JP2011009631A - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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治生 須藤
Koji Araki
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Hiromichi Isogai
宏道 磯貝
Eiji Toyoda
英二 豊田
Koji Sensai
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Abstract

【課題】急速加熱・急速冷却熱処理を行う際、シリコンウェーハの裏面の外周部をリング状に保持するサセプタを用いても、スリップの導入を効果的に抑制することができ、かつ、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP等の結晶欠陥を低減することができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供する。
【解決手段】 少なくともウェーハWを最高到達温度である第1の温度T1(℃)まで急速加熱する第1ステップにおいて、ウェーハWの半導体デバイスが形成される表面W1側が接する第1空間20a内に不活性ガスを供給し、ウェーハWの表面W1に対向する裏面W2側が接する第2空間20b内に酸化性ガスを供給し、かつ、第2空間20bの内圧が第1空間20aの内圧よりも負圧の条件下で急速加熱・急速冷却熱処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法により製造したシリコンウェーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理(以下、単にRTP(Rapid Thermal Process)ともいう)を行うシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
半導体デバイス形成用基板として用いられるシリコンウェーハ(以下、単にウェーハともいう)は、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP(Crystal Originated Particle)等の結晶欠陥が存在しないことが要求されている。
一般的に、チョクラルスキー法によって育成したシリコン単結晶インゴットをスライスし、鏡面研磨した状態のシリコンウェーハは、COP等の結晶欠陥がウェーハ内部に存在しているが、これらのシリコンウェーハに対して、縦型熱処理炉等を用いて、Arガス雰囲気下、1200℃で1時間程度の熱処理を行うことにより、ウェーハの表面近傍における結晶欠陥を消滅させることが可能である(例えば、特許文献1)。
また、近年では、シリコンウェーハに対して、秒単位の急速加熱・急速冷却熱処理を行うことで、表面に無欠陥層を形成する技術が知られている(例えば、特許文献2)。
このようなRTPを実施するための装置としては、例えば、基板が収容されるチャンバと、前記チャンバ内に設置され、基板のエッジ部を支持するリングフレームを有する基板支持部と、前記基板を加熱する加熱部と、前記基板支持部に基板が支持されたときに、該基板における半導体装置が形成される面の裏面側に形成される実質的に閉止された閉空間に、分子中に酸素原子を含む第1のガスと、希釈ガスとしての第2のガスとを含有する改質用ガスを供給する改質用ガス供給部と、を備えたものが有効である(例えば、特許文献3)。
特開2006−4983号公報 特開2002−43241号公報 特開2003−77851号公報
なお、特許文献3に記載されたようなRTP装置を用いる場合、シリコンウェーハは、例えばSiCなどで構成されるサセプタ上に、その裏面の外周部(ウェーハ外周端から約1〜2mmの領域)を、リング状に保持して行う。この場合、保持されたウェーハは、RTP中に重力および熱膨張の影響でウェーハ中心部がお椀状に撓み、弾性変形する(図3)。このような場合、ウェーハWの裏面の外周部を保持するリング状のサセプタ2の内周側の端部2aにウェーハの自重応力が集中して、特に、1000℃以上の温度帯でスリップがウェーハに導入されやすいという問題がある。
