JP5453788B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度高品質の焼結鉱を高歩留りで製造することができる下方吸引式焼結機による焼結鉱の製造方法に関するものである。
高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図1に示すような工程を経て製造される。焼結鉱の原料は、鉄鉱石粉や焼結鉱篩下粉、製鉄所内で発生した回収粉、石灰石およびドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などであり、これらの原料は、ホッパー1・・・の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出された原料は、ドラムミキサー2および3等によって適量の水が加えられ、混合、造粒されて、平均径が3〜6mmの擬似粒子である焼結原料とされる。この焼結原料は、その後、焼結機上に配置されているサージホッパー4、5からドラムフィーダー6と切り出しシュート7を介して、無端移動式の焼結機パレット8上に装入され、焼結ベッドともいわれる装入層9を形成する。装入層の厚さ(高さ)は通常400〜800mm前後である。なお、装入層表面位置は、焼結パレット上に設置されたカットオフプレート12により一定に制御されており、装入層の厚みは、パレット8上端からカットオフプレート12下端までの距離に相当する。その後、装入層9の上方に設置された点火炉10により、装入層表層の炭材に点火するとともに、パレット8の直下に配設されているウインドボックス11を介して大気を下方に吸引することにより、該装入層中の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱で前記焼結原料を溶融して焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、破砕、整粒され、所定粒径(例えば、約5mm)以上の塊成物が、成品焼結鉱として回収される。
上記製造プロセスにおいて、点火炉10によって点火された装入層中の炭材は、その後、ウインドボックスによって装入層の上層から下層に向かって吸引される大気によって燃焼を続け、幅をもった燃焼・溶融帯(以降、単に「燃焼帯」ともいう。)を形成する。この燃焼帯は、パレット8が下流側に移動するのに伴って次第に装入層の上層から下層に移行し、燃焼帯が通過した後には焼結ケーキ層(以降、単に「焼結層」ともいう。)が生成されている。また、燃焼帯が上層から下層に移行するのにともない、焼結原料中に含まれる水分は、炭材の燃焼熱で気化して、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し、湿潤帯を形成する。その水分濃度がある程度以上になると、吸引ガスの流路となる焼結原料の粒子間の空隙が水分で埋まり、通気抵抗を増大させる。また、焼結反応に必要な燃焼帯に発生する溶融部分も、通気抵抗を高める要因となる。
図2は、厚さが600mmの装入層中を移動する燃焼帯が、該装入層のパレットの約400mm上(装入層表面から200mm下)の位置にあるときの、装入層内の圧損と温度の分布を示したものである。このときの圧損分布は、湿潤帯におけるものが約60%、燃焼帯におけるものが約40%である。
さて、焼結機の生産量(t/hr)は、一般に、焼結生産率(t/hr・m)×焼結機面積(m)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の機幅や機長、原料堆積層の厚さ(装入層厚さ)、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、歩留りなどにより変化する。したがって、焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、あるいは、破砕前の焼結ケーキの冷間強度を高めて歩留りを向上することなどが有効であると考えられている。
図3は、焼結鉱の生産性が高い時と低い時、即ち、焼結機のパレット移動速度が速い時と遅い時の装入層内のある点における温度と時間の推移を示したものである。焼結原料の粒子が溶融し始める1200℃以上の温度に保持される時間(以降、「高温域保持時間」と称する)は、生産性が低い場合はt、生産性が高い場合はtで表されている。生産性が高い時はパレットの移動速度が速いため、高温域保持時間tが、生産性が低い時のtと比べて短くなる。高温域保持時間が短くなると焼成不足となり易く、焼結鉱の冷間強度が低下し、歩留りが低下する。したがって、高強度の焼結鉱を短時間で、高い歩留りをもって生産性よく製造するには、何らかの手段を講じて「高温域保持時間」を延長し、焼結ケーキの強度、即ち焼結鉱の冷間強度を高めてやる必要がある。なお、焼結鉱の冷間強度を表す指標としては、一般に、SI(シャッターインデックス)、TI(タンブラーインデックス)が用いられている。
