JP6369310B2 - 含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法 - Google Patents

含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼の製造過程において発生する油分を多く含む鉄系の含油スラッジの処理方法、および、この処理方法を利用する製鉄原料の製造方法に関する。具体的には、含油スラッジを焼結原料の一部等として再利用する含油スラッジの処理において、含油スラッジに含まれる鉄分の利用効率を向上できる含油スラッジの処理方法、および、この処理方法を利用する製鉄原料の製造方法に関する。
製鉄所においては、鉄鉱石をコークス等で還元して溶銑とし、その溶銑を精錬して鋼として、各種の鉄鋼製品を製造している。このような鉄鋼製品を製造する際、油分を含む鉄を主成分とする各種のスラッジやダストが発生する。
例えば、圧延工程においては、摩擦係数を低減して圧延負荷を軽減したり、圧延機の潤滑性を確保し、損耗等を防止したりするために、種々の圧延潤滑油や作動油、グリース等が使用されている。そのため、この圧延潤滑油などの油分を含む鉄系のスラッジが多量に発生する(以降、このような油分を含むスラッジを、単に「含油スラッジ」ともいう)。
この含油スラッジ中に含まれる油分の濃度は、発生工程や圧延機の種類等によっても異なるが、高いものでは10質量%以上となるものもある。
従来は、含油スラッジを、そのまま造粒原料の一部として焼結原料に用いて造粒し、擬似粒子の焼結原料として焼結機に装入していた。
ところが、前述のように、含油スラッジは、多いものでは10質量%以上の油分を含んでいる。そのため、焼結原料中に含まれる油分が気化し、電気集塵機やバグフィルターに付着する。電気集塵機やバグフィルターに付着した油分は、目詰まりや火災などの事故の原因となる。
また、含油スラッジを転炉製鋼原料として用いた際には、粒度が細かく粉塵としての飛散が多くなる。そのため、別途ブリケット化あるいはペレット化することが必要となり、コストがかかる。しかも、油分を含有するため転炉に装入時に発煙が発生する、あるいは注銑時に蒸気爆発するなどの問題が起こる恐れがある。
以上のように、含油スラッジを、そのまま使用すると、操業面で悪影響を及ぼすという問題がある。そのため、含油スラッジは、このままでは製鉄原料として再利用することが難しいため、従来、産業廃棄物として埋め立てに用いて処理していた。
一方で、含油スラッジ中には多量の鉄分が含まれている。そこで、油分を除去(脱水・分離、焙焼等)し、鉄源として再利用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、並流式回転キルン型燃焼炉を使用した含油スラッジの処理方法において、燃焼炉の炉内で含油スラッジ中の油分が蒸発する地点に、油分を燃焼するのに必要な空気または酸素を富化した空気を強制的に吹き込むとともに、燃焼炉の出側の排ガス中酸素濃度を0.1〜5体積%に制御し、さらに含油スラッジの投入口の炉内の内壁面温度を400℃以上とした条件下で油分を燃焼除去し、油分の除去されたスラッジを非酸化条件下で冷却することが開示されている。
また、特許文献2には、含油スラッジの処理において、含油スラッジに高圧流体を吹き付けるなどして、1〜10mmの小塊状にして分散させ高温のロータリーキルン内で焼却する方法が提案されている。
特開平10−169957号公報 特開平8−121736号公報
特許文献1に記載される含油スラッジの処理方法によれば、酸素富化空気の吹込によって排ガス中の酸素濃度の制御、含油スラッジ投入口の炉内温度、処理済のスラッジの冷却を制御することで、処理済みの含油スラッジに含有される油分を低減できる。
また、特許文献2に記載される含油スラッジの処理方法によれば、含油スラッジを小塊状にして分散して燃焼することによって、含油スラッジの燃焼効率を向上し、かつ、LPG等の助燃料の使用量も低減できる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2など、従来の含油スラッジの処理方法では、含油スラッジに含まれる鉄分を、十分に利用できていない。
すなわち、燃焼炉内に供給された含油スラッジは、燃料(一般的に重油、製鉄所副生ガス等が用いられる)の燃焼により、昇温され、油分の沸点以上の温度に達した段階で、油分が、含油スラッジから、一旦、揮発する。
含油スラッジから揮発した油分は、焙焼炉などの燃焼炉内の空間で、過剰の空気により燃焼し、CO2あるいはH2Oとなる。
