JP5453788B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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「鉱物工学」(今井秀喜、武内寿久禰,藤木良規編、1976、175、朝倉書店)によれば、焼結反応は、図6の模式図のようにまとめられる。また、表1には、焼結過程で生成する各種鉱物の引張強度(冷間強度)と被還元性の値を示した。図6からわかるように、焼結過程では、1200℃で融液が生成し始め、焼結鉱の構成鉱物の中で最も高強度で被還元性も比較的高いカルシウムフェライトが生成する。さらに昇温が進んで約1380℃を超えると、冷間強度と被還元性が最も低い非晶質珪酸塩(カルシウムシリケート)と、還元粉化しやすい二次ヘマタイトとに分解する。したがって、焼結鉱の冷間強度および被還元性のいずれにも優れた焼結鉱を安定して得るには、焼結過程において1200℃以上の温度で得られたカルシウムフェライトを、カルシウムシリケートと二次ヘマタイトとに分解させないことが重要なポイントとなる。
したがって、還元粉化性(RDI)に優れかつ高強度で被還元性に優れる焼結鉱を得るためには、焼結時における装入層内の最高到達温度を1380℃超えとすることなく、装入層内の温度を1200℃(カルシウムフェライトの固相線温度)〜1380℃(転移温度)の範囲に制御する必要がある。
表2は、メタン、エタン等の気体燃料および製鉄業において使用されている気体燃料(コークス炉ガス(Cガス)、高炉ガス(Bガス))の燃焼下限濃度、燃焼上限濃度、含有燃焼成分等を示したものである。なお、都市ガスは、LNGを主原料としており、LNGの主成分はメタンである。したがって、都市ガスはメタンとほぼ同じ特性を示す。焼結原料の装入層上に供給する気体燃料の濃度は、爆発や火災(着火)を防止する観点からは、燃焼下限濃度より低いか、あるいは、高い濃度であることが必要である。この点、メタン(都市ガス、LNG)、エタン、プロパン、ブタンおよびCガスは、燃焼上限温度が低く、高濃度で供給した気体燃料の燃焼を防止するのに好ましい特性を有している。なお、都市ガス(LNG、メタン)は、Cガスと燃焼下限濃度が近似しているが、熱量がCガスよりも高いことから、少量でも高い燃焼熱を得ることができる点で有利である。さらに、都市ガス(LNG、メタン)は、COを含まないので、ガス中毒を起こすおそれもない。したがって、都市ガス(LNG、メタン)は、本発明において使用する気体燃料として、好ましい特性を有するものであると言える。
本発明では、装入層の上方で大気中に供給した燃焼上限濃度(過濃可燃限界濃度)を超える高濃度の気体燃料を、高濃度のまま装入層表面まで到達させて、装入層内に導入し、その後、装入層内でウインドボックスによって、上記気体燃料と共に吸引した空気と混合させて燃焼範囲の濃度とし、装入層内の所定の位置で燃焼させる必要がある。
なお、上記気体燃料供給配管およびノズルの間隔は、気体燃料を燃焼させる位置が装入層の上層、中層および下層のいずれであるかを考慮して決定するのが好ましい。例えば、装入層表面から深い位置で気体燃料を燃焼させる場合には、装入層内で気体燃料の空気との混合・希釈が期待できるので、上記間隔を広げることもできる。
ここで、上記レイノルズ数は、下記式;
で表される。なお、U:代表速度(m/sec)、D:焼結機のパレット幅(m)、ν:動粘性係数(m2/sec)である。
ここで、上記フルード数は、下記式;
で表される。なお、U:流動場の代表流速(m/sec)、L:ノズル内径(m)、g:重力加速度(m/sec2)である。
本発明の焼結機は、ウインドボックスによって吸引される空気によって、焼結原料中に含まれる炭材(コークス)を燃焼させると共に、気体燃料供給装置のフード内の大気中に気体燃料を供給し、上記空気と共に装入層内に導入して、装入層内の所定の位置で燃焼させることにより、焼結鉱を製造する設備である。上記気体燃料は、過濃可燃限界濃度を超える濃度で大気中に供給され、その濃度を維持したまま、装入層内に導入されるため、通常であれば、装入層上では燃焼を起こさない。しかし、何らかの原因で、気体燃料が装入層上で空気と混合し、可燃範囲にまで希釈された場合には、着火して燃焼を起こす可能性がある。気体燃料が燃焼を起こすと、気体燃料供給効果が失われる他、異常燃焼や爆発を招くおそれがある。さらに、気体燃料の燃焼によってウインドボックスによって吸引される空気中の酸素が消費されて、本来の焼結燃料である炭材の燃焼に必要な酸素が不足し、焼結不足を招くおそれもある。
