JP5740630B2 - アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5740630B2
JP5740630B2 JP2011025856A JP2011025856A JP5740630B2 JP 5740630 B2 JP5740630 B2 JP 5740630B2 JP 2011025856 A JP2011025856 A JP 2011025856A JP 2011025856 A JP2011025856 A JP 2011025856A JP 5740630 B2 JP5740630 B2 JP 5740630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
foamed resin
oxide film
thermoplastic
aluminum material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011025856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012025145A (ja
Inventor
長谷川真一
倉田正裕
兒島洋一
稲森康次郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UACJ Corp
Original Assignee
UACJ Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UACJ Corp filed Critical UACJ Corp
Priority to JP2011025856A priority Critical patent/JP5740630B2/ja
Publication of JP2012025145A publication Critical patent/JP2012025145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5740630B2 publication Critical patent/JP5740630B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、「アルミニウム材」と記す)と熱可塑性発泡樹脂層により構成される複合材に関し、より詳細には、接着剤等を使用せずにアルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層を直接接合することによって得られる、密着性と成形性に優れたアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材、ならびに、その製造方法に関する。
アルミニウム材は、軽量で適度な機械的特性を有し、かつ、美感、成形加工性、耐食性等に優れた特徴を有しているため、各種容器類、構造材、機械部品等に広く使われている。また発泡樹脂は、熱可塑性樹脂を種々の方法により発泡・固化させたものであり、軽量かつ柔軟という特性を有している。
これらアルミニウム材と熱可塑性樹脂を組み合わせることにより、優れた特性を有する新たな材料を作るという提案は、これまで多数なされている。例えば特許文献1には、発泡倍率2〜20倍、厚さ1〜100mm、ヤング率0.2〜470MPaの発泡樹脂の両面に、板厚0.05〜0.3mmの金属板を接着した複合材及びその加工体が記載されている。また特許文献2には、アルミニウム材のような硬質板と発泡樹脂を接着するにあたり、硬質板を加熱・圧着することで発泡樹脂を溶融させ、その後に凝固した層を補強層とすることにより表面強度を向上させる技術が記載されている。特許文献1及び2に記載のように、アルミニウム材と発泡樹脂を接合する手法としては、各種接着剤を用いる方法が最も一般的である。
特開2009−90522号公報 特開平10−305545号公報
しかしながら、上述の従来技術には、以下のような課題があった。すなわち、アルミニウム材と発泡樹脂の複合材の用途が拡大するにつれて、材料に対しても様々な要請がなされている。具体的には、アルミニウム材と発泡樹脂の密着性をより高めること、幅・長さ・厚さの寸法精度を高めること、発泡樹脂の柔軟さを活かして成形性を向上させること、これら特性をより低コストで達成することなどが挙げられる。
これに対して、特許文献1、2のような各種接着剤や両面テープ等でアルミニウム材と発泡樹脂を接着させる方法には、以下のような問題点があった。すなわち、硬化型の接着剤を用いると、成形加工の際に接着層が割れるため成形性に劣るというものである。また、接着後に柔軟性を維持する形式の接着剤を用いると、応力を受けた際に接着層自体が応力を吸収して変形してしまうこともあった。その結果、複合材全体としての剛性が低下するだけでなく、成形加工した際にアルミニウム材と発泡樹脂の接着位置にずれを生じ寸法精度が低下する不都合があった。接着剤に代えて両面テープを用いる場合も同様に、テープ層自体における変形の不都合があった。更にこれらの方法では、アルミニウム材と発泡樹脂の他に接着媒体を介在させるため、材料費や工程増によるコスト増加が回避できないという問題点もあった。更にまた、例えば自動車のエンジンルーム内などの高温・多湿環境に置かれた場合、接着剤層が劣化して複合材自体の寿命が著しく短くなる問題点もあった。
また、特許文献1に代表される、未発泡樹脂をアルミニウム材と接着した後に発泡させる方法では、未発泡樹脂の両側にアルミニウム材が存在するため、発泡倍率や気泡粒径の制御が困難であった。その結果、発泡後の板厚の精度が低く、発泡ムラにより機械的特性が不均一となる問題点があった。特許文献2では、予め発泡させた樹脂をアルミニウム材と接合する点でこのような問題点はないものの、表面強度を向上させるほどの溶融・凝固層を設けるため、成形加工の際に溶融・凝固層に歪みが集中し、緩やかで僅かな加工操作によっても割れてしまう問題点があった。
上述の課題を解決すべく、本発明者らはアルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層を直接的に接合する方法を検討した。その結果、アルミニウム材表面に小孔を備えた多孔性の酸化皮膜とバリア型の酸化皮膜を形成し、多孔性アルミニウム酸化皮膜の表面及び小孔内に熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層を設けることにより、密着性と成形性を両立できることを見出し、本発明に係る第1の発明を完成させるに至った。
更に本発明者らは検討を重ねた結果、アルミニウム材表面に、水酸基を多く有し、かつ、小孔を備えた多孔性の酸化皮膜とバリア型の酸化皮膜を形成し、その多孔性アルミニウム酸化皮膜の表面に熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層を設けることにより、密着性と成形性を両立できることを見出し、本発明に係る第2の発明を完成させるに至った。
第1発明は請求項1〜4に規定されるが、本発明は請求項1において、熱可塑性発泡樹脂層と、その片面又は両面に接合されたアルミニウム材とを備える複合材であって、前記アルミニウム材の少なくとも熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層において、表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられ、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層に直径25〜120nmの小孔が形成され、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部において、当該熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、当該多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から小孔内部に向かって0.5nm以上の深さまで形成されていることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材とした。
本発明は請求項2では、請求項1における熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも1種を含むものとし、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率を1.1〜50倍とした。
更に本発明は請求項3において、アルミニウム材を一方の電極とし、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理する工程と、当該交流電解処理工程後に前記アルミニウム材を電解溶液中に引き続き3〜60秒間浸漬する工程と、当該浸漬工程後に前記アルミニウム材とベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層とを加熱圧着する工程とを含み、当該加熱圧着工程において、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とすることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法とした。
本発明は請求項4では、請求項3における熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも1種を含むものとし、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率を1.1〜50倍とした。
第2発明は請求項5〜10に規定されるが、本発明は請求項5において、熱可塑性発泡樹脂層と、その片面又は両面に接合されたアルミニウム材とを備える複合材であって、前記アルミニウム材の少なくとも熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層において、表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられ、当該アルミニウム材表面の赤外吸収スペクトルにおいて3200〜3600cm−1の領域の吸収率が3%以上であり、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層に直径5〜25nmの小孔が形成され、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部において、当該熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、前記小孔内部の少なくとも一部に形成されており、当該非発泡樹脂層は、前記熱可塑性発泡樹脂層のアルミニウム材に接した表層のみが一旦溶融して消泡した後に再凝固することにより形成されていることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材とした。
