体燃料供給作用が、中層部以下の帯域にまで波及するようにすると、本来の燃焼・溶融帯の上に再燃焼・溶融帯を形成するのと等しい結果となり、この帯域の上下方向の拡幅につながり、最高到達温度を上げることなく、高温域保持時間の延長を果すことが可能になり、パレットスピードを落すことなく十分な焼結が実現されるようになる。その結果、装入層全体の焼結ケーキの品質改善(冷間強度の向上)をもたらし、ひいては成品焼結鉱の品質(冷間強度)と生産性を向上させることにつながる。
本発明において、前記希釈気体燃料の供給は、その供給の作用・効果を装入層中のどこに及ぼすかという観点から、その供給位置を調整する点に特徴の第1があり、またこの燃料の供給とともに、装入層内における最高到達温度や高温域保持時間を、熱量一定基準の下で固体燃料の量に応じてどの程度に調整するかという点に第2の特徴がある。
従って、本発明において、前記希釈気体燃料の装入層中への供給に当っては、それの供給の位置を調整するだけでなく、燃焼・溶融帯自体の形態を調整、ひいては燃焼・溶融帯における最高到達温度および/または高温域保持時間をも調整するようにすることが好ましい。
一般に、点火後の装入層は、パレットの移動に伴って燃焼(火炎)前線が次第に下方にかつ前方(下流側)に拡大していく中で、燃焼・溶融帯の位置が図4(a)に示すように変化する。そして、図4(b)に示すように、焼結層内の焼結過程で受ける熱履歴は、上層、中層、下層で異なり、図示したように、上層〜下層間では、高温域保持時間(約1200℃以上)は大きく異なる。その結果、焼結層は図4(c)に示すような歩留分布となる。即ち、表層部(上層)の歩留は低く、中層、下層方向に高い歩留分布となる。そこで、本発明方法に従って、前記気体燃料を供給すると、燃焼・溶融帯は、上下方向の厚み幅や範囲などが拡大する方向に変化し、これが成品焼結鉱の品質向上に反映されるのである。そして、高い歩留分布となる中層、下層は、高温域保持時間をさらに調整できるため、歩留をより上昇させることができる。
前記気体燃料の供給位置を調整することにより、燃焼・溶融帯の形態、即ち、この帯域の高さ方向の厚みおよび/またはパレット移動方向の幅が調整できると共に、最高到達温度や高温域保持時間の調整につながる。これらの調整は、本発明の効果をより一層際立て、燃焼・溶融帯の上下方向の厚み幅の拡大や最高到達温度、高温域保持時間の調整を通じ、常に十分な焼成を果して、成品焼結鉱の冷間強度の向上に有効に寄与する。
また、本発明において、装入層中への前記気体燃料の供給は、成品焼結鉱全体の冷間強度を調整するためであると言うこともできる。この点について、この気体燃料の吹込みを行う目的はもともと、焼結ケーキ、ひいては焼結鉱の冷間強度を向上させることにあり、とくに、気体燃料供給位置調整、焼結原料が燃焼・溶融帯に滞在する時間等の高温域保持時間の調整、最高到達温度の調整を通じて、焼結鉱の冷間強度(シャッターインデックスSI)を75以上〜85%程度、好ましくは80%以上、より好ましく90%以上にすることである。
この強度レベルは、本発明の場合、とくに前記気体燃料の濃度、供給量、吹込み位置、吹込みの範囲を、好ましく焼結原料中の炭材量を考慮した(投入熱量を一定にする条件下で)上で調整することによって安価に達成することができる。なお、焼結鉱の冷間強度の向上は、一方で、通気抵抗の増大と生産性の低下を招くことがあるが、本発明では、そうした問題を最高到達温度や高温域保持時間をも調整することによって解消した上で、焼結鉱の冷間強度を向上させる。なお、上記冷間強度SI値は、実機焼結機によって製造された焼結鉱の場合は、鍋試験値よりもさらに10%〜15%高いSI値を示す。
本発明の製造方法において、パレット移動方向における前記気体燃料の供給位置の調整は、装入層中に生成した焼結ケーキから湿潤帯までの間の任意の帯域の焼結鉱の冷間強度をどのようにするかということを基準とする。この調整のために、本発明では、気体燃料供給装置の規模(大きさ)、数、位置(点火炉からの距離)、ガス濃度を、好ましくは焼結原料中の炭材量(固体燃料)に応じて調整することにより、主として燃焼・溶融帯の大きさ(上下方向およびパレット移動方向の幅)のみならず、高温到達温度、高温域保持時間をも調整し、このことによって、装入層中に生成する焼結ケーキの強度を調整する。
本発明の上記製造方法において、気体燃料としては、高炉ガス、コークス炉ガス、高炉−コークス混合ガス、プロパンガス、天然ガスあるいはメタン、またはこれらの混合ガスのいずれかを用いることが好ましい構成である。これらは、いずれも燃焼成分を含有しており、これを空気等で希釈して燃焼下限濃度の75%程度以下の濃度の気体燃料として用いる。なお、気体燃料の希釈は、空気の他、不活性ガスによる希釈、不活性ガスと酸素、不活性ガスと空気、空気と酸素の組合せによる希釈でもかまわない。
また、本発明の焼結鉱の製造方法の実施に当たっては、焼結原料の装入層を載せて循環移動するパレット下に吸引用ウインドボックスを配設し、そのパレット上には原料供給装置とこの装置のパレット進行方向下流側には点火炉を備えてなる下方吸引式DL焼結機において、前記点火炉の下流側に、装入層の上から燃焼下限濃度以下の濃度の希釈された気体燃料を該装入層中に吹き込むための気体燃料供給装置を配設してなる焼結機を用いる。
本発明においては、前記気体燃料供給装置は、焼結機の幅方向に沿って、パレットの両サイドウオールを跨がるように配設されるのが好ましい。前記気体燃料供給装置は、希釈された気体燃料を供給する吹込みフード、あるいは吹込みフード内に、スリット状もしくは吹込みノズルを板状に列設してなる気体燃料あるいは希釈された気体燃料の供給吹込みパイプを配設したものにて構成されることが好ましい。
なお、前記気体燃料供給装置は、点火炉の下流側かつ燃焼溶融帯が装入層中を進行する過程におけるパレット進行方向のいずれかの位置に一つ以上配設され、装入層中への前記気体燃料の供給は、該装入層中の炭材への点火後の位置で行われるのが好ましい。即ち、この装置は、点火炉の下流側、燃焼前線が表層下に進行した以降の任意の位置に一つ乃至複数個配設されるものであり、目標とする成品焼結鉱の冷間強度を調整する観点から、大きさ、位置、数が調整される。また、この気体燃料供給装置は、両サイドウオール近傍における低歩留り部の位置に配設すること、前記気体燃料は、燃焼下限濃度の75%以下且つ2%以上の濃度に希釈された可燃性ガスを用いること、さらには、燃焼下限濃度の60%以下且つ2%以上の濃度に希釈された可燃性ガスを用いることが好ましい。