ここで、本発明の気体燃料供給装置は、気体燃料供給配管が装入層表面から100mmの高さに、幅方向に400mmの間隔をもって13本、並列に配列され、そのそれぞれの配管には、口径が10mmφのノズルが、ウインドボックスによって吸引される空気の流れと同じ方向に向けて、100mmの間隔をもって取付けられており、各種の気体燃料を約0.8m/secの流速で噴出させた。なお、このときの焼結層表面上の吸引空気のレイノルズ数は300程度である。また、ノズル先のフルード数は、ガス流速が0.8m/secであるので、Fr=0.8÷√(0.8×0.01)≒3程度である。
また、従来タイプの発明の気体燃料供給装置は、気体燃料供給配管が装入層表面から500mmの高さに、幅方向に800mmの間隔をもって7本、並列に配列され、そのそれぞれの配管には、口径が1mmφのノズルが、100mmの間隔をもって取付けられており、このノズルからLNGガスを流速200m/secで噴出させた。なお、この場合のノズル先のフルード数は、Fr=200÷√(9.8×0.001)≒2000と、好ましい範囲を大きく上回っている。
また、参考例として、気体燃料を供給しないで炭材のみで焼結を行う場合についても調査した。
なお、焼結原料中に配合する炭材量は、気体燃料を供給しない場合は、5.0kg/t(焼結鉱)、気体燃料を供給する場合は、4.2〜3.4kg/t(焼結鉱)の範囲で変化させた。この炭材の削減量は、供給する気体燃料の燃焼熱に相当する量の約2〜4倍である。
2、3:ドラムミキサー
4:床敷鉱ホッパー
5:サージホッパー
6:ドラムフィーダー
7:切り出しシュート
8:パレット
9:装入層
10:点火炉
11:ウインドボックス(風箱)
12:カットオフプレート
13:焼結層表面吸引ガス流速測定センサー
Claims (8)
- 循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する装入工程と、
その装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程と、
装入層上方に配設された気体燃料供給配管から気体燃料供給装置のフード内の大気中に気体燃料を供給する気体燃料供給工程と、
パレット下に配置されたウインドボックスで上記気体燃料と空気を装入層内に吸引し、装入層内の炭材を燃焼させると共に、上記気体燃料を炭材燃焼後の装入層内で燃焼させて焼結鉱を得る焼結工程を有する焼結鉱の製造方法において、
上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給配管から、過濃可燃限界濃度を超える濃度の気体燃料を、鉛直下向き方向から片側20°以内の角度で大気中に供給し、層流状態で装入層表面まで到達させることを特徴とする焼結鉱の製造方法。 - 焼結層表面上の吸引空気レイノルズ数が1000以下、気体燃料吹き込みノズル修正フルード数が20以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
- 上記気体燃料供給工程では、装入層表面から30〜300mmの高さに配設された気体燃料供給配管に取付けられた口径が3mmφ以上のノズルから、流速3m/sec以下で気体燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
- 上記気体燃料供給工程では、装入層表面から30〜100mmの高さに配設された気体燃料供給配管に取付けられた口径が6mmφ以上のノズルから、流速0.5〜1m/secで気体燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
- 上記焼結原料中に配合される炭材を、供給される気体燃料の燃焼熱に相当する量以上削減し、焼結時の燃焼溶融帯の最高到達温度を1200〜1400℃の範囲に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
- 上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給装置のフード内に設置した着火検知器からの着火情報に基き、気体燃料の供給配管に設置した緊急遮断弁を閉じて気体燃料の供給を停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
- 上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給装置のフード内に設置した着火検知器からの着火情報に基き、気体燃料供給装置のフードに接続した消炎性ガス吹込配管からフード内に消炎性ガスを吹き込むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
- 上記気体燃料供給工程では、気体燃料の供給経路のいずれかの位置に消炎距離以下の部分を設けて気体燃料への着火を防止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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