JP6183623B2 - 鉄系含油スラッジを原料に用いる焼結鉱の製造方法および鉄系含油スラッジの処理方法 - Google Patents

鉄系含油スラッジを原料に用いる焼結鉱の製造方法および鉄系含油スラッジの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼の製造過程において発生する油分を多く含む鉄系の含油スラッジを焼結原料の一部として再利用する焼結鉱の製造方法および上記焼結鉱の製造方法を用いた鉄系含油スラッジの処理方法に関するものである。
製鉄所においては、鉄鉱石をコークス等で還元して溶銑とし、その溶銑を精錬して鋼として、各種の鉄鋼製品を製造しているが、鉄鋼製品を製造する際、油分を含む鉄を主成分とする各種のスラッジやダストが発生する。例えば、圧延工程においては、摩擦係数を低減して圧延負荷を軽減したり、圧延機の潤滑性を確保し、損耗等を防止したりするために、種々の圧延潤滑油や作動油、グリース等が使用されているため、これらの油分を含む鉄系のスラッジ(以降、単に「含油スラッジ」ともいう)が多量に発生する。
この含油スラッジ中に含まれる油分の濃度は、発生工程や圧延機の種類等によっても異なるが、高いものでは10mass%以上となるものもある。そのため、従来、焼結原料中に含油スラッジをそのまま造粒原料の一部に用いて造粒し、擬似粒子の焼結原料として焼結機に装入していたが、焼結原料中に含まれる油分が気化し、後述するように、操業面で悪影響を及ぼすという問題がある。そのため、このままでは製鉄原料として再利用することが難しいため、従来、産業廃棄物として埋め立てに用いて処理していた。
しかし、含油スラッジ中には多量の鉄分が含まれている。そこで、油分を除去(脱水・分離、焙焼等)し、鉄源として再利用したりすることが検討されている。例えば、特許文献1には、水分を30〜50mass%含有する鉄系含油スラッジを、テーブルの周囲に焼結鉱を収容するホッパが設けられた水平回転テーブル式クーラを回転させながら、上記ホッパ内に上記スラッジと高温の焼結鉱とを上方より交互に投入して、上記スラッジが焼結鉱上に載置および焼結鉱にてサンドイッチ状にはさまれている間に、焼結鉱の顕熱により水分および油分を蒸発させて除去し、冷却風を送って冷却したものから順次ホッパ下部より排鉱し、焼結用原料に使用する技術が開示されている。
また、特許文献2には、油分と水分を含有するスラッジを、100℃超え、油分の揮発温度未満の温度に加熱し、乾燥させ、油分を焼却せずに油分を含有したまま、スラッジの水分含有量を1mass%以下とすることで、上記スラッジを、他の副原料と混合せずに溶銑の精錬剤として有効利用するスラッジの処理方法が開示されている。
しかし、上記特許文献1に開示の技術では、焼結鉱の廃熱(顕熱)によって、水分や油分は除去されるものの、気化した油分を回収する装置が必要となる。また、焼結鉱の顕熱により気化した油分が、一緒に投入された焼結鉱中に移行して含有され、それがそのまま高炉に装入された場合には、高炉から発生するガス中に油分が含まれることになり、ガス清浄系等の装置トラブルを発生するおそれがある。また、上記特許文献2に開示の技術では、水分を除去するために、板状スラッジを作製し、破砕した後、乾燥するための乾燥機やクラッシャー、熱風炉等の設備が必要であるため、多大の設備投資が必要となるという問題がある。
ところで、近年、地球温暖化に対する対策として、COの排出量削減が求められており、多量のCOを排出する鉄鋼業においても、その削減は急務であり、種々の技術開発がなされている。その一つの技術として、循環移動するパレット上に、粉鉄鉱石と焼結熱源(凝結材)としての炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成し、装入層内の炭材を燃焼させた熱で焼結鉱を製造する際、装入層上方から装入層内に燃焼下限濃度以下に希釈した気体燃料を供給し、燃焼させることによって、高品質の焼結鉱を得る技術が開発されている(例えば、特許文献3、4参照。)。上記特許文献3および4に開示の、気体燃料を供給して焼結鉱を製造する技術によれば、供給した気体燃料の熱量に相当する量以上の炭材を削減することができるので、COの排出量の削減にも大きく寄与することができるとされている。