図5は、本発明に係る焼結鉱の製造装置の一実施形態を示す。本発明は、この例示の形態のみに限定されるものではない。高炉ガスとコークス炉ガスとの混合ガス(Mガス)等の気体燃料を吹き込むための気体燃料供給装置(フード)12が、点火炉10のパレット移動方向の下流側に当たる装入層の上辺に1基だけ配設されている。その気体燃料供給装置12は、複数のパイプ状ガス吹込みノズル12aを下向きにかつ機幅方向に複数個配列させたものからなる。前記複数のパイプ状ガス吹込みノズル12aは、気体燃料供給装置12を介して、図示しないサイドウオールの上から装入層を覆うように配設される。気体燃料供給装置12から供給された前記Mガスは、装入層の上から表層に生成した焼結ケーキを経て、装入層の深部(下層)にまで、パレット8下のウインドボックス11の吸引力を利用して吸い込まれる。また、図4(c)に示されている歩留りが60%と低い領域の歩留まり向上を目指すとき、パレットの両サイドウオール近傍の位置に多く気体燃料を供給できるように、前記ノズル12aの配置を行うのが好ましい。
この気体燃料供給装置12から供給する気体燃料としては、例えば、高炉ガス(Bガス)、コークス炉ガス(Cガス)、高炉ガスとコークス炉ガスとの混合ガス(Mガス)、プロパンガス、天然ガス(LNG)またはメタン、あるいはこれらの混合ガスなどを希釈したものが用いられる。これらの気体燃料は、点火炉10とは別途に独立した配管系の下で供給してもよい。また、点火炉用燃料配管と共通の配管に、とくに希釈ガス導入管と共に配設して、気体燃料の濃度を燃焼下限濃度以下に希釈調整した上で、これを点火炉10へのガス供給管(図示せず)の延長上に接続するように構成してもよい。
なお、下記表1は、本発明で使用する各種気体燃料の、それぞれの燃焼下限濃度、および吹込み濃度上限(75%、60%、25%)のガス濃度例を示したものである。
例えば、プロパンガスにおいては、燃焼下限濃度は2.2vol%であり、75%に希釈した吹込みガス濃度上限は1.7vol%、60%に希釈した吹込みガス濃度上限は1.3vol%、25%に希釈した吹込みガス濃度は0.4vol%である。吹込みこの効果が顕れ始める濃度、すなわち、希釈した吹込みガス濃度下限は0.05vol%である。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。
好ましい範囲(1): 2.2vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(2): 1.7vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(3): 1.3vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(4): 0.4vol%〜0.05vol%
Cガスにおいては、燃焼下限濃度は5.0vol%であり、75%に希釈した吹込みガス濃度上限は3.8vol%、60%に希釈した吹込みガス濃度上限は3.0vol%、25%に希釈した吹込みガス濃度は0.9vol%である。吹込みこの効果が顕れ始める濃度、すなわち、希釈した吹込みガス濃度下限は0.24vol%である。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。
好ましい範囲(1): 5.0vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(2): 3.8vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(3): 3.0vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(4): 0.9vol%〜0.24vol%
LNGにおいては、燃焼下限濃度は4.8vol%であり、75%に希釈した吹込みガス濃度上限は3.6vol%、60%に希釈した吹込みガス濃度上限は2.9vol%、25%に希釈した吹込みガス濃度は0.9vol%である。希釈した吹込みガス濃度下限は0.1vol%である。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。
好ましい範囲(1): 4.8vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(2): 3.6vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(3): 2.9vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(4): 0.9vol%〜0.1vol%
高炉ガスにおいては、燃焼下限濃度は40.0vol%であり、75%に希釈した吹込みガス濃度上限は30.0vol%、60%に希釈した吹込みガス濃度上限は24.0vol%、25%に希釈した吹込みガス濃度は7.6vol%である。希釈した吹込みガス濃度下限は0.24vol%である。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。
好ましい範囲(1): 40.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(2): 30.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(3): 24.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(4): 7.6vol%〜1.25vol%
次に、表2は、Cガス、LNG、Bガスの燃焼成分としての水素、CO、メタン、エタン、プロパンの含有量と発熱量を示したものである。
Figure 0004605142
Figure 0004605142
以下に、本発明に係る焼結鉱の製造方法を開発する契機となった実験結果について説明する。
この実験は、図6に示す実験装置、即ち、透明石英製窓つき竪型管状の試験鍋(150mmφ×400mmH)を用い、使用する気体燃料として、高炉ガス・コークス炉ガスの混合ガス(Mガス)を用い、出願人会社の焼結工場で使用しているのと同じ焼結原料、即ち、表3に示す焼結原料を使って、下方吸引圧力11.8kPa一定の条件で操業した例である。ここで、前記Mガスの燃焼成分の濃度は、空気で希釈して、0.5vol%〜15vol%の範囲内で変動させた例である。なお、この実験に用いたMガスの燃焼下限濃度は12vol%である。
