JP5857651B2 - 鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物の乾燥方法および竪型炉の操業方法 - Google Patents

鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物の乾燥方法および竪型炉の操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダスト、スラッジ等の鉄分を含有する粉状物を乾燥して、竪型炉(特に鉄スクラップを溶解する炉)に装入し、炉内において還元・溶融せしめ溶銑として回収するに際して、前記粉状物が鉄分とフッ素および水分を含有する場合の乾燥方法および竪型炉の操業方法に関するものである。
竪型炉では、金属鉄および/または酸化鉄等の鉄分を含有する物質と熱源および還元材として働く物質を炉頂より装入し、炉下部から空気または酸素富化した空気を常温または高温にして吹き込み、熱交換および/または還元反応を生じさせ、溶融した銑鉄を製造している。
鉄分を含有する物質として、たとえば塊状の鉄鉱石、粉状の鉄鉱石を焼結したいわゆる焼結鉱、粉状の鉄鉱石を造粒したペレットなどの酸化鉄を主体としたものや、鉄スクラップや還元鉄など金属鉄を主体としたものを用いることができる。
熱源あるいは還元材としては、広く一般にコークスが用いられるが、補助として微粉炭や廃プラスチックを送風に同伴させて吹込むことも実施されている。
鉄分を含有する物質として、前述のものの他に、製鉄所で発生する鉄分を含むダストを塊成化して炉頂より装入することもできる。塊成化したダストは、時間と共に炉下方の高温領域に降下していき、還元性のガス(COガス)またはコークスと接触して還元・溶融反応が進み、溶融銑鉄(以下、「溶銑」と記載する。)を得ることが可能である。塊成化する理由は、竪型炉では炉下部から炉頂に向かうガスの流れがあり、粉体のままでは炉頂装入したダストの一部または全部がガス流に同伴して炉外に排出されてしまい、溶銑として回収することができないためである。また、一方で、ダストを粉状のまま羽口から吹込む方法も有る。
その際に、製鉄所で発生する鉄分を含むダスト、スラッジの中には、フッ素を含有するものもある。これらはたとえばステンレス材料の表面をフッ化水素酸で洗浄する工程等で発生する。フッ素が含まれるダスト、スラッジ等の混合物(以下、「ダスト・スラッジ」と記載する。)を竪型炉に装入した場合、ダスト・スラッジ中のフッ素の一部が還元・溶融時に副生し竪型炉から排出されるスラグ中へ移行するが、スラグを製品として外部へ販売する際にはスラグ中のフッ素濃度に規格上限値が存在するため、フッ素の装入量には管理上限値がある。このような問題から、製鉄所で発生する鉄分およびフッ素を含むさまざまなダストをキュポラなどの竪型炉に装入して、鉄源を回収する方法が古くから検討されており、たとえば特許文献1が開示されている。
特許文献1に記載の方法は、フッ素を含む粉粒状の金属酸化物及び/又は金属水酸化物を上段羽口又は下段羽口から吹き込む金属製錬炉(竪型炉)の炉内ガス中の水素濃度を3乃至15vol%、望ましくは5乃至13vol%の範囲とすることで竪型炉内でのフッ素の蒸発を促進してスラグへのフッ素の移行を抑制するものである。
その際の炉内ガス中の水素濃度を高める手段としては、送風中への湿分の添加や、原料(ダスト・スラッジ)中の水分を高める方法、および送風中に水素ガスを添加する方法などが開示されている。
特開2004−60005号公報
しかしながら、特許文献1に開示された炉内ガス中の水素濃度を高める手段には、以下のような問題点がある。
まず、送風中への水素ガスの添加については、下記のような理由により実質的には工業的に採用は困難なものである。すなわち、水素は自然界で多くの場合化合物として存在しており、水素を作り出すためには多大なエネルギーを要する。また、水素ガスの空気中での爆発限界濃度は4乃至75vol%と広くその取り扱いには細心の注意が必要で爆発防止対策などが必要となる。
一方、送風中への湿分の添加や、原料中の水分を高めるといった方法は、いずれも炉内での下記の式(1)の反応による水素の生成を意図したものである。
O(g)+C(s)=H(g)+CO(g) ・・・(1)