特開昭59−156498号公報 特開2003−213341号公報 特開2012−188714号公報 特開2012−207236号公報
そこで、本発明は、上記特許文献3および4に開示の技術思想を活用することによって、先述した特許文献1および2の従来技術が抱える問題点を解決し、鉄系含油スラッジを焼結原料の一部として再利用する焼結鉱の製造方法と、上記焼結鉱の製造方法において鉄系含油スラッジを再利用する鉄系含油スラッジの処理方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、鉄系含油スラッジを、従来技術のように焼結原料中に混合せずに、焼結機の点火炉以降でかつ炭材燃焼後の装入層の表面温度がまだ高温状態にある区間において、上記装入層の上に装入し、該装入層の残熱(顕熱)によってスラッジ中に含まれる油分を気化することで、上記油分を気体燃料として活用すると同時に、スラッジ中の鉄分を鉄源として再利用することができることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、鉄源としての粉鉄鉱石と凝結剤としての炭材を含む焼結原料を循環移動するパレット上に装入して装入層を形成した後、該装入層の表層に点火炉で点火し、パレット下に配設したウインドボックスで上記装入層中に空気を吸引・導入して焼結原料中の炭材を上層から下層に向って順次燃焼させる焼結鉱の製造方法において、上記点火炉の下流かつ炭材燃焼後の装入層の表面温度が300℃以上の区間において、造粒した鉄系の含油スラッジを上記装入層の表面上に装入し、該装入層の顕熱によって含油スラッジ中に含まれる油分を気化し、該油分をウインドボックスによって吸引される空気とともに装入層内に導入し、燃焼帯を通過させて燃焼させることにより、上記油分を気体燃料として活用することを特徴とする焼結鉱の製造方法を提案する。
また、本発明の焼結鉱の製造方法における上記造粒した含油スラッジは、粒径が10mm以下で、2mm以上が50mass%以上のものであることを特徴とする。
また、本発明の焼結鉱の製造方法は、焼結鉱を製造する際、凝結材の一部として炭化水素系の気体燃料を燃焼下限濃度以下に希釈して装入層内に導入し、燃焼させることを特徴とする。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法で鉄系含油スラッジを焼結原料の一部として再利用することを特徴とする鉄系含油スラッジの処理方法を提案する。
本発明によれば、鉄鋼製造過程で発生する鉄系含油スラッジを、焼結完了後のまだ高温状態にある装入層の上に装入することで、油分を気化して気体燃料の一部として活用することができ、さらに、油分除去後のスラッジは焼結原料の一部として再利用することができるので、含油スラッジを極めて効率的に処理することができる。また、本発明によれば、鉄系含油スラッジ中の油分を特別な処理で除去する必要がないので、鉄系含油スラッジを安価に処理することができる。
下方吸引式焼結機における焼結鉱の製造工程を模式的に説明する図である。 焼結反応の進行に伴う焼結原料装入層内の変化を模式的に説明する図である。 実施例に用いた鉄系含油スラッジ中の処理条件を説明する図である。
図1は、下方吸引式焼結機を用いた焼結鉱の製造工程を模式的に説明する図である。
上記焼結鉱の製造工程では、主原料である粉鉄鉱石や副原料の石灰および焼結熱源(凝結材)となる石炭やコークスなどの炭材等から構成される造粒原料をホッパ1から所定の配合で切り出し、ドラムミキサー等の造粒機2で混合・造粒して擬似粒子の焼結原料とした後、該焼結原料を焼結機の給鉱部3で循環移動するパレット4上に装入して装入層5(単に、「装入層」ともいう)を形成した後、上記装入層5の表層部に含まれる炭材に点火炉6のバーナで点火し、パレット下方に配設されたウインドボックス7で装入層上方の空気を吸引し、装入層内5に導入して焼結原料中の炭材を燃焼させ、その燃焼熱で焼結原料を焼結させて焼結ケーキ8とした後、該焼結ケーキを排鉱部9の破砕機10で所定の大きさに破砕し、篩分けして、所定の大きさ以上のものを高炉に装入し、以下のものを返鉱等として再利用している。