図4は、点火炉によって着火された装入層表層の炭材が、吸引される空気によって燃焼を続けて燃焼帯を形成し、これが装入層の上層から下層に順次移動し、焼結ケーキが形成されていく過程を模式的に示した図である。また、図5(a)は、上記燃焼帯が、図4に示した太枠内に示した装入層の上層部、中層部および下層部の各層内に存在しているときの温度分布を模式的に示したものである。焼結鉱の強度は、1200℃以上の温度に保持される時間、正確には、1200℃以上の温度に保持される温度と時間の積に影響され、その値が大きいほど焼結鉱の強度は高くなる。装入層の中層部および下層部は、装入層上層部の炭材の燃焼で発生する燃焼熱が吸引される空気と共に運ばれて予熱される。そのため、装入層の中層部や下層部は高温度に長時間にわたって保持されるのに対して、装入層上層部は、燃焼熱が不足し、焼結に必要な燃焼溶融反応(焼結化反応)が不十分となりやすい。その結果、装入層内の焼結機幅方向断面内の焼結鉱の歩留り分布は、図5(b)に示したように、装入層上層部ほど歩留りが低くなる。
この問題に対しては、装入層上層部を長時間にわたって高温に保持することを目的とした技術が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、装入層に点火後、装入層上に気体燃料を噴射する技術が、特許文献2には、装入層に点火後、装入層に吸引される空気中に可燃性ガスを添加する技術が、また、特許文献3には、焼結原料の装入層内を高温にするため、装入層の上にフードを配設し、そのフードから空気やコークス炉ガスとの混合ガスを点火炉直後の位置で吹き込む技術が、さらに、特許文献4には、低融点溶剤と炭材や可燃性ガスを同時に点火炉直後の位置で吹き込む技術が提案されている。
しかし、これらの技術は、高濃度の気体燃料を使用し、しかも燃料ガスの吹き込みに際して炭材量を削減していないため、装入層内の焼結時の最高到達温度が操業管理上の上限温度である1400℃以上、厳密な化学反応論的な観点からは1380℃を超える高温となり、焼結過程で生成したカルシウムフェライトが分解して、被還元性や冷間強度の低い焼結鉱が生成して歩留改善効果が得られなかったり、気体燃料の燃焼による温度上昇と熱膨張によって通気性が悪化し、生産性が低下したりし、さらには、気体燃料の使用により、焼結ベッド上部空間で火災を起こす危険性があったりするため、いずれも実用化には至っていない。
そこで、出願人は、上記問題点を解決する技術として、焼結機の点火炉の下流において、燃焼下限濃度以下に希釈した各種気体燃料を、パレット上の焼結原料層(装入層)の上から供給して装入層内に導入し、燃焼させることにより、装入層内の最高到達温度および高温域保持時間のいずれか一方または両方を調整する方法を特許文献5に提案している。
特開昭48−18102号公報 特公昭46−27126号公報 特開昭55−18585号公報 特開平5−311257号公報 WO2007−052776号公報
上記特許文献5の技術によれば、下方吸引式焼結機の装入層内に、所定の濃度に希釈した気体燃料を導入し、装入層内の目標とする位置で燃焼させることができるので、焼結原料の燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間を適正に制御することによって、熱量不足で焼結鉱の冷間強度が低くなりやすい装入層上層部の焼結鉱の強度を高めたり、装入層の中・下層部の焼結鉱の強度をより高めたりすることができる。
しかしながら、上記特許文献5の技術においては、気体燃料を燃焼下限濃度以下の均一な濃度に希釈して装入層内に吸引させることを主眼としている。そのため、供給された希釈気体燃料が着火や異常燃焼を起こす可能性が低く、安全に焼結操業することができる。しかし、希釈気体燃料では、その燃焼によって得られる発熱量にも限界があるため、上述した気体燃料供給効果を高めることが難しい。また、COの排出量削減への要求が強くなってきている昨今、気体燃料の供給によって、焼結原料中に配合される炭材(コークス)の量をより低減できれば、その分、COの発生量を低減できるので好ましい。
そこで、本発明の目的は、下方吸引式焼結機の点火炉下流側で気体燃料を供給して焼結鉱を製造するにあたり、上記従来技術の限界を打破し、気体燃料供給効果を最大限に発現させ、もって高品質の焼結鉱を高歩留まりで製造することができる焼結鉱の製造方法を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上記課題を解決するため、気体燃料の供給方法に着目して検討した。