その際に、式(1)の反応は1モルの水素ガスを得るために1モルの炭素を消費する。すなわちコークス等の燃料の使用量が増加するため、コスト増となる。さらに式(1)の反応は吸熱反応であることから、さらにコークス等の燃料の使用量が増大することになり望ましくない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を乾燥後、竪型炉に装入して還元・溶融せしめ、金属鉄(溶銑)を回収するに際して、前記粉状物を高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収し、低フッ素濃度の粗粒原料のみを竪型炉に装入することにより、竪型炉へのフッ素装入量を減じ、スラグの利材化を可能にする乾燥方法および竪型炉の操業方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
[1]鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を乾燥後、竪型炉に装入して還元・溶融せしめ、金属鉄を回収する際に用いる粉状物の乾燥方法であって、前記粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比を4以上15以下とし、かつキルン内壁の最高温度を800℃以上にした直火型キルンを用いて乾燥することを特徴とする鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物の乾燥方法。
[2]鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を乾燥後、竪型炉に装入して還元・溶融せしめ、金属鉄を回収する竪型炉の操業方法であって、前記粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比を4以上15以下とし、かつキルン内壁の最高温度を800℃以上にした直火型キルンを用いて乾燥し、高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収した上で、低フッ素濃度の粗粒原料のみを竪型炉に装入することを特徴とする竪型炉の操業方法。
本発明によれば、ダスト、スラッジ等の混合物であり、鉄分とフッ素及び水分を含有する粉状物を乾燥後に竪型炉に装入して還元・溶融せしめ、金属鉄(溶銑)を得る工程において、鉄分とフッ素及び水分を含有する粉状物を乾燥した際に、高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収し、低フッ素濃度の粗粒原料のみを竪型炉に装入することにより、竪型炉へのフッ素装入量を減じ、スラグ中のフッ素濃度を低下させることができるので、スラグの利材化を可能とし、経済的な竪型炉操業を安定的に継続することができる。
粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比がフッ素残留率に及ぼす影響を示す図 キルン内での脱フッ素反応に関する模式図。 水酸化鉄を含むスラッジAの熱天秤による分析結果の一例を示すグラフ。 直火型キルンの出口直前部分のキルン本体断面での温度分布の模式図。 本発明の一実施形態を示す、粉状物の乾燥方法のフロー図。 向流および並流式キルンそれぞれの内部における、水酸化鉄の脱水反応により生成した水蒸気の流れを示す図。 ダスト・スラッジ造粒物の脱F進行状況を示す図。
本発明者らは、製鉄所で発生する鉄分とフッ素及び水分を含有する粉状物の乾燥試験を種々繰り返し、その乾燥後の粉状物中のフッ素残留率を測定することにより、乾燥前の粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比が特定の範囲となるときに、乾燥後の粗粒原料中へのフッ素の残留率が著しく低くなることを見出し、本発明を完成した。
一般にフッ素は極めて反応性の高い元素であり、常温、常圧では化合物の状態で存在する。前述のように、製鉄プロセスでステンレス材料の表面をフッ化水素酸で洗浄する場合、多くは石灰系の中和剤により洗浄排水中のフッ化水素酸を中和して、フッ化物イオンをフッ化カルシウム(CaF)として、鉄イオンを水酸化鉄(FeO(OH))として凝集沈殿させることが一般的である。
フッ化カルシウムは、高温かつ水蒸気の存在下で式(2)に示す反応によりフッ化水素の形で揮発する。
CaF(s)+HO(g)=CaO(s)+2HF(g) ・・・(2)
発明者らは、この反応に着目し、ロータリーキルン内において製鉄所で発生する鉄分とフッ素及び水分を含有する粉状物を乾燥すると同時にフッ素を揮発除去することを考えた。
粉状物を昇温するための高温ガスは、炭化水素(C2n+2)を燃焼して得られることが多い。その反応はたとえば式(3)で表される。
2n+2+(3n+1)/2・O=n・CO+(n+1)・HO ・・(3)
その際、燃焼により炭化水素1モルあたり(n+1)モルの水蒸気が発生するため、キルン内には十分な水分が存在すると考えてよい。また、いわゆる間接加熱式のキルン、たとえばスチームチューブドライヤーのように高温蒸気をパイプに流通させ、その熱で材料を加熱して乾燥させる方式の場合においても粉状物の乾燥により発生した水分が存在するため、これらの水分を式(2)の反応に利用してフッ素を揮発除去することが可能と考えた。
