JP5682099B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度高品質の焼結鉱を高歩留りで製造することができる下方吸引式焼結機による焼結鉱の製造方法に関するものである。
高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図1に示すような工程を経て製造される。焼結鉱の原料は、鉄鉱石粉や焼結鉱篩下粉、製鉄所内で発生した回収粉、石灰石およびドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などであり、これらの原料は、ホッパー1・・・の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出された原料は、ドラムミキサー2および3等によって適量の水が加えられ、混合、造粒されて、平均径が3〜6mmの擬似粒子である焼結原料とされる。この焼結原料は、その後、焼結機上に配置されているサージホッパー4、5からドラムフィーダー6と切り出しシュート7を介して、無端移動式の焼結機パレット8上に装入され、焼結ベッドともいわれる装入層9を形成する。装入層の厚さ(高さ)は通常400〜800mm前後である。その後、装入層9の上方に設置された点火炉10により、装入層表層の炭材に点火するとともに、パレット8の直下に配設されているウインドボックス11を介して大気を下方に吸引することにより、該装入層中の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱で前記焼結原料を溶融して焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、破砕、整粒され、約5mm以上の塊成物が、成品焼結鉱として回収される。
上記製造プロセスにおいて、点火炉10によって点火された装入層中の炭材は、その後、ウインドボックスによって装入層の上層から下層に向かって吸引される大気によって燃焼を続け、幅をもった燃焼・溶融帯(以降、単に「燃焼帯」ともいう。)を形成する。この燃焼帯は、パレット8が下流側に移動するのに伴って次第に装入層の上層から下層に移行し、燃焼帯が通過した後には焼結ケーキ層(以降、単に「焼結層」ともいう。)が生成されている。また、燃焼帯が上層から下層に移行するのにともない、焼結原料中に含まれる水分は、炭材の燃焼熱で気化して、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し、湿潤帯を形成する。その水分濃度がある程度以上になると、吸引ガスの流路となる焼結原料の粒子間の空隙が水分で埋まり、通気抵抗を増大させる。また、焼結反応に必要な燃焼帯に発生する溶融部分も、通気抵抗を高める要因となる。
図2は、厚さが600mmの装入層中を移動する燃焼帯が、該装入層のパレットの約400mm上(装入層表面から200mm下)の位置にあるときの、装入層内の圧損と温度の分布を示したものである。このときの圧損分布は、湿潤帯におけるものが約60%、燃焼帯におけるものが約40%である。
さて、焼結機の生産量(t/hr)は、一般に、焼結生産率(t/hr・m)×焼結機面積(m)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の機幅や機長、原料堆積層の厚さ(装入層厚さ)、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、歩留りなどにより変化する。したがって、焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、あるいは、破砕前の焼結ケーキの冷間強度を高めて歩留りを向上することなどが有効であると考えられている。
図3は、焼結鉱の生産性が高い時と低い時、即ち、焼結機のパレット移動速度が速い時と遅い時の装入層内のある点における温度と時間の推移を示したものである。焼結原料の粒子が溶融し始める1200℃以上の温度に保持される時間(以降、「高温域保持時間」と称する)は、生産性が低い場合はt、生産性が高い場合はtで表されている。生産性が高い時はパレットの移動速度が速いため、高温域保持時間tが、生産性が低い時のtと比べて短くなる。高温域保持時間が短くなると焼成不足となり易く、焼結鉱の冷間強度が低下し、歩留りが低下する。したがって、高強度の焼結鉱を短時間で、高い歩留りをもって生産性よく製造するには、何らかの手段を講じて「高温域保持時間」を延長し、焼結ケーキの強度、即ち焼結鉱の冷間強度を高めてやる必要がある。なお、焼結鉱の冷間強度を表す指標としては、一般に、SI(シャッターインデックス)、TI(タンブラーインデックス)が用いられている。