このようなスリップの導入を抑制するためには、ウェーハの撓み量を低減させて、自重応力を効率よく分散させることが必要である。その一つの方法として、ウェーハ裏面の全面で保持できるようなサセプタを使用する方法が考えられるが、このような場合には、ウェーハとサセプタの接触痕がウェーハ裏面の全面で発生するという問題がある。このような接触痕は1μm程度の高低差を有する場合があり、半導体デバイスが形成されるウェーハの表面側の局部的なフラットネスを悪化させる要因となるため好ましくない。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、シリコンウェーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理を行う際、シリコンウェーハの裏面の外周部をリング状に保持するサセプタを用いても、スリップの導入を効果的に抑制することができ、かつ、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP等の結晶欠陥を低減することができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるシリコンウェーハの熱処理方法は、チョクラルスキー法により製造したシリコンウェーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法であって、前記シリコンウェーハを最高到達温度まで急速加熱する第1ステップと、前記最高到達温度で所定時間保持する第2ステップと、前記最高到達温度から急速冷却する第3ステップと、を備え、少なくとも前記第1ステップを、前記シリコンウェーハの半導体デバイスが形成される表面側が接する第1空間内に不活性ガスを供給し、前記シリコンウェーハの裏面側が接する第2空間内に酸化性ガスを供給し、かつ、前記第2空間の内圧が前記第1空間の内圧よりも負圧の条件下で行うことを特徴とする。
このような方法を用いることで、シリコンウェーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理を行う際、シリコンウェーハの裏面の外周部をリング状に保持するサセプタを用いても、スリップの導入を効果的に抑制することができ、かつ、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP等の結晶欠陥を低減することができる。
前記負圧は、−500Pa以下であることが好ましい。
このような負圧の範囲とすることで、より顕著に、スリップの導入を効果的に抑制することができ、かつ、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP等の結晶欠陥を低減することができる。
前記第1空間と前記第2空間は、空間的に連結されていることが好ましい。
このような構成を備えるRTP装置を用いて、上述した条件下でRTPを行うことで、スリップの導入をより効果的に抑制することができる。
本発明は、シリコンウェーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理を行う際、シリコンウェーハの裏面の外周部をリング状に保持するサセプタを用いても、スリップの導入を効果的に抑制することができ、かつ、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP等の結晶欠陥を低減することができるシリコンウェーハの熱処理方法が提供される。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法に用いられる急速加熱・急速冷却熱処理装置の概要を示す断面図である。 本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法に適用される急速加熱・急速冷却熱処理における熱処理シーケンスの一例を説明するための概念図である。 従来のRTP装置内のウェーハを保持するウェーハ保持部の態様を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法に用いられる急速加熱・急速冷却熱処理装置の概要を示す断面図である。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法に用いられるRTP装置10は、図1に示すように、ウェーハWを収容して熱処理を施すための反応管20と、反応管20内に設けられ、ウェーハWを保持するウェーハ保持部30と、ウェーハWを加熱する加熱部40と、を備える。ウェーハWがウェーハ保持部30に保持された状態では、反応管20の内壁とウェーハWの半導体デバイスが形成される表面W1側とで囲まれた空間である第1空間20aと、反応管20の内壁とウェーハWの裏面W2側とで囲まれた空間である第2空間20bが形成される。
