JP2011035129A - シリコンウェーハ - Google Patents

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宏治 泉妻
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Abstract

【課題】ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥が、デバイスプロセスにおいて汚染源となることが抑制され、さらに、スリップの発生源となることも抑制されたシリコンウェーハの提供。
【解決手段】ウェーハ表面部1はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であり、ウェーハ表面部1よりも深いウェーハバルク部2は、八面体を基本形状とする多面体で構成され、前記多面体の角部が曲面状であり、かつ、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥4が存在しているシリコンウェーハを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイス形成用基板として好適に用いられるシリコンウェーハ(以下、単に、ウェーハともいう)に関する。
近年、半導体デバイスの高集積度化及びデザインルールの超微細化が進み、これにより、その基板として使用されるシリコンウェーハにおいても、デバイス活性領域となるウェーハの表面近傍(特に、ウェーハ表面から深さ5μmまでの領域:以下、表面部という)に、COP(Crystal Originated Particle)等のボイド欠陥が存在しないことが要求されている。
このようなボイド欠陥が存在しないシリコンウェーハは、例えば、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)でシリコン単結晶インゴットを育成する際に、V/G(V:引き上げ速度、G:温度勾配)を制御して、全面に無欠陥領域を有するシリコン単結晶インゴットを引き上げ、これをスライスすることによって製造することができる(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1記載の方法は、V/Gのわずかな変動により、ボイド欠陥が発生する場合があり、その制御は非常に難しい。さらに、V/Gを制御して無欠陥領域を引き上げる場合は、一般的に、引き上げ速度Vを低速にする必要があるため、シリコン単結晶育成における生産性を低下させるものであった。
そのため、引き上げ速度Vの高速化が可能な空孔型点欠陥が優勢な領域(以下、V−リッチ領域という)を有するシリコン単結晶インゴットを育成し、該単結晶インゴットをスライスして作製したシリコンウェーハに、HF処理によりウェーハ表層部(本発明でいうウェーハ表面部)に存在するボイド欠陥の内壁酸化膜を除去する内壁酸化膜除去工程を経た後、該シリコンウェーハに急速加熱・急速冷却熱処理(Rapid Thermal Process;以下、RTPともいう)を行うことにより、デバイスが作製されるウェーハ表層部を無欠陥層とする方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
一方、ウェーハ表面部より深い領域(特に、ウェーハ表面から深さ5μmより深い領域:以下、ウェーハバルク部という)にBMD(Bulk Micro Defect)が高密度に存在するシリコンウェーハは、デバイスプロセス中に混入する金属不純物等に対するゲッタリング能力を備えている。
このため、ウェーハバルク部に空孔を過剰に残留させ、酸素析出核を形成するために、例えば、窒素又は不活性雰囲気下でRTPを行い、冷却速度を制御する方法も提案されている(例えば、特許文献3,4)。
特開平8−330316号公報 特開2005−123241号公報 特表2007−534579号公報 特表2005−522879号公報
しかしながら、上記特許文献2記載の方法によれば、デバイス活性領域となるウェーハ表面部に無欠陥層を形成することができるものの、特許文献2には、前記ウェーハ表面部より深いウェーハバルク部におけるボイド欠陥の消滅等については一切記載されておらず、考慮されているものではない。
また、上記特許文献3,4記載の方法によれば、ウェーハバルク部の酸素析出核形成の均一化を図ることができるが、上記特許文献3,4にも、ウェーハバルク部におけるボイド欠陥の消滅等については一切記載されておらず、考慮されているものではない。
ボイド欠陥は、図6に示すように、一般的に八面体を基本形状とする多面体で構成され、その内部には内壁酸化膜が存在している。このようなボイド欠陥がウェーハバルク部に多く存在すると、ボイド欠陥自身がデバイスプロセスにおける汚染源となる可能性がある。
さらに、前記ボイド欠陥は、八面体形状を有しているため、その尖っている角部3には歪みが集中し、スリップ等を生じやすいという性質を有していると考えられる。