上記焼結鉱の焼結過程においては、装入層内で炭材が燃焼している部分は、「燃焼帯」または「燃焼・溶融帯」とも呼ばれ、焼結反応に必要な1200℃以上の高温状態に保持される。上記燃焼帯は、点火からの時間の経過に伴い、すなわち、パレットが下流側(排鉱部側)に移動するのに伴い、装入層の上層部から下層部に向って順次移動する。図2は、上記の様子を模式的に示したものであり、燃焼帯が通過した後の上層側には、焼結が完了した成品焼結鉱(焼結ケーキ層、焼結層)が形成され、一方、燃焼帯がこれから進行する低温の下層側には、ウインドボックスにより吸引された高温の燃焼排ガスによって未燃焼の焼結原料中に含まれていた水分が運ばれて凝縮した湿潤帯が形成されている。
ところで、従来技術においては、含油スラッジをそのまま造粒原料の一部に用いて造粒し、擬似粒子の焼結原料として焼結機に装入していた。しかし、上記のように、燃焼帯が装入層の表層部から下層部に順次移動するときには、燃焼帯がこれから通過する装入層の下層側は、ウインドボックスによって吸引される燃焼排ガスにより運ばれる燃焼帯の熱によって加熱されるため、焼結原料中に含まれる油分等の気化成分は燃焼を開始する前に気化し、燃焼排ガスとともに排ガス系統に排出されることになる。
しかし、排ガス系統の温度は、比較的低温であるため、気化した油分は再び液化して排ガス系統の配管の内壁等に付着し、堆積する。したがって、何らかの火種があれば、火災や爆発を起こしたりするおそれがある。また、排ガス系統の下流には、通常、電気集塵機(EP:Electrostatic Precipitator)が設置され、直流高電圧でコロナ放電を発生させ、排ガス中のダストを帯電させて捕集しているため、その危険性はなおさらである。
そこで、本発明は、上記問題点を解消するため、含油スラッジを造粒原料(焼結原料)の一部として用いるのではなく、点火炉の出側以降でかつ炭材燃焼完了後の装入層表面がまだ高温状態ある区間で、上記装入層の上に含油スラッジを装入し、装入層が有する残熱(顕熱)で含油スラッジ中の油分を気化する方法を採用することとした。上記方法によれば、気化した油分は、その後、ウインドボックスによって吸引される空気とともに装入層内に導入され、1200℃以上の温度を有する燃焼帯を通過するため、確実に燃焼されるため、前述した従来技術のような問題を引き起こすことがない。
さらに、含油スラッジ中から気化した油分は、従来技術で紹介した特許文献3や4の技術における気体燃料としての作用を有するため、含油量が高い場合には、気体燃料の代替あるいは上記気体燃料の補完燃料としても使用することができるので、気体燃料の供給量低減や、焼結原料中に添加する炭材量の低減を通じて、気体燃料や炭材コストの低減や、COガス排出量の削減にも寄与することができる。
なお、上記含油スラッジには、通常、油分だけでなく、水分も多量に含有しているため、そのままでは焼結機に装入することは難しい。また、装入層の上に装入できたとしても、そのままでは通気性を害する。そこで、含油スラッジを焼結機に装入するに際しては、予め、粉鉱石や、製鋼ダスト、高炉ダスト、ミルスケール等と混合・造粒し、通常の、焼結原料と同程度の大きさ、具体的には、粒径が10mm以下で、2mm以上が50mass%以上の大きさに造粒しておくことが好ましい。なお、造粒した含油スラッジについても、以降、単に「含油スラッジ」という。
含油スラッジを造粒する方法については、特に制限はなく、従来公知の方法、例えば、傾斜したドラムを回転させ、ドラムの片側から粉体を供給し、片側から造粒物として排出する造粒方法、浅い円形容器を40〜50°に傾斜させ、10〜30rpmで回転させながら、該容器に粉体を供給するとともに、液体バインダーを適量添加して造粒する方法、粉体を1種類以上ミキサーに入れて攪拌・混合した後、液体バインダーを添加して造粒する方法等を用いることができる。また、水分が多い場合には、燃料を燃焼させた後の燃焼排ガス等を利用して、適宜、乾燥させてもよい。