反応管20は、第1空間20a及び第2空間20b内に第1の雰囲気ガスF(実線矢印)を供給する第1の雰囲気ガス導入口22と、第2空間20b内に第2の雰囲気ガスF(点線矢印)を導入する第2の雰囲気ガス導入口24と、前記供給した第1の雰囲気ガスFを第1空間20aから排出する第1の排出口26と、前記供給した第1の雰囲気ガスF及び第2の雰囲気ガスFを第2空間20bから排出する第2の排出口28と、を備える。反応管20は、例えば、石英で構成されている。
ウェーハ保持部30は、ウェーハWの裏面W2の外周部をリング状に直接的に保持するサセプタ32と、サセプタ32を保持する共に、サセプタ32を径方向に回転させる回転体34とを備える。サセプタ32及び回転体34は、例えば、SiCで構成されている。
加熱部40は、ウェーハ保持部30の上方の反応管20外に配置され、ウェーハWを表面W1側から加熱する。加熱部40は、例えば、複数のハロゲンランプ50で構成されている。
図1に示すRTP装置10を用いて、急速加熱・急速冷却熱処理を行う場合は、反応管20に設けられた図示しないウェーハ導入口より、ウェーハWを反応管20内に導入して、ウェーハ保持部30のサセプタ32上にリング状にウェーハWを保持し、第1の雰囲気ガス導入口22から後述する第1の雰囲気ガスFを、第2の雰囲気ガス導入口24から後述する第2の雰囲気ガスFをそれぞれ導入すると共に、加熱部40によってウェーハWを加熱することで行う。
次に、本発明の実施形態に係わるシリコンウェーハの熱処理方法についてより具体的に説明する。
本実施形態に係わるシリコンウェーハの熱処理方法は、チョクラルスキー法により育成したシリコン単結晶インゴットをスライス等の加工を行って製造したシリコンウェーハに対して、急速加熱・急速冷却熱処理を行う。
チョクラルスキー法によるシリコン単結晶インゴットの育成は周知の方法にて行う。
具体的には、石英ルツボに充填した多結晶シリコンを加熱してシリコン融液とし、このシリコン融液の液面に種結晶を接触させて、種結晶と石英ルツボを回転させながら種結晶を引上げ、所望の直径まで拡径して直胴部を形成し、その後、シリコン融液から切り離すことで、シリコン単結晶インゴットを育成する。
次に、こうして得られたシリコン単結晶インゴットを、周知の方法によりシリコンウェーハに加工する。
具体的には、シリコン単結晶インゴットを内周刃又はワイヤソー等によりウェーハ状にスライスした後、外周部の面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨等を行う。
次に、こうして得られた鏡面研磨されたシリコンウェーハに対して、図1に示すようなRTP装置10を用いて、急速加熱・急速冷却熱処理を行う。
図2は、本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法に適用される急速加熱・急速冷却熱処理における熱処理シーケンスの一例を説明するための概念図である。
本発明に係わる熱処理シーケンスは、温度T0(例えば、600℃)で保持された図1に示すようなRTP装置10の反応管20内に鏡面研磨されたウェーハWを設置し、ウェーハWの半導体デバイスが形成される表面W1側が接する第1空間20a内に第1の雰囲気ガスFを供給し、前記ウェーハWの表面W1に対向する裏面W2側が接する第2空間20b内に第2の雰囲気ガスFを供給する。
次に、温度T0(℃)から最高到達温度である第1の温度T1(℃)まで、所定の昇温速度ΔTu(℃/秒)で急速加熱し(第1ステップ)、その後、前記第1の温度T1(℃)で所定時間t(秒)保持し(第2ステップ)、最後に、前記第1の温度T1(℃)から第2の温度(例えば、温度T0(℃))まで、所定の降温速度ΔTd(℃/秒)で急速冷却する(第3ステップ)。なお、温度T0、T1は、図1に示すようなRTP装置10の反応管20内にウェーハWを設置した場合において、ウェーハ保持部30の下方に設置された図示しない放射温度計によって測定された温度(放射温度計がウェーハWの径方向に複数の配置されている場合はその平均温度)である。