Figure 0004605142
この図6はまた、前記透明石英窓からビデオ観察した様子、とくに燃焼前線の移動に伴う下降状況を示している。図6からわかるように、試験鍋内原料堆積層中に、燃焼下限濃度(12vol%)を超える15vol%のMガスを含む気体燃料を吹き込んだ場合、気体燃料は装入層表面ですぐに燃焼を開始し、装入層の下層にまでは届かず吹込みの効果が少なかった。これに対し、本発明に従い、前記気体燃料の燃焼下限濃度である12vol%の75%以下である3vol%まで空気で希釈した気体燃料を用いた場合、原料堆積層表面で燃焼するようなことがなくなり、装入層内深く、即ち、燃焼・溶融帯相当域まで到達した。その結果、大気中で焼結したときの、燃焼帯(燃焼・溶融帯とも呼ぶ)の厚みは70mmであったのに対し、この例では、燃焼帯の厚み幅を150mm、即ち2倍以上に拡大させることができた。すなわち、燃焼帯の厚み拡大は高温保持時間の延長が達成されているにほかならない。
しかも、この試験鍋による実験において、実機焼結機におけるパレットの移動に伴う燃焼前線の進行に当る、燃焼帯の降下速度(この逆数が焼結時間である)は、希釈気体燃料の供給によって速くなり、コークスを増量したときや高温空気を吹き込んだときと同じように、燃焼帯の上下方向の厚み幅を拡大させることができた。このように、焼結原料の装入層中に適切に希釈された気体燃料を吹き込んだ場合、従来のような固体燃料、液体燃料、希釈しない可燃性ガスを使う場合と比較すると、この燃焼帯幅の拡大効果が著しくなり、しかも燃焼前線の降下速度も大気焼結の場合とほとんど変わらず同じ速度で進むことがわかった。
図7(a)〜(d)は、上記実験における焼結鍋試験結果をまとめたものである。この結果によれば、本発明に従って原料装入層中に適切に希釈されたMガスを吹き込んだ場合、焼結時間はほとんど変化しないにも拘らず、歩留が若干向上し(図7(a))、焼結生産性も増加した(図7(b))。しかも、高炉の操業成績に大きく影響する冷間強度の管理指標であるシャッター強度(SI)は10%以上(図7(c))も改善し、還元粉化特性(RDI)は8%も改善した(図7(d))。
本発明では、装入層中に供給する前記気体燃料として、希釈されたガスを用いるが、以下に、その希釈の程度について説明する。表4は、高炉ガス、コークス炉ガスおよび両者の混合ガス(Mガス)、プロパン、メタン、天然ガスの燃焼下限および燃焼上限を示している。例えば、このような燃焼限界をもつガスが、もし、装入層内で燃焼せずに排風機に向かうと、途中の電気集塵機などで爆発や燃焼の危険が生じる。そこで、発明者らは、試行錯誤の結果、上記危険がない限界、即ち、燃焼下限以下の濃度に希釈した気体燃料を使うこととし、しかも、さらに安全性を高めるべく、その燃焼下限濃度のさらに75%以下の濃度の気体燃料を用いたところ、数多くの実験では何の問題も生じないことが確認できた。
例えば、高炉ガスが燃焼する範囲は、表4に示すとおり、大気中常温において、燃焼下限が40vol%(即ち、40vol%未満では燃焼しない)であり、また、それの燃焼上限は71vol%である。これは、71vol%を超えると、高炉ガス濃度が濃くなりすぎて、この場合もまた燃焼しない状態となることを意味している。以下に、この数値の根拠について図面に基づき説明する。
Figure 0004605142
図8は、高炉ガスの前記燃焼限界を求める方法の一例を示すものである。図中の高炉ガスに含まれる燃焼成分(可燃性ガス)とその他(イナート:不活性ガス)の割合については、HとCOおよびCOとNとの組合せで検討すると以下のとおりである。
(1)「HとCO」部分の組合わせについての、(イナートガス)/(可燃性ガス)の比は、3.5/20.0=5.7である。
そこで、この燃焼限界図の(イナートガス)/(可燃性ガス)の比を示す横軸の、5.7の軸と交差するH+CO曲線の交わる部分(燃焼限界)を求めた。下限は32vol%、上限は64vol%となる。即ち、H+COの燃焼限界の下限は32vol%、上限は64vol%となる。
(2)一方、残りの燃焼成分である「COとN」の組合わせの場合における、(イナートガス)/(可燃性ガス)の比は、53.5/23.0=2.3であるから、同様にして、同図から横軸2.3と、CO+Nの曲線と交わる点から下限:44vol%、上限:74vol%が求まる。従って、この場合の燃焼限界の下限は44vol%、上限が74vol%である。
さらに、両燃焼成分を含む高炉ガスの燃焼下限は、下記の式で求めることができる。
燃焼下限=100/(23.5/32+76.5/44)≒40%
また、同式で前記(1)、(2)の上限値をあてはめれば燃焼上限が求まる。このようにして高炉ガスの燃焼下限ならびに燃焼上限を求めることができる。
また、本発明において、気体燃料の燃焼下限に着目したもう一つの理由は、以下のように説明される。図9は、大気中常温下における気体燃料の燃焼成分(燃焼ガス)濃度と温度との関係を示すものである。さて、燃焼限界は、上述のようにして求められるものの、該燃焼限界には温度依存性があって、一例を示すと、常温での燃焼下限値(図中では燃焼ガス濃度に相当)がおおよそ40vol%であっても、200℃領域では26〜27vol%と変化し、1000℃領域では数%、1200℃領域では1vol%未満でも燃焼することが知られている。
このことから装入層に供給する気体燃料の濃度(燃焼成分の含有量)は、常温の燃焼下限よりもさらに低くした安全な領域まで希釈して供給すれば安全であり、その希釈ガスの濃度さえ調整しておけば、装入層内の厚み方向(温度分布)での燃焼位置調整の自由度も高くなることがわかった。
そして、気体燃料の燃焼には、このように、温度依存性があり、例えば、燃焼範囲は雰囲気温度が高温になればなるほど広がり、焼結機の燃焼・溶融帯近傍の温度場ではよく燃焼するものの、焼結機の下流側にある電気集塵機内などの200℃程度の温度場では、本発明の好適実施例で示すような濃度では燃焼しないこともわかった。
ところで、焼結鉱の製造に当たって、焼結原料の装入層中に供給された前記気体燃料は、パレット下のウインドボックスによって吸引され、該装入層中の固体燃料(粉コークス)の燃焼により形成される燃焼・溶融帯の高温域で燃焼する。従って、気体燃料の供給は、装入層への投入熱量を一定にするという条件において、前記気体燃料の濃度や供給量などを調整すれば、焼結原料中の粉コークス量を調整(減少)することができるようになる。また、気体燃料の濃度調整は、この気体燃料の燃焼を装入層中の予期した位置(濃度領域)で起るように調整することを意味している。