燃焼炉内は、燃料の燃焼ガスおよび過剰空気雰囲気であり、燃焼炉の条件にもよるが、含油スラッジから揮発した油分の燃焼炉内での滞留時間は、通常、数十秒程度である。従って、この数十秒以内に油分を燃焼する必要がある。しかしながら、この油分には種々の性状(例えば、圧延潤滑油や作動油、グリース等)のものがあり、また、高沸点油分も存在し、この滞留時間内には完全に燃焼しないものもある。
ここで、含油スラッジは微粉であり、処理過程において、燃焼炉から排ガスと共にダストとして排出されるものもある。
これらのダストは、サイクロンや電気集塵機等の排ガス処理装置によって排ガスから除去される。除去したダストは、鉄分として利用可能である。しかしながら、このダストには、前述のような、燃焼炉内で揮発して、燃焼されなかった油分が付着しており、しかも、油分濃度が高いことから、焼結原料として使用しづらい。
燃焼炉の温度を高温化することにより、含油スラッジに付着する油分を完全に燃焼させ、排ガス中に含まれるダストの油分濃度を低減させる方法も有る。しかしながら、この方法では、含油スラッジの処理に必要な燃料が増加するという問題もある。
本発明の目的は、特許文献1や特許文献2を含めた従来技術が有する問題点を解決することにあり、含油スラッジの処理において、燃焼炉の温度の高温化等を図ることなく、焼結用原料など、含油スラッジに含まれる鉄分の利用効率を向上できる含油スラッジの処理方法、および、この処理方法を利用する焼結原料や転炉製鋼原料などの製鉄原料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた。
その結果、含油スラッジの処理で排出される排ガスに含まれる含油ダストを回収し、この含油ダストを含油スラッジおよび/または燃料等に混合して、再度、焙焼炉等の燃焼炉に供給することにより、含油スラッジ中の油分を完全に燃焼することが可能になり、含油スラッジ中の鉄分の焼結原料等への使用量を増加できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の含油スラッジの処理方法は、鉄系の含油スラッジを、550℃を超えない温度で運転される燃焼炉によって処理する際に、前記鉄系の含油スラッジと、前記燃焼炉に、燃料と、前記燃料を燃焼するための燃焼用空気とを供給すると共に、前記燃焼炉から排出された排ガスから回収した含油ダストを、前記含油スラッジと同時に前記燃焼炉に供給することを特徴とする含油スラッジの処理方法を提供する。
このような本発明の含油スラッジの処理方法において、前記含油ダストを、前記含油スラッジに混合して燃焼炉に供給するのが好ましい。
また、前記含油ダストを、前記燃料に混合して燃焼炉に供給するのが好ましい。
また、前記燃焼炉から排出された排ガスを排ガス処理設備によって処理し、前記排ガス処理設備によって回収した含油ダストを、前記燃焼炉に供給するのが好ましい。
また、前記排ガス処理設備が、複数の処理装置によって排ガスの処理を行うものであるのが好ましい。
さらに、前記排ガス処理設備が、最初にサイクロンによって排ガスを処理し、次いで、電気集塵機によって排ガスを処理するものであるのが好ましい。
また、本発明の焼結原料の製造方法は、鉄系の含油スラッジを、550℃を超えない温度で運転される燃焼炉によって処理すると共に、前記燃焼炉に、燃料および前記燃料を燃焼するための燃焼用空気に加え、前記燃焼炉から排出された排ガスから回収した含油ダストを、前記含油スラッジと同時に供給することを特徴とする焼結原料の製造方法を提供する。
本発明によれば、燃焼炉による鉄系の含油スラッジの処理において、燃焼炉を高温化することなく、含油スラッジ中の油分を完全に燃焼して、焼結原料や転炉製鋼原料などの製鉄原料への利用量等、含油スラッジに含まれる鉄分の利用効率を向上できる。また、燃焼炉の高温化が不要であるので、重油等の燃料の使用量の増加も抑制できる。さらに、含油ダストの排出量を低減できる。
本発明の含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法の一例を説明するための概念図である。 図1に示す含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法を実施する設備を概念的に示す設備図である。 本発明の含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法の別の例を説明するための概念図である。
以下、本発明の含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法について、添付の図面に示される好適例を基に詳細に説明する。