本発明に係わるシリコンウェーハの熱処理方法は、少なくとも前記第1ステップ中においては、不活性ガスを第1の雰囲気ガスFとして、酸化性ガスを第2の雰囲気ガスFとしてそれぞれ供給し、かつ、前記第2空間20bの内圧を前記第1空間20aの内圧よりも負圧の条件下にて、すなわち低い圧力に設定して、RTPを行う。第2の雰囲気ガスFが第1空間20aに流れ込まないようにするためである。
前記負圧の調整は、第1の排出口26に対する第2の排出口28の排出圧力設定値を調整することにより行う事ができる。
このように、第2の雰囲気ガスFを酸化性ガスとすることで、前述した図3に示すようなスリップの発生要因となるウェーハの撓み量を抑制することができる。すなわち、ウェーハWの裏面W2側を酸化し、裏面W2側に表面W1より厚い膜厚のシリコン酸化膜を成長させながら急速加熱することで、シリコンとシリコン酸化膜との熱膨張量の差を利用してシリコンウェーハの撓み量を抑制することができる。例えば、1000℃におけるシリコンの熱膨張係数は、4.4×10−6(1/K)であるのに対し、酸化膜の熱膨張係数は5.0×10−7(1/K)と小さいため、ウェーハWの裏面W2に厚い膜厚の酸化膜が形成されると、ウェーハWの撓み量を抑制することができる。
また、前記第1の雰囲気ガスFを不活性ガスとし、かつ、前記第2空間20bの内圧を前記第1空間20aの内圧よりも負圧状態として、前記酸化性ガスを第1空間20a内に回り込ませないようにすることで、ウェーハの表面W1近傍におけるCOP等の結晶欠陥を低減させることができる。
なお、前記第2空間20bの内圧を前記第1空間20aの内圧よりも負圧状態とせず、第1空間20a内に前記酸化性ガスが回り込む場合には、ウェーハWの表面W1においても厚い膜厚の酸化膜が形成されることになる。この場合には、ウェーハWの表裏面に厚い膜厚の酸化膜が形成されることになるため、前述したようなシリコンとシリコン酸化膜との熱膨張量の差を利用した撓み量の抑制効果を得ることが難しくなる。更に、ウェーハWの表面W1側に厚い膜厚の酸化膜が形成されてしまうと、ウェーハの表面近傍におけるCOPの内壁酸化膜の溶解等が抑制され、結果的に、ウェーハの表面近傍においてCOP等の結晶欠陥を低減させることが難しくなる。
なお、前記第1の雰囲気ガスFが酸化性ガスである場合には、ウェーハWの表面W1側に厚い膜厚の酸化膜が形成されるため、前述したのと同様にウェーハWへのスリップの導入を効果的に抑制することが難しく、また、ウェーハの表面近傍におけるCOP等の結晶欠陥を低減させることが難しい。また、前記第1の雰囲気ガスFとして窒素ガスを用いた場合には、急速加熱・急速冷却熱処理においてウェーハWの表面W1に窒化膜が形成されてしまい、その窒化膜の除去のため、新たにエッチング工程等を行わなければならず、製造工程が増加するため好ましくない。また、前記第1の雰囲気ガスFとして水素ガスを用いた場合には、第2の雰囲気ガスFとして用いる酸化性ガスと水素ガスの混合は爆発の危険性があるため好ましくない。
また、前記第2の雰囲気ガスFとして酸化性ガス以外のガスを用いた場合には、ウェーハWの裏面W2に酸化膜が形成されないため、スリップの導入を効果的に抑制することが難しい。
前記不活性ガスとしては、Ar(アルゴン)ガスが好適に用いられる。また、前記酸化性ガスとしては、酸素100%の酸素ガス、又は、酸素ガスとHe(ヘリウム)ガスとの混合ガスが好適に用いられる。
なお、前記第2空間20bは、ウェーハWをサセプタ32上に保持した際、実質的な閉鎖空間とならないことが好ましい。すなわち、図1において、第1空間20aと第2空間20bとを空間的に連結する連結部60を備えていることが好ましい。
このような構成を備えるRTP装置を用いて、上述した条件下でRTPを行うことで、スリップの導入をより効果的に抑制することができる。
仮に、第2の空間20bが、ウェーハWを保持した状態で閉鎖空間となるRTP装置を用いた場合、前述したように第2空間20bの内圧が第1空間20aの内圧よりも負圧の条件下で、RTPを行うと、サセプタ20上に保持されたウェーハWは圧力が低い第2の空間20bの方向に応力が発生し、ウェーハWがより撓むことになり、ウェーハWの撓み量を増加させてしまうこととなり、スリップの導入を効果的に抑制することが難しい。
前記負圧は、−500Pa以下であることが好ましい。すなわち、前記第2空間20bの内圧を前記第1空間20aの内圧よりも−500Pa以下の負圧状態とすることが好ましい。この負圧の調整は、上述したように、第1の排出口26に対する第2の排出口28の排出圧力設定値を−500Pa以下に調整することにより行う。