図1は、種々の粉状物を配合し、重油を燃料とする直火型キルンにおいて内壁の最高温度を800℃に固定して乾燥した際の、乾燥前の粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比がフッ素の残留率に及ぼす影響を示したものである。
ここで、フッ素の残留率は、下記の式(4)で定義した。
フッ素残留率(mass%)=100×乾燥後低フッ素原料中のフッ素濃度(mass%)/乾燥前粉状物のフッ素濃度(mass%) ・・・(4)
なお、乾燥後低フッ素原料は、乾燥時に、高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収したうちの、低フッ素濃度の粗粒原料を指している。後に本発明の一実施形態を図5を用いて説明する際に詳述する。
また、乾燥前の粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比は、下記の式(5)で定義した。
乾燥前の粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比(−)=Σ(η×水酸化鉄の濃度(mass%)/M)/Σ(η×Fの濃度(mass%)/M) ・・・(5)
ただし、Σ:粉状物種iについての総和を表す記号
η:粉状物種iの配合比(ドライベース/D.B.)
:水酸化鉄の分子量(=89)
:フッ素の分子量(=19)
前述のように、キルン内には十分な水分が存在するため、原料粉状物の配合に関して広い範囲でフッ素の残留率が小さくなると予想していたが、実際には水酸化鉄とフッ素のモル比が4以上15以下となるときにフッ素残留率が小さくなることがわかった。
原料粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比がフッ素の残留率に多大な影響を及ぼした理由は以下の通りである。
水酸化鉄とフッ素を含有するダスト・スラッジは30mass%以上の付着水分を含有し、これに鉄分を含有する物質を加えた乾燥前のダスト・スラッジは20mass%以上の付着水分により凝集しており、キルン内で容易に造粒され数mmないし数十mmの大きさとなる。図2にキルン内で造粒された造粒物の様子を模式的に示した。
図2(a)は、粉状物が水酸化鉄を含有しない場合の様子であり、造粒物の表面近傍では、乾燥により発生した水蒸気が周囲に十分存在するので、式(2)で示されるような「脱F反応」が起こりうるが、造粒物の内部にまでは、反応に必要な水蒸気が十分に供給できないために、「脱F反応」が造粒物の表面でのみ進行する。
そこで、造粒物の内部に「脱F反応」に必要な水蒸気を供給するために、式(6)で示される水酸化鉄の脱水反応を利用することを考えた。
2FeO(OH)(s)→Fe(s)+HO(g) ・・・(6)
図2(b)は、粉状物が水酸化鉄を含有する場合の様子であり、式(6)の反応で発生するHO(水蒸気)は、ダスト・スラッジの造粒物の内部からもHO(水蒸気)が発生するため、式(2)で示されるようなフッ化カルシウムの分解による「脱F反応」が造粒物の内部でも生じさせることができる。
図3に、水酸化鉄を含むスラッジA(表1に記載)の熱天秤による分析結果の一例を示す。図3の縦軸の質量変化は、スラッジ加熱後の質量を加熱前(105℃で2hr事前乾燥後)の質量で除した数値である。ダスト・スラッジは、加熱の過程でHOやCOを放出し質量が減少していく。最終的に式(6)で示される水酸化鉄の脱水反応が生じ、800℃以上の温度で質量減少は停止する。
以上の知見をもとに、乾燥キルン内でのダスト・スラッジ造粒物内での脱Fの挙動を図7に示した。
図7(a)はキルン入り口付近での造粒物内の温度分布を模式的に示したものである。造粒物表面はキルン内で加熱されることにより早期にキルン温度(T)に達し、付着水分の蒸発も比較的早期に起きる。しかしながら、中心付近の温度は付着水分の蒸発後も100℃程度とまだ低い。このとき造粒物半径をr0とし、同図に示す水酸化鉄の脱水開始温度(T)となっている半径r1(r0>r1)の位置では式(6)に示す水酸化鉄の脱水反応が生じている。したがって、造粒物内の任意の半径をrとしたときr1≦r≦r0の領域では水酸化鉄の脱水により水蒸気(HO)が供給されるので式(2)に示す脱F反応が生じる。造粒物が移動し、キルン中間付近に達すると温度分布は図7(b)のようになり、造粒物のより内部まで伝熱が進み、半径r2(<r1)の位置が水酸化鉄の脱水開始温度(T)となる。このとき、式(6)に示す脱水反応は半径r2の位置で進行する。