この意味において、従来技術の下での装入層中の燃焼・溶融帯とは、固体燃料(粉コークス)のみが燃焼する帯域であるが、本発明の場合、その粉コークスに加えてさらに気体燃料も一緒に燃焼させる帯域ということができる。従って、本発明において、その気体燃料の濃度や供給量、その他の供給条件は、燃料の一部として粉コークスがあることを前提として、これとの関係において好適に変化させると、最高到達温度および/または高温域保持時間の望ましい調整が可能となり、焼結ケーキの強度向上をもたらすことになる。
本発明方法において、希釈された気体燃料を用いるさらにもう一つの理由は、上述した焼結・溶融帯の形態調整を通じて焼結ケーキの強度、歩留りを調整するためでもある。それは、この焼結ケーキを高温帯域(燃焼・溶融帯域)にどれくらいの時間保持するか、また、どれくらいの温度にまで到達させるかという調整を行う上で、この希釈気体燃料の役割が有効に機能するからである。言い換えると、前記気体燃料の使用は、焼結原料の高温域保持時間が長くかつ最高到達温度が適度に高くなるように調整することを意味している。そして、このような調整は、焼結原料中の固体燃料量(粉コークス量)に応じ、燃焼雰囲気中で支燃性ガス(空気または酸素)の量が過不足を起さないように希釈調整された前記気体燃料を用いることを意味している。この点、従来技術では、焼結原料の固体燃料量と無関係に、しかも可燃性ガスを濃度調整することなしに吹き込むために、固体燃料量や可燃性ガスの量に見合う支燃性ガス(酸素)の不足を招いて燃焼不良を起すとか、逆に部分的に過燃焼を起して、強度のバラツキを招いていたのである。即ち、本発明は、気体燃料を希釈濃度調整して用いることで、このような問題点が回避できるのである。
次に、気体燃料の種類毎に希釈して供給した希釈気体燃料の影響について示す。図10は、従来焼結法(気体燃料の吹込みなし)と、燃焼下限以下に希釈した気体燃料を使用した本発明焼結法との比較実験の条件および結果を示すものである。希釈気体燃料吹込みをしない従来焼結法は、粉コークス5%使用の例であり、本発明に従う希釈気体燃料の吹込み例では、粉コークス0.8%相当の希釈気体燃料を吹込んで総熱量一定とするために粉コークス添加量は4.2mass%とした例を示す。希釈気体燃料使用例はいずれにおいても、シャッター強度、成品歩留、生産性の向上が認められた。なお、希釈気体燃料使用例において、シャッター強度、成品歩留等が向上した理由は、燃焼状況として示した燃焼・溶融帯の拡大に起因するものと考えられ、高温域保持時間が延長された結果として現れていることがわかった。
図11は、気体燃料として、プロパンガスとCガスとを用いた場合の吹きこみガス濃度の影響を示す図であり、希釈気体燃料の濃度と、シャッター強度(a)、歩留(b)、焼結時間(c)、生産率(d)との関係を示したものである。この図に明らかように、プロパンガスの場合、これを希釈気体燃料として使用する場合は、シャッター強度向上のためには0.05vol%の添加で効果が生じ、歩留りもほぼ同様な改善効果を示す。明確な作用効果が出るのは、プロパンガスでは0.1vol%から、好ましくは0.2vol%であり、Cガス換算では0.24vol%の添加で効果を生じ、好ましくは0.5vol%以上、明確な改善効果は1.0vol%以上である。したがって、プロパンガスでは、少なくとも0.05vol%以上、好ましくは0.1vol%以上、より好ましくは0.2vol%以上となる。一方、Cガスでは、少なくとも0.24vol%以上、好ましくは0.5vol%以上、より好ましくは1.0vol%以上であり、上限は燃焼下限濃度の75%以下である。なお、プロパンガスの場合、0.4vol%の添加でほぼ効果は飽和しており、この時のガス濃度は、燃焼下限濃度の25%に相当する。
次に、本発明方法に従って、焼結原料中の炭材量を考慮して、前記気体燃料の供給を行って製造した焼結鉱の冷間強度と還元粉化特性(RDI)について説明する。「鉱物工学」(今井秀喜、武内寿久禰,藤木良規編、1976、175、朝倉書店)によると、焼結反応の模式図は、図12に示すようにまとめられる。また、表5に、焼結過程で生成する各種鉱物の引張強度(冷間強度)と被還元性の値を示す。図12から明らかなように、焼結過程では、1200℃で融液が生成し始め、焼結鉱の構成鉱物の中で最も高強度であり、被還元性も比較的高いカルシウム−フェライトが生成する。さらに昇温が進んで約1380℃を超えると、冷間強度と被還元性とが最も低い非晶質珪酸塩(カルシウムシリケート)と、還元粉化しやすい二次ヘマンタイトとに分解することとなる。したがって、焼結鉱の冷間強度の向上とRDIを改善するには、カルシウム−フェライトを分解させずに、これを安定的に生成させ続けられるかどうかが課題となる。
Figure 0004605142
また、上記刊行物「鉱物工学」の説明によると、焼結鉱の還元粉化の起点となる二次ヘマタイトの析出挙動については、図13に示すように説明している。その説明によると、鉱物合成試験の結果、還元粉化の起点となる骸晶状二次ヘマタイトは、Mag.ss+Liq.域まで昇温し冷却したのちに、析出するため、状態図上では、(1)経路でなく、(2)経路を介して焼結鉱を製造することで、還元粉化性を抑制できるとしている。したがって、低RDI焼結鉱と高強度焼結鉱を製造するには、1200℃(カルシウム−フェライトの固相線温度)と約1380℃(転移温度)の範囲内に、如何にして長時間保持したヒートパターンを装入層内において実現するかが重要である。従って、添加する炭材量を気体燃料の供給により調整する装入層最高到達温度は1200℃超え1380℃未満とするものであり、1205〜1350℃の範囲とすることが好ましいことがわかる。
次に、発明者らは、燃焼帯の幅と希釈燃料ガスとの関係を知るために、透明石英製窓つき竪形管状の試験鍋を用い、焼結機クーラーの排ガスで希釈したプロパンガスを、この鍋の上方から焼結原料の装入層中に吹き込む実験を行った。この実験で使用した焼結原料は、出願人会社で使用している一般的なものであり、吸引圧力は1200mmHO一定とした。この実験で、吹込みプロパンガスの濃度は、0.5vol%と2.5vol%に希釈したものである。なお、投入熱量換算では、プロパンガス0.5vol%吹込みで、粉コークス1mass%配合にほぼ相当するものである。