図4は、点火炉によって着火された装入層表層の炭材が、吸引される空気によって燃焼を続けて燃焼帯を形成し、これが装入層の上層から下層に順次移動し、焼結ケーキが形成されていく過程を模式的に示した図である。また、図5(a)は、上記燃焼帯が、図4に示した太枠内に示した装入層の上層部、中層部および下層部の各層内に存在しているときの温度分布を模式的に示したものである。焼結鉱の強度は、1200℃以上の温度に保持される時間、正確には、1200℃以上の温度に保持される温度と時間の積に影響され、その値が大きいほど焼結鉱の強度は高くなる。装入層の中層部および下層部は、装入層上層部の炭材の燃焼で発生する燃焼熱が吸引される空気と共に運ばれて予熱される。そのため、装入層の中層部や下層部は高温度に長時間にわたって保持されるのに対して、装入層上層部は、燃焼熱が不足し、焼結に必要な燃焼溶融反応(焼結化反応)が不十分となりやすい。その結果、装入層内の焼結機幅方向断面内の焼結鉱の歩留り分布は、図5(b)に示したように、装入層上層部ほど歩留りが低くなる。
この問題に対しては、装入層上層部を長時間にわたって高温に保持することを目的とした技術が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、装入層に点火後、装入層上に気体燃料を噴射する技術が、特許文献2には、装入層に点火後、装入層に吸引される空気中に可燃性ガスを添加する技術が、また、特許文献3には、焼結原料の装入層内を高温にするため、装入層の上にフードを配設し、そのフードから空気やコークス炉ガスとの混合ガスを点火炉直後の位置で吹き込む技術が、さらに、特許文献4には、低融点溶剤と炭材や可燃性ガスを同時に点火炉直後の位置で吹き込む技術が提案されている。
しかし、これらの技術は、高濃度の気体燃料を使用し、しかも燃料ガスの吹き込みに際して炭材量を削減していないため、装入層内の焼結時の最高到達温度が1380℃を超える高温となり、却って冷間強度の低い焼結鉱が生成して歩留改善効果が得られなかったり、気体燃料の燃焼による温度上昇と熱膨張によって通気性が悪化し、生産性が低下したりし、さらには、気体燃料の使用により、焼結ベッド上部空間で火災を起こす危険性があったりするため、いずれも実用化には至っていない。
そこで、出願人は、上記問題点を解決する技術として、焼結機の点火炉の下流において、燃焼下限濃度以下に希釈した各種気体燃料を、パレット上の焼結原料層(装入層)の上から供給して装入層内に導入し、燃焼させることにより、装入層内の最高到達温度および高温域保持時間のいずれか一方または両方を調整する方法を特許文献5に提案している。
特開昭48−18102号公報 特公昭46−27126号公報 特開昭55−18585号公報 特開平5−311257号公報 WO2007−052776号公報
上記特許文献5の技術によれば、下方吸引式焼結機の装入層内に、所定の濃度に希釈した気体燃料を導入し、装入層内の目標とする位置で燃焼させることができるので、焼結原料の燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間を適正に制御することによって、熱量不足で焼結鉱の冷間強度が低くなりやすい装入層上層部の焼結鉱の強度を高めたり、装入層の中・下層部の焼結鉱の強度をより高めたりすることができる。
しかしながら、上記所定濃度に希釈した気体燃料を点火炉下流側において供給する場合、希釈気体燃料を焼結機の機長方向のどの位置で、また、どのような濃度分布をもって供給するのが好ましいかという点については、まだ十分に検討がなされていない。
そこで、本発明の目的は、下方吸引式焼結機の点火炉下流側で気体燃料を供給して焼結鉱を製造する方法において、気体燃料の供給量が一定あるいは制限されている場合でも、気体燃料の供給を最適化し、その効果を最大限に発揮させることにより、高強度、高品質の焼結鉱を高歩留りで安定して製造することができる焼結鉱の製造方法を提案することにある。
発明者らは、下方吸引式焼結機の点火炉下流側で希釈気体燃料を供給して焼結鉱を製造する方法において、高強度高品質の焼結鉱を高歩留りで安定して製造するには、希釈気体燃料を機長方向のどの位置でどのような濃度分布をもって供給すればよいのかについて鋭意検討を重ねた。その結果、希釈気体燃料の供給効果は、装入層の下層側より上層側の方が大きいこと、したがって、コークスの燃焼帯が装入層上層部に存在するときに希釈気体燃料の供給するのが効果的であること、また、限られた気体燃料の供給量で最大限の効果を得るには、上記上層部において供給する希釈気体燃料の供給濃度を下流側よりも上流側を高くするのが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する装入工程と、その装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程と、気体燃料を装入層上方の大気中に層流燃焼速度以上の高速で吐出して燃焼下限濃度以下の希釈気体燃料としてから装入層内に導入する気体燃料供給工程と、パレット下に配置されたウインドボックスで上記希釈気体燃料と空気を装入層内に吸引し、装入層内の炭材を燃焼させると共に、上記希釈気体燃料を炭材燃焼後の装入層内で燃焼させて焼結ケーキを生成する焼結工程を有する焼結鉱の製造方法において、希釈気体燃料の供給を、点火炉出側から機長の1/20〜1/3の領域で行い、かつ、その希釈気体燃料の濃度を、上記領域の下流側よりも上流側を高くし、焼結時における装入層内の最高到達温度を1200〜1380℃の温度範囲に制御することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、上記希釈気体燃料を供給する領域を少なくとも3区画以上に分割し、各区画に供給される希釈気体燃料の濃度を下流側よりも上流側ほど段階的に高くすることを特徴とする。