図1に、本発明の含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法を説明するための概念図を示す。また、図2に、図1に示す含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法を実施する含油スラッジの処理設備の設備図を概念的に示す。
図1および図2に示す例では、含油スラッジをロータリーキルン10で処理すると共に、ロータリーキルン10から排出された高温の排ガスを、サイクロン12および電気集塵機14で処理して、含油ダストを回収する。
含油スラッジは、ホッパ18に投入されて、スクリューコンベア等の供給装置20によって、ロータリーキルン10に供給される。
また、ロータリーキルン10には、含油スラッジと同時に、ブロワ24によって燃焼用空気が供給され、また、図示しない供給装置によって重油等の燃料が供給される。燃焼用空気は、ロータリーキルン10内の酸素が過剰になるように供給される。
ここで、図1および図2に示す例では、含油スラッジは、混合機50において含油ダストと混合された後、供給管50aによってホッパ18に投入される。この点に関しては、後に詳述する。
ロータリーキルン10内では、重油等の燃料による燃焼ガスにより、含油スラッジが昇温し、含油スラッジから油分が揮発して、含油スラッジの油分が除去される。また、含油スラッジから揮発した油分は、炉内の過剰酸素によって燃焼する。
なお、本発明の含油スラッジの処理方法において、燃焼炉は、ロータリーキルン10に限定はされず、シャフト炉(竪型炉)、多段炉、回転炉、流動炉、バッチ炉等、含油スラッジの処理に利用される燃焼炉(焙焼炉、焼却炉)が、各種、利用可能である。
ロータリーキルン10で処理されて、油分が除去された含油スラッジ(油分除去スラッジ)は、ロータリーキルン10の出口を構成するキルンフード16に排出され、キルンフード16の下部から排出されて、スラッジ搬送コンベア26によって、油分除去スラッジ回収槽30に搬送される。
他方、ロータリーキルン10(キルンフード16)から排出された高温の排ガス(重油等燃料の燃焼ガス、油分の燃焼ガス、過剰空気、未燃焼油分、含油ダスト等)は、排気管28によってサイクロン12に供給される。
なお、排気管28から分岐して含油ダスト回収槽52に接続する配管36は、排気管28の途中に蓄積したダスト等を抜き出すための配管である。
ここで、ロータリーキルン10から排出された排ガスは、高温(通常、500℃以上)である。そのため、ロータリーキルン10から排出された排ガスは、サイクロン12に入る前に、設備保護の観点から、冷却用空気(冷却用空気2)が混合される。
また、同様の理由で、排ガスには、キルンフード16の下部からも、冷却用空気(冷却用空気1)が混合される。
冷却用空気は、いずれも、ブロワ32による吸引で吸い込まれる。
なお、本発明の含油スラッジの処理方法において、排ガスを冷却するための冷却用空気1および/または冷却用空気2は、必要に応じて混合すればよい。
すなわち、サイクロン12や電気集塵機14等の排ガスの処理設備が十分な耐熱性を有する場合には、冷却用空気1および冷却用空気2の少なくとも一方、あるいは、両方とも、混合しなくてもよい。
サイクロン12では、排ガス中に含まれる、未燃焼油分が付着したダストすなわち含油ダストが除去される。
サイクロン12で処理された排ガスは、次いで、電気集塵機14で処理されて、含油ダストが、さらに除去される。
サイクロン12および電気集塵機14で回収された含油ダストは、ブロワ38によって回収管40を輸送され、微粉ダスト回収槽52に搬送される。
なお、本発明の含油スラッジの処理方法において、排ガスの処理、すなわち排ガスに含まれる微粉ダストの回収は、サイクロン12および電気集塵機14の両方によって行うのに限定はされず、いずれか一方による処理のみであってもよい(1段階の処理であってもよい)。さらに、排ガスの処理は、図示例のような2段階ではなく、必要に応じて、3段階以上の処理を行ってもよい。
また、排ガスの処理は、サイクロン12および/または電気集塵機14以外にも、バグフィルタ等、含油スラッジの処理における排ガス処理に用いられる各種の処理手段が利用可能である。
電気集塵機14で処理された排ガスは、煙突34から排出される。なお、電気集塵機14から排出される排ガスの温度が高い場合には、必要に応じて、煙突34の前に冷却塔を設置してもよい。
図2に示す含油スラッジの処理設備において、ロータリーキルン10から煙突34に到る排ガスの輸送、および、排ガスへの冷却用空気1および冷却用空気2の混合(排ガスへの冷却用空気の吸引)は、電気集塵機14と煙突34との間に配置されるブロワ32によって行われる。
ここで、図1および図2に示される例では、微粉ダスト回収槽52に回収された、未燃焼油分が付着した含油ダストは、ブロワ56によって輸送管54を輸送され、混合機50に供給される。