図14は、この実験におけるプロパンガス吹込み時の燃焼帯の観察結果を示す写真である。この図に示すように、濃度2.5vol%に希釈したプロパンガスでは、吹込み直後に原料装入層上で燃焼し、気体燃料が装入層内に入っていかず効果がなかった。これに対し、プロパンガスの希釈の程度が空気に対して0.5vol%濃度のものを用いると、装入層上部で燃焼することなく、該装入層内まで入っていき、しかも該装入層内で速い速度で燃焼した。その結果、大気条件で焼結したときの燃焼帯の上下方向幅は約70mmであったのに対し、このような希釈プロパンガスの吹込み時では、燃焼帯の幅(即ち、高温域保持時間に相当)が、150mmまでの2倍以上に拡大した。
したがって、燃焼帯厚みの拡大の効果は、プロパンの燃焼下限濃度2.5vol%(理論値、対空気)の1/5の濃度である0.5vol%でも発現することがわかった。逆に、本発明にかかる気体燃料吹込み技術では、希釈された気体燃料でないと、装入層内における燃焼調整が困難であることもわかった。
さらに、この実験において、燃焼帯の降下速度(この逆数が高温域保持時間)についても検討したが、その結果、単にコークスを増量した場合や高温の空気を吹き込んだ場合には、降下速度が大きく低下して、生産性が低下するが、希釈した気体燃料を用いた場合、固体燃料の使用例と比較して燃焼速度が格段に速くなるために、燃焼帯の降下速度は大気焼結の場合ほとんど差異が認められなかった。
次に、発明者らは、希釈気体燃料の吹込み位置の影響について調査した。
この実験の仕様を表6に示す。実験No.1は、焼結原料中のコークス:5mass%配合の現状のベース条件、実験No.2は、粉コークスの割合を1mass%低下させて4mass%とし、その代わりにプロパンガス0.5vol%吹き込んだ投入熱量一定条件、実験No.3は、粉コークス10mass%配合した条件、実験No.4は、保熱炉(特開昭60−155626号公報)との差異を検証する目的で450℃の高温ガスを吹き込む条件である。
Figure 0004605142
図15は、その結果を示したものであり、気体燃料としてコークス炉ガス(Cガス)を2%に希釈して用いた例である。この図は、気体燃料の吹込みを行ったときの、その吹込み位置と、成品焼結鉱シャッター強度や成品歩留との関係を調査した結果を示すものである。希釈気体燃料の吹込み位置は、装入層表面から100〜200mmの位置、200〜300mmの位置、300〜400mmの位置とした。この図に示す結果からわかるように、吹込み位置100〜200mmにおいては、図中、明るく(白く)示される燃焼・溶融帯が100mm位置に移動してから、その試験鍋上方より、希釈気体燃焼を供給し、100〜200mmに位置する間、燃焼・溶融帯において希釈気体燃料を燃焼させたものである。また同様に、200〜300mm位置においては、燃焼・溶融帯が200mm位置に達した段階から、試験鍋上方より希釈気体燃料を供給し、そして300〜400mm位置においても同様に、燃焼・溶融帯が300mm位置に達した段階から希釈気体燃料を供給するようにして行ったものである。なお、参考までに従来法の希釈気体燃料の吹込みを行わない時の前記各層位置の燃焼・溶融帯も示している。
また、試験鍋の燃焼用空気の供給は、通常の焼結操業と同様に上方から下方に流れるもので、気体燃料添加時は、この燃焼用空気に気体燃料が所定濃度になるように添加され、供給される。
図15中、燃焼・溶融帯が、明るく(白く)示されているように、100〜200mm領域では、従来法に比べわずかに厚くなったような程度にとどまっている。200〜300mm領域では、従来法に比べ明確に燃焼・溶融帯の厚みが増しており、300〜400mm領域も従来法に比べ明確な差を有していることがわかる。
以上のことから、希釈気体燃料吹込み効果は、装入層表面から200mm以下の領域となる、焼結機のパレット上の燃焼・溶融帯の部分に、気体燃料の供給が行われることが好ましく、気体燃料使用コストの低減を図ることもできる。そして、装入層表面から200mm未満の領域については、むりに気体燃料を供給しなくても、200mm以下の領域に供給したときの焼結鉱のシャッター強度が大幅に上昇することから、成品焼結鉱歩留を全体として向上させることができる。
図16は、装入層表面から200mmまでの上層部と、200mm以下の中、下層部の燃焼状況を模式的に示したものである。この図に示した矢印Aは、焼結の進行方向(燃料方向)を示し、図16(a)は上層部(<200mmまで)における粉コークスと気体燃料との燃焼位置を示している。この場合、粉コークスの燃料により形成される燃焼帯が装入層の上部では元々狭く、この粉コークスの燃焼帯と、この燃焼帯域で燃焼する気体燃料の燃焼点とが互いに接近しているため、同図の右側に記載したような温度パターンとなる。なお、この温度分布において、粉コークス(固体燃料)の燃焼域をハッチング部分として示してあり、その上方で燃焼する気体燃料の温度域を非ハッチング部分として示してある。この図からわかるように、装入層上部では、コークスと気体燃料との燃焼が同時期に起るため(両者が互いに接近して燃焼することになる)、図中のT、Tで示す間の高温域保持時間(約1200℃相当)が図示のように狭いものになる。すなわち、ハッチング部分で示すコークス燃焼域がわずかに拡大する程度の温度分布となる。このことは、装入層中への前記気体燃料の供給は、燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上になってから行うことが好ましいとしたように、元々の高温域保持時間が狭い時、気体燃料の吹込み効果が低いとしたことと一致する。一方、図16(b)は、中層、下層部分に気体燃料を供給した場合であり、中層、下層域では燃焼帯が上層から下方へ移行するに従って装入層の温度上昇もあって、燃焼帯幅が拡大し、図16(a)の場合よりも離れた位置で燃焼するようになる。その結果、図16(b)の右側に示すような温度分布となる。即ち、気体燃料の燃焼点は、ハッチングして示す固体燃料(コークス)燃焼点より離れているため、合成された温度分布曲線はすそ野の大きい温度分布になる。従って、T、Tで示される固体燃料と気体燃料の燃焼に基づく高温域保持時間が延長されて、得られる焼結鉱のシャッター強度が向上するのである。
なお、図16(b)のケースにおいて、高温域保持時間を調整するための気体燃料の着火温度は、400℃〜800℃が好ましく、より好ましい着火温度は500〜700℃である。この理由は、着火温度を400℃未満にすると、高温域の拡大につながらず、単に低温域分布を拡大することに止まり、一方、800℃を超えると固体燃料の燃焼による高温域保持時間に接近しすぎて、高温域保持時間の延長の効果が小さいためである。