本発明の焼結鉱の製造方法は、上記希釈気体燃料として、装入層内に導入するときの濃度0.2〜1.6vol%に希釈したLNGを用いることを特徴とする。
本発明によれば、焼結機の点火炉下流側で供給する希釈気体燃料の機長方向の濃度分布を最適化することにより、燃焼・溶融帯の温度を、最高到達温度を1380℃超とすることなく、1200〜1380℃の範囲に長時間にわたって保持することが可能となるので、高強度の焼結鉱を高歩留りで、高い生産性を確保しつつ製造することが可能となる。
上記のように、本発明の焼結鉱の製造方法は、装入工程、点火工程、気体燃料供給工程および焼結工程の各工程から構成されている。ここで、上記の装入工程は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する工程であり、点火工程は、点火炉によって装入層表層の炭材に点火する工程である。また、上記の気体燃料供給工程は、点火炉のパレット進行方向の下流側で、気体燃料供給装置から高濃度の気体燃料を装入層上方の大気中に高速で吐出し、空気と瞬時に混合させて燃焼下限濃度以下の所定濃度の希釈気体燃料とし、この希釈気体燃料を空気と共にパレット下に配置されたウインドボックスによって吸引して装入層内に導入する工程であり、焼結工程は、装入層内に吸引した上記空気によって装入層内の炭材を燃焼させ、発生した燃焼熱によって焼結原料を溶融・焼結すると共に、希釈気体燃料を燃焼帯が通過した装入層内の所定の位置で燃焼させ、さらに溶融・焼結を促進して焼結ケーキを生成させる工程である。
本発明の焼結鉱の製造方法において、装入層中に導入する高濃度の気体燃料を装入層の上方で大気中に高速で吐出して周囲の空気と短時間で混合させることにより、その気体燃料が有する燃焼下限濃度以下の濃度に希釈し、その後、その希釈気体燃料を装入層中に導入する。このように、装入層内に導入する前に希釈する理由は以下による。
内径300mmφ×高さ400mmの焼結鍋に焼結ケーキを充填し、焼結ケーキの下方で焼結ケーキを通して空気を吸引可能とした実験装置を製作した。次いで、図6(a)に示したように、焼結ケーキの中央部の上から深さ90mmの位置にノズルを埋め込み、吸引する空気に対して1vol%となる量の100%濃度のメタンガスを吹き込み、焼結ケーキ内の円周方向および深さ方向におけるメタンガス濃度の分布を測定し、その結果を表1に示した。また、図6(b)に示したように、同じノズルを用いて、焼結ケーキの上方350mmの位置から、上記と同量のメタンガスを大気中に供給して希釈し、上記と同様にして焼結ケーキ内のメタンガス濃度の分布を測定し、その結果を表2に示した。これらの結果から、メタンガスを焼結ケーキ中に直接導入した場合には、メタンガスの横方向への拡散が不十分であるのに対して、メタンガスを焼結ケーキ上方で供給した場合には、焼結ケーキ内のメタンガス濃度はほぼ均一化していることがわかる。この結果からわかるように、気体燃料は、焼結ケーキの上方で大気中に供給し、装入層内に導入される前に、均一に希釈しておくことが好ましいからである。
Figure 0005682099
Figure 0005682099
なお、上記濃度の希釈気体燃料を装入層中に供給する方法としては、都市ガスやLNG、Cガス等の気体燃料を、高濃度のまま大気中に吐出して周囲の空気と混合させて所定濃度に希釈してから装入層中に導入する直上吹込み方式と、あらかじめ大気と気体燃料とを混合して所定濃度まで希釈したものを装入層の上方から供給する予混合吹込み方式(いわゆるプレミックス形式)がある。表3は、上記両方式の得失を評価したものである。直上吹込み方式では、乱流燃焼速度以上の速度で気体燃料を吐出すれば、逆火防止は容易であるが、気体燃料を周囲の大気と混合して希釈させる際、濃度ムラが発生しやすく、異常燃焼を起こす可能性が予混合吹込み方式に比べて高い。しかし、設備コストを含めて総合的に評価した場合、都市ガス(LNG)の直上吹込み方式が最も優れている。
Figure 0005682099
気体燃料を供給する装置としては、例えば、図7に示したように、パレットの幅方向に沿って、複数の気体燃料供給パイプを配設し、そのパイプに気体燃料を吐出するスリットあるいは開口を設けるかまたはノズルを取付けた気体燃料供給手段を有するもの、あるいは、図8に示したように、パレットの進行方向に沿って、複数の気体燃料供給パイプを配設し、そのパイプに気体燃料を吐出するスリットあるいは開口を設けるかまたはノズルを取付けた気体燃料供給手段を有するものが好ましい。
次に、本発明の焼結鉱の製造方法において、装入層中に供給する希釈気体燃料の種類について説明する。