本発明は請求項6では、請求項5における熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン及び少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種を含むものとし、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率を1.1〜50倍とした。
本発明は請求項7では、請求項6の少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンにおいて、酸素原子の割合を0.1〜10重量%とした。
本発明は請求項8において、アルミニウム材を一方の電極とし、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理する工程と、交流電解処理工程の終了と同時にアルミニウム材を電解溶液中から取り出す工程と、取り出した前記アルミニウム材を温度80℃以下の水で洗浄する工程と、当該洗浄工程後に前記アルミニウム材を温度80℃以下で乾燥する工程と、当該乾燥工程後に前記アルミニウム材とベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層とを加熱圧着する工程とを含み、当該加熱圧着工程において、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とすることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法とした。
本発明は請求項9では、請求項8における熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン及び少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種を含むものとし、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率を1.1〜50倍とした。
とした。
本発明は請求項10では、請求項9の少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンにおいて、酸素原子の割合を0.1〜10重量%とした。
とした。
本発明により、接着剤等を使用せずにアルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層を直接接合することによって、密着性と成形性に優れたアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材を提供できる。
本発明に係るアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂の複合材の断面構造を示す模式図である。 第1発明に係るアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂の複合材において、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂との接合部の断面構造を示す模式図である。 第2発明に係るアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂の複合材の一実施態様であって、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂との接合部の断面構造を示す模式図である。 第2発明に係るアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂の複合材の他の実施態様であって、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂との接合部の断面構造を示す模式図である。
(第1の発明)
以下、本発明に係る第1の発明の詳細を順に説明する。図1に示すように、第1の発明に係るアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材1は、熱可塑性発泡樹脂層3の片面又は両面に(図では片面に)アルミニウム材2を接合したものである。図2に示すように、アルミニウム材2の少なくとも熱可塑性発泡樹脂層3に接する側の表層21には、表面側に多孔性アルミニウム酸化皮膜層4が形成され、素地側にバリア型アルミニウム酸化皮膜層5が形成されている。多孔性アルミニウム酸化皮膜層4には、小孔41が形成されている。また、アルミニウム材2と熱可塑性発泡樹脂層3との接合部6において、熱可塑性発泡樹脂層3と同一成分の非発泡樹脂層7が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層4上と、小孔41の内部に向かって多孔性アルミニウム酸化皮膜層4の表面から所定深さまで形成されている。
1.アルミニウム材
アルミニウム材としては、純アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられる。形状としては、板材が好適に用いられる。用途に応じて、板厚さと、純アルミニウム又は所定組成の合金とするかを適宜選択することができる。板厚さについては、軽量化と成形性の観点から、0.05〜2mmが好ましく、0.1〜0.5mmが更に好ましい。アルミニウム合金としては、例えば成形性を重視するならJIS1000系又は3000系合金等を、複合材の剛性確保を重視するならJIS5000系合金等を、それぞれ好適に用いることができる。
2.アルミニウム酸化皮膜層
第1の発明に用いるアルミニウム材には、少なくとも熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層において、表面側に形成された多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられる。このように、アルミニウム酸化皮膜層は、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の二層によって構成される。多孔性アルミニウム酸化皮膜層によって、熱可塑性発泡樹脂層に対する密着性と加工性が確保され、バリア型アルミニウム酸化皮膜層によって、アルミニウム酸化皮膜層全体とアルミニウム素地が強固に結合する。
2−1.多孔性アルミニウム酸化皮膜層
多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、20〜500nmである。20nm未満では厚さが十分でないため柔軟性に劣り、アルミニウム材の変形時に多孔性アルミニウム酸化皮膜層が破壊され熱可塑性発泡樹脂層が剥離するためである。一方、500nmを超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層自体が凝集破壊し易くなり、やはり同様に熱可塑性発泡樹脂層が剥離するためである。
多孔性アルミニウム酸化皮膜層は、その表面から深さ方向に向かう小孔を備える。小孔の直径は25〜120nmである。この小孔には、後述するように熱可塑性発泡樹脂層と同一組成の非発泡樹脂層が表面から所定深さまで形成される。その結果、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層とがアンカー効果によって強固に接合される。小孔の直径が25nm未満であると、非発泡樹脂層が小孔内に十分に取り込まれず、十分な密着性が得られない。一方、小孔の直径が120nmを超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層全体が脆くなって凝集破壊を生じ易く、熱可塑性発泡樹脂層が剥離する。
多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面積に対する小孔の全孔面積の比については、特に制限されるものではない。多孔性アルミニウム酸化皮膜層の見かけ上の表面積(表面の微小な凹凸等を考慮せず、長さと幅の乗算で表される面積)に対する小孔の全孔面積の比として、25〜75%が好ましい。25%未満では、非発泡樹脂層が小孔内に十分に取り込まれず、十分な密着性が得られない。75%を超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層全体が脆くなって凝集破壊を生じ易く、熱可塑性発泡樹脂層が剥離する。
2−2.バリア型アルミニウム酸化皮膜層
バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、3〜30nmである。3nm未満では、介在層として多孔性アルミニウム酸化皮膜層とアルミニウム素地との結合に十分な結合力を付与することができず、特に、高温・多湿等の過酷環境における結合力が不十分となる。その結果、熱可塑性発泡樹脂層とアルミニウム酸化皮膜層全体との密着性が確保できない。一方、30nmを超えると、アルミニウム材を加工する際において、その緻密性ゆえにバリア型アルミニウム酸化皮膜層が凝集破壊し易くなる。その結果、成形加工後に熱可塑性発泡樹脂が剥離するなどの不具合が生じる。
3.熱可塑性発泡樹脂層
第1の発明に用いる熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂としては、既存技術の範疇にあるものが用いられるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。これらの樹脂は、1種又は2種以上が混合して用いられる。発泡樹脂層は熱可塑性樹脂であるベース樹脂を各種手法によって発泡させることによって形成されるが、上記樹脂はいずれも、その発泡手法が確立されている。そのために発泡倍率を制御し易いので、寸法精度が安定するという利点を有する。
発泡倍率は、既存技術の範疇にあるものが選択されるが、1.1〜50倍とするのが好ましい。発泡倍率が1.1倍未満では、非発泡の樹脂としての性質が強く現れる。その結果、発泡樹脂の柔軟性が十分に発揮されないため、アルミニウム材の剥離や発泡樹脂層の割れなどが発生して成形性が低下する場合がある。一方、発泡倍率が50倍を超えると、発泡樹脂内部のセル構造においてセル壁が薄くなるため、加工を受けた際に発泡構造が破壊され、これまた成形性に劣る場合がある。
熱可塑性発泡樹脂層は、特に剛性確保の観点から、ある程度以上の厚さがあることが望ましい。具体的には、1〜10mmが好ましく、2〜5mmであれば更に好ましい。
4.非発泡樹脂層
アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部においては、この熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から小孔内部に向かって0.5nm以上の深さまで形成される。この非発泡樹脂層は、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との間に介在して両者の密着性を確保し、また、複合材の成形性付与において極めて重要な役割を果たす。すなわち、この非発泡樹脂層は、熱可塑性発泡樹脂層と同一成分であるために熱可塑性発泡樹脂層との相溶性に優れるので、非発泡樹脂層と熱可塑性発泡樹脂層との結合は極めて強固となる。また、非発泡性であるために多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔内への浸透性に優れ、非発泡樹脂層と小孔内壁との強固な密着性が得られる。その結果、非発泡樹脂層を介してアルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との間に優れた密着性が付与され、この優れた密着性に基づいて複合材の成形性も良好となる。
多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成される非発泡樹脂層の厚さは、1〜50μmである。1μm未満では、形成量が不十分であるため熱可塑性発泡樹脂層とアルミニウム材との十分な密着性が得られない。一方、50μmを超えると、密着性は十分であるものの、加工の際に非発泡樹脂層に応力が集中して割れを生じるなどの不具合がある。
多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から小孔内部に向かって形成される非発泡樹脂層は、0.5nm以上の深さである。0.5nm未満では、非発泡樹脂層と小孔内壁との接触面積が十分に確保されず、十分な密着性が発揮されない。一方、この非発泡樹脂層の深さは、当然のこととして多孔性アルミニウム酸化皮膜層自体の厚みを上回って形成されることはない。従って、小孔内部に向かって形成される非発泡樹脂層の深さの上限は、実質的に多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚みとなる。
非発泡樹脂層は、熱可塑性発泡樹脂層自体が一旦溶融して消泡した後、再凝固することにより形成されるのが望ましい。熱可塑性発泡樹脂層自体の溶融・再凝固による非発泡樹脂層形成の具体的方法については後述する。
5.アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法
以上のような条件を満たした複合材を製造するための一つの方法として、下記(A)〜(C)の工程を含む方法が挙げられる。
(A)アルミニウム材を電極とし、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理する工程と、
(B)交流電解処理工程後に、アルミニウム材を電解溶液中に引き続き3〜60秒間浸漬する工程と、
(C)浸漬工程後に、アルミニウム材とベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層とを加熱圧着する工程であって、この加熱圧着工程において、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒とするものである。
上記(A)の工程により、対電極に対面するアルミニウム材の片面の表層において、表面側の厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側の厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが形成される。アルミニウム材の他方面の表層においても、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層を形成するには、他方面側にも対電極を配置し、すなわち対電極でアルミニウム材を挟むような配置とすれば、両面に同時に皮膜が形成される。
上記(A)の交流電解処理工程においては、他方の電極として黒鉛電極等が用いられる。電解溶液として用いるアルカリ性水溶液は、りん酸ナトリウム、りん酸水素カリウム、ピロりん酸ナトリウム、ピロりん酸カリウム及びメタりん酸ナトリウム等のりん酸塩や;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や;水酸化アンモニウム溶液;或いは、これらの混合物の水溶液を用いることができる。後述するように電解溶液のpHを特定の範囲に保つ必要があることから、バッファー効果の期待できるりん酸塩系物質を含有するアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。このようなアルカリ成分の濃度は、電解溶液のpHが所望の値になるように調整されるが、通常、1×10−4〜1モル/リットルである。なお、これらのアルカリ性水溶液には、汚れ成分に対する除去能力の向上のために界面活性剤を添加してもよい。
電解溶液のpHは9〜13とする必要があり、9.5〜12とするのが好ましい。pHが9未満の場合には、電解溶液のアルカリエッチング力が不足するため多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造が不完全となる。一方、pHが13を超えると、アルカリエッチング力が過剰になるため多孔性アルミニウム酸化皮膜層が成長し難くなり、更にバリア型アルミニウム酸化皮膜層の形成も阻害される。
電解溶液温度は35〜80℃とする必要があり、40〜70℃とするのが好ましい。電解溶液温度が35℃未満では、アルカリエッチング力が不足するため多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造が不完全となる。一方、80℃を超えるとアルカリエッチング力が過剰になるため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層ともに成長が阻害される。
アルカリ交流電解においては、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層を含めた酸化皮膜全体の厚さは電気量、すなわち電流密度と電解時間の積によって制御され、基本的に電気量が多いほど酸化膜全体の厚さが増加する。多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の電解条件は以下の通りである。
用いる周波数は20〜100Hzである。20Hz未満では、電気分解としては直流的要素が高まる結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の多孔質構造の形成が進行せず、緻密構造となってしまう。一方、100Hzを超えると、陽極と陰極の反転が速すぎるため、酸化膜全体の形成が極端に遅くなり、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層ともに、所定の厚さを得るには極めて長時間を要することになる。
電流密度は4〜50A/dmとする必要がある。電流密度が4A/dm未満では、バリア型アルミニウム酸化皮膜層のみが優先的に形成されるために多孔性アルミニウム酸化皮膜層が得られない。一方、50A/dmを超えると、電流が過大になるため多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ制御が困難となり処理ムラが起こり易い。
電解時間は5〜60秒とする必要がある。5秒未満の処理時間では、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の形成が急激過ぎるため、いずれの酸化皮膜層も十分に形成されず、不定形のアルミニウム酸化物から構成される酸化皮膜となるためである。一方、60秒を超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層が厚くなり過ぎたり再溶解するおそれがあるだけでなく、生産性も低下する。
次に、上記(A)工程後の(B)工程において、用いた電解溶液中にアルミニウム材を3〜60秒浸漬し続けることにより、電解溶液のエッチング能力によって多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径を適切に制御することができる。本発明者らの実験によれば、上記の電解溶液及び電解条件を用いた交流電解処理によって得られる小孔の直径は、約5〜20nmである。次いでアルミニウム材を電解溶液中に3〜60秒浸漬し続けることで、直径25〜120nmの小孔が得られる。浸漬時間が3秒未満では、小孔の直径は小さいままである。一方、60秒を超えると小孔の直径は大きくなり過ぎる。
ところで、従来技術において人為的にアルミニウム酸化皮膜層を形成させる方法として、陽極酸化処理(いわゆるアルマイト処理)が挙げられる。これは、主に酸性電解溶液を用いるとともに、被処理アルミニウム材を陽極として直流電気分解する手法であるが、この手法を用いる限りにおいては、本発明の要請事項の達成は極めて困難である。すなわち、アルマイト処理における酸化皮膜層厚さは一般的には数μm前後であり、本発明における多孔性アルミニウム酸化皮膜層(20nm〜500nm)およびバリア型アルミニウム酸化皮膜層(3〜30nm)のような薄い膜厚の制御は困難である。加えて、アルニウム素地との界面にバリア型アルミニウム酸化皮膜層、その上に多孔性アルミニウム酸化皮膜層を形成することは不可能に近い。従って、本発明を実施するにあたっては、上述の方法が最善である。
(B)工程に続く(C)工程において、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層とが接合される。すなわち、ベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層と、(B)工程を経たアルミニウム材を加熱圧着するものである。アルミニウム材の片面の表層にのみ上記酸化皮膜層が形成されている場合には、この表層側が熱可塑性発泡樹脂層側に配置される。この加熱圧着方法では、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とする。
接合部の温度をm℃以上に加熱し、アルミニウム材に接した熱可塑性発泡樹脂層の表層のみを溶融させる。溶融した熱可塑性発泡樹脂成分によって、熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層を多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで形成する。更に、溶融した熱可塑性発泡樹脂成分が多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔内部に取り込まれ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から小孔内部に向かって0.5nm以上の深さにおいても非発泡樹脂層が形成される。
