JP2024008390A - シリコンウェーハ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表層部の酸素析出を極力低減しながら、顧客の熱処理に左右されない熱的に安定な酸素析出核をバルク部に高密度に発生させることが可能なシリコンウェーハを提供する。【解決手段】シリコンウェーハ50は、780℃で3時間の熱処理後に950~1000℃で16時間の可視化熱処理を行う第1評価熱処理によって表面50aから深さ30μmまでの表層部53に生じる酸素析出物(BMD)密度が1×107~1×108cm-3であり、第1評価熱処理によって表層部53よりも深いバルク部54に生じるBMD密度が1×109~7×109cm-3である。第1評価熱処理によってバルク部54に生じるBMD平均密度を第1バルク密度d1とし、1150℃で2分間の熱処理後に可視化熱処理を行う第2評価熱処理によってバルク部54に生じるBMD平均密度を第2バルク密度d2とするとき、d2/d1は0.74~1.02である。【選択図】図5

Description

本発明は、シリコンウェーハ及びその製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)により製造されたシリコン単結晶インゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハの熱処理方法に関する。また本発明はそのような熱処理方法によって熱処理されたシリコンウェーハに関する。
半導体デバイスの基板材料であるシリコンウェーハの多くは、CZ法により製造されたシリコン単結晶インゴットを用いて製造される。CZ法は、石英ルツボ内のシリコン融液に接触させた種結晶を相対的に回転させながら徐々に引き上げることにより、種結晶よりも大きな単結晶を成長させる方法である。CZ法によれば、大口径シリコン単結晶の製造歩留まりを高めることができる。
CZ法によってシリコン単結晶を成長させる際、石英ルツボの表面から溶け出した酸素がシリコン融液中に取り込まれることが知られている。シリコン融液中の酸素は、シリコン単結晶が冷却される過程で過飽和状態となり、酸素が凝集して酸素析出核を形成する。
シリコン単結晶インゴットから切り出された直後のバルクシリコンウェーハの酸素析出物密度は非常に低く、低密度の酸素析出物が半導体デバイスの特性に与える影響は小さい。しかし、半導体デバイスを製造する過程で種々の熱処理が繰り返し施され、これにより酸素析出物が高密度化することがある。デバイス活性領域であるシリコンウェーハの表層部に存在する酸素析出物は、接合リーク等のデバイス特性悪化の原因となる。一方、デバイス活性領域以外のバルク部に存在する酸素析出物は、デバイス特性を劣化させる金属不純物を捕獲するゲッタリングサイトとして有効に機能する。そのため、シリコンウェーハの表層部の酸素析出物を低密度とし、表層部よりも深い領域(ウェーハ内部)の酸素析出物を高密度にすることが望ましい。
このようなシリコンウェーハを得るため、例えば特許文献1には、非酸化性雰囲気の炉内でシリコンウェーハを1100~1200℃で1~30秒加熱する第1熱処理ステップと、第1熱処理ステップの後にシリコンウェーハを800~975℃で2~10分加熱する第2熱処理ステップと、第2熱処理ステップの後にシリコンウェーハを1000~1200℃で1~10分加熱する第3熱処理ステップを含むシリコンウェーハの製造方法が記載されている。
特開2021―168382号公報
近年、パワーマネージメント半導体デバイスの製造プロセスとして同一基板上にバイポーラとCMOSとDMOSを形成するBCD(Bipolar-CMOS-DMOS)プロセスが注目されている。BCDプロセスは高温熱処理を伴うため、ウェーハにスリップ転位が発生しやすい。シリコンウェーハのゲッタリング能力のみならずスリップ耐性を高めるためには酸素析出物密度を高める必要がある。さらに、BCDプロセスでは数十μm程度の深いDZ(Denuded Zone)が必要なため、シリコンウェーハの表面に予めエピタキシャル膜を形成する場合もあるが、エピタキシャル膜形成プロセスでは高温熱処理に伴うスリップの問題に加えて、酸素析出物が消滅しやすく、酸素析出物の熱的な安定性も問われる。このように、BCDプロセス用のシリコンウェーハでは、酸素析出物の高密度化と安定化が重要な課題の一つである。
しかしながら、特許文献1に記載のシリコンウェーハの製造方法では、例えば8×1017atoms/cm(ASTM F-121, 1979、酸素濃度について、以下同様。)程度の酸素濃度が低いバルクシリコンウェーハを使用する場合、第1~第3熱処理ステップによって酸素析出核を十分に成長させることができず、その後の顧客の熱処理で酸素析出核が消滅し、バルク部の酸素析出物密度を高めることが難しい。一方、11×1017atoms/cm程度の酸素濃度が比較的高いバルクシリコンウェーハを使用する場合、ウェーハのバルク部のみならず表層部に酸素析出物が発生しやすくなるので、将来的なBCDデバイスに対応できない可能性がある。
したがって、本発明の目的は、表層部の酸素析出を極力低減しながら、顧客の熱処理に左右されない熱的に安定な酸素析出核をバルク部に高密度に発生させることが可能なシリコンウェーハ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるシリコンウェーハは、表面から深さ30μmまでの表層部と、前記表層部よりも深いバルク部とを有し、第1評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~1.0×10cm-3であり、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~7.0×10cm-3であり、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第1バルク密度dとし、第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第2バルク密度dとするとき、前記第1バルク密度dに対する前記第2バルク密度dの比(d/d)が0.74~1.02の範囲内にあり、前記第1評価熱処理は、780℃で3時間の熱処理の後に可視化熱処理を実施する2段階の熱処理であり、前記第2評価熱処理は、1150℃で2分間の熱処理の後に前記可視化熱処理を実施する2段階の熱処理であり、前記可視化熱処理は、950~1000℃で16時間の熱処理であることを特徴とする。
本発明によれば、評価熱処理後の表層部の酸素析出物密度が1.0×10cm-3以下と低く、さらにバルク部の酸素析出物密度が表層部よりも10倍以上高く且つ熱的に安定なシリコンウェーハを提供することができる。したがって、当該シリコンウェーハを用いて製造されるBCD等の半導体デバイスの歩留まり及び信頼性を高めることができる。
