JP6225926B2 - 含油ダストスラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄鋼製品の製造工程などで排出される含油ダストスラッジの処理方法に関する。具体的には、含油ダストスラッジからの油分の除去において、油分除去を効率良く行うことを可能にする含油ダストスラッジの処理方法、および、この含油ダストスラッジの処理方法を利用する製鉄原料の製造方法に関する。
製鉄所においては、鉄鉱石をコークス等で還元して溶銑とし、その溶銑を精錬して鋼として、各種の鉄鋼製品を製造している。このような鉄鋼製品を製造する際、油分や水分を含む鉄を主成分とする各種のスラッジやダストが排出される。
例えば、圧延工程においては、摩擦係数を低減して圧延負荷を軽減したり、圧延機の潤滑性を確保し、損耗等を防止したりするために、種々の圧延潤滑油や作動油、グリース等が使用されている。そのため、この圧延潤滑油などの油分を含む鉄系のスラッジが多量に排出される(以降、このような油分や水分を含むダストやスラッジを、「含油ダストスラッジ」ともいう)。
この含油ダストスラッジ中に含まれる油分の濃度は、発生工程や圧延機の種類等によっても異なるが、高いものでは20質量%以上となるものもある。
従来は、含油ダストスラッジを、そのまま造粒原料の一部として焼結原料中に用いて造粒し、擬似粒子の焼結原料として焼結機に装入していた。
ところが、前述のように、含油ダストスラッジは、多いものでは20質量%以上の油分を含んでいる。そのため、焼結原料中に含まれる油分が気化し、電気集塵機やバグフィルターに付着する。電気集塵機やバグフィルターに付着した油分は、目詰まりや火災などの事故の原因となる。
また、含油ダストスラッジを転炉製鋼原料として用いた際には、粒度が細かく粉塵としての飛散が多くなる。そのため、別途ブリケット化あるいはペレット化することが必要となり、コストがかかる。しかも、油分を含有するため転炉に装入時に発煙が発生する、あるいは注銑時に蒸気爆発するなどの問題が起こる恐れがある。
以上のように、含油ダストスラッジを、そのまま使用すると、操業面で悪影響を及ぼすという問題がある。そのため、含油ダストスラッジは、このままでは製鉄原料として再利用することが難しいため、従来、産業廃棄物として埋め立てに用いて処理していた。
一方で、含油ダストスラッジの中には多量の鉄分が含まれている。そこで、油分を除去(脱水・分離、焙焼等)し、鉄源として再利用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、並流式回転キルン型加熱炉を使用した含油ダストスラッジの処理方法において、加熱炉の炉内で含油ダストスラッジ中の油分が蒸発する地点に、油分を燃焼するのに必要な空気または酸素を富化した空気を強制的に吹き込むとともに、加熱炉の出側の排ガス中酸素濃度を0.1〜5体積%に制御し、さらに含油ダストスラッジの投入口の炉内の内壁面温度を400℃以上とした条件下で油分を燃焼除去し、油分の除去されたスラッジを非酸化条件下で冷却することが開示されている。
また、特許文献2には、含油ダストスラッジの処理において、含油ダストスラッジに高圧流体を吹き付けるなどして、1〜10mmの小塊状にして分散させ高温のロータリーキルン内で焼却する方法が提案されている。
特開平10−169957号公報 特開平8−121736号公報
特許文献1に記載される含油ダストスラッジの処理方法によれば、酸素富化空気の吹込によって排ガス中の酸素濃度の制御、含油ダストスラッジ投入口の炉内温度、処理済のスラッジの冷却雰囲気を制御することで、処理済みの含油ダストスラッジに含有される油分を低減できる。
また、特許文献2に記載される含油ダストスラッジの処理方法によれば、含油ダストスラッジを小塊状にして分散して燃焼することによって、含油ダストスラッジの燃焼効率を向上し、かつ、LPG等の助燃料の使用量も低減できる。