ここで、本発明において重要なことは、上記含油スラッジの焼結機への装入は、油分や水分を十分に気化させる観点から、炭材燃焼後の装入層の表面温度が、油分や水分が気化するのに十分な温度を有している区間とする必要がある。通常、含油スラッジ中に含まれる油分が気化する温度は250〜300℃である。そこで、本発明において、含油スラッジを装入する区間は、点火炉出側〜炭材燃焼後の装入層表面温度が300℃以上の区間とするのが好ましい。より好ましくは、350℃以上の区間である。
なお、気体燃料を吹き込む焼結操業を行っている場合には、点火炉の数m下流側には、気体燃料供給装置が配設されていることから、点火炉出側〜気体燃料供給装置間において含油スラッジを装入するのが好ましい。その場合にも、装入層表面温度は上記温度条件を満たすことが好ましい。
また、上記区間において、含油スラッジを装入するパレット幅方向位置は、パレット両端のサイドウォール近傍は避け、パレットの幅方向中央部とすることが好ましい。サイドウォール近傍は、サイドウォールからの放熱や、サイドウォールと焼結により収縮した焼結鉱との隙間を流れる空気による冷却によって、温度の低下が大きいからである。
また、炭材燃焼後の装入層の上に装入する造粒後の含油スラッジの量は、焼結原料1トン当たり、4kg以下とするのが好ましい。装入量が4kg/焼結原料tを超えると、油分や水分の気化に必要な熱量が増大し、十分に気化することが難しくなったり、通気を阻害するようになったり、焼結鉱の品質を悪化するおそれがあるからである。
上記のように、本発明の含油スラッジの処理方法では、含油スラッジ中の油分や水分の気化に用いる熱源は、焼結ケーキの残熱(顕熱)だけであり、その他の熱源は一切必要としない。しかし、焼結ケーキの残熱だけでは、含油スラッジ中の油分や水分の気化には十分であるが、焼結反応を起こすまでには至らない。しかし、油分や水分が除去された後のスラッジは、排鉱部で破砕された際、小さな粒子となるので、そのまま返鉱あるいは造粒原料として再利用することができる。そのため、本発明を用いることにより、含油スラッジを安価に処理することができる。
粉鉄鉱石、石灰および凝結材(炭材)としての粉コークスを造粒原料とし、これらを造粒機にて混合・造粒して得た焼結原料を焼結機に装入した後、点火炉で装入層の上層部に点火し、パレット下に配設したウインドボックスで上記装入層中に空気を吸引・導入して焼結原料中の炭材を上層から下層に向って順次燃焼させることにより焼結鉱を製造する焼結鉱の製造プロセスにおいて、鉄系含油スラッジを処理する実験を行った。
具体的には、まず、熱延工場から発生した脱水後の水分を40mass%程度と多量に含む含油スラッジ(含油率:5.4mass%)に生石灰10mass%を混合し、傾斜したドラムを回転させ、ドラムの片側から造粒原料を供給し、片側から造粒物として排出する造粒方法で、粒径が10mm以下で、2mm以上が50mass%以上の大きさに造粒して、油分:6.5mass%、鉄分:24mass%および水分:33mass%を含有する含油スラッジ造粒粒子とした。なお、造粒工程において生石灰の水和熱により、7mass%の水分が蒸発した。次いで、図3(a)に示したように、点火炉以降かつ炭材燃焼後の装入層の表面温度が300℃以上の区間で、または、図3(b)に示したように、点火炉と気体燃料供給装置間(装入層の表面温度が300℃以上)で、上記含油スラッジの造粒粒子を装入層の上に、4.0kg/焼結原料t装入し、その他の条件については、通常の焼結鉱の製造条件と同じとした。
ここで、上記図3(a)は、気体燃料を供給することなく、炭材の燃焼熱でのみ焼結鉱を製造する条件であり、一方、上記図3(b)は、炭材に加えて、気体燃料としてLNGを燃焼下限濃度以下の0.4vol%に希釈して吹き込み、それらの燃焼熱で焼結鉱を製造する条件である。
また、比較例として、図3(c)に示したように、従来技術と同様、造粒原料中に、焼結原料中に含まれる含油スラッジの量が上記2条件と同量(4.0kg/焼結原料t)となるように添加し、造粒機で混合・造粒して、粒径が10mm以下で、2mm以上が50mass%以上の大きさの焼結原料とした後、該焼結原料を焼結機に装入して焼結鉱を製造する条件、および、参考例として、気体燃料の吹き込みも含油スラッジの装入も一切行わない条件についても実験を行った。