本発明において、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)及び前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)は共に2以下であることが好ましい。この場合、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)は1.30以下であることがさらに好ましい。また、前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)は1.32以下であることがさらに好ましい。これにより、顧客の熱処理に左右されない熱的に安定した酸素析出物をバルク部に高密度且つ均一に発生させることができる。
本発明において、前記第1評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の平均密度及び前記第2評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の平均密度は共に2.1×10cm-3以下であることが好ましい。これにより、顧客の熱処理によらず表層部の酸素析出物密度が十分に低減されたシリコンウェーハを提供することができる。
また、本発明によるシリコンウェーハは、シリコン基板と、前記シリコン基板の表面に形成されたエピタキシャルシリコン膜を備え、前記シリコン基板は、表面から深さ30μmまでの表層部と、前記表層部よりも深いバルク部とを有し、第1評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~1.0×10cm-3であり、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~7.0×10cm-3であり、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第1バルク密度とし、第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第2バルク密度とするとき、前記第1バルク密度に対する前記第2バルク密度の比が0.98~1.02の範囲内にあり、前記第1評価熱処理は、780℃で3時間の熱処理の後に可視化熱処理を実施する2段階の熱処理であり、前記第2評価熱処理は、前記可視化熱処理であり、前記可視化熱処理は、950~1000℃で16時間の熱処理であることを特徴とする。
本発明によれば、評価熱処理後の表層部の酸素析出物密度が1.0×10cm-3以下と低く、さらにバルク部の酸素析出物密度が表層部よりも10倍以上高く且つ熱的に安定なエピタキシャルシリコンウェーハを提供することができる。したがって、当該エピタキシャルシリコンウェーハを用いて製造されるBCD等の半導体デバイスの歩留まり及び信頼性を高めることができる。
本発明において、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)及び前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)は共に2以下であることが好ましい。この場合、前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)は1.29以下であることがさらに好ましい。また、前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)は1.35以下であることがさらに好ましい。これにより、顧客の熱処理に左右されない熱的に安定した酸素析出物をバルク部に高密度且つ均一に発生させることができる。
さらにまた、本発明によるシリコンウェーハの製造方法は、酸素濃度が7×1017~10×1017atoms/cm(ASTM F-121, 1979)であるシリコンウェーハを第1温度で加熱する第1熱処理ステップと、前記第1熱処理ステップの後に前記シリコンウェーハを前記第1温度よりも低い第2温度で加熱する第2熱処理ステップと、前記第2熱処理ステップの後に前記シリコンウェーハを前記第2温度よりも高い第3温度で加熱する第3熱処理ステップを含み、前記第1温度は1210~1250℃、前記第1温度の保持時間は10~60秒であり、前記第2温度は800~975℃、前記第2温度の保持時間は2~10分であり、前記第3温度は1150~1250℃、前記第3温度の保持時間は5~15分であることを特徴とする。
本発明によれば、比較的短時間で高温の第1熱処理ステップ、比較的長時間で低温の第2熱処理ステップ、さらに第2熱処理ステップよりも高温の第3熱処理ステップによって、シリコンウェーハ内部に熱的に安定な酸素析出核を高密度に発生させる一方で、ウェーハ表層部では酸素析出核を低減することができる。したがって、顧客の熱処理に左右されない熱的に安定な高密度の酸素析出核をバルク部に持ち、且つデバイス形成領域の酸素析出核は低密度なシリコンウェーハを製造することができる。
前記第1熱処理ステップは、アンモニア又は窒素を含む非酸化性雰囲気中で行い、前記第2及び第3熱処理ステップは、アンモニア又は窒素を含まない非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。アンモニア又は窒素を含む非酸化性雰囲気中で第1熱処理ステップを実施することにより、ウェーハ表面に窒化膜を形成し、窒化膜を通してウェーハ内部に空孔を導入することができ、これによりウェーハ内部の酸素析出核の密度を高めることができる。
本発明において、前記第1温度への昇温レート及び前記第2温度から前記第3温度への昇温レートは10~50℃/秒であることが好ましい。また、前記第1温度から前記第2温度への降温レートは20~120℃/秒であることが好ましい。これにより、熱的に安定した酸素析出核を高密度に発生させることができる。
本発明において、前記第1熱処理ステップで熱処理される前の前記シリコンウェーハは、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないシリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出されたものであることが好ましい。これにより、表層部の酸素析出核の密度が低く、バルク部の酸素析出核の密度が高く且つ熱的に安定なシリコンウェーハを製造することができる。したがって、当該シリコンウェーハを用いて製造されるBCD等の半導体デバイスの歩留まり及び信頼性を高めることができる。
本発明によれば、表層部の酸素析出を極力低減しながら、顧客の熱処理に左右されない熱的に安定な酸素析出物をバルク部に高密度に発生させることが可能なシリコンウェーハ及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態によるシリコン単結晶の製造方法を概略的に示すフローチャートである。 図2は、シリコンウェーハを熱処理する工程を説明するフローチャートである。 図3は、熱処理中の温度変化を示すグラフであって、横軸は時刻、縦軸は加熱温度をそれぞれ示している。 図4(A)~(I)は、第1~第3熱処理及の間に発生するシリコンウェーハの変化を示す模式図である。 図5は、光散乱トモグラフィを用いてシリコンウェーハの酸素析出物密度を測定する方法について図示した模式図である。 図6は、製造されたシリコンウェーハの安定性及び均一性を決定するための評価手順の概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるシリコン単結晶の製造方法を概略的に示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態によるシリコンウェーハの製造方法は、チョクラルスキー(CZ)法によりシリコン単結晶インゴットを製造する工程S11と、シリコン単結晶インゴットを加工してシリコンウェーハを作製する工程S12と、シリコンウェーハを熱処理する工程S13とを有している。