その結果、供給する気体燃料の着火や異常燃焼を防止するには、燃焼下限濃度以下に気体燃料を希釈するのではなく、逆に、燃焼上限濃度(過濃可燃限界濃度)を超える濃度で気体燃料を供給すればよいこと、また、上記過濃可燃限界濃度を超える濃度の気体燃料であれば、気体燃料の燃焼によって発生する燃焼熱も大きくなるので、気体燃料供給効果も高められることに想到し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する装入工程と、その装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程と、装入層上方に配設された気体燃料供給配管から気体燃料供給装置のフード内の大気中に気体燃料を供給する気体燃料供給工程と、パレット下に配置されたウインドボックスで上記気体燃料と空気を装入層内に吸引し、装入層内の炭材を燃焼させると共に、上記気体燃料を炭材燃焼後の装入層内で燃焼させて焼結鉱を得る焼結工程を有する焼結鉱の製造方法において、上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給配管から、過濃可燃限界濃度を超える濃度の気体燃料を、鉛直下向き方向から片側20°以内の角度で大気中に供給し、層流状態で装入層表面まで到達させることを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
本発明の焼結鉱の製造方法は、焼結層表面上の吸引空気レイノルズ数が1000以下、気体燃料吹き込みノズル修正フルード数が20以下であることを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料供給工程では、装入層表面から30〜300mmの高さに配設された気体燃料供給配管に取付けられた口径が3mmφ以上のノズルから、流速3m/sec以下で気体燃料を供給することを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料供給工程では、装入層表面から30〜100mmの高さに配設された気体燃料供給配管に取付けられた口径が6mmφ以上のノズルから、流速0.5〜1m/secで気体燃料を供給することを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記焼結原料中に配合される炭材を、供給される気体燃料の燃焼熱に相当する量以上削減し、焼結時の燃焼溶融帯の最高到達温度を1200〜1400℃の範囲に制御することを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給装置のフード内に設置した着火検知器からの着火情報に基き、気体燃料の供給配管に設置した緊急遮断弁を閉じて気体燃料の供給を停止することを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給装置のフード内に設置した着火検知器からの着火情報に基き、気体燃料供給装置のフードに接続した消炎性ガス吹込配管からフード内に消炎性ガスを吹き込むことを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記気体燃料供給工程では、気体燃料の供給経路のいずれかの位置に消炎距離以下の部分を設けて気体燃料への着火を防止することを特徴とする。
本発明によれば、装入層内に導入する気体燃料を、過濃可燃限界濃度を超える濃度で装入層上に供給するので、燃焼を起こすことなく、安全に焼結操業を行うことができる。また、本発明によれば、従来の希釈気体燃料と比較して格段に高い濃度の気体燃料を供給することができるので、希釈気体燃料よりも大きな気体燃料の供給効果を享受することができ、高強度、高品質の焼結鉱を安定して製造することができる。
本発明の焼結鉱の製造方法は、装入工程、点火工程、気体燃料供給工程および焼結工程の各工程から構成されている。ここで、装入工程は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する工程であり、点火工程は、点火炉によって上記装入層表層の炭材に点火する工程である。また、気体燃料供給工程は、点火炉のパレット進行方向の下流側で、装入層の上方に配設された気体燃料供給配管から高濃度の気体燃料を装入層上方の大気中に吐出し、その気体燃料を空気と共にパレット下に配置されたウインドボックスによって吸引して装入層内に導入する工程であり、焼結工程は、装入層内に吸引した上記空気によって装入層内の炭材を燃焼させ、発生した燃焼熱によって焼結原料を溶融・焼結すると共に、気体燃料を燃焼帯が通過した装入層内の所定の位置で燃焼させ、さらに溶融・焼結を促進して焼結鉱(焼結ケーキ)を生成させる工程である。
ここで、本発明の特徴は、上記気体燃料供給工程において、従来技術のように燃焼下限濃度以下の濃度に均一に希釈した気体燃料を供給するのではなく、敢えて、気体燃料供給配管から供給された高濃度の気体燃料を周囲の空気と混合、希釈することなく、燃焼上限濃度(過濃可燃限界濃度)を超える濃度の気体燃料のまま、空気と共にパレット下に配置されたウインドボックスによって吸引して装入層内に導入することにより、希釈気体燃料を導入する場合よりも多くの気体燃料を装入層内で燃焼させ、もって、気体燃料供給効果を最大限に発揮させるところにある。