表4は、製鉄業において使用されている気体燃料(都市ガス、コークス炉ガス(Cガス)、高炉ガス(Bガス))の燃焼下限濃度、供給濃度等を示したものである。焼結原料中に供給する際の気体燃料の濃度は、爆発や火災(着火)を防止する観点からは、燃焼下限濃度より低い方が安全である。この点、都市ガスは、メタンを主成分とする天然ガス(LNG)を使用しており、Cガスと燃焼下限濃度が近似しているが、熱量がCガスよりも高いことから、供給濃度を低くできる。したがって、安全性を確保するには、供給濃度を低くできる都市ガスの方がCガスよりも優位である。
Figure 0005682099
表5は、気体燃料中に含まれる燃焼成分(水素,CO,メタン)と、それら成分の燃焼下限・上限濃度、層流、乱流時の燃焼速度等を示したものである。焼結中に気体燃料供給装置から供給している気体燃料への着火を防止するには、逆火防止を図る必要がある。そのためには、気体燃料を、少なくとも層流燃焼速度以上、好ましくは乱流燃焼速度以上の高速で吐出させればよいと考えられる。例えば、メタンを主成分とする都市ガスの場合には、3.7m/sを超える速度で吐出させれば、逆火のおそれはないわけである。一方、水素ガスは、乱流燃焼速度がCOやメタンと比較して速いため、逆火を防止するには、その分、高速で吐出させる必要がある。この点、水素を含まない都市ガス(LNG)は、水素を59vol%含有するCガスと比較して、吐出速度を遅くすることができる。しかも、都市ガスは、COを含まないので、ガス中毒を起こすおそれもない。したがって、都市ガス(LNG)は、本発明において使用する気体燃料として、好ましい特性を有するものであると言える。
Figure 0005682099
本発明において装入層中に供給することができる気体燃料としては、上記、都市ガス(LNG)の他に、BガスやCガス、COガス、エタンガス、プロパンガス、ブタンガスあるいはこれらの混合ガスのいずれかを用いることができる。ただし、BガスやCガスを使用する場合には、ガス吐出速度を高めること、および、CO対策を別途講ずることが必要となる。
次に、本発明の焼結鉱の製造方法で供給する希釈気体燃料の濃度について説明する。
本発明の製造方法において装入層中に導入する希釈気体燃料は、その中に含まれる可燃性ガス(燃焼成分)の濃度を、大気中の常温における燃焼下限濃度の1/3(33%)以下に希釈したものであることが好ましい。その理由は、装入層上部への高濃度の可燃性ガスの供給は、時として、爆発的燃焼を招くおそれがあり、少なくとも常温では、火種があっても燃焼しない状態としておく必要があること、装入層中で完全に燃焼せず、未燃焼のままウインドボックスの下流にある電気集塵器等に到達したとしても、電気集塵器の放電によって燃焼するおそれがないことが必要であること、さらに、希釈気体燃料の燃焼による酸素の消費によって、焼結原料用に含まれる総燃料(固体燃料+気体燃料)の燃焼に必要な酸素の不足を招いて燃焼不足を起こさない程度に希釈されたものであることが必要であるからである。
一方、希釈気体燃料の下限濃度は、燃焼下限濃度の4%以上であるのが好ましい。燃焼下限濃度の4%未満では、燃焼による発熱量が不足し、焼結鉱の強度向上と歩留りの改善効果が得られないからである。
以上のことから、本発明における装入層に供給する希釈気体燃料の濃度は、燃焼下限濃度の4〜33%の範囲とするのが好ましい。これを、天然ガス(LNG)についてみると、LNGの燃焼下限濃度は4.8vol%(表4参照)であるから、希釈気体燃料の濃度は、0.2〜1.6vol%の範囲が好適であることになる。
次に、本発明の焼結鉱の製造方法において、装入層内の最高到達温度を1380℃超とすることなく、1200〜1380℃の温度範囲に制御する必要性について説明する。
「鉱物工学」(今井秀喜、武内寿久禰,藤木良規編、1976、175、朝倉書店)によれば、焼結反応は、図9の模式図のようにまとめられる。また、表6には、焼結過程で生成する各種鉱物の引張強度(冷間強度)と被還元性の値を示した。図9からわかるように、焼結過程では、1200℃で融液が生成し始め、焼結鉱の構成鉱物の中で最も高強度で被還元性も比較的高いカルシウムフェライトが生成する。さらに昇温が進んで約1380℃を超えると、冷間強度と被還元性が最も低い非晶質珪酸塩(カルシウムシリケート)と、還元粉化しやすい二次ヘマタイトとに分解する。したがって、焼結鉱の冷間強度および被還元性のいずれにも優れた焼結鉱を安定して得るには、焼結過程において1200℃以上の温度で得られたカルシウムフェライトを、カルシウムシリケートと二次ヘマタイトとに分解させないことが重要なポイントとなる。
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また、上記刊行物「鉱物工学」によれば、焼結鉱の還元粉化の起点となる二次ヘマタイトの析出挙動について、鉱物合成試験の結果から、図10の状態図により説明している。その説明によると、還元粉化の起点となる骸晶状二次ヘマタイトは、Mag.ss+Liq.域まで昇温して冷却したのちに析出するので、状態図上では、(1)の経路でなく、(2)の経路を介して焼結鉱を製造することで、還元粉化を抑制できるとしている。