ここで、このような含油ダストスラッジの処理では、重油等の燃料が用いられる。使用する重油の量は、含油ダストスラッジの含油率が多い程、多くなる。コスト低減や環境のためにも、含油ダストスラッジの処理では、使用する燃料は削減するのが好ましい。
しかしながら、特許文献1および特許文献2には、含油ダストスラッジの処理において、重油等の燃料の使用量を削減することに関する記載は無い。
したがって本発明の目的は、含油ダストスラッジからの油分除去を効率良く行うことにより、重油等の燃料の使用量を低減して、油分除去を低コストで行うことを可能にする含油ダストスラッジの処理方法、および、この含油ダストスラッジの処理方法を利用する製鉄原料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた。
その結果、含油ダストスラッジを加熱処理して油分除去する際に、製鉄所内で排出される非含油ダストスラッジなど、金属を含む助剤を添加して加熱処理することによって、含油ダストスラッジからの油分除去が促進され、より低コストで含油ダストスラッジからの油分除去を行えることを見出した。
本発明は、この知見に基づいて成されたものである。
すなわち、本発明の含油ダストスラッジの処理方法は、金属および金属酸化物の少なくとも一方を含む含油ダストスラッジから油分を除去する含油ダストスラッジの処理方法であって、
前記含油ダストスラッジと共に、金属を含む助剤を加熱炉に入れ、加熱処理することを特徴とする含油ダストスラッジの処理方法を提供する。
このような本発明の含油ダストスラッジの処理方法において、前記助剤は、含水率が20質量%以下であるのが好ましい。
また、前記助剤は、金属を50質量%以上含有するのが好ましい。
また、前記含油ダストスラッジに含まれる金属元素と前記助剤に含まれる金属元素とで、最も含有率が多い金属元素が一致するのが好ましい。
また、前記含油ダストスラッジの含油率が20質量%以下であるのが好ましい。
また、前記加熱炉における加熱処理を300℃以上で行うのが好ましい。
また、前記含油ダストスラッジが、鉄および酸化鉄の少なくとも一方を含むのが好ましい。
さらに、前記助剤が、鉄あるいはさらに酸化鉄を含むのが好ましい。
また、本発明の製鉄原料の製造方法は、金属および金属酸化物の少なくとも一方を含む含油ダストスラッジを加熱炉によって処理する製鉄原料の製造方法であって、
前記加熱炉に、前記含油ダストスラッジと共に金属を含む助剤を入れ、加熱処理することを特徴とする製鉄原料の製造方法を提供する。
本発明によれば、より少ない燃料で、効率よく含油ダストスラッジからの油分の除去を行うことができるので、含油ダストスラッジからの油分除去処理の大幅なコスト削減を図り、また、含油ダストスラッジの好適な再利用も可能になる。
本発明の含油ダストスラッジの処理方法を説明するための概念図である。 本発明の実施例を説明するための概念図である。 本発明の実施例の結果を示すグラフである。
以下、本発明の含油ダストスラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法について、添付の図面に示される好適例を基に詳細に説明する。
図1に、本発明の含油ダストスラッジの処理方法すなわち本発明の製鉄原料の製造方法を説明するための概念図を示す。
図1に示す装置において、含油ダストスラッジは、供給部12から加熱炉14に供給され、加熱炉12で加熱処理されることによって、油分(あるいはさらに水分等)が除去される。また、供給部12には、含油ダストスラッジに加え、助剤が投入される。従って、含油ダストスラッジは、助剤と共に加熱炉14に供給され、助剤と共に加熱処理される。
本発明の含油ダストスラッジの処理方法(以下、本発明の処理方法とも言う)において、油分を除去する含油ダストスラッジは、様々な製品の生産における各種の工程で排出される、金属および/または金属酸化物と、油分と、あるいはさらに水分とを含む、いわゆる含油ダストスラッジ(含油ダスト・含油スラッジ)が、各種、利用可能である。