まず、本発明の焼結鉱の製造方法において、装入層内に気体燃料を供給する理由について説明する。
「鉱物工学」(今井秀喜、武内寿久禰,藤木良規編、1976、175、朝倉書店)によれば、焼結反応は、図6の模式図のようにまとめられる。また、表1には、焼結過程で生成する各種鉱物の引張強度(冷間強度)と被還元性の値を示した。図6からわかるように、焼結過程では、1200℃で融液が生成し始め、焼結鉱の構成鉱物の中で最も高強度で被還元性も比較的高いカルシウムフェライトが生成する。さらに昇温が進んで約1380℃を超えると、冷間強度と被還元性が最も低い非晶質珪酸塩(カルシウムシリケート)と、還元粉化しやすい二次ヘマタイトとに分解する。したがって、焼結鉱の冷間強度および被還元性のいずれにも優れた焼結鉱を安定して得るには、焼結過程において1200℃以上の温度で得られたカルシウムフェライトを、カルシウムシリケートと二次ヘマタイトとに分解させないことが重要なポイントとなる。
Figure 0005453788
また、上記刊行物「鉱物工学」によれば、焼結鉱の還元粉化の起点となる二次ヘマタイトの析出挙動について、鉱物合成試験の結果から、図7の状態図により説明している。その説明によると、還元粉化の起点となる骸晶状二次ヘマタイトは、Mag.ss+Liq.域まで昇温して冷却したのちに析出するので、状態図上では、(1)の経路でなく、(2)の経路を介して焼結鉱を製造することで、還元粉化を抑制できるとしている。
したがって、還元粉化性(RDI)に優れかつ高強度で被還元性に優れる焼結鉱を得るためには、焼結時における装入層内の最高到達温度を1380℃超えとすることなく、装入層内の温度を1200℃(カルシウムフェライトの固相線温度)〜1380℃(転移温度)の範囲に制御する必要がある。
また、カルシウムフェライトの生成は、前述したように、1200℃以上の温度に保持される時間、正確には、1200〜1380℃の範囲の保持される温度と時間の積に依存する。したがって、高強度で被還元性がよくかつ低RDIの焼結鉱を得るためには、焼結時の装入層内の温度を1200〜1380℃の範囲に長時間保持するヒートパターンを如何に実現するかが課題となる。そこで、本発明は、焼結に必要な熱源を確保し、焼結時の装入層内の温度を1200〜1380℃の温度範囲に保持する時間を延長するため、炭材に加えてさらに気体燃料を装入層内に供給する焼結方法を採用している。
しかし、気体燃料を供給する場合に注意すべきことは、従来、コークスのみを炭材として用いていた場合には、コークスの燃焼熱によって上記焼結温度を確保していたが、従来と同じ量の炭材が含まれて装入層内に気体燃料の供給を行うと、気体燃料の燃焼熱によって焼結時の最高到達温度が上昇して上述した適正温度範囲(1200〜1380℃)に装入層内の温度を維持することができなくなり、焼結強度の低いカルシウムフェライトが生成して、歩留りや被還元性の低下を招くことがあるということである。したがって、供給する気体燃料の量に応じて、焼結原料中に配合する炭材の量を低減することが好ましい。さらに、気体燃料を供給することによって、気体燃料の燃焼熱に相当する量以上の炭材を削減できれば、炭材コストが低減できるだけでなく、焼結工程で発生する二酸化炭素の量を削減することも可能となるのでより好ましい。
次に、本発明の焼結鉱の製造方法において、装入層中に供給することができる気体燃料の種類について説明する。
表2は、メタン、エタン等の気体燃料および製鉄業において使用されている気体燃料(コークス炉ガス(Cガス)、高炉ガス(Bガス))の燃焼下限濃度、燃焼上限濃度、含有燃焼成分等を示したものである。なお、都市ガスは、LNGを主原料としており、LNGの主成分はメタンである。したがって、都市ガスはメタンとほぼ同じ特性を示す。焼結原料の装入層上に供給する気体燃料の濃度は、爆発や火災(着火)を防止する観点からは、燃焼下限濃度より低いか、あるいは、高い濃度であることが必要である。この点、メタン(都市ガス、LNG)、エタン、プロパン、ブタンおよびCガスは、燃焼上限温度が低く、高濃度で供給した気体燃料の燃焼を防止するのに好ましい特性を有している。なお、都市ガス(LNG、メタン)は、Cガスと燃焼下限濃度が近似しているが、熱量がCガスよりも高いことから、少量でも高い燃焼熱を得ることができる点で有利である。さらに、都市ガス(LNG、メタン)は、COを含まないので、ガス中毒を起こすおそれもない。したがって、都市ガス(LNG、メタン)は、本発明において使用する気体燃料として、好ましい特性を有するものであると言える。
Figure 0005453788
さらに、本発明の製造方法では、上記気体燃料以外に、気体状態での着火温度が、焼結ベッド表層の温度より高い、アルコール類、エーテル類、石油類、その他の炭化水素系の液体燃料を気化させたものを用いることもできる。本発明で用いることができる液体燃料とその特性について、表3に示した。液体燃料を気化させた気体燃料は、着火温度が、上述した気体燃料と比較して比較的低いため、焼結ベッド表層の温度より低い、装入層のより表層部で燃焼するので、吹き込む位置での燃焼・溶融帯のすその温度の拡大に有効である。特に、着火温度が500℃近いものは、その効果が大きい。なお、液体燃料を気化した気体燃料を用いる場合には、気体供給配管は、気化した燃料が再液化しないよう、該液体燃料の沸点以上着火温度未満の温度に保持することが好ましい。