したがって、還元粉化性(RDI)に優れかつ高強度で被還元性に優れる焼結鉱を得るためには、焼結時における装入層内の最高到達温度を1380℃超えとすることなく、装入層内の温度を1200℃(カルシウムフェライトの固相線温度)〜1380℃(転移温度)の範囲に制御する必要がある。
また、カルシウムフェライトの生成は、前述したように、1200℃以上の温度に保持される時間、正確には、1200〜1380℃の範囲の保持される温度と時間の積に依存する。したがって、高強度で被還元性がよくかつ低RDIの焼結鉱を得るためには、焼結時の装入層内の温度を1200〜1380℃の範囲に長時間保持するヒートパターンを如何に実現するかが課題となる。因みに、発明者らの調査によれば、十分な焼結強度と被還元性および低い還元粉化性の焼結鉱を得るためには、1200〜1380℃の温度範囲に少なくとも2分は保持する必要があり、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5分以上であるが望ましい。
そこで、本発明は、焼結に必要な熱源を確保し、焼結時の装入層内の温度を1200〜1380℃の温度範囲に保持する時間を延長するため、炭材に加えてさらに希釈気体燃料を装入層内に供給する焼結方法を採用している。図11(b)は、透明石英製の試験鍋を用いた焼結試験において、希釈気体燃料を供給した場合としなかった場合とで、装入層中の図11(a)中に●で示した位置の温度と時間との関係を比較して示したものである。図中の破線は、焼結原料中に炭材としてコークスを5mass%配合し、気体燃料の供給を行わなかったときの例であり、燃焼・溶融帯が上記点を通過しているときの装入層内の温度は、焼結に有効な1200℃以上の温度に2分間程度保持されていることがわかる。一方、図中の実線は、熱量換算で、コークスにして0.4mass%に相当する量のLNGを装入層中に供給し、その分、焼結原料中の炭材(コークス)量を低減して4.6mass%とし、総熱量を一定としたときの例を示したものである。この場合、装入層中に供給された希釈気体燃料が、コークスの燃焼位置(燃焼帯)よりも上層側、すなわち燃焼帯が既に通過して温度が低下し始めた領域で燃焼し、その領域が再加熱される結果、焼結に有効な1200℃以上の温度に保持される時間が大幅に延長されている。しかもこの延長は、気体燃料の供給に伴ってコーコス量を減らしているにも拘わらず、ガス燃焼・溶融帯の通過時における装入層内の最高到達温度を、コークス強度の低下を招く1380℃を超える温度まで上昇させることなく実現されている。この結果から、希釈気体燃料の供給により、焼結がより促進されて焼結鉱の強度が高まり、歩留りや生産性が向上することが期待される。
ここで、気体燃料を供給する場合に注意すべきことは、気体燃料の燃焼限界には温度依存性があるという点である。図12は、大気中常温下における気体燃料の燃焼成分(燃焼ガス)濃度と温度との関係を示すものであり、常温での燃焼下限値(図中の燃焼ガス濃度に相当)がおおよそ40vol%であっても、200℃領域では26〜27vol%と変化し、1000℃領域では数vol%、1200℃領域では1vol%未満でも燃焼する。また、燃料便覧(社団法人燃料協会編)によれば、温度が高いときには、熱の逸散速度が遅くなるので、熱の発生、逸散両速度曲線の交わりは深くなって、爆発範囲(燃焼範囲)は左右に広がってくると説明されている。そして、上記燃料便覧には、メタンガスの燃焼範囲に対する温度の影響として表7が示されている。これを燃焼下限濃度の温度依存性として図示したのが図13である。
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図12,図13からわかることは、希釈気体燃料の濃度を適正範囲に調整してやることにより、気体燃料の装入層内の厚さ方向における燃焼位置を自由に制御することができることである。図14は、図11に示した焼結実験において、装入層中のコークス量と供給する気体燃料(LNG)の濃度および供給位置を4水準に変えて焼結実験を行った結果を示したもので、図14(a)は、装入層内におけるコークスおよび気体燃料が燃焼する時間位置を、図14(b)は、上記燃焼の結果、図14(a)に●印で示した装入層内位置における温度の時間推移を示したものである。また、図14(b)に示した水準Aの曲線(細い実線)は、焼結原料中に炭材としてコークスを5mass%含有させ、気体燃料の供給を一切行わなかった例における温度変化である。また、水準Bの曲線(細い点線)は、0.1vol%に希釈したLNGを供給し、コークスを4.6mass%に低減した例である。この例では、LNGの希釈濃度が0.1vol%と低く、発熱量が少ないため、コークス減少による熱量不足を十分にカバーできず、気体燃料供給効果が不十分である。また、水準Dの曲線(太い破線)は、1.0vol%に希釈したLNGを供給し、コークスを4.6mass%に低減した例であり、希釈気体燃料の燃焼温度は、濃度に依存し、濃度が高いほど燃焼温度は低温となる。そのため、1.0vol%のLNGは、コークス燃焼位置と大きく乖離した、焼結が完了して温度が低下した装入層上層部で燃焼するため、装入層内温度は2つのピークを示すものの、焼結に有効な1200℃以上の温度の延長にはつながらない。これに対して、水準Cの曲線(太い実線)は、0.4vol%に希釈したLNGを供給し、コークスを4.6mass%に低減した場合である。この場合には、希釈気体燃料の燃焼温度が高温側に移行するため、コークス燃焼とLNGの燃焼の両方の効果が重畳し、1200℃以上の温度での保持時間は、水準A、BおよびCの場合に比べて大幅に延長されている。