シリコン単結晶インゴットを製造する工程S11では、石英ルツボに充填した多結晶シリコンをCZ炉内で加熱してシリコン融液を生成する。次にシリコン融液に種結晶を接触させて、種結晶と石英ルツボを回転させながら種結晶を徐々に引き上げることにより、種結晶の下端に大きな単結晶を成長させる。
次に、シリコンウェーハを作製する工程S12では、シリコン単結晶インゴットをワイヤーソー等によりスライスした後、ラッピング、エッチング、鏡面研磨、洗浄等を行い、中間製品としてのバルクシリコンウェーハ(ポリッシュドウェーハ)を完成させる。こうして作製されたCZシリコンウェーハの酸素濃度は、7×1017~10×1017atoms/cm(ASTM F-121, 1979)であることが好ましい。7×1017atoms/cmより濃度が低い場合にはバルク部に安定的な酸素析出物を高密度に発生させることができない。10×1017atoms/cmより濃度が高い場合には表層部の酸素析出物を十分に低減することができない。
ここで、シリコンウェーハは、結晶起因パーティクル(COP)欠陥を実質的に含まない、いわゆるCOPフリーウェーハであることが望ましい。すなわち、シリコンウェーハは、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないシリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出されたものであることが好ましい。COP(Crystal Originated Particle)は、結晶学的に完全に配向した八面体の空洞であり、その内壁は通常、1~4nmの厚さの酸化膜で覆われている。COP欠陥などの空孔関連の結晶欠陥は、表層部の酸素析出物と同様に、半導体デバイスに問題を引き起こす可能性がある。デバイスの問題の例としては、ゲート酸化物の完全性(GOI)の低下や、PN接合での電流リークがある。これらの問題に対処するため、一部のデバイスアプリケーションでは、低欠陥結晶成長法を適用して、表面近くのデバイス領域の空孔欠陥の数を減らすことができる。結晶の引き上げ速度と結晶の冷却速度を変更すると、空孔欠陥レベルが低くなる可能性がある。これにより、空孔と格子間シリコン原子との再結合、空孔の凝集、及び酸素濃度の制御が可能になり、表面欠陥が減少する。COPフリーウェーハにおいて、「実質的にCOPを含まない」とは、空孔型点欠陥の凝集体からなるCOPの密度が1×10cm-3以下であることを意味する。
シリコンウェーハを熱処理する工程S13では、ウェーハは、急速熱アニーリング(RTA)炉内で3段階の温度範囲の熱処理を行い、熱的に安定した酸素析出核を高密度に発生させる。ここで、「熱的に安定」という表現は、金属不純物のゲッタリングやウェーハ強度を維持するのに十分な密度をウェーハ出荷状態で有し、密度が顧客のデバイスでのその後の熱処理に影響されないことを意味する。また、「高密度」とは、少なくとも1×10/cm以上、好ましくは約5×10/cm以上の密度をいう。
図2は、シリコンウェーハを熱処理する工程S13を説明するフローチャートである。図3は、熱処理中の温度変化を示すグラフであって、横軸は時間を表し、縦軸は加熱温度をそれぞれ示している。
図2及び図3に示すように、本発明の実施の形態によるシリコンウェーハの熱処理方法は、RTA炉内でシリコンウェーハを第1温度Tで加熱する第1熱処理S21と、第1熱処理S21の後に第1温度Tよりも低い第2温度Tでシリコンウェーハを加熱する第2熱処理S22と、第2熱処理S22の後に第2温度Tよりも高い第3温度Tでシリコンウェーハを加熱する第3熱処理S23を含む。本実施形態において、第1~第3熱処理S21~S23は、同じRTA炉内で連続的に実施されることが好ましい。しかし、第1熱処理S21をRTA炉で行った後、RTA炉からウェーハを取り出して、別の熱処理装置で第2熱処理S22及び第3熱処理S23を行っても構わない。
第1熱処理S21は、非酸化性雰囲気のRTA炉で行われる急速熱処理である。非酸化性雰囲気は、アンモニア又は窒素を含む不活性ガスであることが好ましく、不活性ガスはArガスであることが好ましい。非酸化性雰囲気での高温熱処理では、ウェーハ内部に多数の空孔を導入することができ、これによりウェーハ内部の酸素析出核の密度を高めることができる。さらに、アンモニア又は窒素を含むArガスを用いることによりウェーハ表面に窒化膜を形成し、窒化膜を通してウェーハ内部に空孔を導入することができ、これによりウェーハ内部の酸素析出核の密度を高めることができる。また、シリコンウェーハには結晶成長中に生成された微小な酸素析出核が存在するが、前述のような急速熱処理により、ウェーハの表層部の酸素析出核を低減することができる。
第1熱処理S21における第1温度Tは約1210℃~1250℃であることが好ましい。第1温度Tが約1180℃より低いと表層部の酸素析出核を十分に低減できないからであり、第1温度Tが約1250℃より高いとシリコンウェーハにスリップ転位が発生する確率が高くなるからである。室温等の待機温度T(30)から第1温度Tに切り替える際の昇温レート(32)は、約10℃/sec~50℃/secであることが好ましい。
第1熱処理S21における第1温度Tの保持時間Hは約10~60秒であることが好ましい。第1温度Tの保持時間Hが約10秒より短い場合、表層部の酸素析出核の密度を十分に低減できないからであり、保持時間Hが約60秒を超えても空孔の数の増加が観察できないだけでなく、スリップ転位が発生する確率が高くなるからである。第1熱処理S21により、表層部の酸素析出核を消滅させつつ、シリコンウェーハの内部に多数の空孔を導入することができる。
第2熱処理S22は、第1熱処理S21で熱処理されたシリコンウェーハを第1温度Tよりも低い第2温度Tで熱処理する。第2熱処理S22は、第1熱処理S21と異なり、アンモニア又は窒素を含まない非酸化性雰囲気中で行われることが好ましい。そのため、第1熱処理S21の終了後にはRTA炉内の雰囲気ガスの置換が行われる。
第2熱処理S22における第2温度Tは約800℃~975℃であることが好ましい。第2温度Tが約800℃未満の場合、熱的に安定した酸素析出核を発生させることができず、第2温度Tが約975℃を超える場合、酸素析出核を高密度で生成できないからである。第1温度Tから第2温度Tに切り替える際の降温レート(34)は約20℃/sec~120℃/secであることが好ましい。