中でも、本発明の処理方法によって油分が効率よく除去できる点で、鉄および/または酸化鉄を含む含油ダストスラッジは、好ましく例示される。その中でも、鉄および/または酸化鉄の含有量が多く前記利点がより好適に得られる、後述する助剤との混合を容易に行える等の点で、製銑から圧延までを行う鉄鋼製品の製造における、各種の工程で排出される含油ダストスラッジが、好ましく例示される。
このような含油ダストスラッジは、必要に応じて、シックナーなどを用いる沈降分離や濾別等によって、油分や水分との分離処理を行われたものであるのが好ましい。
また、本発明の処理方法で処理する含油ダストスラッジは、含油率が20質量%以下であるのが好ましい。この点に関しては、後に詳述する。
このような含油ダストスラッジに添加される助剤は、鉄鋼製品の生産で排出される非含油ダストスラッジなど、金属を含むものである。本発明の処理方法は、含油ダストスラッジに、このような助剤を添加して加熱炉14で加熱処理することにより、含油ダストスラッジからの油分除去を効率良く行うことを可能にしている。
助剤に関しては、後に詳述する。
含油ダストスラッジおよび助剤は、例えば、クレーンやスクリューコンベア等の公知の方法で供給部12に供給すればよい。
供給部12から加熱炉14への含油ダストスラッジと助剤との混合物の供給も、スクリューコンベア等の公知の方法で行えばよい。
ここで、本発明の処理方法においては、含油ダストスラッジからの油分除去を効率良く行える等点で、含油ダストスラッジと助剤とを、混合した状態で加熱炉14で処理するのが好ましい。これに応じて、供給部12では、必要に応じて、含油ダストスラッジと助剤とを混合してもよい。
なお、本発明の処理方法において、含油ダストスラッジと助剤との混合は、供給部12で行う以外にも、供給部12に投入する前、加熱炉14内など、各種の段階で行うことができる。また、含油ダストスラッジと助剤との混合は、含油ダストスラッジおよび助剤の性状、混合を行う段階(工程)等に応じて、公知の方法で行えばよい。
加熱炉14は、含油ダストスラッジからの油分除去に利用される加熱炉(燃焼炉、焙焼炉、焼却炉)が、各種、利用可能である。
一例として、ロータリーキルン、シャフト炉(竪型炉)、多段炉、回転炉、流動炉、バッチ炉等が例示される。
加熱炉14への含油ダストスラッジ(含油ダストスラッジと助剤との混合物)の供給量は、加熱炉14の構成、加熱炉14の処理能力、加熱炉14の大きさ、目的とする含油ダストスラッジの処理量等に応じて、適宜、設定すればよい。
含油ダストスラッジからの油分除去を行うための一般的な加熱炉と同様、加熱炉14には、燃焼用空気および燃料が供給される。
燃焼用空気は、空気や酸素富化空気など、含油ダストスラッジからの油分除去に用いられる公知の燃焼用空気を利用すればよい。燃料も、重油など、加熱炉によって含油ダストスラッジから油分を除去する際に用いられる公知の燃料を利用すればよい。
また、燃焼用空気および燃料の供給量、さらには、含油ダストスラッジの加熱処理時間等は、加熱炉14の種類、加熱炉14の大きさや処理能力、処理する含油ダストスラッジの量等に応じて、適宜、設定すればよい。
加熱炉14での処理温度は、含油ダストスラッジの種類、含油ダストスラッジが含有する油分の量等に応じて、適宜、設定すればよい。具体的には、300℃以上が好ましく、400℃以上がより好ましく、500℃以上が特に好ましい。
加熱炉14での処理温度を300℃以上とすることにより、含油ダストスラッジからの油分除去を効率よく行える点で好ましい。
なお、加熱炉14での処理温度の上限は、通常1200℃程度である。
加熱炉14で処理されて、油分を除去されたダストスラッジは、原料としてリサイクルされる。例えば、加熱炉で処理した含油ダストスラッジが、前述の鉄鋼製品の製造で排出されたものである場合には、加熱炉14で油分を除去されたダストスラッジは、鉄鋼製品の製造における鉄源、焼結原料、転炉製鋼原料などの製鉄原料としてとしてリサイクルされる。