上述のような非発泡樹脂層を形成するには、接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とする必要がある。0.1秒未満では、熱可塑性発泡樹脂層の溶融成分量が少な過ぎる。その結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成される非発泡樹脂層の厚さが不足し、かつ、小孔内に形成される非発泡樹脂層の表面からの深さも不足する。一方、30秒を超えると、熱可塑性発泡樹脂層の溶融が進行し過ぎる。その結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成される非発泡樹脂層の厚さが厚くなり過ぎ、かつ、小孔内に形成される非発泡樹脂層が増大して小孔壁を破壊するなどして多孔性が損なわれる。更に、熱可塑性発泡樹脂層の厚さ自体が減少して寸法精度が損なわれる。
加熱圧着には、例えばホットプレスやロール式加圧装置を用いることができる。ホットプレスは、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層を重ねた積層体に対し、所定の温度に加熱された一対のプレスで加熱及び加圧する方法であり、比較的少量の複合材を作製するのに好適である。またロール式加圧装置は、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層の積層体を、所定の温度に加熱された一対又は二対以上のロールの間を通過させることで加熱及び加圧する方法であり、大量の複合材を作製するのに好適である。この場合、加熱時間はロール回転速度により、また圧力はロールのクリアランス調整及び荷重調整により、それぞれ制御することができる。また、いずれの方法においても、接合部の温度は熱電対等により測定し、m℃以上である時間を0.1〜30秒間に制御することが必要である。
なお、第1の発明に用いるアルミニウム材における多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の構造、ならびに、非発泡樹脂層の厚さの測定には、SEM及びTEMによる断面観察が好適に用いられる。具体的には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径、ならびに、小孔内に形成された非発泡樹脂の表面からの深さは、ウルトラミクロトームにより薄片試料を作製し、TEM観察することによって測定できる。また、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面に形成された非発泡樹脂層の厚さは、複合材試料を断面研磨し、SEM観察することによって測定できる。また、それぞれの測定値は、その観察視野における平均値によって得ることができる。
(第2の発明)
以下、本発明に係る第2の発明の詳細を順に説明する。図1に示すように、第2の発明に係るアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材1も第1の発明に係る複合材と同様に、熱可塑性発泡樹脂層3の片面又は両面に(図では片面に)アルミニウム材2を接合したものである。図3、4に示すように、アルミニウム材2の少なくとも熱可塑性発泡樹脂層3に接する側の表層21には、表面側に多孔性アルミニウム酸化皮膜層4が形成され、素地側にバリア型アルミニウム酸化皮膜層5が形成されている。多孔性アルミニウム酸化皮膜層4には、小孔41が形成されている。また、アルミニウム材2と熱可塑性発泡樹脂層3との接合部6において、熱可塑性発泡樹脂層3と同一成分の非発泡樹脂層7が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層4上と、小孔41の内部の少なくとも一部に形成されている。
以下においては、第2の発明について第1の発明と相違する部分を中心に説明する。
6.アルミニウム材
アルミニウム材としては、上述の第1の発明と同じものが用いられる。
7.アルミニウム酸化皮膜層
第2の発明に用いるアルミニウム材も第1の発明と同じく、少なくとも熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層において、表面側に形成された多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成されたバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられる。このように、第2の発明のアルミニウム酸化皮膜層も、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の二層によって構成される。
アルミニウム材表面では、赤外吸収スペクトルにおける3200〜3600cm−1の領域の吸収率が3%以上である。この領域の吸収は、アルミニウム材の表面に存在する−OH、すなわちアルミニウム水酸基に由来するものである。アルミニウム水酸基は、後述する非発泡樹脂層との間で水素結合を形成し、両者の間に極めて強力な密着性をもたらす。アルミニウム水酸基は、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層のどちらにも含有される。多孔性アルミニウム酸化皮膜層では、その表面及び小孔の内面において非発泡樹脂層との間で水素結合が形成される。バリア型アルミニウム酸化皮膜層では、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔が貫通孔であると、貫通した小孔底部においてバリア型アルミニウム酸化皮膜層の表面が露出し、この露出表面において非発泡樹脂層との間で水素結合が形成される。このように、上記赤外吸収スペクトルの吸収率は、アルミニウム酸化皮膜層全体として規定されるものである。この赤外吸収スペクトルの吸収率が3%未満の場合には、アルミニウム酸化皮膜層全体に含有されるアルミニウム水酸基の量が少ないので、非発泡樹脂層との間で形成される水素結合が不十分となり強力な密着性が得られない。
7−1.多孔性アルミニウム酸化皮膜層
第2の発明における多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、第1の発明におけるものと同じである。
多孔性アルミニウム酸化皮膜層は、その表面から深さ方向に向かう小孔を備える。小孔の直径は5〜25nmであり、好ましくは10〜20nmである。図3、4に示すように、この小孔は、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から内部に向かって形成されており、途中で底部が閉じているもの(411、412)と、多孔性アルミニウム酸化皮膜層を貫通するもの(413)がある。小孔の直径が5nm未満であると、後述する小孔内に入り込む非発泡樹脂層の量が少なくなり水素結合の形成が不十分となる。その結果、アルミニウム酸化皮膜層と非発泡樹脂層との十分な密着性が得られない。一方、小孔の直径が25nmを超えると、多孔性アルミニウム酸化皮膜層全体が脆くなって凝集破壊を生じ易く、熱可塑性発泡樹脂層が剥離する。
第2の発明における多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面積に対する小孔の全孔面積の比については、第1の発明におけるのと同じである。
7−2.バリア型アルミニウム酸化皮膜層
第2の発明におけるバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さは、第1の発明におけるのと同じである。
8.熱可塑性発泡樹脂層
本発明に用いる熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂としては、既存技術の範疇にあるものが用いられるが、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン及び少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンが好適に用いられる。これらの樹脂は、単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。これらの樹脂が好適に用いられる理由として、いずれも成分中に酸素原子を含有しており、その酸素原子がアルミニウム酸化皮膜のアルミニウム水酸基と強い水素結合を生じることが挙げられる。
上記の変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体を導入して変性したものである。本発明で使用する変性ポリオレフィンのベースとなるポリオレフィンには、エチレン、プロピレン、ブテン又はヘキセン等のα−オレフィン単独重合体又はこれらのα−オレフィン同士の共重合体が含まれる。具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂;プロピレン系樹脂;ブテン−1系樹脂;4−メチルペンテン−1系樹脂;エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンの変性に用いるα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、メサコン酸、ソルビン酸又はこれらのエステル、酸無水物、金属塩、アミド、イミド等が挙げられ、単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。これらのうちアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸を単独又は2種以上の混合物として用いるのが好ましい。
少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンは、その成分における酸素原子の割合が0.1〜10重量%であるのが好ましく、0.5〜5重量%であるのが更に好ましい。酸素原子の割合を上記範囲に保つことによって、ポリオレフィンの優れた特性、具体的には耐酸性、耐アルカリ性、高強度、低比重、低吸湿性その他を損なうことなく、水素結合に有効な官能基を導入することができる。この割合が0.1重量%未満では、アルミニウム酸化皮膜の水酸基との間で形成される水素結合が不足して密着性に欠ける場合がある。一方、10重量%を超えると、ポリオレフィンの強度低下および耐酸性、耐アルカリ性の低下を招く場合がある。
発泡樹脂層は、上記のような熱可塑性樹脂であるベース樹脂を各種手法によって発泡させることによって形成されるが、上記樹脂はいずれも、その発泡手法が確立されている。そのために発泡倍率を制御し易いので、寸法精度が安定するという利点を有する。第2の発明における発泡倍率も、第1の発明におけるのと同じである。
第2の発明における熱可塑性発泡樹脂層の厚さも、第1の発明におけるのと同じである。
