JP5576154B2 - アルミニウム材/発泡樹脂層の複合材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡樹脂層とアルミニウム材から構成される複合材に関し、より詳細には、発泡樹脂層とアルミニウム板を接合することによって得られる密着性及び成形性に優れるアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材に関する。
アルミニウムは、軽量で適度な機械的特性を有し、かつ美感、成形加工性、耐食性等に優れた特徴を有しているため、各種容器類、構造材、機械部品等に広く使われている。また、発泡樹脂は、熱可塑性樹脂を種々の方法により発泡・固化させたものであり、軽量かつ柔軟という特性を有している。
これらの素材を組み合わせることにより、優れた特性を有する新たな材料を作るという提案は、これまで多数なされている。例えば特許文献1には、鋼板及びアルミニウム板に遠赤外線吸収性及び伝熱性を有する層を設け、アルミニウム板に接着した樹脂を加熱・発泡させる技術が開示されている。また、特許文献2には、アルミニウム板に大きさ0.1〜3mmの貫通孔を設けることにより、アルミニウムと樹脂を貼り合せる際の空気溜りが発生せず、また樹脂発泡の際に発生するガスを排出できるという技術が開示されている。更に特許文献3には、アルミニウム板のような硬質板と発泡樹脂を接着するにあたって、硬質板を加熱・圧着することで発泡樹脂を溶融させ、その後に凝固した層を補強層とすることにより、表面強度を向上させる技術が開示されている。
特開2008−230223号公報 特開2006−224468号公報 特開平10−305545号公報
しかし、上述のような従来技術には、以下のような問題点があった。すなわち、アルミニウムと発泡樹脂の複合材の用途が拡大するにつれて、材料に対しても様々な要請がなされるようになった。具体的には、アルミニウムと発泡樹脂の密着性をより高めること、幅・長さ・厚みの寸法精度を高めること、発泡樹脂の柔軟さを活かして成形性を付与すること、ならびに、それらの特性をより低コストで達成すること、等が挙げられる。
これに対し、特許文献1及び2の発泡積層材のような、アルミニウム板に未発泡の樹脂を貼り合せてその後に発泡させる手法では、樹脂の発泡を制御することが困難である。その結果、発泡後に必ずしも所定の寸法が得られない問題点があった。加えて、アルミニウム板に接着した状態で樹脂を発泡させると、アルミニウム板と樹脂の接合界面に気泡が入り込み接触面積を減少させるため、密着力が低下してしまうという問題点もあった。
特許文献3においては、表面強度を向上させるほどの厚さを有する溶融部を形成するには、樹脂溶融に伴う発泡層からのガスの発生が避けられない。その結果、発生ガスが新たな気泡となってアルミニウムと樹脂の接触面積を減少させ、密着力が低下してしまう問題があった。また、溶融部の厚さが厚いため、成形加工において溶融部にひずみが集中して僅かな加工でも割れてしまう問題点もあった。
アルミニウム板と発泡樹脂を、接着剤や両面テープ等で接着させる方法も提案されている。しかしながら、硬化型の接着剤を用いる方法では、成形加工時に接着層が割れ、成形性に劣る問題点があった。また、接着後に柔軟性を維持する形式の接着剤を用いる方法では、成形時に接着層自体が応力を吸収して変形してしまい、アルミニウム板と発泡樹脂の接着位置にずれを生じる問題点があった。両面テープを用いる方法でも同様に、テープ層自体が変形する問題があった。更にこれらの方法では、アルミニウム板と発泡樹脂の他に接着媒体を介在させるため、コストアップが避けられないという問題点もあった。
本発明者らは、上述の問題点を解決すべく、アルミニウム材と発泡樹脂層の接合界面に着目して検討を加えた。その結果、アルミニウム材の表面全体とほぼ完全に接触した非常に薄い非発泡樹脂層を設けることにより、密着性と成形性とを両立できることを見出し本発明を完成させるに至った。
本発明は請求項1において、発泡樹脂層と、その片面又は両面に接合されたアルミニウム材とを含む複合材であって、1μm以上50μm以下の厚さを有する非発泡樹脂層を接合界面に備え、当該非発泡樹脂層が前記発泡樹脂層のアルミニウム材側の表層部のみに形成された当該発泡樹脂層の溶融・再凝固層から成り、前記非発泡樹脂層とアルミニウム材との接触面積率が75%以上であることを特徴とするアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材とした。