また、加熱炉14から排出される排気ガスは、脱塵装置16で処理されて、排ガス中に含まれる油分を除去されたダストスラッジが回収される。回収されたダストスラッジは、同様に、製鉄原料としてリサイクルされる。なお、脱塵装置16は、サイクロン、電気集塵機、バグフィルタ等の公知の装置が利用可能である。
後に詳述するが、本発明の含油ダストスラッジの処理方法によれば、効率よく含油ダストスラッジからの油分の除去を行うことができる。従って、本発明の含油ダストスラッジの処理方法を利用する本発明の焼結原料の製造方法によれば、従来は焼結原料等として利用することが困難であった含油ダストスラッジを、油分除去ダストスラッジとして回収して、鉄鋼製品の製造における鉄源、焼結原料、転炉製鋼原料などの製鉄原料としてリサイクルできる。
前述のように、本発明の処理方法では、含油ダストスラッジに、金属を含む助剤を添加して、加熱炉14によって加熱処理することにより、含油ダストスラッジから油分を除去する。
このような助剤を用いて、含油ダストスラッジからの油分除去を行うことにより、より少ない燃料で含油ダストスラッジからの油分除去を行える。その結果、本発明によれば、含油ダストスラッジ処理の大幅なコスト削減を図ることが可能となる。
すなわち、金属を含む助剤を添加して、含油ダストスラッジを加熱処理することにより、金属の酸化による反応熱が発生する。この反応熱が、含油ダストスラッジからの油分除去に作用することで、より効率のよい油分除去が行える。
例えば、鉄の酸化による発生熱は6〜8MJ/kgであり、一般的なA重油の発熱量の約20%前後にあたる。密度を比較すると、鉄の密度はA重油の約9倍であることから、換算すれば鉄はA重油の約2倍の発熱量を持つこととなる。
すなわち、含油ダストスラッジからの油分除去において、金属を含む助剤を添加した状態で加熱処理することは、加熱に必要なエネルギーを減らすことと同義であると言える。
本発明の処理方法で用いる助剤は、金属を含むものであれば、各種のものが利用可能である。なお、本発明は、含油ダストスラッジからの油分除去を行うものであるので、助剤は、基本的に油分を含有しないものを用いる。
一例として、金属粉や粒状金属や塊状の金属、金属粉と金属酸化物粉とを含む混合物、金属粉あるいはさらに金属酸化物粉と水分とを含む混合物等が例示される。
ここで、前述のように、本発明の処理方法では、被処理材料として鉄および/または酸化鉄を含む含油ダストスラッジが好適に利用される。そのため、後述する処理済のダストスラッジからの成分分離等の点で、鉄あるいはさらに酸化鉄を含む助剤は、好適に利用される。中でも、鉄および酸化鉄を主成分とする助剤は好適に例示され、鉄を主成分とする助剤は処理効率の点も含めて特に好適に利用される。
具体的には、鉄の含有量が多い、含油ダストスラッジとの混合が容易である等の理由で、製銑から圧延までを行う鉄鋼製品の製造における、各種の工程で排出される非含油ダストスラッジ(非含油ダスト・非含油スラッジ)が、好ましく例示される。
このような非含油ダストスラッジとしては、具体的には、転炉ダスト、高炉ダスト等が例示される。
本発明の処理方法において、助剤は、含水率が20質量%以下であるのが好ましい。
助剤に水分が多く含まれると、水分の蒸発潜熱によって発熱量が低下してしまう。ここで、一般的に、含油ダストスラッジは、脱水をかけたとしても含水率を20質量%以下に下げることは非常に難しく、達成できてもコストに見合わないことが多い。
この点を考慮すると、助剤の含水率は20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましく、1質量%以下であるのが特に好ましい。助剤の含水率を20質量%以下とすることにより、助剤が含有する水分に起因する、含油ダストスラッジの油分除去効率の低下を抑制して、より効率のよい処理が可能になる。