9.非発泡樹脂層
アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部においては、この熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、小孔内部の少なくとも一部に形成される。この非発泡樹脂層は、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との間に介在して両者の密着性を確保し、また、複合材の成形性付与において極めて重要な役割を果たす。すなわち、この非発泡樹脂層は、熱可塑性発泡樹脂層と同一成分であるために熱可塑性発泡樹脂層との相溶性に優れるので、非発泡樹脂層と熱可塑性発泡樹脂層との結合は極めて強固となる。また、非発泡性であるために多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔内へ浸透して入り込み両者の接触面積を増大させる。このように、アルミニウム酸化皮膜層の表面や内壁のアルミニウム水酸基との水素結合も多量に形成され、非発泡樹脂層とアルミニウム酸化皮膜層との強固な密着性が得られる。その結果、非発泡樹脂層を介してアルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との間に優れた密着性が付与され、この優れた密着性に基づいて複合材の成形性も良好となる。
第2の発明における多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成される非発泡樹脂層の厚さも、第1の発明におけるのと同じである。
非発泡樹脂層は、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔内部の少なくとも一部にも形成される。ここで、「小孔内部の少なくとも一部」とは、非発泡樹脂層が形成されている小孔においては、その内部の全体又は一部に非発泡樹脂層が形成されることを意味するとともに、非発泡樹脂層が形成されている小孔が、存在する複数個の小孔の全部又は一部であることも意味する。図3の小孔(411)及び(412)ではその内部の一部に非発泡樹脂層が形成され、同図の小孔(413)ではその内部の全体に非発泡樹脂層が形成されている。また、同図では、小孔(411)〜(413)の全てにおいて内部に非発泡樹脂層が形成されている。これに代わって、図4に示すように、小孔(412)及び(413)には内部に非発泡樹脂層が形成されているが(411)には形成されていないような、少なくともいずれかの小孔において内部に非発泡樹脂層が形成されていればよい。
小孔内に非発泡樹脂層が入り込むことにより、多孔性アルミニウム酸化皮膜と非発泡樹脂層との接触面積を増大させる。小孔内に入り込んだ非発泡樹脂層と多孔性アルミニウム酸化皮膜層中に存在するアルミニウム水酸基との間で水素結合が形成され、アルミニウム酸化皮膜層と非発泡樹脂層との密着性を更に向上させるものである。非発泡樹脂層が小孔内部に全く形成されないと、非発泡樹脂層とアルミニウム酸化皮膜層との接触面積が不足して十分な密着性が発揮されない。小孔内部に形成される非発泡樹脂層は、存在する全小孔の容積の5%以上が好ましく、10%以上が更に好ましい。
第1の発明におけるのと同様に、非発泡樹脂層は、熱可塑性発泡樹脂層自体が一旦溶融して消泡した後、再凝固することにより形成されるのが望ましい。熱可塑性発泡樹脂層自体の溶融・再凝固による非発泡樹脂層形成の具体的方法については後述する。
10.アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法
以上のような条件を満たした複合材を製造するための一つの方法として、下記(D)〜(H)の工程を含む方法が挙げられる。
(D)アルミニウム材を電極とし、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理する工程と、
(E)交流電解処理工程の終了と同時に前記アルミニウム材を電解溶液中から取り出す工程と、
(F)取り出した前記アルミニウム材を温度80℃以下の水で洗浄する工程と、
(G)洗浄工程後に前記アルミニウム材を温度が80℃以下で乾燥する工程と、
(H)乾燥工程後に、アルミニウム材とベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層とを加熱圧着する工程であって、この加熱圧着工程において、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒とするものである。
工程(D)は、第1の発明における工程(A)と同じである。次に、上記(D)工程後の(E)〜(G)工程において、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径、ならびに、アルミニウム酸化皮膜層全体に含有されるアルミニウム水酸基の量を制御することができる。まず、電解工程終了後直ちにアルミニウム材を電解溶液中から取り出すことで、アルカリエッチングの進行による小孔の直径の拡大を防ぐことができる。続いて、水による洗浄が行なわれるが、この際、洗浄水の温度を80℃以下、好ましくは60℃以下に保つことにより、(D)工程で形成される多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径を維持することができる。洗浄水の温度が80℃を超えると、アルミニウム材表面で水酸化物が不規則に成長してしまい、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔をふさいでしまう不具合が生じる。なお、洗浄水の温度の下限は特に限定されるものではないが、所定の洗浄効果を得るには、20℃以上であることが好ましい。
洗浄工程に続く乾燥工程では、アルミニウム材を80℃以下、好ましくは60℃以下で乾燥することにより、(D)工程で形成されるアルミニウム酸化皮膜層全体に含有されるアルミニウム水酸基を消滅させずに維持することができる。乾燥温度が80℃を超えると、アルミニウム酸化皮膜層に存在するアルミニウム水酸基が脱水されて酸化アルミニウムに変化し易く、その結果として3200〜3600cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収率が3%未満となってしまう。
第1の発明と同様に第2の発明によっても、アルマイト処理では達成できないような薄い多孔性アルミニウム酸化皮膜層(20nm〜500nm)およびバリア型アルミニウム酸化皮膜層(3〜30nm)により、高度な加工性が得られる。従って、第2の発明を実施するにあたっては、上述の方法が最善である。
(G)工程に続く(H)工程は、第1の発明における工程(C)と同じである。(H)工程において、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層とが接合される。すなわち、ベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層と、(G)工程を経たアルミニウム材を加熱圧着するものである。アルミニウム材の片面の表層にのみ上記酸化皮膜層が形成されている場合には、この表層側が熱可塑性発泡樹脂層側に配置される。この加熱圧着方法では、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とする。
接合部の温度をm℃以上に加熱し、アルミニウム材に接した熱可塑性発泡樹脂層の表層のみを溶融させる。溶融した熱可塑性発泡樹脂成分によって、熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層を多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで形成する。更に、溶融した熱可塑性発泡樹脂成分が多孔性アルミニウム酸化皮膜の小孔内部の少なくとも一部に取り込まれ、これまた非発泡樹脂層が形成される。このようにして、溶融した熱可塑性発泡樹脂成分が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層やバリア型アルミニウム酸化皮膜層に含有されるアルミニウム水酸基と水素結合し、強い密着力が発揮される。
上述のような非発泡樹脂層を形成するには、接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とする必要がある。0.1秒未満では、熱可塑性発泡樹脂層の溶融成分量が少な過ぎる。その結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成される非発泡樹脂層の厚さが不足し、かつ、小孔内に形成される非発泡樹脂層の量も不足する。一方、30秒を超えると、熱可塑性発泡樹脂層の溶融が進行し過ぎる。その結果、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成される非発泡樹脂層の厚さが厚くなり過ぎ、かつ、小孔内に形成される非発泡樹脂層が増大して小孔壁を破壊するなどして多孔性が損なわれる。更に、熱可塑性発泡樹脂層の厚さ自体が減少して寸法精度が損なわれる。なお、第2の発明における加熱圧着方法については、第1の発明と同じである。
なお、第2の発明に用いるアルミニウム材における多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層の構造、ならびに、非発泡樹脂層の厚さの測定には、SEM及びTEMによる断面観察が好適に用いられる。具体的には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径は、ウルトラミクロトームにより薄片試料を作製し、TEM観察することによって測定できる。また、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面に形成された非発泡樹脂層の厚さは、複合材試料を断面研磨し、SEM観察することによって測定できる。また、それぞれの測定値は、その観察視野における平均値によって得ることができる。また、アルミニウム材表面の赤外吸収スペクトルの測定には、ベースライン補正機能を有する市販の反射型フーリエ変換赤外吸収スペクトル装置(FT−IR)を好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。まず、第1の発明に係る実施例及び比較例について述べる。
実施例1〜22及び比較例1〜17
熱可塑性発泡樹脂層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートをベース樹脂としたものを使用した。発泡剤としては、無機系発泡剤、ADCA(アゾジカルボンアミド)系発泡剤およびHFC−245faを用いた。使用した熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂、融点、発泡剤、発泡倍率及び形状(縦×横×厚さ)を表1に示す。