本発明の請求項2では、請求項1のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材において、発泡樹脂層のベース樹脂を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも一つからなるものとし、発泡倍率を1.1倍以上50倍以下とした。更に、本発明の請求項3では、請求項1、2のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材において、アルミニウム材が、0.1μm以上0.9μm以下の算術平均表面粗さ(Ra)を有するものとした。
本発明は請求項4において、発泡樹脂層の片面又は両面にアルミニウム材を接合した複合材の製造方法であって、前記発泡樹脂層のベース樹脂の融点をm℃としてm℃以上(m+50)℃以下の温度に前記アルミニウム材を加熱し、加熱したアルミニウム材を発泡樹脂層の片面又は両面に重ねて積層体とし、当該積層体をm℃以上(m+50)℃以下の温度、0.1MPa以上10MPa以下の圧力、ならびに、1秒間以上60秒間以下の時間で熱圧着することにより、1μm以上50μm以下の厚さを有し、かつ、アルミニウム材との接触面積率75%以上を有する非発泡樹脂層を接合界面に形成することを特徴とするアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材の製造方法とした。
本発明の請求項5では、請求項4のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材の製造方法において、発泡樹脂層のベース樹脂を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも一つからなるものとし、発泡倍率を1.1倍以上50倍以下とした。更に、本発明の請求項6では、請求項4、5のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材の製造方法において、アルミニウム材が、0.1μm以上0.9μm以下の算術平均表面粗さ(Ra)を有するものとした。
本発明では、アルミニウム材と発泡樹脂層の接合界面に非発泡樹脂層を設けることにより、密着性と成形性に優れたアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材を提供できる。
本発明に係るアルミニウム材/発泡樹脂層複合材の断面構造を示す模式図である。 本発明に係るアルミニウム材/発泡樹脂層複合材において、発泡樹脂層の両面にアルミニウムを重ねた構造体の断面構造を示す模式図である。 本発明に係るアルミニウム材/発泡樹脂層複合材の熱圧着を示す模式図である。
以下、本発明の詳細を順に説明する。図1に示すように、本発明に係るアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材1は、発泡樹脂層3の片面又は両面に(図では両面に)アルミニウム材2を接合したものであり、発泡樹脂層3とアルミニウム材2との接合界面に1μm以上50μm以下の厚さを有し、発泡樹脂層のアルミニウム材側の表層部のみに形成された当該発泡樹脂層の溶融・再凝固層から成る非発泡樹脂層4を形成し、この非発泡樹脂層4とアルミニウム材2との接触面積率を75%以上とするものである。



A.アルミニウム材
アルミニウム材としては、純アルミニウム板又はアルミニウム合金板が用いられる。用途に応じて、厚さと、純アルミニウム又は所定組成の合金とするかを適宜選択することができる。厚さについては、軽量化と成形性の観点から、0.05mm以上2mm以下が好ましく、0.1mm以上0.5mm以下が更に好ましい。材質については特に制限はないが、例えば成形性を重視するならJIS1000系又は3000系合金等を、また複合材の剛性確保を重視するならJIS5000系合金等を、それぞれ好適に用いることができる。
後述するように、本発明における非発泡樹脂層の厚さは1μm以上50μm以下と薄いため、発泡樹脂とアルミニウム板との密着性と加工性を両立させるために、アルミニウム材表面を算術平均粗さ(Ra)にて0.1μm以上0.9μm以下とするのが好ましい。Raが0.1μm未満の場合には、せん断方向の加工応力が加わった場合のアンカー効果が発揮されない場合がある。また、Raが0.9μmを超える場合には、曲げ方向の加工応力が加わった場合にアルミニウム材表面の凸部に応力が集中する場合がある。なお、用いるアルミニウム材としては、生産性及び板厚精度の観点から、従来技術に基づいて熱間圧延及び冷間圧延されたものが特に好適に用いられる。
なお、アルミニウム材に対して従来技術に基づいた表面処理を行うことにより、アルミニウム材と発泡樹脂の密着性を更に高めることができる。具体的には、リン酸クロメート処理やクロム酸クロメートに代表される化成処理や、各種ベーマイト処理による水酸化皮膜処理などが挙げられる。また発泡樹脂層には、従来技術に用いられる範囲において、接着剤成分や可塑剤成分を添加し、密着性及び成形性を更に向上させることができる。