本発明の処理方法において、助剤は、金属を50質量%以上含むのが好ましい。
助剤は、金属の含有量が多いほど、金属の酸化による発熱量が多く、より効率よく含油ダストスラッジからの油分除去を行うことが可能になる。
この点を考慮すると、助剤は、金属を50質量%以上含むのが好ましく、金属を75質量%以上含むのがより好ましく、金属を99質量%以上含むのが特に好ましい。助剤が金属を50質量%以上含むことにより、効率のよい含油ダストスラッジの油分除去を行うことができる。
本発明の処理方法においては、含油ダストスラッジに含まれる金属元素と、助剤に含まれる金属元素とで、最も含有率(質量%)が高い金属元素が一致しているのが好ましい。
本発明の処理方法において、加熱炉14および排気ガスからは、油分を除去されたダストスラッジと、金属が酸化された助剤とが混合されて状態で排出される。
ここで、前述のように、加熱炉14で処理されたダストスラッジ等は、鉄鋼製品における鉄源や焼結原料など、製鉄原料としてリサイクルされる。従って、処理済のダストスラッジ等に異なる金属元素が含まれていると、処理済のダストスラッジの用途によっては、原料としてリサイクルする際に、各金属元素を分離する処理を行う必要が生じる。
このような分離処理を回避し、あるいは、分離処理を行う際の負担を低減するためには、含油ダストスラッジに含まれる金属元素と、助剤に含まれる金属元素とで、最も含有率が高い金属元素が一致しているのが好ましい。言い換えれば、含油ダストスラッジおよび助剤に含まれる金属や金属酸化物の金属元素において、含油ダストスラッジと助剤とで、含まれる金属元素の主成分が一致しているのが好ましい。
さらに、本発明の処理方法においては、前述のように、含油ダストスラッジの含油率が、20質量%以下であるのが好ましい。
本発明の処理方法において、効率の良い含油ダストスラッジからの油分除去を行うためには、助剤の発熱量が含油ダストスラッジの発熱量が上回っているのが好ましい。
ここで、含油ダストスラッジに含まれる金属元素は、一般的に、酸化状態であることが多い。すなわち、含油ダストスラッジに含まれるのは、一般的に、金属よりも金属酸化物の方が遥かに多い。この点を考慮すると、助剤に含まれる金属の酸化による発熱が、含油ダストスラッジに含まれる金属の酸化による発熱を下回ることは考えにくい。
但し、含油ダストスラッジに含まれる油分が多いと、その発熱量が大きくなることはあり得る。例えば、金属鉄の酸化による発熱量は、前述のように、A重油の20%前後である。従って、含油ダストスラッジ中の油分が大きく見積もってA重油相当とすれば、含油ダストスラッジによる発熱量が、助剤による発熱量を上回る可能性が有る。
すなわち、含油ダストスラッジの含油率が20質量%を超える場合には、助剤を添加することによる処理効率の向上効果が低くなり、あるいは、助剤の添加が不要になる可能性が有る。
この点を考慮すると、含油ダストスラッジの含油率は,20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましく、5質量%以下であるのが特に好ましい。含油ダストスラッジの含油率を20質量%以下とすることにより、助剤を用いる本発明の効果を好適に発現して、効率のよい含油ダストスラッジの油分除去を行うことができる。
また、一般的に、加熱炉14に供給できる被処理材料の量は決まっている。すなわち、本発明においては、加熱炉14に供給できる含油ダストスラッジと助剤との合計量は、決まっている。
合計量が決まっている場合に、必要ない助剤を添加するということは、処理できる含油ダストスラッジの量が減ってしまうということである。従って、不要な助剤の添加は、含油ダストスラッジの処理量の点でも不利になる可能性が高い。
この点からも、含油ダストスラッジの含油率は、助剤を添加する効果が好適に得られる20質量%以下であるのが好ましい。