第2熱処理S22における第2温度Tの保持時間Hは約2~10分であることが好ましい。第2温度Tの保持時間Hが約2分より短い場合、酸素析出核を高密度に発生させることができず、保持時間Hが約10分を超えても酸素析出核密度が増加せずコストが増加するだけだからである。第2熱処理S22により、シリコンウェーハの内部に酸素析出核を安定かつ高密度に発生させることができる。
第3熱処理S23は、第2熱処理S22で熱処理されたシリコンウェーハを第2温度Tよりも高い第3温度Tで熱処理する。第3熱処理S23は、第2熱処理S22と同様に、アンモニア又は窒素を含まない非酸化性雰囲気中で行われることが好ましい。
第3熱処理S23における第3温度Tは約1150℃~1250℃であることが好ましい。第3温度Tが約1150℃より低い場合、酸素析出核を熱的に安定な状態にすることができず、第3温度Tが約1250℃より高い場合、スリップ転位が発生する確率が高くなるからである。第2温度Tから第3温度Tに切り替える際の昇温レート(36)は、約10℃/sec~50℃/secであることが好ましい。これにより、酸素析出核の密度を高めることができ、核をより熱的に安定させることができる。
第3熱処理S23における第3温度Tの保持時間Hは約5~15分であることが好ましい。第3温度Tの保持時間Hが約5分より短い場合、高密度の酸素析出核を定着させることができず、保持時間Hが約15分を超えても酸素析出核を安定化させる効果が特に増加することなくコストが増加するだけだからである。
第3熱処理S23により、シリコンウェーハ中に形成された酸素析出核が安定化すると共に、ウェーハ内部の余分な空孔を外方拡散させて、顧客のその後の熱処理での余分な酸素析出物の発生を抑制することができる。さらにまた、第2熱処理で新たに形成したウェーハ表層部の酸素析出核を消滅させてウェーハの表面から30μmまでの表層部に発生する酸素析出物の密度をバルク部の1/100以下に低減することができる。
図4(A)~図4(I)は、第1~第3熱処理S21~S23の間に発生するシリコンウェーハ40の変化を示す模式図である。図4(A)に示すように、シリコンウェーハ40中には結晶成長中に発生した多数の微小な酸素析出核41が存在している。図4(B)に示すように、第1熱処理S21の保持時間Hの間では、微小な酸素析出核41が消滅すると同時に、空孔44及び格子間シリコン原子45のフレンケル対42の生成が起こると理解されている。追加の空孔44は、Si層43とシリコンウェーハ40との界面からシリコンウェーハ40の内部に移動する。この熱処理により、結晶成長中に発生した酸素析出核41が消滅することによって、後工程で形成されるDZ46における酸素析出核を十分に低減できることになる。
続いて、図4(C)に示すように、時刻tとtの間の降温期間中には、格子間シリコン原子45と空孔の一部44aの外方拡散、及びウェーハの上部ゾーン40aから下部ゾーン40bへの空孔の一部44bの移動が起こり、図4(D)に示すように酸素析出核密度が低いDZ46が形成される。
次に、図4(E)に示すように、第2熱処理S22の保持時間Hの間には、空孔44の結合から酸素析出核47,47aが形成され、核は安定化のために十分に大きなサイズに達する。ただし、いくつかの空孔44は残っている。図4(F)に示すように、第3熱処理S23の保持時間Hの間には、残りの空孔44と小さな酸素析出核47aがさらに再結合し、より大きくより安定した酸素析出核47になる。図4(G)に示すように、大きく安定した酸素析出核47が形成され且つ好ましい幅を有するDZ46が形成されることにより、最終的にはウェーハ表面から30μm以内の表層部の酸素析出物密度を低減でき、且つ30μmよりもさらに深いバルク部には安定な酸素析出物を高密度に発生させることができる。図4(H)では、Si層43がエッチング又は研磨によって除去されており、DZ46の最終的な形成が示されている。図4(I)に示すように、たとえウェーハがエピタキシャル層48を有するように処理されたとしても、DZ46は維持され、酸素析出核47の密度は減少しない。
図5は、光散乱トモグラフィを用いてシリコンウェーハの酸素析出物密度を測定する方法について図示した模式図である。
図5に示すように、シリコンウェーハ50の酸素析出物はBMD(Bulk Micro defect)として観察することができる。シリコンウェーハ50を劈開し、その表面(主面)50aから赤外レーザ光51を入射し、劈開面50bに沿って赤外レーザ光51を移動させることにより、BMD510を劈開方向にスキャンする。検査される材料は主にシリコンであるため、適切な赤外レーザ光をサンプルに集束させることでレイリー散乱光を収集することができる。ウェーハの劈開面50bの撮影画像に現れる微小な点がBMD52に相当し、所定の深さ領域内のBMD52の個数を数えることにより、当該深さ領域内のBMD密度を算出することができる。ウェーハ表面50aは深さがゼロであると見なされ、ウェーハ表面50aから30μm以内の表層部53におけるBMD密度が表層BMD密度として評価され、30μmよりもさらに深いバルク部54におけるBMD密度、例えばウェーハ表面から50~300mmがバルクBMD密度として評価される。
BMD52の密度は、劈開面50bの撮影画面の横幅に相当するスキャン幅(標準条件125μm)と、赤外レーザ光のスポット径(標準条件8μm)に相当する奥行と、任意の深さ方向距離とで形成される直方体に含まれるBMD52の数を直方体の体積で除することにより計算され、単位体積(cm)当たりのBMD52の個数に相当する。スキャン幅を例えば398μmまで広げることにより、BMD密度の測定精度を高めることができる。BMD密度の測定ではウェーハを劈開して破壊するので、あるウェーハバッチからのあるウェーハのテストに関連する特性は、当該ウェーハバッチ全体に当てはまるものとみなされる。
上記のように熱処理されたシリコンウェーハは、RTA炉から取り出され、いわゆるアニールシリコンウェーハとして市場に出される。本実施形態によるシリコンウェーハの表面から30μmまでの表層部に発生する酸素析出物の密度は1.0×10~1.0×10cm-3と低密度である。また、酸素析出物の層を指すBMD層は、堅牢である。ここでの堅牢性は、半導体集積回路の作製プロセス中の熱処理の範囲である、約1000℃未満のより低い熱処理から約1000℃以上のより高い熱処理への酸素析出物(BMD)密度の変化を考慮する。すなわち、低温熱処理によってバルク部に生じる酸素析出物の平均密度(第1バルク密度d)に対する高温熱処理によってバルク部に生じる酸素析出物の平均密度(第2バルク密度d)の比(d/d)は0.74~1.02であり、熱処理による酸素析出物密度の変化は30%以内である。シリコンウェーハが半導体デバイスの製造工程で所望の熱処理を受けた後でも、ウェーハ中の酸素析出物の平均密度は約4×10~1×1010/cmの範囲内にあり、この範囲の変動率は±30%、より好ましくは±15%、さらにより好ましくは±10%の範囲、またさらにより好ましくは±5%の範囲内に留まる。このようにして、本実施形態によるシリコンウェーハは、顧客の熱処理に影響されない、熱的に安定な酸素析出核を高密度に含むため、BCDデバイスなどの半導体デバイスの品質と信頼性を向上させることができる。