上記ボイド欠陥が汚染源となることへの対策としては、特許文献3,4に記載されているように、ウェーハバルク部にBMDを高密度に形成させることも考えられるが、BMDを形成させるためには、ウェーハバルク部に空孔が多く存在すること、酸素濃度が高いこと等の一定の条件が必要であり、製造的な観点から考えると、制約を受けるものであった。さらに、BMDを高密度に形成する場合には、当該BMDがスリップの発生源となる可能性があるため好ましくない。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥が、デバイスプロセスにおいて汚染源となることが抑制され、さらに、スリップの発生源となることも抑制されたシリコンウェーハを提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコンウェーハは、ウェーハ表面部はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であり、ウェーハ表面部よりも深いウェーハバルク部は、八面体を基本形状とする多面体で構成され、前記多面体の角部が曲面状であり、かつ、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥が存在していることを特徴とする。
このようなシリコンウェーハを用いれば、ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥が、デバイスプロセスにおいて汚染源となることを抑制することができ、さらに、スリップの発生源となることも抑制することができる。
前記ボイド欠陥は、前記多面体の角部の全部が曲面状となった球体又は楕円体であることが好ましい。
このようなシリコンウェーハを用いれば、確実に、ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥がスリップの発生源となることを抑制することができる。
本発明によれば、ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥が、デバイスプロセスにおいて汚染源となることが抑制され、さらに、スリップの発生源となることも抑制されたシリコンウェーハを提供することができる。
したがって、本発明に係るシリコンウェーハは、デバイスプロセスにおける歩留まりの向上に大きく寄与し得るものである。
本発明に係るシリコンウェーハの一例を示す概略断面図である。 従来のシリコンウェーハの概略断面図である。 本発明に係るシリコンウェーハの他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係るシリコンウェーハを得るために用いられるRTP装置のチャンバ部の概要を示す断面図である。 本発明に係るシリコンウェーハを得るためのRTPにおける熱処理シーケンスの一例を説明するための概念図である。 ボイド欠陥の基本構造を示す斜視図である。
以下、本発明について、図面を参照して、より詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシリコンウェーハの一例を示す概略断面図である。
本発明に係るシリコンウェーハは、図1に示すように、ウェーハ表面部1、具体的には、ウェーハ表面から深さ5μmまでの領域はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であり、前記ウェーハ表面部1よりも深いウェーハバルク部2、具体的には、ウェーハ表面から深さ5μmより深い領域は、八面体を基本形状とする多面体で構成され、前記多面体の角部が曲面状であり、かつ、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥4が存在していることを特徴とするものである。
一方、図2に、従来のシリコンウェーハの概略断面図を示す。
CZ法により製造されたV−リッチ領域を有するシリコン単結晶インゴットからスライスして得られたシリコンウェーハに熱処理を施して、ウェーハ表面部1を無欠陥層とした従来のウェーハは、ウェーハバルク部2に含まれる酸素は当該熱処理において外方拡散されにくいため、ウェーハバルク2内に存在するボイド欠陥5の内壁酸化膜6は溶解せずに残存する。
このような内壁酸化膜6は、ボイド欠陥5の周囲の金属不純物を取り込む性質を有しているため、このようなボイド欠陥5がウェーハバルク部2に多く存在すると、ボイド欠陥5自身がデバイスプロセスにおける汚染源となる可能性がある。
本発明に係るシリコンウェーハは、このような内壁酸化膜が除去されているため、ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥が、デバイスプロセスにおいて汚染源となることが抑制されたものである。