本発明の処理方法において、助剤の添加量は、助剤が含有する金属の量、加熱炉14の処理能力、処理温度、処理する含油ダストスラッジの性状等に応じて、適宜、設定すればよい。
具体的には、助剤の添加量は、含油ダストスラッジに対して、50〜200質量%が好ましく、75〜150質量%がより好ましく、100質量%前後すなわち含油ダストスラッジと助剤とをほぼ同量にするのが特に好ましい。
助剤の添加量を、含油ダストスラッジに対して50質量%以上とすることにより、助剤の添加効果を好適に得て効率のよい油分除去が可能になる点で好ましい。
助剤の添加量を含油ダストスラッジに対して200質量%以下とすることにより、必要な含油ダストスラッジの処理量を好適に確保できる点で好ましい。
以上、本発明の含油ダストスラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明の含油ダストスラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法について、より詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは、もちろんである。
図2に概念的に示すような試験装置を用意した。
この試験装置は、上蓋20aおよび下蓋20bによって上下を閉塞された石英管20と、石英管20の側面を囲むヒータ28とからなる管状電気炉を有する。
上蓋20aには、石英管20内に連通する空気導入管26が設けられる。
また、下蓋20bには脚部32が立設しており、脚部32の上には、載置部34が設けられる。載置部34の上には、試料Sを収容するためのメッシュ状の試料ケース36が載置される。試料ケース36は、1000℃までの耐熱性を有する。さらに、下蓋20bには、石英管20内に連通する排出管42が設けされる。
排出管42の下端は、試料Sから除去された油分Oおよび水分Wを回収するための回収槽46に挿入される。さらに、回収槽46の上面には、排ガスを排出するための排気管48が設けられる。
この試験装置では、試料ケース36に含油ダストスラッジ等の試料Sを収容し、ヒータ28によって加熱しつつ、空気導入管26から石英管20内に空気を導入する。石英管20内に導入された空気は、排出管42から回収槽46に流入し、排気管48から外部に放出される。
ヒータ28による加熱によって、試料Sから油分や水分が蒸発し、試料Sから油分が除去される。また、試料Sから蒸発した油分や水分は、空気導入管26から導入された空気によって回収槽46に流入して、冷却され、油分Oや水分Wとして回収される。
[実施例1]
製鉄所で排出された、酸化鉄を主成分とする含油ダストスラッジを用意した。また、助剤として、鉄が61質量%含まれる非含油ダストスラッジ(転炉ダスト)を用意した。
含油ダストスラッジ100gと助剤100gとを混合して、200gの試料Sを調製した。この試料Sを、図2に示す試験装置の試料ケース36に収容した。
空気導入管26から200mL(リットル)/minの空気を導入しつつ、ヒータ28を、昇温速度10℃/minで処理温度である400℃まで昇温して、処理温度で3.5時間、保持した。なお、熱電対によって試料Sの温度を測定したところ、試料Sの温度とヒータ28の制御温度とは、ほぼ、一致していた。
処理温度で3.5時間、保持した後、室温まで冷却して、油分を除去した試料Sを試料ケース36から取り出した。
油分を除去した試料Sの未燃焼油分量を、ノルマルヘキサン抽出法によって測定した。未燃焼油分量とは、含油ダストスラッジを加熱することで取り除かれる油の内、高沸点のため蒸発せずに液体として残る油分のことである。
[実施例2]
処理温度を600℃とした以外は、実施例1と同様にして、試料Sの油分を除去して、未燃焼油分量を測定した。
[比較例1]