第1~第3熱処理S21~S23を受けたシリコンウェーハの表面にはエピタキシャルシリコン膜が形成されてもよい。エピタキシャルシリコン膜を形成する場合、シリコンウェーハ(シリコン基板)は約1150℃の高温に晒されるため、シリコンウェーハ中の酸素析出核が熱的に不安定な場合には、デバイス熱処理後に酸素析出核が消滅し、酸素析出物密度が大幅に低下するおそれがある。しかし、本実施形態によれば、酸素析出核が熱的に安定なため酸素析出物密度の低下を抑制することができ、ゲッタリング能力及びウェーハ強度の低下を防止することができる。
BCDデバイス等のパワー半導体デバイス製造用のシリコンウェーハにはゲッタリング能力及びスリップ耐性の両方が求められ、そのようなウェーハ特性を満足するためには、少なくとも約4×10/cm、好ましくは約1×10/cmの酸素析出物が、デバイス熱処理後のシリコンウェーハ中に必要と考えられている。例えば、特開2021―168382号公報の技術で製造された従来のアニールシリコンウェーハであれば、デバイスプロセスの最初の段階でエピタキシャル成長プロセスのような高温熱処理があったとしても、約4×10/cm以上の酸素析出物密度を確保することが可能である。しかしながら、デバイス形成領域が十分に確保できるほど、表層部の酸素析出物密度を低下させることができなかった。
しかしながら、本実施形態によるシリコンウェーハの製造方法は、約1210~1250℃の急熱急冷で結晶成長中に成長した酸素析出核(as grown核)を消滅させ、連続する約800~975℃で約2~10分の比較的長時間の熱処理によって、新たにウェーハ内部の微小な酸素析出核を生成、且つ、成長させることができる。ウェーハ内部に生成・成長した酸素析出核は熱的に安定となり、顧客の熱処理を受けたときそれがどのような熱処理かに関係なく、高密度の酸素析出物を発生させることができる。さらに、連続して約1150~1250℃の高温熱処理を約5~15分間実施することにより、微小な酸素析出核をさらに安定させ、ウェーハ内部の余分な空孔を外方拡散させて酸素析出核密度のさらなる安定化と表層の酸素析出核密度の低下の両立を図ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲に包含されるものであることは言うまでもない。
<3段熱処理に対する予察>
直径300mm、面方位(100)のp型シリコン単結晶インゴットをCZ法により育成した。そのシリコン単結晶インゴットをスライスすることで、CZシリコンウェーハを作製した。続いて、CZシリコンウェーハを熱処理して実施例A1並びに比較例A1~A3によるアニールシリコンウェーハのサンプルを2枚作製した。
実施例A1によるアニールシリコンウェーハの作製では、酸素濃度8×1017atom/cm(ASTM F-121,1979)のシリコンウェーハ(CZシリコンウェーハ)を使用し、RTA装置を用いて第1熱処理(高温1)→第2熱処理(低温)→第3熱処理(高温2)を順に行う3段階の熱処理ステップを実施した。詳細には、室温投入→50℃/secで昇温→1250℃を10秒間保持→70℃/secで降温→900℃を5分間保持→50℃/secで昇温→1200℃を5分間保持→10℃/secで降温→室温取り出しを実施した。第1熱処理中の雰囲気ガスにはアンモニアを含むArガスを用い、第2熱処理及び第3熱処理中の雰囲気ガスにはアンモニアを含まないArガスを用いた。こうして、実施例A1によるアニールシリコンウェーハのサンプルを得た。
比較例A1によるアニールシリコンウェーハの作製では、第1熱処理の温度を1150℃とした点以外は実施例A1と同一条件下で熱処理を行った。こうして、比較例A1によるアニールシリコンウェーハのサンプルを得た。
比較例A2によるアニールシリコンウェーハの作製では、第3熱処理の温度を1000℃、その保持時間を1分とした点以外は実施例A1と同一条件下で熱処理を行った。
比較例A3によるアニールシリコンウェーハの作製では、酸素濃度が11×1017atom/cm(ASTM F-121,1979)のシリコンウェーハを使用し、第1熱処理の温度を1150℃とし、第3熱処理の温度を1000℃、その保持時間を1分とした点以外は実施例A1と同一条件下で熱処理を行った。
実施例A1、比較例A1~A3の熱処理条件をまとめたものを表1に示す。
Figure 2024008390000002
次に、各アニールシリコンウェーハの2枚のサンプルの一方に対してデバイスプロセス初期の熱履歴を想定した熱処理と酸素析出核を顕在化させる熱処理の組み合わせ(第1評価熱処理)を施し、他方のサンプルに対してエピタキシャル膜形成プロセスを模擬した熱処理と酸素析出核を顕在化させる熱処理の組み合わせ(第2評価熱処理)を施した。第1評価熱処理は、780℃で3時間の低温熱処理及び950℃で16時間の可視化熱処理を順に行う2段階の熱処理とした。また、第2評価熱処理は、1150℃で2分の高温熱処理及び1000℃で16時間の可視化熱処理を順に行う2段階の熱処理とした。
図6は、製造されたシリコンウェーハの安定性及び均一性を決定するための評価手順の概略図である。
図6に示すように、評価対象のシリコンウェーハ71は劈開され、2つの部分に分割される。A部分72は低温熱処理74及び析出物可視化熱処理76を順に受け、またB部分73は高温熱処理75及び析出物可視化熱処理76を順に受ける。あるいは、2つのウェーハがバッチ全体に関連する特性を表すものとして、準備されたウェーハバッチからの2枚のウェーハを使用してもよい。次に、ウェーハ部分のそれぞれをHF処理77して表面から酸化膜を除去し、次に光散乱トモグラフィ78を使用して、それらの酸素析出物密度分布を決定する。このようにして、2つの部分のそれぞれの酸素析出物を評価して、ウェーハの安定性、すなわち、異なる温度及び異なる保持時間で評価熱処理を受けた各部分の結果として生じるBMD密度の比を決定することができる。以上の評価手順は破壊的であるため、あるウェーハバッチからのあるウェーハのテストに関連する特性は、当該ウェーハバッチ全体に帰するものとして差し支えない。
次に、評価熱処理後の各サンプルについて約5mm間隔(30測定点)でウェーハの中心から端まで任意の半径方向で、表層30μmのBMD密度と表層30μmよりも深いバルク部のBMD密度をそれぞれ赤外散乱トモグラフィ装置により測定し、平均値を求めた。赤外散乱トモグラフィ装置の赤外レーザ光の直径は標準条件の8mm、測定点1点当たりの測定範囲(スキャン幅)は表層BMD密度を出来るだけ正確に測定するため標準条件よりも広い398μmとした。また、安定性の指標として第1評価熱処理後のバルクBMD密度(第1バルク密度d)に対する第2評価熱処理後のバルクBMD密度(第2バルク密度d)の比(BMD密度比d/d)を求めた。さらに均一性の指標として半径方向に測定した30点のバルクBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比dmax/dminを用いた。評価結果を表2に示す。
Figure 2024008390000003
(実施例A1)