さらに、気体燃料を供給する場合に注意すべきことは、従来、コークスのみを炭材として用いていた場合には、コークスの燃焼熱によって上記焼結温度を確保していたが、従来と同じ量の炭材が含まれて装入層内に希釈気体燃料の供給を行うと、気体燃料の燃焼熱によって焼結時の最高到達温度が上昇して上述した適正温度範囲(1200〜1380℃)に装入層内の温度を維持することができなくなり、焼結強度の低いカルシウムフェライトが生成して、歩留りの低下を招くことがあるということである。したがって、希釈気体燃料を供給する場合には、総熱量を一定にすべく、気体燃料の供給量に応じて、添加する炭材の量を調整し、装入層内の最高到達温度を1200〜1380℃の範囲に制御する必要がある。
そこで発明者らは、上記実験結果を踏まえてさらに、気体燃料を供給する上記焼結鉱の製造方法において、供給気体燃料の量を一定とした場合に、焼結鉱の強度を高め、歩留り向上を図るための最適な希釈気体燃料の供給方法について検討した。その結果、希釈気体燃料の供給は、焼結機の点火炉出側から機長の1/3の領域で行い、かつ、希釈気体燃料の濃度を、上記領域の下流側よりも上流側ほど高くしてやることが有効であることを見出した。ここで、上記焼結機の機長とは、パレットの下方に配設されたウインドボックスの設置長さのことを意味し、実機の焼結機では、ウインドボックスの始端は、点火炉の設置位置であり、ウインドボックスの終端において、焼結が完了するような操業がなされる。したがって、焼結機の点火炉出側から機長の1/3の領域とは、装入層を厚さ方向に上層、中層および下層と3分割したとき、上層部分の焼結が完了するまでの領域ということになる。
装入層中への希釈気体燃料の供給を、点火炉によって装入層表層に点火した直後、即ち、点火炉出側から、焼結機の機長1/3の領域で行う理由について説明する。
図4において説明したように、点火炉で装入層表層の炭材に点火されて形成された燃焼帯は、パレットが下流側に移動するのに伴って、次第に装入層内の前方(下流側)かつ下方に移動していく。そして、図5(a)に示したように、焼結過程で受ける装入層の上層、中層、下層の熱履歴は大きく異なり、上層〜下層間では、高温域保持時間(1200℃以上となる時間)も大きく異なる。その結果、焼結鉱のパレット内の位置別歩留まりは、図5(b)に示すような分布を示す。即ち、パレット内の上層部の歩留は低く、中層、下層部ほど高い歩留となる。
したがって、希釈気体燃料の供給は、熱不足(高温域保持時間不足)になりやすい装入層の上層部、即ち、点火炉出側直後から機長の1/3の範囲に対して行えば、不足していた熱量が十分に供給補填されることになるので、コークスの燃焼で生成した焼結ケーキが再加熱され、燃焼・溶融帯の再生−拡大を図ることができる。その結果、焼結鉱の焼結がさらに進み、焼結ケーキの品質向上を図ることができる。つまり、装入層内への希釈気体燃料は、もともと高温域保持時間が短いために熱量不足となり、焼結鉱の冷間強度が低くなりやすい部分に対して行うのが最も効果的であるということである。
さらに、装入層上層部へ希釈気体燃料の供給を行うことによって、その燃焼効果が、装入層の中層、下層部まで及ぶため、装入層全厚において燃焼・溶融帯の幅が上下方向へ拡幅し、焼結に有効な高温域保持時間の延長を図ることができるので、パレットの移動速度を落とすことなく、即ち、生産性を落すことなく十分な焼結効果を得ることができる。その結果、装入層全体(パレット内全体)にわたって、焼結鉱の冷間強度を向上することができるので、焼結鉱の歩留り向上と生産性の向上を併せて達成することができる。
なお、実際の希釈気体燃料の供給は、点火炉出側直後ではなく、点火炉出側から機長の1/20程度後方から、例えば、生産量が約1.5万t/日で、機長が90mの規模の焼結機の場合、点火炉出側から約5m以降から開始するのが好ましい。その理由は、点火直後に希釈気体燃料を供給しても、希釈気体燃料が装入層の表層上で燃焼するだけであり、焼結層に何ら好ましい影響を与えることはない。また、焼結ケーキが生成していない状態で装入層の上部に高濃度の気体燃料の供給を行うと、装入層上で爆発的な燃焼を起こしたり、気体燃料供給部すなわち気体燃料供給配管に設けられたスリットや噴出穴あるいはノズル等の吹出口に着火し、燃焼を起こしたりする可能性が高いからである。