Figure 0005740630
アルミニウム材として、100mm角のアルミニウム合金板(板厚0.24mmのJIS5182合金板)を使用した。このアルミニウム合金板を一方の電極に用い、対電極には黒鉛電極を用いた。アルミニウム材の片面を対電極に対面させ、この対面した片面表層に、表面側の多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側のバリア型アルミニウム酸化皮膜層が形成されるように、両電極を配置した。ピロりん酸ナトリウムを主成分とするアルカリ水溶液を、電解溶液として用いた。これらのアルカリ成分の濃度は、0.5モル/リットルとするとともに、塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液(いずれも濃度0.1モル/リットル)によってpHの調製を行なった。表2に示す電解条件にて、交流電解処理を実施して多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層を形成した。
Figure 0005740630
ロール式ラミネーターを用いて、熱可塑性発泡樹脂層の片面にアルミニウム合金板を加熱圧着することにより二層の複合材の試料を作製した。用いたロール式ラミネーターは、上下とも加熱できる2組のメタルロールを140mmの間隔で配置したものであり、表3に示す条件(接合部の温度、通過速度及び接合部の温度が融点以上にある時間)にて1パス処理によって加熱圧着を行った。加熱圧着に際しては、アルミニウム合金板と熱可塑性発泡樹脂層の接合部に熱電対を挿入して、加熱圧着の開始から終了するまでの温度を測定し、熱可塑性発泡樹脂層の融点以上にあった時間を計測した。
Figure 0005740630
以上のようにして作製した複合材試料に対し、SEM及びTEMにより断面観察を実施した。具体的には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径、ならびに、小孔内に形成された非発泡樹脂の表面からの深さ(厚さ)は、ウルトラミクロトームにより作製した薄片試料のTEM観察を行い、観察視野(1μm×1μm)における任意10点の測定結果の平均値を記録した。また、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面に形成された非発泡樹脂層の厚さは、断面研磨した複合材試料のSEM観察を行い、観察視野(100μm×100μm)における任意10点の測定結果の平均値を記録した。結果を表4に示す。
Figure 0005740630
以上の複合材試料について、以下の評価を実施した。
(密着性試験)
熱圧着した試料を10mm幅に切断し、端部のアルミニウム板を熱可塑性樹脂層から手で剥離してV字型に開き、その開いた部分を引張り試験機により100mm/分の速度にて180度方向に引張り、その荷重と剥離状態によって密着性を下記の基準で評価した。
○:荷重が5N/cm以上で、熱可塑性発泡樹脂層自身が接合部付近で凝集破壊している状態
△:荷重が1N/cm以上5N/cm未満で、熱可塑性発泡樹脂層自身が接合部付近で界面剥離している状態
×:荷重が1N/cm未満で、熱可塑性発泡樹脂層自身が接合部付近で界面剥離している状態
○を合格とし、△と×を不合格とした。
(成形性試験)
150℃に加熱した角筒絞り金型(パンチ=40mm×40mm、クリアランス=3mm)にて、各試料について高さ20mmの角筒絞り成形を行い、アルミニウム合金板の剥離長さを測定し、熱可塑性発泡樹脂層の割れも観察した。剥離長さについては、以下の基準で評価した。
○:成形試料において、エッジ部の総剥離長さ50mm未満
△:成形試料において、エッジ部の総剥離長さ50mm以上100mm未満
×:成形試料において、エッジ部の総剥離長さ100mm以上
○を合格とし、△と×を不合格とした。
割れ評価については、以下の基準で評価した。
○:成形試料において、成形割れなし
×:成形試料において、1ヶ所以上に成形割れ発生
○を合格とし、×を不合格とした。
上記評価結果を、表5に示す。
Figure 0005740630
表5から明らかなように、実施例1〜22は本発明の規定要件を満たすため、アルミニウム合金材と熱可塑性発泡樹脂層が直接強固に接合され、かつ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層ならびに熱可塑性発泡樹脂層の適度な柔軟さが保たれているため、密着性試験及び成形性試験ともに合格であった。
一方、比較例1〜17は、本発明の規定要件を満たしておらず、結果として密着性試験及び/又は成形性試験の結果が不合格であった。
具体的には、比較例1では、電解終了後にアルミニウム合金板を電解液中に浸漬した時間が短過ぎたので、小孔の直径が小さ過ぎ、小孔内に形成された非発泡樹脂層の表面からの深さも浅過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例2では、電解終了後にアルミニウム合金板を電解液中に浸漬した時間が長過ぎたため、小孔の直径が大き過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例3では、電解時間が短過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例4では、電解時間が長過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例5では、電解の電流密度が小さ過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎ、小孔の直径も小さ過ぎ、小孔内に形成された非発泡樹脂層の表面からの深さも浅過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例6では、電解の電流密度が大き過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例7では、電解の周波数が低過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層が形成されず、バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ)が不合格であった。
比較例8では、電解の周波数が高過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例9では、電解液の温度が低過ぎたため、小孔の直径が小さ過ぎ、小孔内に非発泡樹脂層が形成されなかった。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ)が不合格であった。
比較例10では、電解液の温度が高過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例11では、電解溶液のpHが低過ぎたため、小孔の直径が小さ過ぎ、小孔内に非発泡樹脂層が形成されなかった。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ)が不合格であった。
比較例12では、電解溶液のpHが高過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎた。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例13では、アルミニウム合金板と熱可塑性発泡樹脂層の接合部の温度が低く熱可塑性発泡樹脂の融点未満であったので、非発泡樹脂層が形成されなかった。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ)が不合格であった。
比較例14では、アルミニウム合金板と熱可塑性発泡樹脂層の接合部の温度が融点以上にある時間が長過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜上に形成された非発泡樹脂層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性は合格であったが、成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例15では、熱可塑性発泡樹脂層を用いていなかったので柔軟性に劣り、密着性は合格であったが、成形性(総剥離長さ及び割れ)が不合格であった。
比較例16では、アルミニウム合金板と熱可塑性発泡樹脂層の接合部の温度が低く、熱可塑性発泡樹脂の軟化点以上ではあるものの融点未満であったので、非発泡樹脂層が形成されなかった。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ)が不合格であった。
比較例17では、アルミニウム合金板と熱可塑性発泡樹脂層の接合部の温度が低く、熱可塑性発泡樹脂の軟化点以上ではあるものの融点未満であったので、非発泡樹脂層が形成されなかった。その結果、密着性及び成形性(総剥離長さ)が不合格であった。
次に、第2に係る実施例及び比較例について述べる。
実施例23〜46及び比較例18〜36
熱可塑性発泡樹脂層としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン及びポリプロピレンをベース樹脂としたものを使用した。発泡剤としては、無機系発泡剤及びHFC−245faを用いた。使用した熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂、融点、酸素含有量、発泡剤、発泡倍率及び形状(縦×横×厚さ)を表6に示す。
Figure 0005740630
アルミニウム材としては、実施例1〜22と比較例1〜17(以下、「第1発明例」と記す)に用いたのと同じアルミニウム合金板を使用した。そして、第1発明例と同様にして、アルミニウム合金板を一方の電極に、黒鉛電極を対電極に用いて、両電極を配置した。電解溶液及びpH調整も第1発明例と同様にして行なった。表7に示す電解条件、ならびに、洗浄及び乾燥の条件にて、交流電解処理を実施して多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層を形成した。
Figure 0005740630
第1発明例と同様にして、ロール式ラミネーターを用いて熱可塑性発泡樹脂層の片面にアルミニウム合金板を加熱圧着することにより二層の複合材の試料を作製した。表8に示す条件にて1パス処理によって加熱圧着を行った。第1発明例と同様にして、加熱圧着の開始から終了するまでの温度を測定し、熱可塑性発泡樹脂層の融点以上にあった時間を計測した。
Figure 0005740630