また、図1に示すボイド欠陥4は、八面体を基本形状とする多面体の角部(図6中符号3)が曲面状である点に特徴を有する。
すなわち、本発明に係わるシリコンウェーハは、このようにボイド欠陥4の尖っている角部が曲面状となっているため、これらボイド欠陥4がスリップの発生源となることも抑制されたものである。
したがって、本発明に係るシリコンウェーハは、デバイスプロセスにおける歩留まりの向上に大きく寄与し得るものである。
図3は、本発明に係るシリコンウェーハの他の一例を示す概略断面図である。
前記ボイド欠陥4は、図3に示すように、前記多面体の角部の全部が曲面状となった球体又は楕円体であることが好ましい。
このようなシリコンウェーハを用いれば、確実に、ウェーハバルク部に存在するボイド欠陥がスリップの発生源となることを抑制することができる。
このようなウェーハバルク部2に存在するボイド欠陥4は、ウェーハ表面部1からウェーハバルク部2まで研削加工及び研磨加工を行い、透過型電子顕微鏡によって、その形態を評価することができる。
次に、本発明に係るシリコンウェーハを製造する方法について説明する。
上記のような本発明に係るシリコンウェーハは、CZ法により製造したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたウェーハにRTPを施すことによって製造することができる。
CZ法は、周知の方法であり、具体的には、石英ルツボに充填した多結晶シリコンを加熱してシリコン融液とし、このシリコン融液の液面に種結晶を接触させて、種結晶と石英ルツボを回転させながら種結晶を引き上げ、所望の直径まで拡径して直胴部を形成し、その後、シリコン融液から切り離すことにより、シリコン単結晶インゴットを育成する。
この際、V/G(V:引き上げ速度、G:温度勾配)を制御して、V−リッチ領域を有するシリコン単結晶インゴットを育成する。
そして、上記により得られたシリコン単結晶インゴットを内周刃またはワイヤソー等によりウェーハ状にスライスした後、外周部の面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨等の加工を行い、シリコンウェーハを得る。
前記RTPは、上記のようにして得られた鏡面研磨されたシリコンウェーハに、例えば、図4に示すようなRTP装置により好適に行うことができる。
図4に示すRTP装置のチャンバ部10は、ウェーハWを収容する反応管20と、前記反応管20内に配設され、前記ウェーハWが載置されるウェーハ支持部30と、前記ウェーハWを光照射により加熱する複数のランプ40とを備えている。
前記反応管20は、前記ウェーハWの半導体デバイスが形成される表面W1側の第1の空間20aに第1の雰囲気ガスFA(図中実線矢印)を供給するガス供給口22と、前記第1空間20aからガスを排出するガス排出口26と、前記ウェーハWの裏面W2側の第2の空間20bに第2の雰囲気ガスFB(図中点線矢印)を供給するガス供給口24と、前記第2空間20bからガスを排出するガス排出口28とを備える。
以下、図4に示すRTP装置を用いた本発明に係るシリコンウェーハを得るためのRTPの一例を説明する。図5に、そのRTPにおける熱処理シーケンスの一例を示す。
図5に示す熱処理シーケンスにおいては、まず、温度T0(例えば、600℃)に保持された反応管20内のウェーハ支持部30のサセプタ32上に、ウェーハWの裏面W2の外周部を載置して支持させる。そして、ガス供給口22から第1の雰囲気ガスFAを供給しつつ、ガス排出口26から第1の雰囲気ガスFAを排出させて(必要に応じて、ガス供給口24から第2の雰囲気ガスFBを供給するとともに、ガス排出口28から第2の雰囲気ガスFBを排出させて)、サセプタ回転部34によりサセプタ32を回転させながら、ランプ40からの光照射によりウェーハWを最高到達温度T1(℃)まで所定の昇温速度ΔTu(℃/秒)で急速加熱する。
次に、前記最高到達温度T1を所定時間t(秒)保持する。
その後、ランプ40からの光照射をオフとして、必要に応じて、第2の雰囲気ガスFBを用いて、所定の降温速度ΔTd(℃/秒)でウェーハWを急速冷却する。
上記熱処理シーケンスにおけるウェーハWの温度測定は、例えば、ウェーハWの下方に配置された放射温度計(図示せず)により行う。また、前記昇温速度及び降温速度の制御は、上記のようにして測定した温度に基づいて制御手段(図示せず)により、ランプ40の個別の出力制御や、第1の雰囲気ガスFA又は第2の雰囲気ガスFBの流量の制御等により行う。
本発明に係るシリコンウェーハを得るための第1手段としては、育成されるシリコン単結晶インゴットの酸素濃度を1.1×1018atoms/cm3以下とすることが好ましい。言い換えれば、本発明に係るシリコンウェーハのウェーハバルク部の酸素濃度を、1.1×1018atoms/cm3以下とすることが好ましい。