また、希釈気体燃料の供給は、装入層表層部の焼結原料の焼結が進み、燃焼・溶融帯の前線が表層下50mm程度に達し、その厚みが15mm以上となった状態から開始するのが好ましい。燃焼・溶融帯の厚みが15mm未満では、吸引される空気と希釈気体燃料による冷却効果によって、気体燃料の燃焼効果が十分に得られず、燃焼・溶融帯の厚みの拡大を図れない。一方、燃焼前線が表層下まで下がり、燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上となった段階で希釈気体燃料を供給すると、焼結層を通して吸引される空気が焼結ケーキの余熱によって加熱されるため、空気による冷却の悪影響が軽減され、燃焼・溶融帯の厚みの拡大や高温域保持時間の延長を確実に実現することができるからである。気体燃料供給開始時の燃焼・溶融帯の厚みは、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは30mm以上である。
次に、発明者らは、装入層上層のみに気体燃料を供給する場合において、供給する気体燃料の量が一定である、あるいは、制限されているときに、その効果を最大限に発揮させて高強度、高品質の焼結鉱を高歩留まりで安定して製造する条件について、さらに検討した。その結果、装入層上層のみに気体燃料を供給する場合、すなわち、点火炉出側から機長1/3の領域でのみ気体燃料を供給する場合においても、下流側よりも上流側の気体燃料濃度を高くするのが効果的であることを知見し、本発明を完成させた。
装入層上層で気体燃料を供給する場合においても、供給する希釈気体燃料濃度を上流側ほど高くする必要がある理由は、上述した装入層全体における理由と同じであるが、さらに、点火炉出側近傍では、上述したように、燃焼帯の形成が不十分で装入層厚み方向の幅が狭く、吸引される空気によって冷却されるため、気体燃料供給効果が減殺されるため、これを補ってやる必要があることも、その理由の1つである。
なお、点火炉出側から焼結機の機長1/3の領域で供給する希釈気体燃料の濃度を、供給開始位置よりも下流側を低くする方法は、気体燃料の濃度や流量管理の容易さから、上記希釈気体燃料の供給領域を少なくとも3区画以上に分割し、各区画に供給される希釈気体燃料の濃度を上流側から下流側に向かって段階的に低くすることが好ましい。ただし、例えば、図7や図8に示した複数の気体燃料供給パイプに設けた気体燃料を吐出するスリットあるいは開口の大きさまたはノズル径を下流側になるほど漸次小さくしたり、それらの設置間隔を漸次大きくしたりして変化させる方法でもよい。
ただし、この場合の気体燃料の希釈濃度は、燃焼下限濃度の4〜33%の範囲、天然ガス(LNG)では、0.2〜1.6vol%の範囲内において変化させるのが好ましいのは前述したとおりである。さらに、気体燃料の希釈濃度および供給量は、焼結原料中に含まれる炭材量に応じて調整し、あるいは、供給する気体燃料の濃度および量に応じて焼結原料中の炭材量を調整し、焼結時の装入層内の最高到達温度を1380℃以下とし、かつ、装入層内の温度を1200〜1380℃の範囲に長時間保持できるよう制御するのが好ましい。
機長が90m、パレット幅が5mの下方吸引式焼結機の点火炉下流に、図15に示したように長さ6mのフード付気体燃料供給装置を機長方向に5個直列に配設し、それぞれの気体燃料供給装置内において、LNGを大気中に高速で噴出し、空気と瞬時に混合させて所定濃度の希釈気体燃料(希釈LNG)とし、その希釈気体燃料を装入層内に導入して燃焼させる焼結操業を行い、気体燃料供給効果を確認する実験を行った。なお、焼結原料中の炭材量(コークス量)は、4.7mass%で一定とした。
なお、上記実験においては、5個の気体燃料供給装置から供給する希釈気体燃料の濃度を以下の3水準に変化させた。
<水準A>
5個直列に配設した気体燃料供給装置のそれぞれのフード内の大気中に、空気30000Nmに対してLNGを180Nm噴出させて、濃度が0.6vol%の希釈LNGとし、装入層内に導入した。
<水準B>
5個直列に配設した気体燃料供給装置のそれぞれのフード内の大気中に、空気30000Nmに対してLNGを240,210,180,150,120Nmと順次低減して噴出させて、それぞれのフード内のLNG濃度が0.8,0.7,0.6,0.5,0.4vol%と下流側ほど低い濃度の希釈LNGとし、装入層内に導入した。
<水準C>
5個直列に配設した気体燃料供給装置のそれぞれのフード内の大気中に、空気30000Nmに対してLNGを120,150,180,210,240Nmと順次高めて噴出させて、それぞれのフード内のLNG濃度が0.4,0.5,0.6,0.7,0.8%と下流側ほど高い濃度の希釈LNGとし、装入層内に導入した。