以上のようにして作製した複合材試料に対し、SEM及びTEMにより断面観察を実施し、FT−IRにより表面分析を実施した。具体的には、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さ、ならびに、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径は、ウルトラミクロトームにより作製した薄片試料のTEM観察を行い、観察視野(1μm×1μm)における任意10点の測定結果の平均値を記録した。また、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面に形成された非発泡樹脂層の厚さは、断面研磨した複合材試料のSEM観察を行い、観察視野(100μm×100μm)における任意10点の測定結果の平均値を記録した。更に、アルミニウム材表面の赤外吸収スペクトルの測定を行い、3200〜3600cm−1の領域の吸収率を記録した。結果を表9に示す。
Figure 0005740630
以上の複合材試料について、以下の評価を実施した。
(密着性試験)
熱圧着した試料を10mm幅に切断し、端部のアルミニウム板を熱可塑性樹脂層から手で剥離してV字型に開き、その開いた部分を引張り試験機により100mm/分の速度にて180度方向に引張り、その荷重と剥離状態によって密着性を下記の基準で評価した。
○:荷重が15N/cm以上で、熱可塑性発泡樹脂層自身が接合部付近で凝集破壊している状態
△:荷重が1N/cm以上15N/cm未満で、熱可塑性発泡樹脂層自身が接合部付近で部分的に凝集破壊している状態
×:荷重が1N/cm未満で、熱可塑性発泡樹脂層自身が接合部付近で界面剥離している状態
○を合格とし、△と×を不合格とした。
(成形性試験)
150℃に加熱した角筒絞り金型(パンチ=40mm×40mm、クリアランス=3mm)にて、各試料について高さ20mmの角筒絞り成形を行った。得られた成形試料のコーナー部を目視観察し、アルミニウム板と発泡樹脂層の成形割れを、以下の基準で評価した。
○:成形試料において、成形割れなし
×:成形試料において、1ヶ所以上に成形割れ発生
○を合格とし、×を不合格とした。
(二次密着性試験)
成形後における二次密着性の評価として、上記の成形試料をオートクレーブ装置にて150℃×30分間水蒸気加熱し、取り出して冷却した後にエッジ部におけるアルミニウム板の総剥離長さを測定し、以下の基準で評価した。
○:成形試料において、エッジ部の総剥離長さ50mm未満
△:成形試料において、エッジ部の総剥離長さ50mm以上100mm未満
×:成形試料において、エッジ部の総剥離長さ100mm以上
○を合格とし、△と×を不合格とした。
上記評価結果を、表10に示す。
Figure 0005740630
表10から明らかなように、実施例23〜46では本発明の規定要件が満たされるため、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層が直接強固に接合され、かつ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層とバリア型アルミニウム酸化皮膜層、ならびに、熱可塑性発泡樹脂層の適度な柔軟さが保たれているため、密着性、成形性及び二次密着性がいずれも合格であった。
一方、比較例18〜36では、本発明の規定要件が満たされておらず、結果として密着性、成形性及び二次密着性のいずれかが不合格であった。
具体的には、比較例18では、電解工程と洗浄工程の終了後の乾燥工程において、乾燥温度が高過ぎたのでアルミニウム酸化皮膜層中のアルミニウム水酸化物の生成が不足し、赤外吸収率が小さくなった。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例19では、電解工程終了後の洗浄工程において、洗浄水の温度が高過ぎたのでアルミニウム材表面に水酸化物が不規則に成長し、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径が小さ過ぎた。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例20では、電解工程における電解時間が短過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎ、赤外吸収率も小さくなった。その結果、密着性及び二次密着性が不合格であった。
比較例21では、電解工程における時間が長過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例22では、電解工程における電流密度が小さ過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎ、赤外吸収率も小さくなった。その結果、密着性及び二次密着性が不合格であった。
比較例23では、電解工程における電流密度が大き過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層及びバリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例24では、電解工程における周波数が低過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層が形成されず、バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが厚過ぎ、赤外吸収率も小さくなった。その結果、密着性及び二次密着性が不合格であった。
比較例25では、電解工程における周波数が高過ぎたため、赤外吸収率が小さくなった。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例26では、電解工程における電解溶液の温度が低過ぎたため、アルミニウム酸化皮膜層中のアルミニウム水酸化物の生成が不足し、赤外吸収率も小さくなった。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例27では、電解工程における電解溶液の温度が高過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎ、小孔の直径が大き過ぎ、バリア型アルミニウム酸化皮膜層の厚さが薄過ぎた。その結果、密着性及び二次密着性が不合格であった。
比較例28では、電解工程における電解溶液のpHが低過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径が小さ過ぎ、赤外吸収率も小さくなった。その結果、密着性、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例29では、電解工程における電解溶液のpHが高過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層の小孔の直径が大き過ぎた。その結果、密着性及び二次密着性が不合格であった。
比較例30では、熱可塑性発泡樹脂層を用いていなかったので柔軟性に劣り、密着性は合格であったものの、成形性及び二次密着性が不合格であった。
比較例31〜35では、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層の接合部の温度が低過ぎ熱可塑性発泡樹脂の融点未満であったので、非発泡樹脂層が形成されなかった。その結果、密着性及び二次密着性が不合格であった。
比較例36では、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層の接合部の温度が融点以上にある時間が長過ぎたため、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に形成された非発泡樹脂層の厚さが厚過ぎた。その結果、密着性は合格であったものの、成形性及び二次密着性が不合格であった。
本発明によれば、高い密着性、ならびに、熱可塑性発泡樹脂層の柔軟性による優れた成形性を有するアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材を得ることができる。
1‥‥‥アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材
2‥‥‥アルミニウム材
21‥‥‥アルミニウム材の熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層
3‥‥‥熱可塑性発泡樹脂層
4‥‥‥多孔性アルミニウム酸化皮膜層
41‥‥‥小孔
411‥‥‥小孔
412‥‥‥小孔
413‥‥‥小孔
5‥‥‥バリア型アルミニウム酸化皮膜層
6‥‥‥アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の接合部
7‥‥‥非発泡樹脂層

Claims (10)

  1. 熱可塑性発泡樹脂層と、その片面又は両面に接合されたアルミニウム材とを備える複合材であって、前記アルミニウム材の少なくとも熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層において、表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられ、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層に直径25〜120nmの小孔が形成され、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部において、当該熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、当該多孔性アルミニウム酸化皮膜層の表面から小孔内部に向かって0.5nm以上の深さまで形成されていることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材。
  2. 前記熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも1種を含み、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率が1.1〜50倍である、請求項1に記載のアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材。
  3. アルミニウム材を一方の電極とし、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理する工程と、当該交流電解処理工程後に前記アルミニウム材を電解溶液中に引き続き3〜60秒間浸漬する工程と、当該浸漬工程後に前記アルミニウム材とベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層とを加熱圧着する工程とを含み、当該加熱圧着工程において、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とすることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法。