Figure 0005453788
なお、廃油等は、引火しやすい成分や着火温度の低い成分を含むことがあるので、本発明で用いるには好ましくない。着火温度や引火点の低い成分を含む廃油等の液体燃料を予め気化させて、焼結原料ベッド上に供給した場合には、原料ベッド中の燃焼帯近傍に到達する前の原料ベッド表層の上部空間ないしは原料ベッド表層近傍で燃焼してしまうため、本発明が意図する焼結原料ベッドの燃焼帯近傍で燃焼させて高温保持時間の延長を図るという効果を得ることができないためである。
次に、本発明の焼結鉱の製造方法における気体燃料の供給方法について説明する。
本発明では、装入層の上方で大気中に供給した燃焼上限濃度(過濃可燃限界濃度)を超える高濃度の気体燃料を、高濃度のまま装入層表面まで到達させて、装入層内に導入し、その後、装入層内でウインドボックスによって、上記気体燃料と共に吸引した空気と混合させて燃焼範囲の濃度とし、装入層内の所定の位置で燃焼させる必要がある。
供給した気体燃料を装入層表面まで燃焼上限濃度を超える高濃度のままとする必要は、もし、気体燃料が、周囲の大気と混合し、燃焼上限濃度以下すなわち燃焼範囲まで希釈された場合には、その気体燃料は、何らかの火種があれば装入層上方で容易に着火して燃焼してしまい、気体燃料供給効果が得られなくなるばかりでなく、異常燃焼や爆発を招くため、安全な焼結機の操業ができなくなってしまうからである。さらに、気体燃料に着火した場合には、焼結原料中に配合されている炭材の燃焼に必要な空気中の酸素をも消費してしまうため、炭材の燃焼熱が不足し、焼結不足となり、焼結鉱の品質低下を招くからである。
気体燃料を供給する装置としては、例えば、図8に示したように、装入層の上方にパレットの幅方向に沿って、複数の気体燃料供給配管を所定の間隔を開けて複数、並列に配設し、その配管には気体燃料を吐出するスリットあるいは開口を設けるかまたはノズルを、間隔を開けて複数取付けた気体燃料供給手段を有するものであるのが好ましい。もちろん、上記気体燃料供給配管は、パレットの進行方向に沿って、複数の気体燃料供給配管を配設したものでもよい。また、図8には図示されていないが、上記気体燃料供給配管の周囲の四方には、垂直壁からなるフードを設け、さらに、上記気体燃料供給配管の上方には、邪魔板を設けておくのが好ましい。フードおよび邪魔板を設けることにより、焼結機に横風を受けた場合でも、気体燃料が機外に漏洩することなく、安全に気体燃料の供給を行うことができる。
ところで、上記のように、気体燃料供給配管のノズル(噴出口)から大気中の供給された気体燃料を、過濃可燃限界濃度を超える濃度のままで装入層表面まで到達させるためには、気体燃料を周囲の大気と混合させないことが必要となる。そのためには、気体燃料供給配管から供給する気体燃料を、ウインドボックスによって吸引される空気の流れと実質的に同じ方向、同じ速度で供給し、層流状態を維持させることが重要となる。
上記の条件を検討するため、装入層上に並列配置した気体燃料供給配管から気体燃料を、図9のように水平横吹きした場合と、図10のように鉛直下方吹きした場合について、気体燃料の希釈化状況をシミュレーションした。図11は、気体燃料を鉛直下向きで大気中に噴出したときの流れの安定性と希釈化状況を説明する図である。装入層表面よりノズルまでの高さは100mmである。配管より鉛直下方に向けて、ノズル径10mmのノズルから流速0.9m/secで鉛直下方に気体燃料が供給されているが、気体燃料が焼結層に吸引されるまでに、周囲の空気を実質的に巻き込んで希釈されることはない。また、装入層内は粒子充填層であるので、気相中より拡散が促進されるので、周囲の空気との混合が進んでいることがわかる。
したがって、気体燃料は、装入層表面にできるだけ近い位置から、ウインドボックスにより吸引される空気の流れる方向に沿ってほぼ平行に、かつ、ほぼ同じ流速(空気の流速に対して0.5〜2倍、好ましくは±20%の範囲内)で、気体燃料供給配管のノズルから供給するのが好ましい。そこで、発明者らは、上記の結果を基に、さらに検討を重ねた結果、気体燃料を、層流状態を維持したままで装入層表面まで到達させるための条件は、気体燃料供給装置のフード内で、装入層表面から30〜300mmの高さに並列配置された気体燃料供給配管の間隔を200〜400mmとし、その気体燃料供給配管に取り付けられた気体燃料を噴出するノズル間隔を40〜200mmとした上で、気体燃料の供給を、ウインドボックスによって吸引される空気流に沿って、口径が3mmφ以上のノズルを用いて、流速0.5〜1m/secの範囲で行う必要があることを見出した。