次に、希釈気体燃料を供給して装入層中の最高到達温度(層内温度)を調整する方法の一例を説明する。図17は、焼結時における層内温度分布の様子を模式的に示すものである。この図は、従来焼結法における温度分布例を固体燃料(粉コークス)5mss%添加を基準として、本発明に係る焼結法を説明するものである。例えば、コークス5mss%添加による焼結操業において、従来焼結法を曲線aで示す。一般に、高温域保持時間の延長のためには、粉コークスの使用量を増加させることが有効であり、例えば、図示のように、粉コークスを10mss%添加した場合を破線a’で示すが、層厚で示される高温域保持時間は(0−A)から(0−B)に拡大するものの、最高温度も約1300℃から約1370℃〜1380℃まで上昇することになり、低RDI焼結鉱でかつ高強度焼結鉱を得ることはできなくなる。
この点、本発明法に従う焼結操業方法では、粉コークスの使用量を4.2mass%に抑える一方で、希釈Cガスを吹込むため、最高到達温度は1270℃に抑えることができると同時に、高温域保持時間は(0−C)に拡大するため、従来法では実現できなかった低RDI、高強度焼結鉱の製造という当初の目的を十分に果すことができるようになる。
要するに、従来焼結法は、高温域保持時間か最高温度調整のいずれか一方に着目した操業方法であった。この点、本発明法は、粉コークス使用量の調整(例えば、4.2mass%に抑制)の下で、最高到達温度を(1205〜1350℃)調整する一方、希釈気体燃料の吹込みにより、高温域保持時間をも調整する操業方法である。なお、図16の曲線dは、固体燃料使用量を単に4.2mass%に下げた例を示すものであり、最高到達温度も低く、高温域保持時間も短い。
図18は、従来焼結法として粉コークス5mass%を用いた例を示し、本発明の適合例として、粉コークス使用量を4.2mass%として濃度を2.0vol%にした希釈Cガス吹込みを併用した例を示す。この図のサーモビアからわかるように、従来法では、高温域保持時間を維持するため、1400℃を超える燃焼状況が生じた。一方、粉コークスの使用量を4.2mass%にとどめ、濃度2vol%のCガス吹込みを行った場合、1400℃領域はなくなり、最高到達温度は1350℃以下に抑えることができると同時に、高温域保持時間の延長が実現できる状況になった。
図19は、投入熱量一定条件時における、希釈されたプロパンガスの吹込みによる、装入層内温度(a)、排ガス温度(b)、通過風量(c)、排ガス組成(d)の経時変化を示すものである。ここで、装入層内温度は、上記試験鍋において、グレートバーからの高さ200mm(装入層厚:600mm)の位置に装入した熱電対で測定した値である。また、試験鍋の円周方向で中心部と壁から5mmの2箇所で測定した。これらの図から、希釈したプロパンガスを吹き込むことで、1200℃以上に加熱された焼結原料が溶融している時間(以下、「高温域保持時間」という)は2倍以上増加しているが、最高到達温度は上昇していないことが確認された。また、希釈はプロパンガスを吹き込むことで、排ガス中の酸素濃度が低下しており、酸素が効率的に燃焼反応に寄与したものを推測される。
また、図20は、希釈されたプロパン吹込み(0.5vol%)時とコークスのみの増量(10mass%)時の、装入層内温度(a)、(a’)と、排ガス濃度(b)、(b’)の経時変化を対比して示したものである。これらの図より、粉コークスの使用割合を倍増させた場合、1200℃以上の高温域保持時間は、濃度0.5vol%に希釈されたプロパンガス吹込み時とほぼ同等であるが、最高到達温度が1350℃を超えていた。また、粉コークスの量を増加させることで、排ガス中のCO濃度が20vol%から25vol%に大きく上昇し、CO濃度も増加しており、粉コークスが燃焼に寄与する割合が低下していることが確認された。
図21は、これらの試験における各種の特性試験結果をまとめたものである。この図に明らかなように、希釈されたプロパンガス吹込みにより焼結時間が若干延長するものの、歩留やシャッター強度、生産率がともに改善されるとともに、還元粉化性(RDI)も被還元性も大きく改善され、希釈気体燃料の吹込みを適正化することにより、生産率や歩留の改善の他、焼結鉱の高品質化が可能になることが確認された。
これに対し、単に粉コークスのみを10mass%まで増加させた場合は、焼結時間が延長するだけでなく、最高到達温度が必要以上に上昇するために、却って低強度の非晶質珪酸塩が多く生成し、シャッター強度と歩留の何れも大きく低下した。また、450℃保熱炉のケースでは、シャッター強度と歩留の改善効果が小さく、これまでの商業設備における結果とほぼ一致した。
以上説明したことからわかるように、希釈された気体燃料を用いる場合、このガスが装入層内で燃焼して、該層内の燃焼帯の拡大をもたらすと同時に焼結原料中のコークスによる燃焼熱と、希釈されたプロパンガスの燃焼熱との相乗的な作用により、広い燃焼帯が形成される。その結果、最高燃到達温度が過剰に上ることなく、一方で高温域保持時間については、供給される希釈ガスの燃焼によって延長される。
次に、発明者らは、希釈された気体燃料の吹き込みによる成品焼結鉱の被還元性、冷間強度等への影響について、従来法(5mass%、10mass%コークス、熱風吹込み)と対比して調査した。測定した項目は、成品焼結鉱中の鉱物組成割合(冷間強度と被還元性に影響)、見掛け比重(冷間強度に影響)、0.5mm以下の気孔径分布(被還元性に影響)である。
まず、図22は、粉末X線回折法によって定量化した、成品焼結鉱中の鉱物相の組成割合を調査した結果を示している。この図より、投入熱量一定(コークス4maa%+プロパン0.5vol%)として固体燃料と希釈プロパンガスを併用した場合、カルシウム−フェライトが安定して生成し、これが被還元性の向上と冷間強度の増加をもたらしたと考えられる。
図23は、成品焼結鉱の見掛け比重の測定結果を、そして、図23は、水銀圧入式ポロシメーターによる0.5mm以下の気孔径分布の測定結果を示すものである。図22より、希釈されたプロパンガスの吹込みにより、造粒粒子外側からの加熱が行われる結果、融液流動が促進され、0.5mm以上の気孔率(見掛け比重)が低下し、これが冷間強度向上の要因と考えられる。また、図24より、投入熱量一定で希釈プロパンガスを吹き込むことにより、焼結原料粒子中の熱源が減少することで、被還元性に影響を及ぼす鉱石由来の500μm以下の微細気孔が残留しやすくなり、高被還元性焼結鉱の製造が可能となったと考えられる。