このような方法を用いることにより、RTPにおいて、ウェーハバルク部2に存在するボイド欠陥の内壁酸化膜が溶解されやすくなり、ウェーハの表面部1で発生した格子間シリコン(以下、i−Siという)がウェーハバルク部2まで拡散し、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥に入り込むため、当該内壁酸化膜が除去され、かつ、八面体を基本形状とする多面体の角部が曲面状となったボイド欠陥を有する図1に示すシリコンウェーハを得ることができる。
ここでいう酸素濃度は、1970−1979年度版Old ASTMによる換算係数からの算出値であり、赤外分光法又は二次イオン質量分析装置(SIMS)により測定することができる。
また、前記方法に加え、最高到達温度T1の所定時間t(秒)を長くすることにより、ウェーハの表面部1で発生するi−Siの量が増加し、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥内に多く入り込み、ボイド欠陥の内部を更に埋めて、当該角部の全部が曲面となった球体又は楕円体で構成された微小なボイド欠陥を有する図3に示すようなシリコンウェーハを得ることができる。
前記酸素濃度は、RTPにおけるスリップ発生の抑制等、シリコンウェーハとしての強度を保つ関係上、0.8×1018atoms/cm3以上であることがより好ましい。
また、本発明に係るシリコンウェーハを得るための第2手段としては、RTPにおいて、第1の雰囲気ガスFAとして不活性ガスを、第2の雰囲気ガスFBとして酸化性ガスを用いて、例えば、図5に示す熱処理シーケンスにて行うことが好ましい。
このような方法を用いることにより、ウェーハ裏面W2側に大量のi−Siが発生し、これらi−Siがウェーハ表面側W1まで拡散し、該i−Siによってウェーハバルク部2に存在するボイド欠陥の内壁酸化膜の溶解が促進されるため、八面体を基本形状とする多面体がエネルギー的に安定な球形に近づき、かつ、その内部を埋めるため、図1に示すようなシリコンウェーハを得ることができる。
また、最高到達温度T1の所定時間t(秒)を長くすることにより、ウェーハ裏面W2側で発生したi−Siがウェーハバルク部2まで多く拡散し、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥内に多く入り込み、球形に近づいたボイド欠陥をさらに埋めて、当該角部の全部が曲面となった球体又は楕円体で構成された微小なボイド欠陥を有する図3に示すようなシリコンウェーハを得ることができる。
さらに、本発明に係るシリコンウェーハを得るための第3手段としては、RTPにおいて、第1の雰囲気ガスFA及び第2の雰囲気ガスFBとして酸化性ガスを用いて、例えば、図5に示す熱処理シーケンスにて熱処理を行うことが好ましい。
このような方法を用いることにより、シリコンウェーハの表裏面で大量のi−Siが発生し、これらi−Siによってウェーハバルク部2に存在するボイド欠陥の内壁酸化膜の溶解が促進し、かつ、八面体を基本形状とする多面体がエネルギー的に安定な球形に近づき、かつ、その内部を埋めるため、図1に示すシリコンウェーハを得ることができる。
また、最高到達温度T1の所定時間t(秒)を長くすることにより、ウェーハ表裏面で大量に発生したi−Siがウェーハバルク部2まで多く拡散し、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥内に多く入り込み、球形に近づいたボイド内部を更に埋めて、当該角部の全部が曲面となった球体又は楕円体で構成された微小なボイド欠陥を有する図3に示すようなシリコンウェーハを得ることができる。
なお、この第3手段を用いる場合は、シリコンウェーハの極表面(例えば、ウェーハ表面から1μm以内)にボイド欠陥が残存する場合がある。この場合には、RTP後、シリコンウェーハ表面を研磨することにより、本発明に係る図1、3に示すようなシリコンウェーハを得ることができる。
前記RTPにおける最高到達温度T1は1300℃以上シリコンの融点以下であることが好ましい。
前記最高到達温度T1が1300℃未満である場合には、デバイス活性領域となるウェーハ表面部におけるボイド欠陥の消滅力を高めることが難しい。
一方、前記最高到達温度T1がシリコン融点を超える場合には、熱処理するシリコンウェーハが融解してしまうため好ましくない。
なお、前記最高到達温度T1の上限値は、RTP装置としての装置寿命の観点から、1380℃以下であることがより好ましい。
また、前記RTPにおいて使用される不活性ガスはアルゴンガスであり、酸化性ガスは酸素であることが好ましい。
前記不活性ガスとして窒素ガスを用いる場合には、RTPにおいてウェーハ表面に窒化膜が形成され、この窒化膜の除去のため、新たにエッチング工程等を増やさなければならず、工程が増加するため好ましくない。また、水素ガスは、第2の雰囲気ガスFBとして使用する酸素との混合ガスは爆発の危険性があるため、用いることは好ましくない。また、アンモニア系ガスは、ウェーハ表面部におけるボイド欠陥の消滅力が低下するため好ましくない。