気体燃料供給位置の装入層表面からの高さを30〜300mmとする理由は、300mmを超えると、気体燃料が装入層表面に到達するまでの移動距離が長くなりすぎて層流状態を維持するのが難しくなる。一方、30mm未満では、装入層表面と、気体燃料供給配管のノズルとが接触を起こし、ノズルを損傷するおそれがでてくるからである。好ましい気体燃料供給配管の供給高さは、30〜100mmの範囲である。
また、ノズル間隔を40〜200mmとする理由は、40mm未満では気体燃料の降下する流れに周囲の空気が影響を受けて、渦流れが形成される懸念が大きくなるためであり、逆に、200mmを超えると、焼結層の中に気体燃料が供給されない領域ができてしまうためである。好ましくは、80〜160mmの範囲である。
なお、上記気体燃料供給配管およびノズルの間隔は、気体燃料を燃焼させる位置が装入層の上層、中層および下層のいずれであるかを考慮して決定するのが好ましい。例えば、装入層表面から深い位置で気体燃料を燃焼させる場合には、装入層内で気体燃料の空気との混合・希釈が期待できるので、上記間隔を広げることもできる。
また、上記高さから大気中に供給される気体燃料は、ウインドボックスによって吸引される空気の流れと同じ方向かつ同じ流速であることが好ましい理由は、同じ方向、同じ流速でないと、両気体の流れの界面で気流に乱れが生じて、気体燃料と空気の混合が起こるからである。実機焼結機におけるウインドボックスによって吸引される空気の流速は、一般に、パレットの幅方向両側で0.5m/sec、幅方向中央で1m/sec程度である。したがって、気体燃料配管から噴出する気体燃料の流速は、ウインドボックスによって吸引される空気の流速と同じ0.5〜1m/secの範囲であるのが好ましい。しかし、空気の流れる速度の0.5〜2倍、したがって、0.25〜2m/secの範囲であれば空気との大きな混合は避けられるので許容できる。
また、気体燃料を供給する方向は、ウインドボックスによって吸引される空気の流れる方向と同じであることが最も好ましいが、気体燃料の噴出速度が低速であるので、それほどの影響は受けず、空気の流れる方向に対して片側20度以内の角度であれば許容できる。ここで、空気の流れる方向は、実質的に鉛直下向きなので、気体燃料の供給はその方向に対して片側20度以内とすればよい。片側10度以内であればより好ましい。
また、上記気体燃料の流速を実現するためのノズル(噴出口)の口径は、3mmφ以上であるのが好ましい。3mmφ未満では、必要な量の気体燃料を供給するために、ウインドボックスにより吸引される空気の流速(0.5〜1.0m/sec)の1〜3倍以上で気体燃料を噴出させることが必要となり、気体燃料と空気との混合が避けられないからである。なお、噴出速度を下げる手段として、ノズル口径を大きくする代わりに、ノズルの設置密度を高めることも考えられるが、設備的、コスト的に現実的ではない。ノズル口径は、好ましくは、6mmφ以上、さらに好ましくは10mmφ以上である。
さらに、気体燃料が周囲の空気と混合するのを効果的に防止するには、上記条件に加えてさらに、焼結層表面上の吸引空気のレイノルズ数が1000以下であるのが好ましい。焼結層表面上の吸引空気のレイノルズ数が2000を超える条件では、層流から乱流粘性領域へ遷移し始めるので、気体燃料の流れと周囲の空気の流れの間での混合が進行し、可燃混合気が形成される傾向が強まるので望ましくない。したがって、安定性を考慮すれば、レイノルズ数は、1000以下が望ましい。
ここで、上記レイノルズ数は、下記式;
Figure 0005453788
で表される。なお、U:代表速度(m/sec)、D:焼結機のパレット幅(m)、ν:動粘性係数(m/sec)である。
さらに、気体燃料の混合を防止するには、気体燃料吹込ノズルのノズル先のフルード数が20以下であるのが好ましい。ノズル先のフルード数が100以上となると、ノズル先で、気体燃料の流れが周囲の空気を巻き込み、可燃混合気の生成が促進されるので望ましくない。実操業上の安定性を考慮すれば、フルード数は20以下が好ましい。
ここで、上記フルード数は、下記式;
Figure 0005453788
で表される。なお、U:流動場の代表流速(m/sec)、L:ノズル内径(m)、g:重力加速度(m/sec)である。
なお、気体燃料の流れと周囲の空気の流れの境界に生じる可燃混合気の領域については、厚みが2mm(消炎距離相当)以下であれば、実質的に問題とはならないので、焼結層表面上の吸引空気のレイノルズ数とノズル先のフルード数とを上記の適正範囲に制御することにより、安定して過濃可燃限界以上の気体燃料を焼結層に供給することができる。
次に、本発明の焼結機における安全対策について説明する。