助剤を混合しない含油ダストスラッジ200gを試料Sとして用いた以外は、実施例1と同様にして、試料Sの油分を除去して、未燃焼油分量を測定した。
[比較例2]
助剤を混合しない含油ダストスラッジ200gを試料Sとして用い、さらに、処理温度を600℃とした以外は、実施例1と同様にして、試料Sの油分を除去して、未燃焼油分量を測定した。
以上の結果として、処理温度と未燃焼油分量との関係を図3に示す。
なお、実施例は、試料S中の含油ダストスラッジ量が、比較例の半分であるので、図3に示す結果では、実施例の未燃焼油分量を2倍にして計算している。
前述のように、ダストスラッジに含まれる油分は、電気集塵機やバグフィルターに付着したり、発火を起こし、設備トラブルに陥る可能性があるため、低い方が望ましい。
図3に示すように、処理温度を上げることで、試料Sにおける未燃焼油分量が低減されている。ここで、特筆すべきは、助剤として非含油ダストスラッジを混合した実施例と、含油ダストスラッジのみである比較例との比較であり、400℃および600℃で、共に、非含油ダストスラッジを混合した実施例の方が、試料Sの未燃焼油分量が低減していることがわかる。
以上のように、処理温度によらず、含油ダストスラッジに非含油ダストスラッジを添加することにより、すなわち、含油ダストスラッジに金属を含有する助剤を添加して、加熱処理することにより、油分除去効率が向上していることがわかる。これは、言い換えれば、より低温でも含油ダストスラッジから油分を除去できることを示しており、すなわち、燃料使用料を低減して、含油ダストスラッジからの油分除去を行うための加熱のための燃料コストを下げ、かつ、製鉄原料として好適に利用可能な未燃焼油分の少ない油分除去ダストスラッジを得ることができる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
製鉄所における圧延等で排出された含油ダストスラッジの処理や、鉄鋼業以外のプロセスで排出された含油ダストスラッジの処理、含油ダストスラッジを用いる焼結原料の製造等に好適に利用可能である。
12 供給部
14 加熱炉
16 脱塵装置
20 石英管
26 空気導入管
28 ヒータ
32 脚部
34 載置台
36 試料ケース
42 排出管
46 回収槽
48 排気管

Claims (8)

  1. 金属および金属酸化物の少なくとも一方を含む含油ダストスラッジから油分を除去する含油ダストスラッジの処理方法であって、
    前記含油ダストスラッジと共に、金属を含む助剤を加熱炉に入れ、300℃以上で加熱処理することを特徴とする含油ダストスラッジの処理方法。
  2. 前記助剤は、含水率が20質量%以下である請求項1に記載の含油ダストスラッジの処理方法。
  3. 前記助剤は、金属を50質量%以上含有する請求項1または2に記載の含油ダストスラッジの処理方法。
  4. 前記含油ダストスラッジに含まれる金属元素と前記助剤に含まれる金属元素とで、最も含有率が多い金属元素が一致する請求項1〜3のいずれかに記載の含油ダストスラッジの処理方法。
  5. 前記含油ダストスラッジの含油率が20質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の含油ダストスラッジの処理方法。
  6. 前記含油ダストスラッジが、鉄および酸化鉄の少なくとも一方を含む請求項1〜5のいずれかに記載の含油ダストスラッジの処理方法。
  7. 前記助剤が、鉄あるいはさらに酸化鉄を含む請求項1〜6のいずれかに記載の含油ダストスラッジの処理方法。
  8. 金属および金属酸化物の少なくとも一方を含む含油ダストスラッジを加熱炉によって処理する製鉄原料の製造方法であって、
    前記加熱炉に、前記含油ダストスラッジと共に金属を含む助剤を入れ、300℃以上で加熱処理することを特徴とする製鉄原料の製造方法。
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