発生した水蒸気が造粒物外へ移動する際にr2≦r≦r1の領域では式(2)に示す脱F反応が進行する。さらに造粒物がキルンの出口付近まで移動してきたときの造粒物内の温度分布は図7(c)のようになり、このとき式(6)に示す脱水反応は半径r3の位置で進行する。発生した水蒸気が造粒物外へ移動する際にr3≦r≦r2の領域では式(2)に示す脱F反応が進行する。このようにダスト・スラッジの脱F反応は、時間とともに内部まで進行する。そして、付着水分の蒸発温度よりも高温で分解し水蒸気を発生する水酸化鉄を含有させることにより、造粒物内部から水蒸気が発生するので、造粒物内部の水蒸気分圧はキルン雰囲気よりも高い。この高分圧の水蒸気が、高温である造粒物のより外側部分のフッ化カルシウムに接触し、フッ化カルシウムの分解による脱Fが効率良く進行するので、内部への水蒸気の供給が非常に重要であり、このために水酸化鉄とフッ素のモル比を適切に制御する必要がある。
したがって、フッ素のモル数に対して十分な水酸化鉄の量が存在すれば「脱F反応」を造粒物の内部でも進行させることが可能であり、図1より、水酸化鉄とフッ素のモル比が4以上の場合にF残留率を低くすることができることがわかる。
水酸化鉄の脱水反応によって生じる水蒸気は式(6)から水酸化鉄2モルに対して水蒸気1モルであり、フッ化カルシウムと水蒸気との反応は式(2)から水蒸気1モルに対してフッ素(フッ化水素)2モルであるから、計算上は水酸化鉄とフッ素のモル比は1程度あれば良いと考えられるが、図1の結果では、計算値よりも大きい値が必要であり、脱フッ素に寄与する水蒸気の利用率が100%ではないことが示唆される。
一方、図1より水酸化鉄とフッ素のモル比が15超では「脱F反応」の進行が不十分となる。水酸化鉄とフッ素のモル比が15超の場合の、キルンを停止後の内部のダスト・スラッジの造粒状態を調査したところ、直径100mmを超える大型の造粒物が多数確認された。水酸化鉄を多く含むダスト・スラッジは、乾燥前の付着水分が多く、乾燥機内で大型の造粒物を形成し易い傾向がある。大型の造粒物が生成すると、造粒物の内部にむかって温度分布が生じ、中心部の昇温が著しく停滞する。式(6)の反応が進行するためには800℃程度の高い温度が必要であり、水酸化鉄が多く大型の造粒物が多数生成すると、造粒物内部温度が水蒸気を発生するに十分昇温されず、したがって造粒物内部での「脱F反応」の進行が不十分となる。
水酸化鉄とフッ素のモル比が4以上15以下では、乾燥前のダスト・スラッジ(鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物)は水分のために凝集し、乾燥機であるキルン内部で造粒され、数mmないし数十mmの大きさの造粒物となる。直径100mmを超える大型の造粒物の質量比率は5%未満となるので、造粒物内部で発生した水蒸気によって、フッ素の揮発除去が進行する。
本発明では、式(2)および式(6)の反応を進めるため、ダスト・スラッジを乾燥する際の造粒物(ダスト・スラッジ)の温度を800℃以上とすることが重要である。800℃未満では、式(2)および式(6)の反応速度が低下するため、「脱F反応」の進行が不十分となる。造粒物の温度を800℃以上に昇温するには、直火型キルンを用いて乾燥することがよい。
次に、ダスト・スラッジの昇温を800℃以上に管理する方法について検討した。図4に、直火型キルン本体2の出口直前部分の断面での温度分布を模式的に示す。図4中の矢印はキルン本体2の回転方向を示し、点線は等温線を表している。キルン本体2内で乾燥されるダスト・スラッジ1の温度分布はキルン中心部のバーナー火炎に近いほど高くなっており、キルン本体2の壁面に近い部分では温度が低くなる。
ダスト・スラッジの全体が800℃以上に昇温していることを確認するためには、ダスト・スラッジの温度の実測が必要であるが、上述のようにダスト・スラッジはキルン中心に近いほど高温になっていることを考慮すれば、キルンの内壁温度を測定し、その温度が800℃以上となっていれば、粉状物の最低温度は800℃以上になっていると考えることができる。具体的には図5に示す熱電対4a〜4dのように、乾燥機本体(キルン本体)2の長手方向に複数の温度計を設置して内壁温度の測定を行い、その最高温度が800℃以上となるようにすればよい。乾燥機本体2に熱電対等の温度センサーの設置がなく、内壁温度の測定が困難な場合は、乾燥後のダスト・スラッジをサンプリングし、前述のような熱天秤測定を実施し、100℃から800℃での質量減少を定量し、質量減少の無い場合はキルン内壁温度が800℃に達しており、質量減少がある場合はキルン内壁温度が800℃に達していないと判断することもできる。