なお、上記4条件における炭材(コークス)の添加量および気体燃料の供給量を表1に示したが、炭材と気体燃料の燃焼熱の合計がすべての条件で同じとなるよう制御した。
Figure 0006183623
また、上記実験においては、ウインドボックスの下流側で、それぞれの条件における燃焼排ガス中の油分濃度を測定した。また、得られた焼結鉱について、JIS M8712に準じてタンブラー強度TIを測定するとともに、成品歩留まり、および、返鉱の発生率を調査し、それらの結果を表1に併記した。
上記表1から、含油スラッジを造粒原料として添加した従来技術の比較例(No.3)では、燃焼排ガス中に含まれる油分濃度が0.05vol%に達し、電気集塵機EPを運転するには支障があるレベルとなった。これに対して、本発明に従い、点火炉の下流側で含油スラッジを添加した発明例(No.1,2)では、いずれも燃焼排ガス中に含まれる油分濃度が0.01vol%以下であり、電気集塵機EPを問題なく運転することができた。
また、上記発明例で得られた焼結鉱は、気体燃料の吹き込みも、含油スラッジの装入も行わない参考例(No.4)と比較して、冷間強度に優れかつ成品歩留まりも向上している。特に、含油スラッジの装入と気体燃料の吹き込みを行った場合(No.2)においてはその向上代が大きい。これは、気体燃料を供給する効果と、スラッジ中の油分が気化して気体燃料として作用する効果との相乗効果によるものと考えられる。なお、本発明例では、含油スラッジの装入に起因して、返鉱の発生率が若干上昇する傾向があるが、その違いはばらつきの範囲内である。
以上の結果から、本発明の焼結鉱の製造方法によれば、含油スラッジを焼結機の点火炉以降の装入層表面がまだ高温の区間で装入層上に装入することで、含油スラッジを安価にかつ効率的に処理できることが確認された。
本発明の技術は、上記に説明した焼結鉱の製造方法に限定されるものではなく、例えば、気体燃料の供給と同時に酸素を富化する焼結鉱の製造方法にも適用することができる。
1:ホッパ
2:造粒機
3:給鉱部
4:パレット
5:焼結原料装入層(装入層)
6:点火炉
7:ウインドボックス
8:焼結ケーキ(成品焼結鉱)
9:排鉱部
10:破砕機
11:電気集塵機(EP)
12:排風機
13:含油スラッジ層
14:気体燃料供給装置

Claims (4)

  1. 鉄源としての粉鉄鉱石と凝結剤としての炭材を含む焼結原料を循環移動するパレット上に装入して装入層を形成した後、該装入層の表層に点火炉で点火し、パレット下に配設したウインドボックスで上記装入層中に空気を吸引・導入して焼結原料中の炭材を上層から下層に向って順次燃焼させる焼結鉱の製造方法において、
    上記点火炉の下流かつ炭材燃焼後の装入層の表面温度が300℃以上の区間において、造粒した鉄系の含油スラッジを上記装入層の表面上に装入し、該装入層の顕熱によって含油スラッジ中に含まれる油分を気化し、該油分をウインドボックスによって吸引される空気とともに装入層内に導入し、燃焼帯を通過させて燃焼させることにより、上記油分を気体燃料として活用することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 上記造粒した含油スラッジは、粒径が10mm以下で、2mm以上が50mass%以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 焼結鉱を製造する際、凝結材の一部として炭化水素系の気体燃料を燃焼下限濃度以下に希釈して装入層内に導入し、燃焼させることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 上記請求項1〜のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法で鉄系含油スラッジを焼結原料の一部として再利用することを特徴とする鉄系含油スラッジの処理方法。
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