混合機50には、含油スラッジも供給される。混合機50に供給された含油ダストは、混合機50において、含油スラッジと混合されて、供給管50aから、ホッパ18に投入される。ホッパ18に投入された含油ダストは、供給装置20によって、含油スラッジと共に、再度、ロータリーキルン10に供給される。
ロータリーキルン10に供給された含油スラッジおよび含油ダストは、前述のように、重油等の燃料による燃焼ガスにより昇温し、油分が揮発して、油分が除去される。また、含油スラッジから揮発した油分は、炉内の過剰酸素によって燃焼する。
油分が除去された含油スラッジおよび含油ダストは、油分除去スラッジとして、油分除去スラッジ回収槽30に回収される。
このように、本発明の含油スラッジの処理方法によれば、サイクロン12および電気集塵機14による排ガスの処理によって回収された、未燃焼の油分が付着した含油ダストを、再度、ロータリーキルン10に供給して、処理することで、油分除去スラッジとして回収できる。
また、本発明の製鉄原料の製造方法は、本発明の含油スラッジの処理方法を利用するものであり、本発明の含油スラッジの処理方法と同様の処理を行って、ロータリーキルン10等の燃焼炉から油分除去スラッジを回収することにより、焼結原料や転炉製鋼原料などの製鉄原料を製造するものである。そのため、本発明の含油スラッジの処理方法および本発明の製鉄原料の製造方法によれば、従来は製鉄原料として利用することが困難であった未揮発油分が付着した含油ダストを、油分除去スラッジとして回収して、焼結原料や転炉製鋼原料などの製鉄原料として利用できるので、含油スラッジに含まれる鉄分の利用効率を向上できる。また、ロータリーキルン10の温度を上昇する必要も無いので、重油等の燃料の使用量が増加することも抑制できる。
さらに、含油ダストをロータリーキルン10で再処理する本発明によれば、含油ダストの排出量も低減できる。
本発明において、含油スラッジと含油ダストとの混合方法は、特に定めるものではなく、公知の各種の混合方法が利用可能である。
好ましくは、含油ダストが含油スラッジの表面に出ない形態とする。すなわち、電気集塵機14等から回収された含油ダストは、水分が少なく、飛散しやすい。このような含油ダストが含油スラッジの表面に存在した状態でロータリーキルン10に供給した場合、含油ダストが飛散してしまい、油分が燃焼せずに排出されてしまう場合が有る。従って、含油ダストは、含油スラッジの内部に存在するのが好ましい。
含油スラッジと含油ダストとの混合方法としては、具体的には、鉄鋼製造業で用いられている混合用の重機等を用いて混合する方法や、スクリュー混練機等の公知の混練機で混合する方法が例示される。
本発明の含油スラッジの処理方法において、サイクロン12等で回収した含油ダストは、基本的に、全量を、ロータリーキルン10に供給する。
しかしながら、必要に応じて、回収した含油ダストの一部を、ロータリーキルン10には供給せず、そのまま回収して、別の用途等に利用してもよい。
ロータリーキルン10に供給する含油スラッジの量に対する含油ダストの量(含油スラッジ量と含油ダスト量との比率)は、含油スラッジの供給量、含油スラッジの油分濃度、回収した含油ダストの量、含油ダストの油分濃度、燃焼用空気の供給速度、重油などの燃料の供給速度等に応じて、適宜、設定すればよい。
また、回収される含油ダストの量に応じて、ロータリーキルン10に供給する含油スラッジの量に対する含油ダストの量が、経時で変化してもよい。さらに、ロータリーキルン10に供給する含油スラッジの量に対する含油ダストの量を、調節可能にしてもよい。
本発明者らの検討によれば、含油スラッジの量に対する含油ダストの量は、『含油ダスト/含油スラッジ』の質量比で、50/50未満が好ましく、40/60以下がより好ましい。
含油スラッジの量に対する含油ダストの量の上記質量比とすることにより、含油ダストを油分除去スラッジとして好適に回収できる等の点で好ましい。
なお、含油スラッジの量に対する含油ダストの量の下限は、含油ダストの発生量に応じた量比とすればよい。
図3に、本発明の含油スラッジの処理方法の別の態様を概念的に示す。
図1および図2に示す例では、回収した含油ダストを含油スラッジと混合して、ロータリーキルン10に供給している。
これに対して、図3に示す例では、サイクロン12および電気集塵機14で回収した含油ダストを、混合機60によって重油等の燃料と混合して、スラリーとしてロータリーキルン10に供給する。
この方法では、重油等の液体燃料のスラリー粘度は、見掛け上、高くなるが、混合後の液体燃料がポンプ等で供給可能であれば、問題は無い。すなわち、燃料への含油ダストの混合量は、混合後の液体燃料がポンプ等で供給可能な割合を、適宜、設定すればよい。
なお、重油等の液体燃料の供給量は、基本的に、含油ダストの混合量によらず、一定とすればよい。しかしながら、必要に応じて、液体燃料の供給量を調節してもよい。
また、含油ダストを混合した後の燃料の粘度を下げるために、液体燃料の輸送配管を加温してもよい。
燃料と含油ダストとの混合方法は、特に定めるものではなく、燃料と含油ダストとを混合してスラリー状にできれば、液体と固体とを混合する公知の各種の方法が利用可能である。
具体的には、インペラー式攪拌機(回転軸にインペラー羽根が付いた攪拌機)を用いる方法や、スタティックミキサー(パイプの内部に仕切りバッフルを設けた攪拌機)を用いる方法等が例示される。
本発明の含油スラッジの処理方法において、ロータリーキルン10への含油ダストの供給は、含油スラッジと混合してロータリーキルン10に供給する方法と、燃料と混合してロータリーキルン10に供給する方法との、両方を行ってもよい。
以上、本発明の含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明の含油スラッジの処理方法および製鉄原料の製造方法について、より詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは、もちろんである。
[実施例1]
図2に示す含油スラッジの処理設備を用いて、含油スラッジの処理を行った。
条件は、以下のとおりである。
ロータリーキルン10への含油スラッジの供給量; 1.75t/h
なお、含油スラッジは、油分濃度が10質量%、水分濃度が30質量%で、残部は鉄と不可避的不純物からなるものである。また、ロータリーキルン10に供給した含油スラッジは、サイクロン12および電気集塵機14で回収した含油ダストと、サイクロン12から回収した保管中の含油ダスト350kg/h(油分濃度;0.96質量%)および電気集塵機14から回収した保管中の含油ダスト50kg/h(油分濃度;1.10質量%)とを含むものである。
キルンフード16から排出される排ガスの温度; 550℃
重油供給速度; 140L(リットル)/h
燃焼用空気の供給速度; 2687Nm3/h
冷却用空気1の供給量(吸い込み量); 950Nm3/h
冷却用空気2の供給量(吸い込み量); 7200Nm3/h
サイクロン12で回収した含油ダストの量は、96kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.43質量%であった。
また、電気集塵機14で回収した含油ダストの量は、12kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.45質量%であった。
サイクロン12および電気集塵機14で回収した含油ダストは、全て、混合機50に供給して、含油スラッジに混合した。
回収した油分除去スラッジの量は、1.17t/h(油分濃度;0.45質量%)であり、前述の排ガス処理により回収したダストと併せて、乾燥基準で、含油スラッジのほぼ100質量%を焼結原料等として利用可能な油分除去スラッジとして回収できた(焼結での利用基準は、油分濃度0.5質量%以下)。また、本例の含油スラッジの処理は、操業上のトラブルなく実施できた。
[実施例2]
ロータリーキルン10に供給する含油スラッジに混合する、サイクロン12から回収した保管中の含油ダストの量を100kg/hとし、電気集塵機14から回収した保管中の含油ダストの量を20kg/hとした以外は、実施例1と同様に含油スラッジの処理を行った。
サイクロン12で回収した含油ダストの量は、96kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.49質量%であった。
また、電気集塵機14で回収した含油ダストの量は、12kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.48質量%であった。
回収した油分除去スラッジの量は、1.17t/h(油分濃度;0.45質量%)であり、前述の排ガス処理により回収したダストと併せて、乾燥基準で、含油スラッジのほぼ100質量%を焼結原料等として利用可能な油分除去スラッジとして回収できた。また、本例の含油スラッジの処理は、操業上のトラブルなく実施できた。
[比較例1]
サイクロン12および電気集塵機14で回収した含油ダストを、混合機50に供給しなかった以外は、実施例1と同様にして、含油スラッジの処理を行った。
サイクロン12で回収した含油ダストの量は、96kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.96質量%であった。