なお、キルン内壁温度は1100℃以下にすることが好ましい。キルン内壁温度が1100℃を超えると、熱効率が悪くなったり、ダスト・スラッジが表面だけでなく全体に溶融してキルン内壁に付着し、操業トラブルになったりするからである。
以上のように、鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を直火型キルンで乾燥し、脱フッ素を行う場合には800℃以上の温度で乾燥させると同時に原料粉状物中の水酸化鉄をフッ素に対しモル比で4以上15以下とすることが肝要である。
また、本発明は、鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物中にフッ素を0.01mass%以上含む場合に、乾燥工程でフッ素を除去するのに好適である。
通常、転炉OGダスト(F=0.01mass%未満)のみをダスト・スラッジとして装入した場合では、竪型炉でのリサイクル時にスラグ中のフッ素濃度が増加し、利材化に支障がでることは無く、フッ素を含有するスラッジを混合したダスト・スラッジの処理ではフッ素濃度が増加し、スラグ利材化に支障がでる。
また、鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物中にフッ素を0.1mass%以上含む場合に、より好適である。
以下、本発明の一実施形態を図5に基づいて説明する。
本発明の一実施形態においては、鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を乾燥後、竪型炉に装入して金属鉄を回収する際に用いる粉状物の乾燥方法として、前記粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比が4以上15以下とし、かつキルン内壁の最高温度を800℃以上にした直火型キルンを用いて乾燥する。
図5に、ダスト、スラッジ等の混合物であり、鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物をロータリーキルンで乾燥し、高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収するフロー図を示す。粉状物1は、発生元の違い等により、組成の異なるものが複数種類存在するため、図中では1a、1b、1cとして3種類の場合を例示したが、1種類であっても2種類以上の複数種類であっても良い。これら粉状物1をロータリーキルン2に送り、乾燥するとともにフッ化カルシウムの熱分解により脱フッ素反応を行う。粉状物1をロータリーキルン2に粉状物投入口3を介して投入する。この際には、たとえばパワーショベルなどの重機(図示しない)を用いてもよいが、ベルトコンベア(図示しない)などを用いて時間的に定量供給可能なものがより好ましい。なお、ロータリーキルンにも加熱方法により複数種類あるが、ここでは、熱風式キルンや蒸気加熱式キルンに比較して、より高温まで加熱可能な直火型キルンを用いる。
乾燥前のダスト・スラッジは水分により凝集・造粒されて擬似粒子となっている。直火バーナーにより加熱されたダスト・スラッジの擬似粒子は乾燥が進むと共に、一部粒子間での固相焼結が生じ、粗粒物が生成され粒度分布が広がる。
さらに、キルンの形式として向流と並流式があるが、図6に示すように向流式の場合、比較的低温で発生する粉状物の乾燥、脱水により生成した水蒸気は高温ガスに同伴されて粉状物のより低温側へ流れていく。この場合、式(2)で示す脱フッ素反応は高温ほど生じやすいため効率が悪くなる。したがって、比較的低温で発生する粉状物の乾燥、脱水により生成した水蒸気が高温ガスに同伴されて粉状物の高温側へ流れる並流式を用いるほうがより好ましい。
ロータリーキルン2には、内壁の温度が測定できる熱電対4a、4b、4c、4dを設置することが望ましい。ここでは、熱電対4の数が4個の場合を例示しているが、熱電対4は少なくとも1つあれば良い。熱電対4の数が多いほど正確で好ましくはあるが、その費用対効果等に照らして選択をすべきものである。もし熱電対4が無い場合は、前述のように、乾燥後の粉状物の重量減少を熱天秤で測定するなどの方法で代用することが可能である。
乾燥が終わり、キルン本体2から排出された粉状物は、分配器5により粗粒側と細粒側に分けられ、粗粒原料8と細粒原料9に分割される。粗粒原料8は粗粒であるがゆえに、そのまま重力により落下するため、分配器5に接続されたシュート6を通過して収集される。一方、細粒原料9は細粒で軽いがため、排ガスに同伴されて捕集装置7により収集される。捕集装置7としては、形式には特にこだわらないが、たとえばバグフィルター等が一般に用いられている。