図25は、コークスのみ使用時(a)と希釈気体燃料併用吹込み時(b)の焼結挙動の模式図を示すものである。この図に示すように、従来のコークスのみを利用する焼結では、粉コークス燃焼による擬似粒子内部から加熱していたのに対し、本発明にようなコークス+気体燃料の併用方法では、気体燃料の燃焼により擬似粒子外部から加熱されるようになるため、鉱石内の微細気孔が残留しやすく、RDIが低い割にJIS−RIも比較的高位に推移できるものと推察される。
図26は、希釈した気体燃料吹込み時の焼結鉱の気孔構造の模式図を示す。この図に示すとおり、焼結鉱の生産性の向上には、歩留と冷間強度に影響を及ぼす0.5〜5mm気孔の合体を促進し、その数を減少させ、通気性に影響を及ぼす5mm以上の気孔の割合を増加させることが有効である。また、焼結鉱の被還元性の向上には、主に鉄鉱石内に存在する0.5mm以下の微細気孔を多く残留した気孔構造にすることが望ましいことがわかる。この点、本発明によれば、希釈した気体燃料吹込みにより、理想的な焼結鉱の気孔構造に近づけることが可能であると考えられる。
図27は、必要な冷間強度を維持できる限界コークス比(限界コークス比とは、シャッター強度が希釈されたプロパンガス不使用の際の最大値である73%と同等となるコークス比である。)を把握する試験の結果を示すものである。この図に示すように、希釈されたプロパンガス吹込みにより(濃度0.5vol%)、現状と同じ冷間強度(シャッター強度73%)を得るためのコークス比は、図27(a)に示すように、5mass%から3mass%に低減(約20kg/t)できる。また、図27(b)、(c)に示すように、73%歩留りおよび1.86の生産率を得るためコークス比はそれぞれ5mass%から3.5mass%に低下することが明らかである。
以上説明したところから明らかなように、本発明は、パレットの進行に伴って、燃焼・溶融帯が装入層の表層から下層へ移る間に、炭材量に応じて適切に希釈された気体燃料を適所を選んで供給することにより、装入層内の燃焼・溶融帯の機能を拡大するような作用を生じさせることができ、焼結鉱品質の改善、生産性の向上を図ることができる。
(1)実施例1:図6に示す試験鍋を用いて希釈した気体燃料(1〜2.5vol%)として、コークス炉ガス(Cガス)を用い、原料中の炭材(コークス)量5mass%とした焼結鍋試験を行った。その他の条件は上述した実験条件(0037段落)と同一とした。その結果を図28に示す。この図に示すとおり、本発明法に従い希釈したCガスを使用するとき、そのCガスの濃度を上げると、燃焼帯幅の拡大が顕著で、しかも歩留りや生産率が向上すると共に、冷間強度(SI)も改善できることがわかった。
(2)実施例2:実施例1と同じ条件で試験をした。その結果を図29に示す。この図に示すとおり、本発明法に従い希釈したプロパンガス(0.02〜0.5vol%)を使用するとき、そのCガスの濃度を上げると、燃焼帯幅の拡大が顕著で、しかも歩留りや生産率が向上すると共に、冷間強度(SI)も改善できることがわかった。
(3)実施例3:この実施例は、図6に示す試験鍋を用い、希釈ガス吹込みのない例との対比でクーラー排ガスで希釈したコークス炉ガス(Cガス)を、この鍋の上方から表7に示す焼結原料(返鉱20mass%を含む)の装入層中に吹込んだ例である。
この実施例において、焼結層中は、粉コークスを4.8〜5.0mass%(外数)を含み、本発明適合例として、濃度1.0〜2.0vol%(対空気)のCガスを、吸引圧力1200mmAq(差圧1000Aq)の条件で、装入層表面から100〜400mm(全厚600mm、差厚は最下層に返鉱200mmを積層)の位置に吹込んだ例である。なお、前記吹込み位置は、DL焼結機の全長を80mとした場合、これを全高600mmに当てはめると、試験No.2の吹込み位置100〜200mmは、80(m)×100〜200/600(mm)=13.3〜26.6(m)の位置に、13.3m長さの希釈ガス吹込みフード12を設置して焼結機の操業を行った例に相当するものである。従って、試験No.2の吹込み位置200〜300mmの例は、焼結機パレト上の点火炉後方の約26.7〜39.7mmの位置に、やはり13.3m長さの希釈ガス吹込みフード12を設置して、ガス吹込みを行った場合に相当するものである。
Figure 0004605142
表8は、この実施例(No.1〜No.7)の実施結果を示すものである。この実施結果から判るように、焼結鉱の冷間強度(SI強度)や歩留は、比較例となるNo.1に比べ、本発明の適合例を示すNo.2〜No.7ともに高くなっており、とくに、装入層の中段に吹込み位置がくる例(No.3、4、6、7)において改善が著しいことがわかる。また、コークス量を下げて吹込みガス量の濃度を上げるよりも、一定のコークス量(4.8mass%)の下で吹込みガス濃度を1vol%に調整した方が生産率が高くなることがわかった。また、焼結鉱の品質については、還元率(RI)、還元粉化率(RDI)ともに、吹込み位置200〜300mmの装入層の中段に影響を及ぼすような吹込み方が、最も効果的であることがわかった。
Figure 0004605142
(4)実施例4:この実施例は、本発明に係る焼結鉱の製造方法を日産1万トン規模のDL型焼結機で適用した例を説明するものである。使用したDL焼結機の機長は、点火炉から排鉱部まで90mである。この焼結機の点火炉の後方約30mの位置に、長さ(パレット移動方向)15m、機幅全体をカバーする大きさのガス吹込みフードを設け、気体燃料としてコークス炉ガス(Cガス)を用いた。とくに、この焼結機の原料の装入層の上層部分をターゲットとすることなく、装入層層厚600mmの条件で装入層厚さ方向の表層から200mm相当まで進行した燃焼・溶融帯が存在する位置から300mm相当位置に、常温の空気で希釈して濃度2vol%としたCガスを供給した。この吹込みCガスは、焼結機パレット下方のウインドボックスの吸引負圧調整により、焼結層を通して前記の位置に達して燃焼・溶融帯で燃焼されるようにした。なお、前記ガス吹込みフード内は大気圧によりわずかに正圧とし、前記ウインドボックスの吸引負圧とバランスさせた。このときのCガス使用量は3,000m(標準状態)/hであった。
この焼結機の操業、結果、タンブラー強度は全体として、通常操業のときよりも約3%向上し、RDIも通常操業のレベルよりも約3%改善し、RIは通常操業のときより約4%改善された。しかも、生産率は0.03t/hr・m増加した。
本発明は、製鉄用、とくに高炉用原料として使われる焼結鉱の製造技術として有用であるが、その他の鉱石塊成化技術としても利用できる。