実施例A1では、第1評価熱処理後のバルクBMD密度は6.6×10cm-3、第2評価熱処理後のバルクBMD密度は6.5×10cm-3となり、バルクBMD密度比は0.98となった。二つの評価熱処理後のバルクBMD密度にほとんど差は無く、非常に安定していることを確認した。また、第1評価熱処理後の表層BMD密度は2.1×10cm-3、第2評価熱処理後の表層BMD密度も2.1×10cm-3となり、バルクBMD密度と比較して二桁以上低いBMD密度であることを確認した。BMD密度の均一性についてもウェーハ径方向におけるBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)がほぼ1(2以下)であり、良好であることを確認した。
(比較例A1)
比較例A1では、第1評価熱処理後のBMD密度は9.3×10cm-3、第2評価熱処理後のBMD密度も9.3×10cm-3となり、バルクBMD密度比は1.00となった。このように、評価熱処理後のバルクBMD密度は非常に安定していることを確認した。また、BMD密度の均一性についてもウェーハ径方向におけるBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)がほぼ1(2以下)であり、良好であることが確認した。しかし、表層BMD密度については、第1評価熱処理後の表層BMD密度は6.1×10cm-3、第2評価熱処理後の表層BMD密度は5.8×10cm-3となり、表層BMD密度の増加が見られた。これは、第1熱処理の温度が低かったため、結晶育成段階で生成した酸素析出物の消滅効果が十分に得られなかったためと考えられる。
(比較例A2)
比較例A2では、第1評価熱処理後のBMD密度は6.5×10cm-3、第2評価熱処理後のBMD密度は2.1×10cm-3となり、バルクBMD密度比は0.03となった。このように、第3熱処理の温度が低く且つ短時間の場合には、酸素析出核の結合が不十分なため、エピタキシャル膜形成プロセスを模擬した1150℃で2分の高温熱処理を含む第2評価熱処理後のBMD密度が低下することを確認した。また、第2評価熱処理後のBMD密度の低下に伴い、BMD密度の均一性も悪化した。表層BMD密度については、第1評価熱処理後の表層BMD密度及び第2評価熱処理後の表層BMD密度は共に2.1×10cm-3となり、10cm-3レベルの低い密度となった。
(比較例A3)
比較例A3では酸素濃度が高いため、安定かつ均一性の良いバルクBMD密度を確保できた。一方で、第1評価熱処理後の表層BMD密度は7.0×10cm-3、第2評価熱処理後の表層BMD密度は6.5×10cm-3となり、表層BMD密度の増加が見られた。
<第1熱処理ステップの評価>
第1熱処理ステップにおける加熱条件の違いが、評価熱処理後のシリコンウェーハのBMD密度の安定性及び均一性にどのような影響を与えるかを評価した。使用するシリコンウェーハの酸素濃度は8×1017atoms/cmとし、第2熱処理及び第3熱処理は共通の条件とした。具体的には、第2熱処理はAr雰囲気中で行う900℃で5分間の低温保持とした。第3熱処理はAr雰囲気中で行う1200℃で5分間の高温保持とした。
実施例B1、B2及び比較例B1では、第1熱処理の温度をいずれも1210℃とし、その保持時間をそれぞれ、20秒、60秒、10秒とした。実施例B3、B4では、第1熱処理の温度をいずれも1250℃とし、その保持時間をそれぞれ、10秒、60秒とした。実施例B1~B4並びに比較例B1による熱処理条件をまとめたものを表3に示す。また評価結果を表4に示す。
Figure 2024008390000004
Figure 2024008390000005
表4に示すように、バルクBMD密度の安定性に関しては、実施例B1~B4並びに比較例B1では、第1及び第2評価熱処理後のバルクBMD密度が10cm-3レベルとなり、BMD密度比も0.90~1.02の範囲内となった。すなわち、その後の第1及び第2評価熱処理の違いよらず、バルクBMD密度が安定していることが確認された。
一方、表層BMD密度に関しては、実施例B1~B4では、第1及び第2評価熱処理後の表層BMD密度が10cm-3レベルの低い密度となったが、比較例B1では、第1及び第2評価熱処理後の表層BMD密度が10cm-3レベルの高い密度となった。すなわち、第1熱処理条件が不十分な場合には、表層部の外方拡散効果が不十分となり表層BMD密度が十分に低下しないことが確認された。
バルクBMD密度の均一性に関しては、実施例B1~B4並びに比較例B1のいずれも、ウェーハ径方向のバルクBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)が2未満であり、バルクBMD密度の面内均一性の悪化は見られなかった。
<第2熱処理ステップの評価>
第2熱処理ステップにおける加熱条件の違いが、評価熱処理後のシリコンウェーハのBMD密度の安定性及び均一性にどのような影響を与えるかを評価した。使用するバルクシリコンウェーハの酸素濃度は8×1017atoms/cmとし、第1熱処理及び第3熱処理は共通の条件とした。具体的には、第1熱処理はNHを含むAr雰囲気中で行う1250℃で10秒間の高温RTAとした。第3熱処理はAr雰囲気中で行う1200℃で5分間の高温保持とした。
実施例C1、C2及び比較例C5では、第2熱処理の温度をいずれも800℃とし、その保持時間をそれぞれ、2分、10分、1分とした。実施例C3、C4及び比較例C6では、第2熱処理の温度をいずれも900℃とし、その保持時間をそれぞれ、2分、10分、1分とした。実施例C5、C6では、第2熱処理の温度をいずれも975℃とし、その保持時間をそれぞれ、5分、10分とした。比較例C1、C2では、第2熱処理の温度をいずれも775℃とし、その保持時間をそれぞれ、2分、10分とした。比較例C3、C4では、第2熱処理の温度をいずれも775℃とし、その保持時間をそれぞれ、2分、10分とした。実施例C1~C6並びに比較例C1~C6による熱処理条件をまとめたものを表5に示す。また評価結果を表6に示す。
Figure 2024008390000006
Figure 2024008390000007
表6に示すように、バルクBMD密度の安定性に関しては、実施例C1~C6では、第1及び第2評価熱処理後のバルクBMD密度が10cm-3レベルとなり、BMD密度比も0.74~0.95の範囲内となった。すなわち、その後の評価熱処理条件の違いよらず、バルクBMD密度が概ね安定していることが確認された。
これに対し、比較例C1~C6では、第2評価熱処理後のバルクBMD密度が第1評価熱処理後のバルクBMD密度と比べて小さくなり、バルクBMD密度比は0.5を下回る結果となった。第2熱処理の温度が低すぎる場合や高すぎる場合には、バルク部のBMD核が成長せず、第2評価熱処理を受けることによって消滅したものと考えられる。また、第2熱処理の温度が適切であったとしてもその保持時間が短すぎる場合には、やはりバルク部のBMD核が成長せず、エピタキシャル膜形成プロセスを模擬した熱処理を含む第2評価熱処理を受けることによって消滅するものと考えられる。