キルン本体2内で脱フッ素反応により生成したHFガスは分配器5や捕集装置7へ流れていく過程で冷却される。この場合、式(2)の逆反応により、細粒原料9中のカルシウムと反応してふたたびフッ化カルシウムとなり、細粒原料9中に捕集される。一方で、粗粒原料8中のフッ素含有量は低くなっているので、これを竪型炉に装入する原料に使用することで、スラグへのFの汚染を防止することができる。細粒原料9については、CaFが濃縮されているので、Fの再利用(ホタル石代替の利用やフッ素回収プロセスの原料)など有効に利用することが望ましい。粗粒原料8と細粒原料9の量比については分配器5内でのガスの流速を調整することにより調節が可能である。流速が速ければ細粒原料9の量が増となり、流速が遅ければ細粒原料9の量が減少する。粉状物1からの鉄をはじめとする有価物をリサイクルすることを考慮すると、細粒原料9の量を減じ、粗粒原料8の量を増やすことが望ましい。
本発明の実施例として、実際にダスト・スラッジの粉状物をロータリーキルンにより乾燥して高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収した結果について示す。なお、以降では、粗粒原料を低F原料、細粒原料を高F原料と呼ぶ。
表1に、用いた各原料の化学組成の一覧を示す。
Figure 0005857651
用いた転炉OGダストは全鉄量(T.Fe)が83.9mass%と非常に高く鉄源として有効である。表1の右端に水酸化鉄の含有割合を示しているが、これは別途実施したX線回折試験により、水酸化鉄のピーク面積と標準試料(水酸化鉄含有量が既知である粉体)のピーク面積の比較から算出した。転炉OGダストでは金属鉄および酸化鉄の回折ピークが観測されたが水酸化鉄のピークは観測されなかったため、水酸化鉄の含有率は0mass%とした。
スラッジAおよびスラッジBは圧延の前に鋼片表面に生成した酸化鉄を塩酸や硫酸あるいはフッ酸等の酸で除去した際に酸中に溶存する鉄イオンを中和沈殿させた際に生成されたものである。スラッジBについてはフッ酸を用いた場合の中和沈殿物であり、特にFの割合が高いものである。またX線回折試験の結果によれば水酸化鉄のピークが強く観測され、スラッジAの場合水酸化鉄が50.6mass%、スラッジBの場合水酸化鉄が17.0mass%であることがわかった。
表1において、水分はウェットベース(W.B.)、成分値はドライベース(D.B.)で示している。
直火型キルンを乾燥機として用いて転炉OGダストとスラッジAおよびスラッジBをその配合比率を変えて混合した粉状物を乾燥した結果の一覧を表2に示す。
Figure 0005857651
本発明例1は、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を4.1に調整し、キルン内壁の最高温度を820℃とした場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応が活発に生じるため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は37.8mass%と小さくなっている。
この低F原料(F濃度=0.23mass%)を、容積0.5Lのセメント結合ブロックに成型し、70t/hのスクラップ溶解炉(竪型炉)の副原料として炉頂から5t/hの割合で装入した。副生したスラグ中のFは0.09mass%で、スラグの管理基準(0.20mass%未満)を満たし、回収したスラグを粒度調整等の通常処理のみで販売可能であった。
このように、フッ素の揮発除去(脱フッ素)が十分進み、フッ素濃度の低い低F原料はスラグ製品の販売に支障をきたさないため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適となる。
一方、高F原料については、フッ素濃度は19.1mass%に濃縮されており、CaF換算では39.2mass%と高濃度であり、フッ素源としてリサイクル処理が可能で、たとえば製鋼工程での脱硫剤として利用することができた。
本発明例2は、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を5.5に調整し、キルン内壁の最高温度を818℃とした場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応が活発に生じるため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は36.3mass%と小さくなっている。