このような負圧の範囲とすることで、より顕著に、スリップの導入を効果的に抑制することができ、かつ、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍において、COP等の結晶欠陥を低減することができる。
前記負圧が、−500Paを超える場合には、前記第2の空間20bに供給した酸化性ガスが第1の空間20a内に回り込んでしまうため、RTPにおけるウェーハWのスリップの導入を抑制することが難しく、また、ウェーハの表面近傍におけるCOP等の結晶欠陥を低減させることが難しい。
前記負圧は、−700Pa以上−500Pa以下であることが好ましい。
前記負圧が、−700Pa未満である場合には、第1空間20a内に供給した不活性ガスがウェーハWの表面W1方向に供給されにくくなるので、ウェーハの表面近傍におけるCOP等の結晶欠陥を低減する効果が低下してしまうため好ましくない。
前記昇温速度ΔTuは、例えば、10℃/秒以上150℃/秒以下である。
前記第1の温度T1(℃)は、1300℃以上シリコンの融点以下であることが好ましい。
前記第1の温度T1(℃)が1300℃未満である場合には、シリコンウェーハの表面近傍のCOP等の結晶欠陥を低減させる効果が少ないため好ましくない。前記第1の温度T1(℃)がシリコンの融点を超える場合には、当然の如く、ウェーハWが溶解してしまうため好ましくない。
また、RTP装置としての寿命の観点から、前記第1の温度T1(℃)は、1300℃以上1380℃以下であることがより好ましい。
前記第1の温度T1(℃)を保持する保持時間tは、例えば、1秒以上60秒以下である。
前記降温速度ΔTdは、例えば、10℃/秒以上150℃/秒以下である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により制限されるものではない。
(実施例1、比較例1〜4)
CZ法によりv/G(v:引上速度、G:単結晶内の引上軸方向の温度勾配)を制御して空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を有するシリコン単結晶インゴットを育成し、その後、空孔型点欠陥が支配的に存在する領域からスライスして得られた両面が鏡面研磨されたウェーハ(直径300mm、厚さ775mm)に対して、図1に示すようなRTP装置10を用いて、急速加熱・急速冷却熱処理を行った。
この際、第1の雰囲気ガスF、第2の雰囲気ガスFのガスの種類、及び、第2空間20bの内圧を第1空間20aの内圧よりも負圧の条件下に調整しつつ、その負圧(Pa)をそれぞれ振って、図2に示す熱処理シーケンスにてRTPを行った。なお、負圧の調整は、第1の雰囲気ガス排出口26に対する第2の雰囲気ガス排出口28の排出圧力設定値を調整することで行った。なお、本試験では、図2に示す熱処理シーケンスの全ステップにおいて、上記それぞれ振ったガスの種類及び負圧の条件を一定として行った。
なお、本試験におけるその他の条件は、下記の通りである。
・温度T0 :600℃
・昇温速度ΔTu :50℃/秒
・第1の温度T1 :1350℃
・保持時間t :15秒
・降温速度ΔTd :50℃/秒
以上の条件で得られたアニールウェーハに対して、表裏面に形成される酸化膜厚さをルドルフリサーチアナリティカル社製三波長自動エリプソメータAuto EL IV NIR IIIを使用して、エリプソメトリ法にてウェーハの表裏面の中心点を評価した。また、X線トポグラフィ(株式会社リガク製 XRT300)によりスリップの発生の有無を評価すると共に、ウェーハ表面近傍(深さ0〜5μm)におけるCOPの消滅の有無を評価した。なお、COPの評価は、LSTD(Laser Scattering Tomography Defect)スキャナ(レイテックス社製 MO-601)にて評価した。
表1に実施例1及び比較例1〜4における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 2011009631
表1から見てもわかるように、Arガスを第1の雰囲気ガスFとして、酸素ガスを第2の雰囲気ガスFとして、かつ、排出圧力設定値を−500Pa以下とすることで、スリップの発生がなく、かつ、表面近傍におけるCOPの消滅効果も有することが認められる。
(実施例2〜4、比較例5)
前記排出圧力設定値(Pa)を振って、その他は、実施例1と同様な条件で急速加熱・急速冷却熱処理を行った。
以上の条件で得られたアニールウェーハに対して、実施例1と同様な方法で、表裏面に形成される酸化膜厚さ、スリップの発生の有無、及びCOPの消滅の有無を評価した。
表2に実施例2〜4及び比較例5における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 2011009631
表2から見てもわかるように、Arガスを第1の雰囲気ガスFとして、酸素ガスを第2の雰囲気ガスFとして、排出圧力設定値が−700Paを超えると、スリップの発生は無いものの、表面近傍におけるCOPが消滅せず、残存してしまうことが認められる。
(比較例6)
図1に示すようなRTP装置10において、連結部60を封止して、第2空間20bを簡易的な閉鎖空間として、その他は、実施例1と同様な条件で急速加熱・急速冷却熱処理を行った。
以上の条件で得られたアニールウェーハに対して、実施例1と同様な方法で、表裏面に形成される酸化膜厚さ、スリップの発生の有無、及びCOPの消滅の有無を評価した。
表3に比較例6における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 2011009631
表3から見てもわかるように、RTP装置10において、連結部60を封止して、第2空間20bを簡易的な閉鎖空間としてしまうと、表面近傍におけるCOPが消滅されるものの、スリップが発生してしまうことが認められる。
(実施例5、比較例7、8)
実施例1に示すガスの種類及び負圧の条件を、図2に示す熱処理シーケンスのうち、第1ステップのみ(実施例5)、第2ステップのみ(比較例7)、第3ステップのみとし(比較例8)、それ以外の各々のステップにおいては、前記負圧の条件は−500Paで一定とし、第2の雰囲気ガスFをO2からArに切り替え、その他は、実施例1と同様な条件で急速加熱・急速冷却熱処理を行った。
以上の条件で得られたアニールウェーハに対して、実施例1と同様な方法で、表裏面に形成される酸化膜厚さ、スリップの発生の有無、及びCOPの消滅の有無を評価した。
表4に実施例5及び比較例7、8における試験条件及び評価結果を示す。
Figure 2011009631
表4から見てもわかるように、少なくとも第1ステップにおいて、実施例1に示すガスの種類及び負圧の条件を適用することで、スリップの発生がなく、かつ、表面近傍におけるCOPの消滅効果も有することが認められる。但し、第1ステップ及び第3ステップ(比較例7)、又は、第1ステップ及び第2ステップ(比較例8)において、第2の雰囲気ガスFとして、Arを用いた場合には、表面近傍におけるCOPが消滅されるものの、スリップが発生してしまうことが認められる。
10 RTP装置
20 反応管
30 ウェーハ保持部
32 サセプタ
34 回転体
40 加熱部
50 ハロゲンランプ
60 連結部

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により製造したシリコンウェーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理を行うシリコンウェーハの熱処理方法であって、
    前記シリコンウェーハを最高到達温度まで急速加熱する第1ステップと、
    前記最高到達温度で所定時間保持する第2ステップと、
    前記最高到達温度から急速冷却する第3ステップと、を備え、
    少なくとも前記第1ステップを、前記シリコンウェーハの半導体デバイスが形成される表面側が接する第1空間内に不活性ガスを供給し、前記シリコンウェーハの裏面側が接する第2空間内に酸化性ガスを供給し、かつ、前記第2空間の内圧が前記第1空間の内圧よりも負圧の条件下で行うことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記負圧は、−500Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記第1空間と前記第2空間は、空間的に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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