B.発泡樹脂層
本発明に用いる発泡樹脂のベース樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を混合して用いられる。発泡樹脂層は熱可塑性樹脂であるベース樹脂を各種手法によって発泡させることによって形成されるが、上記樹脂はいずれも、その発泡手法が確立されている。そのために発泡倍率を制御し易いので、寸法精度が安定するという利点を有する。
発泡倍率は、1.1倍以上50倍以下とするのが好ましい。発泡倍率が1.1倍未満では、非発泡の樹脂としての性質が強く現れる。その結果、発泡樹脂の柔軟性が十分に発揮されないため、アルミニウム材の剥離や発泡樹脂層の割れなどが発生して成形性が低下する場合がある。一方、発泡倍率が50倍を超えると、発泡樹脂内部のセル構造においてセル壁が薄くなるため、加工を受けた際に発泡構造が破壊され、これまた成形性に劣る場合がある。
発泡樹脂層は、特に剛性確保の観点から、ある程度以上の厚みがあることが望ましい。具体的には、1mm以上10mm以下が好ましく、2mm以上5mm以下であれば更に好ましい。
C.非発泡樹脂層
アルミニウム材と発泡樹脂層との接合界面には、非発泡樹脂層が形成される。この非発泡樹脂層は非発泡性であるためにアルミニウム材表面との接触面積を最大にとれ、発泡樹脂層がアルミニウム材表面に直接接触した場合に比べて飛躍的な密着力向上が図られる。また、後述するように、この非発泡樹脂層の厚さは薄いため発泡樹脂層による柔軟性を損なうことがない。その結果、アルミニウム材の剥離や発泡樹脂層の割れなども防止でき、複合材の優れた成形性を維持できる。
非発泡樹脂層の厚さは1μm以上50μm以下である。1μm未満では形成量が少な過ぎて樹脂発泡層がアルミニウム材表面に直接接触する部分が増加し、密着性が低下する。また、加工時に剥離が生じるなど成形性にも劣る。50μmを超えると、十分な密着性は得られるものの、発泡樹脂が有する柔軟性が損なわれると共に加工時に非発泡樹脂層に応力が集中するため、割れを生じるなど成形性に劣る。
非発泡樹脂層のアルミニウム板との接触面積率は、75%以上である。ここで言う接触面積率とは、接合界面における非発泡樹脂層とアルミニウム材との接触面積を、アルミニウム材と発泡樹脂層の接合部の見かけの面積で割った値である。非発泡樹脂層がアルミニウム材と接触していない部分には、発泡樹脂層の気泡や接着ムラ部などが存在し、これによって非発泡樹脂層のアルミニウム材表面との接触が妨げられる。このような接触面積率は、例えば接合部を垂直に切り出し、その接合界面の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することにより求められる。具体的には、所定の接合界面長さ(LT)において、非発泡樹脂層とアルミニウム材とが接触する部分の長さ(LC)を求め、(LC/LT)×100(%)として算出される。発泡樹脂層が非発泡樹脂層を介せず直接アルミニウム材表面に接している場合や、接合界面に新たに気泡が発生した場合など、接触面積率が75%未満の場合には、密着力が低下し、また加工時の応力集中によりアルミニウム材が剥離するなど成形性も劣る。
D.複合材の製造方法
以上のような条件を満たした複合材を製造するための一つの方法として、以下のような製造方法が挙げられる。発泡樹脂層のベース樹脂の融点がm℃である場合に、アルミニウム材をm℃以上(m+50)℃以下の温度に加熱し、加熱したアルミニウム材を発泡樹脂層の片面又は両面に重ねて積層体とし、この積層体をm℃以上(m+50)℃以下の温度、0.1MPa以上10MPa以下の圧力、ならびに、1秒間以上60秒間以下の時間で熱圧着するものである。適度な温度に加熱したアルミニウム板を発泡樹脂層に重ねて積層し、適度な温度、圧力及び時間にて積層体を熱圧着することにより、発泡樹脂のアルミニウム材側の表層部のみを溶融・再凝固させ、1μm以上50μm以下の厚さの非発泡樹脂層を形成させるとともに、アルミニウム材表面との接触面積を75%以上とするものである。
アルミニウム材の加熱温度及び圧着温度が樹脂の融点に達しない場合には、当然ながら発泡樹脂の表層部の溶融が発生しないため、非発泡樹脂層が形成されない。その結果、密着性に劣り、加工時に剥離が生じるなど成形性にも劣る。また、アルミニウム材の加熱温度及び圧着温度がベース樹脂の融点より50℃以上高温の場合には、ベース樹脂の溶融が急速に進行し、非発泡樹脂層の厚さが50μmを超えてしまう。また、圧着の圧力が0.1MPa未満の場合には、アルミニウム材から発泡樹脂層への熱伝達が十分になされず、溶融が不十分になる上、アルミニウム材との接触にもムラが生じ、非発泡樹脂層の厚さが1μm未満となったり、接触面積率が75%未満となる。一方、圧着の圧力が10MPaを超える場合には、発泡樹脂層全体が押し潰されて割れが生じて成形性が劣ったり、寸法精度が安定しない。圧着時間が1秒未満の場合は、アルミニウム材から発泡樹脂層への熱伝達が十分になされないため、溶融が不十分になる。その結果、非発泡樹脂層の厚さが1μm未満となったり、接触面積率が75%未満となる。一方、圧着時間が60秒を超える場合には、ベース樹脂の溶融が進行し過ぎ、非発泡樹脂層の厚さが50μmを超え、生産性も大幅に低減する。