この低F原料はフッ素濃度が低く(0.31mass%)、スラグのフッ素による汚染を減じることができるため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適なものとなった。一方、高F原料については、フッ素濃度は25.5mass%に濃縮されており、CaF換算では52.3mass%と高濃度であり、フッ素源としてリサイクル処理が可能で、たとえば製鋼工程での脱硫剤として利用することができた。
本発明例3は、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を6.0に調整し、キルン内壁の最高温度を802℃とした場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応が活発に生じるため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は34.0mass%と小さくなっている。
この低F原料(F濃度=0.40mass%)を、本発明例1と同様の方法によって竪型炉で使用した。
副生したスラグ中のFは0.16mass%で、スラグの管理基準(0.20mass%未満)を満たし、低F原料は、竪型炉に装入する製鉄原料として好適となった。一方、高F原料については、フッ素濃度は28.1mass%に濃縮されており、CaF換算では57.7mass%と高濃度であり、フッ素源としてリサイクル処理が可能で、たとえば製鋼工程での脱硫剤として利用することができた。
本発明例4は、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を14.0に調整し、キルン内壁の最高温度を887℃とした場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応が活発に生じるため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は32.4mass%と小さくなっている。この低F原料はフッ素濃度が低く(0.20mass%)、スラグのフッ素による汚染を減じることができるため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適なものとなった。一方、高F原料については、フッ素濃度は23.9mass%に濃縮されており、CaF換算では49.2mass%と高濃度であり、フッ素源としてリサイクル処理が可能で、たとえば製鋼工程での脱硫剤として利用することができた。
本発明例5は、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を9.8に調整し、キルン内壁の最高温度を1078℃とした場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応が活発に生じるため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は36.2mass%と小さくなっている。この低F原料はフッ素濃度が低く(0.03mass%)スラグのフッ素による汚染を減じることができるため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適なものとなった。一方、高F原料については、フッ素濃度は11.5mass%に濃縮されており、CaF換算では23.6mass%と高濃度であり、フッ素源としてリサイクル処理が可能で、たとえば製鋼工程での脱硫剤として利用することができた。
本発明例6は、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を10.4に調整し、キルン内壁の最高温度を963℃とした場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応が活発に生じるため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は36.1mass%と小さくなっている。この低F原料はフッ素濃度が低く(0.07mass%)スラグのフッ素による汚染を減じることができるため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適なものとなった。一方、高F原料については、フッ素濃度は16.6mass%に濃縮されており、CaF換算では34.0mass%と高濃度であり、フッ素源としてリサイクル処理が可能で、たとえば製鋼工程での脱硫剤として利用することができた。
比較例1として、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を3.5に調整した。やや、水酸化鉄の量が不足する条件である。キルン内壁の最高温度については804℃とし、水酸化鉄の熱分解反応は十分に生じる場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応があまり生じないため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は83.9mass%と大きくなった。