表層BMD密度に関しては、実施例C1~C6並びに比較例C1~C6のいずれも、第1及び第2評価熱処理後の表層BMD密度が10cm-3レベルの低い密度となった。すなわち、その後に受ける熱処理の条件の違いによらず、表層BMD密度が低密度で安定していることが確認された。
バルクBMD密度の均一性に関しては、バルクBMD密度の安定性の評価と同様に、実施例C1~C6については良好な結果となったが、比較例C1~C6については、バルクBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)が2よりも大きくなり、バルクBMD密度の均一性の悪化が見られた。酸素析出核が十分に安定化されなかったと考えられる。
<第3熱処理ステップの評価>
第3熱処理ステップにおける加熱条件の違いが、評価熱処理後のシリコンウェーハのBMD密度の安定性及び均一性にどのような影響を与えるかを評価した。使用するシリコンウェーハの酸素濃度は8×1017atoms/cmとし、第1熱処理及び第2熱処理は共通の条件とした。具体的には、第1熱処理はNHを含むAr雰囲気中で行う1250℃で10秒間の高温RTAとした。第2熱処理はAr雰囲気中で行う900℃で5分間の低温保持とした。
実施例D1、D2、D3では、第3熱処理の温度をいずれも1150℃とし、その保持時間をそれぞれ、5分、10分、15分とした。実施例D4、D5、D6では、第3熱処理の温度をいずれも1200℃とし、その保持時間をそれぞれ、5分、10分、15分とした。実施例D7、D8、D9では、第3熱処理の温度をいずれも1250℃とし、その保持時間をそれぞれ、5分、10分、15分とした。比較例D1、D2、D3では、第3熱処理の温度をいずれも1140℃とし、その保持時間をそれぞれ、5分、10分、15分とした。実施例D1~D6並びに比較例D1~D6による熱処理条件をまとめたものを表7に示す。また評価結果を表8に示す。
Figure 2024008390000008
Figure 2024008390000009
表8に示すように、バルクBMD密度の安定性に関して、実施例D1~D9では、第1及び第2評価熱処理後のバルクBMD密度が10cm-3レベルとなり、BMD密度比も0.94~1.00の範囲内となった。すなわち、その後の第1及び第2評価熱処理の違いよらず、バルクBMD密度が安定していることが確認された。
これに対し、比較例D1~D3では、第2評価熱処理後のバルクBMD密度が第1評価熱処理後のバルクBMD密度と比べて小さくなり、バルクBMD密度比は0.5を大幅に下回る結果となった。第3熱処理の温度が低すぎる場合には、バルク部のBMD核が成長せず、エピタキシャル膜形成プロセスを模擬した熱処理を含む第2評価熱処理を受けることによって消滅したものと考えられる。
表層BMD密度に関しては、実施例D1~D9並びに比較例D1~D3のいずれも、第1及び第2評価熱処理後の表層BMD密度が10cm-3レベルの低い密度となった。
バルクBMD密度の均一性に関しては、バルクBMD密度の安定性の評価と異なり、実施例D1~D9のみならず、比較例D1~D3についても良好な結果となった。すなわち、バルクBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)が2以下となり、バルクBMD密度の面内均一性は良好であった。
<シリコンウェーハの酸素濃度の評価>
シリコンウェーハの酸素濃度の違いが、3段階の熱処理及び評価熱処理後のシリコンウェーハのBMD密度の安定性及び均一性にどのような影響を与えるかを評価した。実施例E1では、酸素濃度が7×1017atoms/cmの低酸素バルクシリコンウェーハを使用した。実施例E2では、酸素濃度が10×1017atoms/cmのバルクシリコンウェーハを使用した。比較例E1では、酸素濃度が11×1017atoms/cmのバルクシリコンウェーハを使用した。比較例E2では、酸素濃度が6×1017atoms/cmの低酸素バルクシリコンウェーハを使用した。3段階の熱処理では、各バルクシリコンウェーハに対して、第1熱処理を1250℃で10秒間、第2熱処理を900℃で5分間、第3熱処理を1200℃で5分間行った。実施例E1、E2並びに比較例E1、E2による酸素濃度の違いをまとめたものを表9に示す。また評価結果を表10に示す。
Figure 2024008390000010
Figure 2024008390000011
表10に示すように、実施例E1、E2では、バルクBMD密度及び表層BMD密度は良好であった。
一方、酸素濃度が11×1017atoms/cmのバルクシリコンウェーハを使用した比較例E1では、バルクBMD密度は良好であったが、表層BMD密度が高くなった。バルクBMD密度の面内均一性は良好であった。
酸素濃度が6×1017atoms/cmのシリコンウェーハを使用した比較例E2では、第2評価熱処理後のバルクBMD密度が第1評価熱処理後のバルクBMD密度と比べて小さくなり、バルクBMD密度比は0.5を下回る結果となった。バルクBMD密度の均一性に関しては、第2評価熱処理後のバルクBMD密度の最小値dminに対する最大値dmaxの比(dmax/dmin)が13.3となり、バルクBMD密度の安定性の評価と同様に、第2評価熱処理後のバルクBMD密度の面内均一性の著しい悪化が見られた。第1評価熱処理後のバルクBMD密度の面内均一性は良好であった。表層BMD密度に関しては、第1及び第2評価熱処理後の表層部にBMDが観察されない極めて良好な結果となった。
<エピタキシャル成長による影響の評価>
3段階の熱処理を行って製造したウェーハにエピタキシャル膜を形成して、エピタキシャル成長後のBMD密度の安定性を確認した。表11に示すように、実施例F1、F2、F3はいずれも成長温度を1050℃とし、保持時間をそれぞれ、1分、2分、5分とした。実施例F4、F5、F6はいずれも成長温度を1150℃とし、保持時間をそれぞれ、1分、2分、5分とした。得られたエピタキシャル膜の厚さは、実施例F1、F4で2μm、実施例F2、F5で4μm、実施例F3、F6で10μmであった。
エピタキシャル成長後の評価熱処理のうち第1評価熱処理は、780℃で3時間の低温熱処理及び950℃で16時間の可視化熱処理を順に行う2段階の熱処理とした。第2評価熱処理は、エピタキシャル膜形成プロセスを模擬した1150℃で2分の高温熱処理を省略して1000℃で16時間の可視化熱処理のみとした。評価結果を表12に示す。
Figure 2024008390000012
Figure 2024008390000013
表12に示すように、いずれのエピタキシャル成長条件下でも、バルクBMD密度の安定性及び均一性並びに表層BMD密度の均一性は良好であり、3段階の熱処理を行って製造されたシリコンウェーハに対してエピタキシャル成長を行ってもバルクBMD密度が低下しないことが確認された。
S11 シリコン単結晶インゴットを製造する工程
S12 シリコンウェーハを作製する工程
S13 シリコンウェーハを熱処理する工程
S21 第1熱処理ステップ
S22 第2熱処理ステップ
S23 第3熱処理ステップ
30 待機温度
32 昇温
34 降温
36 昇温
40 シリコンウェーハ
40a 上部ゾーン
40b 下部ゾーン
41 微小な酸素析出核(結晶成長中に発生)