熱圧着には、ホットプレスやロール式加圧装置が用いられる。ホットプレスは、アルミニウム材と発泡樹脂層の積層体に対し、所定の温度に加熱された一対のプレスで加熱及び加圧する方法であり、比較的少量の複合材を作製するのに好適である。またロール式加圧装置は、アルミニウム材と発泡樹脂層の積層体を、所定の温度に加熱された一対または二対以上のロール間を通過させることで加熱及び加圧する方法であり、大量の複合材を作製するのに好適である。この場合、加熱時間はロール回転速度により、また圧力はロールのクリアランス調整及び荷重調整により、それぞれ制御することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
実施例1〜24及び比較例1〜15
アルミニウム材として、表面粗さの異なる5種類のJIS1100合金板(縦100mm×横100mm×板厚0.1mm)を使用した。表面粗さは、それぞれRa=0.09μm、0.25μm、0.51μm、0.89μm及び0.92μmである。加えて、アルミニウム合金板と発泡樹脂層との密着性を向上させるため、従来技術に基づき、アルミニウム合金板の表面にリン酸クロメート処理(日本ペイント株式会社製「アルサーフ#408/48」、クロム付着量=20mg/m)を施した。
発泡樹脂層としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン及びポリウレタンをベース樹脂としたものを使用した。発泡剤としては、
無機系発泡剤、ADCA(アゾジカルボンアミド)系発泡剤およびHFC−145faが用いられている。用いた発泡樹脂層を表1に示す。
Figure 0005576154
上記アルミニウム合金板と発泡樹脂層を用いて、複合材のサンプルを作製した。図2に示すように、アルミニウム合金板2、2を所定温度に加熱し、これらを直ちに発泡樹脂層3の両面にそれぞれ重ね合わせて積層体5とした。次いで、図3に示すように、この積層体5を所定温度の加熱板6、6の間でホットプレス装置7にセットし、所定の圧力と時間で熱圧着した。アルミニウム合金板の算術平均表面粗さ(Ra)と加熱温度、発泡樹脂層のベース樹脂、層厚さ、融点、発泡倍率、ならびに、熱圧着条件を表2に示す。
Figure 0005576154
以上のように作製したサンプルに対し、以下の評価を実施した。
(非発泡樹脂層の厚さと接触面積率の測定)
熱圧着したサンプルの任意位置に対して断面研磨を行うことにより、アルミニウム合金板と発泡樹脂層との接合界面近傍を観察した。接合界面付近を走査型電子顕微鏡で観察することにより、非発泡層の厚みを測定した。また、所定の接合界面長さ(LT)において、非発泡樹脂層とアルミニウム合金板とが接触する部分の長さ(LC)を測定し、(LC/LT)×100(%)として接触面積率を測定した。
(密着性試験)
熱圧着したサンプルを10mm幅に切断し、端部のアルミニウム板を両面とも手で剥離させてT字型に開き、その開いた部分を引張り試験機により100mm/分の速度にて180度方向に引張り、その荷重と剥離状態によって密着性を評価した。荷重(剥離強度)が1.5N/mm以上で、発泡樹脂層自身が接合界面付近で凝集破壊している剥離状態を合格とし、剥離強度が1.5N/mm未満で、アルミニウム板と発泡樹脂の接合界面で剥離した状態を不合格とした。
(成形性試験)
150℃に加熱した角筒絞り金型(パンチ=40mm×40mm、クリアランス=3mm)にて、各サンプルについて高さ10mmの角筒絞り成形を行い、アルミニウム板の剥離長さを測定し、発泡樹脂層の割れも観察した。剥離長さについては、以下の基準で評価した。
○:成形サンプルにおいて、エッジ部の総剥離長さ0mm以上50mm未満
△:成形サンプルにおいて、エッジ部の総剥離長さ50mm以上100mm未満
×:成形サンプルにおいて、エッジ部の総剥離長さ100mm以上
○と△を合格とし、×を不合格とした。
割れについては、以下の基準で評価した。
○:成形サンプルにおいて、成形割れなし
×:成形サンプルにおいて、1ヶ所以上に成形割れ発生
○を合格とし、×を不合格とした。
上記評価結果を、表3に示す。
Figure 0005576154
表から明らかなように、実施例1〜24では、アルミニウム合金板と発泡樹脂層が強固に接合され、かつ、発泡樹脂の柔軟性が保たれているため、密着性試験、成形性試験ともに合格であった。一方、比較例1〜15では、以下のように密着性試験又は成形性試験の結果が著しく劣った。