この低F原料(F濃度=0.50mass%)を、本発明例1と同様の方法によって竪型炉で使用した。副生したスラグ中のFは、0.20mass%であり、スラグの販売にあたって、別途無害化処理が必要であった。
このように、フッ素の揮発除去(脱フッ素)が不十分で、フッ素濃度の高い低F原料はスラグ製品の販売に際して追加の処理が必要となるので、竪型炉に装入する製鉄原料として好適とは言えない。
一方、高F原料については、フッ素濃度は4.3mass%と濃縮はされるものの、CaF換算では8.8mass%とかならずしも高濃度ではなく、製鋼工程での脱硫剤として使用しても脱硫効率が悪いため、埋め立て処理せざるを得ないものであった。
比較例2として、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を15.9に調整した。やや、水酸化鉄の量が過剰な条件である。キルン内壁の最高温度については810℃とし、水酸化鉄の熱分解反応は十分に生じる場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応があまり生じないため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は84.5mass%と大きくなった。この場合の低F原料(F濃度=0.52mass%)はスラグのフッ素による汚染の可能性が生じるため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適とは言えない。一方、高F原料については、フッ素濃度は3.7mass%と濃縮はされるものの、CaF換算では7.6mass%とかならずしも高濃度ではなく、製鋼工程での脱硫剤として使用しても脱硫効率が悪いため、埋め立て処理せざるを得ないものであった。
比較例3として、表1に記載した3種のダストとスラッジを混合し、水酸化鉄とフッ素のモル比を5.5に調整した。水酸化鉄とフッ素の量比については好適な条件である。ただし、キルン内壁の最高温度については680℃と800℃よりも低いため、水酸化鉄の熱分解反応が十分に生じない場合である。キルンへの粉状物の投入速度は湿重量で200t/hrとした。キルン出口で乾燥粉状物は低F原料と高F原料に分離されるが、この条件では、キルン内での脱フッ素反応があまり生じないため、式(4)で計算される低F原料中のフッ素残留率は84.0mass%と大きくなった。
この場合の低F原料(F濃度=0.73mass%)はスラグのフッ素による汚染の可能性が生じるため、竪型炉に装入する製鉄原料として好適とは言えない。一方、高F原料については、フッ素濃度は4.0mass%と濃縮はされるものの、CaF換算では8.1mass%とかならずしも高濃度ではなく、製鋼工程での脱硫剤として使用しても脱硫効率が悪いため、埋め立て処理せざるを得ないものであった。
1(1a、1b、1c) 粉状物(鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物)
2 直火型キルン本体(乾燥機本体)
3 粉状物投入口
4(4a、4b、4c、4d) 熱電対
5 分配器
6 シュート
7 捕集装置
8 粗粒原料
9 細粒原料

Claims (2)

  1. 鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を乾燥後、竪型炉に装入して還元・溶融せしめ、金属鉄を回収する際に用いる粉状物の乾燥方法であって、前記粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比を4以上15以下とし、かつキルン内壁の最高温度を800℃以上とした直火型キルンを用いて乾燥することを特徴とする鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物の乾燥方法。
  2. 鉄分とフッ素および水分を含有する粉状物を乾燥後、竪型炉に装入して還元・溶融せしめ、金属鉄を回収する竪型炉の操業方法であって、前記粉状物中の水酸化鉄とフッ素のモル比を4以上15以下とし、かつキルン内壁の最高温度を800℃以上とした直火型キルンを用いて乾燥し、高フッ素濃度の細粒原料と低フッ素濃度の粗粒原料とに分離回収した上で、低フッ素濃度の粗粒原料のみを竪型炉に装入することを特徴とする竪型炉の操業方法。
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