  4. 前記熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも1種を含み、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率が1.1〜50倍である、請求項3に記載のアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法。
  5. 熱可塑性発泡樹脂層と、その片面又は両面に接合されたアルミニウム材とを備える複合材であって、前記アルミニウム材の少なくとも熱可塑性発泡樹脂層に接する側の表層において、表面側に形成された厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側に形成された厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層とが設けられ、当該アルミニウム材表面の赤外吸収スペクトルにおいて3200〜3600cm−1の領域の吸収率が3%以上であり、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層に直径5〜25nmの小孔が形成され、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部において、当該熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、前記多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつ、前記小孔内部の少なくとも一部に形成されており、当該非発泡樹脂層は、前記熱可塑性発泡樹脂層のアルミニウム材に接した表層のみが一旦溶融して消泡した後に再凝固することにより形成されていることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材。
  6. 前記熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン及び少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率が1.1〜50倍である、請求項5に記載のアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材。
  7. 前記少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンにおいて、酸素原子の割合が0.1〜10重量%である、請求項6に記載のアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材。
  8. アルミニウム材を一方の電極とし、pH9〜13で液温35〜80℃のアルカリ性水溶液を電解溶液とし、周波数20〜100Hz、電流密度4〜50A/dm及び電解時間5〜60秒間の条件で交流電解処理する工程と、交流電解処理工程の終了と同時にアルミニウム材を電解溶液中から取り出す工程と、取り出した前記アルミニウム材を温度80℃以下の水で洗浄する工程と、当該洗浄工程後に前記アルミニウム材を温度80℃以下で乾燥する工程と、当該乾燥工程後に前記アルミニウム材とベース樹脂の融点がm℃である熱可塑性発泡樹脂層とを加熱圧着する工程とを含み、当該加熱圧着工程において、前記アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部の温度がm℃以上である時間を0.1〜30秒間とすることを特徴とするアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法。
  9. 前記熱可塑性発泡樹脂層のベース樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン及び少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、当該熱可塑性発泡樹脂層の発泡倍率が1.1〜50倍である、請求項8に記載のアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法。
  10. 前記少なくとも一部に変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィンにおいて、酸素原子の割合が0.1〜10重量%である、請求項9に記載のアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材の製造方法。
JP2011025856A 2010-06-22 2011-02-09 アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5740630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011025856A JP5740630B2 (ja) 2010-06-22 2011-02-09 アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010141163 2010-06-22
JP2010141163 2010-06-22
JP2011025856A JP5740630B2 (ja) 2010-06-22 2011-02-09 アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012025145A JP2012025145A (ja) 2012-02-09
JP5740630B2 true JP5740630B2 (ja) 2015-06-24

Family

ID=45778661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011025856A Expired - Fee Related JP5740630B2 (ja) 2010-06-22 2011-02-09 アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5740630B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6041566B2 (ja) * 2012-07-31 2016-12-07 株式会社Uacj アルミニウム複合材及びその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3111108B2 (ja) * 1992-03-25 2000-11-20 明星工業株式会社 断熱材の取付構造
JPH06297639A (ja) * 1993-04-13 1994-10-25 Sky Alum Co Ltd フィルム積層アルミニウム材およびフィルム積層用アルミニウム材の製造方法
JP4275920B2 (ja) * 2002-09-20 2009-06-10 富士フイルム株式会社 酸化皮膜付き金属板およびその製造方法
JP2004168008A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Tomoji Kobayashi 保温シート
JP5275701B2 (ja) * 2008-06-20 2013-08-28 古河スカイ株式会社 プリント配線基板用アルミニウム材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012025145A (ja) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI505941B (zh) 電池外包覆用疊層體
JP6990505B2 (ja) 蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装ケースおよび蓄電デバイス
JP5763848B2 (ja) 電池外包材
JP3774164B2 (ja) 二次電池容器用積層材及び二次電池容器
WO2008013700A3 (en) Embossed high modulus encapsulant sheets for solar cells
JP2003288865A (ja) 二次電池容器用積層材及び二次電池容器
JPS61500840A (ja) 誘電性ボードの製造方法およびこれに使用するプレス板
KR20120112136A (ko) 이차 전지 외장재용 알루미늄박 적층 시트 및 이차 전지 외장재
JP5740630B2 (ja) アルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材及びその製造方法
JP2024026173A (ja) 蓄電デバイス用外装材
JP5145092B2 (ja) プリント配線基板用アルミニウム材及びその製造方法
CN1327417A (zh) 层压薄膜及其生产方法
KR101897667B1 (ko) 이차전지 파우치용 필름 및 그 제조방법
JP2008155939A (ja) 内容物付着防止用蓋材の製造方法
JP5576154B2 (ja) アルミニウム材/発泡樹脂層の複合材及びその製造方法
US6500558B2 (en) Surface-treated aluminum material with superior adhesive properties and production method therefor
US9079385B2 (en) Laminated sheet and composite formed article using the same
KR20210144873A (ko) 수지 필름 라미네이트 금속판 및 그 제조 방법
JP6380688B2 (ja) レトルト密着性に優れるフィルムラミネート金属板およびその製造方法
WO2011045833A1 (ja) 樹脂被覆金属板の製造方法
JP4374960B2 (ja) リチウムイオン電池用外装材
JP4352723B2 (ja) リチウムイオン電池用外装材
JP2004018906A (ja) 表面処理アルミニウム材、その製造方法、アルミニウム成形体及びアルミニウム缶
JP2003276140A (ja) 離型多層フィルム及びカバーレイ成形方法
JP2012251653A (ja) アルミニウム接合体及びこれに用いるアルミニウム管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150310

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5740630

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees