JP5583053B2 - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法ともいう)により育成されたシリコン単結晶インゴット(以下、単に、シリコン単結晶ともいう)から切り出されたシリコンウェーハに対して、熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
半導体デバイス形成用基板として用いられるシリコンウェーハ(以下、単に、ウェーハともいう)は、少なくともウェーハ表面(デバイス形成面)におけるデバイス形成領域となるウェーハの表面近傍(以下、表層部という)において、COP(Crystal Originated Particle)等のボイド欠陥が低密度であることが要求されている。
この要求に対し、特許文献1には、シリコン単結晶を育成する際に、引き上げ速度をV(mm/min)とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値を所定の結晶位置毎に制御することで、無欠陥領域のシリコン単結晶を引上げる方法が開示されている。
一方、特許文献2には、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域(本願でいう無欠陥領域)又は結晶に起因するパーティクル(COP)を含む空孔型点欠陥が支配的に存在する領域から切り出された窒素をドープしたウェーハに、不活性ガス、Nガス、Oガス、あるいは、それらの混合ガスを用いて、1100℃以上1300℃以下で10秒以下、急速昇降温熱処理(Rapid Thermal Process:以下、単にRTPともいう)を行う方法が開示されている。
特開平08−330316号公報 特開2002−43241号公報
なお、酸素濃度が低い低酸素濃度のウェーハは、酸素による転位のピンニング効果が低いため、半導体デバイス形成時における熱処理においてスリップが発生しやすいという問題がある。従って、このようなスリップの発生を抑制するために、CZ法によるシリコン単結晶の育成時に、高酸素濃度(1.2〜1.8×1018個/cm:old−ASTM換算、以下同じ。)のシリコン単結晶を育成して、高酸素濃度のウェーハを得ることが好ましい。
しかしながら、特許文献1に記載された方法を用いて、高酸素濃度のシリコン単結晶の無欠陥領域から切り出されたウェーハは、ライフタイムが低いという問題がある。
また、特許文献2に記載の熱処理において、雰囲気として不活性ガスを用いた場合には、ウェーハの表面から酸素が外方拡散されるため、表層部における酸素濃度が低下し、半導体デバイス形成時における熱処理においてスリップが発生しやすくなるという問題がある。また、雰囲気として酸素ガスを用いた場合には、ウェーハの表面に酸素が内方拡散されるため表面の酸素濃度は増加するが、前述したように、高酸素濃度のシリコン単結晶の無欠陥領域から切り出されたウェーハは、ライフタイムが低いという問題がある。更に、雰囲気として窒素ガスを用いた場合には、ウェーハの表裏面に窒化膜が形成されてしまうため、後工程において当該窒化膜を除去する工程を更に設ける必要があり、生産性が低下するという問題がある。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、高酸素濃度のシリコン単結晶の無欠陥領域から切り出されたシリコンウェーハであっても、ライフタイムを向上させることができ、かつ、半導体デバイス形成時における熱処理においてスリップの発生が抑制されたシリコンウェーハを生産性が低下することなく得ることができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、チョクラルスキー法によりv/G値(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)を制御して育成されたシリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出された酸素濃度が1.2×1018個/cm以上1.8×1018個/cm以下であるシリコンウェーハに対して、窒素ガスを含まない非酸化性雰囲気中、1300℃以上1380℃以下の第1の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持した後、更に、窒素ガスを含まない酸化性雰囲気中、1300℃以上1380℃以下の第2の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持する急速昇降温熱処理を行うことを特徴とする。
前記非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気へ切り替える際の切替温度は、600℃以上800℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、高酸素濃度のシリコン単結晶の無欠陥領域から切り出されたシリコンウェーハであっても、ライフタイムを向上させることができ、かつ、半導体デバイス形成時における熱処理においてスリップの発生が抑制されたシリコンウェーハを生産性が低下することなく得ることができるシリコンウェーハの熱処理方法が提供される。
本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法に適用されるRTP装置の一例を示す断面概念図である。 本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法のRTPに適用される熱処理シーケンスの一例を示す概念図である。 本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法のRTPに適用される熱処理シーケンスの他の一例を示す概念図である。
本発明者は、高酸素濃度のシリコン単結晶の無欠陥領域から切り出されたウェーハのライフタイムが低い原因について、CZ法で導入される酸素が高濃度であるため、シリコン単結晶から切り出されたウェーハの表層部に高濃度の酸素析出核が存在し、これがライフタイム低下の要因となっていると推測した。
そこで、ウェーハの表層部における酸素析出核を構成する酸素を熱処理によって外方拡散させた後に、再度、酸化性雰囲気から酸素を内方拡散させる、すなわち、表層部に導入されている酸素を入れ替えることで、ウェーハの表層部における酸素濃度を高濃度に保ちつつライフタイムを向上させることができる点を見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法は、チョクラルスキー法によりv/G値(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)を制御して育成されたシリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出された酸素濃度が1.2×1018個/cm以上1.8×1018個/cm以下であるシリコンウェーハに対して、RTPを行う。
CZ法によるシリコン単結晶の育成は周知の方法で行う。
具体的には、石英ルツボに充填した多結晶シリコンを加熱してシリコン融液とし、シリコン融液の液面に種結晶を接触させて、種結晶と石英ルツボを回転させながら種結晶を引上げてネック部を形成した後、所望の直径まで拡径してv/G値(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)を無欠陥領域となるように所定値(例えば、0.20〜0.22mm/℃・min)に制御しながら直胴部を形成し、最後に、シリコン融液から直胴部を切り離すことで育成することができる。この際、前記育成するシリコン単結晶中の酸素濃度の調整は、石英ルツボの回転数や炉内圧力、ヒータ温度などを調整することによって行うことができる。
前記育成されたシリコン単結晶のウェーハへの切り出しは周知の方法により行う。
具体的には、シリコン単結晶の無欠陥領域を内周刃又はワイヤソーによりウェーハ状に切り出した後、外周部の面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨等を行い、少なくともデバイス形成面が鏡面研磨されたウェーハを製造する。
前記RTPは、こうして切り出されたウェーハに対して、例えば、図1に示すようなRTP装置を用いて行う。
図1は、本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法に適用されるRTP装置の一例を示す断面概念図である。
本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法に適用されるRTP装置10は、図1に示すように、ウェーハWを収容して熱処理を施すための反応室20と、反応室20内に設けられ、ウェーハWを保持するウェーハ保持部30と、ウェーハWを加熱する加熱部40と、を備える。ウェーハWがウェーハ保持部30に保持された状態では、反応室20の内壁とウェーハWのデバイス形成面W1側とで囲まれた空間である第1空間20aと、反応室20の内壁とデバイス形成面W1側に対向するウェーハWの裏面W2側とで囲まれた空間である第2空間20bとが形成される。
反応室20は、第1空間20a及び第2空間20b内に雰囲気ガスF(実線矢印)を供給する供給口22と、前記供給した雰囲気ガスFを第1空間20a及び第2空間20bから排出する排出口26と、を備える。反応室20は、例えば、石英で構成されている。
ウェーハ保持部30は、ウェーハWの裏面W2の外周部をリング状に保持するサセプタ32と、サセプタ32を保持すると共に、ウェーハWの中心を軸としてサセプタ32を回転させる回転体34とを備える。サセプタ32及び回転体34は、例えば、SiCで構成されている。
加熱部40は、ウェーハ保持部30に保持されたウェーハWのデバイス形成面W1の上方及び裏面W2の下方の反応室20外に配置され、ウェーハWを両面から加熱する。加熱部40は、例えば、複数のハロゲンランプ50で構成されている。
図1に示すRTP装置10を用いて、RTPを行う場合は、反応室20に設けられた図示しないウェーハ導入口より、ウェーハWを反応室20内に導入して、ウェーハWの裏面W2の外周部をウェーハ保持部30のサセプタ32上にリング状に保持し、雰囲気ガスFを供給すると共に、ウェーハWを回転させながら、加熱部40によってウェーハWを加熱することで行う。
本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法におけるRTPは、図1に示すようなRTP装置10を用いて、前記シリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出された酸素濃度が1.2×1018個/cm以上1.8×1018個/cm以下であるシリコンウェーハに対して、雰囲気ガスFとして窒素ガスを含まない非酸化性ガスを反応室20内に供給し、非酸化性雰囲気中、1300℃以上1380℃以下の第1の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持(以下、第1の熱処理という)した後、更に、雰囲気ガスFとして窒素ガスを含まない酸化性ガスを反応室20内に供給し、酸化性雰囲気中、1300℃以上1380℃以下の第2の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持(以下、第2の熱処理という)する急速昇降温熱処理を行う。
このように、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、高酸素濃度のシリコン単結晶の無欠陥領域から切り出されたウェーハに対して、前記第1の熱処理を行うことで、ウェーハの少なくともデバイス形成面における表層部の酸素を外方拡散させて、ライフタイム低下の原因と推測される酸素析出核を構成する酸素を前記表層部から排除する。その後、前記第2の熱処理を行うことで、前記表層部に酸素を内方拡散させて、前記第1の熱処理によって失われた酸素を補填して、当該表層部の酸素濃度を高める。
前述したように、高酸素濃度のウェーハに対して熱処理を行い、最初に、前記表層部から酸素を外方拡散させるため、ライフタイムの向上を図ることができ、また、その後に、酸素を内方拡散させるため、前記外方拡散により酸素濃度が低下した表層部の酸素濃度を高めることができる。なお、内方拡散された酸素は表層部において酸素析出核として存在することになるが、この酸素析出核は、気相(酸化性雰囲気)から酸素を内方拡散されて形成されたものであるため、CZ法で導入された酸素析出核よりも径が小さくなっているものと考えられる。
従って、内方拡散させて形成した酸素析出核はライフタイムの測定に影響を及ぼさないものとなっていると考えられるため、ライフタイムを向上させることができると考えられる。また、表層部の酸素濃度を高くすることができるため、半導体デバイス形成時における熱処理においてスリップの発生を抑制することができると考えられる。
前記第1及び第2の熱処理は、窒素ガスを含まない雰囲気中で行うことが好ましい。
このように、窒素ガスを含まない雰囲気中でRTPを行うことで、ウェーハの表裏面に窒化膜が形成されるのを防止することができるため、生産性が低下するのを防止することができる。
また、前記第1の熱処理を酸化性雰囲気で行う場合には、雰囲気中に酸素が含まれているため、前記表層部から酸素を効率よく外方拡散させることが難しい。また、前記第2の熱処理を非酸化性雰囲気で行う場合には、雰囲気中に酸素が含まれていないため、前記表層部に酸素を内方拡散させることが難しい。
前記非酸化性雰囲気は不活性ガス(好ましくはアルゴンガス)であり、前記酸化性雰囲気は、酸素含有ガス(好ましくは酸素ガス又は酸素ガスと不活性ガスとの混合ガス)であることが好ましい。
このようなガスを用いることで、窒化膜の形成が生じることがなく、RTPを行うことができる。
前記第1の熱処理は、1300℃以上1380℃以下の第1の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持することが好ましい。
前記温度が1300℃未満である場合には、前記表層部から酸素を効率よく外方拡散させることが難しい。また、前記温度が1380℃を超える場合には、高温となるため、本熱処理中にウェーハにスリップが発生する可能性が高くなり、また、RTP装置の寿命が低下する場合があるため好ましくない。
前記第1の最高到達温度を保持する保持時間が1秒未満である場合には、熱処理する時間が短時間であるため、前記表層部から酸素を外方拡散させることが難しい。前記保持時間が15秒を超える場合には、前記表層部から必要以上の酸素を外方拡散させてしまうため、前記表層部の酸素濃度が大きく低下する場合があり、更に、生産性が低下するため好ましくない。
前記第2の熱処理は、1300℃以上1380℃以下の第2の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持することが好ましい。
前記温度が1300℃未満である場合には、前記表層部に酸素を効率よく内方拡散させることが難しい。また、前記温度が1380℃を超える場合には、高温となるため、本熱処理中にウェーハにスリップが発生する可能性が高くなり、また、RTP装置の寿命が低下する場合があるため好ましくない。
前記第2の最高到達温度を保持する保持時間が1秒未満である場合には、熱処理する時間が短時間であるため、前記表層部に酸素を内方拡散させることが難しい。前記保持時間が15秒を超える場合には、ウェーハ表面に厚い酸化膜が形成されてしまうためデバイス形成面における面粗れが発生する場合があり、更に、生産性が低下するため好ましくない。
なお、無欠陥領域から切り出されたウェーハであっても若干の原子空孔を含んでいる場合(Pvタイプの無欠陥領域)があるが、その場合であっても前記第1及び第2の熱処理を行うため、前記表層部において前記原子空孔を消滅させることが可能である。従って、前記表層部において空孔等がない完全な無欠陥領域を有するシリコンウェーハを得ることができる。
図2は、前記RTPに適用される熱処理シーケンスの一例を示す概念図である。
前記RTPにおいては、図2に示すように、例えば温度T0(好ましくは500℃以上700℃以下)で保持された図1に示すようなRTP装置10の反応室20内に少なくともデバイス形成面W1が鏡面研磨されたウェーハWを設置し、雰囲気ガスFとして非酸化性ガス(好ましくはアルゴンガス)を供給する。
次に、温度T0(℃)から第1の最高到達温度である1300℃以上1380℃以下(図2中、温度T1(℃))まで、昇温速度ΔTu(℃/秒)で急速昇温し、温度T1(℃)で1秒以上15秒以下(図2中、t1(秒))保持する(第1の熱処理)。その後、雰囲気ガスFを非酸化性ガスから酸化性ガス(好ましくは酸素ガス又は酸素ガスと不活性ガスとの混合ガス)に切り替えて反応室20内に供給し、第2の最高到達温度である1300℃以上1380℃以下(図2中では第1の最高到達温度と同じ温度T1(℃))で1秒以上15秒以下(図2中、t2(秒))保持する(第2の熱処理)。その後、温度T1(℃)からウエハWの炉出し温度(例えば、温度T0(℃))まで降温速度ΔTd(℃/秒)で急速降温する。
図3は、前記RTPに適用される熱処理シーケンスの他の一例を示す概念図である。
前記RTPにおいては、図3に示すように、例えば温度T0(好ましくは500℃以上700℃以下)で保持された図1に示すようなRTP装置10の反応室20内に少なくともデバイス形成面W1が鏡面研磨されたウェーハWを設置し、雰囲気ガスFとして非酸化性ガス(好ましくはアルゴンガス)を供給する。次に、温度T0(℃)から第1の最高到達温度である1300℃以上1380℃以下(図3中、温度T1(℃))まで、第1の昇温速度ΔTu1(℃/秒)で急速昇温し、温度T1(℃)で1秒以上15秒以下(図3中、t1(秒))保持した後、第1の降温速度ΔTd1(℃/秒)で、中間温度(図3中、温度T(℃))まで急速降温し、前記中間温度T(℃)を一定時間tM1保持する(第1の熱処理)。その後、前記中間温度T(℃)で前記雰囲気ガスFを非酸化性ガスから酸化性ガス(好ましくは酸素ガス又は酸素ガスと不活性ガスとの混合ガス)に切り替えて反応室20内に供給し、更に、中間温度T(℃)を一定時間tM2保持した後、中間温度T(℃)から第2の最高到達温度である1300℃以上1380℃以下(図3中では第1の最高到達温度と同じ温度T1(℃))まで、第2の昇温速度ΔTu2(℃/秒)で急速昇温し、温度T1(℃)で1秒以上15秒以下(図3中、t2(秒))保持する(第2の熱処理)。その後、温度T1(℃)からウェーハWの炉出し温度(例えば、温度T0(℃))まで第2の降温速度ΔTd2(℃/秒)で急速降温する。
なお、前記温度T0、T1、Tは、図1に示すようなRTP装置10の反応室20内にウェーハWを設置した場合において、ウェーハ保持部30の下方に設置された図示しない放射温度計によって測定(放射温度計がウェーハWの径方向に複数配置されている場合はその平均温度)することができる。
前記急速昇降温熱処理における非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気へ切り替える際の切替温度は、600℃以上800℃以下であることが好ましい。
すなわち、前記RTPにおいては、図3に示すような熱処理シーケンスを用いることが好ましく、前記中間温度T(℃)は、600℃以上800℃以下であることが好ましい。
このような切替温度とすることで、デバイス形成面における表面粗さが良好なウェーハを得ることができる。
なお、前記中間温度Tにおける保持時間(tM1、tM2)は、生産性の観点から各々1秒以上15秒以下であることが好ましい。
前記RTPにおける昇温速度ΔTu、ΔTu1、ΔTu2及び降温速度ΔTd、ΔTd1、ΔTd2は、10℃/秒以上150℃/秒以下であることが好ましい。
前記RTPにおける昇温速度及び降温速度をこのような範囲とすることで、生産性が高く、かつ、スリップの発生を抑制しつつRTPを行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により限定解釈されるものではない。
(試験1)
CZ法によりv/G(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)及び酸素濃度を制御して、酸素濃度を1.2×1018atoms/cmとした無欠陥領域を有するシリコン単結晶を育成し、その後、当該無欠陥領域から切り出して得られた両面が鏡面研磨されたウェーハ(直径300mm、厚さ775μm)に対して、図1に示すようなRTP装置10を用いて、RTPを行った。
この際、図2に示す熱処理シーケンスを用いて行い、第1の熱処理における雰囲気ガスをアルゴンガスとし、第2の熱処理における雰囲気ガスを酸素ガスとして、前記最高到達温度を変化させて、各々RTPを行った。その他の条件は下記の通りである。
・昇温速度ΔTu:10℃/秒
・第1の最高到達温度の保持時間t1:10秒
・第2の最高到達温度の保持時間t2:10秒
・降温速度ΔTd:10℃/秒
得られたRTP後のウェーハに対して、デバイス形成面における表面から深さ方向の酸素濃度プロファイルを二次イオン質量分析装置(SIMS;カメカ社製Ims−6f)にて測定し、その結果からウェーハのデバイス形成面における表面の酸素濃度を評価した。また、ウェーハのデバイス形成面におけるライフタイムを大気中において反射マイクロ波光導電減衰法(μ-PCD法)にて評価した。
更に、得られたRTP後のウェーハのデバイス形成面に対して、ナノインデンター(登録商標)を用いて、表面に小さいクラックを生じさせた後、同一のRTP装置10でアルゴン雰囲気下、最高到達温度1350℃、その保持時間を15秒間として、再度、RTPを行った。このRTPを、デバイス形成プロセスにおける熱処理と想定した。
その後、デバイス想定熱処理を行ったウェーハの前記デバイス形成面におけるクラックの伸張の有無をX線トポグラフィ(株式会社リガク製 XRT300)にて評価した。
また、参考例として、前記RTPを行わないウェーハを、同様の方法にて、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
表1に、試験1における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 0005583053
表1に示すように、前記最高到達温度が1250℃である場合(比較例1)は、ライフタイムが実施例1から3と比べて低いことが認められる。これは、1250℃では、表層部に存在する酸素析出核を構成する酸素が効率よく外方拡散されていないためと考えられる。
(試験2)
試験1において、CZ法によるシリコン単結晶の育成時の酸素濃度を1.8×1018atoms/cmとして、その他は、試験1と同様な条件にて、RTPを行った。
得られたRTP後のウェーハに対して、試験1と同様な方法で、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
また、参考例として、前記RTPを行わないウェーハを、試験1と同様な方法で、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
表2に、試験2における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 0005583053
表2に示すように、酸素濃度が1.8×1018atoms/cmである場合でも試験1と同様な傾向があることが認められる。
以上の試験1及び2の結果から、前記RTPにおいては、第1の最高到達温度(℃)を1300℃以上1380℃以下とし、第2の最高到達温度(℃)を1300℃以上1380℃以下とすることで、ライフタイムが大きく向上し、かつ、クラックの伸張も抑制されたウェーハを得ることができると認められる。
(試験3)
CZ法によりv/G(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)及び酸素濃度を制御して、酸素濃度を1.2×1018atoms/cmとした無欠陥領域を有するシリコン単結晶を育成し、その後、当該無欠陥領域から切り出して得られた両面が鏡面研磨されたウェーハ(直径300mm、厚さ775mm)に対して、図1に示すようなRTP装置10を用いて、RTPを行った。
この際、図3に示す熱処理シーケンスを用いて行い、第1の熱処理における雰囲気ガスをアルゴンガスとし、第2の熱処理における雰囲気ガスを酸素ガスとして、第1及び第2の最高到達温度を変化させて、各々RTPを行った。その他の条件は下記の通りである。