42 フレンケル対
43 Si
44、44a、44b 空孔
45 格子間シリコン原子
46 DZ
47 酸素析出核
47a 小さな酸素析出核
48 エピタキシャル層
50 シリコンウェーハ
50a ウェーハ表面(主面)
50b 劈開面
51 赤外レーザ光
52 BMD(酸素析出物)
53 表層部
54 バルク部
71 シリコンウェーハ
72 ウェーハのA部分
73 ウェーハのB部分
74 低温熱処理
75 高温熱処理
76 析出物可視化熱処理
77 HF処理
78 光散乱トモグラフィ

Claims (12)

  1. 表面から深さ30μmまでの表層部と、
    前記表層部よりも深いバルク部とを有し、
    第1評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~1.0×10cm-3であり、
    前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~7.0×10cm-3であり、
    前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第1バルク密度とし、第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第2バルク密度とするとき、前記第1バルク密度に対する前記第2バルク密度の比が0.74~1.02の範囲内にあり、
    前記第1評価熱処理は、780℃で3時間の熱処理の後に可視化熱処理を実施する2段階の熱処理であり、
    前記第2評価熱処理は、1150℃で2分間の熱処理の後に前記可視化熱処理を実施する2段階の熱処理であり、
    前記可視化熱処理は、950~1000℃で16時間の熱処理であることを特徴とするシリコンウェーハ。
  2. 前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比及び前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比が共に2以下である、請求項1に記載のシリコンウェーハ。
  3. 前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比が1.30以下であり、前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比が1.32以下である、請求項1に記載のシリコンウェーハ。
  4. 前記第1評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の平均密度及び前記第2評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の平均密度が共に2.1×10cm-3以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリコンウェーハ。
  5. シリコン基板と、
    前記シリコン基板の表面に形成されたエピタキシャルシリコン膜を備え、
    前記シリコン基板は、表面から深さ30μmまでの表層部と、前記表層部よりも深いバルク部とを有し、
    第1評価熱処理によって前記表層部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~1.0×10cm-3であり、
    前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度が1.0×10~7.0×10cm-3であり、
    前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第1バルク密度とし、第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の平均密度を第2バルク密度とするとき、前記第1バルク密度に対する前記第2バルク密度の比が0.98~1.02の範囲内にあり、
    前記第1評価熱処理は、780℃で3時間の熱処理の後に可視化熱処理を実施する2段階の熱処理であり、
    前記第2評価熱処理は、前記可視化熱処理であり、
    前記可視化熱処理は、950~1000℃で16時間の熱処理であることを特徴とするシリコンウェーハ。
  6. 前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比及び前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比が共に2以下である、請求項5に記載のシリコンウェーハ。
  7. 前記第1評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比が1.29以下であり、前記第2評価熱処理によって前記バルク部に生じる酸素析出物の密度の最小値に対する最大値の比が1.35以下である、請求項6に記載のシリコンウェーハ。
  8. 酸素濃度が7×1017~10×1017atoms/cm(ASTM F-121, 1979)であるシリコンウェーハを第1温度で加熱する第1熱処理ステップと、
    前記第1熱処理ステップの後に前記シリコンウェーハを前記第1温度よりも低い第2温度で加熱する第2熱処理ステップと、
    前記第2熱処理ステップの後に前記シリコンウェーハを前記第2温度よりも高い第3温度で加熱する第3熱処理ステップを含み、
    前記第1温度は1210~1250℃、前記第1温度の保持時間は10~60秒であり、
    前記第2温度は800~975℃、前記第2温度の保持時間は2~10分であり、
    前記第3温度は1150~1250℃、前記第3温度の保持時間は5~15分であることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  9. 前記第1熱処理ステップは、アンモニア又は窒素を含む非酸化性雰囲気中で行い、
    前記第2及び第3熱処理ステップは、アンモニア又は窒素を含まない非酸化性雰囲気中で行う、請求項8に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  10. 前記第1温度への昇温レート及び前記第2温度から前記第3温度への昇温レートは10~50℃/秒である、請求項8又は9に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  11. 前記第1温度から前記第2温度への降温レートは20~120℃/秒である、請求項8又は9に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  12. 前記第1熱処理ステップで熱処理される前の前記シリコンウェーハは、格子間シリコン型点欠陥の凝集体及び空孔型点欠陥の凝集体が存在しないシリコン単結晶インゴットの無欠陥領域から切り出されたものである、請求項8又は9に記載のシリコンウェーハの製造方法。
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