昇温速度ΔTuは、10℃/秒以上150℃/秒以下であることが好ましい。
前記昇温速度ΔTuが10℃/秒未満である場合には、生産性に劣るいという問題があるだけでなく、酸素が基板内部まで拡散して飽和濃度に達する領域が増大するため、内壁酸化膜の消失が不十分になる領域が増加するため好ましくない。一方、前記昇温速度ΔTuが150℃/秒を超える場合には、急激すぎる温度変化に耐えられず、シリコンウェーハにスリップが発生するという問題がある。
また、降温速度ΔTdは、10℃/秒以上150℃/秒以下であることが好ましい。
前記降温速度ΔTdが10℃/秒未満である場合には、生産性に劣るという問題がある。一方、前記降温速度ΔTdが150℃/秒を超える場合には、急激すぎる温度変化に耐えられず、シリコンウェーハにスリップが発生するという問題がある。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
CZ法によりV−リッチ領域で育成したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハ(直径300mm、厚さ775μm、酸素濃度1.1×1018atoms/cm3)について、図4に示すようなRTP装置を用い、図5に示すような熱処理シーケンスにて、第1の雰囲気ガスFAを、100%アルゴンとし、第2の雰囲気ガスFBを100%酸素として、昇温速度ΔTu:30℃/秒、最高到達温度T1:1350℃、降温速度ΔTd:30℃/秒、最高到達温度T1の保持時間t:5秒にて、RTP処理を行った。
その後、レーザ散乱法にて、ウェーハ表面部(ウェーハ表面から深さ5μmまで)のボイド欠陥の発生の有無を評価すると共に、表層を研削加工及び研磨加工により除去した後にウェーハバルク部(表面から深さ5μmより深い領域)におけるボイド欠陥を透過型電子顕微鏡により観察した。
その結果、得られたシリコンウェーハは、ウェーハ表面部はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であり、ウェーハバルク部は、八面体を基本形状とする多面体で構成され、前記多面体の角部が曲面状であり、かつ、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥が数多く存在していることが確認された。
[実施例2]
CZ法によりV−リッチ領域で育成したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハ(直径300mm、厚さ775mm、酸素濃度1.1atoms/cm3)について、最高到達温度T1の保持時間tを15秒とし、その他は、実施例1と同様な方法にて、RTP処理を行った。
その後、実施例1と同様な方法で、ウェーハ表面部のボイド欠陥の発生の有無、及びウェーハバルク部におけるボイド欠陥を観察した。
その結果、得られたシリコンウェーハは、ウェーハ表面部はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であり、ウェーハバルク部は、八面体を基本形状とする多面体で構成され、前記多面体の角部の全部が曲面状となった球体又は楕円体であり、かつ、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥が数多く存在していることが確認された。さらに、ボイド欠陥のサイズは、実施例1に比べて小さかった。
[比較例1]
CZ法によりV−リッチ領域で育成したシリコン単結晶インゴットをスライスして得られたシリコンウェーハ(直径300mm、厚さ775mm、酸素濃度1.1atoms/cm3)について、第2の雰囲気ガスFBを100%アルゴンとして、その他は、実施例1と同様な方法にて、RTP処理を行った。
その後、実施例1と同様な方法で、ウェーハ表面部のボイド欠陥の発生の有無、及びウェーハバルク部におけるボイド欠陥を観察した。
その結果、ウェーハ表面部はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であったが、ウェーハバルク部は、内壁酸化膜が除去されていないボイド欠陥が数多く存在していることが確認された。
1 ウェーハ表面部
2 ウェーハバルク部
4,5 ボイド欠陥
6 内壁酸化膜
10 チャンバ部
20 反応管
30 ウェーハ支持部
40 ランプ

Claims (2)

  1. ウェーハ表面部はボイド欠陥が存在しない無欠陥領域であり、ウェーハ表面部よりも深いウェーハバルク部は、八面体を基本形状とする多面体で構成され、前記多面体の角部が曲面状であり、かつ、内壁酸化膜が除去されたボイド欠陥が存在していることを特徴とするシリコンウェーハ。
  2. 前記ボイド欠陥は、前記多面体の角部の全部が曲面状となった球体又は楕円体であることを特徴とする請求項1記載のシリコンウェーハ。
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