・第1の昇温速度ΔTu1:10℃/秒
・第1の最高到達温度の保持時間t1:10秒
・第1の降温速度ΔTd1:10℃/秒
・中間温度T:800℃
・中間温度Tの保持時間tM1:5秒
・中間温度Tの保持時間tM2:5秒
・第2の昇温速度ΔTu2:10℃/秒
・第2の最高到達温度の保持時間t2:10秒
・第2の降温速度ΔTd2:10℃/秒
得られたRTP後のウェーハに対して、試験1と同様な方法で、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
表3に、試験3における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 0005583053
表3に示すように、第1の最高到達温度が1250℃である場合(比較例3から6)は、ライフタイムが実施例と比べて低いことが認められる。これは、1250℃では、表層部に存在する酸素析出核を構成する酸素が効率よく外方拡散されていないためと考えられる。更に、第1の最高到達温度が1300℃であっても第2の最高到達温度が1250℃である場合(比較例7、8、9)は、クラックが伸張する傾向が認められる。これは、1250℃では、酸素が効率よく表層部に内方拡散されないため、結果、酸素濃度が低下し、酸素のピンニング力が低下しているためと考えられる。
(試験4)
試験3において、CZ法によるシリコン単結晶の育成時の酸素濃度を1.8×1018atoms/cmとして、その他は、試験1と同様な条件にて、RTPを行った。
得られたRTP後のウェーハに対して、試験1と同様な方法で、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
また、参考例として、前記RTPを行わないウェーハを、試験1と同様な方法で、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
表4に、試験4における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 0005583053
表4に示すように、酸素濃度が1.8×1018atoms/cmである場合でも試験1と同様な傾向があることが認められる。
以上の結果から、図3に示す熱処理シーケンスにおいても、第1の最高到達温度(℃)を1300℃以上1380℃以下とし、第2の最高到達温度(℃)を1300℃以上1380℃以下とすることで、ライフタイムが大きく向上し、かつ、クラックの伸張も抑制されたウェーハを得ることができると認められる。
(試験5)
試験3において第1及び第2の最高到達温度を1300℃として、中間温度TMを変化させて、その他は試験3と同様な条件にてRTPを行った。
得られたRTP後のウェーハに対して、試験1と同様な方法で、酸素濃度、ライフタイム及びクラックの伸張の有無を評価した。
更に、RTP後のウェーハにおけるデバイス形成面の表面粗さ(RMS)をAFM(原子間力顕微鏡:Atomic Force Microscopy)を用い、測定範囲3μm 2 で評価した。
表5に、試験5における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 0005583053
表5に示すように、非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気に切り替える切替温度(中間温度T)を600℃以上800℃以下とすることで、表面粗さRMS(nm)が0.12〜0.13nmと良化する傾向があることが認められる。
10 RTP装置
20 反応室
30 ウェーハ保持部
40 加熱部

Claims (2)

  1. チョクラルスキー法によりv/G値(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)を制御して育成されたシリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出された酸素濃度が1.2×1018個/cm以上1.8×1018個/cm以下であるシリコンウェーハに対して、窒素ガスを含まない非酸化性雰囲気中、1300℃以上1380℃以下の第1の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持した後、更に、窒素ガスを含まない酸化性雰囲気中、1300℃以上1380℃以下の第2の最高到達温度の範囲内で1秒以上15秒以下保持する急速昇降温熱処理を行うことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気へ切り替える際の切替温度は、600℃以上800℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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