本発明の焼結機は、ウインドボックスによって吸引される空気によって、焼結原料中に含まれる炭材(コークス)を燃焼させると共に、気体燃料供給装置のフード内の大気中に気体燃料を供給し、上記空気と共に装入層内に導入して、装入層内の所定の位置で燃焼させることにより、焼結鉱を製造する設備である。上記気体燃料は、過濃可燃限界濃度を超える濃度で大気中に供給され、その濃度を維持したまま、装入層内に導入されるため、通常であれば、装入層上では燃焼を起こさない。しかし、何らかの原因で、気体燃料が装入層上で空気と混合し、可燃範囲にまで希釈された場合には、着火して燃焼を起こす可能性がある。気体燃料が燃焼を起こすと、気体燃料供給効果が失われる他、異常燃焼や爆発を招くおそれがある。さらに、気体燃料の燃焼によってウインドボックスによって吸引される空気中の酸素が消費されて、本来の焼結燃料である炭材の燃焼に必要な酸素が不足し、焼結不足を招くおそれもある。
そこで、本発明では、気体燃料供給装置のフード内に着火検知器を設置し、上記検知機がフード内の着火や燃焼を検知した場合には、気体燃料の供給経路に設けられた緊急遮断を閉じて気体燃料の供給を停止する機能を設けておくのが好ましい。上記フード内に設置する着火検知機としては種々あるが、例えば、火炎発生時の紫外線の強度を計測するファイヤーディテクタ(ヤマタケハネウェル社製)などが好適に用いることができる。
しかし、上記方法は、気体燃料の供給を一旦遮断し、配管中の燃料をパージし、消火してから、再度、燃料供給し始めるので、少なくとも数分、長い場合には10分近く、気体燃料の供給が絶たれることになり、焼結機の生産性や焼結鉱の品質に悪影響を与えてしまうことが懸念される。そこで、上記着火検知器で気体燃料への着火が検知された場合には、図12に示したように、フード内および気体燃料の供給経路内に消炎性ガスを吹き込む機能を設けておくのがより好ましい。上記フード内に吹き込む消炎性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、水蒸気あるいはアルゴンガスなどを用いることができる。これにより、気体燃料の吹き込み停止に伴う、焼結鉱の品質低下や、生産性の低下を招くことなく、高品質の焼結鉱の製造を安全に行うことができる。上記フード内に吹き込む消炎性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、水蒸気あるいはアルゴンガスなどを用いることができる。
さらに、本発明の焼結機は、図8に示したように、気体燃料の供給配管のいずれかの位置に、消炎距離以下の気体燃料の通貨する部分を有する消炎装置を設けることが好ましい。ここで、消炎距離とは、火炎がその中を通って伝播できなくなる距離のことをいい、表2に示したように、水素は0.5mm、メタンは2.0mmである。したがって、例えば、都市ガス(メタン)を気体燃料として使用する場合、2.0mm以下の間隙を有する金属製のメッシュや粒子充填部分を気体燃料が通過する部分のいずれかに設けてやることにより、火炎がその部分より先に伝播できなくなるので、たとえノズルの噴出口で気体燃料が着火したり、装入層上の気体燃料に着火したりしても、それ以上、燃焼が先に進行するのを防止することができる。したがって、気体燃料の着火、燃焼に伴う設備の損傷等を有効に防止することができる。
下方吸引式の実機焼結機に、気体燃料を、過濃可燃限界濃度を超える濃度のまま層流層表面まで到達させることができる図8に示した本発明に係る気体燃料供給装置と、均一希釈気体燃料を供給する従来タイプの気体燃料供給装置とを設置して、表4に示した条件で焼結実験を行い、焼結鉱の品質、歩留まりおよび生産性に及ぼす影響を調べた。
ここで、本発明の気体燃料供給装置は、気体燃料供給配管が装入層表面から100mmの高さに、幅方向に400mmの間隔をもって13本、並列に配列され、そのそれぞれの配管には、口径が10mmφのノズルが、ウインドボックスによって吸引される空気の流れと同じ方向に向けて、100mmの間隔をもって取付けられており、各種の気体燃料を約0.8m/secの流速で噴出させた。なお、このときの焼結層表面上の吸引空気のレイノルズ数は300程度である。また、ノズル先のフルード数は、ガス流速が0.8m/secであるので、Fr=0.8÷√(0.8×0.01)≒3程度である。
また、従来タイプの発明の気体燃料供給装置は、気体燃料供給配管が装入層表面から500mmの高さに、幅方向に800mmの間隔をもって7本、並列に配列され、そのそれぞれの配管には、口径が1mmφのノズルが、100mmの間隔をもって取付けられており、このノズルからLNGガスを流速200m/secで噴出させた。なお、この場合のノズル先のフルード数は、Fr=200÷√(9.8×0.001)≒2000と、好ましい範囲を大きく上回っている。
また、参考例として、気体燃料を供給しないで炭材のみで焼結を行う場合についても調査した。
なお、焼結原料中に配合する炭材量は、気体燃料を供給しない場合は、5.0kg/t(焼結鉱)、気体燃料を供給する場合は、4.2〜3.4kg/t(焼結鉱)の範囲で変化させた。この炭材の削減量は、供給する気体燃料の燃焼熱に相当する量の約2〜4倍である。
Figure 0005453788
上記試験の結果を、表4に併記して示した。表4から、本発明の焼結機と製造方法を用いることにより、タンブラー強度が高い焼結鉱を、高歩留まりで生産性よく製造できることがわかる。さらに、本発明を用いることにより、炭材添加量を大幅に削減することができるので、製造コストの低減および二酸化炭素の排出量の削減も期待できる。
本発明の技術は、一般的な下方吸引式焼結機以外に、回転炉床式や充填層構造の焼結・反応装置にも適用することができ、また、造粒・塊成化のためのプロセス・装置にも適用することができる。
焼結鉱の製造工程を説明する図である。 焼結時の装入層内の圧損と温度の分布を説明する図である。 焼結鉱の生産性が高い時と低い時の装入層内温度の時間推移を比較して示した図である。 装入層の焼結進行過程を模式的に説明する図である。 装入層上層部、中層部および下層部における焼結時の温度分布と、装入層幅方向断面内における焼結鉱の歩留り分布を説明する図である。 焼結反応について説明する図である 骸晶状二次ヘマタイトが生成する過程を説明する状態図である。 本発明の気体燃料供給装置を説明する模式図である。 気体燃料を水平横吹きで大気中に噴出させる供給方法を説明する図である。 気体燃料を鉛直下向きで大気中に噴出させる供給方法を説明する図である。 気体燃料を鉛直下向きで大気中に噴出したときの流れの安定性と希釈化状況を説明する図である。 本発明の焼結機における消炎性ガス吹込みを説明する図である。
符号の説明
1:原料ホッパー
2、3:ドラムミキサー
4:床敷鉱ホッパー
5:サージホッパー
6:ドラムフィーダー
7:切り出しシュート
8:パレット
9:装入層
10:点火炉
11:ウインドボックス(風箱)
12:カットオフプレート
13:焼結層表面吸引ガス流速測定センサー

Claims (8)

  1. 循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する装入工程と、
    その装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程と、
    装入層上方に配設された気体燃料供給配管から気体燃料供給装置のフード内の大気中に気体燃料を供給する気体燃料供給工程と、
    パレット下に配置されたウインドボックスで上記気体燃料と空気を装入層内に吸引し、装入層内の炭材を燃焼させると共に、上記気体燃料を炭材燃焼後の装入層内で燃焼させて焼結鉱を得る焼結工程を有する焼結鉱の製造方法において、
    上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給配管から、過濃可燃限界濃度を超える濃度の気体燃料を、鉛直下向き方向から片側20°以内の角度で大気中に供給し、層流状態で装入層表面まで到達させることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 焼結層表面上の吸引空気レイノルズ数が1000以下、気体燃料吹き込みノズル修正フルード数が20以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 上記気体燃料供給工程では、装入層表面から30〜300mmの高さに配設された気体燃料供給配管に取付けられた口径が3mmφ以上のノズルから、流速3m/sec以下で気体燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 上記気体燃料供給工程では、装入層表面から30〜100mmの高さに配設された気体燃料供給配管に取付けられた口径が6mmφ以上のノズルから、流速0.5〜1m/secで気体燃料を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 上記焼結原料中に配合される炭材を、供給される気体燃料の燃焼熱に相当する量以上削減し、焼結時の燃焼溶融帯の最高到達温度を1200〜1400℃の範囲に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給装置のフード内に設置した着火検知器からの着火情報に基き、気体燃料の供給配管に設置した緊急遮断弁を閉じて気体燃料の供給を停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
  7. 上記気体燃料供給工程では、気体燃料供給装置のフード内に設置した着火検知器からの着火情報に基き、気体燃料供給装置のフードに接続した消炎性ガス吹込配管からフード内に消炎性ガスを吹き込むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
  8. 上記気体燃料供給工程では、気体燃料の供給経路のいずれかの位置に消炎距離以下の部分を設けて気体燃料への着火を防止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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