上記焼結実験において気体燃料供給効果の確認は、上記条件で気体燃料を供給する焼結操業をしばらく続けてから、気体燃料の供給を停止して操業を続け、気体燃料の供給停止時において気体燃料の供給をまったく受けていない位置(図15のLNG吹込み機長0m位置)、No.1の気体燃料供給装置からの気体燃料供給のみを受けた位置(同じく6m位置)、No.1および2の気体燃料供給装置からの気体燃料供給を受けた位置(同じく12m位置)、No.1〜3の気体燃料供給装置からの気体燃料供給を受けた位置(同じく18m位置)、No.1〜4の気体燃料供給装置からの気体燃料供給を受けた位置(同じく24m位置)およびNo.1〜5のすべての気体燃料供給装置からの気体燃料供給を受けた位置(同じく30m位置)から得られた焼結鉱を採取し、それらの焼結鉱から粒径が10mm以上50mmまでの焼結鉱を20kgずつ採取し、JIS M8711に準拠してシャッター試験装置で2mの落下試験を行い、4回鉄板上に落下させたときの粒径10mm以上の粒度を有する粒子の割合(%)からシャッター強度(落下強度)を測定した。そして、気体燃料供給を受けなかった位置(LNG吹込み機長0m位置)から得た焼結鉱のシャッター強度をベース(=0)として、上記各水準における気体燃料供給による焼結鉱の強度向上効果を比較し、その結果を図16に示した。
図16から、水準Aの希釈LNGの濃度が0.6vol%一定の場合(図中の曲線A)、吹き込み機長が24m(No.4の気体燃料供給装置)まではシャッター強度が上昇するが、吹込み機長が30m(No.5の気体燃料供給装置)では、気体燃料供給効果がほぼ飽和しており、また、強度向上効果も1.6%程度でしかない。一方、水準Cの希釈LNG濃度を0.4vol%から0.8vol%まで順次高めた場合(図中の曲線C)も、気体燃料供給効果は、0.6vol%一定濃度のLNGを供給した場合とほぼ同じ効果しか得られていない。これに対して、水準Bの希釈LNG濃度を0.8vol%から0.4vol%まで順次低減して供給した場合(図中の曲線C)は、気体燃料供給によるシャッター強度向上効果が大きく高まり、最終的に2.3%程度の強度向上が得られている。
以上の結果から、点火炉出側から機長の1/3の領域で希釈気体燃料の供給を行う場合には、希釈気体燃料の濃度を、供給開始位置側を高濃度とし、下流側ほど低くするのが有効であることがわかる。
焼結鉱の製造工程を説明する図である。 焼結時の装入層内の圧損と温度の分布を説明する図である。 焼結鉱の生産性が高い時と低い時の装入層内温度の時間推移を比較して示した図である。 装入層の焼結進行過程を模式的に説明する図である。 装入層上層部、中層部および下層部における焼結時の温度分布と、装入層幅方向断面内における焼結鉱の歩留り分布を説明する図である。 希釈気体燃料の供給方法の比較に用いた試験装置を説明する図である。 本発明における気体燃料供給装置の一例を説明する図である。 本発明における気体燃料供給装置の他の例を説明する図である。 焼結反応について説明する図である 骸晶状二次ヘマタイトが生成する過程を説明する状態図である。 装入層内の温度分布に及ぼす気体燃料供給効果を説明する図である。 気体燃料の燃焼濃度と温度との関係を説明する図である。 メタンガスの燃焼濃度と温度との関係を示すグラフである。 希釈気体燃料の供給条件濃度、供給位置が装入層内の温度分布に及ぼす影響を説明する図である。 実施例の焼結実験に用いた焼結機の構成を説明する図である。 装入層上層部に供給する希釈気体燃料の濃度分布が焼結鉱の強度向上に及ぼす影響を示すグラフである。
符号の説明
1:原料ホッパー
2、3:ドラムミキサー
4:床敷鉱ホッパー
5:サージホッパー
6:ドラムフィーダー
7:切り出しシュート
8:パレット
9:装入層
10:点火炉
11:ウインドボックス(風箱)

Claims (3)

  1. 循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する装入工程と、
    その装入層表面の炭材に点火炉を使って点火する点火工程と、
    気体燃料を装入層上方の大気中に層流燃焼速度以上の高速で吐出して燃焼下限濃度以下の希釈気体燃料としてから装入層内に導入する気体燃料供給工程と、
    パレット下に配置されたウインドボックスで上記希釈気体燃料と空気を装入層内に吸引し、装入層内の炭材を燃焼させると共に、上記希釈気体燃料を炭材燃焼後の装入層内で燃焼させて焼結ケーキを生成する焼結工程を有する焼結鉱の製造方法において、
    希釈気体燃料の供給を、点火炉出側から機長の1/20〜1/3の領域で行い、かつ、
    その希釈気体燃料の濃度を、上記領域の下流側よりも上流側を高くし、焼結時における装入層内の最高到達温度を1200〜1380℃の温度範囲に制御することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 上記製造方法は、希釈気体燃料を供給する領域を少なくとも3区画以上に分割し、各区画に供給される希釈気体燃料の濃度を下流側よりも上流側ほど段階的に高くすることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 上記製造方法は、上記希釈気体燃料として、装入層内に導入するときの濃度0.2〜1.6vol%に希釈したLNGを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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