比較例1では、PP樹脂が発泡体でなくソリッドであるため柔軟性に劣り、絞り成形において割れが発生し成形性に劣った。
比較例2、8、10、12および14では、各樹脂の融点に対してアルミニウム合金板の加熱温度と熱圧着温度が低過ぎたため、接合界面に非発泡層が形成されなかった。その結果、剥離強度が小さ過ぎて密着性に劣り、絞り成形において剥離が発生して成形性にも劣った。
比較例3、9、11、13および15では、各樹脂の融点に対してアルミニウム合金板の加熱温度と熱圧着温度が高過ぎたため、発泡樹脂の溶融が進行し過ぎ、溶融層の厚さが厚くなり過ぎた。その結果、柔軟性が失われ、絞り成形において割れが発生し成形性に劣った。
比較例4では、熱圧着に際して圧力が低過ぎたため、非発泡樹脂層の厚さが不足し、かつ、接合界面における非発泡層のアルミニウム合金板に対する接触面積率も不足した。その結果、剥離強度が小さ過ぎて密着性に劣り、絞り成形において剥離が発生して成形性にも劣った。
比較例5では、熱圧着に際して圧力が高過ぎたため、発泡樹脂の溶融が進行し過ぎ、溶融層の厚さが厚くなり過ぎた。その結果、柔軟性が失われ、絞り成形において割れが発生し成形性に劣った。
比較例6では、熱圧着の時間が短過ぎたため、非発泡樹脂層の厚さが不足し、かつ、接合界面における非発泡層のアルミニウム合金板に対する接触面積率も不足した。その結果、剥離強度が小さ過ぎて密着性に劣り、絞り成形において剥離が発生して成形性にも劣った。
比較例7では、熱圧着の時間が長過ぎたため、発泡樹脂の溶融が進行し過ぎ、溶融層の厚さが厚くなり過ぎた。その結果、柔軟性が失われ、絞り成形において割れが発生し成形性に劣った。
以上説明したとおり、本発明によれば、アルミニウム材と発泡樹脂層の高い密着性が得られる。また、発泡樹脂層の柔軟さが維持されるため、成形性に優れたアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材を得ることができる。
1‥‥‥アルミニウム材/発泡樹脂層の複合材
2‥‥‥アルミニウム材
3‥‥‥発泡樹脂層
4‥‥‥非発泡樹脂層
5‥‥‥積層体
6‥‥‥加熱板
7‥‥‥ホットプレス装置

Claims (6)

  1. 発泡樹脂層と、その片面又は両面に接合されたアルミニウム材とを含む複合材であって、1μm以上50μm以下の厚さを有する非発泡樹脂層を接合界面に備え、当該非発泡樹脂層が前記発泡樹脂層のアルミニウム材側の表層部のみに形成された当該発泡樹脂層の溶融・再凝固層から成り、前記非発泡樹脂層とアルミニウム材との接触面積率が75%以上であることを特徴とするアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材。
  2. 前記発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも一つからなり、発泡倍率が1.1倍以上50倍以下である、請求項1に記載のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材。
  3. 前記アルミニウム材が、0.1μm以上0.9μm以下の算術平均表面粗さ(Ra)を有する、請求項1又は2に記載のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材。
  4. 発泡樹脂層の片面又は両面にアルミニウム材を接合した複合材の製造方法であって、前記発泡樹脂層のベース樹脂の融点をm℃としてm℃以上(m+50)℃以下の温度に前記アルミニウム材を加熱し、加熱したアルミニウム材を発泡樹脂層の片面又は両面に重ねて積層体とし、当該積層体をm℃以上(m+50)℃以下の温度、0.1MPa以上10MPa以下の圧力、ならびに、1秒間以上60秒間以下の時間で熱圧着することにより、1μm以上50μm以下の厚さを有し、かつ、アルミニウム材との接触面積率75%以上を有する非発泡樹脂層を接合界面に形成することを特徴とするアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材の製造方法。
  5. 前記発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも一つからなり、発泡倍率が1.1倍以上50倍以下である、請求項4に記載のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材の製造方法。
  6. 前記アルミニウム材が、0.1μm以上0.9μm以下の算術平均表面粗さ(Ra)を有する、請求項4又は5に記載のアルミニウム材/発泡樹脂層の複合材の製造方法。
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