焼結プロセスの説明図である。 焼結層内における圧損と温度分布のグラフである。 高生産時と低生産時の温度分布のグラフである。 焼結機内における温度分布と歩留分布のグラフである。 本発明に基づく気体燃料吹込みプロセスの説明図である。 本発明方法についての実験結果を示す試験鍋内燃焼溶融帯の推移を示す図(写真)である。 焼結鍋試験結果についての比較グラフである。 気体燃料の燃焼限界の計算方法を説明する図である。 燃焼の温度依存性を示す説明図である。 気体燃料吹込み時のガス種の影響を示す図である。 吹込みガス濃度とシャッター強度、歩留、焼結時間、生産との関係を示す説明図である。 焼結反応の模式図である。 骸晶状二次ヘマタイトの生成過程の模式図グラフである。 希釈プロパン吹込み時の燃焼限界の観察図(写真)である。 吹込み位置の影響を示す図である。 吹込み位置の影響を示す図である。 焼結時における層内温度分布の説明図である。 吹込み位置の影響を検証した結果の説明図である。 希釈プロパン吹込み時の装入層温度(a)、排ガス温度(b)、通過風量(c)、排ガス組成(d)の経時変化のグラフである。 希釈プロパン吹込み時とコークスのみの増量時の装入層内温度(a)、(a’)、排ガス温度(b)、(b’)の経時変化のグラフである。 各種吹込み条件下における焼結特性試験験結果を示すグラフである。 各種吹込み条件下における鉱物組成割合の変化を示す比較グラフである。 成品焼結鉱の見掛け比重の変化を示すグラフである。 成品焼結鉱中の0.5mm以下の気孔径分布グラフである。 コークスのみ使用時(a)と、気体吹込み時(b)の焼結挙動の模式図である。 希釈ガス吹込み時の気孔構造の模式図である。 冷間強度を維持できる限界コークス比の把握実験結果のグラフである。 実施例1の結果を示す図(写真)である。 実施例2の結果を示す図(写真)である。
符号の説明
1 原料ホッパー
2 ドラムミキサー
3 ロータリーキルン
4、5 サージホッパー
6 ドラムフィーダー
7 切り出しシュート
8 パレット
9 装入層
10 点火炉
11 ウインドボックス
12 気体燃料供給装置

Claims (12)

  1. 循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して、パレット上に炭材を含む装入層を形成させる装入工程;
    装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程;
    予め燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層の上から供給して、装入層内で前記気体燃料を燃焼させる気体燃料燃焼工程;
    パレット下に配置されたウインドボックスにて空気を吸引することにより、装入層中の炭材を燃焼させ、発生する燃焼熱によって、焼結ケーキを生成させる焼成工程;
    を有する焼結鉱の製造方法において、
    焼結原料中の炭材量を変えることによって、燃焼・溶融帯における最高到達温度を1200℃超え1380℃未満の温度に保持するとともに、装入層内に供給する希釈気体燃料の濃度を変えて焼結ケーキ中で燃焼させることによって、燃焼・溶融帯が1200℃以上に保持される高温域保持時間の延長を図ることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記希釈気体燃料を焼結ケーキの400〜800℃の温度範囲において燃焼させることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記希釈気体燃料は、燃焼下限濃度の25%以下かつ2%以上の濃度に希釈された可燃性ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法
  4. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、少なくともその一部が未燃焼のままで、装入層中の燃焼・溶融帯にまで到達するようにして燃焼させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層内において燃焼させることによって、燃焼・溶融帯の上下方向の厚み幅および/またはパレット移動方向の幅を拡大させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を装入層内において燃焼させることによって、燃焼・溶融帯の高温保持時間を延長させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  7. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、点火炉以降の位置で供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  8. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、装入層の表層部で焼結ケーキが生成されてから焼結が完了するまでの間に供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  9. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上となる領域において供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  10. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、燃焼前線が表層下の100mmに達した位置以降で供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  11. 前記気体燃料燃焼工程では、燃焼下限濃度以下に希釈された気体燃料を、装入層の両サイドウオール近傍に供給することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
  12. 前記気体燃料は、高炉ガス、コークス炉ガス、高炉・コークス炉混合ガス、プロパンガス、天然ガスとメタンガスからなるグループから選択された少なくとも一つのガスであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
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