また、電気集塵機14で回収した含油ダストの量は、12kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、1.10質量%であった。
含油ダスト回収槽52の含油ダストは、経時と共に増加した。
回収した油分除去スラッジの量は、1.12t/h(油分濃度;0.46質量%)であり、含油スラッジの91.2質量%を焼結原料等として利用可能な油分除去スラッジとして回収できた。また、含油ダストは、油分濃度が高かったため、操業中に黒鉛の発生がみられた。
[実施例3]
図3に概念的に示す含油スラッジの処理設備を用いて、含油スラッジの処理を行った。
条件は、以下のとおりである。
ロータリーキルン10への含油スラッジの供給量; 1.75t/h
なお、含油スラッジは、油分濃度が10質量%、水分濃度が30質量%で、残部は鉄と不可避的不純物からなるものである。
キルンフード16から排出される排ガスの温度; 550℃
重油供給速度; 140L/h
なお、重油には、サイクロン12および電気集塵機14で回収した含油ダストを混合した。
燃焼用空気の供給速度; 2687Nm3/h
冷却用空気1の供給量(吸い込み量); 950Nm3/h
冷却用空気2の供給量(吸い込み量); 7200Nm3/h
サイクロン12で回収した含油ダストの量は、96kg/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.40質量%であった。
また、電気集塵機14で回収した含油ダストの量は、12kgt/hで、回収した含油ダスト中の油分濃度は、0.41質量%であった。
サイクロン12および電気集塵機14で回収した含油ダストは、全て、ロータリーキルン10に供給する重油に混合した。
回収した油分除去スラッジの量は、1.17t/h(油分濃度;0.45質量%)であり、前述の排ガス処理により回収したダストと併せて、乾燥基準で、含油スラッジのほぼ100質量%を焼結原料等として利用可能な油分除去スラッジとして回収できた。また、本例の含油スラッジの処理は、操業上のトラブルなく実施できた。
以上のように、本発明によれば、含油スラッジの処理において、サイクロン12や電気集塵機14で回収した含油ダストを、再度、ロータリーキルン10に供給することにより、含油スラッジおよび含油ダストを焼結原料等として利用可能な油分除去スラッジとして回収することができ、含油スラッジに含まれる鉄分の利用効率を向上できる。また、含油スラッジの処理で排ガスと共に排出される含油ダストの量も、大幅に低減できる。
製鉄所における圧延等で排出される含油スラッジの処理や、鉄鋼業以外のプロセスで排出された含油スラッジの処理、含油スラッジを用いる製鉄原料の製造に、好適に利用可能である。
10 ロータリーキルン
12 サイクロン
14 電気集塵機
16 キルンフード
18 ホッパ
20 スクリューフィーダ
24、32、38、46 ブロワ
26 スラッジ搬送コンベア
28 排気管
30 油分除去スラッジ回収槽
34 冷却塔
40 回収管
50 混合機
52 含油ダスト回収槽
54 輸送管

Claims (7)

  1. 鉄系の含油スラッジを、550℃を超えない温度で運転される燃焼炉によって処理する際に、
    前記燃焼炉に、前記鉄系の含油スラッジと、燃料と、前記燃料を燃焼するための燃焼用空気とを供給すると共に、前記燃焼炉から排出された排ガスから回収した含油ダストを、前記含油スラッジと同時に前記燃焼炉に供給することを特徴とする含油スラッジの処理方法。
  2. 前記含油ダストを、前記含油スラッジに混合して燃焼炉に供給する請求項1に記載の含油スラッジの処理方法。
  3. 前記含油ダストを、前記燃料に混合して燃焼炉に供給する請求項1または2に記載の含油スラッジの処理方法。
  4. 前記燃焼炉から排出された排ガスを排ガス処理設備によって処理し、前記排ガス処理設備によって回収した含油ダストを、前記燃焼炉に供給する請求項1〜3のいずれかに記載の含油スラッジの処理方法。
  5. 前記排ガス処理設備が、複数の処理装置によって排ガスの処理を行うものである請求項4に記載の含油スラッジの処理方法。
  6. 前記排ガス処理設備が、最初にサイクロンによって排ガスを処理し、次いで、電気集塵機によって排ガスを処理するものである請求項5に記載の含油スラッジの処理方法。
  7. 鉄系の含油スラッジと、燃料と、前記燃料を燃焼するための燃焼用空気とを550℃を超えない温度で運転される燃焼炉に供給すると共に、前記燃焼炉から排出された排ガスから回収した含油ダストを、前記含油スラッジと同時に前記燃焼炉に供給し、
    前記燃焼炉から油分除去スラッジを回収することを特徴とする製鉄原料の製造方法。
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